説明

平行な付勢ばねを備えた差圧弁およびばねサージを緩和させる方法

【課題】サージ現象が抑制される、あるいは少なくとも軽減される、改良された往復圧縮機の弁を提供する
【解決手段】差圧弁が開示されており、この差圧弁は、少なくとも1つの流れ入り口118と少なくとも1つの流れ出口120を有する弁本体111と、弁の両端の差圧を受けて開放位置と閉鎖位置の間で可動である少なくとも1つのシャッタ112と、流れ入り口118から流れ出口120までの流路126と、前記シャッタ112を閉鎖位置に向けて付勢して、流れ入り口118を通る流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材114A、114Bを備える。付勢部材114A、114Bは、平行に配置され、ばねの一方が、他方のばねの少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は一般に差圧弁に関するものであり、すなわち弁の両端の差圧によって自動的に作動する弁に関する。いくつかの例示の実施形態は特に、往復運動式の圧縮弁に関し、例えば具体的にはハイパー圧縮機のポペット弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパー圧縮機は、3000バールまであるいはそれを超えるガス圧レベルを生成することが可能であり、これに限定するものではないが低密度ポリエチレン、すなわちLDPEの生成を含め工業的用途で広く使用されている。このような圧縮機の有効な性能の少なくとも一部は、吸気と排気を自動的に行うポペット弁によって制御される。図1は、2つのポペット弁10を備える従来技術のハイパー圧縮機2の一部の切り欠き図を示している。図2は、図1に示される圧縮機の従来のポペット弁の一方の、開放位置での拡大断面図を示している。この最新技術によるポペットガイドは、米国特許出願公開第2010/0024891号に開示されている。
【0003】
図1に示されるように、ハイパー圧縮機2は通常、シリンダ4が中に形成されるケーシング3を備える。ピストンロッド5がシリンダ4内を往復運動するように摺動することで、吸気ダクト6から流体を吸い込み、この流体をより高い圧力で排気ダクト7に排出する。前記吸気ダクト6と排気ダクト7のそれぞれにポペット弁10が配置される。図1では参照番号10Sは、吸気ダクト6にあるポペット弁を指しており、参照番号10Dは、排気ダクト7にあるポペット弁を指している。各々のポペット弁10S、10Dは、図2に示されるように設計され、図2では10で示されている。
【0004】
図2に示されるように従来のポペット弁10は、ハイパー圧縮機1の中およびそこから外へのガスの流路を開閉するように構成されたポペット、すなわちポペットシャッタ12が収容される弁本体11と、弁本体11の内側の面の一部によって形成される閉鎖シート13に対してポペットシャッタ12を閉鎖位置に維持するように構成されたばね14と、ポペットシャッタ12およびばね14を収容するシャッタガイド16を含んでいる。示されるように、ポペットシャッタ12が開けられたとき、従来のポペット弁10の流れ入り口18から流れ出口20まで流路17(図2では複数の矢印によって特定される)が形成され、この流路は、ポペットシャッタ12と弁本体11の間、ならびにシャッタガイド16と弁本体11の間に形成される空間によって画定される。従来のポペット弁10のシャッタガイド16は、シャッタガイド16の軸A−Aに沿って排気用の開口22をさらに含むことで、シャッタガイド16の内部チャンバ26を流れが停滞する領域において流路17に接続し、内部チャンバ26の逆圧は、従来のポペット弁10の軸A−Aの周りの流路17の領域内の静圧によって少なくともその一部が規定される。
【0005】
ポペット弁10、10S、10Dの開閉は、弁の両端の差圧によって自動的に制御される。したがってこのような弁は「自動弁」と呼ばれる場合もあり、弁の開閉が、外部の作動装置、例えばカムシャフトなどによって制御される、内燃エンジンで一般に使用されるものなどの制御弁とは区別される。
【0006】
吸気用のポペット弁10Sは、ピストンロッド5の吸気ストロークにおいて、ハイパー圧縮機2のシリンダ4の圧力が減少する際、開放するように構成されている。吸気ダクト6の圧力が、ばね14の力に打ち勝つことで、弁の両端の差圧によって弁が開放し、流体が圧縮機シリンダ4に吸い込まれる。排気用の弁10Dが閉鎖される。ピストンロッド5が底部の死点に到達すると、この動きは逆向きになり、シリンダ内の流体の圧縮が始まる。排気弁10Dの全体の差圧が、圧縮シリンダ4と排気ダクト7の間で関連するばねの力に打ち勝ったとき、シリンダ4内の増大した圧力によって吸気弁10Sを自動的に閉鎖し、排気弁10Dを開放する。
【0007】
各々の閉鎖運動では、関連するポペット弁10、10S、10Dのポペットシャッタ12が、弁本体11のシート13に激しくぶつかり、各々の開放ストロークによりポペットシャッタ12がシャッタガイド16にぶつかる。
