説明

年齢確認装置、年齢確認方法、及び年齢確認プログラム

【課題】年齢確認が不要な対象者(確実な年齢制限対象者または確実な非年齢制限対象者)であるか年齢確認が必要な対象者(要確認者)であるか特定する年齢確認装置を提供することを目的とする。
【解決手段】取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出手段と、前記対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、年齢確認装置、年齢確認方法、及び年齢確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酒類やたばこの販売の際に年齢確認を義務付ける未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法の改正法の制定や、18歳未満の遊戯場への立ち入らせへの罰則を風俗営業者側に強化する風営適正化法の施行といった、未成年者の購入や、立ち入りを禁止する対策や法案が施行されつつある。これに伴い、成人識別機能付き自動販売機の導入や、店員が店舗を監視して、未成年者を監視するなど、店舗や自販機においては、未成年者に対する様々な対策が実施されつつある。
【0003】
例として、非特許文献1は、ICチップを搭載した非接触型カードを成人にのみ発行することで、タバコ購入が可能となる方式を開示している。また、非特許文献2は、自販機にインターホンカメラを設置し、センター内のオペレータが、購入者をカメラで目視確認して対面販売を行うシステムを開示している。
【0004】
特許文献1は、自販機に設置された呼び出しボタン、カメラを含むインターホン子機と証明カードリーダ、自販機設置エリアを撮影するカメラ等を備え、年齢制限商品の自動販売機を店内オペレータまたはオペレーションセンタにより監視、および制御することを開示する。
【0005】
特許文献2は、自動販売機利用者を撮影し得るように取り付けた監視用カメラと、自動販売機から離れた監視位置に置かれ監視用カメラの撮像を目視し得るモニターと、監視位置から自動販売機に貨幣投入禁止信号を送信し得る制御器とを備え、監視用カメラにより撮影された利用者が未成年者であると目視されたとき、制御器を操作して自動販売機の主制御部に貨幣投入禁止信号を発することを開示する。
【0006】
特許文献3は、利用者の顔画像を用いて利用者認証を行い、利用者に応じたデータ操作表示を行うことを開示する。
【特許文献1】特開2002−367018号公報
【特許文献2】特開2001−14519号公報
【特許文献3】特開2005−266421号公報
【非特許文献1】社団法人日本たばこ協会、“(資料3−1−9)成人識別機能付自動販売機について”、[online]、[平成18年11月10日検索]、インターネット<URL: http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/11/dl/s1108-6c3.pdf>
【非特許文献2】株式会社フジタカ、“リモート監視ペアレントシステム(登録商標)”、[online]、[平成18年11月10日検索]、インターネット<URL: http://www.fujitaka.com/products/vendor/liquor_vendor/parentsystem.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1及び非特許文献2に記載の方法は、成人か未成年者かどうかを見分けるために有効な手段である。しかし、一方で、カードを発行した人にしか自販機が使えないという一部制約が生じたり、また対面販売を行うとなると、オペレータの人件費という面でコストがかさんだりといった問題が生じる。
【0008】
特許文献1は、オペレータがその客の容貌を観察し、必要に応じて対話することによっ
て、販売可否を決定するものである。対面販売では、自販機稼動時に、オペレータが常に確認しなければならず、オペレータの人件費という面で、コストが発生し、効率的な判断手段とは言い難い。
【0009】
特許文献2は画像形成装置、画像形成システムに関し、顔画像を用いて、装置の操作系をカスタマイズするものであり、セキュリティ確保を目的としたものではない。そのため、高い推定精度は必ずしも必要ではないという記述があり、未成年者と成人を正確に確認するという意図に沿うものではない。
【0010】
本発明は、年齢確認が不要な対象者であるか年齢確認が必要な対象者であるかを特定する年齢確認装置、年齢確認方法、年齢確認プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の年齢確認装置は上記目的を達成するため、取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出手段と、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
年齢確認装置が、複数の登録者の顔情報及び年齢情報を予め記憶している記憶手段と、年代特定手段が要確認者であると特定した場合に、要確認者の顔情報と前記記憶手段に記憶された顔情報とを照合することにより要確認者の年齢情報を取得する人物照合手段と、を更に有することが好ましい。
