説明

広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法

【課題】広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法を提供する。
【解決手段】N×Mマトリクスに全セクターを割り当てて、各セクターにIDセルを初期割り当てる過程と、初期割り当てを用いて、IDセル別最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルをターゲットIDセルと決定し、決定したターゲットIDセルの該当セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターと決定する過程と、ターゲットIDセルを除いた残りのIDセルから各々該当IDセルが割り当てられた所定数のセクターを選択し、選択したセクターのうち、所定条件を満たすセクターのIDセルと決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する過程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IDセル(以下、IDcellともいう)の割り当てに関し、特に、広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.16eシステムは、基本的にセルラ方式を採択しており、周波数再使用係数1を支援するため、隣接セル間に同じ周波数を用いることができる。したがって、システム内の端末は、同じ周波数を用いるセクターの中から自身の属しているセクターと隣接セクターとを区分できなければならない。このため、各セクターでは、端末に送信する毎フレームの最初のシンボルであるプリアンブル(Preamble)にセクター固有の擬似雑音符号(Pseudo Noise code:以下、PNコードとする)を載せて送る。
【0003】
IEEE802.16eシステム標準に定義されたプリアンブルPNコードは、全て114個であり、それぞれのコードは、0から113のコードインデックス(code index)を有している。また、プリアンブルPNコードは、IDセルとセグメントナンバー(segment number)を有している。よって、端末は、プリアンブルPNコードを解析することによって、該当セクターのコードインデックス、IDセル、セグメントナンバーを把握し得る。ここで、IDセルは、0〜31の32個の値を有し、セグメントナンバーは、0〜2の3個の値を有する。したがって、すべてのコードが固有の(IDセル、セグメントナンバー)組み合わせを有することはできず、114個のコードのうち、0番〜95番のコードのみが各コードが固有の(IDセル、セグメントナンバー)組み合わせを有し、96番〜113番コードは、0番〜95番コードと(IDセル、セグメントナンバー)組み合わせが重なるようになる。
【0004】
システムにおいてIDセルは、多様な用途、特に副搬送波ランダム化のために用いられ、これは、システムの性能に重要な影響を及ぼす。各セクターは、変調の際、セクター固有の擬似ランダムビットシーケンス(Pseudo-Random Bit Sequence:以下、PRBSとする)を用いて副搬送波ランダム化を行い、PRBSの初期化ベクトルは、すべて11ビットであって、次のとおりに構成される。
【0005】
<ダウンリンク>
b0..b4:第1の副チャネルの部分使用(Partial Usage of Sub-Channels:以下、PUSCとする)領域において、IDセル又はダウンリンクパーマベース(PermBase)の5ビットの最下位ビット(Least Significant Bit:以下、LSBとする)
b5..b6:PRBS_ID(第1のPUSC領域でセグメントナンバー+1)
b7..b10:0b1111(すなわちすべてのビットが1)
【0006】
<アップリンク>
b0..b4:IDセルの5ビットのLSB
b5..b6:0b11(すなわちすべてのビットが1)
b7..b10:フレームナンバーの4ビットのLSB
【0007】
ここで、ダウンリンクの場合には、第1のPUSC領域でIDセルとセグメントにより初期化ベクトルが生成され、IDセルが32個でセグメントナンバーが3個であるから、全て96個の初期化ベクトルが生成される。アップリンクの場合には、IDセルとフレームナンバーにより初期化ベクトルが生成されるので、フレームナンバーの運営方法によって、初期化ベクトルの数が変わる。例えば、セクター間にフレームナンバーが同期化されない場合には、最大512個の初期化ベクトルが生成され、セクター間にフレームナンバーが同期化される場合には、32個の初期化ベクトルが生成される。すなわち、アップリンクで生成可能なPRBSは、32個に制限され、この場合には、隣接した距離にある2つ以上のセクターが同様にランダム化を行う確率がダウンリンクの場合と比較して3倍程度高くなる。したがって、隣接セクター間に副搬送波ランダム化の重複を防止するためには、セクター間にフレームナンバーが同期化される場合には、IDセルの重複割り当てを避け、セクター間にフレームナンバーが同期化されない場合には、(IDセル、セグメント)の組み合わせの重複割り当てを避けなければならない。
【0008】
隣接セクター間に副搬送波ランダム化が重複する場合には、セクター間の星座マップ(constellation mapping)が同様になる。このように、セクター間の星座マップが同様になれば、端末は、受信信号の中でどれが磁気信号でどれが干渉なのかを区分できなくなり、これによって復調時に深刻な障害が生じ、特にパイロットの推定性能が大きく低下する。したがって、各セクターは、隣接セクターと異なるIDセルを用いることが好ましく、各セクターのIDセル重複を最小化し得るIDセルの割り当て方法を要する。
