説明

巻取ロール紙包装体および巻取ロール紙の包装方法

【課題】水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装して製造することができる巻取ロール紙包装体の提供。
【解決手段】巻取ロール紙を包装紙で包装してなる巻取ロール紙包装体であって、帯状紙をロール状に巻き取ってなる巻取ロール紙と、基紙と当該基紙の裏面に設けられた防湿層とを含み、上記巻取ロール紙の周面を胴巻き包装する帯状の包装紙と、上記基紙と上記防湿層とを接着する接着剤とを備え、上記接着剤は、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取ロール紙包装体および巻取ロール紙の包装方法に関し、より詳しくは、2枚の包装紙で巻取ロール紙を包装する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、防湿性を有する1枚の包装紙で巻取ロール紙を包装する巻取ロール紙の包装方法および当該装置を用いて製造可能な巻取ロール紙包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、抄紙により製造された原紙は、ロール状に巻かれた巻取ロール紙(いわゆる巻取)の形で包装されて保管あるいは出荷される。出荷の際には、流通過程で外圧による破損や、湿度、温度等の環境条件による悪影響を受けないようにすることが重要であり、それは保管の場合も同様である。そのため、従来、図5に示されるように、厚みの大きな外装紙110と、基紙の裏面に防湿層を設けてなる内装紙109とで巻取ロール紙111を二重に包装していた。包装の際には、図6に示されるような包装装置100を用いていた(例えば川之江造機製JW−II自動包装設備)。
【0003】
図6に示される包装装置100は、複数のアンリール部101〜106と、胴巻き部107と、接着剤塗布部108とを備えている。
【0004】
複数のアンリール部101〜106は、胴巻き部107を介して一方側に配置される前側アンリール部101〜103と他方側に配置される後側アンリール部104〜106とを有する。前側アンリール部101〜103は、それぞれ、ロール状に巻かれた内装紙109を巻き出す。後側アンリール部104〜106は、それぞれ、ロール状に巻かれた外装紙110を巻き出す。
【0005】
胴巻き部107は、前側アンリール部101〜103のうちのいずか一つから選択的に内装紙109を引き出し、後側アンリール部104〜106のうちのいずれか一つから選択的に外装紙110を引き出し、引き出した内装紙109と外装紙110とで巻取ロール紙111を二重に胴巻きする。外装紙110は、厚めのクラフト紙で構成されている。内装紙109は、薄めのクラフト紙からなる基紙と、当該基紙の裏面にラミネートされた低密度ポリエチレンフィルムからなる防湿層とで構成されている。
【0006】
なお、内装紙109は、図示しない切断部により巻取ロール紙111の外周長よりも少し長めに切断される。また、外装紙110は、図示しない切断部により内装紙109の長さよりも長めに切断される。巻取ロール紙111が二重に胴巻きされた状態では、外装紙110の巻き終わり端部(いわゆる巻尻)は外装紙110の周面に重なり合った状態にある。
【0007】
接着剤塗布部108は、外装紙110の巻き終わり側端部の表面に水溶性接着剤を塗布する。水溶性接着剤は、酢酸ビニル樹脂系の水溶性接着剤である。胴巻き部107が巻取ロール紙111を胴巻きすることで、水溶性接着剤が塗布された外装紙110の裏面(基紙)と、外装紙110の表面(基紙)とが水溶性接着剤により接着される。
【0008】
胴巻きによる接着後、巻取ロール紙111の両端面に円形の内当紙112が当接される。内当紙112が当接された状態で、外装紙110および内装紙109の両サイドの耳が巻取ロール紙111の両端面に沿って折り込まれる。耳が折り込まれた後、円形の外当紙113が巻取ロール紙111の両端面に対応する位置に装着される。
以上の工程を経て、巻取ロール紙111が二重包装される。
【0009】
この包装方法によれば、内装紙109の防湿層により、巻取ロール紙111の防湿を行うことができる。
【0010】
しかしながら、上記した包装方法においては以下の課題が存在した。
すなわち、外装紙110および内装紙109による二重包装は、包装紙が2枚必要であるためにコスト高になる上、外装紙110と内装紙109の間に空気層ができてしまい、その空気層が湿気を含んで防湿性が劣るという課題があった。また、上記二重包装では外装紙と内装紙とを組み合わせるため、コスト面で内装紙の厚みを薄くする必要があり、防湿性に劣る。よって、製品が外気の湿度に応じて吸放湿しやすくなり、製品に皺が入りやすくなる。内装紙の厚みを増やせは吸放湿は抑制できるものの、外装紙と合わせたトータルコストが高くなる。
