説明

広エリア熱アシストのためのシングル書き込み方式および矩形光導波路を用いた磁気記録ディスクドライブ

【課題】シングル記録方式で必要なレーザ出力を低く維持しながら、媒体のピーク温度と書き込み極のトレーリングエッジでの媒体の温度との間の温度降下を最小限に抑える。
【解決手段】熱アシスト記録ディスクドライブは、シングル記録方式および広エリア熱源として矩形導波路を使用する。導波路は、複数のデータトラックにわたる記録層のエリアを加熱する略楕円形状の光スポットを生成する。導波路コアは、書き込みが起こる書き込み極先端のトレーリングエッジの近くにピーク光強度を位置付けすると同時に、所望の加熱エリアサイズを実現するアスペクト比を有する。導波路コアの大きなクロストラック幅は、光スポットによって加熱される記録層の体積を増加させ、冷却速度を低下させる。これにより、加熱エリアのピーク温度ポイントが書き込み極先端近くに移動し、ピーク温度と書き込みが起こる書き込み極先端のトレーリングエッジでの温度との間の温度降下を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年5月6日に出願された米国特許出願第13/102,959号に関し、同出願と同一の譲受人に譲渡される。
【0002】
本発明は、概して、磁気記録層が高温の間にデータが書き込まれる熱アシスト記録(TAR)システムに関し、より具体的には、記録されるデータトラックより広いディスクエリアにレーザ光を当てるための導波路を用いたシングル記録方式を使用するTARディスクドライブに関する。
【背景技術】
【0003】
磁気記録ディスクドライブでは、ディスク上の記録層のための磁性材料(または、磁気媒体)は、データ「ビット」を規定するデータの磁区が正確に書き込まれ、新しいデータビットによって上書きされるまでその磁化状態を保持するよう十分に保磁力を有するよう選択される。データの面密度(ディスクの単位表面積上に記録できるビット数)が増加するにつれて、データビットを構成する磁性粒子は、単に熱不安定性または磁化ビット内の擾乱(いわゆる「超常磁性」効果)から消磁され得るほど小さくなり得る。記憶された磁化の熱不安定性を回避するには、高い結晶磁気異方性(K)を有する媒体が必要とされる。磁性粒子の熱安定性は、大部分はKV(ここで、Vは磁性粒子の体積である)によって決定される。したがって、熱安定性には高Kを有する記録層が重要である。しかし、Kの増加は、媒体の短時間スイッチング磁界H(磁化方向の反転に必要な磁界)も増加させる。大抵の磁性材料に対して、Hは、はるかに長い時間スケールで測定された保磁界または保磁力Hよりもかなり大きく、例えば、約1.5〜2倍大きい。明らかに、スイッチング磁界は、記録ヘッドの書き込み磁界の能力を超えることはできず、その能力は現在、垂直記録方式では約12kOeに制限される。
【0004】
記録層の磁性材料の保磁力は温度に依存することが知られているため、提案される熱安定性問題の解決策の一つは、熱アシスト磁気記録(HAMR)とも呼ばれる熱アシスト記録(TAR)であり、磁気記録材料は、書き込み中は局所的に加熱され、書き込みが起こるように十分に保磁力が下げられるが、ディスクドライブの周囲温度(すなわち、およそ15〜30℃の正常動作温度または「室」温)における記録ビットの熱安定性のため、保磁力/異方性は十分に高くする。いくつかの提案されるTARシステムでは、磁気記録材料は、キュリー温度付近までまたはキュリー温度を超えて加熱される。次いで、記録データは、周囲温度まで戻され、従来の磁気抵抗(MR)読み取りヘッドによって読み取られる。
【0005】
いくつかのTAR手法が提案されている。「小エリア」ヒーターを備えたTARディスクドライブは、書き込みヘッドによってデータが書き込まれるデータトラックのエリアのみに熱を当てる。最も一般的なタイプの小エリアTARディスクドライブは、近接場変換器(NFT)とともにレーザ光源および光導波路を使用する。「近接場」変換器は「近接場光学」を指し、光の通過はサブ波長特徴を有する一要素を通じて行われ、光は第2の要素、例えば、第1の要素からサブ波長距離に位置する磁気記録媒体のような基板などに結合される。NFTは、通常、主要な頂点または先端として成形される表面特徴に表面の電荷運動を集結させるように成形された低損失金属(例えば、Au、Ag、AlまたはCu)を使用する。振動する先端電荷は、強力な近接場パターンを形成する。振動する先端電荷の電磁界は近接場における光出力を増加し、この光出力は磁気記録媒体に当てられ、書き込みヘッドからの書き込み磁界に露出したエリアのみ加熱する。小エリアヒーターは、隣接トラック消去(ATE)を引き起こさないという利点を有する。書き込まれているデータトラックに隣接するデータトラックも加熱されれば、書き込みヘッドからの浮遊磁界は、隣接するトラックに事前に記録されたデータを消去する恐れがある。また、磁界が存在しない場合でさえ、隣接するデータトラックを加熱すると、周囲温度での熱崩壊率を超えて熱崩壊率が加速され、したがって、データ損失が発生する恐れがある。ATE低減という利点を提供する一方で小エリアヒーターを製作することは難しい。また、比較的非効率的な熱伝達のため、所望の媒体温度に達するために必要とされるヒーターの温度は非常に高い。
【0006】
