説明

床の改造方法

【課題】畳床や下地板などの敷き詰め材の余剰部分が残ることがなく、改造工事の手間がかからず、改築コストが安くできる床の改造方法を提供する。
【解決手段】本発明方法は、畳を撤去した既存の和室の床板面を採寸し、この採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した畳床を上記床板面上に敷き込むと共に、この畳床上に、上記採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した下地板を敷き込み、さらに、該畳床上にフローリング材を敷き込むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畳敷の和室をフローリング床の洋室に改造する、床の改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、この種の床の改造方法としては、和室から既存の畳を撤去し、フローリング材からなる表面層と嵩上げ用基材層とを積層して接着剤により接合すると共に畳と同じ縦横寸法に製造した床パネルと、入れ換えるものがあった。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
しかしながら、上記従来の方法は、敷き込んだ最終列の床パネルの余剰部分を部屋の大きさに合わせて、表面層だけでなく嵩上げ用基材層も裁断する必要が生じ、資材が無駄になったり、床パネルの制作に手間と時間がかかるだけでなく、上記表面層の縦横各一辺に臍と溝を形成して、隣接する床パネルの臍と溝を嵌合するようになっているため、縦横両方向に同時に組み付けていくことは事実上不可能である等の問題点があった。
【特許文献1】特開2000−129891号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、畳床や下地板などの敷き詰め材の余剰部分が残ることがなく、改造工事の手間がかからず、改築コストが安くできる床の改造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の床の改造方法は、畳を撤去した既存の和室の床板面を採寸し、この採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した畳床を上記床板面上に敷き込むと共に、この畳床上に、上記採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した下地板を敷き込み、さらに、該畳床上にフローリング材を敷き込むことを特徴とする。また、上記畳床を敷き込む前の上記床板面上に薄い弾性シートを敷き込むことを特徴とする。さらに、上記畳床を上記床板にビスで固定することを特徴とする。また更に、隣接する上記畳床の継ぎ目に粘着テープを張ることを特徴とする。更にまた、上記下地板を上記畳床にビスで固定することを特徴とする。なお、上記下地板の敷き込みを省略することもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の床の改造方法は、畳床や下地板などの敷き詰め材の余剰部分が残ることがなく、改造工事の手間がかからず、改築コストが安くできるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜図5は、本発明方法の一実施例を示す説明図である。図1は、畳Tを敷いた既存の和室の一部を示すもので、Pは柱、Sは敷居、Uは畳床、Yは床板、Nは根太である。
【0008】
本発明方法において、まず、上記畳Tを撤去して、図2に示すように、床板Yを露出させ、この床板面を採寸する。必要に応じて、この床板Yの表面を清掃しておく。
【0009】
次に、上記床板Y上に敷き込む予定の畳床1および下地板4を、上記採寸した数値や形状の情報に基づいて割り付け裁断(プレカット)する。上記畳床1としては、木材のチップを圧縮成形したインシュレーションボードや発泡ポリスチレンを単板あるいは積層させたもので、一般に建材畳床または化学床と呼ばれる畳床を使用するのが好ましい。
【0010】
上記下地板4としては、下地用の単板や合板、或いはハードボード(木材を繊維状にして圧縮成形した硬い板材)を使用する。
【0011】
さらに、上述のようにプレカットした上記畳床1を、図3に示すように、畳Tを撤去し後の床板面上に、畳の敷き込みと同様に敷き込む。なお、上記畳床1を敷き込む前の上記床板Y上に、例えば厚さ2mm程度の発泡性マットなどの薄い弾性シート(図示せず)を敷き込んで、床板Yの不陸を吸収しておくのが好ましい。
【0012】
敷き込んだ上記畳床1の縁部にビス2を打ち付けて、畳床1を上記床板Yに固定すると共に、隣接する畳床1の継ぎ目にガムテープなどの粘着テープ3を張る。この際、畳床1の敷き込みに不陸が生じないように注意して養生をしておく。
【0013】
続いて、図4に示すように、上記敷き込んだ畳床1上に上述のようにプレカットした上記下地板4を敷き込み、それらの縁部をビス2で固定する。この場合、下地板4の敷き込みパターンは、上記畳床1の敷き込みパターンと重ならないようにして、それらの継ぎ目が出来るだけ重ならないようにするのが好ましい。
【0014】
最後に、上記敷き込んだ下地板4上に、図5に示すように、フローリング材5を敷き込む。
【0015】
上記下地板4は、上記畳床1が下地と同等以上の強度を有する場合には、その敷き込みを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】畳敷の既存の和室を示した一部切欠き斜視図である。
【図2】畳を撤去した後の部屋の一部切欠き斜視図である。
【図3】畳床を敷き込んだ部屋の一部切欠き斜視図である。
【図4】下地板を敷き込んだ部屋の一部切欠き斜視図である。
【図5】フローリング材を敷き込んで洋室に改造した部屋の一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 畳床
2 ビス
3 粘着テープ
4 下地板
5 フローリング材
P 柱
S 敷居
U 畳床
T 畳
Y 床板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畳を撤去した既存の和室の床板面を採寸し、この採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した畳床を上記床板面上に敷き込むと共に、この畳床上に、上記採寸情報に基づいて予め割り付け裁断した下地板を敷き込み、さらに、該畳床上にフローリング材を敷き込むことを特徴とする床の改造方法。
【請求項2】
上記畳床を敷き込む前の上記床板面上に薄い弾性シートを敷き込むことを特徴とする請求項1に記載の床の改造方法。
【請求項3】
上記畳床を上記床板にビスで固定することを特徴とする請求項1または2に記載の床の改造方法。
【請求項4】
隣接する上記畳床の継ぎ目に粘着テープを張ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の床の改造方法。
【請求項5】
上記下地板を上記畳床にビスで固定することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の床の改造方法。
【請求項6】
上記下地板の敷き込みを省略することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の床の改造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−144390(P2010−144390A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321863(P2008−321863)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503106328)山中産業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】