【0011】
そこで、最近になって、厚めのクラフト紙からなる基紙と、当該基紙の裏面にラミネートされた低密度ポリエチレンフィルムからなる防湿層とで構成された1枚の包装紙で巻取ロール紙を包装し、荷材費を削減することが行われている。この包装紙で包装する場合、ホットメルト系接着剤を包装紙の巻き終わり端部の裏面に塗布する。ホットメルト系接着剤が塗布された状態で当該包装紙を巻取ロール紙に胴巻きすることにより、包装紙の巻き終わり端部の裏面(防湿層)と、当該包装紙の表面(基紙)とが接着される。なお、二重包装の場合のように水溶性接着剤を使用しても、防湿層に水溶性接着剤がほとんど浸透しないため、基紙と防湿層を接着することができない。
【0012】
このように、1枚の包装紙で巻取ロール紙を包装する場合には、従来はホットメルト系接着剤が使用されていたが、この場合にも以下の課題があった。すなわち、ホットメルト系接着剤を塗布するためには、上記した包装装置100をそのまま使用することはできず、大がかりな改造を施す必要があり、かなりの改造コストがかかる。ホットメルト接着は、ホットメルトを専用のタンクで加熱し流動性を持たせ、タンクから流送されたホットメルトを専用のガンから吐出して被着体に塗布し、被着体同士を貼り合わせた後、数秒から数十秒かけて自然冷却して硬化させることで、接着性が付与されるものである。このような接着システムは、ホットメルト系接着剤を80°C〜200°C程度と高温に保持しなければならないことから、熱コントロール用の専用機器が必要となり、改造コストがかかる。従来の包装装置100において、水溶性接着剤を塗布するための機構は、水溶性水溶性接着剤を溜める糊トレイと、この糊トレイに溜まった水溶性接着剤を外装紙に塗布する塗布ローラとを備えるものである。この機構では糊トレイの上部が解放されているために、ホットメルト系接着剤を入れるとホットメルト系接着剤がすぐに固まってしまうため、この機構を用いてホットメルト系接着剤を塗布することはできない。
【0013】
よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置100に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装することが課題となっていた。
【0014】
なお、特許文献1には、巻取ロール紙に防湿シートを巻き付けるための巻付装置が開示されている。しかしながら、この装置は、防湿シートを両面テープで接着することにより当該シートの巻付け状態を固定する装置であり、水溶性接着剤の塗布機構を有する上記包装装置を用いて巻取ロール紙の包装を行うものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平5−116818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装する巻取ロール紙の包装方法および当該装置を用いて製造可能な巻取ロール紙包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明では以下の手段を採用した。すなわち、
第1の発明は、
巻取ロール紙を包装紙で包装してなる巻取ロール紙包装体であって、
帯状紙をロール状に巻き取ってなる巻取ロール紙と、
基紙と当該基紙の裏面に設けられた防湿層とを含み、上記巻取ロール紙の周面を胴巻き包装する帯状の包装紙と、
上記基紙と上記防湿層とを接着する接着剤とを備え、
上記接着剤は、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であることを特徴とする巻取ロール紙包装体である。
【0018】
第1の発明によれば、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の水溶性接着剤を用いるので、基紙と防湿層とを水溶性接着剤で強固に接着することができる。よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装してなる巻取ロール紙包装体を得ることができる。これにより、設備費を増加させることなく、荷材費削減および防湿性確保を同時に達成することができる。
【0019】
第2の発明は、第1の発明において、
上記基紙表面の表面粗さは5.5μm以上20μm以下であり、上記防湿層表面の表面粗さは2μm以上5.5μm未満であることを特徴とする。
【0020】
第2の発明によれば、基紙と防湿層とを水溶性接着剤でより強固に接着することができる。
【0021】
第3の発明は、第1または第2の発明において、
上記防湿層の材質は低密度ポリエチレンであり、上記防湿層の厚みは10〜50μmであることを特徴とする。
【0022】
第3の発明によれば、基紙と防湿層とを水溶性接着剤でより強固に接着することができる。
【0023】