【0008】
このようなポペット弁は、LDPEを生成する目的で工場で使用されるハイパー圧縮機の信頼性において重要な役割を担っている。このような弁の性能は、選択される材料の特性と、高い作動ガス圧に耐えるような好適な設計によって左右されるだけでなく、ポペットシャッタ12の適切な動的な挙動にも左右される。適切な弁の開閉は、弁に対して作用する複数の動的な力に関連する多様な設計上の制約によって影響を受けるが、このような力には、とりわけポペットシャッタ12およびシャッタガイド16に作用することで弁を開放する抵抗力と(この抵抗力は、ガス流と記載した弁の部品が相互に作用することによって生成される)、シャッタガイド16に作用することで従来の弁10を閉鎖するガス圧の力と(このガス圧の力は、シャッタガイド16の背面に作用する流れの逆圧によって生成される)、ポペットシャッタ12の大きさに関連する慣性力と、弁を閉鎖するためにばね14によって生成されるばね力が含まれる。
【0009】
ハイパー圧縮機は、通常毎分回転数150から300の速度範囲で作動する。各々のサイクルにおいて、全ての弁は、ポペットシャッタがシート13およびシャッタガイド16にぶつかる衝撃に対応して開閉動作を行う。衝撃が繰り返されることによって、衝撃摩耗および前部の損傷が生じ、これは最終的にはポペットの故障につながる。衝撃摩耗により材料が消耗し、表面にでこぼこが生じ、これによりクラックが形成されやすい場所が形成される可能性がある。こういった現象は、衝撃により生じる動的な荷重によって生成されるストレス波に起因する衝撃疲労によって広まり、ついには最終的にポペットシャッタが破損することもある。衝撃の速度が速い場合、たとえ衝撃摩耗がなかったとしても衝撃疲労がクラック自体の核となる可能性がある。
【0010】
ばねに対する衝撃荷重が存在する場合、ばねのワイヤに沿ってストレスが広がる。加えられる荷重に接触しているばねの端部コイルが、たわみの全てを引き受け、その後そのたわみの大部分を隣接するコイルに伝達する。このような圧縮の波は、ばねに沿って無制限に進む。進む時間に応じて共振が起こる。これによって極めて大きなたわみが生じ、それに対応して極めて高いストレスが生じる。このような状況下において、正にばねが故障する可能性がある。このような現象をサージと呼ぶ。別の観点から、シャッタの開閉時にばねに加わる衝撃ストレスにより、ばねの共振周波数に対応する調波も含めたフーリエ級数に分解することができる関数に従ってばねの変形が生じる。ある状況下では、これによって、上記に言及したばねに沿って進む圧縮波が生成される場合がある。共振によってばね内に誘発される高いストレスは最終的に、ばねの故障につながる恐れがある。これが往復圧縮機の自動弁で起こった場合、シャッタは作動を続けるが、それは正常ではない作動条件の下での作動である。シャッタの衝撃速度は、極めて高い値まで上昇し、シャッタの前部の損傷(衝撃摩耗および衝撃疲労)を引き起こす。前部の損傷によりクラックが生じ、このクラックは、繰り返される衝撃によって生成される動的ストレスの下に急速に広がり、ついにはシャッタが破損した際に最終的に弁が故障することになる。
【0011】
ばねサージは、ガスの動的な力(渦励振)によって誘発される場合もある。このような力は、弁のばねの1つまたは複数の共振周波数に対応して、典型的には100から1200ヘルツの範囲の周波数を持つ圧力振動を生成する。
【0012】
自動弁は、ハイパー圧縮機だけでなく、一般には例えば100から1000バールのより低い圧力の範囲で使用される他の種類の往復圧縮機でも使用される。このような自動弁は、1つまたは複数の出口開口を備えた弁止め具と、1つまたは複数の入り口開口を備えた弁シートを備える。ディスク型またはリング型シャッタ、あるいは弁プレートが弁シートと弁止め具の間に配置され、対向するシートにぶつかるようにばねによって弾性的に推し進められる。開閉は、弁の両端の差圧によって制御される。このような弁は通常「リング弁」と呼ばれており、これは中で使用されるシャッタの形状を表している。この種の往復圧縮機の自動弁にも、リング形状シャッタが開閉する際のばねに対する衝撃荷重の影響により、ばねサージが生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0013】
したがって、ばねサージ現象が抑制される、あるいは少なくとも軽減される、改良された往復圧縮機の弁、特に自動弁、具体的にはハイパー圧縮機のポペット弁などを開発することが望ましい。
【0014】
それぞれ異なる共振機能を有する少なくとも2つのばねを備える付勢部材を設けることによって、サージ現象が抑制される、あるいは少なくとも軽減される。十分な空間を利用することができるならば、3つ以上の平行なばねを設けることで、サージを抑制する効果を高めることができる。付勢部材に加わるストレスが、前記少なくとも2つのばねの一方の共振周波数と等しい、あるいはそれに近い周波数を含む場合、前記ばねは共振しやすくなる。しかしながら、前記少なくとも2つのばねの他方によって圧縮波の伝搬が制限される。
