説明

平滑化剤を含む金属電気メッキのための組成物

金属イオン源、及び
一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
−R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
−R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基である)
又は前記ポリアルカノールアミン(II)のアルコキシル化、置換、又はアルコキシル化と置換によって得ることができる誘導体を得ることにより得ることができる少なくとも1種の平滑化剤を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ビア(via)及びトレンチのような小さな機構を、銅電気メッキによって満たすことは、半導体製造工程の本質的な部分である。添加剤としての有機物質が電気メッキ溶液中に存在することが、基材表面に金属を均一に沈殿させ、及び銅ライン内での欠陥、例えばボイドやすじ傷を回避するために重要であって良いことが公知である。
【0002】
添加剤のあるクラスは、いわゆるレベラー(平滑化剤)である。レベラーは、満たされた機構上で、実質的に平面的な表面を得るために使用される。文献中では、種々の異なるレベリング化合物(平滑化化合物)が記載されている。多くの場合、レベリング化合物は、N−を含む、及び任意に置換、及び/又は四級化されたポリマー、例えばポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン(スルホン酸化した)、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン−コ−ホルムアルデヒド)(特許文献1、US2004/0187731)、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物(特許文献2、US6610192)、アミン、エピクロロヒドリン、及びポリアルキレンオキシドの反応生成物(特許文献3、EP1371757A1)、アミンとポリエポキシドの反応生成物(特許文献4、EP1619264A2)、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール(特許文献5、US2003/0168343A1)、及びポリビニルピロリドン(特許文献5、US6024857)である。
【0003】
しかしながら、如何なる文献も、ポリアルカノールアミン、アルコキシル化したポリアルカノールアミン、官能化したポリアルカノールアミン、又は官能化したアルコキシル化したポリアルカノールアミンを、銅電気メッキ溶液のための添加剤として使用することを開示していない。
【0004】
ポリアルカノールアミンは、特許文献6(US2407895)、特許文献7(EP0441198)又は特許文献8(US5393463)に記載されているように、酸性又は塩基性の触媒の存在中、アルカノールアミンの縮合(condensation)によって合成することができる。アルカノールアミンと、他のヒドロキシル−含有分子、例えばペンタエリチリトール、ソルビトール、グリコール、グリセロールとの共縮合が特許文献9(EP0057398)に記載されている。官能化、即ち、ポリジアルカノーリアミンの窒素原子の四級化が、特許文献10(EP−A−0057398)、特許文献11(EP−A−0160872)に記載されている。
【0005】
本願の優先日では、未だ公開されていない特許文献12(ヨーロッパ特許出願No.07120393.9)には、アルコキシル化されたポリアルカノールアミンが開示されている。これらは、2段階工程で製造され、この方法では、第1工程で、アミノアルコールが縮合されてポリアルカノールアミンを得、そして得られたポリアルカノールアミンが、第2工程で任意にアルコキル化される。官能化されたアルコキシル化したポリアルカノールアミンが、同じ出願に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US2004/0187731
【特許文献2】US6610192
【特許文献3】EP1371757A1
【特許文献4】EP1619264A2
【特許文献5】US2003/0168343A1
【特許文献6】US2407895
【特許文献7】EP0441198
【特許文献8】US5393463
【特許文献9】EP0057398
【特許文献10】EP−A−0057398
【特許文献11】EP−A−0160872
【特許文献12】ヨーロッパ特許出願No.07120393.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、良好な平滑化特性(leveling property)を有する銅電気メッキ添加剤、特に実質的により平滑な銅層を提供し、及びナノメータースケール上の機構を、欠陥(例えばボイドが例示されるがこれに限られるものではない)を形成することなく満たすことができる平滑化剤を、金属電気メッキ溶液、好ましくは銅電気めき溶液に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ポリアルカノールアミン、アルコキシル化されたポリアルカノールアミン、官能化されたポリアルカノールアミン、及び官能化された、アルコキシル化されたポリアルカノールアミンを、平滑化剤として、銅電気メッキ溶液中に使用することができることが見出された。
【0009】
従って、本発明は、金属イオン源、及び
一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
−R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
−R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれしていて良い脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基から選ばれる)
又は前記ポリアルカノールアミン(II)のアルコキシル化、置換、又はアルコキシル化と置換によって得ることができる誘導体を得ることにより得ることができる少なくとも1種の平滑化剤を含む組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】半導体集積回路基材の上での銅の電気沈澱の通常の方法を示した図である。図1aは、銅層2aでシードされた誘電対基材1を示し、図1bは、銅層2’が、電気沈澱によって誘電体基材1の上に沈澱されている状態を示し、図1cは、工程の間、任意の焼なましの後、銅2bの過積載が、化学的、機械的メッキ(CMP)によって除去された状態を示している。
【図2】平滑化剤の効果を説明した図である。平滑化なしでは、沈澱は、高割合a/b≫1、いわゆるマウンディングをもたらすのに対し、図2bは、a/b割合が1に極めて近い状態を示している。
【図3】異なるアパーチャーサイズの構造を有する機材について、平滑化剤を使用していない結果を示した図である。図3aは、幅が2.0マイクロメーターのトレンチの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。図3bは、幅が2.50マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示し、及び図3cは、幅が0.130マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示す。
【図4】異なるアパーチャーサイズについて示した図である。図4aは、幅が2.0マイクロメーターのトレンチの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。図4bは、幅が2.50マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示し、及び図4cは、幅が0.130マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示す。
【図5】平滑化剤を使用していない結果を示した図である。図5aは、0.130マイクロメーターの幅、及び0.130マイクロメーターの距離を有するネスト化されたトレンチの表面形状的な横断面スキャン、図5bは、0.250マイクロメーター機構の横断面スキャンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に従う組成物を電気メッキに使用すると、過剰メッキが減少した、特にマウンディングが減少した、沈澱した金属層、特に銅層が形成されることが見出された。本発明に従い提供される金属層は、(たとえ異なる開口径の範囲が非常に広いアパーチャー(aperture)(スケール:≦130nm〜2μm)を有する基材上であっても、)実質的に平滑である。更に、本発明は、(加えられた)欠陥、例えばボイドを機構中に実質的に形成することなく、金属層を提供することが見出された。
【0012】
この平滑化効果の、更なる重用な有利な点は、沈澱後操作で、除去する材料が少なくなるということである。例えば、化学的、機械的な研磨(CMP)が、下側に位置する機構を露呈するために使用される。更に、本発明の平滑沈澱(level deposit)は、沈澱させるべき金属の量を低減させることになり、従って、CMPによって除去する層が少なくなる。スクラップ化した金属の量が低減し、及びより重用なことに、CMP操作のために必要とされる時間が低減される。金属除去操作は、困難性が低減され、これには、継続時間の低減と結びついて、金属除去操作で欠陥を与える傾向が少なくなることにつながる。
【0013】
好ましくは、金属イオンは、銅イオンを含む。
【0014】