第4の発明は、第1乃至第3いずれかの発明において、
上記接着剤の不揮発分が20〜55質量%であることを特徴とする。
【0024】
第4の発明によれば、基紙と防湿層とを水溶性接着剤でより強固に接着することができる。
【0025】
第5の発明は、
巻取ロール紙を包装紙で包装する方法であって、
基紙と当該基紙の裏面に設けられた防湿層とを含む帯状の上記包装紙で、上記巻取ロール紙の周面を胴巻きする胴巻き工程と、
上記包装紙で上記巻取ロール紙の周面を胴巻きすることで上記基紙と上記防湿層とを接着する接着剤を、上記包装紙に塗布する接着剤塗布工程とを備え、
上記接着剤は水溶性接着剤であり、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であることを特徴とする巻取ロール紙の包装方法である。
【0026】
第5の発明によれば、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の水溶性接着剤を用いるので、基紙と防湿層とを水溶性接着剤で強固に接着することができる。よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装してなる巻取ロール紙包装体を得ることができる。これにより、設備費を増加させることなく、荷材費削減および防湿性確保を同時に達成することができる。
【0027】
第6の発明は、第5の発明において、
各々が上記包装紙を巻き出す複数のアンリール部と、
上記複数のアンリール部のうちいずれか一つのアンリール部のみから選択的に上記包装紙を巻き出させる選択部と、
を備える包装装置を用いて上記巻取ロール紙を包装することを特徴とする。
【0028】
第6の発明によれば、従来の包装装置が有する複数のアンリール部から選択的に1つの包装紙を巻き出して、巻取ロール紙の包装を行うことができる。
【0029】
第7の発明は、第5または第6の発明において、
上記複数のアンリール部は、上記胴巻き部を介して一方側に配置される前側アンリール部と他方側に配置される後側アンリール部とを有し、
上記選択部は、上記前側アンリール部と上記後側アンリール部のうちいずれか一方のみから一つのアンリール部を選択することを特徴とする。
【0030】
第7の発明によれば、従来の包装装置が有する前側アンリール部(従来は外装紙をアンリールする部分として使用)と後側アンリール部(従来は内装紙をアンリールする部分として使用)の双方を、同種の防湿性包装紙をアンリールする部分として使用することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙で巻取ロール紙を包装する巻取ロール紙の包装方法および当該装置を用いて製造可能な巻取ロール紙包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る巻取ロール紙包装体を示す図
【図2】本発明の実施形態に係る巻取ロール紙包装体の構成要素を示す図であり、(A)は各構成要素を個別に示す図、(B)は包装紙の断面を拡大して示す図
【図3】本発明の実施形態に係る巻取ロール紙包装体の製造装置を示す図
【図4】本発明に係る巻取ロール紙包装体の製造装置の一部を拡大して示す図(巻き出し部、接着剤塗布部)
【図5】従来の巻取ロール紙包装体の構成要素を示す図
【図6】従来の巻取ロール紙包装体の製造装置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施形態)
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る巻取ロール紙包装体を示す図である。図2は、本発明に係る巻取ロール紙包装体の構成要素を示す図であり、(A)は各構成要素を個別に示す図、(B)は包装紙の断面を拡大して示す図である。図3は、本発明に係る巻取ロール紙包装体の製造装置を示す図である。図4は、本発明に係る巻取ロール紙包装体の製造装置の一部を拡大して示す図(巻き出し部、接着剤塗布部)である。
【0034】
まず、本発明に係る巻取ロール紙包装体について説明する。
図1、2に示されるように、本発明に係る巻取ロール紙包装体1は、巻取ロール紙2を包装紙3で包装してなるものである。巻取ロール紙包装体1は、主要な構成として、巻取ロール紙2と、接着剤4と、包装紙3とを備えている。
【0035】
巻取ロール紙2は、帯状紙をロール状に巻き取ってなるものである。帯状紙の種類は特に限定されず、例えば、上質紙、中質紙、クラフト紙、新聞紙などを挙げることができる。また、巻取ロール紙2の幅や直径等の特に限定されない。後述するように、巻取ロール紙2の幅に応じた適切な幅の包装紙3が選択される。
【0036】
包装紙3は、基紙5と基紙5の裏面に設けられた防湿層6とを含み、巻取ロール紙2の周面を胴巻き包装する帯状の包装紙である。
