説明

布帛有用組成物

本発明は、セルロースベースのポリマー成分を含む布帛有用組成物に関する;
分散可能なポリオレフィン、塩素抑制剤、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択される材料;架橋剤;担体及び任意の湿潤剤、又は、代替的に塩素抑制剤;分散可能なポリオレフィン、セルロースベースのポリマー成分、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択される材料;架橋剤;担体及び任意の湿潤剤。
本発明はまた、そのような組成物で処理される前記組成物及び布帛を製作し使用するためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛有用組成物及びそのような組成物を作成する、及び使用するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
使用と洗濯によって、繊維、たとえば、衣類及びリンネル類を含む製品は、褪色し、すり減り、及び/又は、縮む。そのような損傷を減らすために、ある種の有用物質が洗濯用組成物に添加されてきた。残念なことに、そのような組成物の効果は、1つ又はそれ以上の以下に記述される理由のために、一時的であるか、及び/又は限定されている可能性がある。ある種の有用物質は、そのような組成物中に存在する洗浄剤と相容れず、そのような組成物における有用物質の濃度が、洗浄プロセスのせいで限定され、かつそのような組成物によって与えられる利益に永続性がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、強化された及び/又は永続性のある、褪色、摩耗及び収縮の性質の防止を布帛製品に付与する布帛有用組成物の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
セルロースベースのポリマー成分を含む布帛有用組成物;分散可能なポリオレフィン、塩素抑制剤、染料固着剤及びそれらの混合物からなる基から選択される材料;架橋剤;担体、及び任意の湿潤剤、または、代替的に塩素抑制剤;分散可能なポリオレフィン、セルロースベースのポリマー成分、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された物質;架橋剤、担体及び任意の湿潤剤。
【0005】
本発明はまた、そのような組成物で処理された前記組成物及び布帛を製作するための、及び使用するためのプロセスに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
定義
本明細書に使用されるとき、用語「布帛製品」は、特に指示しない限り、繊維、糸、織物及び/又は衣類、あるいはそれらを含有する製品を含む。
【0007】
本明細書に使用されるとき、請求項に使用される、冠詞「a」及び「an」は、特許請求される、又は記載されるものの1個以上を意味すると理解される。
【0008】
特に明記しない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の有効濃度に関しており、市販の原料に存在する可能性のある不純物、たとえば、残留溶媒又は副産物を排除する。
【0009】
全てのパーセンテージ及び比率は、特に指示しない限り、重量によって計算される。全てのパーセンテージ及び比率は、特に指示しない限り、組成物総量に基づいて計算される。
【0010】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆる低い数値の限定を、あたかもそのような低い数値の限定がここにはっきりと表現されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書を通じて与えられる全ての最小数の限定は、あたかもそのような大きい数値の限定がここに明確に表現されているかのように、全ての大きい数値の限定を含むと理解されなければならない。本明細書を通じて与えられる全ての数値の範囲は、あたかもそのようなより狭い数値の範囲が全てここにはっきりと書かれているように、そのようなより広い数値の範囲に入る、あらゆるより狭い数値の範囲を含む。
【0011】
引用される文書はすべて、関連した部分において、参照によって本明細書に取り入れられ、いかなる文書の引用も、それが本発明に関して先行する技術であることの承認として解釈されるべきではない。
【0012】
布帛有用組成物
本出願人の布帛有用組成物は、セルロースベースのポリマー成分;分散可能なポリオレフィン、塩素抑制剤、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された物質;架橋剤;担体及び任意の湿潤剤又は、代替的に、塩素抑制剤;分散可能なポリオレフィン、セルロースベースのポリマー成分、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された材料;架橋剤;担体及び任意の湿潤剤を含む。
【0013】
本出願人の発明の一態様において、布帛有用組成物は、約2〜約11の、約3〜約9の、又は代替的に約3〜約5のpHを有し、かつ