【特許文献1】韓国特許公開第1998−76745号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成すべく、本発明の実施形態によれば、無線通信システムのIDセルの割り当て方法は、N×Mマトリクスに全セクターを割り当てて、各セクターにIDセルの初期割り当てを行う過程と、初期割り当てを用いて、IDセル別最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルをターゲットIDセルと決定し、決定したターゲットIDセルの該当セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターと決定する過程と、ターゲットIDセルを除いた残りのIDセルから各々該当IDセルが割り当てられた所定の数のセクターを選択し、選択したセクターのうち、所定の条件を満たすセクターのIDセルと決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する過程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成すべく、本発明の他の実施形態によれば、無線通信システムのIDセルの割り当て装置は、N×Mマトリクスに全セクターを割り当てて、各セクターにIDセルの初期割り当てを行う初期割り当て部と、初期割り当てを用いてIDセル別最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルをターゲットIDセルと決定し、決定したターゲットIDセルの該当セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターと決定するターゲットセクター決定部と、ターゲットIDセルを除いた残りのIDセルにおいて各々該当IDセルが割り当てられた所定の数のセクターを選択して、近傍セット(neighborhood set)を構成する近傍セット構成部と、近傍セットの中で所定の条件を満たすセクターを最適の近傍と決定する最適の近傍決定部と、決定した最適の近傍のIDセルと決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する終了条件検査部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法を提供することによって、IDセル重複による副搬送波ランダム化の性能劣化が最小になるようにIDセルを各セクターに割り当てることができるという利点がある。また、速い時間内に優れた性能のIDセルを割り当てることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の動作原理について詳細に説明する。下記で本発明を説明するに当たって、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0014】
以下、本発明の実施形態である広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て装置及びその方法について説明する。
【0015】
ここで、本発明に係る実施形態は、IDセルの割り当てを例に挙げて説明するが、広帯域無線通信システムに用いられるさらに他のセクター区分パラメーターであるダウンリンクパーマーベース(DL_PermBase)とアップリンクパーマーベース(UL_PermBase)の割り当てにも有効に用いられることができる。
【0016】
一方、セクター間IDセルが重複する時の費用を算出するためには、セクター間の隣接度が定義されなければならず、セクターiがセクターjに及ぼす干渉の量をセクターiのセクターjに対した隣接度と定義し、Prox_ijと称する。Prox_ijは、様々な方法で決定され得る。例えば、ネットワーク管理ツール(Network planning tool)を利用する場合には、セクターjがセクターiに及ぼす干渉の総量をProx_ijで決定でき、セクター間の距離情報のみがある場合には、セクターiとセクターjとの間の経路損失(path loss)値をProx_ijで決定することもできる。この他にも多くの方法があり得る。本発明に係る実施形態では、後述の図1及び図2のような装置及びその方法でProx_ijを決定することにする。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の広帯域無線通信システムにおけるセクター間隣接度決定装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の隣接度決定装置は、平均基地局半径計算部101、セクター対(i、j)選択部103、セクターiの仮想ユーザの位置計算部105、セクターiの隣接度計算部107、セクターjの仮想ユーザの位置計算部109、セクターjの隣接度計算部111、及び、セクター対(i、j)の隣接度格納部113を備えて構成される。
【0018】
図1に示すように、平均基地局半径計算部101は、システム内の平均基地局半径を計算し、該計算した平均基地局半径をセクター対(i、j)選択部103に出力する。ここで、任意の基地局iから最も近い基地局までの距離をdiと定義し、システム内のすべての基地局に対するdiの平均を平均基地局距離と定義し、平均基地局距離の1/2を平均基地局半径と定義する。
【0019】
セクター対(i、j)選択部103は、セクター対のうち、隣接度が決定されない任意のセクター対(i、j)を選択した後に、選択したセクター対(i、j)と平均基地局半径計算部101から入力される平均基地局半径をセクターiの仮想ユーザの位置計算部105及びセクターjの仮想ユーザの位置計算部109に出力する。
【0020】
セクターiの仮想ユーザの位置計算部105は、セクター対(i、j)選択部103から入力されるセクター対(i、j)と平均基地局半径とを用いて、セクターiを代表する仮想ユーザの位置を計算し、計算した仮想ユーザの位置をセクターiの隣接度計算部107に出力する。ここで、仮想ユーザは、該当セクターのアンテナ方位角と同一線上に平均基地局半径の1/2になる距離に位置すると仮定する。
【0021】
セクターiの隣接度計算部107は、計算したセクターiの仮想ユーザの位置を用いて、セクターiのセクターjに対した隣接度Prox_ijを計算し、計算したProx_ijをセクター対(i、j)の隣接度格納部113に出力する。ここで、Prox_ijは、セクターiとセクターj及びセクターiの仮想ユーザの位置間の経路損失値で決定する。このとき、セクターiのアンテナ方位角とアンテナパターン、送信パワーを考慮しなければならない。
【0022】
セクターjの仮想ユーザの位置計算部109は、セクター対(i、j)選択部103から入力されるセクター対(i、j)と平均基地局半径を用いて、セクターjを代表する仮想ユーザの位置を計算し、計算した仮想ユーザの位置をセクターjの隣接度計算部111に出力する。ここで、仮想ユーザは、該当セクターのアンテナ方位角と同一線上に平均基地局半径の1/2になる距離に位置すると仮定する。
【0023】
セクターjの隣接度計算部111は、計算したセクターjの仮想ユーザの位置を用いて、セクターjのセクターiに対した隣接度Prox_jiを計算し、計算したProx_jiをセクター対(i、j)の隣接度格納部113に出力する。ここで、Prox_jiは、セクターjとセクターi及びセクターjの仮想ユーザの位置間の経路損失値で決定する。このとき、セクターjのアンテナ方位角とアンテナパターン、送信パワーを考慮しなければならない。