【0013】
また、前記人物照合手段により取得した年齢情報が年齢制限の範囲内である場合に、年代特定手段は年齢制限対象者であることを通知するための信号と顔情報とを外部に出力することが好ましい。
【0014】
照合結果が不一致の場合、人物照合手段は要確認者の顔情報及び年齢情報を記憶手段に記憶するように促すための信号を外部に出力することが好ましい。
【0015】
年齢確認装置が使用に年齢制限がある装置または年齢制限がある商品を販売する装置と共に使用されるとよい。そして、照合結果が不一致の場合、装置の外部へ要確認者が存在することを通知したり、装置の動作を停止することが好ましい。
【0016】
また、本発明の年齢確認方法は、コンピュータが、取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出ステップと、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の年齢確認プログラムは、コンピュータに、取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出ステップと、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、年齢確認が不要な対象者であるか年齢確認が必要な対象者であるかを特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る年齢確認装置の構成を示す説明図である。この年齢確認装置は、不特定対象者の年齢を確認するために用いられる装置である。例えば、本実施形態の装置は、パチンコホールやゲームセンタや映画館のように入場に年齢制限がある場所に設置され、年齢制限に該当する入場者(例えば未成年者)の発見を補助・支援する目的で利用される。
【0021】
年齢確認装置は、その機能として、撮像部10、人物情報検出手段11、年代特定手段12、人物照合手段13、人物情報データベース14、入力部15、表示部16等を備えている。点線で囲んだ部分は、コンピュータにより実現される機能である。コンピュータにおいて、補助記憶装置に格納されたプログラムが主記憶装置に読み込まれ、CPU(中央演算処理装置)によって実行されることで実現されるものである。ただし、上記機能の一部又は全部を専用のチップで構成しても構わない。人物情報検出手段11は本発明の「検出手段」に相当する。年代特定手段12は本発明の「年代特定手段」に相当する。人物照合手段13は本発明の「人物照合手段」に相当する。人物情報データベース14は本発明の「記憶手段」に相当する。
【0022】
<1.撮像部10>
撮像部10は、動画又は静止画を撮影可能な撮像装置(具体的にはデジタルビデオカメラやデジタルカメラ)を用いて構成される。撮像部10は、不特定の照合対象者を撮影し、その画像をコンピュータに入力する。尚、撮像部10を構成する撮像装置がネットワーク等を介して年齢確認装置に接続される年齢確認システムとして構築してもよい。
【0023】
<2.人物情報検出手段11>
人物情報検出手段11は、人物の身長を検出する身長検出手段や顔検出手段等の機能を備え、撮像部10で取得した画像から人物情報を得る。人物情報とは、その人物の特徴を表すものであればよく、人物情報は、少なくとも顔情報を含む。第1実施形態においては、人物情報は身長情報、顔情報を示す。身長検出手段は、撮像部10で取得した画像に含まれる人物の位置と大きさに基づき身長を推定する。顔検出手段は、撮像部10で取得した画像から照合対象者の顔を検出するとともに、その検出された顔の特徴量(顔情報)を抽出する機能である。顔検出手段による顔検出処理は、既存のどのような技術が適用されてもよい。一例を挙げると、(1)顔全体の輪郭に対応した基準テンプレートを用いたテンプレートマッチングによって顔を検出する手法、(2)顔の器官(目、鼻、耳など)に基づくテンプレートマッチングによって顔を検出する手法、(3)クロマキー処理によって頭部などの頂点を検出し、この頂点に基づいて顔を検出する手法、(4)肌の色に近い領域を検出し、その領域を顔として検出する手法、(5)ニューラルネットワークを使って教師信号による学習を行い、顔らしい領域を顔として検出する手法、などがある。なお、画像から複数の人の顔が検出された場合には、顔の大きさ、向き、位置などの所定の基準に基づいて処理対象とする顔を決定するとよい。顔情報として抽出する特徴量の種類についてはどのようなものを採用してもよい。例えば、特徴点近傍の濃淡値やその周期性・方向性、特徴点の位置関係などを特徴量として採用できる。特徴量の個数についても、期待する照合精度に応じて任意に設定できる。一般的には、数十〜数百の特徴量の組で顔情報が構成される。
【0024】
<3.年代特定手段12>
年代特定手段12は、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対
