説明

床タイルの施工方法

【課題】 本発明は、正六角形の床タイルを床面に簡単に敷設できる床タイルの施工方法を提供する。
【解決手段】 本発明の施工方法は、複数の正六角形床タイル8を壁面側に向かって順次敷設する工程と、壁面W1の近傍において1枚分の床タイルを敷設できない残部領域R1の形状に適合するように、正六角形床タイル85を切断する工程と、切断後の床タイル片を残部領域R1に嵌め入れる工程と、を有する。残部領域R1に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する敷設済みの正六角形床タイル8の上に、正六角形床タイル85を重ね置く。その上に切断用定規1を置き、その定規1の一辺1bを壁面部に当て、且つその定規1の対辺に沿って切断対象の床タイル85をカッターで切断する。前記切断用定規は長方形状であり、その縦長さは正六角形床タイルの一辺×31/2×N1であり、横長さは正六角形床タイルの一辺×3である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正六角形又は菱形の床タイルを施工する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床タイルの形状は、一般に、平面視正方形である。以下、本明細書において、平面視正方形の床タイルを「正方形床タイル」と略称する場合がある。
複数の正方形床タイルを、オフィスや商業施設などの室内の施工場所に敷設する施工方法として、下記のような2つの方法が行われている。
第1の施工方法は、施工場所の1つの隅部(施工場所の2つの壁面が略直交状に交わっている部分)に、正方形床タイルの2辺をそれぞれ当てて1枚目の正方形床タイルを敷設し、この1枚目の正方形床タイルを基準にして、1枚目の正方形床タイルの端辺に2枚目以降の正方形床タイルを突き合わせ、以後、同様にして3枚目以降の正方形床タイルを前記2つの壁面に対向する2つの壁面側へと並べていく。これを続けていくと、前記2つの壁面に対向する2つの壁面の近傍において、1枚分の正方形床タイルを敷設できない大きさの残部領域(床面の一部分)が生じる。この残部領域には正方形床タイルをそのまま敷設できないので、この残部領域の形状に適合するように正方形床タイルを切断しなければならない。特に、室内へ床タイルを敷設する場合には、壁面近辺の隙間が目立つと美観を損ねるので、可能な限り隙間が生じないように、床タイルを切断し敷設することが望まれる。
【0003】
この切断時には、前記残部領域に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する敷設済みの正方形床タイルの上に、切断対象の正方形床タイルの全ての辺が一致するように重ね置き、前記切断対象の正方形床タイル上に更に別途の正方形床タイルを置き、この別途の正方形床タイルの一辺を前記残部領域に対応する壁面部に当て、且つ別途の正方形床タイルの対辺に沿ってカッターを動かして前記切断対象の正方形床タイルを切断する。そして、切断によって得られた床タイル片を残部領域にスライド移動させ、これを残部領域に嵌め合わせることにより、床タイルの施工が完了する。このように施工することにより、残部領域の大きさに床タイル片の形状を合わせることができ、壁面近辺の隙間を最小にすることができ、床面の美観を高めることができる。
【0004】
上記施工方法では、施工場所の一方の壁面に沿って正方形床タイルが綺麗に並ぶが、この壁面と対向する壁面には正方形でない床タイル片が並ぶので、施工完了後の床タイルが対称的でなく、床面の見栄えが悪くなる。
対称的に床タイルを敷設するため、第2の施工方法として、まず、施工場所の床面の縦及び横の長さを測り、施工完了後の床タイルが対向する壁面において略対称となるように、施工場所の床面中央部に縦方向及び横方向に延びる2つの基準線を十字状に引く。そして、その十字状の基準線に正方形床タイルの2辺をそれぞれ当てて1枚目の正方形床タイルを床面中央部に敷設し、以後、2枚目以降の正方形床タイルを壁面側に並べていくと、上記第1の施工方法と同様に、4つの壁面の近傍において1枚分の正方形床タイルを敷設できない残部領域がそれぞれ生じる。この残部領域に床タイル片を嵌め合わせるための手順は、上記第1の施工方法と同様である。
【0005】
ところで、一般的な床タイルの形状は、上記のとおり平面視正方形であるが、例えば、特許文献1に記載されているように、主として公園やコミュニティー広場等において使用される、平面視正六角形のコンクリート製のタイルが知られている。このような平面視正六角形のタイルを、オフィス、商業施設などの室内の施工場所に敷設することが考えられる。
公園やコミュニティー広場等の室外に平面視正六角形のコンクリート製のタイルを敷設する場合は、主に、広めに敷設した後に割り砕いて端部を揃えるか、端面はそのままにして敷設する方法が採られている。しかしながら、室内に敷設する場合は、壁面より広めに敷設することができず、端面をそのままに敷設すると美観を損ねるので、このような方法を採用でき難い。また、上述のように、室内に床タイルを敷設する場合は、壁面近辺の隙間が目立つと美観を損ねるので、可能な限り隙間が生じないように敷設することが望まれる。
加えて、平面視正六角形の床タイル(以下、本明細書において、平面視正六角形の床タイルを「正六角形床タイル」と略称する場合がある)は、その一辺(端辺)の長さが対角線よりも短いので、上記第1の施工方法の床タイルの切断時のように、切断対称の正六角形床タイルの上に、更に別途の正六角形床タイルを置き、この別途の正六角形床タイルの一辺を壁面部に当て且つ別途の正六角形床タイルの対辺に沿ってカッターを動かしても、カッターによる切り目を切断対象の正方形床タイルの面内の一部分にしか形成できない。
【0006】
このため、正六角形床タイルについては、別途の正六角形床タイルを利用して切断対称の正六角形床タイルを切断するという、上記従来の正方形床タイルに用いられている方法を流用することができない。
それ故、正六角形床タイルを敷設する場合、残部領域の形状に適合するように正六角形床タイルを簡単に切断できるような施工方法が求められる。
なお、この点は、正六角形床タイルのみならず、平面視菱形の床タイルなどにおいても共通している。以下、本明細書において、平面視菱形の床タイルを「菱形床タイル」と略称する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−306808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、正六角形床タイル又は菱形床タイルを簡単に施工場所に敷設できる床タイルの施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の床タイルの施工方法は、平面視正六角形の床タイルを施工場所に敷設する際に適用され、前記施工場所の床面に、基準となる1枚目の床タイルを敷設する初期位置決め工程と、前記1枚目の床タイルの端辺に2枚目の床タイルの端辺を突き合わせて2枚目の床タイルを敷設し、同様にして3枚目以降の床タイルを施工場所の壁面側に向かって順次敷設する工程と、前記壁面の近傍において1枚分の床タイルを敷設できない床面の残部領域の形状に適合するように、床タイルを切断する工程と、切断によって得られた床タイル片を前記残部領域に嵌め入れる工程と、を有し、前記切断工程が、前記残部領域に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する前記敷設済みの床タイルの上に、切断対象の床タイルを重ね置き、前記切断対象の床タイル上に下記切断用定規を置き、前記切断用定規の一辺を前記残部領域に対応する壁面部に当て且つ前記切断用定規の対辺に沿って前記切断対象の床タイルをカッターで切断することを特徴とする床タイルの施工方法。