データトラックよりはるかに広いエリアを加熱する「広エリア」ヒーターを備えたTARディスクドライブは、「小エリア」ヒーターを提案する前に提案されていた。通常、導波路がレーザに結合され、出力端部が媒体近くにある広エリアヒーターは、小エリアヒーターよりも従来の記録ヘッド構造での製作および実装が比較的容易である。しかし、広エリアヒーターは、ピーク温度が隣接するトラックに広がれば実質的なATEをもたらすことが示されている。さらに、導波路は、媒体がピーク温度まで加熱される時間から媒体が書き込み磁界に露出される時間までの温度降下が最小限となるように、書き込みが起こる場所のかなり近く、すなわち、書き込み極のトレーリングエッジに位置する必要がある。
【0007】
また、「シングル書き込み方式」とも呼ばれる「シングル記録方式」を使用するディスクドライブも提案されている。シングル記録方式では、クロストラック方向において読み取りヘッドより広い書き込みヘッドが、部分的に重複する複数の連続した円軌道を形成することによって磁気転移を書き込む。隣接する軌道の非重複部分はデータトラックを形成し、したがって、データトラックは書き込みヘッドの幅よりも狭い。データは、より狭い読み取りヘッドによって読み取られる。データの再書き込みが行われる場合、環状バンドのすべてのデータトラックの再書き込みも行われる。
【0008】
先に引用された関連出願は、「広エリア」ヒーターを備えたTARディスクドライブを開示し、このTARディスクドライブではシングル記録方式も使用してATEの問題を回避する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,185,063(B1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20090310459(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
求められているのは、シングル記録方式を使用し、必要なレーザ出力を低く維持しながら、媒体のピーク温度と書き込み極のトレーリングエッジでの媒体の温度との間の温度降下を最小限に抑える光導波路を有するTARディスクドライブである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、「シングル」記録方式および「広エリア」熱源として矩形導波路を使用する熱アシスト記録(TAR)ディスクドライブに関する。導波路は、複数のデータトラックにわたる記録層のエリアを加熱する略楕円形状の光スポットを生成する。導波路コアは、書き込みが起こる書き込み極先端のトレーリングエッジの近くにピーク光強度を位置付けすると同時に、所望の加熱エリアサイズを実現するアスペクト比(トラック沿いの厚さに対するクロストラック幅)を有する。導波路コアの大きなクロストラック幅は、光スポットによって加熱される記録層の体積を増加させ、冷却速度を低下させる。これにより、加熱エリアのピーク温度ポイントが書き込み極先端近くに移動し、ピーク温度と書き込みが起こる書き込み極先端のトレーリングエッジでの温度との間の温度降下を低減する。導波路コアは、少なくとも10個のトラック、好ましくは少なくとも20個のトラック、および最大120個のトラックにわたって延在してもよく、約4〜12のアスペクト比を有してもよい。
【0012】
矩形導波路の変更形態では、矩形コアは、第1の屈折率または高屈折率を有する材料から形成される。書き込み極先端に面する導波路クラッド層は、コアの第1の屈折率または高屈折率よりも低い第2の屈折率を有し、書き込み極先端に面する側とは反対側の導波路クラッド層は、第1の屈折率と第2の屈折率の中間の屈折率を有する。これにより、非対称的な光スポットが得られ、書き込み極先端の方向では光強度が急速に降下し、反対方向ではそれよりもはるかに遅い速度で降下する。したがって、コアと書き込み極先端との間の間隔を短く維持する一方で、光スポットのサイズおよび加熱された記録層の体積は増加する。こうして、ピーク温度の位置は書き込み極のトレーリングエッジの近くに移動する。コアに対する高アスペクト比とクラッド材料の中間の屈折率との組合せにより、少ない温度降下と合理的なレーザ出力との間の最適なトレードオフが可能になる。
【0013】
本発明の性質および利点をより十分に理解するには、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】先に引用された関連出願で説明された発明による、シングル記録方式を用いた熱アシスト記録(TAR)ディスクドライブの上面図である。
【図2】図1に示されるディスクドライブのTARヘッドの一部分および関連する垂直磁気記録方式ディスクを通した断面図である。
【図3】TARヘッドキャリアの空気ベアリング面(ABS)に向かってディスクの記録層を下から見た図であり、本発明による矩形導波路広エリアヒーターからの熱アシストを用いたシングル書き込み方法を示す。
【図4】書き込み極先端の相対配向、および、正方形導波路広エリアヒーターによって生成される略円形状の加熱スポットを示すABSの図である。
【図5】書き込み極先端の相対配向、および、本発明による矩形コアを有する矩形導波路によって生成される略楕円形状の広エリア加熱スポットを示すABSの図である。
【図6】矩形導波路のトラック沿いの厚さに対するクロストラック幅の関数としての、温度降下および指定された温度に達するためのレーザ出力のグラフである。
