説明

平面状可撓性部材の折畳重合装置及び折畳重合方法

【目的】応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労が少なく、高耐久性の平面状可撓性部材折畳重合装置及び折畳重合方法を提供することである。
【構成】本発明は、第1後端ローラを枢軸として第1前端ローラが水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在に設けられて平面状可撓性部材を前方へ供給する第1ベルトコンベアと、前記第1ベルトコンベアの水平配置と面一に水平配置されて前記第1ベルトコンベアが水平状態で供給する平面状可撓性部材を正転状態で受取る第2ベルトコンベアと、前記第2ベルトコンベアの下方に所定間隙で水平配置されて前記第2ベルトコンベアが逆転状態で前記平面状可撓性部材を受取る第3ベルトコンベアと、前記第1〜第3ベルトコンベアを駆動制御する駆動制御装置から少なくとも構成され平面状可撓性部材の折畳重合装置及びこれを用いた折畳方法又は重合方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット、シートあるいはカーペット等の平面状可撓性部材を折畳む又は重合する装置及び方法に関し、更に詳細には、複数のベルトコンベアとそれらの制御装置から構成され、各ベルトコンベアを制御して平面状可撓性部材を折畳む又は重合する装置及びこの装置を用いて平面状可撓性部材を折畳む又は重合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンタルマットやカーペット等の平面状可撓性部材は、処理施設において、洗浄処理又はパイル面に薬剤などを塗布処理された後、折畳まれて又は重合されて搬出される。従来、ベルトコンベアを利用した平面状可撓性部材の折畳み方法や重合方法では、ベルトコンベアの端部に配設されたローラを水平に移動させながら、平面状可撓性部材を台車やパレット上に排出して折畳む又は重合する方法が採用されていた。より具体的には、特開2003−285961号公報(特許文献1)に記載される平面状可撓性部材の平積方法及び装置があり、特許文献1には、前記平積方法により平面状可撓性部材を折畳む又は重合させる工程が記載されており、以下にその詳細を説明する。
【0003】
図18は、特許文献1に記載される従来の平面状可撓性部材折畳方法を示す工程図である。吸着剤塗布装置101の出口に配置された従来の平面状可撓性部材折畳重合装置(以下、単に「折畳重合装置」とも称する)には、搬送ベルト105を巻き掛けるローラとして、前側ターンローラ107、搬送始端ローラ108、後側ターンローラ109、移動式の搬送終端ローラ110及びベルト長さ調節用の移動式ターンローラ111が設けられている。図18では、平面状可撓性部材としてマットmが吸着剤塗布装置101から供給され、このマットmのパイル面を重合させて折畳む工程が(18A)〜(18D)に示されている。
【0004】
(18A)では、マットmを所定位置まで前進させ、(18B)及び(18C)に示すように、搬送終端ローラ110及び移動式ターンローラ111を後退させることにより、マットmの半分を表向きに載置する。このとき、搬送ベルト105は停止している。(18C)に示すように、搬送終端ローラ110を後退位置まで移動させ、搬送終端ローラ110を前進状態に切り換えると同時に、搬送ベルト105を搬送終端ローラ110の前進速度の倍速で稼動する。これにより(18D)に示すように、マットmがパイル面同士を対面させて折畳まれる。即ち、特許文献1に記載されるマットmの折畳方法では、搬送終端ローラ110及び移動式ターンローラ111をマットmの長さに相当する距離を前後に平行移動させ、マットmを折畳んでいる。尚、特許文献1には、平面状可撓性部材を重合する方法も記載されているが、前記マットmを連続して供給される比較的短尺な2枚のマットに置き換えれば、(18A)〜(18D)の工程と同一の動作で2枚の平面状可撓性部材が重合されるため、これ以上の説明は省略する。
【0005】
また、前記処理施設では、パイル面が対面するように折畳まれた又は重合された平面状可撓性部材が芯材に巻き取られて搬出される。例えば、特開平5−338869号公報(特許文献2)には、平面状可撓性部材の巻取方法が記載されている。図19は、従来の方法により重合された2枚のマットm1、m2が芯材186に巻き取られた状態を示す概略図である。図に示すように、互いの端縁が揃えられて重合された2枚のマットm1、m2が一体に芯材186に巻き取られる場合、当然のことながら、マットm2は常にマットm1より内側を周回するため、ずれが生じてずれ幅δだけマットm2のパイル面が外側に露出する。前述のように、パイル面は、吸着剤などが塗布されているか又は洗浄されており、パイル面が露出すると、吸着剤が他のマットの裏面や移送装置若しくは作業員の衣服等に付着する、または露出したパイル面に汚れが付着するという問題点があった。
【0006】
図20は、4個のベルトコンベアからなる従来衣類折畳装置の工程図である。この衣類折畳装置は、特許第4007517号公報(特開平10−127999号、特許文献3)に開示され、対象物品がマットとは異なるが、4個のベルトコンベアから組立てられている点で、本発明と関連している。この衣類折畳装置は、第1ベルトコンベア201、第2ベルトコンベア202、第3ベルトコンベア203及び第4ベルトコンベアを2段八の字状に組み立てて構成されている。特徴点として、第1ベルトコンベア201と第2ベルトコンベア202の間に第1折込部材205が設けられ、第3ベルトコンベア203と第4ベルトコンベア204の間に第2折込部材206が設けられている。
【0007】
(20A)では、衣類213が第1ベルトコンベア201により矢印方向に供給される。(20B)では、衣類213の前半部が第2ベルトコンベア202にまで進行し、第1折込部材205により、前記衣類213の中央部が折り込まれる。(20C)では、第2ベルトコンベアの逆回転により、前記折込部が下方に引きずり込まれ、折り畳まれた衣類213が第3ベルトコンベア上にまで進行する。(20D)では、第3ベルトコンベア203が逆回転し、折り畳まれた衣類213が第4ベルトコンベアにまで進行する。この特許文献3の衣類折畳装置は第1折込部材205と第2折込部材206を必須条件とする装置であるが、(20C)に示される第2折込部材206は、この工程図では作動しない。前記第2折込部材206は衣服213が長尺の場合に使用される。長尺の衣服213は、第1ベルトコンベア201から直ちに第3ベルトコンベア203へと進行し、前記衣服213は両ベルトコンベア201、203上に載置された状態になる。そこで、第2折込部材206が矢印方向に前進して衣服213をその中央部で折込み、折り畳まれた衣服213が第4ベルトコンベア204へと進行する。
【0008】
【特許文献1】特開2003−285961号公報
【特許文献2】特開平5−338869号公報
【特許文献3】特許第4007517号公報(特開平10−127999号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図18に示した特許文献1に記載される従来の折畳重合装置では、搬送終端ローラ110及び移動式ターンローラ111を前後に平行移動させ、マットm1を折畳む又は上記の装置の同一動作により2枚のマットを重合させていた。しかしながら、ベルトコンベアのローラを1枚のマットを折畳む毎に、マットm1の長さに相当する距離を前後に平行移動させることは、装置にとって大きな負荷となり、応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労を増大させ、耐久性を低減させていた。更に、図示していないが、従来の折畳重合装置には、搬送終端ローラ110及び移動式ターンローラ111を移動させる複雑な移動機構が設置されているため、煩雑なメンテナンス作業が必要となり、折畳重合装置のランニングコストを増大させていた。従って、より簡単な構造で動作時のベルトコンベアやそのローラ等の移動範囲が小さく、平面状可撓性部材を折畳む又は重合することができる折畳重合装置又はこれを用いた折畳み又は重合方法の開発が求められていた。