【0024】
セクター対(i、j)の隣接度格納部113は、セクターiの隣接度計算部107及びセクターjの隣接度計算部111から入力されるProx_ijとProx_jiとの和をセクター対(i、j)の隣接度と決定し、決定したセクター対(i、j)の隣接度を格納する。ここで、決定したセクター対(i、j)の隣接度は、以後のIDセルの割り当てに用いられる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態の広帯域無線通信システムにおけるセクター間隣接度決定方法の手順を示すフローチャートである。
【0026】
図2に示すように、まず、本実施形態の隣接度決定装置は、ステップ201(図面ではステップをSと略す。以下同じ。)において、システム内の平均基地局半径を計算する。ここで、任意の基地局iから最も近い基地局までの距離をdiと定義し、システム内のすべての基地局に対するdiの平均を平均基地局距離と定義し、平均基地局距離の1/2を平均基地局半径と定義する。
【0027】
次に、本実施形態の隣接度決定装置は、ステップ203において、隣接度が決定されない任意のセクター対(i、j)を選択した後に、ステップ205においてセクターiを代表する仮想ユーザの位置を計算する。ここで、仮想ユーザは、該当セクターのアンテナ方位角と同一線上に平均基地局半径の1/2になる距離に位置すると仮定する。次に、本実施形態の隣接度決定装置は、ステップ207において計算したセクターiの仮想ユーザの位置を用いて、セクターiのセクターjに対した隣接度Prox_ijを計算する。ここで、Prox_ijは、セクターiとセクターj及びセクターiの仮想ユーザ間の経路損失値で決定する。このとき、セクターiのアンテナ方位角とアンテナパターン、送信パワーを考慮する。
【0028】
次に、本実施形態の隣接度決定装置は、セクターiと同様な方法により、ステップ209においてセクターjの仮想ユーザの位置を計算し、ステップ211において計算したセクターjの仮想ユーザの位置を用いてセクターjのセクターiに対した隣接度Prox_jiを計算する。換言すれば、セクターiとセクターj及びセクターjの仮想ユーザ間の経路損失値でProx_jiを決定する。このとき、セクターjのアンテナ方位角とアンテナパターン、送信パワーを考慮する。
【0029】
次に、本実施形態の隣接度決定装置は、ステップ213においてシステム内のすべてのセクター対の隣接度が決定されたか否かを検査し、すべてのセクター対の隣接度が決定されないときには、ステップ203に戻る。これに対し、すべてのセクター対の隣接度が決定されたときには、本実施形態の隣接度決定装置は、本実施形態のアルゴリズムを終了する。
【0030】
上記のような方法により、システム内のすべてのセクター間の隣接度が決まった状態で各セクターにIDセルの割り当てが行われる。ここで、セクターiがセクターjに及ぼす干渉の程度とセクターjがセクターiに及ぼす干渉の程度が異なり得るので、セクター対の隣接度は、Prox_ijとProx_jiとの和で決定する。
【0031】
ここで、図5に示すように、IDセルの割り当て状態の表現方式を説明すれば、次のとおりである。IDセルの割り当ては、横32、縦N個の要素を有するN×32のマトリクス内に全セクターをランダムに割り当てることによって行われる。ここで、列の数32は、IDセルパラメーターの数を示し、行の数Nは、システム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値を示すデザインパラメーター(design parameter)を意味する。マトリクスの要素の数、すなわちN×32は、IDセルの割り当てが必要な総セクターの数より大きい値でなければならず、N×32マトリクスは、32×Nマトリクスに変わっても可能であることはもちろんである。それぞれの要素には、該当IDセルが割り当てられたセクターの番号が入る。ここで、IDセルの割り当てが必要なすべてのセクターは、固有の指数を有していると見なし、このとき、各セクターの番号が連続的である必要はない。例えば、マトリクスの(3,1)に位置した要素の値75が意味するのは、75番セクターにIDセル0番を割り当てたということを意味する。
【0032】
ここで、IDセルの割り当て状態の表現方式は、様々な長所を有する。その中で最も重要な長所は、交換という1つのオペレーション(operation)を通してもソリューション(solution)の多様性を大きく増やすことができるという点である。本実施形態では、IDセルの割り当ての性能を改善するための方法として、交換というオペレーションを用いる。交換は、1つの列にある要素1つと他の列にある要素1つを変えることで、マトリクスの要素の総数がセクターの総数より多いため、マトリクスの要素は、空いていることもあり、セクターの番号が入っていることもあり得る。したがって、上記のとおりに、2つの相違なるIDセルに対してそれぞれ1つずつの要素を選択して互いに変えるオペレーションを考慮するときには、IDセルの割り当て状態の表現方式は、それぞれのセクターに対して互いに以前に割り当てられたIDセルを変えることもできるが、選択された要素が空いている場合には、1つのセクターにIDセルを追加することができる。また、IDセルの割り当て状態の表現方式は、それぞれのIDセルが互いに独立しているから、繰り返しの際には、全体の重複セクターを考慮する必要無しで、各IDセル毎の計算を通してアルゴリズムを進行させることができるので、計算量を減らすことができるという長所がある。
【0033】
ここで、デザインパラメーターであるNを通して割り当てアルゴリズムの複雑度を調節することができる。マトリクスにおいて、Nの大きさが大きくなれば大きくなるほど、同じIDセル値を有することができるセクターの最大数が大きくなることが分かる。したがって、アルゴリズム的な側面からは、Nが大きくなれば、より多様な場合の解を表現できるようになり、これは、アルゴリズムにおいてもう少し多様なソリューションの検索を可能にする効果を出す。しかしながら、Nを大きくすればするほど、アルゴリズムを進行するのに必要な複雑度は、さらに大きくなるので、これに対する適切な設定が必要である。したがって、本実施形態では、Nを下記の式7のような範囲で決定することを提案する。これは、マトリクスの要素の数が全セクターの数より略1.5倍程度大きい場合には、複雑度を適切に維持し、かつIDセルの割り当て性能を良くすることができるためである。
【0034】
【数7】

【0035】