【図7】書き込み極先端の相対配向、および、本発明による導波路コアの両側に異なるクラッド層を用いた矩形導波路を示すABSの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、先に引用された関連出願で説明された発明による、シングル記録方式を用いた熱アシスト記録(TAR)ディスクドライブの上面図である。ディスクドライブは、矢印15で示された方向に中心13の周りで磁気記録ディスク10を回転させるためのアクチュエータ130およびスピンドルモータ(図示せず)を支持するハウジングまたはベース101を有する。アクチュエータ130は、剛体アーム134を有しピボット132の周りで回転する、ボイスコイルモータ(VCM)回転型アクチュエータであってもよい。ヘッドサスペンションアセンブリは、一端がアクチュエータアーム134の端部に取り付けられたサスペンション121と、サスペンション121のもう一方の端部に取り付けられたフレキシャ123と、フレキシャ123に取り付けられた空気ベアリングスライダ122などのヘッドキャリアとを含む。サスペンション121は、ディスク10の表面のかなり近くにスライダ122を維持することを可能にし、フレキシャ123は、回転ディスク10によって生成される空気ベアリング上でのスライダ122の「ピッチ」および「ロール」を可能にする。スライダ122は、スライダ122の端面112に位置する読み取り/書き込みまたは記録ヘッド109を支持する。記録ヘッド109は、通常、誘導型書き込みヘッドと磁気抵抗読み取りヘッドとの組合せ(読み取り/書き込みヘッドとも呼ばれる)である。レーザ70はサスペンション121上で支持されるが、代わりにアーム134またはスライダ122上で支持されてもよい。スライダ122は、レーザ70からディスク10へ放射光を当てるための光チャネルまたは導波路(図1では図示せず)を支持する。図1では、関連するスライダおよび記録ヘッドを伴う1つのディスクの表面のみが示されるが、通常、各ディスクの各表面に関連する個別のスライダおよび記録ヘッドを伴う、スピンドルモータによって回転されるハブ上に積み重ねられた複数のディスクが存在する。
【0016】
本発明では、ディスクドライブは、シングル書き込み方式とも呼ばれるシングル記録方式を使用する。したがって、図1は、ディスク10の記録層上の環状バンドとして分類された円形シングル記録方式データトラックの一部も示す。3つのバンド140、141、142の一部のみが示されるが、通常、多くのバンドが存在することになる。例えば、シングル記録方式の2.5インチのディスクドライブの場合、トラックピッチは約50nmであり得、各バンドは数百個のトラックを含み得、バンド間の間隔は約100nmであり得る。シングル記録方式では、クロストラック方向において読み取りヘッドより広い書き込みヘッドは、部分的に重複する複数の連続した円軌道を形成することによって磁気転移を書き込む。隣接する軌道の非重複部分はデータトラックを形成し、したがって、データトラックは書き込みヘッドの幅よりも狭い。データは、より狭い読み取りヘッドによって読み取られる。データの再書き込みが行われる場合、環状バンドのすべてのデータトラックの再書き込みも行われる。シングル書き込み方式は当技術分野において周知であり、例えば、(特許文献1)に記載されている。
【0017】
図2は、TARディスク10の一部分、および、統合TARヘッドがスライダ端面112に形成されるヘッドキャリアとして機能する空気ベアリングスライダ122を通した断面図である。図2は、非常に小さな特徴を示すことは困難なため、原寸に比例していない。TARディスク10は、ディスク基板18、垂直磁気異方性を有する連続した磁気記録層30およびヒートシンク層として機能し得る下層20を備えた垂直磁気記録方式ディスクとして示される。下層20は、代わりに、書き込み磁界からの磁束を伝えるよう機能する軟磁性裏打ち層(SUL)であってもよく、通常SULと記録層30との間の磁気交換結合を壊す交換ブレーク層(EBL)(図示せず)の下方に位置することになる。SULは、CoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeBおよびCoZrNbの合金などの透磁性材料から形成される単層であり得るか、または、AlおよびCoCrなどの導電性膜もしくはRuおよびIr反強磁性結合膜などの非磁性膜によって分離される複数の軟磁性膜から形成される積層構造であり得る。記録層30は、垂直に磁化されている磁区31、すなわち、区域31の矢印で示されるように一般に垂直方向または面外方向に記録層30内に記憶されることを意味する磁区31とともに示される。記録層30は、顆粒層を特別な成長促進副層上で成長させたコバルトクロムプラチナ(CoCrPt)合金またはCo膜とプラチナ(Pt)膜もしくはパラジウム(Pd)膜とを交互に積層させた多層などの異方性の高い(高K)任意の垂直媒体であり得る。また、記録層30は、CoPtもしくはCoSmまたはFePtもしくはFeNiPtなどのL10型規則合金であってもよい。また、ディスク10は通常、記録層30上に保護被膜(図示せず)を含むことにもなる。
【0018】