【0010】
図19に示したように、重合されたマットm1、m2が芯材186に巻き取られる場合、前述のように、パイル面が露出すると、吸着剤が他のマットの裏面や移送装置若しくは作業員の衣服等に付着する、または洗浄されたパイル面に汚れが付着するという問題点があった。これを解決する方法としては、外側に巻かれるマットm1の端縁190をマットm2の端縁192からずれ幅δだけずらした状態に重合し、芯材186で巻き取る方法が考えられる。即ち、折畳重合装置には、折畳まれる又は重合される平面状可撓性部材の端縁の位置関係が適宜に調整可能であることが要求される。
【0011】
図20に示された衣類折畳装置は、衣服の折畳専用装置であり、2枚の衣服を積層状態に重合する衣服重合機能を有していない。従って、単体の装置で、衣服折畳装置及び衣服重合装置として使用されることは不可能である。また、4個のベルトコンベアが2段八の字状に配置されているため、ベルトコンベアの機能だけで衣服を折り込むことができず、折込専用の第1折込部材205と第2折込部材206の存在が必須条件になる。つまり、第1折込部材205と第2折込部材206の両者が別部材として必要になり、しかもベルトコンベアの駆動制御と折込部材の折込制御を組み合わせるため、駆動制御機構の複雑化と、制御装置の高価格化を招来する弱点を有する。
【0012】
従って、本発明の目的は、折込部材などの余分な部材を使用せず、より簡単な構造で動作時のベルトコンベアやそのローラ等の移動範囲が小さく、折畳まれる又は重合される平面状可撓性部材の端縁の位置関係を適宜に調整できる平面状可撓性部材折畳重合装置又はこれを用いた折畳重合方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、第1後端ローラを枢軸として第1前端ローラが水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在に設けられて平面状可撓性部材を前方へ供給する第1ベルトコンベアと、前記第1ベルトコンベアの水平配置と面一に水平配置されて前記第1ベルトコンベアが水平状態で供給する平面状可撓性部材を正転状態で受取る第2ベルトコンベアと、前記第2ベルトコンベアの下方に所定間隙で水平配置されて前記第2ベルトコンベアが逆転状態で前記平面状可撓性部材を受取る第3ベルトコンベアと、前記第1〜第3ベルトコンベアを駆動制御する駆動制御装置から少なくとも構成され、1枚の平面状可撓性部材を折畳状態又は2枚の前記平面状可撓性部材のパイル面を対面させた重合状態で前記第3ベルトコンベアにより前方へ搬出する平面状可撓性部材折畳重合装置である。
【0014】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、第4前端ローラを枢軸として第4後端ローラを水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在な第4ベルトコンベアを設け、前記第4後端ローラは、水平配置で前記第2ベルトコンベアと面一に連続し、下方傾斜配置で前記第3ベルトコンベアと連続する平面状可撓性部材折畳重合装置である。
【0015】
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記第3ベルトコンベアが、前記第2ベルトコンベアより前後に延出して配置され、前記第1ベルトコンベアが下方傾斜配置のときに前記第3ベルトコンベアと前記第1ベルトコンベアが連続する平面状可撓性部材折畳重合装置である。
【0016】
本発明の第4の形態は、第1、第2又は第3の形態において、前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作をセンサ検出を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御する平面状可撓性部材折畳重合装置である。
【0017】
本発明の第5の形態は、第1、第2又は第3の形態において、前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作をコンピュータの時間制御を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御する平面状可撓性部材折畳重合装置である。
【0018】
本発明の第6の形態は、第1〜5のいずれかの形態を用いて平面状可撓性部材を折畳む方法であり、水平配置の前記第1ベルトコンベアと前記第2ベルトコンベアを正転させてパイル面を上面配置した前記平面状可撓性部材をその先端が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記平面状可撓性部材の中間部を自重で垂下させて折曲部を形成し、前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前記第3ベルトコンベアに上に載せてパイル面が対面するように前記平面状可撓性部材を折畳み、前記第1及び第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前進させることにより前記平面状可撓性部材を折畳んで搬出する平面状可撓性部材折畳方法である。
【0019】
本発明の第7の形態は、第6の形態において、前記所定位置及び/又は前記折曲部の位置を自在に調整して前記平面状可撓性部材の両端縁が一致する又はずれ幅Δを有するように設定される平面状可撓性部材折畳方法である。
【0020】
本発明の第8の形態は、第1〜第5のいずれかの形態を用いて2枚の平面状可撓性部材をパイル面が対面ように重合する方法であり、水平配置の前記第1ベルトコンベアと前記第2ベルトコンベアを正転させてパイル面を上面配置した前記第1平面状可撓性部材をその先端縁が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記第1平面状可撓性部材の後端縁を垂下させ、パイル面を上面配置した第2平面状可撓性部材の先端縁を下方傾斜配置した前記第1ベルトコンベアを正転させて重合位置まで前進させ、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させながら、前記第1平面状可撓性部材と前記第2平面状可撓性部材のパイル面を対面させ、対面した両平面状可撓性部材を一体に前方に搬出する平面状可撓性部材重合方法である。
【0021】
本発明の第9の形態は、第8の形態において、前記第1平面状可撓性部材の後端縁が前記第2平面状可撓性部材の先端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定され、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第1ベルトコンベア又は第3ベルトコンベア上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材を前進させて前記第2平面状可撓性部材上に前方にずれ幅Δだけずれた状態で前記パイル面を対面させる平面状可撓性部材重合方法である。
【0022】