【0037】
基紙5の材質は特に限定されないが、例えば、段ボールのライナーとして使用されるクラフト紙を使用することができる。基紙5の厚みも特に限定されないが、例えば、90〜400μm、好ましくは110〜350μmに設定することができる。このような厚みに設定することで、耐圧性や耐衝撃性に優れた基紙とすることができる。また、基紙5のパーカープリントサーフ表面粗さは、特に限定されるものではないが、5.5μm以上20μm以下に設定することが好ましく、6.0μm以上10μm以下に設定することがさらに好ましい。
【0038】
防湿層6の材質は、防湿性、柔軟性、耐衝撃性が良好なものであれば特に限定されず、防湿性を有する塗料を塗布して防湿層を設けても良く、押出しラミネート方式で設けても良く、フィルムを貼合するドライラミネート方式でも良く、ホットメルトラミネート、ウェットラミネート、ワックスラミネートや、その他のラミネート方式で設けても良い。この中でも、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等をラミネート加工して防湿層を設けると、特に防湿性に優れるため好ましい。防湿層6の厚みも特に限定されないが、10〜50μmに設定することが好ましく、12〜25μmに設定することがさらに好ましい。また、防湿層6のパーカープリントサーフ表面粗さは、特に限定されるものではないが、2μm以上5.5μm未満に設定することが好ましく、3μm以上5μm未満に設定することがさらに好ましい。
【0039】
防湿層6の表面は、基紙5の表面よりも平滑であることが好ましい。糊付けは後述のとおり、防湿層6に糊が塗布され基紙5と貼り合わされるため、平滑な防湿層6に糊付けした後、粗い基紙5に貼合することで、より剥離強度が高く防湿性に優れた巻取が得られやすい。粗い基紙5に糊付けした後、平滑な防湿層6に貼合すると、基紙5に糊が均一に塗布されたとしても、基紙5の凹凸により防湿層6に糊が転写されにくく、均一に貼合されにくくなり、剥離強度が低下しやすいだけでなく、防湿性も低下しやすい。
【0040】
ここで、パーカープリントサーフ表面粗さについて説明する。パーカープリントサーフ表面粗さは、約51μmの狭い間隔における紙表面の凹凸を測定し、平坦性を評価するものである。ベック平滑度とは異なり紙の通気性の影響を受けにくいため、一般に印刷適性と相関が高く、印刷適性の指標として用いられている。本発明においては、この狭い間隔における基紙5および防湿層6の表面凹凸を所定範囲内とした包装紙3を用いることで、基紙5および防湿層6を均一に接着させることができ、高い剥離強度が得られるものである。
【0041】
上述のパーカープリントサーフ表面粗さに加えて、本発明で用いる防湿層6は、水に対する表面の接触角が90°以上であることが好ましく、基材5の表面も90°以上であることがより好ましい。本発明では水溶性接着剤を用いて接着させるため、いずれも90°以下となじみやすい方が良いと考えられたが、90°以下の場合、糊が基紙5および防湿層6と過度になじみやすい。この場合、糊が防湿層6に塗布されても防湿層6に吸収されやすくなり、基紙5と貼合した際に、貼合後の剥離強度が低くなる傾向があった。
基材5および防湿層6は、それぞれ異なる接触角を有することが好ましい。先に糊が塗布される防湿層6の接触角を、基紙5の接触角より大きくすると、糊がより防湿層6に吸収されにくく、基紙5と貼合した際に、より剥離強度が向上して防湿性に優れる巻取となる。
【0042】
接触角は、静止した液体の表面が固体壁に接するところで液面と固体面がなす角のことであり、本発明においては基材5および防湿層6の水に対する濡れ性を表す指標として用いる。接触角は、TAPPI 458om−84に準じて測定される。
【0043】
なお、上述のとおり、防湿層6の接触角が90°以上であり、基紙5よりも防湿層6の方が、より接触角が大きく、より平滑(パーカープリントサーフ表面粗さが小さい)であることが好ましいが、これは防湿層6に糊が塗布され、基紙5と貼合される場合である。基紙5に糊が塗布され、防湿層6と貼合される場合は、基紙5の接触角が90°以上であり、防湿層6よりも基紙5の方が、より接触角が大きく、より平滑(パーカープリントサーフ表面粗さが小さい)であることが好ましい。
【0044】
接着剤4は、包装紙3で巻取ロール紙2を胴巻きする前に少なくとも包装紙3の巻き終わり端部付近の裏面(防湿層6)に塗布される。接着剤4が塗布された状態の包装紙3で巻取ロール紙2を胴巻きすることで、基紙5と防湿層6とが接着される。接着剤4の塗布面積は特に限定されるものではないが、巻取ロール紙の周面0.5周以上を糊付けすることで、十分な接着強度が得られるため好ましく、1.0周以上であればより好ましい。この場合、包装紙は1.5周以上、さらには2.0周以上が必要となる。
【0045】