ここで、IDセルの割り当てのための目的式値は、下記の式8のように、IDセルが重複するセクター対のうち、隣接度の最も大きいセクター対の隣接度を最小化することにより決定する。これは、IDセルが重複するセクター対のうち、隣接度の最も近接したセクター対を最大限遠く離れておくことによって、最も性能低下の大きいことと予想されるセクター対の性能を向上させるためであり、すなわち最悪の場合の性能を保障するためである。
【0036】
【数8】

【0037】
ここで、wiは、フレームナンバーが同期化された場合の、セクターiとIDセルが重複するセクターの中で、セクター対の隣接度が最も大きいセクターであり、フレームナンバーが同期化されない場合の、セクターiと(IDセル、セグメント)組み合わせが重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターであり、この場合には、セグメントは、既に割り当てが完了していることとみなす。また、本実施形態を広帯域無線通信システムで用いられるもう1つのセクター区分パラメーターであるダウンリンクパーマーベース(DL_PermBase)の割り当てに用いる場合には、wiは、セクターiとダウンリンクパーマーベース(DL_PermBase)が重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターであり、アップリンクパーマーベース(UL_PermBase)の割り当てに用いる場合には、wiは、セクターiとアップリンクパーマーベース(UL_PermBase)が重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターである。以下の説明では、フレームナンバーが同期化された場合のIDセルの割り当てを中心に説明するが、その以外の場合にも有用に適用され得ることはもちろんである。
【0038】
一方、交換オペレーションを実現するためには、交換の対象になる要素を決定しなければならず、このために、ターゲットIDセルとターゲットセクター、対応IDセルを定義すれば次のとおりである。まず、IDセル別に該当IDセルが割り当てられたすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値を該当IDセルの最悪の隣接度と定義する。このとき、ターゲットIDセルは、すべてのIDセルの中で最悪の隣接度が最も大きいIDセルであり、ターゲットIDセルの最悪のセクター対の中で1つのセクターのIDセルの割り当てを変更しなければ、最悪の隣接度が解消されるので、セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターと定義し、ターゲットセクターを交換の対象として指定する。ターゲットIDセルに対応することが対応IDセルであり、対応IDセルは、ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルを意味する。ここで、対応IDセルに含まれた、ターゲットセクターと交換され得る要素は、セクターが割り当てられている要素であり得、セクターが割り当てられていないため空いている要素でもあり得る。
【0039】
一方、本実施形態において、タブーリストは、交換の形態が繰り返されるのを防止するために用いられるリストである。タブーリストの長さは、デザインパラメーターであってタブー長(TABU_LENGTH)として与えられ、繰り返すごとに該当繰り返しのターゲットIDセルをタブーリストに1つのタブー(Tabu)として格納する。ここで、新しいタブーは、タブーリストに存在する既存のタブーのすぐ次に位置するように格納し、タブーリストが全て満たされている場合には、タブーリストの最初に位置するタブーを除去した後に新しいタブーを格納して、タブーリストの長さを一定に維持する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のIDセルの割り当て装置は、初期割り当て部301、ターゲットセクター決定部303、近傍セット構成部305、最適の近傍決定部307、終了条件検査部309、及び、割り当ての結果格納部311を備えて構成される。
【0041】
図3に示すように、初期割り当て部301は、N×32のマトリクス内に全セクターをランダムに割り当てて、各セクターにIDセルを初期割り当てし、初期割り当ての結果をターゲットセクター決定部303と終了条件検査部309とに出力する。
【0042】
ターゲットセクター決定部303は、初期割り当て部301又は終了条件検査部309から入力される初期割り当ての結果又は交換による割り当ての結果を用いて、IDセル別最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対の属しているIDセルをターゲットIDセルと決定する。また、ターゲットセクター決定部303は、決定したターゲットIDセルに属する最も大きい隣接度を有するセクター対の中で1つのセクターを任意に選択し、選択したセクターをターゲットセクターと決定した後に、決定したターゲットIDセルとターゲットセクターとを近傍セット構成部305に出力する。
【0043】
近傍セット構成部305は、ターゲットセクター決定部303から入力されるターゲットIDセルを用いて、ターゲットIDセルを除いたすべてのIDセルからそれぞれ所定数の要素、すなわちセクターを任意に選択し、選択した所定数の要素を交換可能な要素セット、すなわち近傍セット(neighborhood set)で構成した後に、構成した近傍セットとターゲットセクター決定部303から入力されるターゲットセクター及びターゲットIDセルを最適の近傍決定部307に出力する。
【0044】
最適の近傍決定部307は、近傍セット構成部305から入力される近傍セットとターゲットセクターとを用いて、ターゲットセクターを近傍セットの要素1つ1つと交換したとき、交換に応じる△target(ターゲット)と△corresponding(対応)を計算し、計算した△targetが0より小さく△correspondingが0以下である条件を満たす近傍セットを検出した後に、検出した近傍セットの中でタブーリストに属しておらず、かつ最も優れた近傍が存在するか否かに応じて、検出した近傍セットの中で△targetが最も小さくなる近傍を最適の近傍と決定する。ここで、対応IDセルは、ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルを意味し、△targetは、交換を通しターゲットIDセルの最悪の隣接度が既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、△correspondingは、交換を通し対応IDセルの最悪の隣接度が既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。仮に、条件を満たす最も優れた近傍が存在しないときには、最適の近傍決定部307は、△targetと△correspondingとの和が0以下である条件を満たす近傍セットを検出した後に、検出した近傍セットの中でタブーリストに属せず、かつ最も優れた近傍が存在しているか否かに応じて検出した近傍セットの中で△target+△correspondingが最も小さくなる近傍を最適の近傍と決定する。次に、最適の近傍決定部307は、ターゲットセクターと決定した最適の近傍及び近傍セット構成部305から入力されるターゲットIDセルを終了条件検査部309に出力する。
