説明

帳票分類処理システム、電子媒体レセプトの作成方法および納入方法

【課題】特に医療機関にて月次大量に発生するレセプト等の帳票処理に有効な帳票分類処理システムを提供し、また帳票納入先への便宜やサービス向上が図られる納入方法を提供する。
【解決手段】レセプトを読み取って得られる読取画像データから正常形状の帳票を判定し、正常な帳票の読取画像データの濃度補正を行い、補正された視認性の優れた読取画像データから保険者番号、請求額の妥当性を確認するための読取データ、部分画像データ、全面画像データをそれぞれ取得して、帳票を該当ポケットに仕分け収納して分類化すると共に、保険者別に帳票の請求額を合計した請求点合算データ、取得した読取データ、部分画像データ、全面画像データをそれぞれ電子媒体に書き込んで電子媒体レセプトを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票分類処理システムに関し、また電子媒体レセプトの作成方法および納入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスを提供する営業事業体において、月次発行される売上伝票や請求伝票等の帳票分類処理を行う帳票分類処理システムが知られている。例えば、下記特許文献1では、伝票等の帳票を受け入れて、そこに記載された文字を読み取り、帳票の納入先用のポケットに分類して仕分け収納すると共に、帳票に記載された請求金額の集計処理を実行する帳票分類処理システムが開示されている。
【0003】
ところで、病院や診療所等の医療機関では、上記した帳票分類処理システムを適用して、月次発行される治療患者の診療報酬としての請求金額(請求点)等が記載されたレセプトを受け入れ、そこに記載された文字を読み取り、各レセプトを所定の健康保険組合等(以下、保険者)へ発送すべく、各レセプトを保険者用のポケットにそれぞれ分類して仕分け収納すると共に、収納された各納入先のレセプトに記載された請求金額(請求点)の集計処理を実行し、各地の保険者へ発送している。
【0004】
図3及び図4は、上述したような従来の帳票分類処理システムを示すブロック構成図及び従来の分類化レセプト納入方法を示す模式図である。
【0005】
図3に示すように、従来の帳票分類処理システムは、光学的読取装置(Optical Character Reader)を主体とする帳票読取分類部1、システム制御部2、修正端末3及びプリンタ4を有している。
【0006】
システム制御部2では、システム全体の制御を行い、まず、帳票読取分類部1に対してレセプト40の読取分類を指示する。該指示を受けた帳票読取分類部1は、帳票としてのレセプト40の記載内容を撮像機構で読み取り、読取データを生成するとともに、各レセプトを納入先となる保険者A、B、C・・・別に分類する(図4参照)。また、帳票読取分類部1は、読取時に不読が発生したレセプト上の項目を修正するための画像データを生成する。引き続き、システム制御部2は、帳票読取分類部1で読み取られたレセプト40の読取データ及び画像データをメモリに保持する。修正端末3は、読取データ及び画像データがメモリに保持されると、読取データ及び画像データに基づいた修正画面を表示部に表示し、オペレータ等が修正画面を目視確認しながら、必要に応じて読取データを修正する。引き続き、システム制御部2は、修正確認された読取データを参照し、納入先A、B、C・・・別に分類された各レセプトに記載されている請求点の集計額を示す請求合算データを保険者毎に生成し、プリンタ4は、生成された請求合算データに基づく印刷処理を実行する。
【0007】
こうして、図4に示すように、分類前のレセプト40は複数の保険者A、B、C・・・ごとに仕分けされ、請求点を合計する合算計算が行われ、保険者Aに対してはレセプト41と請求点合算データ42が提供され、保険者Bに対してはレセプト43と請求点合算データ44が提供され、保険者Cに対してはレセプト45と請求点合算データ46が提供されるといったレセプト納入サービスが実行される。
【特許文献1】特開平8−272884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した帳票分類処理システムでは、次のような解決すべき課題があった。即ち、分類されたレセプト41、43、45は健康保険組合等の保険者A、B、C・・・別に仕分けして納入されるが、納入先では事業規模によって、納入された大量のレセプト41、43、45の保管スペースを確保するための経費等の管理コストが嵩むという問題があった。また、請求点として記載された請求額が妥当かどうか請求内容を審査する必要があるが、そうした審査には熟練を要するため、専門の審査機関に委託すると、大量のレセプトを運送するためのコストが生じる問題があった。また、上記審査機関においても、持ち込まれた大量のレセプトを過去のレセプトと対照させて審査する際、双方のレセプトについて紙上での比較は非常に困難である問題があった。
【0009】
そこで、上記の問題を解決するためには、受け付けたレセプトから、審査に必要な画像データを取得すると共に、取得した画像データを読取データ、請求点合算データと共に記録した電子媒体レセプトを作成し、該作成された電子媒体レセプトを各保険者へ発送することが考えられる。
【0010】
しかしながら、上記したように、単に受け付けたレセプトから、審査に必要な画像データを取得する制御のみでは、例えば、受け付けたレセプトに紙折れ、重走等が生じた場合、画像の一部が欠けた視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【0011】
また、受け付けたレセプトが蛇行していた場合、画像の歪んだ視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データが記録された電子媒体レセプトが作成される虞があった。また、受け付けたレセプトに記載された文字、図表等の濃度が薄いために、色彩や形状がぼんやりとした視覚性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データが記録された電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【0012】
また、レセプトの背景色の濃度が濃いために、画像にノイズを含んだ視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。また、レセプトに押印されたスタンプ等のにじみが生じることで、レセプトに記載された文字がつぶれた視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【0013】
また、複数枚を重ねて綴じたレセプトを撮像した場合に下のレセプトの画像が映り込んだ視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【0014】
さらに、レセプトの審査に必要な所定の画像領域を抽出した部分画像データを取得する場合に、画像領域から外れて文字等が記載されていることから、記載された文字が識別困難な視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【0015】
このように、レセプトの画像の取得状態によっては、上述したように視認性の悪い画像データが取得されてしまう。また、かかる視認性の悪い画像データでは光学的読取装置による文字認識の精度が下がってしまい、分類に失敗するおそれもある。

【0016】
また、従来では、レセプト以外の不要な背景等の領域を含む視認性の悪い画像データが取得されることから、該視認性の悪い画像データを記録した電子媒体レセプトが作成される虞があった。さらに、続紙等が付与されたことによりレセプトの形状が横長である場合、審査時に全体を画面表示できないような視認性の悪い画像データが取得され、該視認性の悪い画像データが記録された電子媒体レセプトが作成される虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
受け付けた帳票の記載内容を読み取って納入先別のポケット機構に分類すると共に、前記分類された帳票毎に、それぞれ読み取られた記載内容データを納入先別に保持する帳票分類処理システムにおいて、帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記帳票の外形を検出し、該背景と帳票との境界を示す境界座標データ及び該帳票の角を示す帳票角座標データをそれぞれ取得する帳票外形検出部と、前記取得された境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の平行度、角度及び前記取得される帳票角座標データの数に基づいて、帳票形状が正常か否かを判定する形状判定部と、前記形状判定部が帳票形状を正常と判定すると、読取画像データから、予め登録された帳票上の各項目の領域位置を示す領域データに基づいて、前記帳票の記載内容の審査に必要な部分画像データを作成する部分画像作成部と、前記部分画像データが作成されると、前記読取画像データから、前記領域データに基づいて、前記審査に必要な帳票上の全項目を含む全面画像データを作成する全面画像作成部と、少なくとも、前記記載内容データ、前記作成された部分画像データ及び全面画像データを納入先別に書き込んだ電子媒体を作成する電子媒体作成部とを備えることを特徴とする。
〈構成2〉
構成1の帳票分類処理システムにおいて、前記形状判定部が帳票形状を正常と判定すると、前記読取画像データの濃度毎の画素数を示す濃度ヒストグラムデータを生成する濃度分布測定部と、前記生成された濃度ヒストグラムデータに基づいて、前記読取画像データの濃度分散比を示す濃度分散比データを算出すると共に、該算出された濃度分散比データが予め登録された基準濃度分散比データより大きいと、利用可能な有効濃度の帳票と判定する濃度判定部と、有効濃度の帳票と判定されると、前記読取画像データの視認性を向上すべく、濃度補正を実行する画像補正部とをさらに備え、前記部分画像作成部は、前記濃度補正された読取画像データから部分画像データを作成することを特徴とする。
〈構成3〉
構成1の帳票分類処理システムにおいて、前記帳票はレセプトであり、前記納入先は保険者であり、前記記載内容は、レセプトに記載されている請求点数であり、さらに、前記請求点数を合計した請求点合計データを保険者別に保持し、前記電子媒体作成部は、請求点合計データをともに電子媒体に書き込むことを特徴とする。
〈構成4〉
構成2の帳票分類処理システムにおいて、形状異常の帳票が収容される形状異常ポケット機構と、濃度異常の帳票が収容される濃度異常ポケット機構と、前記形状判定部が帳票形状を異常と判定すると、該帳票を前記形状異常ポケット機構に排出し、前記濃度判定部が帳票濃度を異常と判定すると、該帳票を前記濃度異常ポケット機構に排出するポケット制御部とを備えることを特徴とする。
〈構成5〉
構成2の帳票分類処理システムにおいて、前記形状判定部が帳票形状を異常と判定すると、前記帳票に対し、形状異常を示す画像判定結果データに基づく印字処理を実行し、前記濃度判定部が帳票濃度を異常と判定すると、前記帳票に対し、濃度異常を示す画像判定結果データに基づく印字処理を実行するナンバリング機構を備えることを特徴とする。
〈構成6〉
構成1乃至2のいずれかの帳票分類処理システムにおいて、前記部分画像作成部は、前記読取画像データから、予め登録された拡張値データが示す拡張範囲を含む帳票の審査に必要な所定項目を抽出した部分画像データを作成すると共に、該拡張範囲に対して、該拡張範囲を明示化すべく画像処理を行うことを特徴とする。
〈構成7〉
構成1の帳票分類処理システムにおいて、前記全面画像作成部は、前記取得される境界座標データ及び帳票角座標データに基づいて、前記背景を除去した帳票の全面画像データを作成することを特徴とする。
〈構成8〉
構成1及び7のいずれかの帳票分類処理システムにおいて、単帳票及び続紙からなる横長帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記横長帳票の外形を検出し、該背景と帳票との境界を示す境界座標データ、該帳票の角を示す帳票角座標データ及び単帳票と続紙間の境界を示すページ分割座標データをそれぞれ取得する境界検出部を含み、前記全面画像作成部は、前記横長帳票の読取画像データから、取得された境界座標データ、帳票角座標データ、ページ分割座標データに基づいて抽出した単帳票及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成することを特徴とする。
〈構成9〉
構成8の帳票分類処理システムにおいて、前記全面画像作成部は、前記横長帳票の読取画像データから、単帳票及び続紙の拡張すべき横幅の長さを示す予め登録された横幅拡張値データ、前記取得される境界座標データ、帳票角座標データ及びページ分割座標データに基づいて横幅を拡張して抽出した単帳票及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成し、前記作成される単帳票及び続紙の各全面画像データに含まれる背景を白画素に変換処理すると共に、横幅が拡張された範囲に対し、該範囲を明示化すべく画像処理を行う背景編集部とを備えることを特徴とする。
〈構成10〉
構成8の帳票分類処理システムにおいて、単帳票及び続紙の各全面画像データが作成されると、各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成するマルチ頁変換部を備えることを特徴とする。
〈構成11〉
受け付けたレセプトの記載内容を読み取って納入先となる保険者別のポケット機構に分類すると共に、前記分類されたレセプト毎に、それぞれ読み取られた記載内容データを保険者別に保持するレセプト分類処理システムにおいて、レセプト及び続紙からなる横長帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記横長帳票の外形を検出し、レセプトとの境界を示す境界座標データを求め、前記外形の縦方向の幅変化に基づきレセプトと続紙間の境界を示す境界座標データを求めてページ分割座標データとし、続紙部分の白画素の連続部分を検出することにより続紙同士の境界座標データを求めて続紙ページ分割座標データとし、前記境界座標データ、前記ページ分割座標データ、前記続紙ページ分割座標データに基づいて抽出したレセプト及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成し、前記記載内容データ、前記作成されたレセプト及び続紙の全面画像データを前記保険者別に書き込んだ電子媒体を作成する電子媒体作成部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の帳票分類処理システムでは、帳票の具体例として、医療機関が健康保険組合等の保険者に対して請求発行する診療報酬明細書のレセプトに好適であり、月次大量に発生するレセプト処理業務において医療機関および納入先の双方にとって遅滞のない迅速な処理が可能になる。