接着剤4は、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤である。アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤は、水溶性であるので、水溶性接着剤の塗布機構を有する既存の包装設備を用いて、包装紙3による包装を行うことができる。また、この接着剤は水溶性なので、塗布前の段階で水と混ぜてアクリル酸エステル成分の濃度(不揮発分濃度)を調節しやすい。また、この接着剤は水溶解性であるので、包装紙3へ塗布されて包装紙3が使用された後、包装紙3をリサイクルする際に、水に容易に溶ける。よって、この接着剤を資料すると、包装紙3のリサイクルが容易になる。なお、従来のホットメルト接着は、ホットメルトが水に分散しないためリサイクル性はない。接着剤4としては、例えば、アクリルエマルジョン(商品名「エスダイン#7110」、原液の不揮発分50%、積水フーラー株式会社製)を水で希釈または濃縮し、不揮発分(樹脂分)が20〜55%になった状態で使用することができる。希釈する事で耐剥離性を維持しながら作業性を向上できる利点がある。不揮発分が20%未満であると、十分な接着効果が得られず、基紙5と防湿層6の接着が剥がれる可能性があり、不揮発分が55%を超えると、粘性が必要以上に高くなり、接着剤が通るライン(パイプ)内で接着剤が詰る可能性がある。
【0046】
アクリル酸エステルの種類は特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル等が挙げられる。
【0047】
本発明に係る巻取ロール紙包装体1によれば、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤4を用いるので、基紙5と防湿層6とを水溶性接着剤で強固に接着することができる。よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来(既存)の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙3で巻取ロール紙2を包装し、巻取ロール紙包装体1を得ることができる。これにより、設備費を増加させることなく、荷材費削減および防湿性確保を同時に達成することができる。
【0048】
次に、本発明に係る、巻取ロール紙2の包装方法について説明する。
本発明に係る包装方法は、主要な工程として、胴巻き工程と、接着剤塗布工程とを備える。
【0049】
胴巻き工程は、基紙5と基紙5の裏面に設けられた防湿層6とを含む帯状の包装紙3で、巻取ロール紙2の周面を胴巻きする工程である。
【0050】
接着剤塗布工程は、包装紙3で巻取ロール紙2の周面を胴巻きすることで基紙5と防湿層6とを接着する接着剤4を包装紙3に塗布する工程である。接着剤塗布工程は、胴巻き工程の前に行われる。接着剤4は、上記したように、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤である。接着剤4は、包装紙3で巻取ロール紙2を胴巻きする前に少なくとも包装紙3の巻き終わり端部付近の裏面(防湿層6)に塗布される。接着剤4が塗布された状態の包装紙3で巻取ロール紙2を胴巻きすることで、基紙5と防湿層6とが接着される。
【0051】
その他の工程としては、巻き出した包装紙3を所要長さで切断する切断工程と、胴巻き工程による包装紙3の接着後、巻取ロール紙2の両端面に円形の内当紙7(図2参照)を当接する工程と、内当紙7が当接された状態で、包装紙3の両サイドの耳を巻取ロール紙2の両端面に沿って折り込む工程と、耳が折り込まれた後、円形の外当紙9(図2参照)を巻取ロール紙2の両端面に対応する位置に装着する工程とがある。
【0052】
ここで、胴巻き工程と内当紙7を当接する工程とは、別工程であることが好ましい。同巻き工程と内当紙7を当接する工程とを同時に行う、すなわち包装紙3と内当紙7とを同時に巻取に装着すると、回転する包装紙3と回転しない内当紙7とが擦れて、内当紙7の円周部分がへたりやすく、包装紙3と内当紙7との間に隙間ができて防湿性に劣りやすくなるため好ましくない。特に、防湿層6を内側にして巻き取る場合は、防湿層6が内当紙7の円周部分により損傷して防湿性が低下する可能性があるため好ましくない。
以上の工程を経て、巻取ロール紙2が包装紙3で包装される。
【0053】
本発明に係る巻取ロール紙の包装方法によれば、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤4を用いるので、基紙5と防湿層6とを水溶性接着剤で強固に接着することができる。よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来(既存)の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙3で巻取ロール紙2を包装し、巻取ロール紙包装体1を得ることができる。これにより、設備費を増加させることなく、荷材費削減および防湿性確保を同時に達成することができる。