【0015】
したがっていくつかの実施形態によると、例えば具体的には往復圧縮機の弁などの差圧弁が設けられ、この弁は、
少なくとも1つの流れ入り口と少なくとも1つの流れ出口を有する弁本体と、
弁の両端の差圧を受けて開放位置と閉鎖位置の間で可動である少なくとも1つのシャッタと、
流れ入り口から流れ出口への少なくとも1つの流路と、
シャッタを閉鎖位置に向けて付勢して、流れ入り口を通る流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材を備えており、
付勢部材が、平行に配置された少なくとも2つのばねを備え、前記ばねの一方は、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有する。
【0016】
大まかに言えば差圧弁は、例えば往復圧縮機のシリンダ内を往復運動するように移動するピストンによって生成される差圧などの弁の両端の差圧に基づいて、自動的に開閉する。
【0017】
平行に配置されたばねは、荷重を受けて付勢される際に同一のたわみを受ける。
【0018】
いくつかの実施形態では、この2つのばねは、つる巻きばねである。ばねが同軸に配置される場合、すなわち一方が他方の内部に配置される場合、とりわけコンパクトな設計が実現する。
【0019】
2つのばねは、線形ばねであってよい。他の実施形態では、2つのばねの一方が非線形ばね、例えば累進式ばねであり、その剛性は、たわみが大きくなるのに伴って大きくなる。さらに別の実施形態では、2つのばねが両方とも非線形であり、例えば累進式ばねである場合もある。
【0020】
本発明がハイパー圧縮機のポペット弁で具現化される場合、特定の利点が達成される。いくつかの実施形態によると、ポペット弁は、弁本体の中に固定式に配置され、弁シャッタを摺動式に誘導するシャッタガイドと、流れ入り口から流れ出口までの流路であり、弁本体の内側の面と前記シャッタガイドの外側の面の間、ならびに弁本体の内側の面とシャッタの外側の面の間に形成される流路を備える。付勢部材の少なくとも一部が、シャッタガイドの中に収容される。
【0021】
他の実施形態よると、弁はリング弁であり、例えば往復圧縮機の自動リング弁である。各々のリングは、リングの環状の延長部に沿って分散された複数の付勢部材によって弾性式に付勢される。いくつかの実施形態において、各々の付勢部材は、平行に配置された少なくとも2つのばね、例えば2つのつる巻きばねを備える。いくつかの実施形態において、各々の付勢部材の2つのばねは同軸であってよい。
【0022】
別の一態様によると、本明細書に開示される主題は、往復圧縮機に関し、この圧縮機は、シリンダと、前記シリンダ内に摺動式に配置されその中を往復運動するように移動するピストンと、前記シリンダと流体連通する吸気ダクトおよび排気ダクトと、前記吸気ダクトにある少なくとも1つの吸気弁と前記排気ダクトにある排気弁であって、前記吸気弁および前記排気弁の開閉が、弁の両端の差圧によって自動的に制御される少なくとも1つの吸気弁と排気弁を備え、前記吸気弁と排気弁の少なくとも一方が、上記に開示されるようにシャッタと、このシャッタに作用する付勢部材を備えており、その場合前記付勢部材が、それぞれ異なる共振周波数を有する少なくとも2つのばねを備えている。
【0023】
いくつかの実施形態では、圧縮機はハイパー圧縮機である。いくつかの例示の実施形態では、圧縮機は、毎分回転数150から300で回転する。すなわちピストンは、毎分150から300のサイクルを成し遂げ、各々のサイクルには、吸気ストロークと逆向きの圧縮および排気ストロークが含まれている。その結果、圧縮機内の吸気弁および排気弁は各々、毎分150から300回の開閉を行う。いくつかの実施形態によると、圧縮機は800から4500バールの吐出圧で、例えば1500から3500バールの吐出圧で作動する。
【0024】
さらに別の態様によると、本明細書に開示される主題は、往復圧縮機の弁のばねサージを軽減あるいは抑制するための方法に関し、前記圧縮機は、流れ入り口と流れ出口を有する弁本体と、弁の両端の差圧を受けて開放位置と閉鎖位置の間で可動であるシャッタと、流れ入り口から流れ出口への流路と、シャッタを閉鎖位置に向けて付勢して、流れ入り口を通る流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材を備える。方法は、少なくとも2つのばねを平行に配置することによって、前記付勢部材の共振圧縮波の伝搬を抑制するステップであり、前記ばねの一方が、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有するステップを含んでいる。
【0025】