【0019】
また、読取画像データの濃度変化量に基づいて、レセプトが正常形状か否かを判定すると共に、正常形状のレセプトの読取画像データを視認性を向上すべく、濃度補正し、該補正された読取画像データから部分画像データ、全面画像データを抽出するようにしたので、視認性の優れた部分画像データ、全面画像データを含む電子媒体レセプトを作成することができる。
【0020】
さらに、レセプトから取得される読取画像データの形状異常、濃度異常を検知した場合に、ポケット機構により、形状異常、濃度異常別のポケットに仕分け収納されることから、オペレータは、仕分けされたレセプトが紙折れ等の状態ではないか確認することができ、レセプトの状態を直した後に再度上記した帳票分類処理を実行させるか、又はレセプトの入手元へ返戻するか等の対処が可能となる。
【0021】
また、読取画像データから、予め登録された拡張値データが示す拡張範囲を含むレセプトの審査に必要な所定項目を抽出した部分画像データを取得すると共に、該拡張範囲に対し、該拡張範囲を認識可能にすべく画像処理を行うようにしたので、項目から外れて文字等が記載されていることから、記載された文字等が識別困難な視認性の悪い部分画像データが取得され、該視認性の悪い部分画像データを記録した電子媒体レセプトが作成されるのを防止できる。
【0022】
さらに、各境界座標データに基づいて区分される読取画像データの領域のうち、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データを作成するようにしたので、視認性の悪い全面画像データが取得され、該視認性の悪い全面画像データを記録した電子媒体レセプトが作成されるのを防止できる。また、印刷時には、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データに基づく印刷処理を実行できるので、背景等の不要な外側領域を含むことで不要なトナーが消費されるのを防止できる。
【0023】
さらに、単帳票に続紙等が付与されたことによりレセプトの形状が横長である場合、横長帳票の読取画像データから、レセプトと各続紙との境界をそれぞれ検出すると共に、検出された境界に基づいて横長の読取画像データを区分してレセプト及び各続紙それぞれの全面画像データを作成するようにしたので、審査時の全面画像の視認性を向上させることができる。
【0024】
また、各全面画像データの背景等の不要な領域を白画素に変換処理すると共に、横幅が拡張された範囲に対し、該範囲を明示化すべく画像処理を行うようにしたので、各全面画像データ間の境界を容易に識別することができ、また、印刷時には、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データに基づく印刷処理を実行できるので、背景等の不要な外側領域を含むことで不要なトナーが消費されるのを防止できる。
【0025】
さらに、作成された各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成するようにしたので、1ファイルにて各全面画像データが管理でき、データ管理における利便性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
〈実施例1の構成〉
図1は、本発明の帳票分類処理システムを示すブロック構成図である。また、図2は、実施例1の分類化レセプト納入方法を示す模式図である。
【0028】
図1に示すように、実施例1の帳票分類処理システムは、帳票読取分類部1b、システム制御部2b、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5を有している。
【0029】
図5は、実施例1の帳票読取分類部1bを示すブロック構成図である。図5に示すように、帳票読取分類部1bは、分類前の帳票(=レセプト40)の記載内容を1枚ずつ読み取り、保険者A、B、C・・・別に分類等する部であり、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19、認識部20、設定テーブル21を有している。
【0030】
ページ番号記憶部19は、HDD等からなるメモリであり、読み取られた帳票のページ番号を示すページ番号データが保持される。
【0031】
認識部20は、受け付けた帳票を読み取ると共に、該帳票の画像データを生成する部であり、図6に示すように、帳票外形検出部401、形状判定部402、濃度分布測定部403、濃度判定部404、濃度補正部405、補正画像記憶部406、読取部407、部分画像作成部408、全面画像作成部409から構成されている。
【0032】
補正画像記憶部406は、HDD等のメモリであり、後述するように、補正された読取画像データが保持される。
【0033】
システム制御部2bは、システム全体の制御を行う部であり、業務AP部50を有している。この業務AP部50は、図7に示すように、業務設定テーブル51、プログラム部52、読取結果記憶部53、部分画像記憶部54、全面画像記憶部55、合計額記憶部56、電子媒体イメージ記憶部57、プリンタチャネル70、電子媒体チャネル71から構成されている。
【0034】
業務設定テーブル51は、帳票の読み取り等を制御するために参照されるテーブルであり、図8に示すように、ポケット設定テーブル80、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82、全面画像設定テーブル83、サービス設定テーブル84、無効帳票ポケット設定テーブル85から構成されている。
【0035】
ポケット設定テーブル80は、帳票納入先となる保険者用のポケットを識別するためのテーブルであり、保険者名及び保険者番号からなる保険者識別データ毎に、ポケット番号を示すポケット番号データが対応づけられたテーブルである。本実施例では、図9に示すように、保険者識別データ(=保険者A、保険者番号001)に対してポケット番号「1」を示すポケット番号データ、保険者識別データ(=保険者B、保険者番号002)に対してポケット番号「2」を示すポケット番号データ、保険者識別データ(=保険者C、保険者番号003)に対してポケット番号「3」を示すポケット番号データ、保険者識別データ(=その他、上記以外)に対してポケット番号「99」を示すポケット番号データがそれぞれ対応づけられていることとする。
【0036】
読取設定テーブル81は、保険者毎に読み取るべき帳票上の項目を識別するためのテーブルであり、保険者名及び保険者番号からなる保険者識別データ毎に、請求点、一部負担金、記号番号、診療実日数、診療開始日、傷病名等の各項目のうち、読み取りが必要な項目を「○」で示す読取要否データが対応づけられている。本実施例では、図10に示すように、保険者識別データ(=保険者A、保険者番号001)に対して請求点のみを読み取りが必要な項目とする読取要否データ、保険者識別データ(=保険者B、保険者番号002)に対して全ての項目を読み取りが必要な項目とする読取要否データ、保険者識別データ(=保険者C、保険者番号003)に対して全ての項目を読み取りが必要な項目とする読取要否データがそれぞれ対応づけられていることとする。
【0037】
部分画像設定テーブル82は、保険者毎に部分画像として取得すべき帳票上の項目を識別するためのテーブルであり、保険者名及び保険者番号からなる保険者識別データ毎に、請求点、一部負担金、記号番号、診療実日数、診療開始日、傷病名等の各項目のうち、取得が必要な項目を「○」で示す部分取得要否データが対応づけられている。本実施例では、図11に示すように、保険者識別データ(=保険者A、保険者番号001)に対して請求点のみを取得が必要な項目とする部分取得要否データ、保険者識別データ(=保険者B、保険者番号002)に対して全ての項目を取得が必要な項目とする部分取得要否データ、保険者識別データ(=保険者C、保険者番号003)に対して全ての項目を取得が必要な項目とする部分取得要否データがそれぞれ対応づけられていることとする。
【0038】
全面画像設定テーブル83は、保険者毎に、帳票の全面画像を取得すべきか否かを判定するためのテーブルであり、保険者名及び保険者番号からなる保険者識別データ毎に、帳票の全面画像を取得すべき保険者を「○」で示す全面取得要否データが対応づけられたテーブルであり、本実施例では、図12に示すように、保険者識別データ(=保険者B、保険者番号002)及び保険者識別データ(=保険者C、保険者番号003)に対して、帳票の全面画像を取得するように「○」で示す全面取得要否データが対応づけられていることとする。
【0039】
サービス設定テーブル84は、保険者毎に、提供すべきサービス方式を識別するためのテーブルであり、保険者名を示す保険者識別データ毎に、帳票、リストデータ、電子媒体のうち、提供すべき対象を「○」で示すサービス方式データが対応づけられている。本実施例では、図13に示すように、保険者識別データ(=保険者A)に対して帳票及びリストデータを提供対象とするサービス方式データ、保険者識別データ(=保険者B)に対して電子媒体のみを提供対象とするサービス方式データ、保険者識別データ(=保険者C)に対して帳票、リストデータ、電子媒体の全てを提供対象とするサービス方式データがそれぞれ対応づけられていることとする。
【0040】
無効帳票ポケット設定テーブル85は、無効帳票と判定された帳票納入先となるポケットを識別するためのテーブルであり、形状異常及び濃度異常のいずれかを示す画像判定結果データ毎に、ポケット番号を示すポケット番号データが対応づけられたテーブルである。本実施例では、図14に示すように、「形状異常」を示す画像判定結果データにポケット番号「91」を示すポケット番号データが対応づけられ、「濃度異常」を示す画像判定結果データにポケット番号「92」を示すポケット番号データが対応づけられていることとする。
【0041】
修正端末3は、従来技術と同様に、オペレータが帳票読取分類部1bにより読み取られた読取データ及び読取失敗時に生成される修正画像データに基づいて、図示しない表示部に表示される修正画面を参照し、読取結果と修正画像を目視確認しながら読取データを修正するための端末である。
【0042】
プリンタ4は、後述するように、システム制御部2bにより生成される請求点合算、読取リスト、部分画像リストをそれぞれ示す印刷データに基づく印刷処理を実行する印刷装置である。
【0043】
電子媒体作成部5は、後述するように、システム制御部2bにより生成される読取リストデータ、部分画像リストデータ、全面画像リストデータを、例えば、CD−ROM等の電子媒体に書き込んで、電子媒体レセプトを作成する部である。
【0044】
以下、本実施例の帳票分類処理システムの帳票読取分類部1b、システム制御部2b、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5の相互関連について説明する。
【0045】
例えば、レセプト40の束が搬送機構16上に配置され(図15参照)、図示しない入力部から、システム制御部2bにレセプト40の読み取り開始を指示する読取指示信号が出力されると、システム制御部2bは、まず、業務設定テーブル51を構成するポケット設定テーブル80、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82、全面画像設定テーブル83、無効帳票ポケット設定テーブル85をそれぞれ帳票読取分類部1bに転送すると共に、ページ番号記憶部19のページ番号データを「0」に初期化する。また、業務設定テーブル51の内容を設定テーブル21に転送する。
【0046】
帳票読取分類部1bの制御ユニット10は、帳票読取分類部1bを統括制御するユニットであり、ポケット設定テーブル80等の上記各テーブルを受けると、受け付けた各テーブルを図示しないメモリに一時格納すると共に、レセプト40の読取開始を指示する読取開始信号を搬送制御部15に転送する。
【0047】
搬送制御部15は、搬送機構16の駆動を制御する部であり、読取開始信号を受けると、搬送機構16を駆動させ、搬送機構16上に配置されたレセプト40の束を1枚づつ装置内に搬送させる。
【0048】
制御ユニット10は、搬送されたレセプトが撮像機構18を通過すると(図15参照)、搬送されたレセプトの撮像を指示する撮像指示信号を撮像制御部17に出力する。
【0049】
撮像制御部17は、レセプトの撮像を制御する部であり、撮像指示信号を受けると、撮像機構18を制御し、搬送されたレセプトを光学的に読み取って、読取画像データを取得する。本実施例では、この読取画像データは、少なくとも、氏名部、性別部、生年月日部、傷病名欄、摘要欄、請求点、一部負担金、記号番号、診療実日数、診療開始日、傷病名の内容を示す画像データとする。また、本実施例の読取画像データは、黒色の背景を含む画像データであることとする。さらに、この読取画像データは、複数の画素により構成され、各画素の濃度が0〜255までの数値(以下、濃度値)で示された画像データであることとする。
【0050】
制御ユニット10は、読取画像データが取得されると、読取画像データを認識部20に転送する。この際、制御ユニット10は、ページ番号記憶部19のページ番号データに「1」を加算してページ番号データの更新を行う。
【0051】
認識部20は、読取画像データからレセプトに記載されている項目内容を文字認識すると共に、各画像データ等を生成する部であり、帳票様式特定テーブル及び項目領域対応テーブルを図示しないメモリに保持している。
【0052】
帳票様式特定テーブルは、レセプトの様式を特定するためのテーブルであり、帳票の様式を罫線の長さ、太さ、サイズ等の情報で定めた罫線データ及び罫線データの組み合わせに対応した帳票様式を示す帳票様式データが対応づけられている。
【0053】
項目領域対応テーブルは、帳票に含まれる各項目の領域を特定するためのテーブルであり、帳票様式データ毎に、帳票に含まれる各項目の項目内容が記載される領域を座標で示した領域データが対応づけられている。本実施例では、氏名欄、氏名部、性別部、生年月日部、傷病名部、摘要欄の各項目内容が記載される領域を座標で示した領域データが対応づけられていることとする。
【0054】
