説明

幹、枝、花又は芽の処理後において動物有害生物を防除するためのテトラミン酸誘導体の使用

本発明は、幹の処理〔噴霧、塗布(painting)、注入、塗布(application)〕の後において、枝、茎、苗条及び小枝の処理〔塗布(painting)、噴霧、塗布(application)〕の後において、並びに、注入による花又は芽の処理の後において、動物有害生物を防除するための、式(I)又は式(II)


のテトラミン酸誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹(stem)処理〔噴霧、塗布(painting on)、注入、塗布(applying)〕、枝、茎(stalk)、苗条及び小枝の処理〔塗布(painting on)、噴霧、塗布(applying)〕、注入による花の処理及び芽の処理の後における、動物有害生物(animal pest)を防除するためのテトラミン酸誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫活性及び/又は殺ダニ活性を有するテトラミン酸誘導体(WO 98/05638)及びそれらのシス異性体(WO 04/007448)は、知られている。
【0003】
注ぎ込み(pouring on)、滴下施用(trickle application)又は土壌注入の後におけるハダニ類及び昆虫類に対するテトラミン酸誘導体の使用(WO 07/126691)及び茎葉施用の後における線虫類に対するテトラミン酸誘導体の使用(米国特許出願第61/008507号)も知られており、さらに、灌注施用(drench application)の後における植物病害の防除(欧州特許出願第07150293号)についても知られている。
【0004】
別の用途については、WO 2007/131681に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第98/05638号
【特許文献2】国際公開第04/007448号
【特許文献3】国際公開第07/126691号
【特許文献4】米国特許出願第61/008507号
【特許文献5】欧州特許出願第07150293号
【特許文献6】国際公開第2007/131681号
【発明の概要】
【0006】
驚くべきことに、式(I)又は式(II)
【0007】
【化1】

