説明

帯電装置及びそれを用いた画像形成装置

【課題】作業効率を低下させることなく、帯電ローラと被帯電体との間隙にシート状の放電抑制部材を精度よく安定して配置できる帯電装置を提供する。
【解決手段】帯電ローラ71と感光体ドラム20とのニップ部Nで放電抑制シート73の自由端側を挟持し、放電抑制シート73を帯電ローラ71の回転方向上流側に張設する。ここで、感光体ドラム20の帯電量をより均一にする観点からは、放電抑制シート73と感光体ドラム20とを、ニップ部Nから帯電ローラ71の回転方向上流側に所定長さ以上接触させるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯電装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、より詳細には帯電ローラを用いて接触帯電させる帯電装置及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで電子写真方式の画像形成装置では、ワイヤー電極を用いた非接触帯電方式のコロナ帯電が一般的であったが、このような非接触帯電方式では、気中放電に伴って人体に有害とされるオゾンが僅かながら発生する。このため、近年、低オゾン化の市場要求に応えて、オゾン発生量の少ない接触帯電方式の帯電装置が種々提案され実用化されている。
【0003】
接触帯電方式の帯電装置において、最も簡単な方式は帯電ローラに直流電圧を印加する方式であるが、かかる方式では被帯電体の帯電量が不均一になりやすい。このため、画像の解像度が低下したり、非画像部にトナーが付着するいわゆる「かぶり」が生じることがある。被帯電体の帯電量が不均一となる原因の一つとして、帯電ローラと被帯電体との間隙の大きい領域での放電が指摘されている(例えば、非特許文献1など)。
【0004】
そこで、帯電ローラと被帯電体との間隙に放電抑制部材を配置し、帯電ローラと被帯電体との間隙の大きい領域での放電を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-72705号公報
【特許文献2】特開平9-218560号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Ricoh Technical Report No.30「電子写真での放電による画像劣化のシミュレーション」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記提案技術のような、シート状の薄い放電抑制部材を帯電ローラと被帯電体との間隙に高精度で配置することは、製造工程における作業効率が悪く生産性が低下するおそれがある。
【0008】
そこで本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業効率を低下させることなく、帯電ローラと被帯電体との間隙にシート状の放電抑制部材を精度よく安定して配置できる帯電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、被帯電体と接触して被帯電体を帯電させる回転自在の帯電ローラと、前記帯電ローラと前記被帯電体とのニップ部で一方端が挟持され、前記帯電ローラの回転方向上流側に張設された絶縁性でシート状の放電抑制部材とを備えたことを特徴とする帯電装置が提供される。
【0010】
ここで、被帯電体の帯電量をより均一にする観点からは、前記放電抑制部材と前記被帯電体とを、前記ニップ部から前記帯電ローラの回転方向上流側に所定長さ以上接触させるのが好ましい。
【0011】
前記放電抑制部材と前記被帯電体との接触長さとしては、前記帯電ローラの軸中心から前記ニップ部の中央に下ろした垂線と平行な方向の、前記帯電ローラと前記被帯電体との距離dが下記式(1)を満足する範囲とするのが好ましい。
【数1】

(式中、V:帯電ローラへの印加電圧(V),d:帯電ローラの軸中心からニップ部中央に下ろした垂線と平行な方向の前記帯電ローラと前記被帯電体との距離(m))
【発明の効果】
【0012】
本発明の帯電装置では、シート状の放電抑制部材の一方端を帯電ローラと被帯電体とのニップ部で挟持するようにしたので、シート状の放電抑制部材の配置における裕度が大きくなり、組立て精度や部品の寸法精度などによらず、帯電ローラと被帯電体との間隙にシート状の放電抑制部材を安定して配置できる。
【0013】
また、放電抑制部材と被帯電体とを、ニップ部から帯電ローラの回転方向上流側に所定長さ以上接触させると、被帯電体の帯電量をより均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概説図である。
【図2】帯電装置の概略構成図である。
【図3】従来の帯電装置の概略構成図である。
【図4】帯電装置のニップ部付近の拡大図である。
【図5】帯電ローラへの印加電圧Vと、帯電ローラと感光体ドラムとの距離dとを変化させたときの白抜け画像の発生の有無を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図に基づいてより詳しく説明するが本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0016】