本発明の第10の形態は、第8の形態において、前記第1平面状可撓性部材の後端縁と前記第2平面状可撓性部材の先端縁が一致するように又は前記先端縁が前記後端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定され、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第2平面状可撓性部材のパイル面上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材のパイル面を対面させる平面状可撓性部材重合方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の形態によれば、この形態の折畳重合装置に具備されるローラのうち、前記第1前端ローラのみを下方傾斜配置に揺動させることにより、前記平面状可撓性部材を折畳む又は重合する過程に移行することができる。従って、前記第1前端ローラ以外のローラの位置を移動させることなく、1枚の平面状可撓性部材を折畳状態又は2枚の前記平面状可撓性部材のパイル面を対面させた重合状態で前記第3ベルトコンベアにより前方へ搬出することができる。更に、本発明の第1の形態は、前記第1前端ローラの水平配置と面一に連続して水平配置される第2ベルトコンベアと、下方傾斜配置の第1前端ローラと連続するように前記第2ベルトコンベアの下方に所定間隙で水平配置される前記第2ベルトコンベアから構成される。即ち、前記第1前端ローラの下方傾斜配置は、前記所定間隙の高さに基づいて設計され、この所定間隙は平面状可撓性部材が折畳状態又は重合状態で前進できる程度の高さであれば良いから、前記第1前端ローラが揺動する範囲を比較的狭く設定することができる。特許文献1に記載される従来の折畳重合装置では、複数のローラが平面状可撓性部材の長さ程度の距離を移動していたが、本発明の第1の形態は、上述のように、1つのローラを比較的狭い範囲で揺動させている。従って、ローラの移動に伴う動作時の負荷が小さく、応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労が低減されるから、折畳重合装置の耐久性を格段に向上させることができる。しかも、折込部材などの余分な部材群を使用せず、4台のベルトコンベアだけで、折畳と重合の2機能を奏する点で、従来に無い画期的な折畳重合装置及び折畳重合方法を提供することができる。
更に、前記第1前端ローラを比較的狭い範囲で上下方向に揺動させるから、少なくとも1つの比較的簡単でコンパクトな揺動手段を具備すれば良く、耐久性が向上すると共に煩雑なメンテナンス作業が軽減され、折畳重合装置のランニングコストを低減化することができる。尚、前記揺動手段としては、油圧シリンダ、空気圧シリンダ又は水圧シリンダなどの流体圧シリンダやモータ駆動のカム機構や歯車機構などを用いることができる。また、第1〜第3ベルトコンベアを制御する前記駆動制御装置により前記揺動手段の駆動を制御することができ、各ベルトコンベアの駆動と停止及び第1前端ローラの揺動を適宜に連動させて、自動的に平面状可撓性部材の折畳み又は重合を行うことができる。
【0024】
本発明の第2の形態によれば、第4前端ローラを枢軸として前記第4後端ローラが水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在な第4ベルトコンベアが設けられるから、本発明に係る折畳重合装置を略対称に構成することができる。前記第4後端ローラは、下方傾斜配置で第3ベルトコンベアと連続し、第3ベルトコンベアによって搬送される折畳状態又は重合状態の平面状可撓性部材が下方傾斜配置の第4ベルトコンベアに供給されて搬出される。従って、平面状可撓性部材が折畳重合装置に搬入される高さと搬出される高さを略同一に設定することができ、本発明に係る折畳重合装置を比較的容易に平面状可撓性部材の搬送ラインに設置することができる。一般的に、平面状可撓性部材の搬送ラインは、作業や管理等の行い易さから、所定高さに設定されることが望ましい。
【0025】
本発明の第3の形態によれば、前記第3ベルトコンベアが、前記第2ベルトコンベアより前後に延出して配置され、前記第1ベルトコンベアが下方傾斜配置のときに前記第3ベルトコンベアと前記第1ベルトコンベアが連続するから、前記第1ベルトコンベアから前記第3ベルトコンベアに平面状可撓性部材を滑らかに搬送することができる。前記第3ベルトコンベアと前記第1ベルトコンベアが好適な状態で連続していない場合、平面状可撓性部材がコンベア間の隙間からはみ出す、もしくは平面状可撓性部材が弛んで滑らかな搬送が阻害される惧れがあった。第3の形態によれば、平面状可撓性部材を安定により確実に搬送することができ、高効率に平面状可撓性部材の折畳み又は重合を行うことができる。また、前記第4ベルトコンベアが設けられる場合、前記第3ベルトコンベアを前記第2ベルトコンベアより延出させて配置することにより、前記第4後端ローラが下方傾斜配置に揺動したとき、前記第4ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを連続させることができ、前記第3ベルトコンベアから前記第4ベルトコンベアに平面状可撓性部材を滑らかに搬送することができる。
更に、前記第2ベルトコンベアから平面状可撓性部材を垂下させる場合、第3ベルトコンベアに平面状可撓性部材をより確実に接触させることができ、速やかに平面状可撓性部材の折畳過程又は重合過程に移行することができる。
【0026】
本発明の第4の形態によれば、前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作をセンサ検出を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御するから、平面状可撓性部材の折畳み又は重合をその長さに応じて適宜に行うことができる。前記センサ検出には、リミットスイッチや光学センサ等が用いられる。平面状可撓性部材の搬送状況をセンサにより実時間で検出してオンオフ制御するから、誤作動が防止され、より安全に本発明に係る折畳重合装置を稼動させることができる。
【0027】
本発明の第5の形態によれば、前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作をコンピュータの時間制御を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御するから、平面状可撓性部材の長さに応じて単位時間当たりの処理数を設定し、平面状可撓性部材の折畳み又は重合を行うことができる。また、緊急停止用のスイッチに接続されるリミットスイッチや光学センサ等のセンサにより平面状可撓性部材の搬送状況を確認しながらコンピュータの時間制御を行えば、本発明に係る折畳重合装置をより安全かつ正確に稼動させることができる。
【0028】
本発明の第6の形態によれば、第1〜5のいずれかの形態を用いて、前記第1ベルトコンベアを所定配置に揺動させ、各ベルトコンベアの正転動作と正逆転動作を制御するだけで、前記平面状可撓性部材を折畳んで搬出させることができる。即ち、ベルトコンベアやローラの移動に伴う動作時の負荷が少なく、折畳重合装置における応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労を軽減することができる。より詳細には、パイル面を上面配置した前記平面状可撓性部材をその先端が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記平面状可撓性部材の中間部を自重で垂下させるから、前記第1ベルトコンベアの比較的簡単な動作により前記平面状可撓性部材に折曲部を形成することができる。前記所定位置は、平面状可撓性部材の長さに応じて、第2ベルトコンベア上又はその前方の適当な位置に設定することができ、前記折曲部の位置を自在に調整することができる。
更に、前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前記第3ベルトコンベアに上に載せてパイル面が対面するように前記平面状可撓性部材を折畳み、各ベルトコンベアの正転動作と正逆転動作を制御するだけで、前記平面状可撓性部材を順次折畳むことができる。次いで、前記第1及び第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前進させることにより前記平面状可撓性部材を折畳むから、前記平面状可撓性部材の搬送と折畳みを同時に行うことができ、本発明に係る折畳重合装置の効率を向上させることができる。
【0029】
本発明の第7の形態によれば、前記所定位置及び/又は前記折曲部の位置を自在に調整して前記平面状可撓性部材の両端縁が一致する又はずれ幅Δを有するように設定されるから、前記平面状可撓性部材を所望の折畳状態で搬出することができる。前記所定位置と前記折曲部の位置は、平面状可撓性部材の長さや第1ベルトコンベアの全長及び揺動する角度に応じて適宜設定することができる。前記両端縁を一致させて折畳まれた複数の平面状可撓性部材は、これらを平積させる場合に適している。また、前述のように、マットなどの平面状可撓性部材亜を芯材に巻き取る場合、パイル面が外側に露出することを避ける必要があったが、外側に巻かれる平面状可撓性部材の端縁が内側に対してずれ幅Δを有するように設定すれば、パイル面が外側に露出しないよう平面状可撓性部材を巻き取ることができる。
