説明

帯状部材、定着装置及び画像形成装置

【課題】耐シワ性の向上が図られた帯状部材、この帯状部材を備えた定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】基体と、弾性層と、離型層とを、この順に有するように構成し、離型層を、少なくともPFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)から構成し、かつ離型層を構成するPFA樹脂の結晶化度(C)を、離型層の表面側結晶化度(Ca)が、裏面側結晶化度(Cb)よりも小となるとともに、表面側結晶化度(Ca)及び裏面側結晶化度(Cb)のいずれもが、15〜45%の範囲に属するように、構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した画像形成装置の定着装置として、無端状の定着ベルトと加圧ローラ、又は定着ベルトと加圧ベルトとにより圧接部を形成するベルト定着タイプがある。
【0003】
フルカラー定着装置の場合、定着ベルトとしては、基体上に少なくとも弾性層と表面層とをこの順で積層した構造が利用されている。弾性層にはシリコーンゴム等の耐熱性エラストマー材料が用いられ、表面層には離型性の良いフッ素樹脂等の材料が用いられる。
【0004】
このような定着ベルトを用いた定着装置として、以下のようなものが提案されている。すなわち、定着ロールと複数の張架ロールとによって定着ベルトが張架された定着ベルトモジュールと、定着ベルトを介して定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールとを備え、定着ベルトモジュールには、定着ロールと加圧ロールとの圧接部の下流側近傍にて、定着ベルトの外表面を加圧ロールに押圧するように配置された剥離パッドを設けた定着システムである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3298354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の定着ベルト(定着部材)に用いられる離型層は、離型性とともに、ニップ(NIP)幅を得るために柔軟性を有することが要求される。このような離型層としては、PFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)から構成された離型層が、定着部材の表面に用いられている。
【0007】
本発明は、耐シワ性の向上が図られた定着部材等の帯状部材、この帯状部材を備えた定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の帯状部材、この帯状部材を備えた定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置が提供される。
【0009】
[1]基体と、弾性層と、離型層とを、この順に有し、前記離型層は、少なくともPFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)からなり、かつ前記離型層を構成する前記PFA樹脂の結晶化度(C)は、前記離型層の表面側結晶化度(Ca)が、裏面側結晶化度(Cb)よりも小となるとともに、前記表面側結晶化度(Ca)及び前記裏面側結晶化度(Cb)のいずれもが、15〜45%の範囲に属するように、構成された帯状部材。
【0010】
[2]前記裏面側結晶化度(Cb)と前記表面側結晶化度(Ca)との差((Cb)−(Ca)が、3%以上となるように構成された前記[1]に記載の帯状部材。
【0011】
[3]前記[1]又は[2]に記載の帯状部材を備えた定着装置。
【0012】
[4]前記[3]に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、耐シワ性の向上が図られた帯状部材が提供される。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、耐キズ性の向上が図られた帯状部材が提供される。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、耐シワ性の向上が図られた定着装置が提供される。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、耐シワ性の向上が図られた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の帯状部材の一の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す帯状部材が用いられた定着装置を示す断面図である。
【図3】図2に示す定着装置が用いられた画像形成装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定するものではなく、その発明の要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る帯状部材100は、基体103と、弾性層102と、離型層101とを、この順に有し、離型層101は、少なくともPFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)からなり、かつ離型層101を構成するPFA樹脂の結晶化度(C)は、離型層101の表面側結晶化度(Ca)が、裏面側結晶化度(Cb)よりも小となるとともに、表面側結晶化度(Ca)及び裏面側結晶化度(Cb)のいずれもが、15〜45%の範囲に属するように構成されている。
【0020】
基体103としては、特に制限はなく、公知の材料を用いることができ、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、銅、銅合金、ニッケル、ポリイミド、ポリアミドイミド等を好適例として挙げることができる。
【0021】
弾性層102としては、耐熱性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム等が好ましく、シリコーンゴムがさらに好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴム等を挙げることができる。具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等を挙げることができる。各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、補強剤(カーボンブラック等)、充填剤(炭酸カルシウム等)、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等を挙げることができる。
【0022】