前記切断用定規は、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その外形の一辺の長さはA×31/2×N1で且つその他辺の長さはA×3×N1であり、前記Aは正六角形の床タイルの一辺の長さを表し、前記N1は1以上の整数を表す。
【0010】
本発明の第2の床タイルの施工方法は、平面視菱形の床タイルを施工場所に敷設する際に適用され、前記施工場所の床面に、基準となる1枚目の床タイルを敷設する初期位置決め工程と、前記1枚目の床タイルの端辺に2枚目の床タイルの端辺を突き合わせて2枚目の床タイルを敷設し、同様にして3枚目以降の床タイルを施工場所の壁面側に向かって順次敷設する工程と、前記壁面の近傍において1枚分の床タイルを敷設できない床面の残部領域の形状に適合するように、床タイルを切断する工程と、切断によって得られた床タイル片を前記残部領域に嵌め入れる工程と、を有し、前記切断工程が、前記残部領域に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する前記敷設済みの床タイルの上に、切断対象の床タイルを重ね置き、前記切断対象の床タイル上に下記切断用定規を置き、前記切断用定規の一辺を前記残部領域に対応する壁面部に当て、且つ前記切断用定規の対辺に沿って前記切断対象の床タイルをカッターで切断することを特徴とする床タイルの施工方法。
前記切断用定規は、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その外形の一辺の長さはN2×Bで且つその他辺の長さはN3×C/2であり、前記Bは菱形の床タイルの短い方の対角線の長さを表し、前記Cは菱形の床タイルの長い方の対角線の長さを表し、前記N2及びN3は、それぞれ独立して1以上の整数を表す。
【0011】
好ましい上記床タイルの施工方法は、前記切断対象の床タイルの全ての辺が前記敷設済みの床タイルの全ての辺に一致するように、前記切断対象の床タイルを前記敷設済みの床タイルの上に置くようにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定の切断用定規を用いて正六角形床タイル又は菱形床タイルを切断することにより、1枚分の床タイルを敷設できない床面の残部領域の形状に適合する床タイル片を簡単に得ることができる。
従って、本発明の床タイルの施工方法を行えば、正六角形床タイル又は菱形床タイルを簡単且つ短時間で施工場所の床面に敷設でき、施工完了後の床面の外観も美麗である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】施工場所の床面に正六角形床タイルを敷き詰めた状態(施工完了後の床面)の平面図。
【図2】床面中央部に1枚目の正六角形床タイルを敷設した状態の平面図。なお、床面に敷設済みの正六角形床タイルを、便宜上、薄墨塗りで表している(図3、図4及び図7も同様)。
【図3】床面中央部に4枚の正六角形床タイルを敷設した状態の平面図。
【図4】床面の1つの区画領域全体(但し、残部領域を除く)に複数の正六角形床タイルを敷設した状態の平面図。
【図5】(a)は、第1切断用定規の平面図、(b)は、同側面図。
【図6】(a)は、他の実施形態の第1切断用定規の平面図、(b)は、更に他の実施形態の第1切断用定規の斜視図。
【図7】切断用定規を用いて正六角形床タイルを切断する手順を示す平面図。なお、切断対象の正六角形床タイルを、便宜上、網掛けで表している。
【図8】(a)は、第2切断用定規の平面図、(b)は、同側面図。
【図9】(a)は、第3切断用定規の平面図、(b)は、同側面図。
【図10】菱形床タイルの第1の敷設パターンに従って、床面の1つの区画領域全体(但し、残部領域を除く)に複数の菱形床タイルを敷設した状態の平面図。なお、床面に敷設済みの菱形床タイルを、便宜上、薄墨塗りで表している(図11乃至図18も同様)。
【図11】菱形床タイルの第1の敷設パターンにおいて、菱形床タイルを切断する手順を示す平面図。なお、切断対象の菱形床タイルを、便宜上、網掛けで表している(図13、図14、図16及び図18も同様)。
【図12】菱形床タイルの第2の敷設パターンに従って、床面の1つの区画領域全体(但し、残部領域を除く)に複数の菱形床タイルを敷設した状態の平面図。
【図13】菱形床タイルの第2の敷設パターンにおいて、菱形床タイルを切断する手順を示す平面図。
【図14】同第2の敷設パターンにおいて、菱形床タイルを切断する手順の変形例を示す平面図。
【図15】菱形床タイルの第3の敷設パターンに従って、床面の1つの区画領域全体(但し、残部領域を除く)に複数の菱形床タイルを敷設した状態の平面図。
【図16】菱形床タイルの第3の敷設パターンにおいて、菱形床タイルを切断する手順を示す平面図。
【図17】菱形床タイルの第4の敷設パターンに従って、床面の1つの区画領域全体(但し、残部領域を除く)に複数の菱形床タイルを敷設した状態の平面図。
【図18】菱形床タイルの第4の敷設パターンにおいて、菱形床タイルを切断する手順を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[床タイルの概要]
本発明の施工方法において用いられる床タイルは、(正方形ではなく)平面視正六角形又は菱形である。なお、平面視形状は、床タイルを平坦面に置き、その床タイルの表面の法線方向から床タイルを見たときの外形の形状を意味する。
本欄は、いずれの平面視形状の床タイルにも適用される事項について説明している。それ故、本欄においては、本発明の施工方法に用いられる平面視正六角形などの床タイルを、総称して床タイルと記している。
【0015】
本発明において、床タイルは、床タイルの切断に使用されているカッターで切断可能なものである。
前記切断可能とは、床タイルをカッターで完全で分断すること、及び、床タイルにカッターで切り目を形成した後、その床タイルを湾曲させることにより、前記切り目に従って床タイルを分断できることを意味する。
【0016】
上記カッターは、鋭利な刃部を有する工具である。具体的には、カッターは、例えば、作業者がカッターを手で持ち且つその刃部を床タイルの表面に当てて動かすことにより、床タイルを完全に切断できる又は床タイルの表面に断面略V字状の切り目を形成できる工具である。前記カッターとしては、例えば、オルファ株式会社製のプラスチックカッターやロータリーカッターなどが挙げられる。もちろん、本発明の施工方法で使用されるカッターは、これに限定されるわけではない。
【0017】
床タイルの材質や層構成などは、特に限定されない。
