説明

嵩高紙の紙力向上方法

【課題】 抄紙前の製紙工程において嵩高剤などを使用し、紙厚を増加させる嵩高紙の紙力を改善するための方法を提供する。
【解決手段】 嵩高剤等を添加し紙厚を向上した嵩高紙の抄紙前の製紙工程において、重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下、(メタ)アクリルアミド、必要に応じてイオン性単量体を共重合することにより得られる高分子複合体からなる製紙用添加剤を抄紙前の製紙原料中に添加することにより、嵩高紙の紙力を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵩高剤等を添加することにより紙厚を向上させた嵩高紙の紙力を改善する方法に関するものである。さらに詳しくは、紙厚を向上させた嵩高紙の製紙プロセスにおいて、嵩高紙の強度を向上させることのできる製紙用添加剤を添加することにより、嵩高紙の紙力を向上させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の原木供給事情の悪化や環境保全の立場から、少ないパルプ量で、従来の品質を維持した紙が求められている。しかし、単にパルプ量を減らしただけでは、紙厚が薄くなり,不透明度が低下し,印字が裏に透けてみえてしまうことがある。そこで、紙厚を保持しつつパルプ量を減少できる、すなわち紙厚を向上させることができる薬品が求められている。例えば特許文献1には紙用嵩高剤として特定のアルコール及び/またはそのポリオキシアルキレン付加物(WO98/03730号)を用いる方法,特許文献2には多価アルコール脂肪酸エステル及び多価アルコール脂肪酸エステルの平均0モル超12モル未満の炭素数2〜4のオキシアルキレン付加物を用いる方法が開示されている.特許文献3には特定の組成からなる嵩高効果がある抄紙用添加剤に関する技術が開示されている.しかしながら嵩高剤を使用した場合には紙力が低下する,あるいは紙力の低下が小さい場合には嵩高性が不十分である場合がほとんどであり,両者を両立させることは困難な問題であった。
【0003】
一方、紙の紙力を強化する効果がある紙力増強剤は通常、アニオン性と両性が使用されている。このうち、両性の紙力増強剤は、従来アクリルアミドとN、N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリレ−トあるいはN,N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミドなどと(メタ)アクリル酸による共重合体が一般的に使用されてきた。また、これに架橋剤としてN、N−メチレンビスアクリルアミドなどが共重合され、さらに最近では、N,N−ジメチルアクリルアミドが共重合され特異な溶液物性を示す高分子からなる紙力増強剤が開発されている(特許文献4あるいは特許文献5)。
【0004】
また主鎖と側鎖にイオン性の偏りを持たせたグラフトタイプの製紙用添加剤(特許文献6、7)、N−置換アクリルアミドを含むイオン性ポリアクリルアミド混合物に関する製紙用添加剤(特許文献8)、多官能単量体を含むイオン性ポリアクリルアミド混合物(特許文献9)が開示されているが、いずれもカチオン性基部分が(メタ)アクリルアミドを主成分としており、カチオン性基の空間密度が低く、特に抄紙の際に紙厚を向上させる嵩高剤等が添加される場合などには、紙力増強剤のパルプへの定着性が十分とはいえなかった。
【0005】
また、両性アクリルアミド系重合体とカチオン性ビニルモノマーを必須成分とする非アクリルアミド系重合体の混合物からなる製紙用添加剤(特許文献10)、カチオン性高分子からなる分散剤存在下アニオン性単量体および(メタ)アクリルアミド等を共重合することにより得られる紙力増強剤(特許文献11)が開示されているが,いずれもイオンコンプレックスを利用するものであり、この場合にも、抄紙の際に紙厚を向上させる嵩高剤等が添加されたり、塩その他の夾雑物等が存在する場合、効果を発揮しにくい等の問題があった。
【0006】
紙力増強効果は、セルロ−ス分子中の水酸基と紙力増強剤中の水素結合力を有する側鎖との水素結合力に起因するものである。またこれに紙力増強剤として使用される高分子の分子量も効果に影響してくる。すなわち一定の分子量以上、即ち、数10万以上の分子量がないと紙力増強剤としての効果は顕著ではない。従来使用されてきたウェットエンドに添加される紙力増強剤の分子量は、数十万〜100万程度であり、これに前記の架橋性単量体が共重合されたタイプは、200万〜500万に及ぶ。架橋性高分子は、見かけの溶液粘度を低下させることができるので、濃度としてかろうじて15〜20重量%の製品形態を保つことができる。しかしこれだけ分子量が高くなると既に製品濃度としては20重量%が限界と予測される。単なる水溶液の形態では、これ以上製品濃度を高めることはできない。そのため、現状とは異なった形態の紙力増強剤が必要となっている。この課題に対しては塩水溶液中における分散重合タイプが開発されている(特許文献12)。
【0007】
一方、嵩高紙の強度改善に、デンプン系紙力増強剤が使用される場合があるが、使用量が多く、定着性が悪い等の問題がある。
【特許文献1】WO98/03730号公報
【特許文献2】特許第2971447号公報
【特許文献3】特開2002−115199号公報
【特許文献4】特開平5−140893号公報
【特許文献5】特開平7−97790号公報
【特許文献6】特開平05−195485号公報
【特許文献7】特開平07−090797号公報
【特許文献8】特開平10−131085号公報
【特許文献9】特開平10−131086号公報
【特許文献10】特開2005−023434号公報
【特許文献11】特開2002−294593号公報