離型層101は、上述のように、離型性及び柔軟性の要求に応じて、PFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)から構成されている。なお、本実施の形態における離型層101は、PFA樹脂の単層、及び結晶化度の異なるPFA樹脂の複層のいずれで構成してもよいが、単層で構成することによって、複層で構成する場合よりも、樹脂層を薄くすることができるためコストを抑制することができ、また、剥がれが生じないため、同じ厚さの複層のベルトよりも機械的強度を高めることができる。
【0023】
また、本実施の形態における離型層101は、離型層102を構成するPFA樹脂の結晶化度(C)に関して、離型層101の表面側結晶化度(Ca)が、裏面側結晶化度(Cb)よりも小となるように、すなわち、表面側結晶化度(Ca) < 裏面側結晶化度(Cb)の関係を満たすように構成されている。
【0024】
また、本実施の形態における離型層101は、離型層101を構成するPFA樹脂の結晶化度(C)に関して、表面側結晶化度(Ca)及び裏面側結晶化度(Cb)のいずれもが、15〜45%、好ましくは、20〜40%の範囲に属するように構成されている。また、裏面側結晶化度(Cb)と表面側結晶化度(Ca)との差((Cb)−(Ca)が、好ましくは、3%以上、さらに好ましくは、5%以上となるように構成されている。
【0025】
離型層101を構成するPFA樹脂の結晶化度(C)が、表面側結晶化度(Ca)と裏面側結晶化度(Cb)の関係において、(Ca)<(Cb)の関係を満たすように、すなわち、PFA樹脂の表面側結晶化度(Ca)を裏側結晶化度(Cb)に比べて相対的に小となるように構成することによって、通紙時における厚紙の突入に対しても離型層102には塑性変形が生じないため、キズの発生を有効に防止することが可能になるとともに、裏側結晶化度(Cb)を表面側結晶化度(Ca)に比べて相対的に大となるように構成することによって、上述のように、シワの発生を有効に防止することが可能になる。
【0026】
なお、後述する実施例の記載からも分かるように、PFA樹脂の結晶化度(C)は、離型層623の表面側から裏面側に向かって徐々に増大している。
【0027】
また、本実施の形態に係る帯状部材100は、基体103と弾性層102との間、及び弾性層102と離型層101との間に接着層や発熱層等の他の層が形成されていてもよい。
【0028】
次に、上述の本実施の形態に係る帯状部材を備えた定着装置60について説明する。
【0029】
図2に示すように、定着装置60は、加熱部材と加圧部材とから概略構成され、具体的には、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して、圧接して配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
【0030】
定着ベルトモジュール61は、上述の帯状部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との圧接部N内の下流側領域であって、定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64、圧接部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615により主要部が構成されている。
【0031】
ここで、定着ベルト610は、定着ロール、及び張架ロール612、613に張架され、さらに、張架ロール613が、定着ベルト610の表面層側を押圧し、この押圧された箇所では、表面層とは反対側が伸ばされた状態となっている。張架ロール613が、定着ベルト610の表面層側を押圧することにより、駆動源を持たない張架ロール613が定着ベルト610に従動して駆動する。張架ロール613により、定着ベルト610の表面層側を押圧した場合、この押圧された箇所では、表面層とは反対側が伸ばされた状態、つまり表面層側が縮む状態となる。
【0032】
このときのこの押圧された箇所の曲率半径Rは、帯状部材表面シワ発生の抑制、及び、定着装置コンパクト化の点で、40以上80以下であることが好ましい。
【0033】
定着ロール611は、外径65mm、長さ360mm、厚さ10mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして定着ロール611は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、300mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図3参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
【0034】
張架ロール612は、外径30mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして、張架ロール612の内部には加熱源として定格1000Wのハロゲンヒータ616bが配設されており、温度センサ617bと制御部40(図3参照)とによって、張架ロール612の表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール612は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を加熱する機能をも併せ持っている。
【0035】
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(図示せず)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定している。その際に、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一にするとともに、定着ベルト610の軸方向の変位をできる限り小さく抑えるため、張架ロール612は、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成されている。
【0036】
張架ロール613は、外径25mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。また、張架ロール613の表面には厚さ20μmのPFAが被覆されて離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト610の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール613に堆積するのを防止するために形成されるものである。また、張架ロール613も張架ロール612と同様に、外径が端部よりも中央部の方を100μmだけ大きくしたクラウン形状で形成されている。なお、張架ロール612と張架ロール613の双方をクラウン形状で形成する場合のみならず、張架ロール612又は張架ロール613のいずれか一方のみをクラウン形状で形成してもよい。