【0045】
終了条件検査部309は、初期割り当て部301から入力される初期割り当ての結果を割り当ての結果格納部311に優秀割り当てとして格納し、最適割り当てを初期化して、割り当ての結果格納部311に格納する。次に、終了条件検査部309は、最適の近傍決定部307から入力されるターゲットセクターと決定した最適の近傍とを交換して、交換後の割り当てと優秀割り当てに対する目的式値を計算し、2つの割り当ての目的式値を比較して、より小さな目的式値を有する割り当てに優秀割り当てを更新する。このとき、終了条件検査部309は、初期割り当て部301から入力されるターゲットIDセルを割り当ての結果格納部311のタブーリストに格納する。次に、終了条件検査部309は、最適の近傍とターゲットセクターとの交換によって新しく生成された割り当ての結果をターゲットセクター決定部303に出力して、優秀割り当てが所定回数以上更新されないまで過程を繰り返した後、優秀割り当てが所定回数以上更新されないときには、更新された優秀割り当てと最適割り当てに対する目的式値とを比較して、より小さな目的式値を有する割り当てに最適割り当てを更新する。次に、終了条件検査部309は、過程を所定回数繰り返した後に、最適割り当てを最終IDセルの割り当てと決定する。
【0046】
割り当ての結果格納部311は、終了条件検査部309から入力される優秀割り当てと最適割り当てとを格納し、タブーリストに終了条件検査部309から入力されるターゲットIDセルを格納し、格納したタブーリストを最適の近傍決定部307に出力して、最適の近傍決定部307が最適の近傍を決定する際、タブーリストを参照できるようにする。
【0047】
図4は、本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て方法の手順を示すフローチャートである。
【0048】
図4に示すように、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ401において繰り返し回数Kを1に初期化し、最適割り当てをヌル(Null)に初期化する。
【0049】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ403においてN×32の割り当てマトリクス内にIDセルを初期割り当てし、初期割り当てに対する目的式値を計算した後に、初期割り当てを優秀割り当て(Good allocation)として格納し、カウントを0に初期化する。ここで、カウントは、優秀割り当てが更新されない回数を示す。
【0050】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ405においてIDセル別の最も悪い性能のセクター対、すなわち最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、選択したセクター対と該当セクター対の隣接度、すなわち最悪の隣接度を1つの列として有する3×32の最悪のセクター対マトリクスを生成する。
【0051】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ407において最悪のセクター対マトリクスの中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルを検出し、検出したIDセルをターゲットIDセルと決定する。また、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、決定したターゲットIDセルに属する最も悪い性能のセクター対の中で1つのセクターを任意に選択し、選択したセクターをターゲットセクターと決定する。
【0052】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ409においてターゲットIDセルを除いたすべてのIDセルからそれぞれ所定数の要素、すなわちセクターを任意に選択し、選択した所定数の要素を交換可能な要素セット、すなわち近傍セットで構成し、構成した近傍セットで近傍マトリックスを生成する。本実施形態では、各IDセルからN/2個の要素を選択する場合を例に挙げて説明することにする。
【0053】
本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ411においてターゲットセクターを近傍セットの要素1つ1つと交換したときには、交換に応じる△targetと△correspondingを計算し、計算した△targetが0より小さく、△correspondingが0以下である条件を満たす近傍セットを検出した後に、検出した近傍セットの中でタブーリストに属せず、かつ最も優れた近傍が存在しているか否かを検査する。ここで、△targetは、交換によりターゲットIDセルの最悪の隣接度が既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、△correspondingは、交換により対応IDセルの最悪の隣接度が既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。
【0054】
ここで、△targetが0より小さく、△correspondingが0以下である条件は、下記の式9のように示すことができる。
【0055】
【数9】

【0056】
ステップ411において上記式9の条件を満たす最も優れた近傍が存在するときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ415に進んで、検出した近傍セットの中で△targetが最も小さくなる近傍を最適の近傍として格納し、最適の近傍とターゲットセクターとを交換する。また、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、交換後の割り当てに対する目的式値を計算し、交換後の割り当てと優秀割り当ての目的式値を比較し、交換後の割り当てが優秀割り当てよりさらに優れた性能を有するときには、すなわち交換後の割り当てが優秀割り当てよりさらに小さな目的式値を有するときには、優秀割り当てを交換後の割り当てに更新し、カウントを0に初期化した後に、ステップ419に進む。