上記の簡単な説明は本発明の多様な実施形態の特徴を記載しており、これにより以下に続く詳細な記載がよりよく理解され、この分野への本発明の貢献度がよりよく理解されることを目的としている。当然のことながら、本発明の他の特徴もこれ以降に記載され、これらの特徴は添付の特許請求の範囲に記載される。この点に関して、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の多様な実施形態は、以下の記述に記載される、または図面に示される構成要素の構造およびその配置の詳細にその用途が限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実践され実行することができる。また本明細書で利用される言い回しや専門用語は、説明することを目的としており、限定するものとみなすべきではないことを理解されたい。
【0026】
したがって当業者は、本発明の複数の目的を果たすために、本開示の基本である概念を、他の構造、方法および/またはシステムを設計するための基本概念として容易に利用することができることを理解するであろう。したがってこの特許請求の範囲を、それらが本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、均等な構造を含めるものとみなすことが重要である。
【0027】
本発明の開示される実施形態のより完全な理解、およびそれに付随する多くの利点は、以下の詳細な記載を添付の図面と関連付けて考察して参照することによって、それらがよりよく理解されたとき、容易に実現されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】最新技術による往復運動式ハイパー圧縮機の一部の断面図である。
【図2】最新技術によるハイパー圧縮機のポペット弁の長手軸に沿った断面図である。
【図3】例示の一実施形態によるハイパー圧縮機の一部の長手方向の断面図である。
【図4】例示の一実施形態による、開放位置のポペット弁の長手方向の断面図である
【図5】累進式の非線形のつる巻きばねの概略側面図である。
【図6】図6AのラインVI−VIによる、平行にばねが配置されたリング弁の概略断面図であり、図16は、図16AのラインXVI−XVIによる、別の一実施形態による非線形の弾性部材を備えたリング弁の長手方向の断面図である。
【図6A】図6のラインVIA−VIAによる図である。
【図7】図6のばねの配置の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
例示の実施形態の以下の詳細な記載は、添付の図面を参照している。異なる図面の同一の参照番号は、同一または同様の要素を特定している。これに加えて図面は必ずしも縮尺通りではない。また以下の詳細な記載は、本発明を限定するものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されている。
【0030】
明細書を通して「一実施形態」または「ある実施形態」または「いくつかの実施形態」といった言及は、ある実施形態に関連して記載される特定の機能、構造または特徴が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。よって明細書を通して様々な場所に出てくる「一実施形態において」または「ある実施形態において」または「いくつかの実施形態において」という言い回しは、必ずしも同じ(1つまたは複数の)実施形態を指しているとは限らない。さらに特定の機能、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において、任意の好適なやり方で組み合わせることもできる。
【0031】
以下で本発明の様々な利点を、ハイパー圧縮機のポペット弁に関連して考察する。しかしながら本発明の機能の少なくとも一部は、例えばリングタイプ弁などの他のタイプの往復圧縮機の自動弁において具現化することもできることを理解されたい。
【0032】
以下の本明細書に開示される一実施形態は、単一タイプのポペット弁について言及している。しかしながら本明細書に開示される特徴の少なくとも一部は、多重式のポペット弁において、すなわち2つ以上のポペットシャッタおよび関連するシャッタガイドを含む弁において具現化することも可能であることを理解されたい。例えば複数のポペットシャッタの複数のガイドを含む弁止め具を、複数の吸気開口を備えた弁シートと組み合わせて使用することも可能であり、この場合各々の開口は、各々のポペットシャッタに対応している。
【0033】
まず図3を参照すると、一般的な構造のハイパー圧縮機が記載されるが、これは本発明を理解するのに重要な部分に限定されている。ハイパー圧縮機102は、シリンダ104が中に形成されるケーシング103を備えている。ピストンロッド105がシリンダ104内で往復運動するように摺動することで、少なくとも1つの吸気ダクト106から流体を吸い込み、この流体をより高い圧力で少なくとも1つの排気ダクト107に排出する。前記吸気ダクト106および排気ダクト107それぞれに、それぞれのポペット弁が配置される。参照番号110Sは、吸気ダクト106にあるポペット弁を指しており、参照番号110Dは、排気ダクト107にあるポペット弁を指している。シリンダ104に対する吸気ダクトおよび排気ダクトの配置は、図面に示されるものとは異なる場合もある。詳細には、シリンダの軸に対する弁の軸の位置が異なる場合があり、この位置は、ハイパー圧縮機の入り口および出口圧の設計値によって左右されてよい。