また、ディスクに面した表面または空気ベアリング面(ABS)を有するスライダ122上には、読み取りヘッド60および書き込みヘッド50を含む読み取り/書き込みヘッド109(図1)が示される。書き込みヘッド50は、書き込み極52を第1のリターン磁極54および第2のリターン磁極55に接続するヨークを含む。スライダ122のABSはディスク10に面する表面であり、実際のスライダに通常存在する薄い保護被膜なしで示される。ABSは、薄い保護被膜で覆われるヘッドキャリアの表面、保護被膜がない場合はヘッドキャリアの実際の外表面、または、保護被膜の外表面を意味するものとする。書き込み電流は、書き込みヘッド50のコイル56を通過し、書き込み極52の先端52aで磁界(矢印42)を生成する。ディスク10が矢印15の方向に書き込みヘッド50を通過すると、この磁界は、書き込み極先端52aの真下の記録層30を磁化する。記録された区域31の検出または読み取りは、磁区31間の転移を検出する、ABSに検知端部60aを有する読み取りヘッド60によって行われる。読み取りヘッド60は、通常、検知電流がヘッドを構成する層を垂直に通過するトンネルMR(TMR)読み取りヘッドなどの磁気抵抗(MR)読み取りヘッドである。一対の透磁性シールドS1およびS2は、読み取りヘッド60の両側にそれぞれ位置し、読み取られている区域以外の磁区31からの磁束が読み取りヘッド検知端部60aに達するのを阻止する。書き込みコイル56は、書き込み極52を直接支持するヨークの一部の周りに巻き付く従来の螺旋コイルとして示され、電流方向は、コイルの断面に「X」印を付けることで紙の面内方向とし、コイルの断面に実線の円で印を付けることで紙の面外方向として示される。しかし、コイルは、ヨークの周りに巻き付く従来の平面コイルまたは「パンケーキ」コイルであってもよい。統合TARヘッドを備えたスライダ122は、絶縁層113を通じて読み取りヘッド60および書き込みヘッド50のコイル56に接続される導電性パッド(図示せず)を備えた外表面またはトレーリング端部115を有する。
【0019】
また、スライダ122は、レーザ70、鏡71およびABSにその出力端部72aを備えた光チャネルまたは導波路72を支持する。レーザ70および鏡71は、スライダ122の上面150上で支持されるものとして示される。図2では、光導波路72は、書き込みヘッド50のヨークを通して延在し、書き込み極52とリターン磁極55との間に位置するものとして示される。しかし、光導波路72は、シールドS2とリターン磁極55との間などの他の場所に位置付けしてもよい。導波路72は、Taなどのコア材料またはレーザの波長で放射光の透過が可能な屈折率の高い別の誘電材料から形成され、コア材料よりも屈折率の低い誘電クラッド層73(例えば、SiOまたはAl)によって囲まれる。図2では、スライダ122は、レーザ光をレーザ70から導波路72に当てるための鏡71を支持するものとして示されるが、例えば、(特許文献2)に記載されている導波路に結合される格子カプラを使用することが知られている。また、レーザ70は、鏡71を必要とせずに導波路72に直接レーザ光を当てるため、上面150に直角に配向するようにスライダ122に取り付けることもできる。図2のスライダ端面112上に形成されるTARヘッドの非斜線部は、光導波路72を除いて、典型的にはアルミナである絶縁材料を表す。レーザ70は、およそ780nmの波長を有するCD−RWタイプのレーザダイオードであり得る。また、レーザ70は、約920nm〜1000nmの波長を有するレーザ光を生成する垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)または外部共振器VCSELであってもよい。
【0020】
光導波路72は、その出力端部72aから記録層30へ放射光を当て(波線の矢印72bで表される)、記録層を加熱し、十分に保磁力を低くして、良好な書き込み能力を確保する。TARのいくつかの実装形態では、記録層は、記録層30を構成する材料のキュリー温度付近までまたはキュリー温度を超えて加熱することができる。書き込み中は、記録層30は、記録層の加熱部分が書き込み極先端52aからの書き込み磁界42に露出し得るように、矢印15で示される方向にスライダ122に相対的に移動する。光導波路72を通じた放射光による加熱は、磁区が書き込み極先端52aからの書き込み磁界42によって配向され得るように、一時的に記録層30の保磁力を低くする。書き込み磁界Hがスイッチング磁界Hより大きい場合、磁区は書き込み磁界42によって配向される。記録層30の区域が、書き込み極先端52aからの書き込み磁界および光導波路72からの熱に露出された後、冷却されると、磁区31として書き込まれるか記録される。記録された区域31間の転移は、ABSに検知端部60aを備えた読み取りヘッド60によって読み取ることができる書き込みデータ「ビット」を表す。
【0021】
図3は、ABSに向かってディスクの記録層を下から見た図であり、熱アシストを用いたシングル書き込み方式を使用してディスク上で磁区を記録する方法のグラフ表示であることを意図する。環状バンド140(図1)の2つの同心トラック140aおよび140bが、第3のデータトラックを生じる書き込み極先端52aと位置合わせされた磁気転移の軌道に沿って示される。書き込み極先端52aは、読み取りヘッド検知端部60aのクロストラック幅(RTW)より広いクロストラック幅(WTW)を有する。データ書き込みの際、記録層が矢印15の方向に移動すると、書き込み極先端52aは、磁気転移の軌道(白と斜線部分の磁区31間の転移として示される)を生成する。シングル書き込み方式では、環状バンド内のデータの任意の部分が書き込まれる場合は常に、環状バンド内のすべてのデータトラックが書き込まれる。3つのデータトラックを生じる磁気転移を書き込むには、書き込みヘッドは、まず、軌道150aに沿って中心を置く軌道を書き込み、その後、アクチュエータは書き込みヘッドを径方向に増加距離だけ移動させ、軌道150bに沿って中心を置く磁気転移の軌道を書き込み、その後、アクチュエータは書き込みヘッドを径方向に増加距離だけ移動させ、軌道150cに沿って磁気転移の軌道を書き込む。軌道150bは軌道150aの一部分と重複し、軌道150cは軌道150bの一部分と重複する。例えば、軌道150bは、重複部分152および非重複部分154を有する。環状バンド内のすべてのトラックがシングル書き込み方法で書き込まれた後は、データトラックは、データトラック140a、140bによって示されるように、非重複部分である。したがって、書き込みデータトラックは、通常WTWよりわずかに小さく読み取りヘッド検知端部60aのRTWよりわずかに大きい、径方向のトラック幅(TW)を有する。例えば、RTWは通常、TWの0.6〜0.7倍である。