【0030】
本発明の第8の形態によれば、第1〜第5のいずれかの形態を用いて、前記第1ベルトコンベアを所定配置に揺動させ、各ベルトコンベアの正転動作と正逆転動作を制御するだけで、2枚の平面状可撓性部材をパイル面が対面ように重合することができると共に、両平面状可撓性部材を一体にして前方に搬出することができる。従って、本発明に係る折畳重合装置により2枚の平面状可撓性部材が重合できると共に、前記第1ベルトコンベアの配置を変化させれば良いから、ベルトコンベアやローラの移動に伴う動作時の負荷が少なく、応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労を軽減することができる。
より詳細には、水平配置の前記第1ベルトコンベアと前記第2ベルトコンベアを正転させてパイル面を上面配置した前記第1平面状可撓性部材をその先端縁が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記第1平面状可撓性部材の後端縁を垂下させる。前記所定位置は、平面状可撓性部材の長さに応じて、第2ベルトコンベア上又はその前方の適当な位置に設定することができ、第1及び第2平面状可撓性部材の重合状態を自在に調整することができる。次に、パイル面を上面配置した第2平面状可撓性部材の先端縁を下方傾斜配置した前記第1ベルトコンベアを正転させて重合位置まで前進させ、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させながら、前記第1平面状可撓性部材と前記第2平面状可撓性部材のパイル面を対面させるから、2枚の平面状可撓性部材を重合すると共に一体にして前方に搬出することができる。前記重合位置は、平面状可撓性部材の長さや所望の重合状態に応じて適宜に設定することができる。
【0031】
本発明の第9の形態によれば、前記第1平面状可撓性部材の後端縁が前記第2平面状可撓性部材の先端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定されるから、上方から重ねられる前記第1平面状可撓性部材を所望のずれ幅Δだけ前方に突出させた状態で搬出することができる。前記所定位置と前記重合位置は、平面状可撓性部材の長さや第1ベルトコンベアの全長及び揺動する角度に応じて適宜設定することができる。前述のように、2枚の平面状可撓性部材のパイル面を対面させて重合し、芯材に巻き取る場合、一方のパイル面が外側に露出することを避ける必要があったが、外側に巻かれる平面状可撓性部材の端縁が内側に対してずれ幅Δを有するように重合して巻き取ることにより、パイル面が外側に露出することを防止することができる。より具体的には、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第1ベルトコンベア又は第3ベルトコンベア上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材を前進させて前記第2平面状可撓性部材上に前方にずれ幅Δだけずれた状態で前記パイル面を対面させることができる。従って、前記所定位置及び/又は前記重合位置の設定により、第3ベルトコンベアを正転させ、第2ベルトコンベアを逆転させるタイミングが決定され、両平面状可撓性部材を所望のずれ幅Δで重合することができる。
【0032】
本発明の第10の形態によれば、前記第1平面状可撓性部材の後端縁と前記第2平面状可撓性部材の先端縁が一致するように又は前記先端縁が前記後端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定されるから、前記平面状可撓性部材を所望の重合状態で搬出することができる。即ち、前記所定位置と前記重合位置の設定により、前記第1及び第2平面状可撓性部材の両端縁を一致させることも、下側にある前記第2平面状可撓性部材を所望のずれ幅Δだけ前方に突出させた状態で搬出することもできる。前記所定位置と前記重合位置は、平面状可撓性部材の長さや第1ベルトコンベアの全長及び揺動する角度に応じて適宜設定され、各ベルトコンベアを正転又は逆転させるタイミングが決定される。前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第2平面状可撓性部材のパイル面上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材のパイル面を前記第2平面状可撓性部材に対面させる。従って、逆転駆動する第2ベルトコンベアと前進する第2平面状可撓性部材との摩擦により、前記第2平面状可撓性部材上に重合させながら両端縁が一致する状態で又はずれ幅Δが維持された状態で前記第1平面状可撓性部材を前進させることができる。
前記両端縁を一致させて重合された複数組の平面状可撓性部材は、これらを平積させる場合に適している。また、第9の形態と同様に、2枚の平面状可撓性部材を重合させて芯材に巻き取る場合、外側に巻かれる平面状可撓性部材の端縁が内側に対してずれ幅Δを有するように重合させて巻き取ることにより、パイル面が外側に露出することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る平面状可撓性部材の折畳重合装置及びこれを用いた平面状可撓性部材の折畳方法と重合方法の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に示す実施形態では、平面状可撓性部材としてダストコントロール用のマットが記載されているが、可撓性の平面状部材であれば、絨毯や各種シートなど種々の部材を折畳み又は重合することができる。
【0034】
図1は、本発明に係る折畳重合装置2の概略を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る折畳重合装置2の断面概略図であり、これらの図面を用いて折畳重合装置2の構成を詳細に説明する。尚、図1では、折畳重合装置2の構成を見易くするため、各ベルトコンベアを構成する無端ベルト等の記載を省略している。
折畳重合装置2は、ベースフレーム4に第1ベルトコンベア5、第2ベルトコンベア9、第3ベルトコンベア13及び第4ベルトコンベア17が配設されると共に、これらのベルトコンベアを駆動制御及び所定のベルトコンベアを揺動制御するための部材が設置され構成されている。第1ベルトコンベア5は、第1後端ローラ6、第1前端ローラ8、固定部材48(図2参照)、第1無端ベルト7(図2参照)、第1フレーム22a、22b及び第1フレーム38から構成され、第1後端ローラ6及び第1前端ローラ8は、第1フレーム38及び固定部材48により固定される第1フレーム22a、22bに、所定の間隔を保持して回転自在に固定されている。更に、第1後端ローラ6は、ベースフレーム4に回転自在に取付けられると共に、第1伝動部6aと第1モータ52の軸部52aの間に設けられる伝動機構(図示せず)により、第1伝動部6aを介して第1モータ52の駆動力が伝動されるように、第1伝動部6aが連結されている。即ち、第1後端ローラ6は、主ローラとして機能し、第1無端ベルト7を介して従ローラである第1前端ローラ8と連動するように構成されている。更に、第1ベルトコンベアは、第1後端ローラ6を枢軸として第1前端ローラ8が水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在に設けられ、第1フレーム38に連結された流体圧シリンダ40により第1ベルトコンベア5を陽動させることができる。流体圧シリンダ40は、図2に示すように、取付部材40a、40b、40cによりベースフレーム4及び/又はその外壁に固定されている。また、図2では、水平位置の第1ベルトコンベア5を一点鎖線で、下方傾斜配置にある場合を実線で示している。
【0035】