【0034】
ピストンロッド105は、クランク(図示せず)によって作動する。いくつかの実施形態において、クランクの回転速度は、毎分回転数150から300の範囲内であり、すなわちピストンロッド105は、毎分150から300回の完璧な圧縮と吸気運動を行う。その結果各々の弁110S、110Dは、毎分150から300回の開閉運動を行う。圧縮機の吐出圧は、800から4000バールの範囲であり、例えば1500から3500バールの範囲である。
【0035】
各々のポペット弁110S、110Dは、図4に示される例示の実施形態で示されるように設計することができ、この場合ポペット弁は全体を110で表され、その開放位置において示されており、ガスが弁を通り抜けて入り口から出口に向かって流れることができる。
【0036】
ポペット弁110は、弁の軸A−Aを有する弁本体111と、ポペットシャッタ112と、付勢部材114とシャッタガイド116を含んでいる。
【0037】
いくつかの実施形態において、ポペットシャッタ112は内部の空洞113を有し、そこにスペーサ115が配置される。付勢部材114は、一部がポペットシャッタ112のこの内部空洞113の中に収容され、シャッタガイド116の内部チャンバ117の中に一部が収容される。より具体的には付勢部材114は、スペーサ115とシャッタガイド116の内部チャンバ117の底部面117Bの間に保持される。内部チャンバ117の面117Aが、ポペットシャッタ112の外側の面112Aと摺動式に接触することで、この外側の面112Aが、ポペットシャッタ112が開閉するための往復動作をする際、シャッタガイド116によって摺動するように誘導される。異なる一実施形態によると、ポペットシャッタ112が少なくとも部分的にシャッタガイドを取り囲む場合もあり、ポペットシャッタの空洞の中に延在するシャッタガイドによって誘導することができる。
【0038】
ポペット弁110はまた、流れ入り口118と流れ出口120を含む。作動中、付勢部材114がポペットシャッタ112をシャッタガイド116から離れるように閉鎖位置に付勢し、そこではポペットシャッタ112の表面の一部122が、弁本体111の表面部分によって形成された閉鎖シート124にもたれかかることにより、ガスが流れ入り口118から流れ出口120に、あるいはその逆に流れるのを阻止する。ばね114に適切に事前に荷重がかけられることにより、ポペットシャッタ112と閉鎖シート124の間に十分な閉鎖圧力が形成される。弁の両端の差異のあるガス圧によってポペットシャッタ112に及ぼされる力が、ばね114の付勢力より大きくなると、ポペットシャッタ112が、図4に示される開放位置に移動され、これによりガスが、図4の矢印128によって示されるように、ポペットシャッタ112と弁本体111の内側の面の間、ならびにシャッタガイド116と弁本体111の内側の面の間に形成された流路126を通って流れ入り口118から流れ出口120に流れることができる。
【0039】
図4に示される例示の実施形態では、付勢部材114は、事前に荷重がかけられた平行な2つの圧縮つる巻きばね114Aおよび114Bを備え、これらのばねは、一方の中に他方が配置されている。より具体的にはばね114Aは、直径がより大きく、これより小さいばね114Bを取り囲むように配置される。示されていない異なる一実施形態によると、ばねは同軸ではなく並んで配置される。ばねが事前に荷重がかけられた状態で配置され、弁の両端に圧力差が存在しないため、ポペットシャッタ112は、ばね114A、114Bによって付勢され閉鎖シート124と密閉式に接触する。
【0040】
一実施形態においてばね114Aおよび114Bは線形ばねであり、すなわちばねに加わる圧縮荷重によってたわみが直線状に変化するばねである。
【0041】
各々のばね114A、114Bは、(最初の)共振周波数とその倍数によって特徴付けられる。通常ωがばねの最初の共振周波数を指す場合、より高次の共振周波数は、2ω(2次共振周波数)、3ω(3次共振周波数)・・・Nω(N次共振周波数)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、ばね114A、114Bは、前記ばね114A、114Bの一方の少なくとも最初の共振周波数(第1調波)が、他方のばねの最初の共振周波数(第1調波)と異なるように設計される。またいくつかの実施形態において、少なくとも2次の、および好ましくは3次、場合によっては4次の周波数(第2、第3、第4調波)は、2つのばね114A、114Bに関して異なっている。例えば最初のばねが、100ヘルツの最初の共振周波数を有し、それに続く共振周波数が200、300、400ヘルツである場合、2番目のばねを、第1の共振周波数でも第2の共振周波数でもなく、第3および第4の共振周波数が100、200、300または400ヘルツであるように設計することが好適である。