【0054】
次に、本発明に係る巻取ロール紙の包装方法で使用される包装装置について説明する。
図3に示されるように、本発明における巻取ロール紙の包装装置8は、主要な構成として、複数のアンリール部91〜96と、接着剤塗布部10と、選択部11と、胴巻き部12とを備えている(例えば川之江造機製JW−II自動包装設備)。
【0055】
本発明における製造装置8は、従来(既存)の製造装置100(図6参照)と構成は同じであるが、使用方法が異なる。
【0056】
複数のアンリール部91〜96は、各々が包装紙3を巻き出す。複数のアンリール部91〜96は、胴巻き部12を介して一方側に配置される前側アンリール部91〜93と他方側に配置される後側アンリール部94〜96とに分かれる。従来の使用方法では、前側アンリール部91〜93は、外装紙ロールから外装紙を巻き出していたが、本発明では包装紙3のロールから包装紙3を巻き出す。また、従来の使用方法では、後側アンリール部94〜96は、内装紙ロールから内装紙を巻き出していたが、本発明では包装紙3のロールから包装紙3を巻き出す。つまり、前側アンリール部91〜93と後側アンリール部94〜96は、同種の包装紙3を巻き出す。なお、前側アンリール部91、92、93には、幅が相異なる包装紙3のロールが配置されている。後側アンリール部94、95、96には、幅が相異なる包装紙3のロールが配置されている。よって、巻取ロール紙2の幅に応じて、その幅に適した幅の包装紙3を前側アンリール部91〜93から選択的に巻き出すことができる。また、巻取ロール紙2の幅に応じて、その幅に適した幅の包装紙3を後側アンリール部94〜96から選択的に巻き出すことができる。すなわち、従来の製造装置100では不可能であった、4〜6種類の異なる幅の包装紙3をアンリール部に配置することができ、4〜6種類の異なる幅を有する巻取を、同じ包装装置で作業性良く包装することができる。
【0057】
接着剤塗布部10は、基紙5と防湿層6とを接着する接着剤4を、包装紙3に塗布する。接着剤4としては、上記の如く、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であり、この接着剤は水溶性接着剤である。図4に示されるように、接着剤塗布部10は、水溶性接着剤4を溜める接着剤トレイ17と、この接着剤トレイ17に溜まった水溶性接着剤4を包装紙3に塗布する塗布ローラ18と、接着剤トレイ17に接着剤4を供給する接着剤タンク、ポンプ、および送液パイプ(いずれも図示せず)と、接着剤トレイ17から溢れた接着剤4を接着剤タンクに戻す送液パイプ(図示せず)とを備えている。接着剤トレイ17は上部が解放されているが、本発明では水溶性接着剤4を入れるので、接着剤4が固まってしまうことがなく、送液パイプの詰りも生じない。
【0058】
選択部11は、複数のアンリール部91〜96のうちいずれか一つのアンリール部から選択的に包装紙3を巻き出させる。より具体的には、選択部11は、前側アンリール部91〜93と後側アンリール部94〜96のうちいずれか一方から、包装紙3の幅に応じた幅の包装紙3が配置された一つのアンリール部を選択し、選択したアンリール部から包装紙3を巻き出させる。選択部11は、選択機能等を有するマイクロコンピュータによって制御されたロールの駆動により、選択されたアンリール部から包装紙3を巻き出させる。
【0059】
胴巻き部12は、巻き出された包装紙3で巻取ロール紙2の周面を胴巻きする。この胴巻きにより、包装紙3の巻き終わり端部付近の防湿層6と、包装紙3の長手方向中途部の基紙5とが接着される。
【0060】
その他の構成としては、巻き出した包装紙3を所要長さで切断する切断部16(図4参照)と、包装紙3を胴巻き部12による包装紙3の接着後、巻取ロール紙2の両端面に円形の内当紙7を当接する第1当接部13と、内当紙7が当接された状態で、包装紙3の両サイドの耳を巻取ロール紙2の両端面に沿って折り込む折り込み部14と、耳が折り込まれた後、円形の外当紙9を巻取ロール紙2の両端面に対応する位置に装着する第2当接部15等がある。
以上の各構成要素は、マイクロコンピュータによって動作が制御される。
【0061】
包装装置8によれば、従来(既存)の包装装置が有する複数のアンリール部91〜96から選択的に1つの包装紙3を巻き出して、巻取ロール紙2の包装を行うことができる。また、従来の包装装置が有する前側アンリール部(従来は内装紙をアンリールする部分として使用)と後側アンリール部(従来は外装紙をアンリールする部分として使用)の双方を、同種の防湿性包装紙3をアンリールする部分として使用することができる。よって、水溶性接着剤の塗布機構を有する従来の包装装置に改造を施すことなく、当該装置を用いて、1枚の防湿性包装紙3で巻取ロール紙2を包装することができる。