【特許文献12】特開2002−227095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、嵩高剤などを使用し紙厚を向上させた嵩高紙の紙力を改善するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、鋭意検討することにより、重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下、(メタ)アクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体とイオン性単量体を共重合することにより生成する複合体を嵩高紙抄紙過程で添加することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。さらに複合体中のアニオン基量とカチオン基量が特定の割合の場合に特に著しい効果が発現することを見出した。
【0010】
請求項1の発明は、重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下、アニオン性単量体0〜10モル%とカチオン性単量体0〜10モル%、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とする共重合可能なノニオン性単量体80〜100モル%からなる組成の単量体混合物を重合することにより得られる複合体を、抄紙前の嵩高紙原料中に添加することを特徴とする嵩高紙の紙力向上方法に関するものである。
【0011】
請求項2の発明は、前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子の量が、前記単量体総量と前記カチオン性高分子の量の和に対し5〜30重量%である請求項1記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0012】
請求項3の発明は、前記複合体中のアニオン性基量及びカチオン性基量が、下記(1)及び(2)式を満たすことを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
(1)(カチオン性単量体由来のカチオン性基量)/(アニオン性単量体由来のアニオン性基量)<1(モル比)
(2)(アニオン性単量体由来のアニオン性基量) /(カチオン性高分子由来のカチオン性基量+カチオン性単量体由来のカチオン基量)<1(モル比)
【0013】
請求項4の発明は、前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下重合する単量体が、アニオン性単量体のみであり、かつアニオン性基量とカチオン性基量の比が下記(3)式を満たすことを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
(3)(アニオン性単量体由来のアニオン基量)/(カチオン性高分子中のカチオン基量)<1(モル比)
【0014】
請求項5の発明は、前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下重合する単量体が、(メタ)アクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0015】
請求項6の発明は、重合性二重結合を有するカチオン性高分子が、3級アミノ基を有する単量体と二つ以上の重合性二重結合を有する単量体の共重合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0016】
請求項7の発明は、重合性二重結合を有するカチオン性高分子が、3級アミノ基を有するカチオン性高分子と、3級アミノ基に対し反応性を有する官能基及び重合性二重結合を有する化合物との反応により得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0017】
請求項8の発明は、前記複合体が、重合時に塩を共存させる分散重合によって製造されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0018】
請求項9の発明は、前記嵩高紙が中性抄紙によって製造されたものである請求項1記載の紙力向上方法である。
【0019】
請求項10の発明は、前記製紙用添加剤にカチオン澱粉を併用することを特徴とする請求項1記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【0020】
請求項11の発明は、前記製紙用添加剤と前記カチオン澱粉を予め混合した後、抄紙前の嵩高紙原料中に添加することを特徴とする請求項10記載の嵩高紙の紙力向上方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の製紙用添加剤は、紙力を発現する高分子部分が高カチオン基密度を有するカチオン性高分子部分にグラフトしている高分子からなる複合体であるため、嵩高剤等が添加された製紙原料においてもパルプへの定着性が良好であり、そのため高い紙力向上効果を発揮する。また、パルプへ吸着部分即ちカチオン基部分が局在しているため、嵩高剤のパルプへの定着スペースも確保され、嵩高性を低下させにくいという特長を持つ。すなわち本発明の製紙用添加剤を使用することにより、嵩高紙の低密度性を保ちながら紙力を改善させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の製紙用添加剤は、溶液重合、乳化重合、分散重合いずれの方法でも得られる。得られたものの高分子濃度、溶解の良好性等から、分散重合が特に好ましいがこれに限定するものではい。以下、分散重合タイプの製紙用添加剤について説明する。
【0023】