床タイルとしては、例えば、塩化ビニル樹脂やポリオレフィンなどの合成樹脂からなる樹脂床タイル、ゴム材よりなるゴム床タイル、リノリウムからなるリノリウム床タイルなどが挙げられる。必要に応じて、これらの床タイルは、その表面に繊維又は短いパイルが植設された繊維層、その表面にエンボス加工が施された凹凸層、意匠装飾層、アクリル樹脂コーティング剤などからなるオーバーコート層、ゴムなどからなるバッキング層、寸法安定性のための繊維強化層などを有していてもよい。
【0018】
例えば、床タイルの材質や層構成等としては、東リ株式会社製のビニル床タイル(商品名「マチコV」、「リフライプ」、「MSプレーン」など)、同社製のラバータイル(商品名「プラート」など)、同社製の帆布積層ビニル床シート(商品名「フロアリューム」、「SFフロア」、「CFシート」など)、同社製の多目的ビニル床タイル(商品名「シガハード」など)などで用いられている材質や層構成等が挙げられる。
【0019】
床タイルの厚みは、床タイルをカッターで切断可能である限り特に限定されない。比較的軟らかい床タイルは、比較的厚くてもカッターで切断できる。一般的には、床タイルの厚みは、1mm〜10mm程度である。
【0020】
[正六角形床タイルの施工方法]
本発明の正六角形床タイルの施工方法は、平面視正六角形の床タイルを敷設する際に適用される。
正六角形とは、6つの辺の長さが全て等しく、且つ6つの内角が120度の六角形である。
【0021】
正六角形床タイルの大きさは、特に限定されず、適宜設計できる。もっとも、正六角形床タイルの一辺の長さが余りに短い(すなわち、正六角形床タイルの面積が小さい)と、1つの施工場所に数多くの正六角形床タイルを敷設しなければならず、その施工が煩雑になり、一方、正六角形床タイルの一辺の長さが余りに長い(すなわち、正六角形床タイルの面積が大きい)と、相対的に重量が増し、又、運搬途中で破断するおそれもあるので、取扱い性が悪くなる。
かかる点から、正六角形床タイルの1つの辺の長さは、80mm〜400mmであり、好ましくは100mm〜300mmである。
正六角形床タイルは、下記の工程に従って施工場所の床面に施工できる。
【0022】
<初期位置決め工程>
まず、施工場所の床面に、基準となる1枚目の正六角形床タイルを敷設する。
基準となる1枚目の正六角形床タイルは、その一辺を施工場所の1つの壁面に当てて敷設してもよい。この場合、複数の正六角形床タイルは、施工場所の1つの壁面から他の壁面側に順次敷設されていくが、この方法では、施工完了後の正六角形床タイルが対称的でなくなる。
よって、施工完了後に正六角形床タイルが床面に略対称的に敷設された状態にするため、1枚目の正六角形床タイルは、施工場所の床面中央部に敷設することが好ましい。
【0023】
図1は、略対称的に正六角形床タイル8が敷設された施工完成後の平面図である。尚、図1の例では、正六角形床タイル8の一辺が縦方向(図面上では、上下方向)と略平行となり、且つ正六角形床タイル8の1つの頂角が横方向(図面上では、左右方向)に揃うように、各正六角形床タイル8を敷設した例である。なお、正六角形床タイル8の一辺が横方向と略平行となり、且つ正六角形床タイル8の1つの頂角が縦方向に揃うように、各正六角形床タイル8を敷設しても同様である(施工場所の床面の縦横の見方の相違に過ぎない)。
このように一対の対向する壁面W1〜W4に沿った床タイルが略対称的になるように正六角形床タイル8を敷設することが好ましい。
【0024】
このように施工すべく施工場所の床面中央部に1枚目の正六角形床タイル8を敷設するが、1枚目の正六角形床タイルの位置決めのために、予め施工場所の床面中央部に縦方向及び横方向の基準線71,72を引くことが好ましい。なお、全ての図面において、基準線は、便宜上、一点鎖線で表している。
この2つの基準線71,72を引くことによって、床面Fが基準線71,72を介して4つの領域に区画される。そのうちの1つの区画領域の床面F上に接着剤を塗布する。なお、接着剤は、前記1つの区画領域に一時に塗布してもよいし、或いは、1枚又は複数枚の正六角形床タイル8を敷設する範囲だけに接着剤を塗布してもよい。正六角形床タイル8を敷設する範囲だけに接着剤を塗布する場合、接着剤を適宜塗布した後に、接着剤塗布部分に正六角形床タイル8を敷設し、この動作を繰り返し行う。
【0025】
また、接着剤を塗布する際、後述するように、壁面の近傍において1枚分の正六角形床タイル8を敷設できない領域や、基準線71,72と敷設済みの正六角形床タイル8の間に1枚分の正六角形床タイル8を敷設できない領域が生じるので、これらの領域を除いて、接着剤を塗布することが好ましい。これらの領域を除いて接着剤を塗布する場合、接着剤の塗布範囲を確定するため、まず接着剤を塗布していない床面Fに床タイルを仮敷きし、その仮敷きした床タイルに沿って床面Fに目印線を引き、仮敷きした床タイルを外した後、その目印線の内側の範囲に接着剤を塗布するのがよい。
【0026】
次に、図2に示すように、1枚目の正六角形床タイル81の一辺を縦方向の基準線71に一致させ、且つその頂点を横方向の基準線72に載るように、1枚目の正六角形床タイル8を前記区画領域に敷設する。
【0027】
<2枚目以降の床タイルの敷設工程>
そして、図3に示すように、前記1枚目の正六角形床タイル81の端辺に2枚目の正六角形床タイル82の端辺を突き合わせ、2枚目の正六角形床タイル82を敷設する。
同様にして3枚目の正六角形床タイル83を2枚目の正六角形床タイル82の端面に突き合わせて敷設する。さらに、4枚目の正六角形床タイル84を、1枚目の正六角形床タイル81の端辺及び2枚目の正六角形床タイル82の端辺に同時に突き合わせて敷設する。なお、2枚目乃至4枚目の正六角形床タイル82〜84を置く順序は、前記例示に限定されず、適宜変更できる。
以降、恰もジグソーパズルのピースを埋めていくように、複数の正六角形床タイル8を、縦方向の壁面W1(平面視で縦方向に延びている壁面)及び横方向の壁面W2(平面視で横方向に延びている壁面)側に向かって順次敷設していく。
【0028】
正六角形床タイル8では、壁面W1,W2の近傍において、床面Fの一部分に、1枚の正六角形床タイル8をそのまま敷設できない領域が生じる(本明細書において、この領域を残部領域という)。
例えば、図4に示すように、縦方向の壁面W1と敷設済みの正六角形床タイル8の端辺との間及び横方向の壁面W2と敷設済みの正六角形床タイル8の端辺との間に、正六角形でない残部領域が残っている。
【0029】
<切断工程>
上記残部領域に床タイルを敷設するため、この残部領域の平面視形状に適合するように、正六角形床タイル8を切断する。
本発明では、正六角形床タイル8を切断するために、特徴的な切断用定規を用いる。以下、正六角形床タイル8の切断に使用される定規を「第1切断用定規」という。
この第1切断用定規1は、図5に示すように、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その第1切断用定規1の外形の一辺1a(短辺)の長さは、「A×31/2×N1」で、且つその他辺1b(長辺)の長さは、「A×3×N1」である。
ただし、前記Aは、正六角形の床タイルの一辺の長さを表し、前記N1は、1以上の整数を表す。好ましくは、前記N1は、1である。