第2ベルトコンベア9は、第2後端ローラ10、第2前端ローラ12、補助ローラ32、44、第2無端ベルト11(図2参照)、第2フレーム24a及びこれと対を為す反対側の第1フレーム(図示せず)から構成され、第2後端ローラ10、第1前端ローラ12及び補助ローラ32、44は、第2フレーム24a及びこれと対を為す反対側の第2フレーム(図示せず)に所定の間隔を保持するように回転自在に固定されている。第2後端ローラ10は、ベースフレーム4に回転自在に取付けられると共に、第2後端ローラ10に連結されて前記ベースフレーム4の外に突出する第2伝動部(図示せず)と第2モータ56の軸部の間に設けられる伝動機構(図示せず)により、第2モータ56の駆動力が伝動される。即ち、第2後端ローラ10は、主ローラとして機能し、第2無端ベルト11を介して従ローラである第2前端ローラ8と連動するように構成されている。補助ローラ32、44も従ローラとして付設されており、第2フレーム間の固定強度を補助する作用を有している。
【0036】
第3ベルトコンベア13は、第3後端ローラ14、第2前端ローラ16、補助ローラ34、46(図2参照)、第3無端ベルト15(図2参照)及び第3フレーム26a、26bから構成され、第3後端ローラ14、第1前端ローラ16及び補助ローラ34、46は、第3フレーム26a、26bに所定の間隔を保持するように回転自在に固定されている。更に、第3ベルトコンベア13は、第2ベルトコンベア9より前後に延出して配置され、第1ベルトコンベア5が下方傾斜配置のとき、第3ベルトコンベア13と前記第1ベルトコンベア5が連続する。また、第3後端ローラ14は、ベースフレーム4に回転自在に取付けられると共に、第3伝動部14aと第3モータ54の軸部54aの間に設けられる伝動機構(図示せず)により、第3モータ54の駆動力が伝動される。即ち、第3後端ローラ14は、主ローラとして機能し、第3無端ベルト15を介して従ローラである第3前端ローラ16と連動するように構成されている。補助ローラ34、46も従ローラとして付設されており、第3フレーム間の固定強度を補助する作用を有している。更に、第3ベルトコンベア13は、第2ベルトコンベア9の下方に所定間隙で水平配置され、折畳重合装置2の稼動中も、第2ベルトコンベア9と第3ベルトコンベア13の配置が第1ベルトコンベア5のように変化することはなく、第2ベルトコンベア9と第3ベルトコンベア13は、固定フレーム30a、30b及び固定フレーム31a、31bにより第2フレーム対と第3フレーム対がそれぞれ固定されている。
【0037】
第4ベルトコンベア17は、第4後端ローラ18、第4前端ローラ20、固定部材39、第4無端ベルト19(図2参照)、第4フレーム28a、28b及び第4フレーム36から構成され、第4後端ローラ18及び第4前端ローラ20は、第4フレーム36及び固定部材39により固定される第4フレーム28a、28bに、所定の間隔を保持して回転自在に固定されている。第1ベルトコンベアと同様に、第4前端ローラ20は、ベースフレーム4に回転自在に取付けられると共に、第4伝動部20aと第4モータ58の軸部58aの間に設けられる伝動機構(図示せず)により、第4伝動部20aを介して第4モータ58の駆動力が伝動されるように、第4伝動部20aが連結されている。即ち、第4前端ローラは、主ローラとして機能し、第4無端ベルト19を介して従ローラである第4後端ローラ18と連動するように構成されている。また、前述の第1及び第3モータは、ベースフレーム4に固定されるモータ載置板60に設置され、第2モータはモータ載置板62に、そして第4モータはモータ載置板61に設置されている。
【0038】
第4ベルトコンベア17は、第3ベルトコンベア13と連続するように、下方傾斜配置に設置され、第3ベルトコンベア13から供給される平面状可撓性部材を搬出するために設けられている。しかし、図1及び図2に示した折畳重合装置2では、第4ベルトコンベアが第4前端ローラ20を枢軸として第4後端ローラ18を水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動するように構成されており、図2では、水平位置の第4ベルトコンベア17を一点鎖線で、下方傾斜配置にある場合を実線で示している。従って、折畳重合装置2は、略対称な構造を有しており、第4ベルトコンベア17側から平面状可撓性部材を供給し、折畳む又は重合させることもできる。尚、第1ベルトコンベア5と同様に、第4フレーム36に連結された流体圧シリンダ42により第4ベルトコンベア17を揺動させることができる。流体圧シリンダ42は、図2に示すように、取付部材42a、42b、42cによりベースフレーム4及び/又はその外壁に固定されている。
【0039】
更に、折畳重合装置2には、各モータの駆動回路や駆動制御装置が収納されたハウジング72、74、76と操作盤70が設置され、図示していないが、各ベルトコンベアには、平面状可撓性部材の位置を検知するためのセンサが設けられている。
図3には、本発明に係る折畳重合装置2を駆動制御する制御システムの概略図を示している。第1モータ52、第2モータ56、第3モータ54、第4モータ58には、それぞれ、第1モータ駆動回路81、第2モータ駆動回路82、第3モータ駆動回路83、第4モータ駆動回路84が接続され、これらのモータ駆動回路は全て駆動制御装置64に接続されている。更に、駆動制御装置64には、各ベルトコンベア及びその近くに設置され平面状可撓性部材の搬送状況を検知する第1センサ66、第2センサ67、第3センサ68及び第4センサ69が接続されると共に、操作者が折畳重合装置の設定を入出力することができ、また手動での操作を行うことができる操作盤70が接続されている。従って、操作者による折畳重合装置の設定に従って、各センサにより平面状可撓性部材の位置を検知し、各センサからの信号に基づいてモータ駆動回路を介して第1〜第4モータを制御し、各ベルトコンベアの正転、逆転又は停止を自動制御することができる。尚、駆動制御装置64と操作盤70をコンピュータに置き換えることができる。
【0040】
図4及び図5は、本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の重合方法を示す工程図である。尚、以下の図面では、各ベルトコンベアを構成する部材の一部を省略し、ベルトコンベアの動作のみを明確に示している。(4A)では、平面状可撓性部材として、パイル面が上面配置されたマットM1が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給され、搬入用ベルトコンベア78と第1ベルトコンベア5の正転によりマットM1を前進させている。(4B)は、マットM1の先端縁が第2ベルトコンベア9上の所定位置に達するまでマットM1を前進させ、マットM2が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給された状態で搬入用ベルトコンベア78と第1ベルトコンベア5を停止させている。(4C)では、第1後端ローラ6を枢軸として第1前端ローラ8が所定角度だけ下方傾斜配置へ揺動され、第1ベルトコンベア5が下方へ傾斜し、マットM1の後端縁が垂下して後端縁とその近傍が第1ベルトコンベア5上に載置されている。従って、(4D)に示すように、第1ベルトコンベア5、第3ベルトコンベア13及び搬入用ベルトコンベア78を正転させれば、マットM1の後端縁は前進し、マットM1の後端縁とその近傍のパイル面が下面配置される。このとき、第2ベルトコンベア9は停止した状態であり、マットM2は正転する第1ベルトコンベア5上を前進する。
【0041】
図5の(5A)では、マットM1の後端縁が第3ベルトコンベア13上の所定位置まで前進した状態で、第3ベルトコンベア13を停止させ、マットM2の先端縁が第1ベルトコンベア5上の重合位置に到達するまでマットM2を前進させている。所定位置及び重合位置は、重合するマットM1、M2のずれ幅Δに応じて設定されている。(5B)では、ずれ幅Δに設定された状態で、第1ベルトコンベア5、第3ベルトコンベア13、第4ベルトコンベア17及び搬入用ベルトコンベア78を正転させ、第2ベルトコンベア9を逆転させることにより、マットM1、M2のパイル面を対面させて重合させると共に、対面したマットM1、M2が一体となり前方に搬出されている。(5C)では、更に、マットM1、M2が重合状態で第4ベルトコンベア17上まで搬送されている。
【0042】