この製紙用添加剤は、(メタ)アクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体と必要に応じイオン性単量体を加えたものからなる単量体混合物を、塩水溶液中で重合性二重結合を有するカチオン性高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造された高分子複合体からなる。塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性重合体は、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。この方法は、イオン性単量体あるいはイオン性単量体と非イオン性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒径100μm以下の高分子微粒子の分散液を製造することができる。
【0024】
次ぎに具体的な製造方法を述べる。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。このなかに前記単量体類を溶解させ、さらに重合性二重結合を有するカチオン性高分子からなる分散剤を共存させ、pHを2〜5に調製した後、窒素置換後、重合開始剤によって重合を開始させる。
【0025】
重合濃度としては、単量体濃度として15重量%〜35重量%であるが、好ましくは20重量%〜30重量%である。単量体供給方法としては、重合開始持、一括でも良いし、適宜分割して供給しても良い。
【0026】
アニオン性単量体の例は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などがあげられる。カチオン性単量体のうち三級アミノ基含有カチオン性単量体の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどがあげられる。また四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどがあげられる。また、ジアリルメチルアミン、ジアリルベンジルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルメチルベンジルアンモニウムクロリドなどがあげられる。
【0027】
その他共重合可能な非イオン性の単量体を適宜共重合することにより、高分子の改質を行うことも有用な方法である。そのような単量体の例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられる。
【0028】
重合時共存させる二重結合を有するカチオン性高分子は、カチオン性単量体と二つ以上の重合性二重結合を有する単量体とを共重合することにより得られる。高分子に取り込まれた重合性二重結合は反応性が低下し、共重合終了後も一部が残存すると考えられる。このようなカチオン性単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。紙力の面からは3級アミノ基を有するカチオン性単量体が好ましい。二つ以上の重合性二重結合を有する単量体の例としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタアクリレート)類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。これら二つ以上の重合性二重結合を有する単量体の中で最も好ましいものは、
メチレンビスアクリルアミドである。
【0029】
これら二つ以上の重合性二重結合を有する単量体の含有量は、3級アミノ基を有する単量体の量に対し0.005重量%〜0.5重量%であることが好ましい。更に好ましくは、0.01重量%〜0.3重量%である。0.005重量%以下であると複合体の形成が不十分となり紙力増大効果が低下する。0.5重量%よりも多くなると重合時ゲル化を起こし紙力増大効果が低下する。
【0030】
二重結合を有するカチオン性高分子を得る別の方法は、カチオン性単量体を重合させてカチオン性高分子を得た後に該カチオン性高分子に対し反応性を有する官能基と重合性二重結合を同時に有する化合物を該カチオン性高分子に反応させることにより得られる。このようなカチオン性単量体の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、カチオン性高分子に対し反応性を有する官能基と重合性二重結合を有する化合物の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、あるいはその塩酸付加物等が挙げられるが、グリシジル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
【0031】
該化合物の添加量は3級アミノ基を有するカチオン性高分子に対し0.005重量%〜0.5重量%であることが好ましい。更に好ましくは0.01重量%〜0.3重量%である。0.001重量%以下であると複合体の形成が不十分となり紙力増大効果が低下する。0.5重量%をこえると重合時ゲル化を起こし紙力増大効果が低下する。カチオン性高分子に対し反応性を有する官能基と重合性二重結合を有する化合物と該カチオン性高分子との反応は通常の条件で行われる。
【0032】
カチオン性高分子の分子量は10〜500万が好ましい。塩水中分散重合の場合は、分子量が高いと分散液の粘性が高くなりこのましくない。従って分子量は10〜100万が好ましく、更に好ましくは、10〜50万である。また水溶液重合する場合は、粘性の問題はそれほど関係しないので、10〜500万が好ましく、更に好ましくは、10〜500万である。
【0033】
これらカチオン性高分子からなる高分子分散剤の添加量としては、単量体総量と該カチオン性高分子量の和に対して2〜35重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。2%以下では、製紙用添加剤としての効果がなく、35%以上では、コスト的に不利になる。
【0034】
本発明の製紙用添加剤の効果は、全体的に正に荷電した複合体が負に荷電したパルプとの相互作用によりパルプに定着し紙力増大効果を発揮する.
