説明

巻きカーテンを備えるデバイス

本発明は、閉状態と開状態との間で巻かれる及び巻き出されることのできるカーテンを備えるデバイスに関し、前記カーテン1は、その各面の上にベルト2、3を備え、各ベルト2、3は、その長手方向に沿って歯5、6が連続して配置され、このベルト2、3は、カーテン1を巻く際に互いに係合することが可能となるように互いに対向して配置される。前記ベルト2、3の少なくとも一方は、2つのベルト2、3を互いに付着させるように、並びに前記ベルト2、3の一方が長手方向に他方のベルト2、3を押すことが可能となるように、他方のベルト2、3の歯5、6の少なくとも1つの突出部10、11が中に係合することが可能な少なくとも1つの空間8、9を有する歯5、6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉状態と開状態との間で巻き上げる及び巻き出すことが可能な、可撓性側端部を有するカーテンに関する。
【0002】
本発明は、側端部付近の各面の上にベルトを備えるカーテンに関し、歯を有するこれらの2つのベルトは、互いに対して、カーテンが巻き上げられつつある際に噛み合うことが可能となるように配置される。
【背景技術】
【0003】
カーテンが巻き出される際に、側端部に対して平行な方向に、カーテンに対して十分な大きさの力を加えることが可能であることが重要である。いくつかの応用例については、カーテンが巻き上げられつつある際に、側端部の長手方向に、カーテンの側端部に対して押力を加えることが可能でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さらに、本発明の主要な目的の1つは、非常に高速で動かされなければならないカーテンのためにも、この問題に対する非常に効果的な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明によれば、これらのベルトの少なくとも一方は、これら2つのベルトが噛み合うことが可能となるように、並びに、カーテンがその開状態から閉状態に巻き出される際に、又はカーテンが巻き上げられる際に、カーテンを動かすためにこれらのベルトの一方が長手方向に他方のベルトを押すことが可能となるように、他方のベルトの歯の少なくとも一部が中に係合することが可能な少なくとも1つの凹部を有する歯を備える。
【0006】
本発明の好ましい一実施例によれば、上述の2つのベルトは、鋸歯状になされ、鋸歯の形状の歯を有する。
【0007】
本発明の興味深い一実施例によれば、上述の2つのベルトは、鋸歯状になされ、クランプの形態の歯を有する。
【0008】
添付の図面を参照とする、本発明によるローラ・カーテンを備えるデバイスのいくつかの特定の実施例の、非限定的な、単なる例としての以下の説明から、本発明の他の詳細及び特徴が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施例によるデバイスのカーテンの側端部の一部の斜視図である。
【図2】巻き上げられた状態にある前記第1の実施例のカーテンの一部の長手方向断面図である。
【図3】本発明の第2の特定の実施例によるカーテンの巻き上げられた部分のベルトの高さでの長手方向断面図である。
【図4】図3によるカーテンの側端部の一部の斜視図である。
【図5】本発明によるデバイスの変形形態によるカーテンの側端部の一部の、図4のものに類似の斜視図である。
【図6】窓開口部の正面に設置された、本発明によるカーテンを備えるデバイスの第1の応用例の横断面の、非常に概略的な図である。
【図7】ベイの正面に設置された、本発明によるカーテンを備えるデバイスの第2の応用例の横断面の、非常に概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の図面において、同一の参照番号は、類似の又は同一の要素を指す。
【0011】
一般的な様式において、本発明は、ドア又は窓のベイなどの、ベイ又はあらゆる任意の他の開口や、貨物自動車又は船などの運搬手段の荷台を閉じる、水泳用プールを覆う、等々のために設計された、ローラ・カーテンを備えるデバイスに関する。
【0012】
上述のカーテンは、好ましくは可撓性材料から構成される側端部を有する。このカーテンは、例えば、鋸歯状ベルトを備える柔軟区域により側部が縁取られた、防水帆布、網状織物、互いに連結され移動方向に対して直角に延在する一連のラメラ、等々から形成されてよい。
【0013】