【0043】
弁の作動条件が、2つのばねの最初のばねが、第1の共振周波数で共振する場合、ばねに沿った圧縮波の伝搬が、2つのばねのうち2番目のばねによって妨害され、この第2のばねの最初の共振周波数およびそれに続く共振周波数は最初のばねのものとは異なっている。このような構成の全体的な成果は、サージの回避またはサージを軽減させる効果になる。
【0044】
種々の実施形態によると、2つのばね114A、114Bの少なくとも一方は非線形ばね、例えば累進式ばねである。いくつかの実施形態において、ばね114A、114Bは両方とも非線形ばね、例えば累進式ばねである。ばねの非線形の挙動によって、サージが抑制あるいは緩和される。
【0045】
一般論として、非線形の累進式のつる巻きばねは、剛性が変化し得る連続して配置されたばねを並べることによって概略的に表すことができる。一般論として、このような配置は、種々のやり方で実現することができる。図5は、つる巻きばねの一実施形態を示しており、そこではばねを形成しているコイル間のピッチは、ばねの軸方向の延長部に沿って変化している。ピッチは、すなわちばね114Aまたは114Bを形成している2つの隣接するアクティブコイルの間隔は、P1、P2、P3、・・・Pn−1、Pnと名前が付けられている。ピッチは、ばねの一端から反対側の端部まで段階式に変わるが、これは必須ではなく、例えばピッチは、各々のばねの端部からばねの中心に向かって、あるいはその逆に向かって狭くなる場合もある。
【0046】
非線形の累進式つる巻きばねの挙動は、以下のようにしてサージ現象を抑制または緩和させる。理論的には一般的な線形つる巻きばねでは、全体のばねのたわみは、多様なコイルの間に均一に分散される。これは、隣接するコイルの各々の組同士の距離が、同一程度になるまで縮小し、ついには最終的にコイルが互いに接触することを意味する。累進式つる巻きばねでは、最も短いピッチによって距離が置かれているコイルが、残りのコイルより先に互いに接触する。これによりコイルの剛性が変化する。圧縮性のたわみが増大し、徐々により多数のコイルが互いに接触することで、ばねの剛性を緩やかに増大させ、ついには最終的に最大の圧縮性のたわみが達成され、全てのコイルが最小限の空間で配置され、各々のコイルが隣接するコイルに接触する。
【0047】
累進式ばねの剛性はたわみによって変化するため、その共振周波数も変化し、圧縮波の伝搬(ばねサージ)が抑制される、あるいは少なくとも強力に軽減される。
【0048】
2つのつる巻きばね114A、114Bを組み合わせ、その少なくとも一方が非線形であり、異なる共振周波数を有することで、付勢部材114のサージを抑制する効果を高める。
【0049】
ばねの少なくとも一方の剛性が増大する場合、例えば累進式つる巻きばねなどである場合、ばねの剛性が少なくとも3つの異なる段階によって段階式に増大するように、すなわち荷重とたわみの曲線が少なくとも2つのクニック点を有するようにばねを設計することができ、その場合曲線の勾配は、それが関与するたわみの範囲内でその導関数が不連続であることにより変化する。この不連続性は、ばねの剛性の変化に対応している。さらにいくつかの実施形態では、それに続く2つの剛性の値の比率は、好ましくは1.2から2であり、すなわち
1.2<Ki/Ki-1<2であり、
この場合KiおよびKi-1は、それに続くばねの剛性の値である。
【0050】
図6、図6Aおよび図7は、別の一実施形態を示している。この実施形態では、リング弁が全体として201で示されている。弁201は、環状の貫通経路205を備えた弁止め具203と、環状の貫通経路209を備えた弁シート207で構成された弁本体を備える。同心円状に配置された密閉式のリング212の形態のシャッタが、止め具203とシート205の間に配置される。各々のリング212は、リングの環状の展開部分に沿って配置された複数の付勢部材214によってシート207に対して弾性式に付勢される。各々の付勢部材214は、弁止め具203に形成された筐体213の中に収容される。いくつかの実施形態によると(特に図7を参照)、各々の付勢部材214は、少なくとも2つのばね214A、214Bを備えている。各々のばね214A、214Bは、つる巻きばねであってよい。図面に開示される実施形態では、ばね214A、214Bは同軸であり、すなわち小さい方のばねが、前記ばねのうちの大きな方のばねによって形成される空いた空間の中に配置される。いくつかの実施形態において、ばね214A、214Bは両方とも線形である。代替の実施形態では、一方または両方のばねが非線形であり、例えば累進式ばねである。
【0051】