従って、
(アニオン性単量体由来のアニオン基量) /(カチオン性高分子由来のカチオン基量+カチオン性単量体由来のカチオン基量)<1(モル比)
であることが好ましい。また、重合時のアニオン性単量体由来のアニオン基量がカチオン性単量体由来のカチオン基量よりも少ない場合にはカチオン性高分子部分のみならず複合体全体がパルプに吸着することになり、十分な紙力増大効果を発揮しない。更に嵩高剤のパルプへの吸着を必要以上に阻害する結果となり、紙の嵩高性も損なうことになる。従って、より好ましくは重合時、アクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体とアニオン性単量体を重合すること、若しくはアクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体のみを重合することにより複合体を得る事が好ましい。
【0035】
紙力増大への寄与の大きい(メタ)アクリルアミドの含有量は多いほうが好ましいが、二重結合を有するカチオン性高分子とグラフト構造を形成し得なかった一部の高分子を紙力増大へ寄与させるためにイオン性単量体を加えても良い。(メタ)アクリルアミドの量は単量体全体の80〜100モル%が好ましい。アニオン性単量体、カチオン性単量体を加える場合は、それぞれ0〜10モル%が好ましい。
【0036】
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0037】
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0038】
本発明の製紙用添加剤は酸性紙、中性紙いずれに対しても効果を発揮する。また、本発明で使用する製紙用添加剤は、一般的には水に希釈し一様な水溶液として使用する。本発明の製紙用添加剤水溶液を通常の方法でパルプスラリーに添加して抄造し、紙を製造することができる。添加場所は特に制限されないが、種箱、マシンチェスト等が想定される。添加量としては、パルプに対し0.05〜0.5%が好ましい。また、本発明の製紙用添加剤は、カチオン澱粉と併用することにより、効果をより向上させることができる。カチオン澱粉を併用する場合、カチオン澱粉を本発明の添加剤より先に添加しても良いし,後に添加しても良い.また、予めカチオン澱粉溶解液と本発明製紙用添加剤溶解液を混合した後に抄紙系に添加しても良い.カチオン澱粉の使用量としてはパルプに対し0.3〜3%が好ましい。
【0039】
(実施例)以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0040】
(カチオン性高分子の製造例1)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:217.6g、ジメチルアミノエチルメタクリレート60.0g、95%硫酸19.7g、次亜リン酸ナトリウム0.15g、メチレンビスアクリルアミド0.03gを加え、均一な混合溶液とした。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により33〜35℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.048g(対単量体、800ppm)添加し重合を開始させた。7時間重合を継続し反応を終了した.これを20%カチオン性高分子1水溶液とする
【0041】
(カチオン性高分子の製造例2)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:216.8g、ジメチルアミノエチルメタクリレート60.0g、95%硫酸19.7g、メタリルスルホン酸0.54g、メチレンビスアクリルアミド0.06gを加え、均一な混合溶液とした。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により33〜35℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.048g(対単量体、800ppm)添加し重合を開始させた。7時間重合を継続し反応を終了した。これを20%カチオン性高分子2水溶液とする
【0042】
(カチオン性高分子製造例3)メチレンビスアクリルアミドを加えなかった他はカチオン性高分子製造例2と同様の方法でカチオン性高分子を製造した。本カチオン性高分子20%溶液60gに脱イオン水48.5g、グリシジルメタクリレート0.012gを添加した後、45℃で6時間反応した。これを11.1%カチオン性高分子3水溶液とする。
【0043】