【0057】
これに対し、ステップ411において式9の条件を満たす最も優れた近傍が存在しないときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ413において計算した△targetと△correspondingとの和が0以下である条件を満たす近傍セットを検出した後に、検出した近傍セットの中でタブーリストに属せず、かつ最も優れた近傍が存在しているか否かを検査する。ここで、ステップ413において用いられるタブーリストは、ステップ411において用いられるタブーリストと同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
【0058】
ここで、計算した△targetと△correspondingとの和が0以下である条件は、下記の式10のように示すことができる。
【0059】
【数10】

【0060】
ステップ413において式10の条件を満たす最も優れた近傍が存在するときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ415に進んで、以下のステップを繰り返し行う。これに対し、ステップ413において式10の条件を満たす最も優れた近傍が存在しないとき、すなわち、交換後の割り当てが優秀割り当てより良い性能を有することができないときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ417に進んでカウントをカウントに1を足した値に更新した後、ステップ419に進む。
【0061】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ419においてカウントがカウントの閾値、すなわち第1の閾値より小さいか否かを検査し、カウントが第1の閾値より小さいときには、最適の近傍とターゲットセクターの交換によって新しく生成された割り当てに対して、最悪の対マトリクスのターゲットIDセルと対応IDセルに該当する列を更新し、ステップ405に戻って、以下のステップを繰り返す。これに対し、カウントが第1の閾値以上であるときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ421において更新された優秀割り当てと最適割り当ての目的式値を比較して、更新された優秀割り当てが最適割り当てよりさらに優れた性能を有するとき、すなわち更新された優秀割り当てが最適割り当てよりさらに小さな目的式値を有するときには、最適割り当てを優秀割り当てに更新する。
【0062】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、ステップ423においてKがKの閾値、すなわち第2の閾値より大きいか否かを検査し、Kが閾値以下であるときには、ステップ425に進んでKをKに1を足した値に更新した後に、ステップ403に戻って、以下のステップを繰り返す。これに対し、Kが閾値より大きいときには、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、最適割り当てを最終IDセルの割り当てと決定した後に、本実施形態のアルゴリズムを終了する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当てアルゴリズムの例を示す例示図である。ここで、図6は、90個のセクターにIDセルの割り当てアルゴリズムを適用したときの例であって、式7によりN≧4であるから、4×32マトリクスを構成してアルゴリズムを進行する。
【0064】
まず、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、図6Aに示す初期割り当てマトリクスを用いて、IDセル毎に最悪のセクター対を集めた最悪のセクター対マトリクスを生成し、生成した最悪のセクター対マトリクスの中で最も大きい隣接度を有する対(9,32)601を選択する。このとき、最も大きい隣接度を有する対(9,32)601のIDセル 1をターゲットIDセルと決定し、ターゲットIDセルの最悪のセクター対であるセクター9とセクター32の中で1つのセクター、例えば9を任意に選択して、ターゲットセクターと決定する。セクター9と交換される近傍マトリクスを生成するために、ターゲットIDセルを除いたすべてのIDセルにおいてそれぞれ2(=4/2)個ずつのセクターを選択して近傍マトリクスを生成し、ターゲットIDセルの最悪の隣接度を低くする等、一定基準を最大に満たすセクターを検出してターゲットセクター9と交換する。例えば、IDセル5のセクター62 603が一定基準を最大に満たすとき、セクター62 603をターゲットセクター9と交換する。
【0065】
次に、本実施形態のIDセルの割り当て装置は、過程を所定回数繰り返して図6Bに示すようにIDセルを交換する。ここで、灰色で塗られた要素は、繰り返しが行われることによって、以前の割り当てマトリクスと変わった部分を示す。
【0066】
上述のように、本実施形態では、広帯域無線通信システムのIDセルの割り当て装置及びその方法を提供することによって、IDセル重複による副搬送波ランダム化の性能劣化が最小になるようにIDセルを各セクターに割り当てることができるという利点がある。また、速い時間内に優れた性能のIDセルを割り当てることができるという利点がある。
【0067】
上述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるセクター間隣接度決定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるセクター間隣接度決定方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当て状態の表現方式を示す例示図である。
【図6A】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当てアルゴリズムの例を示す例示図である。
【図6B】本発明の実施形態に係る広帯域無線通信システムにおけるIDセルの割り当てアルゴリズムの例を示す例示図である。
【符号の説明】
【0069】
101:平均基地局半径計算部
103:セクター対(i、j)選択部
105:セクターiの仮想ユーザの位置計算部
107:セクターiの隣接度計算部