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概説図を示す。図1の画像形成装置Dは所謂タンデム方式のカラープリンタである。もちろん、プリンタのほか、さらにスキャナを有する複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。また、画像形成方式としてはタンデム方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、回転軸の周囲に4つの現像装置を配置し、これらを順次静電潜像担持体に対向させてフルカラー画像を作成する所謂4サイクル方式、あるいは一つの現像装置でモノクロ画像を作成するモノクロ方式であっても構わない。
【0017】
画像形成装置Dは、導電性を有する無端状の中間転写ベルト33を有する。中間転写ベルト33は、図の左右両側にそれぞれ配置された一対のローラ31,32に掛架されている。ローラ32は不図示のモータに連結されており、モータの駆動によってローラ32は反時計回りに回転し、これによって中間転写ベルト33とこれに接するローラ31は従動回転する。ローラ32に支持されているベルト部分の外側には、二次転写ローラ34が圧接している。この二次転写ローラ34と中間転写ベルト33とのニップ部(二次転写領域)において中間転写ベルト33上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙Pに転写される。
【0018】
また、ローラ31に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルト33の表面をクリーニングするクリーニングブレード92が設けられている。クリーニングブレード92は、中間転写ベルト33との当接部で、未転写の残留トナーを除去・回収する。
【0019】
ローラ31とローラ32とに掛架された中間転写ベルト33の下側には、中間転写ベルト33の回転方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの作像部2Y,2M,2C,2K(以下、「作像部2」と総称することがある)が、装置本体10に対して着脱自在に配置されている。これらの作像部2では、各色の現像剤をそれぞれ用いて対応する色のトナー像が作成される。
【0020】
作像部2は、静電潜像担持体として感光体ドラム(被帯電体)20を有する。そして、感光体ドラム20の周囲には、その回転方向(時計回り方向)に沿って順に、帯電装置7、現像装置23、一次転写ローラ24、およびクリーニングブレード62が配置されている。そして、クリーニングブレード62の一端側が感光体ドラム20の外周面に当接し、感光体ドラム20の表面に残留するトナーを除去・回収する。一次転写ローラ24は中間転写ベルト33を挟んで感光体ドラム20に圧接し、ニップ部(一次転写領域)を形成している。また、作像部2の下方には露光装置22が配置されている。なお、後述するように、帯電装置7はローラ帯電方式である。
【0021】
中間転写ベルト33の上方には、各色の現像装置23に補給するトナーを収容したホッパー4Y,4M,4C,4K(以下、「ホッパー4」と総称することがある)がそれぞれ配置されている。また、露光装置22の下部には、給紙装置として給紙カセット50が着脱可能に配置されている。給紙カセット50内に積載収容された用紙Pは、給紙カセット50の近傍に配置された給紙ローラ51の回転によって最上紙から順に1枚ずつ搬送路に送り出される。給紙カセット50から送り出された用紙Pは、レジストローラ対52に搬送され、ここで所定のタイミングで二次転写領域に送り出される。
【0022】
画像形成装置Dは、1色のトナー(例えばブラック)を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードと、4色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーモードとに切り替え可能となっている。
【0023】
カラーモードにおける画像形成動作例について簡単に説明すると、まず、各作像部2において、所定の周速度で回転駆動される感光体ドラム20の外周面が帯電装置7により帯電される。次に、帯電された感光体ドラム20の表面に、画像情報に応じた光が露光装置22から投射されて静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像は、現像装置23から供給される現像剤としてのトナーにより顕在化される。このようにして感光体ドラム20の表面に形成された各色のトナー像は、感光体ドラム20の回転によって一次転写領域に達すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体ドラム20から中間転写ベルト33上へ転写(一次転写)されて重ねられる。
【0024】
中間転写ベルト33に転写されることなく感光体ドラム20上に残った残留トナーは、クリーニングブレード62で掻き取られ、感光体ドラム20の外周面から除去される。
【0025】
重ね合わされた4色のトナー像は、中間転写ベルト33によって二次転写領域に搬送される。一方、そのタイミングに合わせて、レジストローラ対52から二次転写領域に用紙Pが搬送される。そして、4色のトナー像が、二次転写領域において中間転写ベルト33から用紙Pに転写(二次転写)される。4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着装置1へ搬送される。定着装置1において用紙Pは、定着ローラ11と加圧ローラ12とのニップ部を通過する。この間に用紙Pは加熱・加圧され、用紙P上のトナー像は用紙Pに溶融定着する。トナー像が定着した用紙Pは排出ローラ対53によって排紙トレイ54に排出される。