認識部20の帳票外形検出部401は、帳票の外形を検出する部であり、図示しないメモリに、帳票外形の検出基準となる濃度変化量を示す基準変化量データ及び下記変化量算出式を保持している。
【0055】
変化量算出式=4*f(x,y)+f(x,y−1)−f(x,y+1)−f(x−1,y)−f(x+1,y)・・・(1)
【0056】
但し、f(x,y):選択画素の濃度値、f(x,y−1):上隣接画素の濃度値、f(x,y+1):下隣接画素の濃度値、f(x−1,y):左隣接画素の濃度値、f(x+1,y):右隣接画素の濃度値。
【0057】
この変化量算出式は、読取画像データを構成する複数の画素から選択された画素(以下、選択画素)及び該選択画素の上、下、左、右に隣接する画素(以下、隣接画素)の濃度値に基づいて選択画素と隣接画素間の濃度変化量を算出する式である。
【0058】
帳票外形検出部401は、読取画像データを受けると、読取画像データを構成する複数の画素から濃度変化量の算出対象として1画素を選択し、選択画素の濃度値を取得する。次に、選択画素の上、下、左、右に隣接する隣接画素の濃度値をそれぞれ取得する。そして、取得した各画素の濃度値を、上記式(1)に適用し、選択画素及び隣接画素間の濃度変化量を算出する。そして、濃度変化量が算出されると、メモリから基準変化量データを取得すると共に、算出された濃度変化量及び基準変化量を比較して、濃度変化量が基準変化量より大きいと、該選択画素を帳票境界領域と判定し、該選択画素の座標値を帳票および背景の境界を示す境界座標データとして取得する。一方、濃度変化量が基準変化量より小さいと、該選択画素を非帳票境界領域として判定し、該選択画素の境界座標データの取得は行わない。帳票外形検出部401は、引き続き、隣接する画素について、同様の検出処理を行って、帳票および背景との境界すなわち帳票辺を追跡する。
【0059】
尚、選択画素を中心とした100×100画素等で区分される領域毎に濃度変化量を算出する構成としてもよい。
【0060】
引き続き、帳票外形検出部401は、検出処理を読取画像データの全画素に対して実行すると、取得された各境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の延長線上で交差する画素を帳票角領域として判定し、該交差画素の座標値を帳票角の座標を示す帳票角座標データとして取得する。
【0061】
このように、帳票外形検出部401は、上述した検出処理を実行し、取得した各境界座標データ及び各帳票角座標データを図示しないメモリにそれぞれ保持する(図39参照)。
【0062】
形状判定部402は、読取画像データが示す帳票が正常形状か否かを判定する部であり、帳票外形検出部401により帳票角座標データが4つ取得され、各帳票角の角度が直角であり、かつ帳票角座標データに基づいて特定される各帳票辺が平行であると、正常と判定し(図40(a)参照)、帳票角座標データが4つ取得されるが、各帳票角の角度が直角でないと、蛇行による異常と判定し(図40(d)参照)、帳票角座標データが5つ以上取得されると、紙折れ又は重走による異常と判定する(図40(b)又は図40(c)参照)。
【0063】
ここで、各帳票角の角度は、特定された各帳票角座標データをアークタンジェント等の三角関数に適用することで算出することができる。また、各帳票辺が平行であるか否かは、例えば、取得された帳票角座標データに基づいて特定される各帳票辺の傾きを算出し、該算出された傾きが一致する帳票辺間を平行と判定し、不一致である帳票辺間を平行でないと判定することができる。
【0064】
形状判定部402が異常と判定すると、制御ユニット10は、形状異常(=蛇行、紙折れ又は重走)による無効な読取画像データとして検知し、形状異常を示すデータのナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に出力する。
【0065】
ナンバリング制御部13は、帳票へのナンバリングを制御する部であり、形状異常のナンバリング指示信号を受けると、形状異常を示す画像判定結果データを生成し、生成した画像判定結果データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して、受け付けた画像判定結果データが示す形状異常を示すデータの印字処理を行う(図15参照)。
【0066】
尚、印字処理される形状異常を示すデータとしては、形状異常を示す文字データ及び数値データ(1:形状異常など)のいずれでもよい。また、該形状異常を示すデータと共に、紙折れ、蛇行、重走等のような形状異常の内容を示すデータも印字処理してもよい。さらに、形状異常と判定した処理過程を示すトレース情報も印字処理してもよい。
【0067】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、異常なレセプト40をポケットに分類すべく、ポケット制御部11に画像判定結果データを転送する。
【0068】
ポケット制御部11は、画像判定結果データを受けると、画像判定結果データに基づいて、無効帳票ポケット設定テーブル85を参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0069】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(図15参照)。本実施例では、ポケット91に形状異常のレセプト40が排出される。
【0070】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する。
【0071】
一方、形状判定部402が正常と判定すると、制御ユニット10は、濃度測定開始指示信号を濃度分布測定部403に出力する。
【0072】
濃度分布測定部403は、各濃度値(0〜255)の画素数を計数した濃度ヒストグラムデータを生成する部であり、濃度測定開始指示信号を受けると、読取画像データを構成する各画素の濃度値に基づいて、濃度値毎(0〜255)の画素数を示す濃度ヒストグラムデータを生成する。
【0073】
濃度判定部404は、読み取られた帳票が白紙またはノイズ過多の帳票であるか否かを判定する部であり、有効に利用可能な帳票(=白紙またはノイズ過多以外の帳票)を判定するための基準となる濃度分散比を示す基準濃度分散比データを図示しないメモリに保持している。
【0074】
濃度判定部404は、濃度分布測定部403が濃度ヒストグラムデータを生成すると、まず、濃度ヒストグラムデータに基づいて、濃度分散比を示す濃度分散比データを算出すると共に、該算出された濃度分散比データがメモリの基準濃度分散比データより大きいと、有効に利用可能な帳票(=白紙またはノイズ過多の帳票以外)と判定し、濃度分散比データが基準濃度分散比データより小さいと、白紙またはノイズ過多の帳票と判定する。ここで、濃度分散比データは、従来技術と同様に、濃度ヒストグラムデータを例えば、F検定等の統計検定にて用いられる分散比算出式に適用することで算出することができる。
【0075】
濃度判定部404が白紙またはノイズ過多の帳票と判定すると、制御ユニット10は、濃度異常による無効な読取画像データとして検知し、濃度異常を示すデータのナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に出力する。
【0076】
ナンバリング制御部13は、濃度異常のナンバリング指示信号を受けると、濃度異常を示す画像判定結果データを生成し、生成した画像判定結果データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して、受け付けた画像判定結果データが示す濃度異常を示すデータの印字処理を行う(図15参照)。
【0077】
尚、印字処理される濃度異常を示すデータとしては、濃度異常を示す文字データ及び数値データ(2:濃度異常など)のいずれでもよい。また、該濃度異常を示すデータと共に、高濃度が多い又は薄濃度が多い等のような濃度異常の内容を示すデータも印字処理してもよい。さらに、濃度異常と判定した処理過程を示すトレース情報も印字処理してもよい。
【0078】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、異常なレセプト40をポケットに分類すべく、ポケット制御部11に画像判定結果データを転送する。
【0079】
ポケット制御部11は、画像判定結果データを受けると、画像判定結果データに基づいて、無効帳票ポケット設定テーブル85を参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0080】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(図15参照)。本実施例では、ポケット92に濃度異常のレセプト40が排出される。
【0081】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する。
【0082】
一方、濃度判定部404が有効に利用可能な帳票(=白紙またはノイズ過多の帳票以外)と判定すると、制御ユニット10は、濃度補正開始指示信号を濃度補正部405に出力する。
【0083】
濃度補正部405は、後述する部分画像データ等の視認性の向上を図るべく、読取画像データの輪郭強調補正を行う部であり、濃度補正開始指示信号を受けると、読取画像データに対して輪郭強調補正処理を実行する。この輪郭強調補正処理には、従来技術と同様の例えば、ラプラシアン法等を適用すればよい。濃度補正部405は、輪郭強調補正処理を完了すると、補正した読取画像データを補正画像記憶部406に格納する。
【0084】
読取部407は、補正画像記憶部406に補正された読取画像データが格納されると、該補正された読取画像データの文字認識を行うと共に、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの読取設定テーブルを参照し、対応する読取要否データが「○」で示している項目の項目内容を文字認識し、文字認識された保険者識別データ及び項目内容を示す読取データを取得する。
【0085】
引き続き、認識部20の部分画像作成部408は、読取データの確認、審査等の迅速化を図るための部分画像データを作成する部であり、読取部407が読取データを取得すると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの部分画像設定テーブル82を参照し、対応する部分取得要否データが「○」で示している項目の項目内容を含む部分画像データを読取画像データから抽出すると共に、該保険者識別データを含む部分画像データを作成する。
【0086】
そして、認識部20の全面画像作成部409は、部分画像作成部408が部分画像データを作成すると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、レセプトの全項目内容を含む全面画像データを作成し、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない。
【0087】
制御ユニット10は、全面画像作成部409が全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、全面画像作成部409が全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送する。
【0088】
システム制御部2bの業務AP部50は、ページ番号データ、読取データ、部分画像データ、全面画像データをそれぞれ受けると、ページ番号データに対応づけて読取データを読取結果記憶部53に格納し、ページ番号データに対応づけて部分画像データを部分画像記憶部54に格納し、ページ番号データに対応づけて全面画像データを全面画像記憶部55に格納する。
【0089】
帳票読取分類部1bの制御ユニット10は、上述したように、読取データ等をシステム制御部2bに転送すると、引き続き、上述した読取データ等とレセプト40とを対応づけるべく、ページ番号のナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に転送する。
【0090】
ナンバリング制御部13は、ナンバリング指示信号を受けると、ページ番号記憶部19のページ番号データを参照し、ページ番号データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、受け付けたページ番号データが示すページ番号を搬送機構16により、搬送されてきたレセプト40に対して印字処理を行う(図15参照)。
【0091】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、レセプト40を各保険者用のポケットに分類すべく、ポケット制御部11に分類指示信号を転送する。
【0092】
ポケット制御部11は、分類指示信号を受けると、まず、レセプト40の納入先となる保険者を識別すべく、保険者識別データの要求信号をシステム制御部2bに転送する。
【0093】
システム制御部2bの業務AP部50は、保険者識別データの要求信号を受けると、読取結果記憶部53に格納されている読取データのうち、最後のページ番号データに対応づけられた読取データの保険者識別データを取得すると共に、取得された保険者識別データを帳票読取分類部1bのポケット制御部11に転送する。
【0094】
ポケット制御部11は、保険者識別データを受けると、保険者識別データに基づいて、メモリのポケット設定テーブルを参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0095】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(図15参照)。
【0096】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する。
【0097】
本実施例では、上述したように、帳票読取分類部1bが帳票の分類読取処理を完了させることで、読取結果記憶部53には、図16に示すように、ページ番号データに対応づけられた読取データ群が格納され、部分画像記憶部54には、図17に示すように、ページ番号データに対応づけられた部分画像データ群が格納され、全面画像記憶部55には、図18に示すように、ページ番号データに対応づけられた全面画像データ群が格納される。
【0098】
引き続き、制御ユニット10が読取分類処理を完了すると、各読取データが正確にレセプトに記載された項目内容を示しているかを確認すべく、修正端末3は、読取データ及び部分画像データの要求信号をシステム制御部2bに転送する。
