説明

帯状プライ及び空気入りタイヤ

【課題】石油資源の使用量を低減するとともに、耐久性、乗り心地及び低燃費性をバランス良く改善できる帯状プライ、及びそれを用いて作製したバンド層を有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体がトッピングゴムで被覆された構造を有し、上記コードがナイロン11繊維を用いて作製されたものである帯状プライに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状プライ、及び該帯状プライを用いた作製されたバンド層を有する空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車用の空気入りタイヤには、その高速耐久性や操縦安定性を高めるために、ベルト層の外側にバンド層が設けられる。より良好な高速耐久性が得られるという点から、上記バンド層としては、平行に配列された複数本のコードをトッピングゴムで被覆してリボン状とした帯状プライを、ベルト層の外側に螺旋状に巻き付けることにより形成されたジョイントレスバンド(JLB)が用いることが主流となっている。
【0003】
上記帯状プライには、通常、多くの石油資源由来の材料が使用されている。例えば、コードには、ナイロン66繊維、ナイロン6繊維などの石油資源由来の合成繊維が使用され、トッピングゴムには、合成ゴム、カーボンブラック、アロマオイルなどの石油資源由来の材料が使用されている。近年では、将来の石油資源の枯渇に備えて、石油資源の使用量の低減が求められており、例えば、特許文献1では、80質量%以上が石油外資源由来の材料で構成されたトッピングゴムでスチールコードを被覆した帯状プライが提案されている。しかし、その他の手法も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−40347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記課題を解決し、石油資源の使用量を低減するとともに、耐久性、乗り心地及び低燃費性をバランス良く改善できる帯状プライ、及びそれを用いて作製したバンド層を有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、石油資源の使用量を低減するとともに、バンド層に求められる性能(耐久性、乗り心地など)も改善できる帯状プライについて検討したところ、ナイロン11繊維に着目した。ナイロン11繊維は、ひまし油の主成分であるリシノール酸から合成される、石油外資源由来の材料である。これまで、帯状プライのコードに使用できる石油外資源由来の材料としてレーヨン繊維が知られていたが、レーヨン繊維を使用すると、ナイロン66繊維などの石油資源由来の材料と比較して、耐久性や乗り心地が悪化する傾向があった。これに対し、ナイロン11繊維を使用すると、石油外資源由来の材料でありながら、ナイロン66繊維と同等の乗り心地を維持しつつ、耐久性を改善することができ、更に、良好な低燃費性も得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体がトッピングゴムで被覆された構造を有し、上記コードがナイロン11繊維を用いて作製されたものである帯状プライに関する。
【0007】
上記トッピングゴムがゴム成分として天然ゴム及び/又はエポキシ化天然ゴムを含むことが好ましい。
【0008】
上記トッピングゴムが上記ゴム成分100質量部に対して15質量部以上のシリカを含むことが好ましい。
【0009】
本発明はまた、上記帯状プライを用いて作製されたバンド層を有する空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体がトッピングゴムで被覆された構造を有し、上記コードがナイロン11繊維を用いて作製されたものである帯状プライであるので、石油外資源の使用量を低減しながら、該帯状プライをバンド層に用いた空気入りタイヤにおいて、コードとトッピングゴムとの接着性を向上して耐久性を改善できるとともに、良好な乗り心地及び低燃費性も得られ、これらの性能をバランス良く改善できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の帯状プライは、空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体がトッピングゴムで被覆された構造を有し、上記コードがナイロン11繊維を用いて作製されたものである。バンド層、帯状プライの具体例は、それぞれ特開2009−40347号公報の図1、図3に示されている。上記コード配列体としては、例えば、複数本のコードが実質的に平行に引き揃えられたものを好適に使用できる。
【0012】
ナイロン11繊維は、石油外資源由来の材料でありながら、帯状プライのコードの原料として使用することで、ナイロン66繊維と同等の乗り心地を維持しつつ、耐久性を改善することができ、また、低燃費性が改善されるという予想外の効果も得られる。
【0013】
(コード)
本発明の帯状プライは、ナイロン11繊維を用いて作製されたコード(ナイロン11コード)を有する。ナイロン11コードとしては、ナイロン11繊維を原料として作製されるものであれば特に限定されないが、ナイロン11繊維を公知の方法で撚り合わせたものを好適に使用できる。ナイロン11繊維はリシノール酸から公知の方法で合成することができ、市販品としては、ユニチカ(株)製のキャストロン(登録商標)などが挙げられる。
【0014】
本発明の帯状プライにおいて、上記ナイロン11コードの総繊度は、1880〜2800dtex程度であればよく、打ち込み本数は、6〜10本/cm程度であればよい。
【0015】
本発明の帯状プライに使用するコード100質量%中の石油外比率(石油外資源由来の材料の比率)は、石油資源の使用量を低減するという点から、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
【0016】
(トッピングゴム)
上記トッピングゴムに使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、石油資源の使用量をより低減することができ、良好な性能も得られるという点から、NR、ENRが好ましく、NR及びENRの両成分を併用することがより好ましい。
【0017】
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
【0018】
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。20質量%未満であると、NRによる改善効果が充分に得られないおそれがある。また、NRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、ENRの含有量が少なくなり、コードとトッピングゴムとの接着性を充分に確保できないおそれがある。
【0019】