a)で約0.005重量%〜約10重量%の、約0.01重量%〜約5重量%の、又は代替的に約0.05重量%〜約2重量%のセルロースベースのポリマー成分;
b)約0.005%〜約20%の、約0.01%〜約10%の、又は代替的に約0.05%〜約5%の、分散可能なポリオレフィン、塩素抑制剤、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された物質;
c)約0.01%〜約15%の、約0.01%〜約12%の、又は代替的に約0.1%〜約10%の架橋剤;及び
d)任意の湿潤剤、
を含み、前記組成物の残部は担体である。
【0014】
本出願人の発明の一態様において、布帛有用組成物は、約2〜約11の、約3〜約9までの、又は代替的に約3〜約5のpHを持ち、かつ
a)約0.01重量%〜約10重量%の、約0.05重量%〜約5重量%の、又は代替的に約0.1重量%〜約3重量%の塩素抑制剤;
b)約0.005%〜約20%の、約0.01%〜約10%の、又は代替的に約0.05%〜約5%の、分散可能なポリオレフィン、セルロースベースのポリマー成分、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された物質;
c)約0.01%〜約15%の、約0.01%〜約12%の、又は代替的に約0.1%〜約10%の架橋剤;及び
d)任意の湿潤剤、
を含み、前記組成物の残部は担体である。
【0015】
本出願人の発明の一態様において、そのような布帛有用組成物は、前記組成物で処理される布帛製品に堅牢耐久性を与えることができる。
【0016】
本出願人の発明の一態様において、そのような布帛有用組成物は、任意の湿潤剤を含まない。
【0017】
本出願人の発明の一態様において、そのような布帛有用組成物は、1種類以上の、下記補助剤材料を含まない:漂白促進剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒性金属コンプレックス、高分子分散剤、泥及び土除去/再付着防止剤、光沢剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮化剤(structure elasticizing agents)、織物柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は色素。
【0018】
有用なセルロースベースのポリマー成分は、約0.016ag(10,000ダルトン)〜約3.32ag(2,000,000ダルトン)の、約0.049ag(30,000ダルトン)〜約2.49ag(1,500,000ダルトン)の、又は、代替的に約0.16ag(100,000ダルトン)〜約1.66ag(1,000,000ダルトン)の重量平均分子量を持つ疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーを含む成分を含有する。前記疎水化変性カルボキシメチルセルロースは、下記の化学式:
【化1】

[上記式中、
a)nは、約0.016ag(10,000ダルトン)〜約3.32ag(2,000,000ダルトン)の、約0.049ag(30,000ダルトン)〜約2.49ag(1,500,000ダルトン)の、又は、代替的に約0.16ag(100,000ダルトン)〜約1.66ag(1,000,000ダルトン)の重量平均分子量を持つ、前記疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーを生ずるために充分に大きい整数であり;
b)各Rは、個別に、R、R及びHからなる群から選択されるものであり、
ここで、
(i)各Rは、個別に、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、C〜C20アルコキシ−2−ヒドロキシアルキル、C〜C20アルキルアリールオキシ−2−ヒドロキシアルキル、(RN−アルキル、(RN−2−ヒドロキシアルキル、C〜C12アリールオキシ−2−ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
【化2】

各Rは個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピペリジノアルキル、モルホリノアルキル、シクロアルキルアミノアルキル及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
各Rは、個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、(RN−アルキル及び(RN−アルキルからなる群から選択され、
各Rは、個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピペリジノアルキル、モルホリノアルキル、シクロアルキルアミノアルキル及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