【0062】
なお、上記実施形態においては、接着剤4は、包装紙3で巻取ロール紙2を胴巻きする前に少なくとも包装紙3の巻き終わり端部付近の裏面(防湿層6)に塗布されるとしたが、本発明はこれに限られず、表面を防湿層6、裏面を基紙5として、基紙5に接着剤を塗布することもできる。また、接着剤を塗布する場所もこれに限られない。
【0063】
<実施例>
次に、本発明に係る包装紙3の実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0064】
(実施例1〜22)
クラフト紙からなる基紙の片面に合成樹脂フィルムをラミネートした包装紙を、25mm×230mmに裁断して試験用包装紙を作製した。その際、基紙および防湿層の材質、厚み、表面粗さを変化させた(実施例1〜22。表1参照)。この試験用包装紙の防湿層面にバーコーター#50を使用してアクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸樹脂系接着剤を厚み約50μm(ウエット状態)塗布した。この塗布面に、他に用意した同じ包装紙の基紙面を重ねて6.5kgハンドローラーで一往復圧縮し、一晩室温で養生した物を試験片とした(実施例1〜22)。接着剤の種類、不揮発分、粘度についても変化させた(実施例1〜22。表1参照)。アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸樹脂系接着剤としては、商品名「エスダイン#7110」(原液の不揮発分50%、積水フーラー株式会社製)を水で希釈または濃縮して不揮発分濃度を調整して使用した。
【0065】
【表1】

【0066】
(比較例1〜2)
クラフト紙からなる外装紙を用意し、これらを25mm×230mmに裁断し、試験用外装紙を作製した。この試験用外装紙にバーコーター#50を使用して酢酸ビニル樹脂系接着剤を厚み約50μm(ウエット状態)塗布した。この塗布面に、他に用意した同じ外装紙を重ねて6.5kgハンドローラーで一往復圧縮し、一晩室温で養生した物を試験片とした(比較例1〜2。表1参照)。酢酸ビニル樹脂系の接着剤としては、商品名「エスダイン#5266」(原液の不揮発分35%、積水化学工業社製)を水で希釈して不揮発分濃度を調整して使用した。
【0067】
(比較例3)
クラフト紙からなる基紙の片面に合成樹脂フィルムをラミネートしたものを、25mm×230mmに裁断して試験用包装紙を作製した。この試験用包装紙の基紙面にバーコーター#50を使用して酢酸ビニル樹脂系の接着剤を厚み約50μm(ウエット状態)塗布した。この塗布面に、他に用意した同じ包装紙の防湿層面を重ねて6.5kgハンドローラーで一往復圧縮し、一晩室温で養生した物を試験片とした(比較例3。表1参照)。酢酸ビニル樹脂系の接着剤としては、商品名「エスダイン#5266」(原液の不揮発分35%、積水フーラー株式会社製)を水で希釈して不揮発分濃度を調整して使用した。
【0068】
上記実施例1〜22、比較例1〜3の試験片に対し、T型剥離試験(g/25mm)を行った。条件は、引張り速度:300mm/min、測定室温、湿度:23C°/50%RHであった。T型引張試験機は、インテスコ社製、型番:102型を用いた。
【0069】
(評価方法)
a)剥離強度
剥離強度が500g/25mm以上であれば耐剥離性に優れ、200g/25mm以上であれば耐剥離性があるものの実使用できる下限レベルであり、200g/25mm未満であれば耐剥離性が低く実使用できないものである。また剥離強度に上限はないが、1000g/25mmあれば十分であり、これ以上の強度は経済性に劣るため好ましくなく、さらには900g/25mmでも十分に実使用可能である。
【0070】
b)糊転写性
外装紙に塗布された糊(接着剤)の転写均一性を、次のとおり目視で評価した。
◎:均一に転写されており、糊転写性に優れる。
○:若干転写ムラが見られるものの、糊転写性が良い。
△:多少転写ムラが見られるものの、糊転写性があり、実使用できる下限レベル。
【0071】
c)糊(接着剤)転写作業性
糊転写時の作業性を、次のとおり目視で評価した。
◎:糊転写時に糊付ロール周辺に粕落ちがなく、糊転写作業性に優れる。
○:糊転写時に糊付ロール周辺に粕落ちが若干見られ、定期的な清掃が必要であるものの、実操業可能。
【0072】
d)防湿性
巻取ロール紙包装体を温度23°C、湿度50%RHで1週間放置した後、包装を剥いで巻取ロール紙の表面の吸湿によるシワ発生の程度を次のとおり目視で評価した。なお、包装紙は防湿層6を内側にし、包装紙3を巻き接着させた後、内当紙7を当接させて包装した。
◎:巻取に吸湿シワがなく、防湿性に優れる。