【0037】
張架ロール613の内部には、加熱源としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図3参照)とによって表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外表面から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612及び張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
【0038】
姿勢矯正ロール614は、外径15mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。姿勢矯正ロール614の近傍には、定着ベルト610のエッジ位置を検知するベルトエッジ位置検知機構(図示せず)が配置されている。そして、姿勢矯正ロール614は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて定着ベルト610の軸方向における接触位置を変位させる軸変位機構が配設され、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成されている。
【0039】
剥離パッド64は、例えば、SUSの金属や樹脂等の剛体で形成された断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域の下流側近傍位置において、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。
【0040】
次に、加圧ロール62は、直径45mm、長さ360mmのアルミニウムからなる円柱状ロール621を基体として、基体側から順に、ゴム硬度30(JIS−A)のシリコーンゴムからなる厚さ10mmの弾性層622と、膜厚100μmのPFAチューブからなる離型層623とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に押圧されるように設置され、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印C方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印E方向に回転する。その進行速度は、定着ロール611の表面速度と同じ300mm/sである。
【0041】
定着装置60による定着プロセスでは、トナー像を保持した用紙Pは、ロールニップ部N1において加熱及び加圧されてトナーが溶融圧着される。その際に、ロールニップ部N1内において熱を受けた用紙Pやトナーからは、用紙P中の水分が気化して水蒸気を発生させたり、トナー中の空気が熱膨張しようとする。ところが、ロールニップ部N1では高いニップ圧が印加されているため、定着ベルト610と加圧ロール62との間に水蒸気や膨張した空気によるエアーギャップ(気泡)が生じることはない。
【0042】
次に、定着装置60における定着動作について説明する。
画像形成装置の二次転写部20(図3参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55及び定着入口ガイド56により、定着装置60のニップ部Nに向けて(図3参照:矢印F方向)搬送されてくる。そして、圧接部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロール圧接部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
【0043】
このとき、本実施の形態の定着装置60では、圧接部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール616を通じて供給される熱とによって加熱されるように構成されている。そのため、定着ロール611のみでは熱エネルギーが不十分である場合においても、張架ロール612及び張架ロール613から適切かつ速やかに熱エネルギーを補給することができるので、圧接部Nにおいては、プロセススピードが300mm/sという高速であっても十分な熱量を確保することができる。
【0044】
すなわち、本実施の形態の定着装置60では、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく形成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、張架ロール612及び張架ロール613とに広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短かい期間に、定着ロール611や張架ロール612及び張架ロール613から十分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、圧接部Nにおいては、定着装置60が高速化されても、所定の定着温度を常に維持することができる。
【0045】
その結果、本実施の形態の定着装置60においては、連続通紙時においても定着温度を略一定に維持することが可能となる。また、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持及び温度ドループの発生を抑制することができる。さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップ及びダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ616a、さらにはハロゲンヒータ616b、ハロゲンヒータ616cの出力調整により、所望の温度への切り替えを容易、かつ速やかに行われる。
【0046】
以上説明したように、定着装置60は、加熱部材として定着ベルト610が定着ロール611を含む複数のロールで張架されて構成された定着ベルトモジュール61を用いているので、画像形成装置が高速化されても、定着装置60において所定の定着温度を常に維持することができる。さらには、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。そのため、高品質な定着画像を短時間で大量に提供される。
【0047】
次に、上述の本実施の形態に係る定着装置を備えた画像形成装置について説明する。図3に示すように、画像形成装置30は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0048】
図3において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0049】