好ましい添加剤は、得られたポリアルカノールアミン(II)を、C2−〜C12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、又はグリシジルエーテルでアルコキシル化することによって得られる、アルコキシル化したポリアルカノールアミンである。アルキレンオキシドを、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの組み合わせから選ぶことが特に好ましい。
【0015】
好ましくは、アルコキシル化の程度は、0.1〜200、特に0.5〜20である。
【0016】
好ましくは、置換は、四級化、プロトン化、アルキル化、サルファテーション、フォスファテーション、又はこれらの組み合わせである。
【0017】
好ましい添加剤は、式(Ia)及び(Ib)のN−ヒドロキシアルキルアミンから選ばれる化合物と、2個のヒドロキシル基、又は2個のアミノ基、又はヒドロキシル基とアミノ基を含む、少なくとも1種の化合物(Ic)とを共縮合することによって得ることができる。少なくとも1種の化合物(Ic)が、縮合に使用される全ての成分に対して、50質量%以下の量で存在することが特に好ましい。
【0018】
ポリアルキレンオキシド鎖は、好ましくは、ブロック、ランダム、又はグラディエント構造、又はこれらの組み合わせを有して良い。「グラディエント構造」は、ポリアルカノールアミンのポリアルコキシル化の間、少なくとも2種のアルキレンオキシドの割合に傾斜(グラディエント)が存在することを意味する(この結果、ポリアルキレンオキシド鎖中に存在する、少なくとも2種アルキレンオキシドに対する割合にも傾斜が存在することになる)。
【0019】
好ましい実施の形態では、トリアルカノールアミン(Ia)は、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びトリブタン−2−アラミンから選ばれる、少なくとも1種のトリアルカノールアミンである。
【0020】
金属電気メッキ組成物は、更に加速剤を含んでも良い。独立して、又は加えて、これは抑制剤を含んでも良い。
【0021】
本発明の更なる実施の形態では、ポリアルカノールアミン、又はこのアルコキシル化、置換、又はアルコキシル化と置換によって得ることができる誘導体を、電気メッキ用の溶液内で使用するもので、ここで、上記ポリアルカノールアミンは、
一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
−R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
−R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基から選ばれる)
を得ることにより得ることができる。
【0022】
本発明の更なる実施の形態は、上述したメッキ溶液を基材と接触させ、そして基材に電流を施して、金属層を基材上に沈澱させることによる、金属層を基材上に沈澱させる方法である。この方法は、(マイクロメータ又はマイクロメーター以下のサイズの機構を有する)金属層、特に銅層を基材上に沈澱させるために有用である。マイクロメータ又はマイクロメーター以下のサイズの機構は、好ましくは10〜1000nmのサイズ、及び/又は4以上のアスペクト比を有する。
【0023】
本明細書に使用されている「機構(feature)」は、基材上の幾何学形状(geometry)、例えばビア及びトレンチ(これらに限られるものではない)を意味する。「アパーチャー(aperture)」は、埋め込まれたビア及びトレンチ等の機構を意味する。本明細書に記載されている「メッキ(plating)」は、(他に明確な記載がなければ)金属電気メッキを意味する。「沈澱」及び「メッキ」は、本明細書に、置き換え可能に記載されている。「アルキル」という用語は、直鎖状の、枝分れした、及び環式のアルキルを含む。「加速剤」は、電気メッキ溶液のメッキ速度を増す有機添加剤を意味する。「加速剤(accelerator)」と「加速化剤(accelerating agent)」は、本明細書に、置き換え可能に記載されている。文献では、時として、加速剤成分は、「光沢剤(brightener)」 又は「増白剤(brightening agent)」とも呼ばれている。「抑制剤」は、電気メッキ溶液のメッキ速度を減少させる有機化合物を意味する。「抑制剤(supressor)」及び「抑制化剤(suppressing agent)」は、本明細書中に置き換え可能に記載されている。「レベラー」は、実質的に平坦な金属層を得ることができる有機化合物を意味する。「レベラー(leveler)」及び「平滑化剤(leveling agent)」は、本明細書に置き換え可能に記載されている。
【0024】
本発明は、メッキされた金属層、特にメッキされた銅層を、ナノメーター及び/又はマイクロメータースケールの機構を含む基材上に提供するもので、ここで金属層の過剰メッキ(overplating)が低減され、及び全ての機構が、実質的に(加えられた)ボイドを有せず、及び好ましくはボイドを有しないものである。「過剰メッキ」は、緻密な機構領域上の、(機構を有しない領域、又は機構が少なくとも比較的少ない領域と比較して)より厚い金属沈澱を意味する。「緻密な機構領域」は、(相互間の距離が比較的長いアパーチャーを含む比較領域よりも)隣合う機構間の距離が小さい領域を意味する。「より小さい距離」は、2マイクロメーター未満の距離、及び好ましくは1マイクロメーター未満の距離、及びより好ましくは500nm未満の距離を意味する。(機構の無い領域又は機構が比較的少ない領域のメッキ厚さと比較した場合の)緻密な機構領域のメッキ厚さのこのような差異は、「段高さ(step height)」又は「マウンディング」と称される。
【0025】
適切な基材は、電気素子(電子デバイス)、例えば集積回路の製造に使用することもできる。このような基材は、典型的には、種々のサイズの複数の機構、特にアパーチャーを含む。特に適切な基材は、ナノメーター及びマイクロメータースケールのアパーチャーを有するものである。
【0026】
本発明は、実質的に、より平滑な銅層を与え、及びナノメーター及びマイクロメータースケールの機構を(実質的に欠陥、例えばボイド(これに限られない)を形成することなく)満たすことができる1種以上の平滑化剤と、金属電気メッキ溶液、好ましくは銅電気メッキ溶液を組み合わせることによって達成される。適切な平滑化剤は、ポリアルカノールアミン、アルコキシル化されたポリアルカノールアミン、官能化されたポリアルカノールアミン、又は官能化されたポリアルカノールアミンである。
【0027】
ポリアルカノールアミンは、一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
・R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
・R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状の、又は枝分かれしていて良い脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基から選ばれる)
を得る(工程A)ことによって得ることができる。
【0028】
アルカノールアミンは、このようなものとして使用して良く、又は任意にアルコキシル化、官能化、又はアルコキシル化と官能化してアルコキシル化したポリアルカノールアミン(III)、官能化したポリアルカノールアミン(IV)又は官能化したアルコキシル化したポリアルカノールアミン(V)を得ても良い。
【0029】
アルコキシル化されたポリアルカノールアミン(III)は、ポリアルカンールアミン(II)を、C2−〜C12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、又はグリシジルエーテルで(及び存在する場合には、第2級アミノ基で)アルコキシルすること(工程B)により得ることができる(但し、アルコキシル化の平均の程度が、OH基につき0.1〜200である)。
【0030】
官能化されたポリアルカノールアミン(IV)は、ポリアルカノールアミン(II)を、(ヒドロキシル基及び/又はアミノ基と反応可能な)適切な官能化試薬で官能化することによって得ることができる(工程C)。
【0031】
官能化した、アルコキシル化したポリアルカノールアミン(V)は、アルコキシル化したポリアルカノールアミン(V)を、(ヒドロキシル基及び/又はアミノ基と反応可能な)適切な官能化試薬で官能化することによって得ることができる。
【0032】
工程(A)で使用されるトリアルカノールアミン(Ia)及び/又はジアルカノールアミン(Ib)は、一般式N(R1−OH)3(Ia)及び一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)を有している。
【0033】
1基は、各場合において、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれる。このような基の例は、エテン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、2−メチルプロパン−1,2−ジイル、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイル(=1−メチルプロパン−1,3−ジイル)、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、2−メチルブタン−1,3−ジイル、3−メチルブタン−1,3−ジイル(=1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジイル)、ペンタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−2,5−ジイル、2−メチルペンタン−2,5−ジイル(=1,1−ジメチルブテン−1,3−ジイル)及びヘキセン−1,6−ジイルである。この基は、好ましくは、エテン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、又はプロパン−1,2−ジイルである。
【0034】