ここで、同じ窒素上の2個のR又はR基は、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群から選択される環構造を形成することができるものであり;
Mは、Na、K、1/2Ca、及び1/2Mgからなる群から選択される適当な陽イオンであり;
但し、
いずれかのRが正電荷を持つのであれば、それは適当な陰イオンと平衡関係にあり;
そして、Rに対する置換度は、約0.0001から0.1の間にあり、
(ii)各Rは下記式:
【化3】

であり、
(上記式中、各Zは、個別に、M、R及びRからなる群から選択され、
ここで、
各Mは、上に規定した通りであり、
各Rは、上に規定した通りであり、
各Rは、個別に、H及びC〜Cアルキルから成る群から選択され;
各yは、約1〜約5であり、
但し、
ZがH又はMである基Rに対する置換度は、約0.1と2.0の間にある)]を有する繰り返し単位を含んでなるものである。
【0019】
疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーの有用な種類の実例は、エーテル変性カルボキシメチルセルロースポリマー、エステル変性カルボキシメチルセルロースポリマー及びそれらの混合物を含む。有用な疎水的に変性されたカルボキシメチルセルロースポリマーは、フィンランド国アアネコスキ(Aanekoski)のNoviant Oyから入手することができる。
【0020】
有用な分散性ポリオレフィンは、約30℃〜約180℃の、約45℃〜約160℃の、又は、代替的に約60℃〜約150℃の融点を持つ、高又は低密度のポリエチレンワックスを含む。そのようなワックスは、酸化されたポリエチレンワックスであってもよい。そのようなワックスは、米国ニュージャージー州モーリスタウン(Morristown)のハニーウェル社(Honeywell Corp.)から入手することができ、通常は、非イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤又は混合物を含むポリエチレンワックスエマルションとして提供される。有用なポリエチレンワックスエマルションの具体例は、Michem Emulsion 39235、Michem Emulsion 68725及びそれらの混合物を含む。そのようなエマルションは、米国オハイオ州シンシナティのマイケルマン社(Michelman Inc.)から得られる。
【0021】
有用な担体は、水を含み得る。たとえば、有用な担体の1種は水である。
【0022】
有用な塩素抑制剤は、ポリアミン成分を含有する塩素抑制剤を含む。有用なポリアミン成分は、第一、第二、及び第三アミンを含有するポリアミンを含むポリアミン成分を含有する。そのようなポリアミンは、エトキシ化され得る。有用なポリアミン成分の具体例は、エトキシ化テトラエチレンペンタイミン、ポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリリジン;ビス−ヘキサメチレンジアミン及びそれらの混合物からなる群から選択された物質を含むポリアミン成分を含有する。有用な塩素阻害剤は、ドイツのLudwingshafenのBASF社(BASF Corp.)から入手可能である。
【0023】
有用な染料固着剤は、米国ニュージャージー州ピスカタウエィのダウケミカルズ社(Dow Chemicals)から供給されるカチオン性ヒドロキシエチルセルロースを含む。
【0024】
有用な架橋剤は、尿素の及びエチレンとプロピレン尿素のメチロール及びアルコキシメチル誘導体、ならびに多官能カルボン酸の群から選択される材料を含有する架橋剤を含む。尿素の及びエチレン及びプロピレン尿素のメチロール及びアルコキシメチル誘導体の非限定的な例は、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素を含む。多官能カルボン酸の非限定的な実例は、ブタンテトラカルボン酸及びポリマレイン酸を含む。有用な架橋剤は、米国オハイオ州ブレックスヴィルのノベオン社(Noveon Inc)から入手できる。
【0025】
要求されない場合でも、本明細書に開示されている布帛有用組成物は湿潤剤を含むことがある。有用な湿潤剤は、非イオン性及び陰イオン性界面活性剤を含む。有用な湿潤剤は、ドイツのLudwingshafenのBASF社(BASF Corp.)から入手できる。
【0026】
本出願人は、褪色、ピリング、ごわごわした手触り(rough hand)、縮み及び摩滅のような布帛問題を減らすことに対する妨げは、そのような妨げの原因が方式及び処理の柔軟性を限定した洗濯適用プロセスであったときに克服され得ることを確認した。さらに出願人は、一連の堅牢耐久性を付与することによってのみそのような問題を望ましいレベルにまで減らすことができること、及びそのようなメリットの適用は、布帛工場処理ステージのような加工段階において得られることを必要とすることを確認した。理論に縛られていない場合においても、本出願人の布帛処理組成物が、布帛製品に適用される際、そのような組成物に含有される有効物質が前記布帛製品に化学的に結合され、それ故に、下記のような、向上した及び/又は堅牢耐久性(褪色防止、抗ピリング、改善された手触り(improved hand)、防縮、及び向上した耐磨耗性)を1つ又は複数持つ優れた布帛製品を生ずると考えられる。