ENRとしては特に限定されず、市販のエポキシ化天然ゴムでも、天然ゴム(NR)をエポキシ化したものでもよい。天然ゴムをエポキシ化する方法は、特に限定されず、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などがあげられる。
【0020】
ENRのエポキシ化率は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上である。10モル%未満では、ウェット性能を充分に改善できないおそれがある。また、ENRのエポキシ化率は、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。40モル%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、エポキシ化率とは、エポキシ化前の天然ゴム成分中の炭素間二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合の平均値を意味し、例えば、滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求められる。
【0021】
ゴム成分100質量%中のENRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、ENRによる改善効果が充分に得られないおそれがある。また、ENRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。80質量%を超えると、NRの含有量が少なくなり、充分な低燃費性や耐久性を確保できないおそれがある。
【0022】
ゴム成分100質量%中のNR及びENRの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。上記範囲内であれば、本発明の効果が良好に得られる。
【0023】
上記トッピングゴムに使用できる充填剤としては、シリカ、カーボンブラックなどが挙げられる。なかでも、石油資源の使用量をより低減することができ、良好な性能も得られるという点から、シリカが好ましい。なお、シリカを配合する場合、更に公知のシランカップリング剤を配合することが好ましい。
【0024】
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは90m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。80m/g未満では、耐久性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは220m/g以下、より好ましくは210m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。220m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0025】
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは45質量部以上である。15質量部未満であると、コードとトッピングゴムとの接着性を充分に確保できないおそれがある。また、シリカの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。80質量部を超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が増加して加工性が悪化する傾向があり、また、発熱量が大きくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
【0026】
上記トッピングゴムは、前記成分以外にも、通常ゴム工業で使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、各種老化防止剤、軟化剤、各種加硫促進剤などを適宜含有できる。
【0027】
上記トッピングゴム100質量%中の石油外比率は、石油資源の使用量を低減するという点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
【0028】
(帯状プライ)
本発明の帯状プライは、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りしてトッピングゴム(未加硫)を作製してから、該トッピングゴムでナイロン11コードを被覆し、その後加硫する方法等により製造できる。
【0029】
上記帯状プライの加硫温度は、トッピングゴムとコードとを良好に接着できるという点から、好ましくは175℃以下、より好ましくは170℃以下、更に好ましくは165℃以下である。なお、加硫温度の下限は、加硫反応が起こり得る温度であれば特に限定されないが、好ましくは135℃以上、より好ましくは140℃以上である。
【0030】
上記帯状プライ100質量%中の石油外比率は、石油資源の使用量を低減するという点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
【0031】
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、上記帯状プライを用いて通常の方法で製造される。すなわち、
ナイロン11コードの上下から未加硫のトッピングゴムをロールで圧着し、得られたゴム圧着コード(未加硫の帯状プライ)をタイヤのベルト層の外側に螺旋状に巻き付け、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の空気入りタイヤを得ることができる。
【0032】
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、自動2輪用タイヤとして好適に用いられる。
【実施例】
【0033】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0034】
以下、実施例及び比較例で使用した材料について、まとめて説明する。
ナイロン11繊維:ユニチカ(株)製のキャストロン
ナイロン66繊維:旭化成(株)製のナイロン66繊維
レーヨン繊維:ユニオンタイヤコード(株)製のレーヨン繊維
NR:RSS#3
ENR:MRB社製のエポキシレン25(エポキシ化率:25モル%)
SBR:JSR(株)製のSBR1502(スチレン単位量:23.5質量%)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA:72m/g)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
【0035】
(実施例及び比較例)