【0099】
システム制御部2bの業務AP部50は、読取データ及び部分画像データの要求信号を受けると、最先のページ番号を示すページ番号データに基づいて、読取結果記憶部53及び部分画像記憶部54をそれぞれ参照し、同一のページ番号データに対応づけられた読取データ及び部分画像データをそれぞれ取得すると共に、取得した読取データ及び部分画像データを修正端末3に送信する。
【0100】
修正端末3は、読取データ及び部分画像データを受信すると、読取データ及び部分画像データに基づいて、読取データが示す各項目内容を修正可能な修正画面データを生成すると共に、生成された修正画面データに基づいて、修正画面を図示しない表示部に表示する。
【0101】
修正端末3のオペレータは、修正画面を参照し、文字認識に失敗した読取データの項目内容等を図示しない入力部を介して修正する。オペレータにより、上述した読取データの修正確認を行い、全ての読取データの修正確認が完了すると、修正端末3は、修正確認完了を示す修正確認完了信号をシステム制御部2bに送信する。
【0102】
システム制御部2bの業務AP部50は、修正確認完了信号を受信すると、引き続き、各保険者に対して請求すべき金額を算出すべく、読取結果記憶部53の読取データ群を参照し、同一の保険者番号を有する読取データが示す請求点を合計し、各保険者別の請求点合計を示す請求点合算データを生成し、生成した請求点合算データを合計額記憶部56に格納する。
【0103】
即ち、本実施例では、図19に示すような、保険者A、保険者B、保険者C毎の請求点合計を示す請求点合算データ群が合計額記憶部56に格納される。
【0104】
引き続き、業務AP部50は、サービス設定テーブル84を参照し、各保険者の保険者識別データに対応するサービス方式データから、各保険者に提供すべき対象を検知する。
【0105】
即ち、本実施例では、保険者A及び保険者Cの保険者識別データに対応するサービス方式データが「リスト提供」を「○」で示していることから、保険者A及び保険者Cに「リスト」を提供すべきことを検知すると共に、保険者B及び保険者Cの保険者識別データに対応するサービス方式データが「電子媒体提供」を「○」で示していることから、保険者B及び保険者Cに「電子媒体」を提供すべきことを検知する。
【0106】
そして、業務AP部50は、まず、「リスト」を提供すべきことを検知された保険者A及び保険者Cのそれぞれに対して提供すべきリストを印刷処理する。
【0107】
ここで、例として、保険者Cに対するリストが印刷処理されるまでについて説明を行う。
【0108】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照し、同一の保険者番号を有する読取データを抽出すると共に、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出すると共に、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合算データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得する。
【0109】
そして、業務AP部50は、取得した請求点合算データ、作成した読取リストデータ及び部分画像リストデータに基づいて、請求点合算、読取リスト、部分画像リストをそれぞれ示す印刷データを生成し、プリンタチャネル70を介して、生成した印刷データをプリンタ4に送信する。
【0110】
プリンタ4は、印刷データを受信すると、受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行し、図20に示すような保険者Cに提供すべきリストを作成する。
【0111】
業務AP部50は、上記と同様に、保険者Aに対しても印刷処理を実行し、保険者Aに提供すべきリストを作成する。
【0112】
業務AP部50は、リストの提供対象である全保険者のリスト印刷処理が完了すると、引き続き、「電子媒体」を提供すべきことを検知された保険者B及び保険者Cのそれぞれに対して提供すべき電子媒体レセプトを作成する。
【0113】
ここで、例として、保険者Cに対する電子媒体レセプトが作成されるまでについて説明を行う。
【0114】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照し、同一の保険者番号を有する読取データを抽出すると共に、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出すると共に、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合算データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得すると共に、作成した読取リストデータ及び部分画像リストデータに含まれる同一のページ番号データに基づいて、全面画像記憶部55を参照し、同一のページ番号を有する全面画像データを抽出すると共に、抽出した全面画像データをリスト化して、全面画像リストデータを作成する。
【0115】
引き続き、業務AP部50は、抽出した請求点合算データ、作成した読取リストデータ、部分画像リストデータ、全面画像リストデータに基づいて、請求点合算、読取リスト、部分画像リスト、全面画像リストをそれぞれ示す電子媒体イメージデータを生成し、生成された電子媒体イメージデータを電子媒体イメージ記憶部57に格納する。
【0116】
そして、業務AP部50は、電子媒体チャネル71を介して、電子媒体イメージ記憶部57に格納した電子媒体イメージデータを電子媒体作成部5に送信する。
【0117】
電子媒体作成部5は、電子媒体イメージデータを受信すると、例えば、CD−ROM等の電子媒体に対して、受信した電子媒体イメージデータの書き込みを行い、図21に示すような保険者Cに提供すべき電子媒体レセプトを作成する。この際、電子媒体イメージデータに含まれる各リストデータを参照するためのインデックスデータも電子媒体に書き込まれる。
【0118】
業務AP部50は、上記と同様に、保険者Bに対しても、CD−ROM等の電子媒体に受信した電子媒体イメージデータを書き込み、提供すべき電子媒体レセプトを作成する。
【0119】
このように、レセプト40の束は、保険者A、B、C別に分類され、ポケット機構12に一旦仕分け収納されると共に(図15参照)、保険者A、B、C・・別に仕分けされたレセプトは、サービス設定テーブル84の設定に応じて、リストの印刷処理、電子媒体レセプトの作成を行うようにしたので、例えば、保険者Aには、レセプト41及び請求点合算データ42を提供でき、保険者Bには、電子媒体レセプト47のみを提供でき、また、保険者Cには、レセプト45、請求点合算データ46、電子媒体レセプト90がそれぞれ提供できる(図2参照)。
【0120】
また、部分画像データ、全面画像データは、輪郭強調補正処理された読取画像データから抽出されることから、視認性の優れた部分画像データ、全面画像データからなる電子媒体レセプトを作成することができる。
【0121】
さらに、レセプト40から取得される読取画像データの形状異常、濃度異常を検知した場合に、ポケット機構12により、形状異常、濃度異常別のポケット91、92に仕分け収納されることから、オペレータは、仕分けされたレセプト40が紙折れ等の状態ではないか確認することができ、レセプト40の状態を直した後に再度上記した帳票分類処理を実行させるか、又はレセプト40の入手元へ返戻するか等の対処が可能となる。
【0122】
〈実施例1の動作〉
次に、実施例1の帳票分類処理システムの動作について説明を行う。
【0123】
図22は、実施例1の帳票分類処理システムの動作フローチャートである。
【0124】
例えば、レセプト40の束が搬送機構16上に配置され(図15参照)、図示しない入力部から、システム制御部2bにレセプト40の読み取り開始を指示する読取指示信号が出力されると、システム制御部2bは、まず、業務設定テーブル51を構成するポケット設定テーブル80、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82、全面画像設定テーブル83、無効帳票ポケット設定テーブル85をそれぞれ帳票読取分類部1bに転送すると共に、ページ番号記憶部19のページ番号データを「0」に初期化する(S1)。
【0125】
帳票読取分類部1bの制御ユニット10は、ポケット設定テーブル80等の上記各テーブルを受けると、以降、分類読取処理を実行する(S2)。
【0126】
図23は、帳票読取分類部1bの動作フローチャートである。
【0127】
帳票読取分類部1bの制御ユニット10は、受け付けた各テーブルを図示しないメモリに一時格納すると共に、レセプト40の読取開始を指示する読取開始信号を搬送制御部15に転送する(S101)。
【0128】
搬送制御部15は、読取開始信号を受けると、搬送機構16を駆動させ、搬送機構16上に配置されたレセプト40の束を1枚づつ装置内に搬送させる(S102)。
【0129】
制御ユニット10は、搬送されたレセプトが撮像機構18を通過すると(図15参照)、搬送されたレセプトの撮像を指示する撮像指示信号を撮像制御部17に出力する。
【0130】
撮像制御部17は、撮像指示信号を受けると、撮像機構18を制御し、搬送されたレセプトを光学的に読み取って、読取画像データを取得する(S103)。本実施例では、この読取画像データは、少なくとも、氏名部、性別部、生年月日部、傷病名欄、摘要欄、請求点、一部負担金、記号番号、診療実日数、診療開始日、傷病名の内容を示す画像データとする。また、本実施例の読取画像データは、黒色の背景を含む画像データであることとする。さらに、この読取画像データは、複数の画素により構成され、各画素の濃度が0〜255までの数値(以下、濃度値)で示された画像データであることとする。
【0131】
制御ユニット10は、読取画像データが取得されると、読取画像データを認識部20に転送する。この際、制御ユニット10は、ページ番号記憶部19のページ番号データに「1」を加算してページ番号データの更新を行う。
【0132】
認識部20の帳票外形検出部401は、読取画像データを受けると、読取画像データを構成する複数の画素から濃度変化量の算出対象として1画素を選択し、選択画素の濃度値を取得する。次に、選択画素の上、下、左、右に隣接する隣接画素の濃度値をそれぞれ取得する。そして、取得した各画素の濃度値を、上記式(1)に適用し、選択画素及び隣接画素間の濃度変化量を算出する。そして、濃度変化量が算出されると、メモリから基準変化量データを取得すると共に、算出された濃度変化量及び基準変化量を比較して、濃度変化量が基準変化量より大きいと、該選択画素を帳票境界領域と判定し、該選択画素の座標値を帳票および背景の境界を示す境界座標データとして取得する。一方、濃度変化量が基準変化量より小さいと、該選択画素を非帳票境界領域として判定し、該選択画素の境界座標データの取得は行わない。帳票外形検出部401は、引き続き、隣接する画素について、同様の検出処理を行って帳票辺を追跡する(S104)。
【0133】
引き続き、帳票外形検出部401は、検出処理を読取画像データの全画素に対して実行すると、取得された各境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の延長線上で交差する画素を帳票角領域として判定し、該交差画素の座標値を帳票角の座標を示す帳票角座標データとして取得する。
【0134】
このように、帳票外形検出部401は、上述した検出処理を実行し、取得した各境界座標データ及び各帳票角座標データを図示しないメモリにそれぞれ保持する。
【0135】
形状判定部402は、帳票外形検出部401により帳票角座標データが4つ取得され、各帳票角の角度が直角であり、かつ帳票角座標データに基づいて特定される各帳票辺が平行であると、正常と判定し、帳票角座標データが4つ取得されるが、各帳票角の角度が直角でないと、蛇行による異常と判定し、帳票角座標データが5つ以上取得されると、紙折れ又は重走による異常と判定する(S105)。
【0136】
ここで、各帳票角の角度は、特定された各帳票角座標データをアークタンジェント等の三角関数に適用することで算出することができる。また、各帳票辺が平行であるか否かは、例えば、取得された帳票角座標データに基づいて特定される各帳票辺の傾きを算出し、該算出された傾きが一致する帳票辺間を平行と判定し、不一致である帳票辺間を平行でないと判定することができる。
【0137】
形状判定部402が異常と判定すると、制御ユニット10は、形状異常(=蛇行、紙折れ又は重走)による無効な読取画像データとして検知し、形状異常を示すデータのナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に出力する。
【0138】
ナンバリング制御部13は、形状異常のナンバリング指示信号を受けると、形状異常を示す画像判定結果データを生成し、生成した画像判定結果データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して、受け付けた画像判定結果データが示す形状異常を示すデータの印字処理を行う(S106)。
【0139】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、異常なレセプト40をポケットに分類すべく、ポケット制御部11に画像判定結果データを転送する。
【0140】
ポケット制御部11は、画像判定結果データを受けると、画像判定結果データに基づいて、無効帳票ポケット設定テーブル85を参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0141】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(S107)。本実施例では、ポケット91に形状異常のレセプト40が排出される。
【0142】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する(S117)。
【0143】
一方、形状判定部402が正常と判定すると、制御ユニット10は、濃度測定開始指示信号を濃度分布測定部403に出力する。
【0144】
濃度分布測定部403は、濃度測定開始指示信号を受けると、読取画像データを構成する各画素の濃度値に基づいて、濃度値毎(0〜255)の画素数を示す濃度ヒストグラムデータを生成する(S108)。
【0145】