2基は、水素、及び/又は1〜30個の炭素原子、好ましくは1〜20個の炭素原子、及びより好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族の炭化水素基である。芳香族基は、当然、脂肪族の置換基を有していても良い。R2は、好ましくは、水素又は1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。
【0035】
好ましいトリアルカノールアミン(Ia)は、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びトリブタン−2−オラミンであり、特に好ましくはトリエタノールアミンである。
【0036】
好ましいジアルカノールアミン(Ib)の例は、ジエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−N−メチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)−N−メチルアミン、N−イソプロピルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−sec−ブチルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N−ベンジルジエタノールアミン、N−4−トリルジエタノールアミン又はN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンを含む。特に好ましくは、ジエタノールアミンである。
【0037】
トリアルカノールアミン(Ia)及び/又はジアルカノールアミン(Ib)に加え、任意に、2個のヒドロキシル及び/又はアミノ基を有する更なる成分(Ic)を、重縮合のために使用することができる。
【0038】
好ましい実施の形態では、成分(Ic)は、一般式R3(OH)n(但し、nが、2〜6の自然数であり、及びR3がn−値の直鎖状の、又は枝分れした、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、又は芳香族炭化水素基である)のポリオールである。
【0039】
このようなポリオールの例は、脂肪族ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、トリ(ヒドロキシメチル)エタン、トリ(ヒドロキシメチル)プロパン、ソルビトール、ネオペンチルグリコール又はペンタエリチリトール、脂環上式ポリオール、例えば1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン又はアリールアリファティックポリオール、例えば1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼンを含む。
【0040】
更なる好ましい実施の形態では、成分(Ic)は、一般式R4(NHR5mのポリアミンである(但し、mが2〜4の自然数であり、R4がm−価の直鎖状、又は枝分れした、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、又は芳香族の炭化水素基であり、及びR5が、それぞれ独立して、H、R2のために定義した炭化水素であり、ここで2個のR5基が一緒に、アルキレン基、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖状の1,ω−アルキレン基であっても良い)。R5は、好ましくはH又はメチル基である。
【0041】
このようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン又はピペリジンを含む。
【0042】
存在する場合、少なくとも2個のヒドロキシル及び/又はアミノ基を有する成分(Ic)は、好ましくは、縮合(condensation)のために使用される全ての成分の合計量(即ち、(Ia)及び/又は(Ib)、(Ic)及び適切であれば(Id))に対して、50質量%以下の量で使用される。
【0043】
(Ia)及び/又は(Ib)、及び適切であれば(Ic)に加え、(Ia)、(Ib)、又は(Ic)以外に更なる成分(Id)を縮合のために使用することも可能である。これらは原則として、(縮合反応内で、トリアルカノールアミン(Ia)及び/又は(Ib)と反応可能な官能基を有する)全てのモノ−又は多官能性化合物であって良い。ここで「縮合(condensation)」という用語は、通常のように、(小さな分子、特に水を除いて、)2個の官能基が1個の共有結合を形成する反応を意味する。化合物(Id)の例は、トリアルカノールアミン(Ia)及び/又はジアルカノールアミン(Ib)とエステル基を形成することができる、カルボン酸、特にジカルボン酸である。このような更なる成分は、本発明に従い使用されるアルコキシル化されたポリアルカノールアミンの特性を微調整するために使用することができる。このような化合物(Id)の量は、(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の量に対して、通常5質量%を超えない。この量は、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、及び最も好ましくは、縮合のために、更なる成分(Id)が使用されない。
【0044】
成分(Ia)及び/又は(Ib)、及び任意に(Ic)又は(Id)の重縮合は、この技術分野の当業者にとって原則として公知の方法で、成分を加熱し、水を除去しながら行うことができる。適切な方法は、例えばEP441198A2に開示されている。(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の異なる成分の混合物を使用することも可能である。
【0045】
縮合は、典型的には120〜280℃の温度、好ましくは150〜260℃の温度、及びより好ましくは180〜240℃の温度で行われる。形成された水は、好ましくは蒸留除去される。反応時間は、典型的には、1〜16時間、好ましくは2〜8時間である。縮合の程度は、反応温度と時間によって、単純な方法で制御することができる。
【0046】
重縮合は、好ましくは酸、好ましくは亜リン酸(H3PO3)及び/又は次亜リン酸(H3PO2)の存在下で行なわれる。好ましい量は、縮合される成分に対して、0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。例えばUS4,505,839に開示されているように、酸に加え、追加的な触媒、例えば、適切であれば酢酸との混合物中の、ハロゲン化亜鉛、硫酸アルミニウムを使用することもできる。
【0047】
得られたポリアルカノールアミン(II)の粘度は、代表例では、1000〜50000mPasの範囲、好ましくは2000〜20000mPasの範囲、及びより好ましくは3000〜13000mPasの範囲である(それぞれは、20℃で、薄めていない生成物で測定)。
【0048】
得られたポリアルカノールアミン(II)の平均モル質量Mn(数平均)は、代表例では、250〜50000g/mol、好ましくは500〜40000g/mol、より好ましくは1000〜20000g/mol、及び最も好ましくは1000〜7500g/molである。
【0049】
得られたポリアルカノールアミン(II)の平均モル質量Mw(質量平均)は、代表例では、250〜50000g/mol、好ましくは500〜30000g/mol、及び最も好ましくは1000〜20000g/mol、2000〜10000g/molである。
【0050】
得られたポリアルカノールアミン(II)は、多分散性(Mw/Mn)が1〜10の範囲、及び特に1〜5の範囲である。
【0051】
ポリアルカノールアミン(II)は、第2の工程(B)で任意にアルコキシル化することができる。この工程では、OH基及び存在する任意の第2級アミノ基(secondary amino group)がアルキレンオキシドと反応して、末端ポリエーテル基を形成する。
【0052】
2−〜C12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、又はグリシジルエーテル、例えばグリシジルtert−ブチルエーテルを使用することが可能である。対応するアルキレンオキシドの例は、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシド、及び1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ペンテンオキシド、デセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド又はスチレンオキシドを含む。
【0053】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドを使用することが好ましい。通常では高級アルキレンオキシドが、大抵の場合、特性の微調整のために少量使用される。通常、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドの量は、使用される全てのアルキレンオキシドの合計に対して、少なくとも80質量%、好ましくは95質量%、及びより好ましくは95質量%である。
【0054】
アルコキシル化の平均度合は、アルコキシル化の出発材料中、すなわちポリアルカノールアミン(II)中のOH基当たり、及び−存在する場合−2級アミノ基当たり、約0.1〜約200、好ましくは約0.1〜約100、より好ましくは約0.1〜約50、最も好ましくは約0.5〜約20、及び例えば1〜10アルキレン単位である。
【0055】
2種以上の異なるアルキレンオキシドが使用された場合、形成されるポリアルキレン基は、ランダムコポリマー、グラディエントコポリマー、又はブロックコポリマーであっても良い。
【0056】