【0026】
一方、用紙Pに転写されることなく中間転写ベルト33上に残った残留トナーは、クリーニングブレード92で掻き取られ、中間転写ベルト33の外周面から除去される。その後、各感光体ドラム20及び中間転写ベルト33の回転駆動が停止される。
【0027】
図2に、本発明に係る帯電装置7の概略構成図を示す。感光体ドラム20を帯電させる帯電装置7は、感光体ドラム20と圧接する帯電ローラ71と、帯電ローラ71に帯電電圧を印加する電源72と、帯電ローラ71と感光体ドラム20との間の放電を抑制する放電抑制シート(放電抑制部材)73とを備える。
【0028】
帯電ローラ71は、金属製の芯金711と、芯金711の外周面に形成された円筒状の弾性体層712とを有する。帯電ローラ71と感光体ドラム20とは、両者の回転軸が平行となり、両者が圧接してニップ部Nが形成されるように配置されている。感光体ドラム20は不図示の回転手段によって図において時計回りに回転し、帯電ローラ71は感光体ドラム20の回転によって従動回転する。
【0029】
芯金711の材質は導電性であればよく、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属材料が挙げられる。また、芯金711は、導電性を害さない範囲において耐傷性や防錆性を高めるめっき等の表面処理を施していてもよい。芯金711の形状は円柱状に限定されるものではなく、円筒状や無端ベルト状などであっても構わない。
【0030】
弾性体層712は導電性と弾性とを備え、例えば、高分子弾性体に導電剤を分散させたものが好適に使用される。高分子弾性体としては、例えば、EPDMゴムやポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが挙げられる。また導電剤としては、カーボンブラックやグラファイト、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、銅粉、銀粉、導電性繊維などが挙げられる。
【0031】
弾性体層712の体積抵抗率としては、通常、10Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲が好ましく、体積抵抗率の調整は分散させる導電剤の種類や量によって調整できる。
【0032】
また、弾性体層712の硬度としては30度〜80度の範囲が好ましく、軟化油や可塑剤などの添加量によって調整できる。
【0033】
弾性体層712の層厚としては特に限定はないが、通常、0.5mm〜5mmの範囲が好適である。
【0034】
弾性体層712の形成は、例えば、高分子弾性体及び導電剤などの原料を混合した後、導電性基体の外周に塗布形成すればよい。あるいは、押出成形等により導電性弾性層を別途成形した後、導電性基体に嵌め入れればよい。
【0035】
弾性体層712には、前記特性を害さない範囲において、充填剤や軟化剤、可塑剤、加硫遅延剤など添加剤を配合してもよい。
【0036】
また、本発明で使用する放電抑制シート73は、例えば、絶縁性の可撓性部材からなり、軸方向の長さは、帯電ローラ71のそれよりも長く設定されている。
【0037】
本発明に係る帯電装置7の大きな特徴の一つは、感光体ドラム20と帯電ローラ71とのニップ部Nに放電抑制シート73の自由端側を挟持させ、帯電ローラ71の回転方向上流側の感光体ドラム20と帯電ローラ71との隙間に放電抑制シート73を張設したことにある。これによって、放電抑制シート73の取り付けの裕度が大きくなり、組立て精度や部品の寸法精度などによらず、帯電ローラ71と感光体ドラム20との間隙に放電抑制シート73を安定して配置できるようになる。すなわち、従来は、放電抑制シート73の自由端をニップ部N近傍の所定位置に高い精度で取り付ける必要があったが、本発明では、放電抑制シート73の自由端をニップ部Nに挟み込ませるので、放電抑制シート73の取り付け精度の裕度は従来に比べて格段に大きくなる。
【0038】
以下、本発明者等が行った実験について説明する。本発明者等は、放電抑制シート73の自由端の位置を、ニップ部Nの中央を基準としてニップ部中央の接線方向に移動させて、画像不具合が発生するかどうかを実験した。また、図3に示す従来の帯電装置を用いて、放電抑制シート73の自由端の位置を、ニップ部Nの上流端を基準としてニップ部中央の接線方向に移動させて、画像不具合が発生するかどうかを実験した。実験条件は次のとおりである。結果を合わせて表1に示す。
【0039】
感光体ドラム
直径24mm
帯電ローラ
直径:12mm
芯金直径:6mm
弾性体層の厚み:3mm
感光体ドラムへの食い込み量:0.7mm
ニップ幅:3mm
放電抑制シート
厚み:10μm
体積抵抗:1014Ωm
ニップ部上流端から長さL=2mm上流側まで感光体ドラムに接触
【0040】
【表1】

*基準位置 本発明の帯電装置:ニップ部の中央
従来の帯電装置 :ニップ部の上流端
【0041】
表1から明らかなように、従来の帯電装置では正常画像が得られる放電抑制シート73の取り付け範囲はわずか0.5mmの範囲しかないのに対し、感光体ドラム20と帯電ローラ71とのニップ部Nで放電抑制シート73の自由端を挟持した本発明の帯電装置では、正常画像が得られる放電抑制シート73の取り付け範囲は、ニップ部Nの中央から下流側に1.0mmの位置から上流側1.5mmの位置まで2.5mmの範囲もあった。
【0042】
