説明

巻き簾

【課題】寿司等の巻物や押し寿司等の製造に用いる巻き簾の形状は、巻物等の形を一定に固定することが不可能で、製造者の手により形を整えるため、完成品を一定にすることが困難であった。また、海苔等を巻き簾にのせた時もすべりやすく、糸で留めてある簾状なので、ご飯粒等が細い隙間に付着しやすく、衛生的な使用と管理がしにくかった。
【解決手段】巻き簾本体1に製造品の曲げる目安となる部分を設ける。曲げる目安となる部分は、たとえば完成品の大きさ(幅)に併わせた可動部分2である。また、酢飯(シャリ)等の量を一定に詰めるための目安を設ける。酢飯(シャリ)等を詰める目安は例えば、突起3の高さを詰める具材の目安位置と同じ高さとして設ける。また、本体1にのせた海苔が動かないようにすべり止めを設ける。すべり止めは例えば、海苔の幅に併せた突起3である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、寿司等の巻物や押し寿司等の製造に用いる巻き簾(巻き型)の形状に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の寿司等の巻物や押し寿司等の製造に用いる巻き簾は、図5に示すように、巻き簾の本体は、竹状と糸を使用した、全体的に細い隙間の入った簾状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、製造者の、技量や具材の大きさ、体力等により、寿司等の巻物や押し寿司等を一定水準(縦幅、横幅、重さの水準)で製造することが困難であり、巻き簾に置いた海苔が、酢飯(シャリ)を広げる際等に製造者の力の入れ方によっては、すべりやすかった。
具材や酢飯(シャリ)の量を量って一定にしても、形を整形する時点で、手の大きさや力加減で、完成品の大きさに差が出て、一定水準を保った寿司等の巻物や押し寿司等を製造するのは難しかった。また、本体の竹状と竹状の細い隙間に具材や、酢飯等が入り込み易く、糸も切れやすいので、掃除に手間がかかり、衛生的な管理が難しかった。
【0004】
そこで、この発明は、本体に置く海苔等がすべらず、誰が造っても完成品が一定水準になり、商品製造時に巻き簾(巻き型)本体の隙間への材料等の入り込みをなくし、掃除がしやすく、衛生的な使用と保管が可能な巻き簾(巻き型)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、第一発明は、寿司等の巻物に使用する海苔の幅に併せたすべり止め(突起)を設けたことを特徴とする巻き簾(巻き型)である。
また、第二発明は、寿司等の巻物に使用する海苔の幅に併せたすべり止め(突起)を設け、この突起は酢飯(シャリ)等の詰める高さの目安位置に設置した高さを特徴とする巻き簾(巻き型)である。
また、第三発明は、寿司等の巻物や押し寿司等の製造時に、一定水準の大きさに定めた位置でしか曲がらない、固定した可動部分を複数設けたことを特徴とする巻き簾(巻き型)である。
【発明の効果】
【0006】
第一発明、または第二発明によれば、巻き簾に、酢飯(シャリ)等を詰める目安位置に併せた高さのすべり止めの突起を設けたので、海苔等がすべりにくく、具材が詰めやすい。また、第三発明によれば、一定の場所でしか曲がらない可動部分を設けたので、誰が作っても完成品の大きさが一定しやすく、隙間がないので衛生的に扱いやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
巻き簾本体1は、ある程度の硬さ(低発砲塩ビ板の厚さ3mm位の固さ)であり、衛生的に問題のない材質であることを条件とし、この本体1の側面には、酢飯(シャリ)等を詰める目安位置に設定した高さの突起3が一体的に設けられている。この本体1には可動部分2が多数設けられている。この側面の突起3の側面には固定補助5が設けられている。
【0008】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、可動部分2の働きで、画一的な製造が可能である。したがって、製造者の技量に関らず、完成品の大きさが一定に保てる。突起3の働きで、酢飯(シャリ)等の詰める高さの目安になり、詰めやすい。固定補助5の働きで、製造中の寿司等の巻物や押し寿司等を放置しても、自然に広がったり、崩れたりする心配がない。力を入れずに巻ける為、大量生産でも製造者の手が痛くならない。簾上の細い隙間が無い為にご飯粒等の汚れがつきにくい。掃除がしやすく衛生的である。
【0009】
「他の実施形態」
図1の実施形態では、太巻き製造に水準を併せた可動部分2であったが、他の実施形態では、寿司等の他の巻物の種類(細巻き・中巻き等)の製造に水準を併せた本体幅を設け、突起3の高さ4も、他の巻物等に併せた酢飯(シャリ)等の詰める高さの目安位置に設けたものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す側視図である。
【図3】この発明の一実施形態の変形途中を示す斜視図である。
【図4】この発明の一実施形態の完成時を示す斜視図である。
【図5】従来技術を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0011】
1 巻き簾(巻き型)本体 2 可動部分
3 突起(すべり止め) 4 突起(すべり止め)の高さ
5 固定補助

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造品の大きさの目安となる曲げる位置と、すべり止めを設けたことを特徴とする巻き簾(巻き型)。
【請求項2】
前記曲げる位置は、寿司等の巻物や押し寿司等の製造品の基準幅に併せた位置でしか曲がらない可動部分であることを特徴とする請求項1記載の巻き簾(巻き型)。また、前記すべり止めは、製造時に目安となる高さに調整した突起であることを特徴とする請求項1記載の巻き簾(巻き型)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−11297(P2009−11297A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195190(P2007−195190)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(507252052)
【Fターム(参考)】