アルキレンオキシド単位の合成は、この技術分野の当業者にとって公知である。包括的な詳細は、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,6th Edition,Electronic Releaseの“Polyalkylenes”に記載されている。
【0057】
アルコキシル化を、通常の塩基触媒、例えばアルカリ金属ヒドロキシド、好ましくはカリウムヒドロキシド、又はアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリムメトキシド又はカリウムtert−ブチレンの存在下に行なうことが好ましい。更に、2重金属シアニド触媒(DMC触媒)を使用することも可能である。適切なDMC触媒は、例えばDE10243361A1,特に段落[0029]〜[0041]に開示されており、そしてこの文献はここに引用(導入)される。アルコキシル化は、原則として公知の方法で(40〜250℃、好ましくは80〜200℃、及びより好ましくは100〜150℃で、圧力反応器内で)行うことができる。アルキレンオキシドを正確に計量導入するために、アルコキシル化の前に、ポリアルカノールアミン(II)のOH基の数、及び適切であれば(第2級の)アミノ基の数を決定(測定)することが好ましい。
【0058】
ポリアルカノールアミン(II)は、任意に更なる工程(C)で官能化することができる。追加的な官能化は、ポリアルカノールアミン(II)の特性を変性(改質)するように作用させることができる。この目的のために、ポリアルカノールアミン(II)中に存在するヒドロキシル基及び/又はアミノ基が、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基と反応可能な適切な化学剤を使用して変換される。これは、官能化されたポリアルカノールアミン(IV)を形成する。
【0059】
例えば、ポリアルカノールアミン(II)中に存在する第3級アミノ基は、適切なアルキル化剤でプロトン化、又は四級化することができる。適切なアルキル化剤の例は、活性ハロゲン原子を含む有機化合物、例えばハロゲン化アラルキル、アルキル、アルケニル、及びハロゲン化アルキニル、及びこれらに類似するものである。追加的に、アルキルサルフェート、アルキルスルトン、エポキシド、及びこれらに類似するものも使用して良い。対応するアルキル化剤の例は、ベンジルクロリド、プロパンスルトン、ジエチルサルフェート、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、又はこれらに類似するものである。ジメチルサルフェート及び/又はベンジルクロリドを使用することが好ましい。特にジメチルサルフェートである。
【0060】
ポリアルカノールアミンの末端ヒドロキシル基は、一般式−(アルコキシ)n−X(但し、Xが任意の所望の基である)を形成する、官能化のための適切な試薬で反応させることができる。官能化の種類は、所望の末端用途に依存する。官能化剤に従い、鎖末端は、疎水性化、又はより強力に親水性化することができる。
【0061】
末端ヒドロキシル基は、例えば硫酸又はこれらの誘導体を使用してエステル化し、末端サルフェート基を有する生成物を形成することができる(サルファテーション)。類似して、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、POCl3又はP410を使用して、末端リン基を有する生成物を得ることができる(ホスファテーション)。更に、末端OH基をエーテル化させ、一般式−(アルコキシ)n−O−R6(但し、R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルクアリル、又はアリール基である)のエーテル終端(ether-terminated)のポリアルコキシ基を形成しても良い。
【0062】
アルコキシル化したポリアルカノールアミン(III)は、任意に、更なる反応工程(D)で官能化することができる。追加的な官能基は、アルコキシル化したポリアルカノールアミン(III)の特性を変性するように作用することができる。この目的で、アルコキシル化したポリアルカノールアミン(III)中に存在するヒドロキシル基、及び/又はアミノ基が、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基と反応可能な適切な化学剤(agent)を使用して変換される。これは官能化したアルコキシル化したアルカノールアミン(V)を形成する。
【0063】
例えば、アルコキシル化されたポリアルカノールアミン中に存在する第3級アミンは、適切なアルキル化剤を使用してプロトン化又は四級化することができる。適切なアルキル化剤の例は、活性ハロゲン原子を含む有機化合物、例えば、ハロゲン化アラルキル、アルキル、アルケニル、及びハロゲン化アルキニル、及びこれらに類似するものである。追加的に、アルキルサルフェート、アルキルサルトン、エポキシド、及びこれらに類似するものを使用しても良い。対応するアルキル化剤は、ベンジルクロリド、プロパンスルトン、ジメチルサルフェート、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、又はこれらに類似するものである。ジメチルサルフェート、及び/又はベンジルクロリドを使用することが好ましい。
【0064】
アルコキシル化したポリアルカノールアミンの末端ヒドロキシル基は、一般式−(アルコキシ)n−X(Xが任意の所望の基である)の基を形成する誘導体化のために、適切な試薬と反応させることができる。官能化の種類は、所望の末端用途に依存する。官能化剤に従い、鎖末端は、疎水性化、又はより強力に親水性化することができる。
【0065】
末端ヒドロキシル基は、例えば硫酸又はこれらの誘導体を使用してエステル化し、末端サルフェート基を有する生成物を形成することができる。類似して、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、POCl3又はP410を使用して、末端リン基を有する生成物を得ることができる。
【0066】
更に、末端OH基をエーテル化させ、一般式−(アルコキシ)n−O−R6(但し、R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルクアリル、又はアリール基である)のエーテル終端(ether-terminated)のポリアルコキシ基を形成しても良い。
【0067】
金属イオン源は、金属イオンを放出して電気メッキ溶液内に十分な量で沈澱させることができる任意の化合物であって良く、すなわち、金属イオン源は、少なくとも部分的に電気メッキ溶液内に溶解するものである。金属イオン源は、メッキ溶液中に溶解するものであることが好ましい。適切な金属イオン源は、金属塩で、及び金属サルフェート、ハロゲン化金属、金属アセテート、金属ニトレート、金属フルオロボレート、金属アルキルスルホネート、金属アリールスルホネート、金属スルファメート、金属グルコネート、及びこれらに類似するものである。金属が銅であることが好ましい。更に、金属イオンの供給源が、銅サルフェート、銅クロリド、銅アセテート、銅シトレート、銅ニトレート、銅フルオロボレート、銅メタンスルホネート、銅フェニルスルホネート、及び銅p−トルエンスルホネートであることが好ましい。銅サルフェートペンタヒドレート及び銅メタンスルホネートが特に好ましい。このような金属塩は、通常、市販されており、そして更なる精製を行うことなく使用しても良いものである。
【0068】
金属電気メッキの他に、組成物を金属含有層の無電解沈澱(無電解析出)に使用しても良い。この組成物は、Ni、Co、Mo、W及び/又はReを含むバリヤ層の沈澱に特に使用されて良い。この場合、金属イオンの他に、III及びIV族の更なる元素、特にB及びPが無電解沈殿のための組成物中に存在していても良く、従って金属と一緒に共沈殿(共析出)しても良い。
【0069】
金属イオン源は、電気メッキのために十分な金属イオンを基材上に与える任意の量で、本発明に使用して良い。適切な金属イオン金属源は、スズ塩、銅塩、及びこれらに類似するものである。金属が銅の場合、銅塩は、典型的には、メッキ溶液中に約1〜約300g/Lの範囲の量で存在する。金属塩の混合物は、本発明に従い電気メッキされて良いと理解される。従って、合金、例えばスズが約2質量%以下の銅−スズが、本発明に従い有利にメッキされて良い。このような混合物中の各金属塩の量は、メッキされる特定の合金に依存し、そしてこの技術分野の当業者にとって公知である。
【0070】
通常、金属イオン源及び(更にポリアルカノールアミンと称される)少なくとも1種の平滑化剤(II)〜(V)の他に、本金属電気メッキ組成物は、好ましくは、電解質、即ち酸性又はアルカリ性の電解質、1種以上の金属イオン供給源、任意にハロゲン化物イオン、及び任意に他の添加剤、例えば加速剤、及び/又は抑制剤を含むことが好ましい。このような溶液は、代表例では水性である。水は、広い範囲の量で存在して良い。任意の種類の水、例えば蒸留した水、イオン除去した水又は水道水を使用して良い。
【0071】
本発明の電気メッキ溶液は、成分を任意の順序で組合せて製造しても良い。無機成分、例えば金属塩、水、電解質、及び任意のハロゲン化物イオン源が、最初に溶液容器に加えられ、次に有機成分、例えば平滑化剤、加速剤、抑制剤、界面活性剤、及びこれらに類似するものが加えられることが好ましい。
【0072】
典型的には、本発明のメッキ溶液は、10〜65℃、又はこれ以上の任意の温度で使用しても良い。メッキ溶液の温度は、10〜35℃の範囲が好ましく、及び15〜30℃の範囲がより好ましい。
【0073】
適切な電解質は、例えば、硫酸、酢酸、ホウフッ化水素酸、アルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸、及びトルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸、リン酸、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらに類似するものを含むが、これらに限定されるものではない。酸は、典型的には、約1〜約300g/Lの範囲の量、アルカリ性電解質は、典型的には、約0.1〜約20g/Lの範囲の量、又は8〜13のpH、及びより典型的には9〜12のpHを生成する量で存在する。