109:セクターjの仮想ユーザの位置計算部
111:セクターjの隣接度計算部
113:セクター対(i、j)の隣接度格納部
301:初期割り当て部
303:ターゲットセクター決定部
305:近傍セット構成部
307:最適の近傍決定部
309:終了条件検査部
311:割り当ての結果格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N×Mマトリクスの各要素に全セクターを割り当てることにより、各セクターにIDセル(IDcell)の初期割り当てを行う過程と、
前記初期割り当てを用いて、IDセル別の最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、前記選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルをターゲットIDセルと決定し、前記決定したターゲットIDセルの該当セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターとして決定する過程と、
前記ターゲットIDセルを除いた残りのIDセルから各々該当IDセルが割り当てられた所定の数のセクターを選択し、前記選択したセクターのうち、所定の条件を満たすセクターのIDセルと前記決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する過程と、を含むことを特徴とする無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項2】
前記N又はMは、それぞれIDセルパラメーターの数又はシステム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項3】
前記無線通信システム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値は、全セクター数を前記IDセルパラメーターの数で割った値の1.5倍より大きい値であることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項4】
前記所定の数は、前記無線通信システム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値の1/2であることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項5】
前記マトリクスの各々の要素に該当IDセルが割り当てられたセクターの固有番号を表示することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項6】
前記所定の条件を満たすセクターは、下記の式1を満たすセクターの中で最も優れたセクターであることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【数1】


ここで、前記△target(ターゲット)は、前記ターゲットIDセルのすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、前記△corresponding(対応)は、前記ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルに対し該当IDセルが割り当てられたすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。
【請求項7】
前記交換過程を行うセクターは、前記△targetが最も小さなセクターであることを特徴とする請求項6に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項8】
前記選択されたセクターの中で前記所定の条件を満たすセクターが存在しない場合には、前記選択されたセクターの中でさらに他の所定の条件を満たすセクターのIDセルと前記決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項9】
前記さらに他の所定の条件を満たすセクターは、下記の式2を満たすセクターの中で最も優れたセクターであることを特徴とする請求項8に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【数2】

ここで、前記△targetは、前記ターゲットIDセルのすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、前記△correspondingは、前記ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルに対し該当IDセルが割り当てられたすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。
【請求項10】
前記交換過程を行うセクターは、前記△target+△correspondingが最も小さなセクターであることを特徴とする請求項9に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項11】
前記初期割り当てを優秀割り当てとして格納する過程と、
前記交換後の割り当てと前記優秀割り当てに対する目的式値を計算する過程と、
前記2つの割り当ての目的式値を比較して、前記優秀割り当てを更新する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項12】
前記目的式値は、前記IDセルが重複するセクター対の中で隣接度が最も大きいセクター対の隣接度を最小化する値であって、下記の式3のように示されることを特徴とする請求項11に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【数3】


ここで、前記wiは、フレームナンバーが同期化された場合には、セクターiとIDセルとが重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターであり、フレームナンバーが同期化されない場合には、セクターiと(IDセル、セグメント)の組み合わせが重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターである。ここで、前記2つの割り当ての目的式値を比較して、さらに小さな目的式値を有する割り当てに前記優秀割り当てを更新する。
【請求項13】
前記セクター対(a、b)の隣接度は、1つのセクター(a)が残りの1つのセクター(b)に及ぼす干渉の量と、1つのセクター(b)が残りの1つのセクター(a)に及ぼす干渉の量との和であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て方法。