【0022】
図2および3に示されるように、導波路72(ABSに出力端部72aを備えた)は、書き込み極先端52aとは一致しないが、好ましくは50nm以上の距離だけ、書き込み極先端52aからアップトラック側に位置する。したがって、導波路出力端部72aは、記録層上のエリアまたはスポット160を加熱するレーザスポットを生成し、次いで、書き込み極先端52aからの書き込み磁界に露出し得るダウントラック側に移動する。図3に示されるように、導波路出力端部72aは、TWおよびWTWより広いエリア、好ましくは書き込み極先端52aと位置合わせされたトラックの両側の複数のトラックに広がるエリアを加熱するため、「広エリア」ヒーターである。加熱スポット160は、比較的多くのトラックに広がり、例えば、TWが約50nmの場合、加熱スポット160は約1ミクロンであり、その結果、約20個のトラック(書き込みヘッドの両側に10個ずつのトラック)に広がる。しかし、それは、加熱スポット160内の記録層の一部分が、磁気転移が書き込まれる書き込み極先端52aのトレーリングエッジからの書き込み磁界に露出される場合のみである。こうして、円軌道150c内のダウントラック側転移の位置31は、加熱スポット160と記録層の非加熱区域との間の熱勾配ではなく、書き込み極先端52aの書き込み磁界勾配によって決定される。こうした広エリアヒーターを用いると、環状バンド全体が書き込まれるごとに、各データトラック内のデータは、書き込まれた後の連続パス、例えば、この例では少なくとも10パスに対して熱に露出される。しかし、システムが適正に設計されれば広エリアヒーターの使用はいかなる実質的なATEももたらさないことがモデリングから決定されている。広範囲にわたる加熱スポットの結果、実質的な磁界増加は見られず温度増加のみを起こすトラックがかなり存在する。シングル書き込みの間、隣接するトラックのみが、単一のヘッドパスに対する書き込みヘッドからのフリンジ磁界に露出される。媒体は、熱を使用しない従来のシングル記録方式と比較して、面密度の増加を可能にしながらATEを回避するよう、このヘッドパスの間は十分安定するように設計することができる。
【0023】
好ましい実施形態では、記録層30は、少なくともCo、PtおよびCrを含む高K合金から形成される顆粒層である。特定の組成に応じて、高Kの顆粒CoPtCr合金は、約8kOeを超え、最大約20kOeの、周囲温度でのスイッチング磁界Hを有し得る。熱源は、Hが書き込み磁界をかなり下回る値まで低減されるよう十分に保磁力Hを低減しなければならない。CoPtCr合金の特定の組成および特定の書き込みヘッドに応じて、熱源は、保磁力Hを少なくとも500Oe低減すべきであり、これはHが少なくとも約800Oe低減されることになることを意味する。例えば、CoPtCr合金は、およそ7×10ergs/cmのKおよび周囲温度で約9kOeの保磁力Hを有し、これはスイッチング磁界Hが12kOeを超える可能性があることを意味する。熱源は、記録層30の加熱スポット160の温度をおよそ250℃まで上昇させることになり、その結果、書き込み極先端52aからの書き込み磁界に露出されると、保磁力Hはおよそ4kOe低減されることになる(少なくとも約5kOeのスイッチング磁界Hの低減)。この温度はCoPtCr合金のキュリー温度をかなり下回り、それはおよそ600℃である。
【0024】
図3は、出力端部72aを備えた光導波路および書き込み極先端52aに対する加熱スポット160のトラック沿いの位置の単なる略図である。本発明は、書き込み極先端に対する最適なトラック沿いの位置の近くで加熱スポットを生成する最適な矩形導波路に関する。広エリアTARディスクドライブでは、記録層が熱を保持する時間を増加するため、比較的大きな体積の記録層を加熱しなければならない。この比較的大きな体積とは、加熱スポットが比較的広範囲のエリアに広がるべきであることを意味する。図4は、書き込み極先端52aの相対配向、および、導波路コア272を備えた正方形導波路広エリアヒーターによって生成される略円形状の光スポット260を示すABSの図である。記録層30の一部分がトラック幅TWを有するトラックとともに示される。記録層30は矢印15の方向に移動する。この例では、導波路コア272は、正方形状の出力端部272aを有し、クラッド層273によって囲まれる。正方形状のコア272の結果、光スポット260は略円形状を有する。この場合、光スポット260は、極先端52aにあまり重複することなくスポットの中心272bを極先端52aに近づけるため、できる限り小さく作成されている。例えば、コア272は、厚さ200nmのAlクラッド層273によって囲まれる300nm×300nmのTaであり得る。Ta(n=2.1)とAl(n=1.6)との間の高屈折率コントラストは、比較的小さな光スポット260を生じさせる。書き込み極先端52aは、書き込み中に書き込み極先端52aを加熱してはならないため、導波路出力端部272aの中心272bからダウントラック側の、加熱スポット260のすぐ外に示される。記録層30のピーク温度Tpは、ディスクの動作が理由で、導波路コア272の中心272bのわずかにダウントラック側で起こる。
