説明

床に床材を貼付するための方法

床材(6)を床(1)に貼付するための方法において、スリット(4)が古い床材(2)に設けられ、接着剤(5)が前記スリット(4)に充填され、新しい床材(6)が載置され、前記新しい床材(6)が前記床(1)に貼付される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書き部分に記載の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の方法では、古い床材を、新しい床材に取り替える際、古い床材を剥ぎ取り、接着剤の残りを除去するために、床を磨く。その後、床を洗浄しなければならない。それによって、新しい接着層が、床に付着可能となる。新しい接着剤が塗布された後、新しい床材が床に貼付される。これは、非常に大きな費用と、集中的な作業とを要するプロセスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、冒頭に記載した種類の方法において、新しい床材の貼付を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。
【0005】
つまり、本発明の核は、古い床材にスリットを設け、当該スリットに接着剤を充填し、新しい床材を載置し、新しい床材を床に貼付することにある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の利点は、特に、容易で、費用のかからない方法を提供できることにある。本発明に係る方法では、古い床材を剥ぎ取り、除去する必要もなく、洗浄し、場合によって前処理/下塗りを行う必要もないので、作業ステップを省略できる。新しい床材を、問題なく、汚れた床材に貼付することもできる。特に、古い床材が柔らかい場合、歩行音を緩和するためのマットを、付加的に使用しなくてもよい。
【0007】
本発明の、さらなる有利な構成は、従属請求項から明らかとなる。
【0008】
以下に、図を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。図が複数あるが、同じ部材には、同じ参照符号を用いた。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るスリットを有する床の部分横断面を示す図である。
【図2】本発明に係るスリットと、当該スリット内に充填された接着剤とを有する床の部分横断面を示す図である。
【図3】本発明に係る床材が貼付された床の部分横断面を示す図である。
【図4】本発明に係る床材、及び、マットが付加的に貼付された床の部分横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図には、本発明を直接に理解するために重要な部材のみを示した。
【0011】
図1には、床1、特に、床材2が設けられたコンクリート床が示されている。当該床材としては、カーペット、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック床材、合板床材、寄せ木貼り床材、鋳造プラスチック床材などが挙げられる。床材2は、例えば、接着層3によって、床1に接合される。当該接着層自体は、任意に使用可能であり、床材を床に固定するものである。接着層は、プラスチック接着剤でよいが、合板床材などの場合には、モルタルでもよい。鋳造プラスチック床材のように、自身が接着する床材が用いられる場合には、当該接着層を適用しなくてもよい。必要に応じて、下塗りも行われる。
【0012】
床材2と、必要に応じて接着層3と、には、スリット4が設けられる。スリットは、ナイフを用いて手で作製してもよいし、特殊なナイフを用いて機械で作製してもよいし、フライス盤などで作製してもよい。好適には、スリットは、床1が露出するように作製されるので、特に、床の表面を容易に削ることができる。当該スリットは、例えば、5〜10cm間隔で設置され、幅は1〜2cmである。
【0013】
図2によると、接着剤5が、スリット4に充填されており、接着剤5は、少なくとも床材の表面から、軽く突出している。このとき、接着剤がはみ出た部分は、三角形など、様々な形状をとり得るものであり、所望の貼付結果に適応させることができる。
【0014】
その後、図3によると、新しい床材6が、古い床材2及び接着剤5の表面上に載置され、接着剤5によって、床1と接合される。新しい床材6としては、カーペット、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック床材、寄せ木貼り床材などが挙げられる。新しい床材を貼付する際、歩行音を緩和するためなどに、マットを付加する必要はない。接着剤としては、任意の接着剤が使用可能であり、当該接着剤は、それぞれ床1及び新しい床材6に適応する。特に好適な接着剤としては、SikaBond−T52(登録商標)、SikaBond(登録商標)−T52FC、SikaBond−T53(登録商標)、SikaBond−AT84(登録商標)が挙げられる。
【0015】
図4によると、スリットを有するマット7を、古い床材2に付加的に載置することも、当然のことながら可能である。これは、古い床材が硬質な構造を有する場合、例えば、合板床材又は寄せ木貼り床材である場合には、特に有利である。マット7のスリットと、古い床材に設けられたスリット4とは、上下に重ね合わされている。このとき、好適には、接着剤がスリットに充填される前に、マットが載置される。
【0016】
自明のことながら、本発明は、記載された実施例に限定されるものではない。本発明に係る方法は、あらゆる種類の床と、古い床材と、新しい床材と、に適用可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 床
2 古い床材
3 接着層
4 スリット
5 接着剤
6 新しい床材
7 マット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床材(6)を床(1)に貼付するための方法において、
古い床材(2)にスリット(4)が設けられ、
前記スリット(4)に接着剤(5)が充填され、
新しい床材(6)が載置され、前記新しい床材(6)が前記床(1)に貼付される方法。
【請求項2】
前記スリット(4)が、前記床(1)に達することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記古い床材(2)と、前記新しい床材(6)との間に、マット(7)が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法によって作製された床材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−516921(P2010−516921A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545954(P2009−545954)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051180
【国際公開番号】WO2008/092920
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】