【0074】
このような電解質は、任意に、ハロゲン化物イオン、例えば(塩化銅又は塩酸中のものとして)クロリドイオンを含んでも良い。本発明では、ハロゲン化物の濃度は、広い範囲で使用することができ、例えば約0〜約500ppmである。代表例では、ハロゲン化物イオン濃度は、メッキ溶液に対して、約10〜約100ppmの範囲である。電解質が、硫酸又はメタンスルホン酸であることが好ましく、及び硫酸又はメタンスルホン酸及び塩化物イオンの混合物であることが好ましい。本発明で有用な酸及びハロゲン化物イオンの供給源は、通常、市販されており、そして更に精製することなく使用しても良い。
【0075】
本発明に従う平滑化剤は、実質的に平滑(平坦)な銅層を与え、及び小さな機構を、ボイドを実質的に形成することなく満たすものであり、そしてポリアルカノールアミン、アルコキシル化されたポリアルカノールアミン、官能化したポリアルカノールアミン、又は官能化したアルコキシル化したポリアルカノールアミンである。この技術分野の当業者は、1種以上の平滑化剤が使用されて良いことを理解する。2種以上の平滑化剤が使用された場合、少なくとも1種の平滑化剤は、ポリアルカノールアミン、アルコキシル化されたポリアルカノールアミン、官能化したポリアルカノールアミン、又は官能化したアルコキシル化したポリアルカノールアミンである。
【0076】
適切な、追加的な平滑化剤は、1種以上のポリエチレンイミン、及びこれらの誘導体、四級化されたポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン−コ−ホルムアルデヒド)、アミンとエピクロロヒドリンの反応生成物、アミン、エピクロロヒドリン、及びポリアルキレンオキシドの反応生成物、アミンとポリエポキシド、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドンの反応生成物、又はこれらのコポリマー、ニグロジン、ペンタメチル−パラ−ロサニリンヒドロハライド、ヘキサメチレンパラロサニリンヒドロハライド、又は式N−R−S(但し、Rが置換されたアルキル、無置換のアルキル、置換されたアリール、又は無置換のアリールである)の官能基を含む化合物を含むが、これらに限定されるものではない。代表例では、アルキル基は、(C1−C6)アルキル及び好ましくは(C1−C4)アルキルである。通常、アリール基は、(C6−C20)アリール、好ましくは(C6−C10)アリールを含む。このようなアリール基は、更にヘテロ原子、例えば硫黄、窒素、及び酸素を含んでも良い。アリール基がフェニル又はナフチルであることが好ましい。式N−R−Sの官能基を含む化合物は、通常、知られており、通常、市販されており、及び更に精製することなく使用しても良い。
【0077】
N−R−S官能基を含むこのような化合物に、硫黄(「S」)及び/又は窒素(「N」)が単結合で付けられても良く、硫黄は、他の置換基、例えば水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C6−C20)アリール、(C1−C12)アルキルチオ、(C2−C12)アルケニルチオ、(C6−C20)アリールチオ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を有して良い。同様に、窒素は1種以上の置換基を、例えば水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C7−C10)アリール及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を有して良い。環式N−R−S官能基を含む化合物は、窒素、又は硫黄、又は窒素と硫黄の両方を環系内に有するものを含む。
【0078】
「置換されたアルキル」については、アルキル基上の1個以上の水素が他の置換基、例えばシアノ、ヒドロキシ、ハロ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルチオ、チオール、ニトロ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)で置換されることを意味する。「置換されたアリール」については、アリール上の1個以上の水素が、1種以上の置換基、例えばシアノ、ヒドロキシ、ハロ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキルチオ、チオール、ニトロ、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)で置換されていることを意味する。「アリール」は、炭素環式、及び複素環式の芳香族系、例えばフェニル、ナフチル、及びこれらに類似するもの(これらに限定されるものではない)を含む。
【0079】
電気メッキ溶液中の平滑化剤の合計量は、メッキ溶液(plating bath)の合計質量に対して、通常、0.5ppm〜10000ppmである。本発明に従う平滑化剤は、メッキ溶液の合計質量に対して、典型的には、約0.1ppm〜約1000ppmの量で使用され、及びより典型的には、1〜100ppmの量で使用されるが、これを超える量で、又はこれ未満の量で使用されても良い。本発明に従う電気メッキ溶液は、1種以上の任意の添加剤を含んでも良い。このような任意の添加剤は、加速剤、抑制剤、界面活性剤、及びこれらに類似するものを含むがこれらに限定されるものではない。このような抑制剤及び加速剤は、通常この技術分野では公知である。この技術分野の当業者にとって、抑制剤及び/又は加速剤を使用すること、及びその量は明確なものである。
【0080】
Cuメッキされた金属の、所望の表面仕上げを得るために、非常に多様な種々の添加剤も、典型的には使用されて良い。通常、1種以上の添加剤(各添加剤は所望の機能を形成する)が使用される。電気メッキ溶液は、1種以上の加速剤、抑制剤、ハロゲン化物イオンの供給源、結晶成長抑制剤、及びこれらの混合物を含むことが有利であっても良い。最も好ましくは、電気メッキ溶液は、本発明に従う平滑化剤の他に、加速剤と抑制剤の両方を含む。他の添加剤も、本電気メッキ溶液中に適切に使用して良い。
【0081】
本発明には、任意の加速剤が有利に使用されて良い。本発明に有用な加速剤は、1個以上の硫黄原子を含む化合物、及びスルホン/ホスホン酸、又はその塩を含むが、これらに限られるものではない。
【0082】
通常好ましい加速剤は、一般構造MO3X−R11−(S)n−R12
(但し、
−Mが、水素、又はアルカリ金属(好ましくはNa又はK)
−Xが、P又はS、
−nが=1〜6、
−R11が、C1−C8アルキル基、又はヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロ芳香族基から選ばれ(ヘテロアルキル基は、1個以上のヘテロ原子(N、S、O)及び1〜12個の炭素を有し得る。炭素環式のアリール基は、典型的には、アリール基、例えば、フェニル、ナフチルである。ヘテロ芳香族基も適切なアリール基であり、及び1個以上のN、O、又はS原子及び1〜3個の分かれた、又は融合(fused)した環を含む。)、
−R12が、H又は(−S−R11’XO3M)から選ばれ、ここで、R11’はR11と同一でも、又は異なっていても良い
を有する。
【0083】
より特定的には、有用な加速剤は、以下の式のものである:
XO3S−R11−SH
XO3S−R11−S−S−R11’−SO3
XO3S−Ar−S−S−Ar−SO3
ここで、R11は、上記に定義したもので、及びArはアリールである。
【0084】
特に好ましい加速化剤は:
−SPS:ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩
−MPS:3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩
単独で又は混合物中に使用される加速剤の他の例は:MES(2−メルカプトエタンスルホン酸、ナトリウム塩);DPS(N,N−ジメチルジチオカルバミン酸(3−スルフォプロピルエステル)、ナトリウム塩);UPS(3−[(アミノ−イミノメチル)−チオ]−1−プロピルスルホン酸);ZPS(3−(2−ベンズチアゾリチオ)−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩);3−メルカプト−ポリスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステルl;メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、ジナトリウム塩;メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド、ジナトリウム塩を含むがこれらに限られるものではない。
【0085】
このような加速剤は、典型的には、メッキ溶液の合計質量に対して約0.1ppm〜約3000ppmの範囲の量で使用される。本発明に有用な加速剤の特に適切な量は、1〜500ppm、及びより特定的には2〜100ppmである。
【0086】