の化合物も、幹処理〔例えば、塗布(painting on)による、噴霧による、塗布(applying)による、注入による〕の後において、茎、枝、小枝及び苗条の処理〔例えば、塗布(painting on)による、噴霧による、塗布(applying)による〕の後において、並びに、花芽及び花への注入(専門家の間では「芽注入(bud injection)と称されている)の後において、昆虫類及びハダニ類を防除するのに同様に適しているということが分かった。
【0008】
従って、本発明は、開放系内又は閉鎖系内(例えば、温室内又はホイルカバー下)で、一年生作物(例えば、観賞植物)及び多年生作物(例えば、熱帯果実類、柑橘類、針葉樹類、仁果類、核果類、ホップ類)において、幹施用した後、枝施用した後、茎施用した後、小枝施用した後及び苗条施用した後、さらに、花及び花芽処理した後における、昆虫類及びハダニ類を防除するためのテトラミン酸誘導体の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
保護対象の作物について概括的にのみ記載されているが、以下において、差別化してさらに詳細に記載する。
【0010】
かくして、多年生作物における使用は、以下のものを意味するものと理解される:
柑橘類、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、レモン、ライム、ダイダイ、キンカン、ウンシュウミカン;
さらに、仁科類、例えば、リンゴ、ナシ及びマルメロ、並びに、核果類、例えば、モモ、ネクタリン、サクラ、プラム、クエッチ、アンズ;
さらに、ブドウの木、ホップ、オリーブ、チャ、及び、熱帯作物、例えば、マンゴー、パパイア、イチジク、パイナップル、ナツメヤシ、バナナ、ドリアン、カキ、ココナツ、カカオ、コーヒー、アボガド、レイシ、マラクジャ、グアバ、ギネアアブラヤシ;
さらに、アーモンド及び堅果類、例えば、ヘーゼルナッツ、クルミ、ピスタチオ、カシューナッツ、ブラジルナッツ、ペカンナッツ、バターナッツ、クリ、ヒッコリーナッツ(hickory nuts)、マカダミアナッツ、ラッカセイ;
さらに、小果樹、例えば、フサスグリ、グーズベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、ツルコケモモ、キウイ、
オオミノツルコケモモ。
【0011】
上記使用に関して、観賞植物は、以下のものを意味するものと理解される:
一年生植物及び多年生植物、例えば、切り花、例えば、バラ、カーネーション、ガーベラ、ユリ、マーガレット、キク、チューリップ、スイセン、アネモネ、ケシ、アマリリス、ダリア、アザレア、ハイビスカス;
さらに、例えば、花壇用植物、鉢植え植物及び多年生植物、例えば、バラ、マンジュギク、スミレ、ゼラニウム、フクシア、ハイビスカス、キク、アフリカホウセンカ、シクラメン、アフリカスミレ、ヒマワリ、ベゴニア;
さらに、例えば、低木及び針葉樹、例えば、フィクス、シャクナゲ、モミ、トウヒ、マツ、イチイ、コウヤマキ、セイヨウキョウチクトウ。
【0012】
アザミウマ科(Thripidae)の中で好ましいものは、以下のとおりである:小果樹、観賞植物、ジャガイモ、熱帯作物、ブドウの木、堅果類、柑橘類、チャなどの作物における、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、トリプス属種(Thrips spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス属種(Hercinothrips spp.)、カリオトリプス属種(Caliothrips spp.)、シルトトリプス属種(Scirthothrips spp.)。
【0013】
コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)の中で好ましいものは、以下のとおりである:柑橘類、核果類及び仁果類、チャ、ブドウの木、観賞植物及び熱帯作物などの作物における、ペリセルガ(Pericerga)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)。
【0014】
カタカイガラムシ科(Coccidae)の中で好ましいものは、以下のとおりである:柑橘類、仁果類、核果類、オリーブ、ブドウの木、コーヒー、チャ、熱帯作物、観賞植物などの多年生作物における、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、プルビナリア属種(Pulvinaria spp.)、プロトプルミナリア属種(Protopulminaria spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、コックス属種(Coccus spp.)。
【0015】
マルカイガラムシ科(Diaspididae)の中で好ましいものは、以下のとおりである:柑橘類、仁果類、核果類、アーモンド、堅果類、オリーブ、チャ、観賞植物、ブドウの木、熱帯作物などの作物における、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、プセウダウラカスピス属種(Pseudaulacaspis spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ピンナスピス属種(Pinnaspis spp.)、セレナスピズス属種(Selenaspidus spp.)。
【0016】
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。本発明に関して、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(自然発生した作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法及び最適化法により得ることが可能な植物であることができるか、又は、生物工学的方法及び組換え法により得ることが可能な植物であることができるか、又は、それら方法を組み合わせたものにより得ることが可能な植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物や、植物育種家の権利により保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種なども包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官を意味するものと理解され、挙げることができる例は、葉、針状葉、茎(stalk)、幹(stem)、花、子実体、果実及び種子などであり、また、根、塊茎及び根茎なども挙げることができる。植物の部分には、さらに、収穫物、並びに、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖繁殖器官(generative propagation material)、例えば、挿し穂(cuttings)、塊茎、根茎、挿苗及び種子なども包含される。
【0017】
該活性物質を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき、塗布(painting on)、注入などによって、直接的に行うか、又は、植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵場所に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1層以上のコーティングを施すことによっても行う。
【0018】
上記で既に述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生で見られる植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られる植物種及び植物品種、並びに、それら植物種及び植物品種の部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた組換え法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物(genetically modified organisms))及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」、「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、上記で説明した。
【0019】
本発明に従って処理するのが特に好ましい植物は、いずれの場合にも市販されているか又は使用されている植物品種の植物である。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって品種改良された、新しい形質を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、生物型又は遺伝子型の形態をとることができる。
【0020】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明による処理の結果として、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が生じることもあり得る。実際に期待される効果を超える効果は、例えば、本発明に従って使用し得る物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中の塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、作物生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、作物生産物の貯蔵性の向上及び/又は加工性の向上などである。
【0021】
特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を組換え修飾によって受け取った全ての植物は、本発明に従って処理される好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(遺伝子工学によって得られた植物又は植物品種)に包含される。そのような形質の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、渇水又は水中若しくは土壌中の塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、より速い成熟、増加した収穫量、作物生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、作物生産物の向上した貯蔵性及び/又は向上した加工性である。そのような形質の特に重要な別の例は、動物有害生物及び有害微生物に対する植物の向上した防御、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御、並びに、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。特に重要なトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、ナタネ及び果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。特に重要な形質は、植物体内で形成された毒素の結果としての、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus Thuringiensis)の遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ)によって植物体内で産生される毒素の結果としての、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御である(以下、「Bt植物」と称する)。同様に特に重要な形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、ファイトアレキシン、誘導因子並びに抵抗性遺伝子及びそれにより発現されるタンパク質及び毒素による、菌類、細菌類及びウイルスに対する植物の向上した防御である。さらに、特に重要である形質は、特定の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなどに対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望まれる当該形質を付与する特定の遺伝子は、トランスジェニック植物内で、互いに組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種である。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセート耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン耐性)及びSTS(登録商標)(スルホニル尿素耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である。同様に挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良されたもの)は、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の名称で販売されている品種である。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質又は将来に開発される遺伝形質を有し、将来において開発又は販売されるであろう植物品種にも適用される。
【0022】
式(I)及び式(II)の活性化合物は、溶液剤、エマルション剤、水和剤、懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、顆粒剤、サスポエマルション製剤、活性化合物を含浸させた天然物質及び合成物質、並びに、ポリマー物質中に超微細にカプセル化したもののような慣習的な製剤に変換することができる。
【0023】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。
【0024】
増量剤として水を使用する場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適切な液体溶媒は主として以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、並びに、水。
【0025】
適切な固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、高分散シリカ、アルミナ及びシリケートなどであり; 顆粒剤に適した固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイト、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、有機材料(例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄など)からなる顆粒などであり; 適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アリールスルホネート、並びに、タンパク質加水分解産物などであり; 適切な分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0026】
上記製剤において、接着剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに、合成リン脂質などを使用することができる。別の添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
【0027】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0028】
上記製剤は、一般に、0.1〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有し、さらに、好ましくは増量剤及び/又は界面活性剤も含有する。
【0029】
市販されている製剤から調製された使用形態の上記活性化合物の含有量は、広い範囲内でさまざまであることができる。使用形態における上記活性化合物の濃度は、0.0000001〜95重量%の範囲の活性化合物、好ましくは、0.0001〜1重量%の範囲の活性化合物であることができる。
【0030】
施用は、その使用形態に適した慣習的な方法で行う。
【実施例】
【0031】
使用実施例
アザミウマ類〔アザミウマ科(Thripidae)〕
極めて特に好ましいのは、花及び芽の処理後、下記作物におけるアザミウマ科(Thripidae)の以下の種の防除である:
【0032】
【表1】