象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する。例えば、確実な年齢制限対象者(未成年者)は、人物情報に基づき10歳未満の子供であると判断される照合対象者である。確実な非年齢制限対象者(成人)は、人物情報に基づき30代以上の大人や、高齢者であると判断される照合対象者である。また、年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者は、10代〜20代の照合対象者であり、顔情報だけでは年齢制限対象者かの判断が困難である照合対象者である。
【0025】
ここで、年代を特定するための技術として、例えば“瀧川えりな、木下航一他, 「姿勢変動に対応した性別年代推定システム」,画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2006),pp1375−pp1376,2006年7月”を採用してもよい。
【0026】
この公知技術を用いると、年代を10歳未満、10代、20−30代、40−50代、60代といった5つの層に分類することが可能である。本年齢確認装置にこの技術を適用する場合、例えば10歳未満と判定される顔を、「確実な年齢制限対象者」、40代以上と判定される顔を店員の確認が不要とする、「確実な非年齢制限対象者」とし、10代−30代を年齢確認が必要な「年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者」と設定する(要確認者に設定される年代層のことを「グレー層」ともよぶ。)。「要確認者」以外と判定された照合対象者に対しては、店員等が年齢確認すること無く、年齢制限対象者または非年齢制限対象者であることを自動的に特定することが可能である。また、この公知技術の年代層は、カスタマイズすることが可能であるので、よりグレー層とみなされる年代の層を作るようにしてもよい。
【0027】
<4.人物照合手段13>
人物照合手段13は、年代特定手段12が要確認者であると特定した場合に、要確認者の顔情報と人物情報データベース14(記憶手段)に記憶された顔情報とを照合することにより要確認者の年齢情報を取得する。人物照合手段13は、顔検出手段で取得された照合対象者の顔情報を、人物情報データベース14に格納されている顔情報と比較することによって、顔照合を行う。人物照合手段13は、照合対象者の顔情報が人物情報データベース14に記憶されている顔情報と一致した場合、一致した顔情報に対応付けられている年齢情報を人物情報データベース14から取得する。人物照合手段13による顔照合処理についても、既存のどのような技術が適用されてもよい。例えば、比較対象である2つの顔情報の類似度(スコア)を算出し、そのスコアの大小を相対的に評価したり(最もスコアが大きい顔を候補として選ぶ)、絶対的に評価したり(スコアが所定のしきい値以上の顔を候補として選ぶ)すればよい。
【0028】
<5.人物情報データベース14>
人物情報データベース14は、複数の登録者の顔情報と年齢情報を予め記憶している。ここで、人物情報データベース14に登録すると、「要確認者」と判断された人物がリピーター客であれば、人物情報データベース14に一度登録することにより再度来店する際に店員が年齢確認する必要がなくなる。
【0029】
<年齢確認装置の動作フロー>
図2は、年齢確認装置の動作フローの例を示す説明図である。本動作フローでは、例えば、所定時間毎に年齢確認装置を動作する例で説明する。所定時間毎とは、例えば、1秒、3秒、5秒等の時間間隔である。
【0030】
撮像部10は店舗等に設置されており、所定時間毎に撮像を開始する(S10)。撮像部10で取得された画像に人物の画像が含まれる場合、人物情報検出手段11は、対象者の画像から顔情報等の人物情報(身長情報、顔情報)を検出する(S11のYES)。撮像部10で取得された画像に人物の画像が含まれない場合、処理を終了する(S11のN
O)。
【0031】
次に、年代特定手段12は、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する(S12)。
【0032】
年代特定手段12が対象者が確実な年齢制限対象者であると特定した場合、年齢確認装置は、年齢制限対象者が存在することを通知する(S17)。例えば、店員等に通知するために、表示部16に年齢制限対象者と特定された対象者の顔画像及び年齢制限対象者であることを表示する。尚、この際に、アラーム等の音声を同時に鳴らすようにしてもよい。
【0033】
年代特定手段12が対象者が確実な非年齢制限対象者であると特定した場合、処理を終了する(S12)。
【0034】
年代特定手段12は、対象者が要確認者であると特定した場合、対象者の人物照合を実行する(S13)。年代特定手段12は人物照合手段13に対象者の顔情報を渡す。人物照合手段13は、対象者の顔情報と人物情報データベース14に記憶された顔情報を照合する。照合結果が不一致の場合、年齢確認装置は、店員等に通知するために、表示部16に要確認者と特定された対象者の顔画像及び要確認者であることを表示させる(S14)。尚、この際に、アラーム等の音声を同時に鳴らすようにしてもよい。
【0035】