なお、本明細書では、便宜上、一辺を短辺としているが、一辺を長辺としてもよい。つまり、本発明において、切断用定規の一辺とは、その定規の外形を形作る4つの辺のうちの任意の1つの辺を指し、切断用定規の他辺とは、その任意に選ばれた一辺に直交する方向の辺を指す。
【0030】
例えば、一辺の長さが130mmの正六角形床タイル8に対しては、一辺の長さが約225mm(130mm×√3)で、且つ他辺の長さが390mm(130mm×3)である長方形の外形を有する第1切断用定規が用いられる。
【0031】
なお、図5では、第1切断用定規1は、長方形の板部材からなるが、これに限定されるものではない。本発明の切断用定規は、長方形状の4辺に相当する外形を有していればよいので、例えば、恰も額縁のような、細長い部材を長方形状に組み立てた枠部材から形成されていてもよい。
【0032】
第1切断用定規1は、比較的剛性の高い材質から形成されていることが好ましい。第1切断用定規1が柔らか過ぎると、それに沿ってカッターを動かし難いからである。
第1切断用定規1の材質は、特に限定されないが、例えば、硬質合成樹脂;木;ステンレスや鉄などの金属;などが挙げられる。また、第1切断用定規1は、床タイルと同様の材質及び層構成であってもよい。
【0033】
さらに、第1切断用定規1は、その表面から裏面側に接する物体を透視できるような、透光性を有することが好ましい。かかる透光性を有する第1切断用定規1であれば、切断対象の正六角形床タイル85を第1切断用定規1の表面から視認でき、切断対象の正六角形床タイル85の位置ズレなどを確認できる。
透光性を有する第1切断用定規1は、無色透明又は有色透明な合成樹脂の成形品などで形成できる。
【0034】
さらに、第1切断用定規1には、図6(a)に示すように、正六角形床タイル8と同形同大の正六角形線73が表示されていてもよい。なお、図6(a)に示す例では、2つの正六角形線73,73が一部重なって表示されているのに加えて、その対角線を示す補助線74が破線で表示されている。このように正六角形線73が表示されていれば、正六角形床タイル8の切断時に、壁面に対して、どのような向きに第1切断用定規1を当てれば良いかを容易に判別できる。透光性を有し且つ正六角形線73が表示された第1切断用定規1を用いることによって、施工時に第1切断用定規1を誤った方向で使用することなく、速やかに使用することができ、施工作業の作業効率を高める効果が得られる。
また、前記正六角形線73で囲われた範囲内を着色すれば、より視覚的に判別し易くなる。例えば、図6に示すように、2つの正六角形線73,73が一部重なって表示されている場合には、何れか一方の正六角形線73で囲われた範囲内を着色すれば、正六角形の形状が明瞭となる判別し易くなる。なお、前記正六角形線73の範囲内以外の部分が着色されている場合には、正六角形線73の範囲内とそれ以外の部分を異なる色彩にて着色することによって、同様の視覚効果を得ることができる。
【0035】
また、図6(b)に示すように、第1切断用定規1に、取っ手部18を設けてもよい。或いは、同図に示すように、第1切断用定規1に、手で把持するための、開口部19を形成してもよい。このように第1切断用定規1に取っ手部18及び/又は開口部19を設けると、施工時に、第1切断用定規1を滑らせたり、持ち上げたりすることが、容易にでき、取扱い性に優れるので好ましい。
【0036】
次に、上記第1切断用定規1を用いて、上記残部領域の平面視形状に適合するように正六角形床タイル8を切断する手順を説明する。
図7は、縦方向及び横方向の壁面W1,W2の近傍において存在する床面Fの残部領域の形状に適合するように、正六角形床タイル8を切断するときの手順を表している。
まず、縦方向の壁面W1の近傍において存在する床面の残部領域R1に、正六角形床タイル8を切断するときの手順を説明する。
はじめに、前記残部領域R1に対応する縦方向の壁面部(縦方向の壁面W1の一部分)に対して略直交する方向に存する敷設済みの正六角形床タイル8の上に、切断対象の正六角形床タイル85を重ね置く。
なお、前記壁面部に対して略直交する方向には、複数の敷設済みの正六角形床タイル8が存在するが、前記壁面部に最も近い敷設済みの正六角形床タイル8を選択する。これは、縦方向の壁面W1の形状が基準線71に対して傾斜しているような場合でも、最も近い敷設済みの正六角形床タイル8を選択することによって、切断対象の六角形床タイル85を残部領域R1に近い形状に切断することができるためである。
図7において、薄墨塗りで表した敷設済みの正六角形床タイルの上に、網掛けで表した切断対象の正六角形床タイルが載せられている。
【0037】
切断対象の正六角形床タイル85は、その全ての辺が敷設済みの正六角形床タイル8の全ての辺に一致するように、重ね置くことが好ましい。
次に、この切断対象の正六角形床タイル85の上に、上記第1切断用定規1を置く。この際、第1切断用定規1の他辺1b(長辺)を前記残部領域R1に対応する縦方向の壁面部に当てる。つまり、正六角形床タイル8の一辺が縦方向の壁面W1と略平行に敷設される場合には、第1切断用定規1の長辺を縦方向の壁面部に当てる。
なお、図6(a)に示す正六角形線73が表示されている第1切断用定規1であれば、前記正六角形線73と敷設済みの正六角形床タイル8の向きを合わせると、第1切断用定規1の長辺が縦方向の壁面部に対向するので、どのような向きに第1切断用定規1を当てれば良いかを容易に判別できる。
【0038】
そして、前記壁面部に当てた他辺1bの対辺(壁面部に当てた長辺に対向する他方の長辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の正六角形床タイル85を切断し、床タイル片を得る。
なお、切断対象の正六角形床タイル85をカッターで完全に切断できなかった場合には、それを湾曲させることによりカッターによる切り目に従って正六角形床タイル8は分断される。
【0039】
また、横方向の壁面W2の近傍において存在する床面の残部領域R2の形状に適合するように、正六角形床タイル8を切断する場合は、次の通りである。
図7に示すように、残部領域R2に対応する横方向の壁面部(横方向の壁面W2の一部分)に対して略直交する方向に存する敷設済みの正六角形床タイル8の上に、切断対象の正六角形床タイル85を重ね置く。
なお、前記壁面部に対して略直交する方向には、複数の敷設済みの正六角形床タイル8が存在するが、前記壁面部に最も近い敷設済みの正六角形床タイル8を選択する。これは、上記縦方向の壁面W1における施工と同様に、横方向の壁面W2の形状が基準線72に対して傾斜しているような場合でも、最も近い敷設済みの正六角形床タイル8を選択することによって、切断対象の六角形床タイル85を残部領域R2に近い形状に切断することができるためである。
【0040】
切断対象の正六角形床タイル85は、その全ての辺が敷設済みの正六角形床タイル8の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