このデバイスは、両方のベルトが噛み合うことが可能となるように、並びに、カーテンがその開状態から閉状態へと巻き出される際に、カーテンを動かすためにこれらのベルトの一方が長手方向に他方のベルトを押すことが可能となるように、他方のベルトの歯の少なくとも一部が中に係合することが可能な少なくとも1つの凹部を有する歯を、これらのベルトの少なくとも一方が備えることを特徴とする。この巻出しの際には、ベルトは、カーテンの巻き上げられた部分の一連の巻部が互いに緊密に嵌着した状態を保つように、この巻き上げられた部分においてフック解除状態にならない。このベルトは、カーテンが巻き上げられた状態から巻き出された状態に変わる位置でのみ、フック解除される。
【0014】
図1及び図2は、本発明によるデバイスの第1の実施例に関する。
【0015】
この実施例においては、鋸歯状ベルト2及び3が各面に固定されたカーテン1の一部が示される。これらのベルト2及び3は、カーテン1がドラム7の上に巻き上げられる図2において示されるように、カーテン1が巻き上げられつつある際にベルト2及び3が噛み合うことが可能となるように、互いに面した状態でカーテン1の側端部4の上に配置される。好ましくは、ドラム7は、カーテン1の幅に一致する幅を有するシリンダから形成される。
【0016】
この実施例においては、前記ベルト2及び3の歯5及び6は、クランプのような外観を有する。
【0017】
したがって、歯5及び6は、凹部8及び9、並びに突出部10及び11をそれぞれ有する。歯5及び6の突出部10及び11は、ベルト2及び3の長手方向に、前記歯の対応する凹部8及び9の上に張り出している。
【0018】
凹部8、9の形状、及び突出部10、11の形状は、カーテン1が巻き上げられる際に、一方のベルト2の歯5の突出部10が、他方のベルト3の歯6の凹部9の中に噛み合い、フックすることが可能となるように、並びにその逆となるような形状になされる。好ましくは、歯5及び6は、同一形状を有するが、歯5の突出部は、歯6の突出部とは反対の方向に配向される。
【0019】
また、このことは、歯6の間の距離に対して調節された、2つの連続する歯5の間の距離についても、すなわち、歯の間に形成された切欠部12についても当てはまる。
【0020】
図3は、歯の形状において図1及び図2の実施例とは異なる、第2の実施例を示す。
【0021】
実際に、図3においては、切欠部12により分離された歯5及び6は、ベルト2及び3の長手方向において台形形状の断面を有する。
【0022】
この点において、これらの歯は、鋭角(α)で傾斜された横軸方向面を有し、また、第1の実施例と実質的に同一の機能を果たすクランプを形成する。好ましくは、この鋭角(α)は、10°と40°との間になされ、有利には約20°である。より具体的には、図3においては、歯5及び6は、ベルト2及び3の長手方向において平行四辺形形状の断面をとりわけ有する。
【0023】
特に、この鋭角(α)は、カーテン1が巻き上げられる又は巻き出される際に、ベルト2の突出部10及び11の遠端部が他方のベルト3の突出部をこすることが不可能となるように選択される。したがって、歯5及び6の突出部10及び11が、カーテン1の巻き出された部分がカーテン1の巻き上げられた部分に接触する位置において、変形又は損傷を被ることは不可能となる。
【0024】
ベルト2の歯5の傾斜は、シャッターが矢印13によって示されるように巻き出されつつある際に、ベルト3の歯がベルト2の歯5上に位置することが可能となるように、ベルト3の歯6の傾斜と逆である。
【0025】
切欠部12の幅「a」は、ベルト2及び3の長手方向において、歯5及び6の対応する幅「b」を上回る。
【0026】
これは、埃などの粒子が、前記切欠部12内に蓄積することが不可能となり、歯5及び6の噛合いを妨害することが不可能となるため、有利である。特に、歯5と6との間の前記切欠部12の間の自由空間により、このような埃の粒子は、ベルト2及び3が噛み合う際に、切欠部12から自動的に除去される。
【0027】
図示されない本発明によるデバイスの第1の変形形態においては、歯は、凹部及び突出部が長手方向において歯の両側に設けられるように、ベルトの長手方向に対して垂直な対称面を有する。
【0028】
したがって、一方のベルトの歯と他方のベルトの歯との間での2重の捕捉が実現される。
【0029】
図5に示される本発明によるデバイスの別の変形形態においては、切欠部12の基部での、及びベルト2及び3の長手方向への、切欠部12の幅「a」が、歯5及び6の対応する幅「b」と実質的に一致する。したがって、カーテンが巻き上げられる際にこれらの歯5及び6が切欠部12内にクランプ固定される場合には、先述の実施例に比べて比較的隙間のない、対応する切欠部12中での歯5及び6の捕捉が実現される。