【請求項14】
N×Mマトリクスの各要素に全セクターを割り当てることにより、各セクターにIDセルの初期割り当てを行う初期割り当て部と、
前記初期割り当てを用いて、IDセル別の最も大きい隣接度を有するセクター対を選択し、前記選択したセクター対の中で最も大きい隣接度を有するセクター対が属しているIDセルをターゲットIDセルと決定し、前記決定したターゲットIDセルの該当セクター対の中で1つのセクターをターゲットセクターと決定するターゲットセクター決定部と、
前記ターゲットIDセルを除いた残りのIDセルから各々該当IDセルが割り当てられた所定の数のセクターを選択して、近傍セット(neighborhood set)を構成する近傍セット構成部と、
前記近傍セットの中で所定の条件を満たすセクターを最適の近傍と決定する最適の近傍決定部と、
前記決定した最適の近傍のIDセルと前記決定したターゲットセクターのIDセルとを交換する終了条件検査部と、を備えることを特徴とする無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項15】
前記N又はMは、それぞれIDセルパラメーターの数又はシステム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値であることを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項16】
前記無線通信システム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値は、全セクター数を前記IDセルパラメーターの数で割った値の1.5倍より大きい値であることを特徴とする請求項15に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項17】
前記所定の数は、前記システム上において同じIDセルが割り当てられ得るセクター数の最大値の1/2であることを特徴とする請求項15に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項18】
前記マトリクス各々の要素に該当IDセルが割り当てられたセクターの固有番号を表示することを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項19】
前記所定の条件を満たすセクターは、下記の式4を満たすセクターの中で最も優れたセクターであることを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【数4】


ここで、前記△targetは、前記ターゲットIDセルのすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、前記△correspondingは、前記ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルに対し該当IDセルが割り当てられたすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。
【請求項20】
前記交換を行うセクターは、前記△targetが最も小さなセクターであることを特徴とする請求項19に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項21】
前記最適の近傍決定部は、前記近傍セットの中で前記所定の条件を満たすセクターが存在しない場合には、前記近傍セットの中でさらに他の所定の条件を満たすセクターを最適の近傍と決定することを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項22】
前記さらに他の所定の条件を満たすセクターは、下記の式5を満たすセクターの中で最も優れたセクターであることを特徴とする請求項21に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【数5】


ここで、前記△targetは、前記ターゲットIDセルのすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味し、前記△correspondingは、前記ターゲットセクターと交換され得る要素が含まれているIDセルに対し該当IDセルが割り当てられたすべてのセクター対の隣接度の中で最も大きい値の隣接度が、前記交換により既存の割り当てに比べてどれくらい小さくなるかを示した値を意味する。
【請求項23】
前記セクター対(a、b)の隣接度は、1つのセクター(a)が残りの1つのセクター(b)に及ぼす干渉の量と、1つのセクター(b)が残りの1つのセクター(a)に及ぼす干渉の量との和であることを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項24】
前記終了条件検査部は、前記初期割り当てを優秀割り当てとして格納し、前記交換後の割り当てと前記優秀割り当てに対する目的式値を計算し、前記2つの割り当ての目的式値を比較して前記優秀割り当てを更新することを特徴とする請求項14に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【請求項25】
前記目的式値は、前記IDセルが重複するセクター対の中で隣接度が最も大きいセクター対の隣接度を最小化する値であって、下記の式6のように示されることを特徴とする請求項24に記載の無線通信システムのIDセルの割り当て装置。
【数6】


ここで、前記wiは、フレームナンバーが同期化された場合には、セクターiとIDセルとが重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターであり、フレームナンバーが同期化されない場合には、セクターiと(IDセル、セグメント)の組み合わせが重複するセクターの中でセクター対の隣接度が最も大きいセクターである。ここで、前記2つの割り当ての目的式値を比較して、さらに小さな目的式値を有する割り当てに前記優秀割り当てを更新する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2008−99292(P2008−99292A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267969(P2007−267969)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【Fターム(参考)】