【0025】
Tpポイントを書き込み極先端52aの近くに移動させ、ディスクにおける温度降下ΔTを減少することが望ましく、したがって、記録層30は書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bの位置においてより高温となり、こうして、書き込み磁界に露出される際に、書き込まれる記録層の区域を確実にピーク温度Tpの位置またはピーク温度Tpに非常に近い位置にする。これは、導波路の光スポットのサイズを増加することによって達成され、こうして、加熱される記録層の体積を増加させるが、これは、大きな体積における温度の降下は時間がかかるためである。残念ながら、ほぼ円形のスポットサイズをコアサイズの増加および/または屈折率コントラストの低減によって増加すれば、光スポットは、書き込み極先端52aの方に広がり、場合により書き込み極先端52aと重複し、望まない極先端の加熱または光学的損失をもたらす恐れがある。
【0026】
本発明では、矩形導波路は、温度降下を最小限に抑えるため、書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bの近くにピーク光強度を位置付けると同時に、所望の加熱スポットサイズまたはエリアを実現するアスペクト比(トラック沿いの厚さに対するクロストラック幅)を有する。図5は、中心372bを有する矩形コア372およびクラッド層373を備えた本発明による矩形導波路の出力端部372a、ならびに、書き込み極先端52aに対する略卵形または略楕円形状の光スポット360の配向を示すABSの図である。コア372のクロストラック幅を、この例では図4のコア272のクロストラック幅の約10倍まで増加することによって、光スポット360によって加熱される記録層30の体積を増加させ、これにより、冷却速度を低下させる。これにより、ピーク温度ポイントTpは書き込み極先端52aの近くに移動し、ピーク温度Tpと記録が起こる書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bにおける温度との間の温度降下ΔTを低減する。一例では、コア372は、TWに応じて、少なくとも10個のトラック、好ましくは少なくとも20個のトラック、および最大120個のトラックにわたって延在し得る。したがって、コア372のクロストラック幅は、TWに応じて、書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bのクロストラック幅の約20倍〜120倍となる。
【0027】
図6は、トラック幅TWを約0.05μm(50nm)と仮定した導波路クロストラック幅Wの関数としての、0.25μmのトラック沿いの厚さtを有する導波路コアに対する温度降下ΔTおよび指定された温度に達するためのレーザ出力Pのグラフである。図6は、Wの増加とともに温度降下ΔTが減少するが、ある一定のW値を超えると、必要なレーザ出力Pは略直線状に増加するが、ΔTの著しい低減は見られないことを示す。こうして、約1〜3μm(約4〜12のアスペクト比に相当する)のクロストラック幅を有する矩形導波路は、レーザ出力Pを著しく増加させることなく温度降下ΔTの低減を達成し、正方形導波路全般にわたる著しい改善を実現する。約1〜3μmのクロストラック幅を有する導波路は、楕円形状のスポットを生成し、その長軸は、約50nmのTWを有するディスクの場合は約20〜60個のトラックにわたって延在し、約25nmのTWを有するディスクの場合は約40〜120個のトラックにわたって延在する。
【0028】
温度降下を最小限に抑えながら所望の加熱スポットサイズを実現する、本発明による矩形導波路に対する代替の説明は、代替の比率、特に、導波路コアの中心から磁気的な書き込み位置(すなわち、書き込み極先端のトレーリングエッジ)までの距離に対する導波路のクロストラック幅の比によるものである。例えば、図5では、これは、導波路コアの中心372bから書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bまでのトラック沿いの距離に対する導波路コア372のクロストラック幅の比である。目的はΔTを最小限に抑えることであり、ΔTはモデリングで、クロストラックスポット幅を増加することによって減少することができることが示されている。モデリングは、クロストラックスポット幅が導波路コアの中心372bから書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bまでのトラック沿いの距離の12倍である場合にΔTを最小限にすることを示している。しかし、この代替の比率は、2ほどの小さな比率でもよく、それでもΔTの低減をもたらす。一例では、導波路のトラック沿いの厚さは、書き込み極先端のトレーリングエッジまでの間隔を最小限に抑えるために最小限に抑えるべきであって、0.25μmである。書き込み極のトラック沿いの厚さは、導波路までの間隔を含めて、0.125μmである。書き込み極のトレーリングエッジを書き込み位置とすると、導波路コアの中心から書き込み位置までの距離は0.25μmであり、したがって、3μmの導波路のクロストラック幅は、12の比率をもたらす。別の例では、導波路のトラック沿いの厚さは同様に0.25μmであるが、導波路コアの中心から書き込み極先端のトレーリングエッジまでのトラック沿いの全距離は0.4μmである。この代替の比率に対する2という値は、ΔTを低減するが最小限ではなく、0.8μmまたは図6で得られた1μmの近似値の導波路クロストラック幅を得ることになる。