濃度判定部404は、濃度分布測定部403が濃度ヒストグラムデータを生成すると、まず、濃度ヒストグラムデータに基づいて、濃度分散比を示す濃度分散比データを算出すると共に、該算出された濃度分散比データがメモリの基準濃度分散比データより大きいと、有効に利用可能な帳票(=白紙またはノイズ過多の帳票以外)と判定し、濃度分散比データが基準濃度分散比データより小さいと、白紙またはノイズ過多の帳票と判定する(S109)。ここで、濃度分散比データは、従来技術と同様に、濃度ヒストグラムデータを例えば、F検定等の統計検定にて用いられる分散比算出式に適用することで算出することができる。
【0146】
濃度判定部404が白紙またはノイズ過多の帳票と判定すると、制御ユニット10は、濃度異常による無効な読取画像データとして検知し、濃度異常を示すデータのナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に出力する。
【0147】
ナンバリング制御部13は、濃度異常のナンバリング指示信号を受けると、濃度異常を示す画像判定結果データを生成し、生成した画像判定結果データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して、受け付けた画像判定結果データが示す濃度異常を示すデータの印字処理を行う(S106)。
【0148】
尚、印字処理される濃度異常を示すデータとしては、濃度異常を示す文字データ及び数値データ(2:濃度異常など)のいずれでもよい。また、該濃度異常を示すデータと共に、高濃度が多い又は薄濃度が多い等のような濃度異常の内容を示すデータも印字処理してもよい。さらに、濃度異常と判定した処理過程を示すトレース情報も印字処理してもよい。
【0149】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、異常なレセプト40をポケットに分類すべく、ポケット制御部11に画像判定結果データを転送する。
【0150】
ポケット制御部11は、画像判定結果データを受けると、画像判定結果データに基づいて、無効帳票ポケット設定テーブル85を参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0151】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(S107)。本実施例では、ポケット92に濃度異常のレセプト40が排出される。
【0152】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する(S117)。
【0153】
一方、濃度判定部404が有効に利用可能な帳票(=白紙またはノイズ過多の帳票以外)と判定すると、制御ユニット10は、濃度補正開始指示信号を濃度補正部405に出力する。
【0154】
濃度補正部405は、濃度補正開始指示信号を受けると、読取画像データに対して輪郭強調補正処理を実行する(S110)。この輪郭強調補正処理には、従来技術と同様の例えば、ラプラシアン法等を適用すればよい。濃度補正部405は、輪郭強調補正処理を完了すると、補正した読取画像データを補正画像記憶部406に格納する。
【0155】
読取部407は、補正画像記憶部406に補正された読取画像データが格納されると、該補正された読取画像データの文字認識を行うと共に、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの読取設定テーブルを参照し、対応する読取要否データが「○」で示している項目の項目内容を文字認識し、文字認識された保険者識別データ及び項目内容を示す読取データを取得する(S111)。
【0156】
引き続き、認識部20の部分画像作成部408は、読取部407が読取データを取得すると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの部分画像設定テーブル82を参照し、対応する部分取得要否データが「○」で示している項目の項目内容を含む部分画像データを読取画像データから抽出すると共に、該保険者識別データを含む部分画像データを作成する(S112)。
【0157】
そして、認識部20の全面画像作成部409は、部分画像作成部408が部分画像データを作成すると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、レセプトの全項目内容を含む全面画像データを作成し(S113&S114)、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない。
【0158】
制御ユニット10は、全面画像作成部409が全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、全面画像作成部409が全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送する。
【0159】
システム制御部2bの業務AP部50は、ページ番号データ、読取データ、部分画像データ、全面画像データをそれぞれ受けると、ページ番号データに対応づけて読取データを読取結果記憶部53に格納し、ページ番号データに対応づけて部分画像データを部分画像記憶部54に格納し、ページ番号データに対応づけて全面画像データを全面画像記憶部55に格納する。
【0160】
帳票読取分類部1bの制御ユニット10は、上述したように、読取データ等をシステム制御部2bに転送すると、引き続き、上述した読取データ等とレセプト40とを対応づけるべく、ページ番号のナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に転送する。
【0161】
ナンバリング制御部13は、ナンバリング指示信号を受けると、ページ番号記憶部19のページ番号データを参照し、ページ番号データをナンバリング機構14に転送し、ナンバリング機構14は、受け付けたページ番号データが示すページ番号を搬送機構16により、搬送されてきたレセプト40に対して印字処理を行う(S115)。
【0162】
ナンバリング機構14がレセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10は、レセプト40を各保険者用のポケットに分類すべく、ポケット制御部11に分類指示信号を転送する。
【0163】
ポケット制御部11は、分類指示信号を受けると、まず、レセプト40の納入先となる保険者を識別すべく、保険者識別データの要求信号をシステム制御部2bに転送する。
【0164】
システム制御部2bの業務AP部50は、保険者識別データの要求信号を受けると、読取結果記憶部53に格納されている読取データのうち、最後のページ番号データに対応づけられた読取データの保険者識別データを取得すると共に、取得された保険者識別データを帳票読取分類部1bのポケット制御部11に転送する。
【0165】
ポケット制御部11は、保険者識別データを受けると、保険者識別データに基づいて、メモリのポケット設定テーブルを参照し、対応するポケット番号データを取得すると共に、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0166】
ポケット機構12は、ポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(S116)。
【0167】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上述したような読取分類処理を繰り返し実行し、レセプト40が無くなると、読取分類処理を終了する(S117)。
【0168】
本実施例では、上述したように、帳票読取分類部1bが帳票の分類読取処理を完了させることで、読取結果記憶部53には、図16に示すように、ページ番号データに対応づけられた読取データ群が格納され、部分画像記憶部54には、図17に示すように、ページ番号データに対応づけられた部分画像データ群が格納され、全面画像記憶部55には、図18に示すように、ページ番号データに対応づけられた全面画像データ群が格納される。
【0169】
引き続き、制御ユニット10が読取分類処理を完了すると、各読取データが正確にレセプトに記載された項目内容を示しているかを確認すべく、修正端末3は、読取データ及び部分画像データの要求信号をシステム制御部2bに転送する。
【0170】
システム制御部2bの業務AP部50は、読取データ及び部分画像データの要求信号を受けると、最先のページ番号を示すページ番号データに基づいて、読取結果記憶部53及び部分画像記憶部54をそれぞれ参照し、同一のページ番号データに対応づけられた読取データ及び部分画像データをそれぞれ取得すると共に、取得した読取データ及び部分画像データを修正端末3に送信する。
【0171】
修正端末3は、読取データ及び部分画像データを受信すると、読取データ及び部分画像データに基づいて、読取データが示す各項目内容を修正可能な修正画面データを生成すると共に、生成された修正画面データに基づいて、修正画面を図示しない表示部に表示する。
【0172】
修正端末3のオペレータは、修正画面を参照し、文字認識に失敗した読取データの項目内容等を図示しない入力部を介して修正する(S3)。オペレータは、上述した読取データの修正確認を行い、全ての読取データの修正確認が完了すると、修正端末3は、修正確認完了を示す修正確認完了信号をシステム制御部2bに送信する。
【0173】
システム制御部2bの業務AP部50は、修正確認完了信号を受信すると、引き続き、各保険者に対して請求すべき金額を算出すべく、読取結果記憶部53の読取データ群を参照し、同一の保険者番号を有する読取データが示す請求点を合計し、各保険者別の請求点合計を示す請求点合算データを生成し、生成した請求点合算データを合計額記憶部56に格納する(S4)。
【0174】
即ち、本実施例では、図19に示すような、保険者A、保険者B、保険者C毎の請求点合計を示す請求点合算データ群が合計額記憶部56に格納される。
【0175】
引き続き、業務AP部50は、サービス設定テーブル84を参照し、各保険者の保険者識別データに対応するサービス方式データから、各保険者に提供すべき対象を検知する。
【0176】
即ち、本実施例では、保険者A及び保険者Cの保険者識別データに対応するサービス方式データが「リスト提供」を「○」で示していることから、保険者A及び保険者Cに「リスト」を提供すべきことを検知すると共に、保険者B及び保険者Cの保険者識別データに対応するサービス方式データが「電子媒体提供」を「○」で示していることから、保険者B及び保険者Cに「電子媒体」を提供すべきことを検知する。
【0177】
そして、業務AP部50は、まず、「リスト」を提供すべきことを検知された保険者A及び保険者Cのそれぞれに対して提供すべきリストを印刷処理する(S5)。
【0178】
ここで、例として、保険者Cに対するリストが印刷処理されるまでについて説明を行う。
【0179】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照し、同一の保険者番号を有する読取データを抽出すると共に、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出すると共に、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合算データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得する。
【0180】
そして、業務AP部50は、取得した請求点合算データ、作成した読取リストデータ及び部分画像リストデータに基づいて、請求点合算、読取リスト、部分画像リストをそれぞれ示す印刷データを生成し、プリンタチャネル70を介して、生成した印刷データをプリンタ4に送信する。
【0181】
プリンタ4は、印刷データを受信すると、受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行し、図20に示すような保険者Cに提供すべきリストを作成する。
【0182】
業務AP部50は、上記と同様に、保険者Aに対しても印刷処理を実行し、保険者Aに提供すべきリストを作成する。
【0183】
業務AP部50は、リストの提供対象である全保険者のリスト印刷処理が完了すると、引き続き、「電子媒体」を提供すべきことを検知された保険者B及び保険者Cのそれぞれに対して提供すべき電子媒体レセプトを作成する(S6)。
【0184】
ここで、例として、保険者Cに対する電子媒体レセプトが作成されるまでについて説明を行う。
【0185】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照し、同一の保険者番号を有する読取データを抽出すると共に、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出すると共に、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合算データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得すると共に、作成した読取リストデータ及び部分画像リストデータに含まれる同一のページ番号データに基づいて、全面画像記憶部55を参照し、同一のページ番号を有する全面画像データを抽出すると共に、抽出した全面画像データをリスト化して、全面画像リストデータを作成する。
【0186】
引き続き、業務AP部50は、抽出した請求点合算データ、作成した読取リストデータ、部分画像リストデータ、全面画像リストデータに基づいて、請求点合算、読取リスト、部分画像リスト、全面画像リストをそれぞれ示す電子媒体イメージデータを生成し、生成された電子媒体イメージデータを電子媒体イメージ記憶部57に格納する。
【0187】
そして、業務AP部50は、電子媒体チャネル71を介して、電子媒体イメージ記憶部57に格納した電子媒体イメージデータを電子媒体作成部5に送信する。
【0188】
電子媒体作成部5は、電子媒体イメージデータを受信すると、例えば、CD−ROM等の電子媒体に対して、受信した電子媒体イメージデータの書き込みを行い、図21に示すような保険者Cに提供すべき電子媒体レセプトを作成する。この際、電子媒体イメージデータに含まれる各リストデータを参照するためのインデックスデータも電子媒体に書き込まれる。
【0189】
業務AP部50は、上記と同様に、保険者Bに対しても、CD−ROM等の電子媒体に受信した電子媒体イメージデータを書き込み、提供すべき電子媒体レセプトを作成する。