【0030】
ベルト2及び3の歯5及び6は、ベルトの長手方向に対して実質的に垂直に延在する側面と、前記方向に対して例えば約20°の鋭角(α)で傾斜された対向面とを有する。その結果、歯5及び6は、ベルト2及び3の長手方向において台形形状の断面を有する。
【0031】
図6は、本発明によるカーテンを備えるデバイスの、第1の非常に興味深い応用例を示す。この応用例においては、カーテンを備えるデバイスは、壁15中に形成されたベイ14に対向して設置される。
【0032】
このデバイスは、駆動ドラム16との組合せで機能するが、この駆動ドラム16は、カーテン1の幅と実質的に一致する幅を有し、外周部に沿って延在する一連の歯17を備えた遠端部を有するシリンダから形成される。
【0033】
この駆動ドラム16に対向して、ローリング・ドラム7が、駆動ドラム16がベイ14又は壁15とドラム7との間に位置するように設置される。
【0034】
図6に示されるように、カーテン1は、ベイ14に対向して延在し、さらに、駆動ドラム16の外周部の一部の上に誘導される。この駆動ドラム16以降は、カーテン1は、ドラム7の方向に移動し、開状態になるようにドラム7の周囲に巻かれる。
【0035】
カーテン1の側端部は、例えば、図4に示されるように鋸歯状ベルト2及び3を備え、駆動ドラム16の歯17との組合せで機能する。特に、駆動ドラム16の方向に配向されたベルト2の歯5は、前記ドラム16の歯17と噛み合う。したがって、駆動ドラム16が、例えば図6には図示されないモータにより作動されると、カーテン1は、開状態又は閉状態に移らされる。
【0036】
明瞭化のため、ベルト2及び3は、概略図である図6には図示しない。
【0037】
カーテン1が、開状態に移る場合には、ドラム16は、押力が長手方向にカーテン1の側端部に、特にベルト2に加えられるように、矢印18の方向に駆動される。したがって、自身の中心軸20の周囲を自由に回転することが可能なローリング・ドラム7もまた、カーテン1が前記ドラム7の上に巻き上げられるように、駆動されてゆく。
【0038】
カーテン1の両面に設けられた2つのベルト2及び3の歯が噛み合うと、ローリング・ドラム7の上に巻き上げられたカーテン1の部分の一連の巻部が、緊密に嵌着し、コンパクトなロールを形成する。これにより、ローリング・ドラム7は、カーテン1の側端部によって加えられた押力の作用のみによりその軸の周囲で駆動されることが可能となる。
【0039】
図7は、本発明によるカーテンを備えるデバイスの第2の応用例を示す。このデバイスは、ローリング・ドラム7を備え、このローリング・ドラム7は、図示されないモータによりその軸の周囲を回転するように駆動される。ドラム7は、カーテン1を巻き出すことによってベイ14を閉じることが可能となるように、ベイ14の上方に壁15に対向して設置される。
【0040】
カーテン1は、例えば図1又は図4において示されるように、その側端部の上にベルトを備える。
【0041】
したがって、ドラム7の上に巻き上げられたカーテン1の部分によって形成されるロールの一連の巻部は、対応するベルト2及び3の歯5及び6が噛み合うことによって、互いに緊密に嵌着される。
【0042】
カーテン1が、その閉状態へと巻き出される場合には、一連の巻部は、カーテン1がロールから係合解除され、壁15及びベイ14に対向して垂直方向に幾分か移動するまでは、互いに緊密に嵌着した状態を保つ。
【0043】
このことは、カーテン1の側端部が、ベイ14の各側に設けられた滑動レールによって誘導される場合には、特に重要である。この場合には、押力は、ドラム7により、カーテンの長手方向に、カーテンの側端部の上に加えられ、それにより、滑動レールにおける摩擦力を克服することが可能となる。ロールの一連の巻部が互いに緊密に嵌着しない場合には、これは不可能であることは明らかである。
【0044】
図6と同様に、ベルト2及び3は、図7においても図示されない。
【0045】
本発明は、そのうちのいくつかが添付の図面において示される上述の種々の実施例には限定されず、また、多数の他の変形形態が、本発明の範囲内に依然として留まりながら可能であることは、明らかである。
【0046】