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図2に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとしては、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34が配設されている。
【0050】
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107〜109Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0051】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が107〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
【0052】
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107〜109Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに、二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
【0053】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニットタイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
【0054】
さらに、図3に示す画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送路53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。図3に示す画像形成装置では、定着装置60として本実施の形態に係る定着装置を用いる。
【0055】
次に、図3に示す画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図3に示す画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0056】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0057】
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性(プラス極性)の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
【0058】
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送路53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0059】
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性と同極性(マイナス極性)の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
【0060】
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における搬送速度に合わせて、用紙Pを最適な搬送速度で定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙部(図示せず)に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【実施例】
【0061】
以下に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。
【0062】
(実施例1)
PFA樹脂として、結晶化度(C)が、表面結晶化度Ca=24%及び裏面結晶化度Cb=30%であり、Ca<Cbの関係を満たすものを以下の方法で用意した。これを用いて、以下のように帯状部材を作製した。
【0063】
基材として、厚さ80μm、外径168mmのポリイミドベルトを準備した。準備したポリイミドベルト上にデュロメータ硬度35(Hs/A)のシリコーンゴムからなる厚さ250μmの弾性層を形成した。弾性層上に、上述のPFA樹脂からなる、膜厚35μmの離型層を形成して実施例1の帯状部材を得た。
【0064】
なお、上述のPFA樹脂は、チューブ、シート状フィルム等の形状に成形される。チューブに成形する場合は、吐出口に環状ダイスを有するスクリュー式1軸押出機にフッ素系樹脂を供給(バレル温度は約200〜350℃、ダイス温度はバレルの先端温度と同じか若干低めに設定)し、このダイスから溶融押出して、これを直ちに、このダイスの先端に併設された外部冷却用ダイスに挿通して、外側のみ冷却しつつ、実質的に延伸せず(送り速度と実質的に同速度)に引き取る。得られたチューブは延伸されたものであってもなくてもよく、また熱収縮性を有するものであってもなくてもよい。シート状に成形したフィルムも、公知の方法により管状に成形して用いることができる。そして、PFA樹脂の結晶化度は、例えば、X線広角散乱測定(XRD)を用いて測定することができる。2θにおける14〜20°にかけてのピークの面積から結晶化度を算出することができる。
【0065】
(比較例1)
実施例1において、外部冷却用ダイスを用いることなく、かつ離型層を構成するPFA樹脂として、旭硝子社製、950HP−P:結晶化度Ca=Cb=24%、を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の帯状部材を得た。
【0066】
(比較例2)
実施例1において、外部冷却用ダイスを用いることなく、かつ離型層を構成するPFA樹脂として、旭硝子社製、P−66P:結晶化度Ca=Cb=30%、を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の帯状部材を得た。
【0067】
(実施例2)
実施例1において、PFA樹脂として、結晶化度(C)が、表面結晶化度Ca=25%及び裏面結晶化度Cb=28%であり、Ca<Cbの関係を満たすものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の帯状部材を得た。
【0068】
(実施例3)
実施例1において、PFA樹脂として、結晶化度(C)が、表面結晶化度Ca=28%及び裏面結晶化度Cb=30%であるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の帯状部材を得た。
【0069】
(比較例3)
実施例2において、成形後に表面層と裏面層とをひっくり返したこと(表面結晶化度Ca=28%及び裏面結晶化度Cb=25%としたこと)以外は実施例2と同様にして、比較例3の帯状部材を得た。
【0070】