図6は、図4及び図5に示した重合方法のタイムチャートである。(6A)は第1ベルトコンベア5、(6B)は第2ベルトコンベア9、(6C)は第3ベルトコンベア13、(6D)は第4ベルトコンベア17のタイムチャートを示しており、各縦軸はベルトコンベアの速度、横軸は時刻を示している。速度が正の値の場合、ベルトコンベアが正転方向に駆動していることを示し、速度が負の値の場合、ベルトコンベアが逆転方向に駆動していることを示している。時刻Sまでは、図4の(4A)、(4B)に対応し、マットM1が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給され、マットM1の先端縁が第2ベルトコンベア9上の所定位置に達するまでマットM1を前進させることを示している。前マットM1の先端縁が記所定位置に到達した時刻が時刻Sに対応し、(6A)の第1ベルトコンベア5と(6B)の第2ベルトコンベア9が停止し、時刻Sまでの時間に第1ベルトコンベア5を下方傾斜位置まで揺動させている。時刻Sから時刻Sまでの時間は、図4の(4C)、(4D)に対応し、(6A)の第1ベルトコンベア5、(6C)の第3ベルトコンベア13を正転させ、(6B)の第2ベルトコンベア9を停止させた状態で、マットM1の後端縁が前進すると共に、マットM2が第1ベルトコンベア5上を前進する。時刻Sで(6C)の第3ベルトコンベア13を停止し、時刻Sまでの時間にマットM2の先端縁を第1ベルトコンベア5上の重合位置まで前進させる。時刻SでマットM1、M2が所定のずれ幅Δに設定されると同時に、(6A)の第1ベルトコンベア5をそのまま正転させた状態で、(6B)の第2ベルトコンベア9を逆転させ、(6C)の第3ベルトコンベア13及び(6D)の第4ベルトコンベア17を正転させる。時刻Sから時刻Sまでの過程は、図5の(5A)、(5B)に対応し、マットM1、M2のパイル面を対面させて重合させると共に、対面したマットM1、M2が一体となり前方に搬出されている。時刻Sでは、(6A)の第1ベルトコンベア5と(6B)の第2ベルトコンベア9からマットM1、M2が完全に搬出されることから、各ベルトコンベアが停止されている。時刻Sから時刻Sまでの過程は、図5の(5C)に対応し、一体に重合されたマットM1、M2が折畳重合装置から完全に搬出されるまで(6C)の第3ベルトコンベア13と(6D)の第4ベルトコンベア17を正転させている。従って、マットM1、M2をずれ幅Δで重合させる1周期はTとなる。
【0043】
図7は、本発明に係る図6の重合方法の変形例を示すタイムチャートである。図6において、時刻Sから時刻Sまでの間、一体に重合されたマットM1、M2が折畳重合装置から完全に搬出されるまで、(6A)の第1ベルトコンベア5と(6B)の第2ベルトコンベア9を停止させていた。図7では、マットM1、M2が折畳重合装置から完全に搬出される前に、時刻Sで(6A)の第1ベルトコンベア5と(6B)の第2ベルトコンベア9を正転させ、次に重合させる2枚のマットを折畳重合装置2に供給している。また、時刻SでマットM1、M2が折畳重合装置から完全に搬出されている。停止状態にあった(6A)の第1ベルトコンベア5と(6B)の第2ベルトコンベア9を利用することにより、稼動効率を向上させることができる。従って、Tを次の重合が開始されるまでの時間と定義すれば、図7では図6に比べTが短縮されていることが分かる。
【0044】
図8は、本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の重合方法の変形例を示す工程図である。(8A)では、パイル面が上面配置されたマットM1が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給され、搬入用ベルトコンベア78と第1ベルトコンベア5の正転によりマットM1を前進させている。(8B)では、マットM1の先端縁が第2ベルトコンベア9上の所定位置に達するまでマットM1を前進させる。マットM2が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給されるとき、マットM1とマットM2の間隔が後述するように所定間隔に設定されている。(8C)では、第1後端ローラ6を枢軸として第1前端ローラ8が所定角度だけ下方傾斜配置へ揺動され、第1ベルトコンベア5が下方へ傾斜し、マットM1の後端縁が垂下して後端縁とその近傍が第1ベルトコンベア5上に載置される。図4の(4D)及び図5の(5A)では、マットM2の先端縁が第1ベルトコンベア5上の重合位置に到達するまで、マットM1の後端縁が第3ベルトコンベア13上の所定位置まで前進した状態で、第3ベルトコンベア13を停止させていた。図8の(8D)に示すように、マットM1とマットM2の間隔を所定間隔に設定することにより、第3ベルトコンベアを正転させると共に第1ベルトコンベア5及び搬入用ベルトコンベア78をそのまま正転させる。従って、マットM1の後端縁を第3ベルトコンベア13上の所定位置まで前進させると同時に、M2を第1ベルトコンベア5上の重合位置まで前進させ、(8D)から(5A)に示す状態に到達させることができる。
【0045】
図9は、図8に示した重合方法のタイムチャートである。図6及び図7と同様に、(9A)は第1ベルトコンベア5、(9B)は第2ベルトコンベア9、(9C)は第3ベルトコンベア13、(9D)は第4ベルトコンベア17のタイムチャートを示している。時刻tまでは、図8の(8A)、(8B)に対応し、前マットM1の先端縁が記所定位置に到達した時刻が時刻Sに対応し、(9A)の第1ベルトコンベア5と(9B)の第2ベルトコンベア9を停止させ、時刻tまでの時間に第1ベルトコンベア5を下方傾斜位置まで揺動させている。時刻tから時刻tまでの時間は、図8の(8C)、(8D)に対応し、(9A)の第1ベルトコンベア5を正転させ、(9C)の第3ベルトコンベア13を時刻tの直前からを正転させ、(9B)の第2ベルトコンベア9を停止させている。図9では、マットM1とマットM2の間隔を所定間隔に設定することにより、図6及び図7の時刻Sのように、時刻tから時刻tの間に(9C)の第3ベルトコンベア13を停止させる必要が無く、マットM1の後端縁を第3ベルトコンベア13上の所定位置まで前進させながら、マットM2の先端縁を第1ベルトコンベア5上の重合位置まで前進させることができる。従って、(9C)の第3ベルトコンベア13を停止させる時間のロスが短縮され、折畳重合装置の稼動効率が向上する。
【0046】
図10は、図10及び図11は、本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の折畳方法を示す工程図である。(10A)及び(10B)では、パイル面が上面配置された比較的サイズの大きなマットM3を搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給し、マットM3の先端縁が第4ベルトコンベア17上の所定位置に到達するまでマットM3を前進させる。(4C)では、マットM3の先端縁が第4ベルトコンベア17上の所定位置に到達したとき、第1ベルトコンベア5を下方傾斜配置に揺動させ、マットM3の中間部が自重で垂下して折曲部80が形成される。(10C)及び(10D)に示すように、折曲部80が第3ベルトコンベアに上に載った状態で、第2ベルトコンベア9を逆転させ、第1ベルトコンベア5、第3ベルトコンベア13及び搬入用ベルトコンベア78を正転させれば、パイル面が対面するようにマットM3が折畳まれる。更に、このようなベルトコンベアの稼動状態を保持すれば、マットM3は折畳まれながら、第3ベルトコンベア13上を折曲部80から前進し、図11の(11A)に示すように、マットM3が完全に折畳まれる。マットM3の先端縁と後端縁がずれ幅Δを有するように、上記した第4ベルトコンベア17上の所定位置が設定されており、マットM3の折畳状態は両端縁がずれ幅Δを有している。(11B)に示すように、折畳まれたマットM3は、第3ベルトコンベア13上を更に前進し、(11C)では、マットM3が第1ベルトコンベア5上を通過した後、第1ベルトコンベア5を水平位置に復元させている。
【0047】