表1及び2に示す配合量にしたがって、硫黄及び加硫促進剤を除く各種薬品をバンバリーミキサーで混練りした。得られた混練り物に、硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールにて混練りし、未加硫のトッピングゴムを得た。得られた未加硫のトッピングゴムを表1及び2に記載のコードに圧着し、未加硫の帯状プライ(ゴム圧着コード)を得た。得られた未加硫の帯状プライを未加硫タイヤのベルト層の幅全体に螺旋状に巻き付け、該未加硫タイヤを加硫することにより、フルバンドのJLBを備える試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。なお、比較例1についてはJLBを形成しなかった。
作製した帯状プライ(テープ)の仕様を以下に示す。
比較例2、3(ナイロン66) テープ厚み:0.90mm テープ幅:10mm
比較例4(レーヨン) テープ厚み:1.49mm テープ幅:10mm
実施例1〜14(ナイロン11) テープ厚み:0.90mm テープ幅:10mm
【0036】
(高速耐久性試験(HSテスト))
高速耐久性試験は、ECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ドラム試験機を用いて、ステップスピード方式により実施した。判定は、200km/hの速度で30分破壊されずに走行できたものを合格とした。
【0037】
(台上耐久試験)
台上耐久試験は、内圧190kPa、荷重6.69kN及び速度80km/hの条件下で、ドラム直径1.7076mのドラムにおいて、30000km走行させた。判定は、走行後のタイヤを解体し、JLBコードにおける破断発生の有無を目視で確認することにより行った。
【0038】
(乗り心地性能)
タイヤの乗り心地性能は、試験タイヤを装着した排気量2000ccの乗用車でテストコースを走行し、テストドライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大きいほど、乗り心地が良好であることを示し、3.0以上が一般試乗で受け入れられるレベルである。
【0039】
(接着性試験)
8本のコードを10mmの等間隔に並べ、その両側から0.7mm厚のトッピングゴムを圧着させた。得られたゴム圧着コードを湿度60%、又は90%の条件で保管した後、2枚のゴム圧着コードを90度の角度で貼り合わせ、更にその両側に補強用のゴムを圧着させた。得られた圧着物の形状は加硫用金型の形状に合わせて長方形とした。該金型で圧着物を165℃で20分加硫した後、得られた加硫物中の貼り合わせた2枚のゴム圧着コード間に裂け目を入れ、インストロン社製の引張試験機を用いて50mm/分の速度で180度の向きに引っ張り、ゴム圧着コード間の剥離力(kN/25mm)を評価した。結果は、比較例2の通常保管(湿度60%)後の剥離力を100として指数表示した。数値が大きいほど、コードとトッピングゴムとの接着性が良好であり、耐久性に優れることを示す。
【0040】
(転がり抵抗指数)
転がり抵抗試験機を用い、上記試験タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定した。測定結果は、比較例1を100として、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗)×100
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
バンド層(JLB)を有しない比較例1はHSテストが不合格であるのに対し、バンド層を有する比較例2〜4及び実施例1〜14はHSテストが合格レベルであった。
【0044】
しかし、ナイロン66繊維を用いた比較例2、3はコードの石油外比率が低く、また、高湿度保管後に接着性が大きく低下した。
【0045】
レーヨン繊維を用いた比較例4は、コードの石油外比率は良好であるが、高湿度保管後に接着性が非常に大きく低下した。また、ナイロン66繊維を用いた比較例2、3と比較して乗り心地が悪く、台上耐久試験でコード切れが発生した。更に、コード以外の構成が同一の比較例2と比較して低燃費性が劣っていた。
【0046】
一方、ナイロン11繊維を用いた実施例1〜14は、ナイロン66繊維を用いた比較例2及び3と乗り心地が同等であり、レーヨン繊維を用いた比較例4よりも良好であった。また、台上耐久試験でコード切れが発生せず、高湿度保管後でも接着性が低下しにくい傾向があった。これは、通常の湿度で保管した場合の水分の吸収率が、ナイロン66繊維が3.5〜5%程度、レーヨン繊維が6%程度であるのに対し、ナイロン11繊維は1%程度と非常に低いためであると考えられる。更に、コード以外の構成が同一の条件では、比較例よりも実施例の方が低燃費性に優れているという予想外の結果も得られた。
【0047】
実施例2〜4のようにコードを細くしたり、コードの打ち込み本数を少なくしても、接着性は充分なレベルであり、HSテストも合格であった。また、乗り心地、低燃費性は実施例1と同等であった。
【0048】
実施例5〜7のように、NRの代わりにENRを使用しても、接着性、乗り心地は良好であり、HSテスト、台上耐久試験の試験結果も問題なかった。NR及びENRを併用した実施例5及び6は、ゴム成分としてNRを単独で使用した実施例1、ENRを単独で使用した実施例7よりも、接着性に優れていた。
【0049】
実施例8〜12のように、充填剤の種類や量を変更しても、接着性、乗り心地は良好であり、HSテスト、台上耐久試験の試験結果も問題なかった。実施例8、9、11の比較により、シリカの量が多くなるほど、接着性が高くなることが分かった。トッピングゴムの石油外比率、低燃費性の点では、カーボンブラックよりもシリカの方が良好であった。
【0050】
実施例13及び14のように、石油資源由来の材料であるSBRを使用しても、接着性、乗り心地は良好であり、HSテスト、台上耐久試験の試験結果も問題なかった。トッピングゴムの石油外比率、低燃費性の点では、SBRよりもNR、ENRの方が良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、
1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体がトッピングゴムで被覆された構造を有し、
該コードがナイロン11繊維を用いて作製されたものである帯状プライ。
【請求項2】
前記トッピングゴムがゴム成分として天然ゴム及び/又はエポキシ化天然ゴムを含む請求項1記載の帯状プライ。
【請求項3】
前記トッピングゴムが前記ゴム成分100質量部に対して15質量部以上のシリカを含む請求項1又は2記載の帯状プライ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の帯状プライを用いて作製されたバンド層を有する空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2012−56330(P2012−56330A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198232(P2010−198232)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】