任意の抑制剤が本発明に有利に使用されて良い。本発明で有用な抑制剤は、ポリマー性材料、特にヘテロ原子置換、及びより特定的には酸素置換を有するものを含むが、これらに限られるものではない。抑制剤は、ポリアルキレンオキシドであることが好ましい。適切な抑制剤は、ポリエチレングリコールコポリマー、特にポリエチレングリコールポリプロピレングリコールコポリマーを含む。適切な抑制剤のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの配列は、ブロック、グラディエント、又はランダムであっても良い。ポリアルキレングリコールは、更なるアルキレンオキシド形成ブロック、例えばブチレンオキシドを含んでも良い。好ましくは、適切な抑制剤の平均分子量は、約2000g/モルを超える。適切なポリアルキレングリコールの出発分子は、アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、及びこれらに類似するもの、アリールアルコール、例えばフェノール、及びビスフェノール、アルクアリールアルコール、例えばベンジルアルコール、ポリオール開始剤、例えばグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリチリトール、ソルビトール、カルボヒドレート、例えばサッカロース、及びこれらに類似するもの、アミン及びオリゴアミン、例えばアルキルアミン、アリールアミン、例えばアニリン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、及びこれらに類似するもの、アミド、ラクタム、複素環式アミン、例えばイミダゾール及びカルボン酸であっても良い。任意に、ポリアルキレングリコール抑制剤が、イオン性基、例えばサルフェート、スルホン酸塩、アンモニウム、及びこれらに類似するもので官能化されても良い。
【0087】
抑制剤が使用された場合、これらは典型的には、溶液の質量に対して、約1〜約10000ppmの範囲、及び好ましくは約5〜10000ppmの範囲の量で存在する。
【0088】
本発明は、金属層、特に銅層を種々の基材、特に種々のサイズのアパーチャーを有するものの上に沈澱させるために有用である。例えば、本発明は、銅を、(小径のビア、トレンチ、又は他のアパーチャーを有する)集積回路基材、例えば半導体素子の上に沈澱(析出)させるために、特に適切である。ある実施の形態では、半導体素子が、本発明に従いメッキされる。このような半導体素子は、集積回路の製造に使用されるウエハーを含むが、これらに限られるものではない。
【0089】
半導体集積回路基材の上での銅の電気沈澱の通常の方法を、図1及び2について説明する(本発明はこれらに限られるものではない)。
【0090】
図1aは、銅層2aでシードされた誘電対基材1を示す。図1bについて、銅層2’が、電気沈澱によって誘電体基材1の上に沈澱されている。基材1のトレンチ2cが満たされ、そして「過積載(overburden)」とも称される、銅2bの過メッキが、全体が構造化された基材の頂部に形成されている。工程の間、任意の焼なましの後、銅2bの過積載が、(図1cに示したように)化学的、機械的メッキ(CMP)によって除去される。
【0091】
平滑化剤の効果は、通常、図2a及び2bについて記載される。平滑化なしでは、沈澱は、高割合a/b≫1、いわゆるマウンディングをもたらす。これに対して、目的は、割合a/bを、可能な限り1に近い値に低減することである。
【0092】
本発明の特定の有利な点は、過メッキ、特にマウンディングが低減されるか、又は実質的に除去されることである。このような過メッキの低減は、次の化学的、機械的な平滑化(CMP)工程の間、特に半導体の製造で、銅等の金属の除去に費やされる時間と労力が少なくなることを意味する。本発明の更なる有利な点は、広い範囲のアピーチャーサイズが、単一の基材内で満たされ、a/bの割合が1.5以下、好ましくは1.2以下、最も好ましくは1.1以下の実質的に均一な表面が得られることである。従って、本発明は、0.01マイクロメーター〜100マイクロメーター等の、又はそれ以上の種々のアパーチャーサイズを有する基材中のアパーチャーを均一に満たすのに特に適切である。
【0093】
本平滑化効果の更なる重用な有利な点は、後−沈殿処置(沈澱後処理)で、除去するべき材料が少なくなるということである。例えば、化学的、機械的平滑化(CMP)が、下部に位置する機構を露呈する(表す)のに使用される。本発明の沈澱の平滑さ(平らさ)が増すと、沈澱する必要のある金属の量が低減することになり、従って後のCMPによる除去量が少なくなる。廃棄される金属の量が低減され、より重要なことには、CMP操作のために必要とされる時間が低減される。金属除去処理は、継続時間の短縮と結びついて緩和され、材料除去処理で欠陥を与える傾向が低減される。
【0094】
典型的には、基材は、該基材を本発明のメッキ溶液(plating bath)と接触させることによって電気メッキされる。基材は、典型的には、カソードとして機能する。メッキ溶液は、溶解性又は非溶解性であって良いアノードを含む。任意に、カソード及びアノードは、膜によって分離されても良い。代表例では、カソードに電位が施される。十分な電流密度が施され、そしてメッキが、所望の厚さを有する銅層等の金属層が基材上に沈澱させるのに十分な期間で行われる。適切な電流密度は、1〜250mA/cm2を含むが、これらに限られるものではない。集積回路の製造で銅を沈澱させるために使用される場合、代表例では、電流密度は、1〜60mA/cm2の範囲である。特定の電流密度がメッキされる基材、選択される平滑化剤、及びこれらに類似するいものに依存する。このような電流密度の選択は、この技術分野の当業者の能力の範囲内である。施された電流は、直流(DC)、パルス電流(PC)、パルスリバース電流(PRC)又は他の適切な電流であって良い。
【0095】
通常、本発明が金属を、集積回路の製造で使用されるウエハー等の基材上に沈澱させるために使用される場合、通常メッキ溶液は使用の間、攪拌される。適切な任意の攪拌法が本発明に使用されて良く、そしてこのような方法は、この技術分野では公知である。適切な攪拌法は、不活性ガス又は空気散布、ワークピース攪拌、衝撃、及びこれらに類似するものを含むが、これらに限られるものではない。このような方法は、この技術分野の当業者にとって公知である。本発明が集積回路基材、例えばウエハーをメッキするために使用される場合、ウエハーを、例えば1〜150RPMで回転させても良く、そしてメッキ溶液を回転するウエハーに、例えばポンプ供給又はスプレーによって接触させて良い。メッキ溶液の流れが所望の金属沈澱を与えるのに十分な場合、この替わりに、ウエハーを回転させる必要はない。
【0096】
本発明に従い、金属、特に銅がアパーチャー内に(沈澱した金属内に実質的にボイドを形成することなく)沈澱される。「実質的にボイドを形成することなく」という用語について、該用語は、メッキされたアパーチャーの95%がボイドを有しないことを意味する。メッキされたアパーチャーがボイドフリーであること(ボイドを有しないこと)が好ましい。
【0097】
本発明の方法は、概して半導体の製造について記載されているが、高い反射力(reflectivity)を有する、実質的に平滑な又は平坦な銅沈殿が所望される場合、及び過メッキの低減と、実質的にボイドを有しない、金属で満たされた小機構が所望される場合、本発明は、任意の電解法に有用であって良いと理解される。このような方法(工程)は、プリント配線板の製造を含む。例えば、本メッキ溶液は、プリント配線基板上のビア、パッド、又はトレースのメッキ、及びウエハー上のバンプメッキ(bump plating)のために有用であって良い。他の適切な方法は、梱包体及び相互接続物の製造を含む。
【0098】
従って、適切な基材は、リードフレーム、相互接続体、プリント配線基板、及びこれらに類似するものを含む。
【0099】
半導体基材をメッキ(plating)するためのメッキ設備は公知である。メッキ設備は、Cu電解質を蓄え、及びプラスチック又は電解メッキ容器に対して不活性な他の材料で形成された電気メッキタンクを含む。タンクは、特にウエハーメッキのために、シリンダー状であっても良い。カソードは、タンクの上側部分に水平に配置され、そして任意のタイプの基材、例えばトレンチやビア等の開口部を有するシリコンウエハーであって良い。ウエハー基材は、代表例では、Cu又は他の金属のシード層で被覆され、その上にメッキが開始される。Cuシード層は、化学的な蒸着(CVD)、物理的な蒸着(PVD)、又はこれらに類似するものによって施されても良い。ウエハーメッキのために、アノードは円形であり、及びタンク形成空間の、アノードとカソードの間の下側部分に水平に配置されることが好ましい。アノードは、典型的には、溶解性アノードである。
【0100】
これらの溶液添加剤は、種々の工具製造によって発展した膜技術と組み合わせてることが有用である。この系内では、アノードは、膜によって、有機溶液添加剤から単離されても良い。アノードと有機溶液添加剤を分離する目的は、有機溶液添加剤の酸化を最小限にすることである。
【0101】
カソード構造及びアノード構造は、配線によって結合され、及びそれぞれ整流器(電源)に結合される。直流又はパルス流のためのカソード基材は、ネットネガティブチャージを有しており、溶液中のCuイオンがカソード基材で還元され、カーソード表面にメッキされたCu金属を形成する。アノードで酸化反応が起こる。カソードとアノードは、タンク内で、水平に、又は垂直に配置されても良い。
【0102】
金属、特に銅は、本発明に従いアパーチャー内に沈澱され、金属沈澱物中にボイドを実質的に形成しない。「ボイドを実質的に形成しない」という記載について、該記載は、メッキされたアパーチャーの95%がボイドフリーであること(ボイドを有していないこと)を意味する。
【0103】
本発明の方法は、概して半導体の製造について記載されているが、高い反射力(reflectivity)を有する、実質的に平滑な又は平坦な銅沈殿が所望される場合、本発明は、任意の電解法に有用であって良いと理解される。従って、適切な基材は、リードフレーム、相互接続体、プリント配線基板、及びこれらに類似するものを含む。
【0104】
全てのパーセント、ppm、又は類似の値は、他に記載が無ければ、対応する組成物の合計質量に対する質量を示す。全ての引用文献は、これによりここに導入される。
【0105】
以下に実施例を使用して本発明を(本発明の範囲を限定することなく)説明する。
【0106】
実施例
DIN53176に従い、酢酸中のポリマーの溶液を過塩素酸を使用して滴定することにより、アミン価を決定(測定)した。
【0107】
DIN53240に従い、無水酢酸と酢酸を有するピリジン中のサンプルを加熱し、次に水酸化カリウムで滴定することにより、ヒドロキシ価(Hydroxy number)を決定した。