【0027】
補助材料
本出願人の布帛有用組成物のある特定の実施形態が、本明細書に挙げた1つ以上の補助材料を、そのような補助剤が本発明の目的にとって不可欠でないために含まない場合でも、他の実施形態は、以下に例示する補助剤を1つ以上含むことがある。そのような補助剤は、たとえば洗濯性能を助ける、又は強めるため、又は、香料、着色材、染料などの場合のように、そのような組成物の審美性を修飾するために、本明細書に開示された布帛有用組成物に組み入れられ得る。これらの添加成分の正確な性質及びその混入レベルは、布帛有用組成物の物理的形態、及びそれらの使用、適用のための操作性質に依存する。有用な補助剤は、漂白促進剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒性金属コンプレックス、高分子分散剤、泥及び土除去/再付着防止剤、光沢剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮剤、織物柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は色素を含むが、これらに限定されない。
【0028】
布帛有用組成物作製プロセス
熟練した技術者は、本明細書及び実施例に含まれる教示に従うことによって、本発明の布帛有用組成物を、そのような組成物は必要な材料を結合することによって作られるので、製造することができる。
【0029】
そのような布帛有用組成物の市販量は、バッチ、半回分式及び連続法を含む様々な反応容器及びプロセスを使用して作製され得る。そのような器材は、種々の出所、たとえば、Lodige GmbH(ドイツのパーデルボルン(Paderborn))、Littleford Day,Inc.(米国ケンタッキー州フローレンス(Florence))、Forberg AS(ノルウェーのラルヴィク(Larvik))、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(ドイツのワイマール(Weimar))、Niro(デンマークのセーボルク(Soeborg))、Hosokawa Bepex(米国ミネソタ州ミネアポリス)、から入手可能である。
【0030】
使用方法
布帛製品は、本出願人の布帛有用組成物又はそれら混合物のいずれかによって以下の方法によって処理される:
a)本出願人の布帛有用組成物又はそれらの混合物のいずれかを布帛製品少なくとも一部分と接触させること;
b)約10%〜約200%の、約15%〜約150%の、又は、代替的に約20%〜約120%の、湿式ピックアップを達成するために、前記布帛製品から十分な量の前記組成物を除去し、及び
c)前記組成物と接触させた前記布帛製品の少なくともその部分を乾燥させ、硬化させること。
【0031】
通常前記布帛製品は、前記が最終消費者によって使われる前に処理される。通常、前記処理は布帛ミルで行われる。通常、前記接触工程は、飽和させること、吹付けること、パッディング、吸尽及びそれらの組合せから選択される操作を含む。前記処理の接触工程がパッディングを含むとき、十分な量の前記布帛処理組成物が、通常、約30%〜約200%の、約50%〜約150%の、又は代替的に約60%〜約120%の湿式ピックアップを達成するために前記布帛製品から除去される。前記処理の接触工程が吹付けを含むとき、十分な量の前記布帛処理組成物が、通常、約10%〜約150%の、約15%〜約100%の、又は、代替的に約20%〜約80%の、湿式ピックアップを達成するために前記布帛製品から除去される。
【0032】
本明細書に開示される方法を実施するための有用な装置は、これらに限定されないが、バッチ式、半連続的、及び連続的処理装置ならびにそれらの組合せを含む標準的な布帛処理装置を含む。
【0033】
耐久性布帛製品
向上した及び/又は堅牢耐久性を持つ布帛製品は、本出願人の布帛有用組成物で前記布帛製品を処理することによって製造される。処理方法は、本明細書に開示されている方法を含む。適切に処理されるとき、前記布帛製品は、以下の向上した及び/又は堅牢耐久性:褪色防止、抗ピリング、改善された手触り、収縮防止、及び向上した耐磨耗性の一つ以上を含む。布帛製品は、そのような布帛製品が本出願人の耐久性テストにしたがって試験されるときに、1つまたはそれ以上の、そのような堅牢耐久性を持つと考えられ、全体的外観に対する視覚格付けテストに関しては、処理された布帛製品は、水で処理された水処理製品布帛製品よりも、2PSU単位差又はそれ以上の点数を有する。
【0034】
機器による比色測定に対して、布帛製品は、そのような布帛製品が、1に等しいかそれ以上の、ΔE(水で処理された)−ΔE(有用組成物で処理された)を持つとき、そのような堅牢耐久性を1つ以上持つと考えられる。
【0035】
試験方法
1)耐久性テスト
a)試料サイズ:試験される布帛製品の5キログラムを得る。
その材料を個別に2.5kgずつの2個の等しいロットに分ける。
【0036】
b)処理:1個のロットを有用組成物で、第二のロットを蒸留水だけで処理する。
【0037】
c)洗浄:2個のロットを個別に以下の通りに洗浄する:
(i) 装置:Kenmore Heavy Duty 70シリーズの洗浄機
(ii)洗浄条件:
−洗浄機を綿サイクル用の標準的強力レベルにセットする。
−洗浄機を32℃にセットする。
−100ppmの硬度及び塩素濃度1ppmをもつ水で、洗浄機充填量64L(17ガロン)。
(iii)プロセス
−各洗浄機に100グラムのTide(商標)液状洗浄剤を添加する。
−2分間、撹拌し/洗浄する。
−各洗浄機に布帛製品を添加する。
−12分間、撹拌し/洗浄する。
−遠心脱水によって洗浄液を除去する。
−すすぎサイクル(16℃の洗浄水中4分)で布帛製品をすすぐ。
−遠心脱水によってすすぎ液を除去する。
【0038】
d)2個のロットを個別に以下の通りに乾燥する:
(i)装置
−ケンモア社(Kenmore)によって提供された標準的US回転式乾燥機
(ii)条件
−乾燥時間と設定:布帛製品のタイプに対する乾燥機制御に関して指示された通りの適切な設定
(iii)プロセス:
−布帛製品のロットを別々の乾燥機に入れる。
−乾燥機を完全な乾燥サイクルで稼働させる。
−乾燥サイクルの終わりに、布帛製品を取り出す。
【0039】
e)布帛製品の各ロットに対して工程c及びdを10回繰り返して、下記の工程fの方法によって、ついで前記布帛製品を評価する。
【0040】
f)布帛製品評価
(i)外観全体のための視覚格付(パネル得点単位)
−D50照明下での格付のために、布帛製品を配置する。
−対照として水処理し、洗浄した布帛製品を使用して、処理し、洗浄した布帛製品を以下のように等級分けする:
+4/−4視覚スケールを使用する。
0=差がない
1=差があると思われる
2=差があると認識される
3=大きな差があると認識される
4=非常に大きな差があると認識される
3種の等級付けが使用される。等級は、与えられた3回の等級の数平均である。
【0041】
(II)機器による格付
−米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)評価方法7:テスト見本の色変化の機器評価。「2004年技術便覧(2004 Technical Manual)」、第79巻、391ページ。
・対照として無処理洗浄布帛製品を使用する
・装置:ハンター(Hunter)色彩色差計45/0
・対照に対する色差の標示としてΔE
・カラースケール:CIEL*a*b*
・計器ジオメトリー:周辺照明付45/0
・発光体:D65(真昼の日光)
・観測:10°
・UVフィルターは外す(UV光を含む)
・布帛製品に対して2.54cm(1インチ)の入口サイズ
【実施例】
【0042】
実施例I〜IV
布帛有用組成物は、下記の処方をもち、また下に記す方法に従って作製される。
【表1】

【0043】
実施例I〜IVの各々に対して、必要な成分は前もって溶解し、ついで標準的なバッチ混合容器中で合わせる。
【0044】
織物処理
4ロットの織物試料を得、各ロットを上記の実施例I〜IVの組成物の1つで浸漬する。ついで、織物は、0.6m/min(毎分2フィート)の速度で、圧力300kPa(3バール)で、マティスパッダー(Mathis Padder(モデル#HVF 52200)により含浸する。湿式ピックアップは、織物の75重量%〜100重量%の範囲にある。ついで、織物を、硬化の前に2時間50℃で乾燥する。これらの織物をオーブン空間温度170℃、連続フィード乾燥機上で4分間硬化させる。
【0045】
本発明の特定の実施形態について例証し説明したが、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pHが2〜11である組成物であって、
(a)0.005重量%〜10重量%のセルロースベースのポリマー成分と、0.005%〜20%の、分散可能なポリオレフィン、塩素抑制剤、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された材料と、又は、0.01重量%〜10重量%の塩素抑制剤と、0.005%〜20%の、分散可能なポリオレフィン、セルロースベースのポリマー成分、染料固着剤及びそれらの混合物からなる群から選択された材料と、
(b)0.1重量%〜10重量%の架橋剤と、
(c)任意の湿潤剤とを含んでなるものであり、
前記組成物の残部が担体である、組成物。
【請求項2】
前記セルロースベースのポリマー成分が、0.016ag(10,000ダルトン)〜3.32ag(2,000,000ダルトン)の重量平均分子量を持つ、疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーを含んでなり、
前記疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーが下記の化学式:
【化1】

[上記式中、
a)nは、0.016ag(10,000ダルトン)〜3.32ag(2,000,000ダルトン)の重量平均分子量を持つ前記疎水化変性カルボキシメチルセルロースポリマーを生ずるのに十分大きい整数であり、
b)各Rは、個別に、R、R及びHからなる群から選択されるものであり、ここで、