この切断対象の正六角形床タイル85の上に、上記第1切断用定規1を置く。この際、第1切断用定規1の一辺1a(短辺)を前記残部領域R2に対応する横方向の壁面部に当てる。つまり、正六角形床タイル8の一辺が縦方向の壁面W1と略平行に敷設される場合には、第1切断用定規1の短辺を横方向の壁面部に当てる。
そして、前記壁面部に当てた一辺1aの対辺(壁面部に当てた短辺に対向する他方の短辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の正六角形床タイル85を切断し、床タイル片を得る。
【0041】
<嵌め入れ工程>
上記切断工程によって得られた、各残部領域の形状に合致した形状の床タイル片を、前記残部領域R1,R2に嵌め入れる。図7の矢印は、床タイル片を残部領域に入れることを表す。
なお、残部領域R1,R2に接着剤が塗布されていない場合には、接着剤を塗布した後に、床タイル片を嵌め入れる。また、施工者の判断によって、切断工程を複数の残部領域に対してまとめて行った後に、嵌め入れ工程をまとめて行っても良いし、一つ一つの残部領域について切断工程と嵌め入れ工程をその都度繰り返し行っても良い。
【0042】
事後、上記切断工程及び嵌め入れ工程を同様にして繰り返すことにより、1つの区画領域の床面上に床タイルを敷き詰めることができる。さらに、他の区画領域についても、上記と同様にして正六角形床タイル8を敷設することにより、施工場所の床面全体に床タイルを敷設できる。
上記寸法の第1切断用定規を用いれば、この定規の1つの辺を壁面部に当て且つその対辺にて正六角形床タイルを切断すれば、残部領域の形状に適合する床タイル片を得ることができる。よって、本発明の第1の床タイルの施工方法によれば、残部領域に嵌め入れる床タイル片を簡単に得ることができ、正六角形床タイルを床面に容易に、且つ間違うことなく施工できる。さらに、施工時に床タイルの切断を正確に行うことができるので、切断ミスによる廃棄物を最小限とすることができ、経済的にも優れ、且つ環境にも優しいという効果を奏する。
【0043】
[菱形床タイルの施工方法]
次に、菱形床タイルの施工方法について説明する。ただし、菱形床タイルの施工方法の説明において、上記正六角形床タイルの施工方法と同様な点については、その説明を省略する場合がある。
【0044】
本発明の菱形床タイルの施工方法は、平面視菱形の床タイルを敷設する際に適用される。
菱形とは、2つの対角線が直交し、且つその2つの対角線の長さが異なる平行四辺形である。使用される菱形床タイルは、対向する2つの内角が60度(従って、残る2つの内角は120度)であることが好ましい。
菱形床タイルの大きさは、特に限定されず、適宜設計できる。もっとも、菱形床タイルの一辺の長さが余りに短いと、1つの施工場所に数多くの菱形床タイルを敷設しなければならず、その施工が煩雑になり、一方、菱形床タイルの一辺の長さが余りに長いと、相対的に重量が増し、又、運搬途中で破断するおそれもあるので、取扱い性が悪くなる。
かかる点から、菱形床タイルの1つの辺の長さは、80mm〜400mmであり、好ましくは、100mm〜300mmである。
【0045】
菱形床タイルの施工方法においては、菱形床タイルを切断するために、特徴的な切断用定規を用いる。
この切断用定規2,3は、図8及び図9に示すように、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その切断用定規の外形の一辺の長さは、「N2×B」で、且つその他辺の長さは、「N3×C/2」である。
ただし、前記Bは、施工対象の菱形床タイルの短い方の対角線の長さを表し、前記Cは、菱形床タイルの長い方の対角線の長さを表し、前記N2及びN3は、それぞれ独立して1以上の整数を表す。好ましくは、前記N2は、1であり、前記N3は、1又は2である。
【0046】
菱形床タイルの施工方法においては、菱形床タイルの敷設パターンが複数あるため、その敷設パターンに応じて、複数の切断用定規が選択して使用される。
複数の切断用定規は、上記のように一辺の長さがN2×Bで、且つ他辺の長さがN3×C/2である関係を満たすものの中から適宜選択されるが、好ましくは、一辺の長さがBで、且つ他辺の長さがC/2の切断用定規と、一辺の長さがBで、且つ他辺の長さがCの切断用定規と、が用いられる。
以下、この好ましい2種類の切断用定規のうち、前者を「第2切断用定規」、後者を「第3切断用定規」という。
【0047】
図8は、第2切断用定規2を示し、その一辺2aの長さはBで、且つその他辺2bの長さはC/2である(前記N2及びN3が1である切断用定規)。
図9は、第3切断用定規3を示し、その一辺の長さ3aはBで、且つその他辺3bの長さはCである(前記N2が1で、且つN3が2である切断用定規)。
【0048】
例えば、一辺の長さが260mmで、且つ対向する内角がそれぞれ60度である菱形床タイルに対しては、一辺2aの長さが260mm(260mm×1)で、且つ他辺2bの長さが225mm(260mm×√3×1/2)である長方形の外形を有する第2切断用定規2が用いられ、又は、一辺の長さ3aが260mm(260mm×1)で、且つ他辺3bの長さが450mm(260mm×√3×1)である長方形の外形を有する第3切断用定規3が用いられる。
【0049】
菱形床タイルに用いられる切断用定規2,3についても、正六角形床タイルに用いられる切断用定規1と同様に、枠部材などから形成されていてもよい。また、菱形床タイルに用いられる切断用定規2,3の材質も特に限定されない。菱形床タイルに用いられる切断用定規2,3も、透光性を有することが好ましい。
【0050】
さらに、菱形床タイルに用いられる切断用定規にも、菱形床タイルと同形同大の菱形線(必要に応じて補助線)が表示されていてもよい。
図8(a)には、第2切断用定規2に実線で表示される菱形線76及び破線で表示される補助線77の一例が示され、図9(a)には、第3切断用定規3に実線で表示される菱形線78及び破線で表示される補助線79の一例が示されている。
なお、第2切断用定規2は、菱形床タイルの面積と同じであるが長方形状の板体からなるので、これに表示する菱形線76は、菱形床タイルの相似形とされている。このように菱形線76,78が表示されている切断用定規2,3を用いれば、菱形床タイルの切断時に、どのような向きに切断用定規2,3を当てれば良いかを容易に判別できる。また、前記菱形線76,78及び/又は補助線77,79で囲われた範囲内を着色すれば、より視覚的に判別し易くなる。
【0051】
また、菱形床タイルに用いられる切断用定規2,3についても、正六角形床タイルに用いられる切断用定規と同様に、取っ手部や開口部が形成されていてもよい。
【0052】
次に、菱形床タイルの施工方法を説明するが、菱形床タイルはその形状から、各床タイルの向きを変えて床面に敷設できる。
以下、4つの敷設パターンを例示する。もっとも、本発明の菱形床タイルの施工方法は、この4つの敷設パターンに限定されるわけではない。
【0053】
(第1の敷設パターン)
第1の敷設パターンは、全ての菱形床タイル9を、菱形床タイル9の各対角線が施工場所の壁面W1,W2と略平行となるように、敷設するものである。
以下、各工程に分けて説明する。
【0054】
<初期位置決め工程>
図10に示すように、施工場所の床面Fに、基準となる1枚目の菱形床タイル91を敷設する。