【0190】
〈実施例1の効果〉
実施例1の帳票分類処理システムでは、従来のように紙による帳票を必要とする保険者には紙帳票を提供し、保管場所等に制約があって紙帳票を望まない保険者に対しては電子媒体レセプトを提供できる。紙帳票と電子媒体レセプトの両方とも希望する保険者にはその両方を提供できるサービスが実現される。帳票の具体例として、医療機関が健康保険組合等の保険者に対して請求発行する診療報酬明細書のレセプトに好適であり、月次大量に発生するレセプト処理業務において医療機関および納入先の双方にとって遅滞のない迅速な処理が可能になる。
【0191】
また、読取画像データの濃度変化量に基づいて、レセプトが正常形状か否かを判定すると共に、正常形状のレセプトの読取画像データを輪郭強調補正し、該補正された読取画像データから部分画像データ、全面画像データを抽出するようにしたので、視認性の優れた部分画像データ、全面画像データを含む電子媒体レセプトを作成することができる。
【0192】
さらに、レセプト40から取得される読取画像データの形状異常、濃度異常を検知した場合に、ポケット機構12により、形状異常、濃度異常別のポケット91、92に仕分け収納されることから、オペレータは、仕分けされたレセプト40が紙折れ等の状態ではないか確認することができ、レセプト40の状態を直した後に再度上記した帳票分類処理を実行させるか、又はレセプト40の入手元へ返戻するか等の対処が可能となる。
【実施例2】
【0193】
〈実施例2の構成〉
図24は、実施例2の帳票分類処理システムを示すブロック構成図である。
【0194】
図24に示すように、実施例2の帳票分類処理システムは、帳票読取分類部1c、システム制御部2b、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5から構成され、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5は、実施例1と同様である。
【0195】
図25は、帳票読取分類部1cを示すブロック構成図である。
【0196】
図25に示すように、帳票読取分類部1cは、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19、認識部20aを有しており、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19は、実施例1と同様である。
【0197】
図26は、実施例1と異なる帳票読取分類部1cの認識部20aを示すブロック構成図である。
【0198】
図26に示すように、認識部20aは、帳票外形検出部401、形状判定部402、濃度分布測定部403、濃度判定部404、濃度補正部405、補正画像記憶部406、読取部407、部分画像作成部408b、全面画像作成部409bから構成され、帳票外形検出部401、形状判定部402、濃度分布測定部403、濃度判定部404、濃度補正部405、補正画像記憶部406、読取部407は、実施例1と同様である。
【0199】
実施例2の部分画像作成部408bは、読取データの確認、審査等の迅速化を図るための部分画像データを作成する部であり、図27に示すように、部分領域変換部510、画像取得部511及び拡張領域編集部512から構成されている。
【0200】
部分領域変換部510は、一部が項目外に記載された文字等の視認性の向上を図るべく、部分画像として抽出すべき各項目の領域拡張を行う部であり、図示しないメモリにレセプトを構成する各項目の項目領域をそれぞれ座標で示す領域データ及び例えば2mm等のような各項目領域の拡張すべき長さを示す拡張値データを保持している。
【0201】
この部分領域変換部510は、実施例1と同様に、読取部407が読取データを取得すると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの部分画像設定テーブル82を参照し、対応する部分取得要否データが「○」で示している拡張すべき項目領域を特定すると共に、引き続き、メモリを参照し、特定した各項目領域の領域データを拡張値データに基づいて拡張した拡張領域データを生成する。
【0202】
画像取得部511は、読取画像データから部分画像データを抽出する部であり、部分領域変換部510が拡張領域データを生成すると、生成された拡張領域データに基づいて、拡張領域を含む部分画像データを読取画像データから抽出すると共に、保険者識別データを含めた部分画像データを作成する。
【0203】
拡張領域編集部512は、拡張領域を明示化すべく、部分画像データを構成する各項目の拡張範囲を画像処理する部であり、画像取得部511が部分画像データを作成すると、メモリの拡張値データに基づいて、作成された部分画像データを構成する各項目の拡張範囲を特定すると共に、特定された拡張範囲に対してスクリーン処理を行う。このスクリーン処理には、例えば、従来技術と同様の半透明化処理、ドットパターン変換処理等が適用できる(図41参照)。
【0204】
実施例2の全面画像作成部409bは、読取画像データから、背景等の不要領域を除いた全面画像データを作成する部であり、図28に示すように、取得範囲制定部522及び画像取得部523から構成されている。
【0205】
取得範囲制定部522は、読取画像データに含まれる背景等の不要領域の範囲を決定する部であり、拡張領域編集部512がスクリーン処理を完了すると、帳票外形検出部401によりメモリに格納された帳票及び背景間の境界を示す各境界座標データを取得すると共に、取得した各境界座標データを画像取得部523に転送する。
【0206】
画像取得部523は、読取画像データから全面画像データを取得する部であり、各境界座標データを受けると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、レセプトの全項目内容を含み、かつ各境界座標データに基づいて区分される読取画像データの領域のうち、背景等の外側領域を除去した全面画像データを作成し(図42参照)、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない。
【0207】
制御ユニット10は、全面画像作成部409bが全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、全面画像作成部409bが全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例1と同様に動作する。
【0208】
〈実施例2の動作〉
次に、実施例2の帳票分類処理システムの動作について説明を行う。
【0209】
実施例2では、帳票読取分類部1cの部分画像作成部408b及び全面画像作成部409bのみが実施例1と異なるので、以下、部分画像作成部408b及び全面画像作成部409bの動作についてのみ説明を行う。
【0210】
図29は、部分画像作成部408bおよび全面画像作成部409bの動作フローチャートである。
【0211】
実施例1と同様に分類読取処理が実行され、読取部407により読取データが取得されると、部分画像作成部408bの部分領域変換部510は、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの部分画像設定テーブル82を参照し、対応する部分取得要否データが「○」で示している拡張すべき項目領域を特定すると共に、引き続き、メモリを参照し、特定した各項目領域の領域データを拡張値データに基づいて拡張した拡張領域データを生成する(S101)。
【0212】
画像取得部511は、部分領域変換部510が拡張領域データを生成すると、生成された拡張領域データに基づいて、拡張領域を含む部分画像データを読取画像データから抽出すると共に、保険者識別データを含めた部分画像データを作成する(S102)。
【0213】
拡張領域編集部512は、画像取得部511が部分画像データを作成すると、メモリの拡張値データに基づいて、作成された部分画像データを構成する各項目の拡張範囲を特定すると共に、特定された拡張範囲に対してスクリーン処理を行う(S103)。このスクリーン処理には、例えば、従来技術と同様の半透明化処理、ドットパターン変換処理等が適用できる。
【0214】
全面画像作成部409bの取得範囲制定部522は、拡張領域編集部512がスクリーン処理を完了すると、帳票外形検出部401によりメモリに格納された帳票及び背景間の境界を示す各境界座標データを取得すると共に、取得した各境界座標データを画像取得部523に転送する(S104)。
【0215】
画像取得部523は、各境界座標データを受けると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、レセプトの全項目内容を含み、かつ各境界座標データに基づいて区分される読取画像データの領域のうち、背景等の外側領域を除去した全面画像データを作成し、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない(S105&S106)。
【0216】
制御ユニット10は、全面画像作成部409bが全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、全面画像作成部409bが全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例1と同様に動作する。
【0217】
〈実施例2の効果〉
実施例2の帳票分類処理システムでは、従来のように紙による帳票を必要とする保険者には紙帳票を提供し、保管場所等に制約があって紙帳票を望まない保険者に対しては電子媒体レセプトを提供できる。紙帳票と電子媒体レセプトの両方とも希望する保険者にはその両方を提供できるサービスが実現される。帳票の具体例として、医療機関が健康保険組合等の保険者に対して請求発行する診療報酬明細書のレセプトに好適であり、月次大量に発生するレセプト処理業務において医療機関および納入先の双方にとって遅滞のない迅速な処理が可能になる。
【0218】
また、読取画像データから、予め登録された拡張値データが示す拡張範囲を含むレセプトの審査に必要な所定項目を抽出した部分画像データを取得すると共に、該拡張範囲に対してスクリーン処理を行うようにしたので、項目から外れて文字等が記載されていることから、記載された文字等が識別困難な視認性の悪い部分画像データが取得され、該視認性の悪い部分画像データを記録した電子媒体レセプトが作成されるのを防止できる。
【0219】
さらに、各境界座標データに基づいて区分される読取画像データの領域のうち、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データを作成するようにしたので、視認性の悪い全面画像データが取得され、該視認性の悪い全面画像データを記録した電子媒体レセプトが作成されるのを防止できる。また、印刷時には、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データに基づく印刷処理を実行できるので、背景等の不要な外側領域を含むことで不要なトナーが消費されるのを防止できる。
【実施例3】
【0220】
〈実施例3の構成〉
図30は、実施例3の帳票分類処理システムを示すブロック構成図である。
【0221】
図30に示すように、実施例3の帳票分類処理システムは、帳票読取分類部1d、システム制御部2b、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5から構成され、システム制御部2b、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成部5は、実施例2と同様である。
【0222】
図31は、実施例3の帳票読取分類部1dを示すブロック構成図である。
【0223】
図31に示すように、帳票読取分類部1dは、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19、認識部20b、設定テーブル21を有しており、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19、設定テーブル21は、実施例2と同様である。
【0224】
図32は、帳票読取分類部1dの認識部20bを示すブロック構成図である。
【0225】
図32に示すように、実施例3の認識部20bは、帳票外形検出部401a、形状判定部402b、濃度分布測定部403、濃度判定部404、濃度補正部405、補正画像記憶部406、読取部407、部分画像作成部408b、全面画像作成部409cから構成され、濃度分布測定部403、濃度判定部404、濃度補正部405、補正画像記憶部406、読取部407、部分画像作成部408bは、実施例2と同様である。
【0226】
帳票外形検出部401aは、例えば、A4サイズの帳票を画像として読み取った場合のデータ量を示す基準帳票画像量データを図示しないメモリに保持している。
【0227】
帳票外形検出部401aは、実施例1と同様に、読取画像データを受けると、まず、読取画像データを解析し、該読取画像データの解像度等により算出した読取画像量データを取得し、取得した読取画像量データ及び基準帳票画像量データを比較し、読取画像量データが基準帳票画像量データ以下であると、A4サイズの帳票の読取画像データを受け付けたことを検知し、以降、実施例2と同様の検出処理を実行する。
【0228】
一方、読取画像量データが基準帳票画像量データより大きいと、帳票外形検出部401aは、例えば、図33に示すような、続紙A、Bが人手等で付された横長帳票の読取画像データを受け付けたことを検知し、読取画像データを濃度判定部404に転送し、以降、部分画像データが作成されるまで、実施例2と同様に動作する。
【0229】
全面画像作成部409cは、横長帳票の全面画像データを作成する部であり、図34に示すように、横長判定部520、境界検出部521、取得範囲制定部522b、画像取得部523、背景編集部524、マルチ頁変換部525から構成されている。
【0230】
全面画像作成部409cの横長判定部520は、横長帳票であるか否かを判定するための部であり、例えば、A4サイズの帳票を画像として読み取った場合のデータ量を示す基準帳票画像量データを図示しないメモリに保持しており、読取画像データを受けると、まず、読取画像データを解析し、該読取画像データの解像度等により算出した読取画像量データを取得し、取得した読取画像量データ及び基準帳票画像量データを比較し、読取画像量データが基準帳票画像量データ以下であると、横長帳票ではないと判定し、以降、実施例2と同様に動作する。一方、読取画像量データが基準帳票画像量データより大きいと、横長帳票と判定する。