溶離剤としてヘキサフルオロイソプロパノールを使用したサイズ排除クロマトグラフィーによって、分子量(Mn)を決定した。
【0108】
純粋なポリマーの粘度を、回転粘度計(Haake)を使用して、20℃で測定した。
【0109】
実施例1
文献(例えば、EP0441198、US5393463)に記載さえた方法に類似して、次亜リン酸の存在下に、以下の手順を使用して、ポリアルカノールアミン(II)を合成した:
1491.9gのトリエタノールアミン及び9.7gの、次亜リン酸水溶液(50%濃度(strength))を攪拌しながら、窒素の弱い流れ下に、227℃に加熱した。生成した水を蒸留除去した。4.3時間後、この混合物を室温にまで冷却した。粘度が3990mPa及びヒドロキシ価が611.5mg(KOH)/gの僅かに黄色の液体が得られた。得られたポリトリエタノールアミンは、Mw=6700g/モルの質量平均分子量、及びMw/Mn=2.0の多分散性を示した。反応生成物をDI水中に溶解させ、10質量%溶液を得た。
【0110】
比較例2(従来技術)
硫酸銅として40g/lの銅、10g/lの硫酸、HClとして0.050g/lの塩化物イオン、0.100g/lのEO/POコポリマー抑制剤、及び0.028g/lのSPS及びDI水を組み合わせることにより銅メッキ溶液を製造(調製)した。EO/POコポリマー抑制剤は、分子量が<5000g/モルであり、及び末端ヒドロシル基を有していた。
【0111】
ウエハー基材を上述した溶液と、25℃で接触させ、−5mA/cm2の直流を120s、次に−10mA/cm2のものを60s施することによって、銅層をウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキされた銅層をSEM検査によって調査した。
【0112】
図3a、3b及び3cに、異なるアパーチャーサイズの構造を有する機材について、平滑化剤を使用していない結果を示す。図3aは、幅が2.0マイクロメーターのトレンチの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。図3bは、幅が2.50マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示し、及び図3cは、幅が0.130マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示す。図3bと図3cの両方は、それぞれ0.250及び0.130マイクロメーターのトレンチ上の、非常に強力なマウンディングを示している。
【0113】
実施例3
実施例1で製造した、0.100ml/lの平滑化剤をメッキ溶液中に加えたことを除いて、実施例2の手順を繰り替えした。
【0114】
実施例2に記載したように、銅層をウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキされた銅層をSEM検査で調査した。
【0115】
本発明に従う平滑化剤を有するメッキ溶液を使用した結果を、異なるアパーチャーサイズについて図4a、4b及び4cに示す。図4aは、幅が2.0マイクロメーターのトレンチの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。図4bは、幅が2.50マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示し、及び図4cは、幅が0.130マイクロメーターのトレンチのSEM画像を示す。図4a、4b及び4cは、トレンチの寸法とは独立して、非常に平坦な(平滑な)表面を示し、すなわち、図2bに示したように、a/b割合は1に極めて近い。マウンディング(盛上)の低減に加え、2.0マイクロメーターのトレンチの充填が、平滑化剤を使用しない場合よりも、非常に良好である。
【0116】
実施例4
実施例1で製造された平滑化剤(20.0g)及び水(145.6g)を、250mlフラスコ中に挿入し、そしてジメチルサルフェート(16.4g)を、室温で、溶液中に滴下して加えた。反応混合物を22時間、室温で攪拌した。得られた黄色の溶液は、0mmol/gのアミン価を示し、ポリトリエタノールアミン出発材料中に存在する、全てのアミン原子の完全な四級化を示した。平滑化剤の水溶液は、水の含有量が、86.3%であった。
【0117】
実施例5
実施例1で製造された平滑化剤(40.0g)及びカリウム−tert−ブチレート(2.44g)を、250mlフラスコ中に挿入し、そして窒素雰囲気下で、160℃に加熱した。30分後、グリセリンカーボネート(51.5g)を45分の間、滴下して加えた。反応混合物を3時間50分、加熱し、そして次にこれを室温にまで冷却した。ヒドロキシル価が581.6mg(KOH)/gの黒色の粘性液体が得られた。得られたポリトリエタノールアミンアルコキシレート レベラーは、Mw=16600g/モルの質量平均分子量、及びMw/Mn=2.4の多分散性を示した。
【0118】
実施例6
実施例1で製造したレベラー(202.1g)及び水酸化カリウムの水溶液(濃度:50質量%;3.5g)を、1lの丸底フラスコに挿入し、そして得られた水を100℃及び1mbarで、4時間、回転蒸発器で除去した。次に、この混合物を2lオートクレーブ内に配置した。この反応器を5バールで3回、窒素でパージした。次に、プロピレンオキシド(128.0g)を、130℃で、2時間に亘って少しずつ加えた。反応を完了させるために、混合物を一晩、同じ温度で、後−反応(post-react)に処理した。揮発性有機化合物を、連続的な窒素流によって除去し、そして得られた生成物を室温に冷却した。レベラーL4が、暗い茶色の液体として得られた(326.1g)。該レベラーL4は、ヒドロキシル価が368.6mg(KOH)/gで、そしてアミン価が、4.53mmol/gであった。
【0119】
実施例7
実施例1で製造したレベラー(233.2g)及び水酸化カリウムの水溶液(濃度:50質量%;3.5g)を、1lの丸底フラスコに挿入し、そして得られた水を100℃及び1mbarで、4時間、回転蒸発器で除去した。次に、この混合物を2lオートクレーブ内に配置した。この反応器を5バールで3回、窒素でパージした。次に、ブチレンオキシド(183.3g)を、140℃で、3時間に亘って少しずつ加えた。反応を完了させるために、混合物を一晩、同じ温度で、後−反応(post-react)に処理した。揮発性有機化合物を、連続的な窒素流によって除去し、そして得られた生成物を室温に冷却した。レベラーL5が、暗い茶色の液体として得られた(411.4g)。該レベラーL5は、ヒドロキシル価が358mg(KOH)/gで、そしてアミン価が、4.46mmol/gであった。レベラーL5は、Mw=9000g/モルの質量平均分子量、及びMw/Mn=1.6の多分散性を示した。
【0120】
実施例8
実施例7で製造したレベラー(50.0g)、水(100.0g)及びベンジルクロリド(56.4g)を、500mlのフラスコに挿入し、80℃で、6時間、加熱した。次に、反応混合物を冷却し、そして分離漏斗に注いだ。水性相を分離し、そしてジクロロメタンで3回洗浄した。水性相中のジクロロメタンの残留する量を、80℃、150mbarで2時間、回転蒸発器で除去した。レベラーL6が、鮮明な黄色溶液(142.3gとして得られた)。レベラーL6は、アミン価が0mmol/gであり、ポリアミン出発材料中に存在する、全てのアミン原子が完全に四級化されていることを示した。生成物は、水の含有量が53.5%であった。
【0121】
実施例9
トリエタノールアミン(1506g)及び次亜リン酸(50%濃度、9.8g)の水溶液の混合物を、弱い窒素流下に、攪拌させながら227℃に加熱した。生成した水を蒸留除去した。7.5時間後、混合物を室温に冷却した。水の残留する量を、回転蒸発器で、100℃で及び25〜35mbarで、2時間、除去した。粘度が11400mPas、及びヒドロキシ価が463.5mg(KOH)/gの、茶色のオイルが得られた。得られたポリトリエタノールアミンは、Mw=17700g/モルの質量平均分子量、及びMw/Mn=3.5の多分散性を示した。この中間生成物(119.0g)及び水酸化カリウムの水溶液(濃度:50質量%;1.8g)を1lの丸底フラスコに挿入し、そして得られた水を100℃及び1mbarで、4時間、回転蒸発器で除去した。次に、この混合物を2lオートクレーブ内に配置した。この反応器を5バールで3回、窒素でパージした。次に、エチレンオキシド(43.3g)を、120℃で、15分間に亘って少しずつ加えた。反応を完了させるために、混合物を一晩、同じ温度で、後−反応に処理した。揮発性有機化合物を、連続的な窒素流によって除去し、そして得られた生成物を室温に冷却した。レベラーL7が、暗い茶色の液体として得られた(149.7g)。該レベラーL7は、ヒドロキシル価が358mg(KOH)/gで、そしてアミン価が、5.67mmol/gであった。
【0122】
比較例10(従来技術)
銅メッキ溶液を比較例2に記載したように製造した。
【0123】
銅層を、SKW Associate Inc.から購入した(トレンチを含む)構造化したシリコンウエハー上に電気メッキした。これらのトレンチは、幅が130nm〜数ミクロンメートルの範囲に変化し、深さが約250nmで、及び距離(separation)が、130nm〜130nm〜数ミクロンメートルの範囲に変化していた。このようなウエハー基材を上述したメッキ溶液に、25℃で接触させ、及び−5mA/cm2の直流を120s、次に−10mA/cm2のものを60s施した。
【0124】
このように電気メッキされた銅層を、Dektak 3,Veeco Instruments Inc.の表面形状検査(profilometry inspection)によって検査した。130nmと250nmの機構サイズの場合、ネスト化ワイヤーの領域がスキャンされ、及び非構造化領域と構造化領域の高さの差を測定した。
【0125】