上記正六角形床タイルの施工方法と同様に、複数の菱形床タイル9を、施工場所の1つの壁面W1から他の壁面側に順次敷設してもよい。
本例では、施工完了後に菱形床タイル9が床面に略対称的に敷設された状態にするため、図10に示すように、床面F上に2つの基準線71,72を引き、1枚目の菱形床タイル91の対向する頂点を縦方向の基準線71,72上に載せ、且つ他の対向する頂点を横方向の基準線71,72上に載せて、1枚目の菱形床タイル9を前記領域に敷設している。
【0055】
<2枚目以降の床タイルの敷設工程>
そして、2枚目以降の菱形床タイル9を敷設済みの菱形床タイル9の端辺に突き合わせ、順次敷設する。
壁面の近傍において、床面の一部分に、1枚分の菱形床タイル9を敷設できない残部領域が生じる。
例えば、図10では、1つの区画領域における2つの壁面W1,W2と敷設済みの菱形床タイル9の端辺との間に、菱形床タイル9をそのままでは嵌め入れることができない残部領域が残っている。
【0056】
<切断工程>
上記残部領域に床タイルを敷設するため、この残部領域の平面視形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する。
第1の敷設パターンにおいては、第3切断用定規3を用いる。
図11は、縦方向及び横方向の壁面W1,W2の近傍において存在する床面Fの残部領域R3,R4の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合を表している。
まず、縦方向の壁面W1において存在する残部領域R3の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する方法を説明する。
はじめに、前記残部領域R3に対応する縦方向の壁面部に対して略直交する方向に存する敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル92を重ね置く。
なお、前記壁面部に対して略直交する方向には、複数の敷設済みの菱形床タイル9が存在するが、正六角形床タイルの施工と同様に、前記壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9を選択する。
【0057】
切断対象の菱形床タイル92は、その全ての辺が敷設済みの菱形床タイル9の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
次に、この切断対象の菱形床タイル92の上に、上記第3切断用定規3を置く。この際、第3切断用定規3の一辺3a(短辺)を前記残部領域R3に対応する縦方向の壁面部に当てる。そして、壁面部に当てた一辺3aの対辺(壁面部に当てた短辺に対向する他方の短辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル92を切断し、床タイル片を得る。
なお、図9に示すような菱形線78が表示されている第3切断用定規3であれば、前記菱形線78と敷設済みの菱形床タイル9の向きを合わせると、第3切断用定規3の一辺3a(短辺)が縦方向の壁面W1に対向するので、どのような向きに第3切断用定規3を当てれば良いかを容易に判別でき、第3切断用定規3の当てる方向を間違えることを防ぐことができる。
【0058】
また、横方向の壁面W2の近傍において存在する床面の残部領域の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合は、次の通りである。
図11に示すように、1つの残部領域R4に対応する横方向の壁面部(横方向の壁面W2の一部分)に対して略直交する方向に存する敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル92を重ね置く。
この際、前記壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9を選択する。
【0059】
切断対象の菱形床タイル92は、その全ての辺が敷設済みの菱形床タイル9の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
この切断対象の菱形床タイル92の上に、上記第3切断用定規3を置く。この際、第3切断用定規3の他辺3b(長辺)を前記残部領域R4に対応する横方向の壁面部に当てる。
そして、前記壁面部に当てた他辺3bの対辺(壁面部に当てた長辺に対向する他方の長辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル92を切断し、床タイル片を得る。
【0060】
<嵌め入れ工程>
上記切断工程によって得られた、各残部領域の形状に合致した床タイル片を、正六角形床タイルの施工と同様にして、各残部領域に嵌め入れる。図11の矢印は、床タイル片を残部領域に入れることを表す。
なお、残部領域に接着剤が塗布されていない場合には、接着剤を塗布した後に床タイル片を入れる。
【0061】
事後、上記切断工程及び嵌め入れ工程を同様にして繰り返すことにより、1つの区画領域の床面上に床タイルを敷き詰めることができる。さらに、他の区画領域についても、上記と同様にして菱形床タイル9を敷設することにより、施工場所の床面全体に菱形床タイル9を第1の敷設パターンで敷設できる。
上記寸法の第3切断用定規を用いれば、この定規の1つの辺を壁面部に当て、且つその対辺にて菱形床タイルを切断すれば、残部領域の形状に適合する床タイル片を得ることができる。本発明の第2の床タイルの施工方法によれば、残部領域に嵌め入れる床タイル片を、菱形床タイルから簡単に切断できるので、菱形床タイルを容易に施工できる。
【0062】
(第2の敷設パターン)
第2の敷設パターンは、全ての菱形床タイル9を、菱形床タイル9の一辺が施工場所の壁面と略平行で、且つ同じ向きに敷設するものである。
以下、各工程に分けて説明する。
【0063】
<初期位置決め工程>
施工場所の床面に、基準となる1枚目の菱形床タイルを敷設する。
上記と同様に施工場所の床面Fに2つの基準線71,72を引き、図12に示すように、1枚目の菱形床タイル91の一辺を縦方向の基準線71,72に一致させ、且つ下方の頂点を横方向の基準線71,72上に載せて、1枚目の菱形床タイル91を敷設する。
【0064】
<2枚目以降の床タイルの敷設工程>
そして、2枚目以降の菱形床タイル9を敷設済みの菱形床タイル9の端辺に突き合わせ、順次敷設する。
すると、壁面の近傍において、床面の一部分に、1枚分の菱形床タイル9を敷設できない残部領域が生じる。
【0065】
<切断工程>
上記残部領域に床タイルを敷設するため、菱形床タイル9を切断する。
第2の敷設パターンにおいては、第2切断用定規2を用いる。
図13は、縦方向及び横方向の壁面W1,W2の近傍において存在する床面Fの残部領域の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合を表している。
まず、残部領域R5に対応する縦方向の壁面部に対して略直交する方向に存し、且つ前記壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル93を重ね置く。
【0066】