図12は、図10及び図11に示した重合方法のタイムチャートである。(12A)は第1ベルトコンベア5、(12B)は第2ベルトコンベア9、(12C)は第3ベルトコンベア13、(12D)は第4ベルトコンベア17のタイムチャートを示している。時刻Pまでは、図10の(10A)、(10B)に対応し、マットM3が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給され、マットM3の先端縁が第4ベルトコンベア17上の所定位置に達するまでマットM3を前進させている。マットM3の先端縁が記所定位置に到達した時刻が時刻Pに対応し、(12A)の第1ベルトコンベア5と(12B)の第2ベルトコンベア9が停止し、時刻Pまでの時間に第1ベルトコンベア5を下方傾斜位置まで揺動させ、マットM3の折曲部80が形成される。時刻Pから時刻Pまでの時間は、図10の(10C)、(10D)及び図11の(11A)、(11B)に対応し、(12A)の第1ベルトコンベア5、(12C)の第3ベルトコンベア13を正転させ、(12B)の第2ベルトコンベア9を逆転させるから、パイル面が対面するようにマットM3が折畳まれながら、第3ベルトコンベア13上を折曲部80から前進する。時刻Pでは、マットM3が第1ベルトコンベア5上を通過したことにより、全てのベルトコンベアを停止して、時刻Pまでに第1ベルトコンベア5が水平位置に復元される。更に、時刻Pでは、(12A)の第1ベルトコンベア5、(12B)の第2ベルトコンベア9、(12D)の第4ベルトコンベア17を正転させ、次のマットが折畳重合装置内に供給される。
【0048】
図13は、本発明に係る重合方法により2枚のマットM1、M2を重合させて芯材に巻き取った状態を示す構成概略図である。重合されたマットM1、M2を芯材86で巻き取る場合、前述のように、パイル面が露出すると、吸着剤が他のマットや移送装置若しくは作業員の衣服等に付着する、または洗浄後のマットの場合、パイル面に汚れが付着するという問題点があった。これを解決する方法としては、外側に巻かれるマットM1をマットM2からずれ幅Δだけずらした状態に重合し、芯材86で巻き取る方法あり、パイル面の露出を防止することができる。上記の折畳重合装置によれば、重合されるマットM1、M2の端縁を比較的簡単に調整することができる。
図14には、本発明に係る折畳方法によりマットM3を折畳んで芯材に巻き取った状態を示す構成概略図である。図13と同様に、マットM3の外側がずれ幅Δだけ内側より突出するように折畳んで、芯材86により巻き取るから、パイル面の露出が防止される。
【0049】
図15及び図16は、本発明に係る折畳重合装置を用いてマットM1、M2の両端縁を一致させて重合する方法を示す工程図である。前述のように、所定位置及び/又は折曲部の位置を自在に調整して、マットM1、M2の両端縁を一致させることができる。(15A)では、パイル面が上面配置されたマットM1が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給される。(15B)では、マットM1の先端縁が第2ベルトコンベア9上の所定位置に達するまでマットM1を前進させ、マットM2が搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給された状態で搬入用ベルトコンベア78と第1ベルトコンベア5を停止させている。(15C)では、第1後端ローラ6を枢軸として第1前端ローラ8が所定角度だけ下方傾斜配置へ揺動され、第1ベルトコンベア5が下方へ傾斜し、マットM1の後端縁が垂下している。(16A)に示すように、第2ベルトコンベア9を停止させた状態で、マットM2の先端縁が第1ベルトコンベア5上の重合位置に到達するまでマットM2を前進させる。所定位置及び重合位置は、重合するマットM1、M2が一致するように設定されている。(16B)では、マットM1、M2が一致した状態で、第1ベルトコンベア5、第3ベルトコンベア13、第4ベルトコンベア17及び搬入用ベルトコンベア78を正転させ、第2ベルトコンベア9を逆転させることにより、マットM1、M2のパイル面を対面させて重合させる。従って、対面したマットM1、M2は一体となり前方に搬出されている。(16C)では、更に、マットM1、M2が重合状態で第4ベルトコンベア17上まで搬送されている。
【0050】
図17は、本発明に係る折畳重合装置を用いてマットM3の両端を一致させて折畳む方法を示す工程図である。(17A)では、パイル面が上面配置された比較的サイズの大きなマットM3を搬入用ベルトコンベア78から第1ベルトコンベア5に供給し、マットM3の先端縁を第4ベルトコンベア17上の所定位置に到達させ、第1ベルトコンベア5を下方傾斜配置に揺動させてマットM3の中間部を自重により垂下させ、折曲部80を形成させている。(17B)及び(17C)に示すように、折曲部80が第3ベルトコンベアに上に載った状態で、第2ベルトコンベア9を逆転させ、第1ベルトコンベア5、第3ベルトコンベア13及び搬入用ベルトコンベア78を正転させれば、パイル面が対面するようにマットM3が折畳まれる。マットM3の先端縁と後端縁が一致するように第4ベルトコンベア17上の所定位置が設定されており、マットM3の折畳状態では両端縁が一致している。
【0051】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、折込部材などの余分な部材を必要とせず、4台のベルトコンベアだけの簡単な構造で、動作時にベルトコンベアやそのローラを大幅に移動させること無く、平面状可撓性部材を折畳む又は重合する折畳重合装置又はこれを用いた折畳重合方法を提供することができる。ローラの移動に伴う動作時の負荷が小さく、応力の蓄積や磨耗といった機械的な疲労が低減されるから、折畳重合装置の耐久性を格段に向上させることができ、煩雑なメンテナンス作業を軽減させて折畳重合装置のランニングコストを低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る折畳重合装置の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る折畳重合装置の断面概略図である。
【図3】本発明に係る折畳重合装置を駆動制御する制御システムの概略図である。
【図4】本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の重合方法を示す工程図である。
【図5】本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の重合方法を示す工程図である。
【図6】図4及び図5に示した重合方法のタイムチャートである。
【図7】本発明に係る図6の重合方法の変形例を示すタイムチャートである。
【図8】本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の重合方法の変形例を示す工程図である。
【図9】図8に示した重合方法のタイムチャートである。
【図10】本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の折畳方法を示す工程図である。
【図11】本発明に係る折畳重合装置を用いた平面状可撓性部材の折畳方法を示す工程図である。
【図12】図10及び図11に示した重合方法のタイムチャートである。
【図13】本発明に係る重合方法により2枚のマットを重合させて芯材に巻き取った状態を示す構成概略図である。
【図14】本発明に係る折畳方法によりマットを折畳み芯材に巻き取った状態を示す構成概略図である。
【図15】本発明に係る折畳重合装置を用いて2枚のマットの両端縁を一致させて重合する方法を示す工程図である。
【図16】本発明に係る折畳重合装置を用いて2枚のマットの両端縁を一致させて重合する方法を示す工程図である。
【図17】本発明に係る折畳重合装置を用いてマットの両端縁を一致させて折畳む方法を示す工程図である。
【図18】従来の平面状可撓性部材折畳方法を示す工程図である。
【図19】従来の方法により重合された2枚のマットが芯材に巻き取られた状態を示す概略図である。
【図20】4個のベルトコンベアと折込部材からなる従来の衣類折畳装置の工程図である。
【符号の説明】
【0054】
2 折畳重合装置
4 ベースフレーム
5 第1ベルトコンベア
6 第1後端ローラ