(カチオン性高分子製造例4)メタリルスルホン酸0.3g、メチレンビスアクリルアミド0.03gとした以外はカチオン性高分子製造例3と同様の方法で製造を行った。これを20%カチオン性高分子4水溶液とする。
【0044】
(カチオン性高分子比較製造例1)メチレンビスアクリルアミドを加えなかった他はカチオン性高分子製造例3と同様の方法でカチオン性高分子を製造した。これを20%比較カチオン性高分子1水溶液とする。
【0045】
(製紙用添加剤製造例1) 攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:48.8g、硫酸アンモニウム69.6g、塩化ナトリウム2.4g、60%アクリル酸7.09g、50%アクリルアミド111.5gを加え、均一な混合溶液とし、20%カチオン性高分子1水溶液60g(対単量体20重量%)、重合度調節剤として次亜燐酸ナトリウム0.06g(対単量体0.1重量%)を添加し、完全に溶解させた。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により33〜35℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.0048g(対単量体、80ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後5時間たったところで前記開始剤を0.012g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。これを製造例1とする。この製造例1を高分子複合体が2%になるように溶解したときの粘度は68mPasであった。
【0046】
(製紙用添加剤製造例2) 攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:48.6g、硫酸アンモニウム69.6g、塩化ナトリウム2.4g、60%アクリル酸5.07g、50%アクリルアミド113.9gを加え、均一な混合溶液とし、20%カチオン性高分子2水溶液60g(対単量体20重量%)、重合度調節剤として次亜燐酸ナトリウム0.12g(対単量体0.2重量%)、メタリルスルホン酸0.3g(対単量体0.5重量%)を添加し、完全に溶解させた。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により33〜35℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.0048g(対単量体、80ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後5時間たったところで前記開始剤を0.012g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。これを製造例2とする。この製造例4を高分子複合体が2%になるように溶解したときの粘度は36mPasであった。
【0047】
(製紙用添加剤製造例3) 脱イオン水:48.6g、20%カチオン性高分子3水溶液60gの代わりに11.1%カチオン性高分子溶液108.5gを用いた他は製造例2と同様の方法で製造を行った。これを製造例3とする。この製造例3を高分子複合体が2%になるように溶解したときの粘度は24mPasであった。
【0048】
(製紙用添加剤製造例4) 脱イオン水48.7g、次亜燐酸ナトリウム0.06g(対単量体0.1重量%)、20%カチオン性高分子4溶液60gを用いた他は製造例2と同様の方法で製造を行った。これを製造例4とする。この製造例4の高分子複合体を2%になるように溶解したときの粘度は90mPasであった。
【0049】
(製紙用添加剤製造例5) 攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:69.48g、60%アクリル酸4.22g、50%アクリルアミド94.93gを加え、均一な混合溶液とし、20%カチオン性高分子4水溶液50g(対単量体20重量%)、重合度調節剤としてメタリルスルホン酸1.5g(対単量体3.0重量%)を添加し、完全に溶解させた。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により33〜35℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.004g(対単量体、80ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後5時間たったところで前記開始剤を0.01g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。これを製造例9とする。この製造例5を高分子複合体が2%になるように溶解したときの粘度は13mPasであった。