切断対象の菱形床タイル93は、その全ての辺が敷設済みの菱形床タイル9の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
次に、この切断対象の菱形床タイル93の上に、上記第2切断用定規2を置く。この際、第2切断用定規2の一辺2a(長辺)を前記残部領域R5に対応する縦方向の壁面部に当てる。そして、壁面部に当てた一辺2aの対辺(壁面部に当てた長辺に対向する他方の長辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル93を切断し、床タイル片を得る。
【0067】
また、切断対象の菱形床タイル93を、縦方向の壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9の上に重ね置くことに代えて、図14に示すように、縦方向の壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイル94,95の中央部上に、切断対象の菱形床タイル93を重ね置いてもよい。すなわち、縦方向の壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイル94,95のうち、上方の敷設済みの菱形床タイル94の一辺中央部に切断対象の菱形床タイル93の上方の頂点が載り、且つ下方の敷設済みの菱形床タイル95の一辺中央部に切断対象の菱形床タイル93の下方の頂点が載るように、切断対象の菱形床タイル93を重ね置いてもよい。
この場合でも、上記と同様に、第2切断用定規2の一辺2a(長辺)を前記残部領域R5に対応する縦方向の壁面部に当てることにより、切断対象の菱形床タイル93を残部領域R5に適合する床タイル片に切断できる。この変形例に係る方法でも、残部領域の形状に特に適合しうる床タイル片を得ることができ、又、得られた床タイル片を横方向に平行移動させることにより、残部領域に嵌め入れることができる。
【0068】
また、横方向の壁面W2の近傍において存在する床面の残部領域R6の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合は、次の通りである。
図13に示すように、残部領域R6に対応する横方向の壁面部に対して略直交する方向に存する敷設済みの菱形床タイル9(横方向の壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9)の上に、切断対象の菱形床タイル93を重ね置く。
【0069】
切断対象の菱形床タイル93は、その全ての辺が敷設済みの菱形床タイル9の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
この切断対象の菱形床タイル93の上に、上記第2切断用定規2を置き、第2切断用定規2の他辺2b(短辺)を前記残部領域R6に対応する横方向の壁面部に当て、前記他辺2bの対辺(壁面部に当てた短辺に対向する他方の短辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル93を切断し、床タイル片を得る。
【0070】
<嵌め入れ工程>
上記切断工程によって得られた、各残部領域の形状に合致した床タイル片を、上記と同様にして、各残部領域に嵌め入れる。図13及び図14の矢印は、床タイル片を残部領域に入れることを表す。
事後、上記切断工程及び嵌め入れ工程を同様にして繰り返すことにより、1つの区画領域の床面上に床タイルを敷き詰めることができる。さらに、他の区画領域についても、上記と同様にして菱形床タイルを敷設することにより、施工場所の床面全体に菱形床タイルを第2の敷設パターンで敷設できる。
【0071】
(第3の敷設パターン)
第3の敷設パターンは、全ての菱形床タイル9の一辺が施工場所の壁面と略平行となり、且つ縦方向に並ぶ菱形床タイル9の奇数列と偶数列の菱形床タイル9の向きが線対称となるように敷設するものである。
以下、各工程に分けて説明する。
【0072】
<初期位置決め工程>
施工場所の床面に、基準となる1枚目の菱形床タイル9を敷設する。
上記と同様に施工場所の床面Fに2つの基準線71,72を引き、図15に示すように、1枚目の菱形床タイル91の一辺を縦方向の基準線71,72に一致させ、且つその床タイル91の下方の頂点を縦方向及び横方向の基準線71,72の交点上に載せて、1枚目の菱形床タイル91を敷設する。
【0073】
<2枚目以降の床タイルの敷設工程>
そして、2枚目以降の菱形床タイル9を1枚目の菱形床タイル91の端辺に突き合わせ、前記1枚目の菱形床タイル91に対して線対称となるように敷設する。以後同様にして、3枚目以降の菱形床タイル9を順次敷設する。
すると、壁面W1,W2の近傍において、床面Fの一部分に、1枚分の菱形床タイル9を敷設できない残部領域が生じる。
【0074】
<切断工程>
上記残部領域に床タイルを敷設するため、菱形床タイル9を切断する。
第3の敷設パターンにおいては、第2切断用定規2及び第3切断用定規3を用いる。
図16は、縦方向及び横方向の壁面W1,W2の近傍において存在する床面Fの残部領域の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合を表している。
例えば、縦方向の壁面W1において存在する残部領域に適合するように菱形床タイル9を切断する場合には、第2切断用定規2又は第3切断用定規3を用いる。
【0075】
第2切断用定規2を用いる場合には、図16に示すように、縦方向の壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイル96,97の中央部上に、切断対象の菱形床タイル98を重ね置く。すなわち、縦方向の壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイル96,97のうち、上方の敷設済みの菱形床タイル96の頂点(内角が鈍角である頂点)に切断対象の菱形床タイル98の上方の頂点(内角が鋭角である頂点)が載り、且つ下方の敷設済みの菱形床タイル97の頂点(内角が鈍角である頂点)に切断対象の菱形床タイル98の下方の頂点(内角が鋭角である頂点)が載るように、切断対象の菱形床タイル98を重ね置く。
次に、この切断対象の菱形床タイル98の上に、上記第2切断用定規2を置き、第2切断用定規2の一辺2a(長辺)を前記残部領域R7に対応する縦方向の壁面部に当てる。そして、壁面部に当てた一辺2aの対辺に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル98を切断し、床タイル片を得る。
【0076】
第3切断用定規3を用いる場合には、図16に示すように、残部領域R8に対応する縦方向の壁面部に対して略直交する方向に存し、且つ前記壁面部から2番目の敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル98を重ね置く。この場合、切断対象の菱形床タイル98は、その全ての辺が敷設済みの菱形床タイル9の全ての辺に一致するように重ね置くことが好ましい。