なお、本発明の帯電装置では、基準位置から放電抑制シート73の自由端までの距離が−1.5mmの場合、また従来の帯電装置では、基準位置から放電抑制シート73の自由端までの距離が1.0mm以上の場合に、周期的なムラが発生しているが、これは、放電領域が狭くなったことによる帯電不足によるものである。また、本発明の帯電装置では、基準位置から放電抑制シート73の自由端までの距離が2.0mmの場合、従来の帯電装置では、基準位置から放電抑制シート73の自由端までの距離が−0.5mmの場合に、シャープな横筋が発生しているが、これは、放電抑制シート73の自由端のニップ部Nへの挟み込みと解放とが繰り返し発生することでトルクが変動し、それが画像に現れた結果である。
【0043】
また、従来の帯電装置では、放電抑制シート73の取付けが、正常画像が得られた範囲であっても、一定期間放置した後に画像形成を行うと、中間濃度の画像に白く抜けた画像ノイズが発生する。この画像ノイズは、放置等によって放電抑制シート73上の電荷が中和・漏洩した場合に発生しやすく、放電抑制シート73と感光体ドラム20との間の放電に起因するものと推測される。そこで、本発明者等は、このような画像ノイズを防止するには、放電抑制シート73を感光体ドラム20に接触させればよいとの考えに基づき、放電抑制シート73の、感光体ドラム20への接触長さを変化させて画像ノイズを防止できるかどうか実験を行った。図4にニップ部Nの拡大断面図、図5に実験結果をそれぞれ示す。
【0044】
図4において、放電抑制シート73の、ニップNの上流端から感光体ドラム20に接触している長さを「L」とし、帯電ローラ71の軸中心からニップ部Nの中央に下ろした垂線と平行な方向の、感光体ドラム20と帯電ローラ71との距離を「d」とする。感光体ドラム20と帯電ローラ71との距離dが49,113,197,298,419μmとなる位置までニップ部Nから放電抑制シート73を感光体ドラム20に接触させると共に、帯電ローラ71に印加する電圧を−800V〜−2000Vまで−200V間隔で電圧を変化させて画像形成を行い、形成された画像評価を目視により行った。白抜け画像が発生しなかった場合を「○」、白抜け画像が発生した場合を「×」とした。なお、放電抑制シート73の、感光体ドラム20との接触長さLは、放電抑制シート73の筐体側の固定位置を移動させることにより調整した。
【0045】
その結果、図5に示すように、感光体ドラム20と帯電ローラ71との距離dが広がると、帯電ローラ71への印加電圧が高くなっても放電は起こらず白抜け画像は発生しない一方、感光体ドラム20と帯電ローラ71との距離dが狭くなると、帯電ローラ71への印加電圧が低くても放電が起こり白抜け画像が発生する。そこで、得られたデータから、白抜け画像が発生する領域と発生しない領域との境界線を表す前記式(1)を求めた。前記式(1)を満足するように放電抑制シート73の、感光体ドラム20との接触長さLを設定すれば白抜け画像の発生が防止される。なお、帯電ローラ71への印加電圧を定めれば、前記式(1)から帯電ローラ71と感光体ドラム20との距離dが算出され、そして算出された距離d及び感光体ドラム20と帯電ローラ71の直径から、放電抑制シート73の感光体ドラム20との接触長さLが求まる。前述のように、放電抑制シート73の感光体ドラム20との接触長さLは、放電抑制シート73の筐体との固定位置を感光体ドラム20に接近・離間させることによって調整できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の帯電装置は、シート状の放電抑制部材の一方端を帯電ローラと被帯電体とのニップ部で挟持するようにしたので、シート状の放電抑制部材の配置における裕度が大きくなり、組立て精度や部品の寸法精度などによらず、帯電ローラと被帯電体との間隙にシート状の放電抑制部材を安定して配置でき有用である。
【符号の説明】
【0047】
7 帯電ローラ
N ニップ部
D 画像形成装置
20 感光体ドラム(被帯電体)
73 放電抑制シート(放電抑制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電体と接触して被帯電体を帯電させる回転自在の帯電ローラと、前記帯電ローラと前記被帯電体とのニップ部で一方端が挟持され、前記帯電ローラの回転方向上流側に張設された絶縁性でシート状の放電抑制部材とを備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記放電抑制部材と前記被帯電体とが、前記ニップ部から前記帯電ローラの回転方向上流側に所定長さ以上接触している請求項1記載の帯電装置。
【請求項3】
前記放電抑制部材と前記被帯電体との接触長さを、前記帯電ローラの軸中心から前記ニップ部の中央に下ろした垂線と平行な方向の、前記帯電ローラと前記被帯電体との距離dが下記式(1)を満足する範囲とする請求項2記載の帯電装置。
【数1】

(式中、V:帯電ローラへの印加電圧(V),d:帯電ローラの軸中心からニップ部中央に下ろした垂線と平行な方向の前記帯電ローラと前記被帯電体との距離(m))
【請求項4】
帯電装置として請求項1〜3のいずれかに記載の帯電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247488(P2012−247488A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116947(P2011−116947)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】