そして、人物照合手段13は要確認者の顔情報及び年齢情報を記憶手段に記憶するように促すための信号を出力する。そして、年齢確認装置は、要確認者の顔情報及び年齢情報を入力させる入力欄を表示部16(本発明の「外部」に相当)に表示させる。店員等が要確認者に年齢を確認し、入力部15により年齢情報を入力欄に入力し確定する。人物情報データベース14には、要確認者の顔情報と年齢情報が登録される(S15)。
【0036】
照合結果が一致の場合、人物照合手段13は、取得した年齢情報に基づき年齢制限対象者であるかを判断する(S16)。年齢制限対象者である場合、年齢確認装置は、店員等に通知するために、表示部16に年齢制限対象者と特定された対象者の顔画像及び年齢制限対象者であることを表示する(S16、S17)。尚、この際に、アラーム等の音声を同時に鳴らすようにしてもよい。年齢制限対象者でない場合、処理を終了する。
【0037】
本実施形態では、確実な年齢制限対象者、確実な非年齢制限対象者、年齢制限対象者かの判定が困難な要確認者であるかを年齢確認装置により自動で特定することができる。年齢の確認をすべき対象者が「要確認者」だけに絞られるので、店員等の負担が極めて軽減される。また、一度年齢確認を行ったら(人物情報データベース14に情報が登録されたら)、それ以降はその客の年齢確認が不要となるので、店員等の負担が一層軽減される。しかも、同じ客に何度も年齢確認を行うといった事態を防ぐことができ、良好なサービスの提供が可能となる。年齢制限対象者としては、未成年者の他に、18歳未満である対象者であってもよい。この場合、ステップS16で使用される閾値を変更することにより、本実施形態が適用可能である。
【0038】
<第2実施形態>
図3は本発明の一実施形態に係る年齢確認装置の構成を示す説明図である。年齢確認装置は、その機能として、撮像部10、人物情報検出手段11、年代特定手段12、人物照合手段13、人物情報データベース14、報知部17、端末18、被制御装置19を備えている。端末18には画像等を表示する表示手段と年齢情報を入力する入力手段等が設けられている。点線で囲んだ部分は、コンピュータにより実現される機能である。コンピュ
ータにおいて、補助記憶装置に格納されたプログラムが主記憶装置に読み込まれ、CPU(中央演算処理装置)によって実行されることで実現されるものである。ただし、上記機能の一部又は全部を専用のチップで構成しても構わない。
【0039】
撮像部10、人物情報検出手段11、年代特定手段12、人物照合手段13、人物情報データベース14の基本動作は第1実施形態と同様である。本実施形態では、使用に年齢制限がある装置または年齢制限がある商品を販売する装置と共に使用される例を説明する。使用に年齢制限がある装置とは、例えば、パチンコホールに設置されるパチンコ台やゲームセンタの筺体等の遊戯装置、映画館の入場口の監視装置である。年齢制限がある商品を販売する装置とは、例えばタバコや酒類の自動販売機である。
【0040】
パチンコホールでは、出入り口やパチンコ台の列が複数ある。例えば、撮像部10を5台設けた場合に複数の出入り口やパチンコ台の列の通路を撮像する場合は、5台の撮像部10の各々の画像を取得する時間間隔を5秒に設定し、複数の撮像部10から画像を取得するタイミングを各々1秒ずらし、5秒で5台の撮像部10からの画像を取得するようにするとよい。第1実施形態で説明した表示部16への通知する場合は第1実施形態と同様の方法が採用可能である。
【0041】
以下、図4を参照して、パチンコ台(被制御装置19)で、年齢確認装置が使用される例について説明する。
【0042】
図4は、年齢確認装置の動作フローの例を示す説明図である。
【0043】
撮像部10は各パチンコ台に設置されており、所定時間毎に撮像を開始する(S10)。撮像部10で取得された画像に人物の画像が含まれる場合、人物情報検出手段11は、対象者の画像から顔情報等の人物情報(顔情報)を検出する(S11のYES)。撮像部10で取得された画像に人物の画像が含まれない場合、処理を終了する(S11のNO)。
【0044】
次に、年代特定手段12は、対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する(S12)。
【0045】
年代特定手段12が対象者が確実な年齢制限対象者であると特定した場合、年齢確認装置は、パチンコ台の動作を停止し、年齢制限対象者が存在することを通知する(S21)。例えば、店員等に通知するために、パチンコ台に設置された赤いランプ(報知部17)を点滅させ、年齢制限対象者の存在を通知する。尚、この際に、店員等が所有する携帯型の端末18にパチンコ台の番号と年齢制限対象者の顔画像を無線により通知するようにしてもよい。
【0046】
年代特定手段12が対象者が確実な非年齢制限対象者であると特定した場合、処理を終了する(S12)。
【0047】
年代特定手段12が対象者が要確認者であると特定した場合、対象者の人物照合を実行する(S13)。年代特定手段12は人物照合手段13に対象者の顔情報を渡す。人物照合手段13は、対象者の顔情報と人物情報データベース14に記憶された顔情報を照合する。照合結果が不一致の場合、年齢確認装置は、パチンコ台の動作を停止し、店員等に通知するために端末18に要確認者と特定された対象者の顔画像及び要確認者であることを表示させ、端末18の表示手段に年齢を入力する画面を表示させる(S20)。尚、この際に、アラーム等の音声を同時に鳴らすようにしてもよい。ここで、人物照合手段13は