【0029】
図7は、図5で示される矩形導波路の変更形態を示す。矩形導波路からのレーザスポットサイズは、高屈折率のコアとそれよりも低い屈折率のクラッドとの間の差異の増加とともに減少する。通常、同じクラッド材料でコアを囲むため、光スポットはコアの中心に対して略対称である。したがって、「小エリア」TARシステムに対する近接場変換器(NFT)と併せて使用される導波路の場合、小さなスポットサイズが望ましく、したがって、コア材料は約2.1の高屈折率を有するTaであり得、クラッド材料は約1.6の低屈折率を有するAlであり得る。図7で示される変更形態では、導波路は、出力端部472aと、第1の屈折率または高屈折率を有する材料から形成される物理的中心472bを有する矩形コア472とを有する。クラッド層473は、書き込み極先端52aに面するコア472の側面に位置し、コア472の第1の屈折率または高屈折率よりも低い第2の屈折率を有する。第1の屈折率と第2の屈折率の中間の屈折率を有するクラッド層474は、書き込み極先端52aに面する側とは反対側のコア472の側面に位置する。異なるクラッド層でコアを囲むことにより、レーザスポットは非対称的となり、書き込み極先端52aの方向では光強度が急速に降下し、アップトラック方向ではそれよりもはるかに遅い速度で降下する。したがって、コア472と書き込み極先端52aとの間の間隔を短く維持する一方で、光スポットのサイズおよび加熱された記録層の体積は増加されている。こうして、ピーク温度Tpの位置は書き込み極先端52aのトレーリングエッジ52bの近くに移動する。コアに対する高アスペクト比とコア472のアップトラック側のクラッド層474の材料の中間の屈折率との組合せの使用により、少ない温度降下ΔTと合理的なレーザ出力Pとの間の最適なトレードオフを得ることが可能になる。図7で示される実施形態の一例のように、TWは約50nmであり得、コア472のトラック沿いの厚さは約0.3〜0.5μm(300〜500nm)であり得、コア472のクロストラック幅Wは約1〜3μmであり得、これは、TWが50nmの場合、Wが約20〜60個のトラックに及ぶことを意味する。クラッド層473は、0.3μmの典型的なトラック沿いの厚さを有し得、クラッド層474は、0.5〜2μmの典型的なトラック沿いの厚さを有し得る。コア472は約2.1の高屈折率を有するTaであり得、クラッド層473は約1.46および1.6のそれぞれの低屈折率を有するSiOまたはAlであり得、クラッド層474は約1.8〜2.0の中間の屈折率を有するSiO−Ta複合材またはAl−Ta複合材であり得る。さまざまな複合材を共スパッタリングによって形成し、所望の屈折率を有する材料を得ることができる。
【0030】
本発明は、好ましい実施形態を参照して具体的に示され説明されているが、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細のさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。したがって、開示される発明は、単に例示的なものと見なし、添付の特許請求の範囲で指定される範囲のみに限定されるものとする。
【符号の説明】
【0031】
10 磁気記録ディスク
13 中心
15 矢印
18 ディスク基板
20 下層
30 磁気記録層
31 磁区
42 書き込み磁界
50 書き込みヘッド
52 書き込み極
52a 書き込み極先端
52b トレーリングエッジ
54 第1のリターン磁極
55 第2のリターン磁極
56 書き込みコイル
60 読み取りヘッド
60a 検知端部
70 レーザ
71 鏡
72 光導波路
72a 出力端部
72b 放射光
73 誘電クラッド層
101 ベース
109 記録ヘッド
112 スライダ端面
113 絶縁層
115 トレーリング端部
121 サスペンション
122 空気ベアリングスライダ
123 フレキシャ
130 アクチュエータ
132 ピボット
134 剛体アーム
140 環状バンド
140a 同心トラック
140b 同心トラック
141 環状バンド
142 環状バンド
150 スライダの上面
150a 軌道
150b 軌道
150c 軌道
152 重複部分
154 非重複部分
160 加熱スポット
260 光スポット
272 導波路コア
272a 出力端部
272b 中心
273 クラッド層
360 光スポット
372 導波路コア
372a 出力端部
372b 中心
373 クラッド層
472 コア
472a 出力端部
472b 中心
473 クラッド層
474 クラッド層
S1 透磁性シールド
S2 透磁性シールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクに面する表面を有する磁気記録ディスクドライブスライダであって、
ディスクに面する前記表面に略矩形状の出力端部を有する光導波路であって、前記導波路出力端部は、第1の方向の厚さおよび前記第1の方向に直角で前記第1の方向の厚さより大きい第2の方向の幅を有する、光導波路と、