平滑化剤を使用していない結果を、図5a及び図5bに示す。これらは、0.130マイクロメーターの幅、及び0.130マイクロメーターの距離を有するネスト化されたトレンチの表面形状的な横断面スキャン(図5a)、及び0.250マイクロメーター機構の横断面スキャン(図5b)を示している。図5aと図5bは両方とも、非構造化領域と対比して、構造化領域の銅の沈澱割合が大きいことを示している。この現象は、マウンディングとして公知であり、及び0.130と0.250マイクロメータートレンチに亘って、非常に明確である。0.130と0.250マイクロメーター機構についての測定値を表1に示した。
【0126】
実施例11
実施例1の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0127】
銅層を実施例10に記載したように、ウエハー基材の上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0128】
本発明に従う平滑化剤を有するメッキ溶液を使用した結果を、異なるトレンチサイズについて図6a及び図6bに示す。0.130マイクロメーターの幅、及び0.130μm距離(separation)を有するネスト化したトレンチ(図6a)、及び0.250マイクロメーターの機構(図6b)の表面形状検査での横断面スキャンは、従来技術と比較して、マウンディングの顕著な低減を示している。測定値を表1に示す。
【0129】
実施例12
実施例4の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0130】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0131】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0132】
実施例13
実施例5の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0133】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0134】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0135】
実施例14
実施例6の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0136】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0137】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0138】
実施例15
実施例7の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0139】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0140】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0141】
実施例16
実施例8の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0142】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0143】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0144】
実施例17
実施例9の、1%(w/w)の活性平滑化剤を含む、1ml/lの原液をメッキ溶液に加えたことを除いて、実施例10の手順を繰り返した。
【0145】
銅層を、実施例10で記載したように、ウエハー基材上に電気メッキした。このように電気メッキした銅層を、実施例10に記載したように、表面形状検査によって調査した。
【0146】
表面形状検査から得られた値は、表1に示したように、平滑化剤を有していない実施例10と比較して、マウンディングの顕著な低減を示した。
【0147】
【表1】

【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】

【図4a】

【図4b】

【図4c】

【図5a】

【図5b】

【図6a】

【図6b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属イオン源、及び
一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
−R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
−R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基から選ばれる)
又は前記ポリアルカノールアミン(II)のアルコキシル化、置換、又はアルコキシル化と置換によって得ることができる誘導体を得ることにより得ることができる少なくとも1種の平滑化剤を含む組成物。
【請求項2】
金属イオンが銅イオンを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
平滑化剤が、得られたポリアルカノールアミン(II)をC2−〜C12−アルキレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、又はグリシジルエーテルでアルコキシル化することにより得ることができる、アルコキシル化されたポリアルカノールアミンであることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の組成物。
【請求項4】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの組み合わせから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アルコキシル化の程度が、0.1〜200、特に0.5〜20であることを特徴とする請求項3又は4の何れかに記載の組成物。
【請求項6】
置換が、四級化、プロトン化、アルキル化、サルファテーション、フォスファテーション、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
添加剤が、式(Ia)及び(Ib)のN−ヒドロキシアルキルアミンから選ばれる化合物と、2個のヒドロキシ基、又は2個のアミノ基、又はヒドロキシル及びアミノ基を含む少なくとも1種の化合物(Ic)とを共凝縮することによって得られることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の化合物(Ic)が、凝縮のために使用される全ての成分の量に対して、50質量%以下の量で存在することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ポリオキシアルキレンが、ブロック、ランダム、又はグラディエント構造、又はこれらの組み合わせを有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1種のトリアルカノールアミン(Ia)が、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びトリブタン−2−オラミンから選ばれることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
更に加速剤を含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
更に、抑制剤を含むことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の組成物。
【請求項13】
ポリアルカノールアミン、又はそのアルコキシル化、置換、又はアルコキシル化と置換によって得ることができる誘導体を、金属含有層を沈殿させるために溶液内で使用する方法であって、
前記ポリアルカノールアミンが、一般式N(R1−OH)3(Ia)の少なくとも1種のトリアルカノールアミン、及び/又は一般式R2−N(R1−OH)2(Ib)の少なくとも1種のジアルカノールアミンを縮合して、ポリアルカノールアミン(II)、
(但し、
−R1基が、それぞれ独立して、2〜6個の炭素原子を有する、2価の、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族の炭化水素基から選ばれ、及び
−R2基が、それぞれ、水素、及び1〜30個の炭素原子を有する、直鎖状、又は枝分かれした脂肪族、脂環式、及び芳香族の炭化水素基から選ばれる)
を得ることにより得ることができることを特徴とする方法。
【請求項14】
a)請求項1〜12の何れか1項に記載の組成物を含む金属メッキ溶液を基材と接触させる工程、
b)基材に電流密度を、基材上に金属層を沈殿させるのに十分な時間で施す工程、
によって、基材上に金属層を沈殿させる方法。
【請求項15】
基材が、マイクロメーター又はサブマイクロメーターの寸法機構を有し、及び沈殿がマイクロメーター又はサブマイクロメーターの寸法機構を満たすように行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
マイクロメーター又はサブマイクロメーターの寸法機構が、1〜1000nmの寸法、及び/又は4以上のアスペクト比を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−512957(P2012−512957A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541319(P2011−541319)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066581
【国際公開番号】WO2010/069810
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】