【0033】
コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)
極めて特に好ましいのは、幹施用後、下記作物におけるコナカイガラムシ科(Pseudococcidae)の以下の種の防除である:
【0034】
【表2】

【0035】
カタカイガラムシ科(Coccidae)
極めて特に好ましいのは、好ましくは幹施用後、下記作物におけるカタカイガラムシ科(Coccidae)の以下の種の防除である:
【0036】
【表3】

【0037】
マルカイガラムシ科(Diaspididae)
極めて特に好ましいのは、好ましくは幹施用後、下記作物におけるマルカイガラムシ科(Diaspididae)の以下の種の防除である:
【0038】
【表4】

【0039】
実施例1
品種「Cavendish」のバナナの木を、バナナハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)に対して、3反復で処理する。ここで、活性物質「実施例(II)(100 OD)」を、記載されている施用量で、市販されている標準的なイミダクロプリド(100 SL)に対して試験する。施用は、いずれの場合にも80mLの注入溶液を花芽の中に注入することによって実施する。いずれの場合にも、3つの花芽を処理する。評価は、上記処理の3日後及び91日後に、花及び房における個体群の駆除の程度に点数を付けることによって行う。
【0040】
【表5】

【0041】
実施例2
親株と台芽からなる品種「Cavendish」のバナナの木(生長段階 BBCH 1130)を、ウスイロマルカイガラムシ(Aspidiotus destructor)に対して茎葉処理の後で、及び、パイナップルコナカイガラムシ(Dysmicoccus brevipes)に対して偽茎(pseudostem)施用により、3反復で処理する。この目的のために、いずれの場合にも、100mLの噴霧用液を施用する(いずれの場合にも、50mLを葉に噴霧し、50mLを幹に噴霧する)。幹に施用する前に、幹の最も外側の層を最初に剥がす。これは、一般的に行われることである。ここで、活性物質(II)(SC 240)を、0.025% Hoestick(XL 500)を加えたタンクミックスで、市販されている標準的なクロルピリホス−メチル(500 EC)及び流動パラフィン(Banole oil)(EC 600)に対して試験する。
【0042】
評価は、上記処理の3日後、7日後、14日後及び22日後に、幹上のパイナップルコナカイガラムシの駆除の程度に点数を付けることによって行う。
【0043】
【表6】

【0044】
実施例3
品種「Valencia」の若いオレンジの木(約5年齢)を、活性物質を塗布することによる幹施用の後で、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)に対して、3回施用で処理する。ここで、活性物質(II)(SC 240)を、記載されている施用量で、市販されている標準的なイミダクロプリドに対して試験する。評価は、上記処理の205日後に、果実における発生の程度に点数を付けることによって行う。
【0045】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹処理の後において、茎、枝、小枝及び苗条の処理の後において、並びに、花芽及び花への注入の後において、昆虫類及びハダニ類を防除するための、式(I)又は式(II)
【化1】

の化合物の使用。
【請求項2】
花処理の後において、アザミウマ類を防除するための、請求項1に記載の式(I)又は式(II)の化合物の使用。
【請求項3】
芽処理の後において、アザミウマ類を防除するための、請求項1に記載の式(I)又は式(II)の化合物の使用。
【請求項4】
幹処理の後において、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)を防除するための、請求項1に記載の式(I)又は式(II)の化合物の使用。
【請求項5】
幹処理の後において、カタカイガラムシ科(Coccidae)を防除するための、請求項1に記載の式(I)又は式(II)の化合物の使用。
【請求項6】
幹処理の後において、マルカイガラムシ科(Diaspididae)を防除するための、請求項1に記載の式(I)又は式(II)の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1から6に記載されている式(I)の化合物の使用。
【請求項8】
請求項1から6に記載されている式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2011−511815(P2011−511815A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546244(P2010−546244)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000816
【国際公開番号】WO2009/100851
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】