ディスクに面する前記表面に書き込み極先端を有し、トレーリングエッジは前記導波路出力端部から前記第1の方向に間隔を置いて位置する書き込みヘッドであって、前記極先端は前記導波路の幅より小さい前記第2の方向の幅を有する、書き込みヘッドと、
ディスクに面する前記表面に検知端部を有し、前記書き込み極先端とは反対側の前記導波路の側面に前記導波路出力端部から前記第1の方向に間隔を置いて位置する読み取りヘッドと
を備える磁気記録ディスクドライブスライダ。
【請求項2】
前記導波路の厚さに対する幅のアスペクト比は、4以上であり12以下である、請求項1に記載のディスクドライブスライダ。
【請求項3】
前記導波路出力端部の中心から前記書き込み極先端の前記トレーリングエッジまでの距離に対する前記導波路出力端部の幅の比は、2以上であり12以下である、請求項1に記載のディスクドライブスライダ。
【請求項4】
前記光導波路は、第1の屈折率を有するコアと、前記極先端に面する前記コアの側面に位置し、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有するクラッド層と、前記極先端に面する側とは反対側の前記コアの側面に位置し、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率の間の屈折率を有するクラッド層とを有する矩形導波路である、請求項1に記載のディスクドライブスライダ。
【請求項5】
前記コアは本質的にTaから形成され、前記極先端に面する前記コアの側面に位置するクラッド層は本質的にSiOまたはAlのいずれか1つから形成され、前記極先端に面する側とは反対側の前記コアの側面に位置するクラッド層はSiO−TaおよびAl−Taから選択される複合材から形成される、請求項4に記載のディスクドライブスライダ。
【請求項6】
基板および複数の略同心のトラック内にデータを記憶するための前記基板上の垂直磁気記録層を備える回転型磁気記録ディスクと、
前記記録層に面する空気ベアリング面(ABS)を有するスライダと、
レーザと、
前記スライダ上に位置し、前記レーザに結合された光導波路であって、前記導波路は前記ABSに略矩形状のレーザ光出力端部を有し、前記導波路出力端部は前記ディスクが回転する際に前記ディスク上に光スポットを生成して前記記録層のエリアを加熱するためのトラック沿いの厚さおよび前記トラック沿いの厚さより大きいクロストラック幅を有し、前記光スポットは長軸が複数のトラックにわたって延在する略楕円形状を有する、光導波路と、
前記スライダ上に位置し、前記ABSに書き込み極先端を有し、トレーリングエッジは前記導波路出力端部からトラック沿いの方向のダウントラック側に間隔を置いて位置する書き込みヘッドであって、前記極先端はそのトレーリングエッジで書き込み磁界を生成して前記加熱エリアの前記記録層の区域を磁化し、前記磁区は前記書き込み極の前記クロストラック幅と略等しいクロストラック幅を有する、書き込みヘッドと、
前記ディスク全体にわたって前記スライダを略径方向に移動させるための前記スライダに接続されたアクチュエータであって、前記極先端の前記クロストラック幅よりも小さい増分で前記極先端を移動させることが可能であり、それにより、前記極先端は磁区からなる部分的に重複する略円形の軌道を生成してもよく、磁区からなる重複しない略円形の軌道は前記同心トラックを形成する、アクチュエータと、
前記トラック内の磁区を読み取るための前記ABSに検知端部を有する読み取りヘッドと
を備えた熱アシストシングル書き込み方式磁気記録ディスクドライブ。
【請求項7】
前記光導波路のトラック沿いの厚さに対する前記光導波路のクロストラック幅の比は、4以上であり12以下である、請求項6に記載のディスクドライブ。
【請求項8】
前記導波路出力端部の中心から前記書き込み極先端の前記トレーリングエッジまでの距離に対する前記導波路出力端部の幅の比は、2以上であり12以下である、請求項6に記載のディスクドライブ。
【請求項9】
前記略楕円形状の光スポットの長軸は少なくとも20個のトラックにわたって延在する、請求項6に記載のディスクドライブ。
【請求項10】
前記略楕円形状の光スポットの長軸は少なくとも40個のトラックおよび最大120個のトラックにわたって延在する、請求項9に記載のディスクドライブ。
【請求項11】
前記光導波路は、第1の屈折率を有するコアと、前記極先端に面する前記コアの側面に位置し、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有するクラッド層と、前記極先端に面する側とは反対側の前記コアの側面に位置し、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率の間の屈折率を有するクラッド層とを有する矩形導波路である、請求項6に記載のディスクドライブ。
【請求項12】
前記コアは本質的にTaから形成され、前記極先端に面する前記コアの側面に位置する前記クラッド層は本質的にSiOまたはAlのいずれか1つから形成され、前記極先端に面する側とは反対側の前記コアの側面に位置する前記クラッド層はSiO−TaおよびAl−Taから選択される複合材から形成される、請求項11に記載のディスクドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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