本明細書に記載される主題の開示される実施形態を図面に示し、複数の例示の実施形態に関連して独自にかつ詳細に上記に全てを記載してきたが、本明細書に記載される新規の教示、その原理および概念、ならびに添付の特許請求の範囲に列記される主題の利点から著しく逸脱することなく、多くの修正、変更および省略が可能であることは当業者には明らかである。したがって開示される技術革新の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈によってのみ特定され、全てのこのような修正、変更および省略を包含すべきである。これに加えて、任意の工程または方法ステップの順番またはシーケンスは、代替の実施形態によって変更する、あるいは組み立て直すことができる。
【符号の説明】
【0052】
2、102 ハイパー圧縮機
3、103 ケーシング
4、104 シリンダ
5、105 ピストンロッド
6、106 吸気ダクト
7、107 排気ダクト
10、10S、10D、110、110S、110D ポペット弁
11、111 弁本体
12、112 ポペットシャッタ
13、124 閉鎖シート
14、114A、114B、214A、214B ばね
16、116 シャッタガイド
17、126 流路
18、118 流れ入り口
20、120 流れ出口
22 排気用の開口
26 内部チャンバ
112A ポペットシャッタの外側の面
113 空洞
114、214 付勢部材
115 スペーサ
117 内部チャンバ
117A、117B 内部チャンバの面
122 シャッタの表面の一部
128 矢印
201 リング弁
203 弁止め具
205、209 貫通経路
207 弁シート
212 リング
213 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差圧弁であって、
少なくとも1つの流れ入り口(118;209)と少なくとも1つの流れ出口(120;205)を有する弁本体(111;203、207)と、
前記弁の両端の差圧を受けて開放位置と閉鎖位置の間で可動である少なくとも1つのシャッタ(112;212)と、
前記流れ入り口(118)から前記流れ出口(120)への流路(126)と、
前記シャッタ(112;212)を閉鎖位置に向けて付勢して、前記流れ入り口(118)を通る前記流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材(114;214)とを備え、
前記付勢部材(114;214)が、平行に配置された少なくとも2つのばね(114A、114B;214A、214B)を備え、前記ばねの一方が、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有する差圧弁。
【請求項2】
前記2つのばねが、つる巻きばね(114A、114B)である、請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記2つのばねの一方の最初の共振周波数が、前記2つのばねの他方の最初の共振周波数と異なる、請求項1または2記載の弁。
【請求項4】
前記2つのばねに関して少なくとも最初の3つの共振周波数が異なる、請求項1、2または3記載の弁。
【請求項5】
前記2つのばねの少なくとも一方が非線形ばねである、請求項1乃至4の1つまたは複数の請求項記載の弁。
【請求項6】
前記2つのばね(114A、114B)が両方とも非線形ばねである、請求項1乃至5の1つまたは複数の請求項記載の弁。
【請求項7】
各々の非線形ばねが累進式ばねである、請求項5または6記載の弁。
【請求項8】
前記2つのばねが同軸に配置される、請求項1乃至7の1つまたは複数の請求項記載の弁。
【請求項9】
前記少なくとも1つのシャッタ(112)がポペットシャッタであり、
前記弁が、
前記弁本体(111)の中に固定式に配置され、前記ポペットシャッタを摺動式に誘導する少なくとも1つのシャッタガイド(116)と、
前記流れ入り口(118)から前記流れ出口(120)への少なくとも1つの流路(126)であり、前記弁本体(111)の内側の面と、前記シャッタガイド(116)の外側の面との間、ならびに前記弁本体(111)の内側の面と、前記ポペットシャッタ(112)の外側の面との間に形成される少なくとも1つの流路(126)を備え、
前記付勢部材(114)の少なくとも一部が、前記シャッタガイド(116)の中に収容される、請求項1乃至8の1つまたは複数の請求項記載の弁。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシャッタ(212)が密閉式のリングを備えており、前記密閉式のリングが複数の付勢部材(214)によって付勢され、各々の付勢部材が、平行に配置された少なくとも2つのばね(214A、214B)を備える、請求項1乃至8の1つまたは複数の請求項記載の弁。
【請求項11】
各々の付勢部材が、同軸に配置された少なくとも2つのつる巻きばね(214A;214B)を含む、請求項10記載の弁。
【請求項12】
少なくとも1つの流れ入り口(118)と少なくとも1つの流れ出口(120)を有する弁本体(111)と、
前記弁本体(111)の中に配置された少なくとも1つのシャッタガイド(116)と、