要確認者の顔情報及び年齢情報を記憶手段に記憶するように促すための信号を端末18(本発明の「外部」に相当)に出力する。店員等が要確認者に年齢を確認し、入力手段により年齢情報を入力し確定する。人物情報データベース14には、要確認者の顔情報と年齢情報が登録される(S15)。
【0048】
照合結果が一致の場合、人物照合手段13は、取得した年齢情報に基づき年齢制限対象者であるかを判断する(S16)。年齢制限対象者(ここでは18才未満)である場合、年齢確認装置は、パチンコ台の動作を停止し、店員等に通知するために端末18に年齢制限対象者と特定された対象者の顔画像及び18才未満であることを表示する(S16、S17)。尚、この際に、アラーム等の音声を同時に鳴らすようにしてもよい。年齢制限対象者でない場合、処理を終了する。
【0049】
上述の実施形態によれば、要確認者と特定された人物が来店するたびに、店員等が年齢確認を行う必要がなくなり、店員等の負担が軽減する。また、来店の度に、来店者への不快感を与える可能性を低減できる。要確認者と特定された来店者の場合には、顔照合を行うことによって、以前の来店者であれば、照合の結果から、年齢制限対象者かどうかを登録済みのデータベース情報を用いて確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る年齢確認装置の構成を示す説明図である。
【図2】年齢確認装置の動作フローの例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る年齢確認装置の構成を示す説明図である。
【図4】年齢確認装置の動作フローの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 撮像部
11 人物情報検出手段
12 年代特定手段
13 人物照合手段
14 人物情報データベース
15 入力部
16 表示部
17 報知部
18 端末
19 被制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出手段と、
対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定手段と、
を有することを特徴とする年齢確認装置。
【請求項2】
複数の登録者の顔情報及び年齢情報を予め記憶している記憶手段と、
年代特定手段が要確認者であると特定した場合に、要確認者の顔情報と前記記憶手段に記憶された顔情報とを照合することにより要確認者の年齢情報を取得する人物照合手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の年齢確認装置。
【請求項3】
前記人物照合手段により取得した年齢情報が年齢制限の範囲内である場合に、年代特定手段は年齢制限対象者であることを通知するための信号と顔情報とを外部に出力することを特徴とする請求項2に記載の年齢確認装置。
【請求項4】
照合結果が不一致の場合、人物照合手段は要確認者の顔情報及び年齢情報を記憶手段に記憶するように促すための信号を外部に出力することを特徴とする請求項2に記載の年齢確認装置。
【請求項5】
使用に年齢制限がある装置または年齢制限がある商品を販売する装置と共に使用され、
照合結果が不一致の場合、装置の外部へ要確認者が存在することを通知することを特徴とする請求項3または4に記載の年齢確認装置。
【請求項6】
使用に年齢制限がある装置または年齢制限がある商品を販売する装置と共に使用され、
照合結果が不一致の場合、装置の動作を停止することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の年齢確認装置。
【請求項7】
コンピュータが、
取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出ステップと、
対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定ステップと、
を実行することを特徴とする年齢確認方法。
【請求項8】
コンピュータに、
取得した対象者の画像から、少なくとも顔情報を含む人物情報を検出する検出ステップと、
対象者が、確実な年齢制限対象者であるか、確実な非年齢制限対象者であるか、または年齢制限対象者かどうかの判定が困難な要確認者であるかを人物情報に基づき特定する年代特定ステップと、
を実行させるための年齢確認プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−176689(P2008−176689A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11281(P2007−11281)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】