6a 第1伝動部
7 第1無端ベルト
8 第1前端ローラ
9 第2ベルトコンベア
10 第2後端ローラ
11 第2無端ベルト
12 第2前端ローラ
13 第3ベルトコンベア
14 第3後端ローラ
14a 第3伝動部
15 第3無端ベルト
16 第3前端ローラ
17 第4ベルトコンベア
18 第4後端ローラ
19 第4無端ベルト
20 第4前端ローラ
20a 第4伝動部
22a 第1フレーム
22b 第1フレーム
24a 第2フレーム
24b 第2フレーム
25 センサ
26a 第3フレーム
26b 第3フレーム
28a 第4フレーム
28b 第4フレーム
30a 固定フレーム
30b 固定フレーム
31a 固定フレーム
31b 固定フレーム
32 補助ローラ
36 第4固定フレーム
38 第1固定フレーム
39 補助ローラ
40 流体圧シリンダ
40a 取付部材
40b 取付部材
40c 取付部材
42 流体圧シリンダ
42a 取付部材
42b 取付部材
42c 取付部材
44 補助ローラ
46 補助ローラ
48 固定部材
50 固定部材
52 第1モータ
52a 接続部
54 第3モータ
54a 軸部
56 第2モータ
58 第4モータ
58a 軸部
60 モータ載置板
61 モータ載置板
62 モータ載置板
64 駆動制御装置
66 第1センサ
67 第2センサ
68 第3センサ
69 第4センサ
70 操作盤
72 ハウジング
74 ハウジング
76 ハウジング
78 搬入用ベルトコンベア
80 折曲部
81 第1モータ駆動回路
82 第2モータ駆動回路
83 第3モータ駆動回路
84 第4モータ駆動回路
86 芯材
105 搬送ベルト
107 前側ターンローラ
108 搬送始端ローラ
109 後側ターンローラ
110 搬送終端ローラ
111 移動式ターンローラ
186 芯材
201 第1ベルトコンベア
201 第2ベルトコンベア
203 第3ベルトコンベア
204 第4ベルトコンベア
205 第1折込部材
206 第2折込部材
213 衣服
M1 マット
M2 マット
M3 マット
m マット
m1 マット
m2 マット
Δ ずれ幅
δ ずれ幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1後端ローラを枢軸として第1前端ローラが水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在に設けられて平面状可撓性部材を前方へ供給する第1ベルトコンベアと、前記第1ベルトコンベアの水平配置と面一に水平配置されて前記第1ベルトコンベアが水平状態で供給する平面状可撓性部材を正転状態で受取る第2ベルトコンベアと、前記第2ベルトコンベアの下方に所定間隙で水平配置されて前記第2ベルトコンベアが逆転状態で前記平面状可撓性部材を受取る第3ベルトコンベアと、前記第1〜第3ベルトコンベアを駆動制御する駆動制御装置から少なくとも構成され、1枚の平面状可撓性部材を折畳状態又は2枚の前記平面状可撓性部材のパイル面を対面させた重合状態で前記第3ベルトコンベアにより前方へ搬出することを特徴とする平面状可撓性部材折畳重合装置。
【請求項2】
第4前端ローラを枢軸として第4後端ローラを水平配置又は所定角度だけ下方傾斜配置に揺動自在な第4ベルトコンベアを設け、前記第4後端ローラは、水平配置で前記第2ベルトコンベアと面一に連続し、下方傾斜配置で前記第3ベルトコンベアと連続する請求項1に記載の平面状可撓性部材折畳重合装置。
【請求項3】
前記第3ベルトコンベアは、前記第2ベルトコンベアより前後に延出して配置され、前記第1ベルトコンベアが下方傾斜配置のときに前記第3ベルトコンベアと前記第1ベルトコンベアが連続する請求項1又は2に記載の平面状可撓性部材折畳重合装置。
【請求項4】
前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作がセンサ検出を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御される請求項1、2又は3に記載の平面状可撓性部材折畳重合装置。
【請求項5】
前記第1ベルトコンベア、前記第3ベルトコンベア及び第4ベルトコンベアの正転動作と第2ベルトコンベアの正逆転動作をコンピュータの時間制御を介して前記駆動制御装置によりオンオフ制御する請求項1、2又は3に記載の平面状可撓性部材折畳重合装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置を用いて平面状可撓性部材を折畳む方法であり、水平配置の前記第1ベルトコンベアと前記第2ベルトコンベアを正転させてパイル面を上面配置した前記平面状可撓性部材をその先端が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記平面状可撓性部材の中間部を自重で垂下させて折曲部を形成し、前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前記第3ベルトコンベアに上に載せてパイル面が対面するように前記平面状可撓性部材を折畳み、前記第1及び第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させて前記折曲部を前進させることにより前記平面状可撓性部材を折畳んで搬出することを特徴とする平面状可撓性部材折畳方法。
【請求項7】
前記所定位置及び/又は前記折曲部の位置を自在に調整して前記平面状可撓性部材の両端縁が一致する又はずれ幅Δを有するように設定される請求項6に記載の平面状可撓性部材折畳方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置を用いて2枚の平面状可撓性部材をパイル面が対面ように重合する方法であり、水平配置の前記第1ベルトコンベアと前記第2ベルトコンベアを正転させてパイル面を上面配置した前記第1平面状可撓性部材をその先端縁が前記第2ベルトコンベア上又はその前方の所定位置に到達するまで搬送し、前記第1前端ローラを下方傾斜配置に揺動させて前記第1平面状可撓性部材の後端縁を垂下させ、パイル面を上面配置した第2平面状可撓性部材の先端縁を下方傾斜配置した前記第1ベルトコンベアを正転させて重合位置まで前進させ、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させながら、前記第1平面状可撓性部材と前記第2平面状可撓性部材のパイル面を対面させ、対面した両平面状可撓性部材を一体に前方に搬出することを特徴とする平面状可撓性部材重合方法。
【請求項9】
前記第1平面状可撓性部材の後端縁が前記第2平面状可撓性部材の先端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定され、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第1ベルトコンベア又は第3ベルトコンベア上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材を前進させて前記第2平面状可撓性部材上に前方にずれ幅Δだけずれた状態で前記パイル面を対面させる請求項8に記載の平面状可撓性部材重合方法。
【請求項10】
前記第1平面状可撓性部材の後端縁と前記第2平面状可撓性部材の先端縁が一致するように又は前記先端縁が前記後端縁からずれ幅Δだけ前方に位置して対面するように前記所定位置及び/又は前記重合位置が設定され、前記第1ベルトコンベアと第3ベルトコンベアを正転させ且つ前記第2ベルトコンベアを逆転させるとき、前記第2平面状可撓性部材のパイル面上に載せられた前記後端縁から前記第1平面状可撓性部材のパイル面を対面させる請求項8に記載の平面状可撓性部材重合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−154981(P2009−154981A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331768(P2007−331768)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】