【0231】
境界検出部521は、横長帳票の外形を検出する部であり、実施例1の帳票外形検出部401と同様に、帳票外形の検出基準となる濃度変化量を示す基準変化量データ及び変化量算出式(1)を図示しないメモリに保持している。
【0232】
境界検出部521は、横長判定部520が横長帳票と判定すると、読取画像データを構成する複数の画素から濃度変化量の算出対象として1画素を選択し、選択画素の濃度値を取得する。次に、選択画素の上、下、左、右に隣接する隣接画素の濃度値をそれぞれ取得する。そして、取得した各画素の濃度値を、上記式(1)に適用し、選択画素及び隣接画素間の濃度変化量を算出する。そして、濃度変化量が算出されると、メモリから基準変化量データを取得すると共に、算出された濃度変化量及び基準変化量を比較して、濃度変化量が基準変化量より大きいと、該選択画素を帳票境界領域と判定し、該選択画素の座標値を帳票および背景の境界を示す境界座標データとして取得する。一方、濃度変化量が基準変化量より小さいと、該選択画素を非帳票境界領域として判定し、該選択画素の境界座標データの取得は行わない。境界検出部521は、引き続き、隣接する画素について、同様の検出処理を行って、帳票および背景との境界すなわち帳票辺を追跡する。
【0233】
尚、選択画素を中心とした100×100画素等で区分される領域毎に濃度変化量を算出する構成としてもよい。
【0234】
境界検出部521は、検出処理を読取画像データの全画素に対して実行すると、単帳票と該単帳票に付された続紙との境界を検出すべく、引き続き、取得された各境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の延長線上で交差する画素を帳票角領域として判定し、該交差画素の座標値を帳票角の座標を示す帳票角座標データとして取得する。
【0235】
そして、取得された各境界座標データ及び各帳票角座標データに基づいて区分される横長帳票の内側領域のうち、縦方向の幅が小さくなる領域を単帳票と続紙との境界と判定すると共に、該領域を座標で示すページ分割座標データを取得する。すなわち、単帳票(レセプト40)に、その縦幅よりも狭い続紙が貼付けされた状態で取得された画像について、帳票部分の縦幅が狭くなった部分をレセプト40と続紙の境界と判断し、その部分の座標を記憶する。
【0236】
さらに、境界検出部521は、連続して続紙が付されていた場合の続紙間の境界を検出すべく、取得されたページ分割座標データに基づいて区分される単帳票以外の領域すなわち続紙領域の各画素を参照し、縦方向に白画素が連続する領域を検出する。
【0237】
縦方向に白画素が連続する領域を検出すると、該領域を連続して付された続紙間の境界と判定すると共に、該領域を座標で示す続紙ページ分割座標データを取得し、引き続き、上記と同様に、連続して付された続紙間の境界検出処理を繰り返す。
【0238】
このとき、単帳票(レセプト40)と続紙の横幅は通常同じであるので、該単帳票と続紙の境界から、単帳票の横幅(単帳票と続紙の境界までの横幅)分移動した部分について、上述した白画素の連続の検出を行うと効率がよい。また、続紙の端の部分には、ある程度の余白が設けられるので、白画素が縦方向に連続した領域がさらにある程度(例えば、長さに換算して2cm以上)横方向に連続したことをもって、白画素が連続したものと判断するのがよい。その場合、当該領域の中心を通る縦線を続紙同士の境界と判断する。
【0239】
このように、境界検出部521は、上述した検出処理を実行し、取得した各境界座標データ、各帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データを図示しないメモリにそれぞれ保持する。
【0240】
取得範囲制定部522bは、読取画像データから全面画像データとして抽出すべき範囲を決定する部であり、例えば、2mm等のように、抽出される範囲に対して、拡張すべき横長帳票の横幅の長さを示す横幅拡張値データを図示しないメモリに保持している。
【0241】
取得範囲制定部522bは、境界検出部521が検出処理を完了すると、メモリから境界座標データ、帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データ、横幅拡張値データを取得すると共に、取得した各データに基づいて、読取画像データから、全面画像データとして抽出すべき範囲を決定する。
【0242】
即ち、取得範囲制定部522bは、取得した各境界座標データ、各帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データ及び横幅拡張値データに基づいて、図35に示すように、読取画像データから、単帳票、続紙A、続紙Bに区分したそれぞれの全面画像データを抽出するように範囲を決定すると共に、決定した抽出範囲を示す抽出範囲データを画像取得部523に転送する。
【0243】
ここで、本実施例では、区分される続紙A、続紙Bの縦方向の長さは、単帳票と同一とし、区分される帳票の横方向の長さは、ページ分割座標データに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとし、続紙Aの横方向の長さは、ページ分割座標データ及び続紙ページ分割座標データのそれぞれに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとし、続紙Bの横方向の長さは、続紙ページ分割座標データに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとする。すなわち、検出した境界よりも外側が含まれるように範囲を拡張した画像が切り出される。これによって、互いの画像には、重なり合う部分が含まれるが、それにより、画像を参照したときに、切り出した部分のつなぎ目を明確に確認することができるようになる。なお、各画像について範囲を拡張した部分の座標は後に参照可能に記憶される。
【0244】
画像取得部523は、読取画像データから全面画像データを取得する部であり、抽出範囲データを受けると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、抽出範囲データに基づいて、読取画像データを図36に示すように、単帳票、続紙A、続紙Bに区分した全面画像データをそれぞれ作成し、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない。
【0245】
制御ユニット10は、全面画像作成部409bが全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例1と同様に動作する。
【0246】
背景編集部524は、続紙A、続紙Bの各全面画像データに含まれる背景等の不要領域を編集する部であり、画像取得部523が続紙A、続紙Bの各全面画像データを作成すると、引き続き、各全面画像データの濃度を解析し、黒画素領域を白画素領域に変換処理すると共に、横幅拡張値データに基づいて拡張されている領域に対してスクリーン処理を行う(図37参照)。このスクリーン処理には、例えば、従来技術と同様の半透明化処理、ドットパターン変換処理等が適用できる。
【0247】
マルチ頁変換部525は、作成された各全面画像データを合成する部であり、背景編集部524がスクリーン処理を完了すると、作成された単帳票、続紙A、続紙Bの各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成する。
【0248】
制御ユニット10は、全面画像作成部409cが全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例2と同様に動作する。
【0249】
〈実施例3の動作〉
次に、実施例3の帳票分類処理システムの動作について説明を行う。
【0250】
実施例3では、帳票読取分類部1dの帳票外形検出部401a及び全面画像作成部409cのみが実施例2と異なるので、以下、帳票外形検出部401a、全面画像作成部409cのそれぞれの動作についてのみ説明を行う。
【0251】
まず、帳票外形検出部401aの動作について説明を行う。
【0252】
帳票外形検出部401aは、実施例1と同様に、読取画像データを受けると、まず、読取画像データを解析し、該読取画像データの全画素数を算出した読取画像量データを取得し、取得した読取画像量データ及び基準帳票画像量データを比較し、読取画像量データが基準帳票画像量データ以下であると、A4サイズの帳票の読取画像データを受け付けたことを検知し、以降、実施例2と同様の検出処理を実行する。
【0253】
一方、読取画像量データが基準帳票画像量データより大きいと、帳票外形検出部401aは、例えば、図33に示すような、続紙A、Bが人手等で付された横長帳票の読取画像データを受け付けたことを検知し、読取画像データを濃度判定部404に転送し、以降、部分画像データが作成されるまで、実施例2と同様に動作する。
【0254】
次に、全面画像作成部409cの動作について説明を行う。
【0255】
図38は、全面画像作成部409cの動作フローチャートである。
【0256】
全面画像作成部409cの横長判定部520は、読取画像データを受けると、まず、読取画像データを解析し、該読取画像データの解像度等により算出した読取画像量データを取得し、取得した読取画像量データ及び基準帳票画像量データを比較し、読取画像量データが基準帳票画像量データ以下であると、横長帳票ではないと判定し、以降、実施例1と同様に動作する(S108)。一方、読取画像量データが基準帳票画像量データより大きいと、横長帳票と判定する(S101)。
【0257】
境界検出部521は、横長判定部520が横長帳票と判定すると、読取画像データを構成する複数の画素から濃度変化量の算出対象として1画素を選択し、選択画素の濃度値を取得する。次に、選択画素の上、下、左、右に隣接する隣接画素の濃度値をそれぞれ取得する。そして、取得した各画素の濃度値を、上記式(1)に適用し、選択画素及び隣接画素間の濃度変化量を算出する。そして、濃度変化量が算出されると、メモリから基準変化量データを取得すると共に、算出された濃度変化量及び基準変化量を比較して、濃度変化量が基準変化量より大きいと、該選択画素を罫線領域と判定し、該選択画素の座標値を帳票および背景の境界を示す境界座標データとして取得する。一方、濃度変化量が基準変化量より小さいと、該選択画素を非罫線領域として判定し、該選択画素の境界座標データの取得は行わない。境界検出部521は、引き続き、同様の検出処理を読取画像データの全画素に対して実行する。
【0258】
引き続き、境界検出部521は、検出処理を読取画像データの全画素に対して実行すると、単帳票と該単帳票に付された続紙との境界を検出すべく、取得された各境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の延長線上で交差する画素を帳票角領域として判定し、該交差画素の座標値を帳票角の座標を示す帳票角座標データとして取得する。
【0259】
そして、取得された各境界座標データ及び各帳票角座標データに基づいて区分される横長帳票の内側領域のうち、縦方向の幅が小さくなる領域を単帳票と続紙との境界と判定すると共に、該領域を座標で示すページ分割座標データを取得する。
【0260】
さらに、境界検出部521は、連続して続紙が付されていた場合の続紙間の境界を検出すべく、取得されたページ分割座標データに基づいて区分される単帳票以外の領域の各画素を参照し、縦方向に白画素が連続する領域を検出しないと、境界検出部521は、連続して続紙が付されていないと判定し、境界検出処理を終了する(S102)。
【0261】
一方、縦方向に白画素が連続する領域を検出すると、該領域を連続して付された続紙間の境界と判定すると共に、該領域を座標で示す続紙ページ分割座標データを取得し、引き続き、上記と同様に、連続して付された続紙間の境界検出処理を繰り返す。
【0262】
このように、境界検出部521は、上述した検出処理を実行し、取得した各境界座標データ、各帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データを図示しないメモリにそれぞれ保持する。
【0263】
取得範囲制定部522bは、境界検出部521が検出処理を完了すると、メモリから境界座標データ、帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データ、横幅拡張値データを取得すると共に、取得した各データに基づいて、読取画像データから、全面画像データとして抽出すべき範囲を決定する(S103)。
【0264】
即ち、取得範囲制定部522bは、取得した各境界座標データ、各帳票角座標データ、ページ分割座標データ、続紙ページ分割座標データ及び横幅拡張値データに基づいて、図35に示すように、読取画像データから、単帳票、続紙A、続紙Bに区分したそれぞれの全面画像データを抽出するように範囲を決定すると共に、決定した抽出範囲を示す抽出範囲データを画像取得部523に転送する。
【0265】
ここで、本実施例では、区分される続紙A、続紙Bの縦方向の長さは、単帳票と同一とし、区分される帳票の横方向の長さは、ページ分割座標データに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとし、続紙Aの横方向の長さは、ページ分割座標データ及び続紙ページ分割座標データのそれぞれに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとし、続紙Bの横方向の長さは、続紙ページ分割座標データに対し、横幅拡張値データが示す長さが拡張された長さとする。
【0266】
画像取得部523は、抽出範囲データを受けると、文字認識された保険者識別データに基づいて、メモリの全面画像設定テーブル83を参照し、対応する全面取得要否データが「○」を示していると、抽出範囲データに基づいて、読取画像データを図36に示すように、単帳票、続紙A、続紙Bに区分した全面画像データをそれぞれ作成し、対応する全面取得要否データが「○」を示していないと、全面画像データを作成しない(S104&S105)。
【0267】
制御ユニット10は、全面画像作成部409bが全面画像データを作成しないと、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得すると共に、ページ番号データと共に、取得された読取データ、作成された部分画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例1と同様に動作する。