(i)各Rは、個別に、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、C〜C20アルコキシ−2−ヒドロキシアルキル、C〜C20アルキルアリールオキシ−2−ヒドロキシアルキル、(RN−アルキル、(RN−2−ヒドロキシアルキル、C〜C12アリールオキシ−2−ヒドロキシアルキル、
【化2】

からなる群から選択され、
各Rは、個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピペリジノアルキル、モルホリノアルキル、シクロアルキルアミノアルキル及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
各Rは、個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、(RN−アルキル及び(RN−アルキルからなる群から選択され、
各Rは、個別に、H、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アリールアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピペリジノアルキル、モルホリノアルキル、シクロアルキルアミノアルキル及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
ここにおいて、同一窒素上の2個のR又はR基は、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群から選択された環構造を形成することができるものであり、
Mは、Na、K、1/2Ca及び1/2Mgからなる群から選択された適当な陽イオンであり、
但し、
が正電荷を持つならば、それは適当な陰イオンと釣り合っており,
かつ、Rに対する置換度は、0.0001と0.1の間にあり、
(ii)各Rは下記式:
【化3】

であり、
(上記式中、
各Zは、個別に、M、R及びRからなる群から選択され、
ここで、
各Mは、上に規定されている通りであり、
各Rは、上に規定されている通りであり、
各Rは、個別に、H及びC〜Cアルキルからなる群から選択され、
各yは1〜5であり、
但し、
ZがH又はMである基Rに対する置換度は、0.1と2.0の間にある)]
を有する繰り返し単位を含んでなるものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記セルロースベースのポリマー成分がエーテル変性カルボキシメチルセルロース、エステル変性カルボキシメチルセルロース及びそれらの混合物からなる群から選択された物質を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記架橋剤が、尿素の及びエチレン及びプロピレン尿素の、メチロール及びアルコキシメチル誘導体、多官能カルボン酸ならびにそれらの混合物からなる群から選択された物質を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記分散可能なポリオレフィンが酸化されたポリエチレンワックスを含む、請求工1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記塩素抑制剤がポリアミン成分を含む、好ましくは前記ポリアミン成分が、エトキシ化テトラエチレンペンタイミン、ポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリリジン;ビス−ヘキサメチレンジアミン及びそれらの混合物、からなる群から選択された物質である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
a)好ましくは、飽和させること、吹付け、パッディング、吸尽及びそれらの組合せ、から選択された操作によって、請求項1〜6いずれか一項に記載の組成物をもつ布帛製品の少なくとも一部を接触させ、
b)30%〜200%の、好ましくは15%〜150%、より好ましくは20%〜120%の湿式ピックアップを達成するために前記布帛製品から十分な量の前記組成物を除去し、及び
c)前記組成物と接触した前記布帛製品の少なくとも一部を、望ましくは前記布帛製品が最終消費者によって使用される前に行われるのであるが、乾燥させ、硬化させる各工程を含んでなる、布帛製品を処理する方法。
【請求項8】
布帛に堅牢耐久性を付与するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項9】
堅牢耐久性を備えてなる、布帛製品。

【公表番号】特表2007−535626(P2007−535626A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511101(P2007−511101)
【出願日】平成17年5月5日(2005.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/015744
【国際公開番号】WO2005/108670
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】