○:巻取に若干の吸湿シワが見られたが。防湿性が良い。
△:巻取に多少の吸湿シワが見られ、防湿性はあるが、実使用できる下限レベル。
×:巻取に多くの吸湿シワ、または大きな吸湿シワが見られ、防湿性が低く、実使用不可能なレベル。
【0073】
e)表面粗さ
ISO 8791−4「紙及び板紙−粗さ平滑度試験方法(空気漏洩法)−第4部:プリントサーフ法」に記載の方法に準拠し、空気漏洩による平滑度試験機(パーカープリントサーフ、Lorentzen&Wettre社)にて、クランプ圧490Kpa、エアー圧1MPa、ソフトラバー製パッキングディスクを用いて測定した。
【0074】
試験結果を表1に示す。表1に示されるように、実施例の包装紙はいずれも、請求項1の構成を満たしているため、各評価項目において良好な結果が得られた。すなわち、各実施例に係る包装紙は、本願課題を解決できるものである。
【0075】
これに対し、比較例の包装紙はいずれも、請求項1の構成を満たさないため、いずれかの評価項目において良好な結果を得ることができず、本願課題を必ずしも解決できないものである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、防湿性を有する1枚の包装紙で巻取ロール紙を一重包装する巻取ロール紙の包装方法等に利用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 巻取ロール紙包装体
2 巻取ロール紙
3 包装紙
4 接着剤
5 基紙
6 防湿層
7 内当紙
8 巻取ロール紙包装体の製造装置(巻取ロール紙の包装装置)
9 外当紙
91〜96 アンリール部
10 接着剤塗布部
11 選択部
12 胴巻き部
13 第1当接部
14 折り込み部
15 第2当接部
16 切断部
17 接着剤トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取ロール紙を包装紙で包装してなる巻取ロール紙包装体であって、
帯状紙をロール状に巻き取ってなる巻取ロール紙と、
基紙と当該基紙の裏面に設けられた防湿層とを含み、前記巻取ロール紙の周面を胴巻き包装する帯状の包装紙と、
前記基紙表面と前記防湿層表面とを接着する接着剤とを備え、
前記接着剤は水溶性接着剤であり、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であることを特徴とする巻取ロール紙包装体。
【請求項2】
前記基紙表面の表面粗さは5.5μm以上20μm以下であり、前記防湿層表面の表面粗さは2μm以上5.5μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の巻取ロール紙包装体。
【請求項3】
前記防湿層の材質は低密度ポリエチレンであり、前記防湿層の厚みは10〜50μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の巻取ロール紙包装体。
【請求項4】
前記接着剤の不揮発分が20〜55質量%であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の巻取ロール紙包装体。
【請求項5】
巻取ロール紙を包装紙で包装する方法であって、
基紙と当該基紙の裏面に設けられた防湿層とを含む帯状の前記包装紙で、前記巻取ロール紙の周面を胴巻きする胴巻き工程と、
前記包装紙で前記巻取ロール紙の周面を胴巻きすることで前記基紙と前記防湿層とを接着する接着剤を、前記包装紙に塗布する接着剤塗布工程とを備え、
前記接着剤は水溶性接着剤であり、アクリル酸エステル成分を含有するポリアクリル酸系の接着剤であることを特徴とする巻取ロール紙の包装方法。
【請求項6】
各々が前記包装紙を巻き出す複数のアンリール部と、
前記複数のアンリール部のうちいずれか一つのアンリール部のみから選択的に前記包装紙を巻き出させる選択部と、
を備える包装装置を用いて前記巻取ロール紙を包装することを特徴とする請求項5に記載の巻取ロール紙の包装方法。
【請求項7】
前記複数のアンリール部は、前記胴巻き部を介して一方側に配置される前側アンリール部と他方側に配置される後側アンリール部とを有し、
前記選択部は、前記前側アンリール部と前記後側アンリール部のうちいずれか一方から一つのアンリール部のみを選択することを特徴とする請求項5または6に記載の巻取ロール紙の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153388(P2012−153388A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12867(P2011−12867)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】