【0050】
(比較製造例1)20%カチオン性高分子3水溶液の代わりに20%比較カチオン性高分子1を用いた他は製造例2と同様の方法で製造を行った。これを比較製造例2とする。この比較製造例2を高分子複合体が2%になるように溶解したときの粘度は17mPasであった。






【0051】
(表1)

DMM:メタクリル酸ジメチルアミノエチル(複合体中のモル%)
MBAA:メチレンビスアクリルアミド(対DMM重量%)
GMA:グリシジルメタクリレート(対DMM重量%)
AAC:アクリル酸(複合体中のモル%)
AAM:アクリルアミド(複合体中のモル%)
A/C複合体:複合体中のカチオン基量に対するアニオン基量のモル比
2%溶解液粘度:mPas
【実施例1】
【0052】
カナディアンスタンダードフリーネス400mlに叩解したLBKPを用いて、本発明の嵩高紙用添加剤を用いて抄紙試験を行った。LBKPを1.0%濃度とした後、市販の炭酸カルシウムをパルプに対して15%、硫酸アルミニウム(Al2O3分として8.0%)対パルプ1.2%を添加して硫酸でpH7.5に調整した。この製紙原料に5%に希釈した市販嵩高剤をパルプに対して1%になるように添加した後10秒間攪拌し、次に1%に希釈した製造例1〜4、及び比較製造例1の製紙用添加剤をパルプに対して0.1%になるように添加した後30秒攪拌し、さらに市販歩留まり剤をパルプに対して200ppmになるように添加した後30秒攪拌した。その後、タッピスタンダードシートマシンで坪量80g/m2となるように抄紙し、得られた湿紙を4Kg/cm2で5分間プレス後、105℃回転式ドライヤーで3分間乾燥し手抄き紙を得た。この手抄き紙を20℃、65% HRの条件下に24時間調湿した後、JIS:P8112 に準じて比破裂強度を測定した。JIS:P8118に準じて嵩密度を測定した。その結果を表2に示す。ブランクとして、製紙用添加剤を添加しなかった場合(嵩高剤、歩留まり剤は添加)の結果も併記した。
【0053】
(表2)

【実施例2】
【0054】
カナディアンスタンダードフリーネス400mlに叩解したLBKPを用いて、本発明の嵩高紙用添加剤を用いて抄紙試験を行った。LBKPを1.0%濃度とした後、市販の炭酸カルシウムをパルプに対して15%、硫酸アルミニウム(Al2O3分として8.0%)対パルプ1.2%を添加して硫酸でpH7.5に調整した。この製紙原料に5%に希釈した市販嵩高剤をパルプに対して1%になるように添加した後10秒間攪拌し、次に1%に希釈した製造例2、5及び比較製造例1のの製紙用添加剤をパルプに対して0.5%になるように添加した後30秒攪拌し、さらに市販歩留まり剤をパルプに対して200ppmになるように添加した後30秒攪拌した。その後、タッピスタンダードシートマシンで坪量80g/m2となるように抄紙し、得られた湿紙を4Kg/cm2で5分間プレス後、105℃回転式ドライヤーで3分間乾燥し手抄き紙を得た。この手抄き紙を20℃、65% HRの条件下に24時間調湿した後、JIS:P8112 に準じて比破裂強度を測定した。JIS:P8118に準じて嵩密度を測定した。その結果を表3に示す。ブランクとして製紙用添加剤を添加しなかった場合(嵩高剤、歩留まり剤は添加)の結果を併記した。



【0055】
(表3)

【実施例3】
【0056】
カナディアンスタンダードフリーネス400mlに叩解したLBKPを用いて、本発明の嵩高紙用添加剤、市販カチオン澱粉、市販合成紙力剤を用いて抄紙試験を行った。LBKPを1.0%濃度とした後、市販の炭酸カルシウムをパルプに対して15%、硫酸アルミニウム(Al2O3分として8.0%)対パルプ1.2%を添加して硫酸でpH7.5に調整した。この製紙原料に5%に希釈した市販嵩高剤をパルプに対して1%になるように添加した後10秒間攪拌し、次に2%に希釈した市販カチオン澱粉をパルプに対し1%になるように添加し、更に10秒攪拌し、次に1%に希釈した製造例2及び市販合成紙力剤1をパルプに対して0.1%になるように添加した後30秒攪拌し、さらに市販歩留まり剤をパルプに対して200ppmになるように添加した後30秒攪拌した。その後、タッピスタンダードシートマシンで坪量80g/m2となるように抄紙し、得られた湿紙を4Kg/cm2で5分間プレス後、105℃回転式ドライヤーで3分間乾燥し手抄き紙を得た。この手抄き紙を20℃、65% HRの条件下に24時間調湿した後、JIS:P8112 に準じて比破裂強度を測定した。JIS:P8118に準じて嵩密度を測定した。その結果を表4に示す。ブランクとしてカチオン澱粉、本発明の製紙用添加剤、市販合成紙力剤を添加しなかった場合(嵩高剤、歩留まり剤は添加)の結果も併記した。