したがって、とりわけ一方のベルトの歯を別のベルトの歯と噛み合わせるための手段としての、歯の形状は、広い範囲内において様々なものであってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉状態と開状態との間で巻き上げる及び巻き出すことが可能なカーテンを備えるデバイスであって、このカーテン(1)は、各面の上にベルト(2、3)を備え、各ベルト(2、3)は、長手方向に連続する歯(5、6)を有し、これらのベルト(2、3)は、前記カーテン(1)が巻き上げられつつある際に噛み合うことが可能となるように、互いに対向して置かれる、デバイスにおいて、これらのベルト(2、3)の少なくとも一方は、前記2つのベルト(2、3)が噛み合うことが可能となるように、並びにこれらのベルト(2、3)の一方がそれらの長手方向に他方のベルト(2、3)を押すことが可能となるように、他方のベルト(2、3)の歯(5、6)の少なくとも1つの突出部(10、11)が中に係合することが可能な少なくとも1つの凹部(8、9)を有する歯(5、6)を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記歯(5、6)の前記突出部(10、11)は、前記ベルト(2、3)の長手方向に、前記歯(5、6)の前記凹部(8、9)の上に張り出していることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ベルト(2、3)は、鋸歯状になされ、鋸歯の形状の歯(5、6)を有することを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ベルト(2、3)は、鋸歯状になされ、切欠部(12)によって分離された歯(5、6)を有し、これらの歯は、前記ベルト(2、3)の長手方向において台形形状の、特に平行四辺形形状の断面を有することを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
これら2つのベルト(2、3)は、鋸歯状になされ、クランプ形状の歯(5、6)を有することを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記歯(5、6)は、前記ベルト(2、3)の長手方向に対して、及び前記カーテン(1)の平面に対して、鋭角(α)で傾斜された横軸方向面を有し、前記カーテン(1)の前記面の一方に固定されたベルト(2)の前記歯(5)のこの横軸方向面の傾斜は、前記カーテン(1)が巻き出されつつある又は巻き上げられつつある際に、前記ベルト(2、3)の一方の前記歯(5、6)が他方のベルトの歯上に位置することが可能となるように、反対側の面に固定された前記ベルト(3)の前記歯(6)の横軸方向面の傾斜とは逆であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記歯(5、6)は、前記ベルト(2、3)の長手方向に対して垂直な対称面を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ベルト(2、3)の前記歯(5、6)は、前記ベルトの長手方向に連続的に延在することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ベルト(2、3)は、前記カーテン(1)の側端部に対して平行に延在することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
自身の軸(20)の周囲を自由に回転することが可能なローリング・ドラム(7)と、前記ローリング・ドラム(7)の前記軸(20)に対して実質的に平行に延在する軸(21)を有する駆動ドラム(16)とを備え、前記駆動ドラム(16)は、前記カーテン(1)をその閉状態に移らせるために前記ローリング・ドラム(7)から前記カーテン(1)を巻き出すように、並びに前記カーテン(1)が開かれつつある際に前記ローリング・ドラム(7)の上に前記カーテン(1)を巻き上げるように、前記ベルト(2、3)の一方の前記歯(5、6)との組合せで機能することが可能な、外周部に沿った連続する歯(17)を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載のデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2010−518282(P2010−518282A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548662(P2009−548662)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051204
【国際公開番号】WO2008/101780
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508289361)ダイナコ インターナショナル ソシエテ アノニム (4)
【Fターム(参考)】