【0268】
背景編集部524は、画像取得部523が続紙A、続紙Bの各全面画像データを作成すると、引き続き、各全面画像データの濃度を解析し、黒画素領域を白画素領域に変換処理すると共に、横幅拡張値データに基づいて拡張されている領域に対してスクリーン処理を行う(図37参照)。このスクリーン処理には、例えば、従来技術と同様の半透明化処理、ドットパターン変換処理等が適用できる(S106)。
【0269】
マルチ頁変換部525は、作成された各全面画像データを合成する部であり、背景編集部524がスクリーン処理を完了すると、作成された単帳票、続紙A、続紙Bの各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成する(S107)。
【0270】
制御ユニット10は、全面画像作成部409cが全面画像データを作成すると、ページ番号データと共に、読取データ、作成された部分画像データ、全面画像データをシステム制御部2bに転送し、以降、実施例2と同様に動作する。
【0271】
〈実施例3の効果〉
実施例3の帳票分類処理システムでは、従来のように紙による帳票を必要とする保険者には紙帳票を提供し、保管場所等に制約があって紙帳票を望まない保険者に対しては電子媒体レセプトを提供できる。紙帳票と電子媒体レセプトの両方とも希望する保険者にはその両方を提供できるサービスが実現される。帳票の具体例として、医療機関が健康保険組合等の保険者に対して請求発行する診療報酬明細書のレセプトに好適であり、月次大量に発生するレセプト処理業務において医療機関および納入先の双方にとって遅滞のない迅速な処理が可能になる。
【0272】
さらに、単帳票に続紙等が付与されたことによりレセプトの形状が横長である場合、横長の読取画像データから、レセプトと各続紙との境界をそれぞれ検出すると共に、検出された境界に基づいて横長の読取画像データを区分してレセプト及び各続紙それぞれの全面画像データを作成するようにしたので、審査時の全面画像の視認性を向上させることができる。また、各全面画像データの背景等の不要な領域を除去すると共に、各隣接領域をスクリーン処理するようにしたので、各全面画像データ間の境界を容易に識別することができ、また、印刷時には、背景等の不要な外側領域を除去した全面画像データに基づく印刷処理を実行できるので、背景等の不要な外側領域を含むことで不要なトナーが消費されるのを防止できる。さらに、各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成するようにしたので、1ファイルにて各全面画像データが管理でき、データ管理における利便性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0273】
上記実施例では、メモリに予め拡張値データが保持されていたが、これに限られることはなく、管理端末等により設定可能にすることができる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0274】
【図1】本発明の帳票分類処理システムを示すブロック構成図
【図2】実施例1の分類化レセプト納入方法を示す模式図
【図3】従来の帳票分類処理システムを示すブロック構成図
【図4】従来の分類化レセプト納入方法を示す模式図
【図5】帳票読取分類部1bを示すブロック構成図
【図6】認識部20を示すブロック構成図
【図7】システム制御部2bを示すブロック構成図
【図8】業務設定テーブル51を示す例示図
【図9】ポケット設定テーブル80を示す例示図
【図10】読取設定テーブル81を示す例示図
【図11】部分画像設定テーブル82を示す例示図
【図12】全面画像設定テーブル83を示す例示図
【図13】サービス設定テーブル84を示す例示図
【図14】無効帳票ポケット設定テーブル85を示す例示図
【図15】レセプト分類の流れを示す説明図
【図16】読取結果記憶部53に格納された読取データ群を示す例示図
【図17】部分画像記憶部54に格納された部分画像データ群を示す例示図
【図18】全面画像記憶部55に格納された全面画像データ群を示す例示図
【図19】合計額記憶部56に格納された請求点合算データ群を示す例示図
【図20】保険者Cに提供すべきリストを示す例示図
【図21】保険者Cに提供すべき電子媒体レセプトを示す例示図
【図22】実施例1の帳票分類処理システムの動作フローチャート
【図23】帳票読取分類部1bの動作フローチャート
【図24】実施例2の帳票分類処理システムを示すブロック構成図
【図25】帳票読取分類部1cを示すブロック構成図
【図26】認識部20aを示すブロック構成図
【図27】部分画像作成部408bを示すブロック構成図
【図28】全面画像作成部409bを示すブロック構成図
【図29】部分画像作成部408bおよび全面画像作成部409bの動作フローチャート
【図30】実施例3の帳票分類処理システムを示すブロック構成図
【図31】帳票読取分類部1dを示すブロック構成図
【図32】認識部20bを示すブロック構成図
【図33】横長帳票を示す例示図
【図34】全面画像作成部409cを示すブロック構成図
【図35】横長帳票を示す例示図(境界検出例)
【図36】区分された全面画像データを示す例示図
【図37】スクリーン処理後の全面画像データを示す例示図
【図38】全面画像作成部409cの動作フローチャート
【図39】帳票の外形検出例を示す例示図
【図40】帳票の形状判定例を示す例示図
【図41】拡張後の部分画像データを示す例示図
【図42】背景を除去した全面画像データを示す例示図
【符号の説明】
【0275】
1 帳票読取分類部
1b 帳票読取分類部
1c 帳票読取分類部
1d 帳票読取分類部
2 システム制御部
2b システム制御部
3 修正端末
4 プリンタ
5 電子媒体作成部
10 制御ユニット
11 ポケット制御部
12 ポケット機構
13 ナンバリング制御部
14 ナンバリング機構
15 搬送制御部
16 搬送機構
17 撮像制御部
18 撮像機構
19 ページ番号記憶部
20 認識部
20a 認識部
20b 認識部
21 設定テーブル
40 レセプト
41 レセプト
42 請求点合算データ
43 レセプト
44 請求点合算データ
45 レセプト
46 請求点合算データ
47 電子媒体レセプト
50 業務AP部
51 業務設定テーブル
52 プログラム部
53 読取結果記憶部
54 部分画像記憶部
55 全面画像記憶部
56 合計額記憶部
57 電子媒体イメージ記憶部
70 プリンタチャネル
71 電子媒体チャネル
80 ポケット設定テーブル
81 読取設定テーブル
82 部分画像設定テーブル
83 全面画像設定テーブル
84 サービス設定テーブル
85 無効帳票ポケット設定テーブル
90 電子媒体レセプト
401 帳票外形検出部
401a 帳票外形検出部
402 形状判定部
402b 形状判定部
403 濃度分布測定部
404 濃度判定部
405 濃度補正部
406 補正画像記憶部
407 読取部
408 部分画像作成部
408b 部分画像作成部
409 全面画像作成部
409b 全面画像作成部
409c 全面画像作成部
510 部分領域変換部
511 画像取得部
512 拡張領域編集部
520 横長判定部
521 境界検出部
522 取得範囲制定部
522b 取得範囲制定部
523 画像取得部
524 背景編集部
525 マルチ頁変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けた帳票の記載内容を読み取って納入先別のポケット機構に分類すると共に、前記分類された帳票毎に、それぞれ読み取られた記載内容データを納入先別に保持する帳票分類処理システムにおいて、
帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記帳票の外形を検出し、該背景と帳票との境界を示す境界座標データ及び該帳票の角を示す帳票角座標データをそれぞれ取得する帳票外形検出部と、
前記取得された境界座標データに基づいて特定される各帳票辺の平行度、角度及び前記取得される帳票角座標データの数に基づいて、帳票形状が正常か否かを判定する形状判定部と、
前記形状判定部が帳票形状を正常と判定すると、読取画像データから、予め登録された帳票上の各項目の領域位置を示す領域データに基づいて、前記帳票の記載内容の審査に必要な部分画像データを作成する部分画像作成部と、
前記部分画像データが作成されると、前記読取画像データから、前記領域データに基づいて、前記審査に必要な帳票上の全項目を含む全面画像データを作成する全面画像作成部と、
少なくとも、前記記載内容データ、前記作成された部分画像データ及び全面画像データを納入先別に書き込んだ電子媒体を作成する電子媒体作成部とを備えることを特徴とする帳票分類処理システム。
【請求項2】
前記形状判定部が帳票形状を正常と判定すると、前記読取画像データの濃度毎の画素数を示す濃度ヒストグラムデータを生成する濃度分布測定部と、
前記生成された濃度ヒストグラムデータに基づいて、前記読取画像データの濃度分散比を示す濃度分散比データを算出すると共に、該算出された濃度分散比データが予め登録された基準濃度分散比データより大きいと、利用可能な有効濃度の帳票と判定する濃度判定部と、
有効濃度の帳票と判定されると、前記読取画像データの視認性を向上すべく、濃度補正を実行する画像補正部とをさらに備え、
前記部分画像作成部は、前記濃度補正された読取画像データから部分画像データを作成することを特徴とする請求項1記載の帳票分類処理システム。
【請求項3】
前記帳票はレセプトであり、前記納入先は保険者であり、
前記記載内容は、レセプトに記載されている請求点数であり、さらに、前記請求点数を合計した請求点合計データを保険者別に保持し、
前記電子媒体作成部は、請求点合計データをともに電子媒体に書き込むことを特徴とする請求項1記載の帳票分類処理システム。
【請求項4】
形状異常の帳票が収容される形状異常ポケット機構と、
濃度異常の帳票が収容される濃度異常ポケット機構と、
前記形状判定部が帳票形状を異常と判定すると、該帳票を前記形状異常ポケット機構に排出し、前記濃度判定部が帳票濃度を異常と判定すると、該帳票を前記濃度異常ポケット機構に排出するポケット制御部とを備えることを特徴とする請求項2記載の帳票分類処理システム。
【請求項5】
前記形状判定部が帳票形状を異常と判定すると、前記帳票に対し、形状異常を示す画像判定結果データに基づく印字処理を実行し、前記濃度判定部が帳票濃度を異常と判定すると、前記帳票に対し、濃度異常を示す画像判定結果データに基づく印字処理を実行するナンバリング機構を備えることを特徴とする請求項2記載の帳票分類処理システム。
【請求項6】
前記部分画像作成部は、前記読取画像データから、予め登録された拡張値データが示す拡張範囲を含む帳票の審査に必要な所定項目を抽出した部分画像データを作成すると共に、該拡張範囲に対して、該拡張範囲を明示化すべく画像処理を行うことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の帳票分類処理システム。
【請求項7】
前記全面画像作成部は、前記取得される境界座標データ及び帳票角座標データに基づいて、前記背景を除去した帳票の全面画像データを作成することを特徴とする請求項1記載の帳票分類処理システム。
【請求項8】
単帳票及び続紙からなる横長帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記横長帳票の外形を検出し、該背景と帳票との境界を示す境界座標データ、該帳票の角を示す帳票角座標データ及び単帳票と続紙間の境界を示すページ分割座標データをそれぞれ取得する境界検出部を含み、
前記全面画像作成部は、前記横長帳票の読取画像データから、取得された境界座標データ、帳票角座標データ、ページ分割座標データに基づいて抽出した単帳票及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成することを特徴とする請求項1及び7のいずれかに記載の帳票分類処理システム。
【請求項9】
前記全面画像作成部は、前記横長帳票の読取画像データから、単帳票及び続紙の拡張すべき横幅の長さを示す予め登録された横幅拡張値データ、前記取得される境界座標データ、帳票角座標データ及びページ分割座標データに基づいて横幅を拡張して抽出した単帳票及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成し、
前記作成される単帳票及び続紙の各全面画像データに含まれる背景を白画素に変換処理すると共に、横幅が拡張された範囲に対し、該範囲を明示化すべく画像処理を行う背景編集部とを備えることを特徴とする請求項8記載の帳票分類処理システム。
【請求項10】
単帳票及び続紙の各全面画像データが作成されると、各全面画像データを合成して、ページ毎に参照可能な1ファイルの全面画像データを作成するマルチ頁変換部を備えることを特徴とする請求項8記載の帳票分類処理システム。
【請求項11】
受け付けたレセプトの記載内容を読み取って納入先となる保険者別のポケット機構に分類すると共に、前記分類されたレセプト毎に、それぞれ記載内容データを保険者別に保持するレセプト分類処理システムにおいて、
レセプト及び続紙からなる横長帳票を読み取って得られる背景を含む読取画像データを構成する各画素の濃度変化量に基づいて、前記横長帳票の外形を検出し、レセプトとの境界を示す境界座標データを求め、前記外形の縦方向の幅変化に基づきレセプトと続紙間の境界を示す境界座標データを求めてページ分割座標データとし、続紙部分の白画素の連続部分を検出することにより続紙同士の境界座標データを求めて続紙ページ分割座標データとし、前記境界座標データ、前記ページ分割座標データ、前記続紙ページ分割座標データに基づいて抽出したレセプト及び続紙の全面画像データをそれぞれ作成し、前記記載内容データ、前記作成されたレセプト及び続紙の全面画像データを前記保険者別に書き込んだ電子媒体を作成する電子媒体作成部を備えることを特徴とする帳票分類処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2007−264833(P2007−264833A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86525(P2006−86525)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】