【0057】
(表4)

【実施例4】
【0058】
5%に希釈した市販嵩高剤をパルプに対して1%になるように添加した後10秒間攪拌し、次に予め混合したカチオン澱粉(パルプに対して1%)と製造例2または市販合成紙力剤1(パルプに対して0.1%)を添加した後30秒攪拌し、さらに市販歩留まり剤をパルプに対して200ppmになるように添加した後30秒攪拌した。他は実施例3と同様の方法で抄紙し、得られた紙の評価を行った。その結果を表5に示す。ブランクとしてカチオン澱粉、本発明の製紙用添加剤、市販合成紙力剤を添加しなかった場合(嵩高剤、歩留まり剤は添加)の結果を併記した。
【0059】
(表5)






【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下、アニオン性単量体0〜10モル%とカチオン性単量体0〜10モル%、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とする共重合可能なノニオン性単量体80〜100モル%からなる組成の単量体混合物を重合することにより得られる複合体を、抄紙前の嵩高紙原料中に添加することを特徴とする嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項2】
前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子の量が、前記単量体総量と前記カチオン性高分子の量の和に対し5〜30重量%である請求項1記載の嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項3】
前記複合体中のアニオン性基量及びカチオン性基量が、下記(1)及び(2)式を満たすことを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法。
(1)(カチオン性単量体由来のカチオン性基量)/(アニオン性単量体由来のアニオン性基量)<1(モル比)
(2)(アニオン性単量体由来のアニオン性基量) /(カチオン性高分子由来のカチオン性基量+カチオン性単量体由来のカチオン基量)<1(モル比)
【請求項4】
前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下重合する単量体が、アニオン性単量体のみであり、かつアニオン性基量とカチオン性基量の比が下記(3)式を満たすことを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法。
(3)(アニオン性単量体由来のアニオン基量)/(カチオン性高分子中のカチオン基量)<1(モル比)
【請求項5】
前記重合性二重結合を有するカチオン性高分子存在下重合する単量体が、(メタ)アクリルアミドを主成分とするノニオン性単量体であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の嵩高紙の紙力向上方法
【請求項6】
重合性二重結合を有するカチオン性高分子が、3級アミノ基を有する単量体と二つ以上の重合性二重結合を有する単量体の共重合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項7】
重合性二重結合を有するカチオン性高分子が、3級アミノ基を有するカチオン性高分子と、3級アミノ基に対し反応性を有する官能基及び重合性二重結合を有する化合物との反応により得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項8】
前記複合体が、重合時に塩を共存させる分散重合によって製造されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項9】
前記嵩高紙が中性抄紙によって製造されたものである請求項1記載の紙力向上方法。
【請求項10】
前記製紙用添加剤にカチオン澱粉を併用することを特徴とする請求項1記載の嵩高紙の紙力向上方法。
【請求項11】
前記製紙用添加剤と前記カチオン澱粉を予め混合した後、抄紙前の嵩高紙原料中に添加することを特徴とする請求項10記載の嵩高紙の紙力向上方法。

















【公開番号】特開2008−297655(P2008−297655A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144669(P2007−144669)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000142148)ハイモ株式会社 (151)
【Fターム(参考)】