(比較例4)
実施例1において、PFA樹脂を冷却する際に表層を急冷し、裏面層を最大限ゆっくり冷やしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の帯状部材を得た。
【0071】
[評価]
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた帯状部材について、その帯状部材の評価を行うとともに、定着装置及び画像形成装置用いて定着された画像の画質の評価として、紙突入傷及びチューブシワの評価をそれぞれ行った。
【0072】
(帯状部材の評価)
帯状部材の評価は、上記実施例で得られた帯状部材を備えた図2に示す定着装置を用いて行なった。その結果、800mm/secで回転させて通紙を500000枚行なっても問題なく、十分な耐久性を示した。
【0073】
(用紙突入傷の評価)
用紙突入傷の評価は、上記に示す定着装置を備えた図3に示す画像形成装置を用いて行なった。この場合、用紙として、A4サイズのミラーコートプラチナ(256g/m、富士ゼロックスインターフィールド社製)を用いた。初めに、図3に示す画像形成装置に、A4用紙の長編軸が用紙搬送方向と一致するように1枚だけ通紙を行なった。その後、A3サイズのOKトップコート紙(127g/m富士ゼロックスインターフィールド社製)を用いて、ベタ黒画像を出力した。ベタ黒画像は以下のように評価した。その結果を表1に示す。
○…定着ベルトの用紙突入傷をほぼ確認することができない。
×…用紙突入傷を確認することができる。
【0074】
(チューブシワの評価)
チューブシワの評価は、用紙突入傷の評価の場合と同様の画像形成装置を用いて行なったが、用紙として、A3サイズのJ紙(82g/m、富士ゼロックスインターフィールド社製)5000枚を格子(45度)の画像で通紙を行なった。チューブは以下のように評価した。その結果を表1に示す。
○…定着ベルトのチューブシワをほぼ確認することができない。
×…チューブシワを確認することができる。
【0075】
【表1】

【0076】
表1に示す結果から、結晶化度(C)がCa<CbであるPFA樹脂を用いて離型層を形成する帯状部材を用いると(実施例3)、チューブシワが発生せず、その後の通紙においても画像に傷が転写されないことが分る。そして、CaとCbの差は、2%以上、さらに3%以上であれば厚紙を通紙しても用紙突入傷が生じにくくなる効果が得られることが分かった(実施例2、3)。また、Ca及びCbのそれぞれの上下限は15%と45%であることが分かる。これは、14%未満であるとPFA樹脂の融点が下がりすぎ、定着ベルトの離型層として機能しなくなったこと、45%を超えるとPFA樹脂が硬くなりすぎ、定着ベルトの離型層として機能しなくなったためである(比較例4)。
【0077】
一方、結晶化度Ca=CbであるPFA樹脂を用いて離型層を形成する帯状部材を用いると(比較例1〜2)、用紙突入傷又はチューブシワが生じ易いことが分かる。チューブシワは、通紙部で紙とPFA樹脂とが滑り、非通紙部と速度差が生じることによる。表面層と裏面層で結晶化度がCa<Cbであれば、さらに紙の滑りを防止するために、実施例1と比較例1の差が生じると考えられる。そして、結晶化度が入れ替わった場合(比較例3)も表面側のPFA樹脂が硬めのため、厚紙の突入に対して塑性変形してしまうことでキズが生じ易いことが分った。
【0078】
以上、本実施の形態の帯状部材を定着装置及び画像形成装置に用いることにより、厚紙を通紙しても用紙突入傷が生じ難く、その後の通紙においても画像に傷が転写されず、チューブシワも発生することのない定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
【0079】
(変更例)
本発明の帯状部材は、定着部材として用いられることに限定されず、中間転写ベルト、用紙搬送ベルトといった画像形成装置に用いられる各種の帯状部材に適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 一次転写部
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 ドラムクリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
23 駆動ロール
25 バックアップロール
26 給電ロール
30 画像形成装置
31 駆動ロール31
32 支持ロール
33 テンションロール
34 クリーニングバックアップロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙トレイ
51 ピックアップロール
52 搬送ロール
53 搬送路
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
61 定着ベルトモジュール
62 加圧ロール
64 剥離パッド
100 帯状部材
101 離型層
102 弾性層
103 基体
610 定着ベルト(帯状部材)
611 定着ロール
612 張架ロール
613 張架ロール
614 姿勢矯正ロール
615 張架ロール
616a ハロゲンヒータ
616b ハロゲンヒータ
616c ハロゲンヒータ
617a 温度センサ
617b 温度センサ
617c 温度センサ
621 円柱状ロール
622 弾性層
623 離型層
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、弾性層と、離型層とを、この順に有し、
前記離型層は、少なくともPFA樹脂(パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とテトラフルオロエチレン(TFE)との2元共重合体)からなり、かつ
前記離型層を構成する前記PFA樹脂の結晶化度(C)は、前記離型層の表面側結晶化度(Ca)が、裏面側結晶化度(Cb)よりも小となるとともに、前記表面側結晶化度(Ca)及び前記裏面側結晶化度(Cb)のいずれもが、15〜45%の範囲に属するように、構成された帯状部材。
【請求項2】
前記裏面側結晶化度(Cb)と前記表面側結晶化度(Ca)との差((Cb)−(Ca)が、3%以上となるように構成された請求項1に記載の帯状部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の帯状部材を備えた定着装置。
【請求項4】
請求項3に記載の定着装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−68578(P2012−68578A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215230(P2010−215230)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】