前記シャッタガイド(116)によって摺動式に誘導される少なくとも1つのポペットシャッタ(112)と、
前記流れ入り口(118)から前記流れ出口(120)への少なくとも1つの流路(126)であり、前記弁本体(111)の内側の面と、前記シャッタガイド(116)の外側の面との間、ならびに前記弁本体(111)の内側の面と前記ポペットシャッタ(112)の外側の面との間に形成される少なくとも1つの流路(126)と、
前記ポペットシャッタ(112)を閉鎖位置に向けて付勢して、前記流れ入り口(118)を通る前記流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材(114)を備えたポペット弁であって、
前記付勢部材(114)が、平行に配置された少なくとも2つのばね(114A、114B)を備え、前記ばねの一方が、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有するポペット弁。
【請求項13】
シリンダ(104)と、前記シリンダ(104)内に摺動式に配置されその中を往復運動するように移動するピストン(105)と、前記シリンダ(104)と流体連通する吸気ダクト(106)および排気ダクト(107)と、前記吸気ダクト(106)にある少なくとも1つの吸気弁(110S)と、前記排気ダクト(107)にある少なくとも1つの排気弁(110D)であって、前記吸気弁と前記排気弁の開閉が、弁の両端の差圧によって自動的に制御される少なくとも1つの吸気弁(110S)と排気弁(110D)を備え、前記吸気弁(110S)と前記排気弁(110D)が、請求項1乃至11の1つまたは複数の請求項に記載されている、往復圧縮機。
【請求項14】
毎分回転数150から300で作動する、請求項13記載の圧縮機。
【請求項15】
800から4000バールで、好ましくは1500から3500バールの吐出圧で作動する、請求項13または14記載の圧縮機。
【請求項16】
少なくとも1つの流れ入り口(118)と少なくとも1つの流れ出口(120)を有する弁本体(111)と、
前記弁の両端の差圧を受けて開放位置と閉鎖位置の間で可動である少なくとも1つのシャッタ(112)と、
前記流れ入り口(118)から前記流れ出口(120)への少なくとも1つの流路(126)と、
前記シャッタ(112)を閉鎖位置に向けて付勢して、前記流れ入り口(118)を通る前記流路を塞ぐように構成された少なくとも1つの付勢部材(114)を備える差圧弁におけるばねサージを軽減あるいは抑制するための方法であって、
前記付勢部材の中に少なくとも2つのばね(114A、114B;214A、214B)を平行に配置することによって、前記付勢部材の共振圧縮波の伝搬を抑制するステップであって、前記ばねの一方が、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有するステップを含む方法。
【請求項17】
シリンダ(104)と、前記シリンダ(104)内を摺動するピストン(105)と、吸気弁(110S)を備えた吸気ダクト(106)と、排気弁(110D)を備えた排気ダクト(107)を備え、各々の弁が、少なくとも1つのシャッタ(112;212)と、前記シャッタ(112;212)を閉鎖位置に向けて付勢するように構成された少なくとも1つの付勢部材(114;214)を備える、往復圧縮機を作動させるための方法であって、
各々の付勢部材ごとに少なくとも2つのばね(114A、114B;214A、214B)を平行に設けるステップであって、前記ばねの一方が、前記2つのばねの他方の少なくとも1つの共振周波数と異なる少なくとも1つの共振周波数を有するステップと、
前記シリンダ内で前記ピストンを往復運動するように移動させることで、ある吸込み圧で前記シリンダ内にガスを吸い込み、前記ガスをある吐出圧で前記シリンダから排出するステップと、
前記弁の両端の差圧によって前記吸気弁(110S)および前記排気弁(110D)を選択式に開閉するステップを有する方法。
【請求項18】
前記圧縮機が毎分回転数150から300で作動する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記吐出圧が、800から4000バール、好ましくは1500から3500バールの間である、請求項17または18記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−60943(P2013−60943A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−158250(P2012−158250)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(505347503)ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ (112)
【Fターム(参考)】