次に、この切断対象の菱形床タイル98の上に、上記第3切断用定規3を置き、第3切断用定規3の一辺3a(短辺)を前記残部領域R8に対応する縦方向の壁面部に当て、壁面部に当てた一辺3a(短辺)の対辺に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル98を切断し、床タイル片を得る。
【0077】
また、横方向の壁面の近傍において存在する床面の残部領域の形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する場合は、次の通りである。
図16に示すように、残部領域R9に対応する横方向の壁面部に対して略直交する方向に存し、且つ前記壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル98を重ね置く。この切断対象の菱形床タイル98の上に、上記第2切断用定規2を置き、第2切断用定規2の他辺2b(短辺)を前記残部領域R9に対応する横方向の壁面部に当て、前記他辺2bの対辺(壁面部に当てた短辺に対向する他方の短辺)に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル98を切断し、床タイル片を得る。
【0078】
<嵌め入れ工程>
上記切断工程によって得られた、各残部領域の形状に合致した床タイル片を、上記と同様にして、各残部領域に嵌め入れる。図16の矢印は、床タイル片を残部領域に入れることを表す。
事後、上記切断工程及び嵌め入れ工程を同様にして繰り返すことにより、1つの区画領域の床面上に床タイルを敷き詰めることができる。さらに、他の区画領域についても、上記と同様にして菱形床タイルを敷設することにより、施工場所の床面全体に菱形床タイルを第3の敷設パターンで敷設できる。
【0079】
(第4の敷設パターン)
第4の敷設パターンは、3枚の菱形床タイル9の2つの辺をそれぞれ突き合わせて六角形を形作るように、複数の菱形床タイル9を敷設するものである。
以下、各工程に分けて説明する。
【0080】
<初期位置決め工程>
施工場所の床面に、基準となる1枚目の菱形床タイル91を敷設する。
上記と同様に施工場所の床面Fに2つの基準線71,72を引き、図17に示すように、1枚目の菱形床タイル91の一辺を縦方向の基準線71,72に一致させ、且つ下方の頂点を横方向の基準線71,72の交点上に載せて、1枚目の菱形床タイル91を敷設する。
【0081】
<2枚目以降の床タイルの敷設工程>
そして、2枚目以降の菱形床タイル9を1枚目の菱形床タイル91の端辺に突き合わせ、前記1枚目の菱形床タイル91に対して線対称となるように敷設する。次に、3枚目の菱形床タイル9の2つの辺を前記1枚目及び2枚目の菱形床タイルの端辺にそれぞれ突き合わせて、3枚目の菱形床タイル9を敷設する。以降4枚目の菱形床タイル9を順次敷設する。
すると、壁面W1,W2の近傍において、床面Fの一部分に、1枚分の菱形床タイル9を敷設できない残部領域が生じる。
【0082】
<切断工程>
上記残部領域に床タイルを敷設するため、この残部領域の平面視形状に適合するように、菱形床タイル9を切断する。
第4の敷設パターンにおける菱形床タイル9を切断する方法は、上記第1乃至第3の敷設パターンで例示した方法に準じて適宜用いればよい。
【0083】
例えば、図18の縦方向の壁面W1の近傍において存在する床面Fの残部領域R10については、その残部領域R10に対応する縦方向の壁面部に対して略直交する方向に存し、且つ前記壁面部から2番目の敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル99を重ね置く。この切断対象の菱形床タイル99の上に、上記第3切断用定規3を置き、第3切断用定規3の一辺3a(短辺)を前記残部領域R10に対応する縦方向の壁面部に当て、その一辺3aの対辺に沿ってカッターを動かし、切断対象の菱形床タイル99を切断し、残部領域R10に適合する形状の床タイル片を得る。
前記残部領域R10に適合する床タイル片の形成は、これ以外の方法でも行うことができる。すなわち、上記第3の敷設パターンに準じ、縦方向の壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイルの中央部上に、切断対象の菱形床タイル99を重ね置き、第2切断用定規2を用いて菱形床タイル99を切断することもできる。
【0084】
図18の縦方向の壁面W1の近傍において存在する床面の残部領域R11については、上記第1の敷設パターンに準じ、その残部領域R11に対応する縦方向の壁面部に対して略直交する方向に存する敷設済みの菱形床タイル9(壁面部に最も近い敷設済み菱形床タイル9)の上に、切断対象の菱形床タイル99を重ね置き、第3切断用定規3を用いて、切断対象の菱形床タイル99を切断することもできる。
【0085】
また、図18の横方向の壁面W2の近傍において存在する床面の残部領域R12についても、上記第1の敷設パターンに準じに、その残部領域R12に対応する横方向の壁面部に対して略直交する方向に存し、且つ前記壁面部に最も近い敷設済みの菱形床タイル9の上に、切断対象の菱形床タイル99を重ね置き、第3切断用定規3を用いて、切断対象の菱形床タイル99を切断できる。
【0086】
さらに、図18の横方向の壁面W2の近傍において存在する床面の残部領域R13については、上記第3の敷設パターンに準じ、横方向の壁面W2に対して略直交する方向上に1辺を有する2枚の敷設済みの菱形床タイル911,912の中央部上に、切断対象の菱形床タイル99を重ね置く。すなわち、横方向の壁面W2に対して略直交する方向と平行に1辺があり、且つ残部領域R13に対応する壁面部に最も近い2枚の敷設済みの菱形床タイル911,912のうち、一方の敷設済みの菱形床タイル911の頂点(内角が鈍角である頂点)に切断対象の菱形床タイル99の一方の頂点(内角が鋭角である頂点)が載り、且つ他方の敷設済みの菱形床タイル912の頂点(内角が鈍角である頂点)に切断対象の菱形床タイル99の他方の頂点(内角が鋭角である頂点)が載るように、切断対象の菱形床タイル99を重ね置く。そして、第3切断用定規3を前記切断対象の菱形床タイル99の上に置き、その定規3の他辺3bを前記残部領域R13に対応する壁面部に当てて切断対象の菱形床タイル99を切断することができる。
【0087】
<嵌め入れ工程>
上記切断工程によって得られた床タイル片を、前記残部領域に嵌め入れる。図18の矢印は、床タイル片を残部領域に入れることを表す。
事後、上記切断工程及び嵌め入れ工程を同様にして繰り返すことにより、1つの区画領域の床面上に床タイルを敷き詰めることができる。さらに、他の区画領域についても、上記と同様にして菱形床タイルを敷設することにより、施工場所の床面全体に菱形床タイルを第4の敷設パターンで敷設できる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の床タイルの施工方法は、平面視正六角形及び平面視菱形の床タイルを施工場所に敷設する際に利用される。
【符号の説明】
【0089】
1…第1切断用定規、1a…第1切断用定規の一辺、1b…第1切断用定規の他辺、2…第2切断用定規、2a…第2切断用定規の一辺、2b…第2切断用定規の他辺、3…第3切断用定規、3a…第3切断用定規の一辺、3b…第3切断用定規の他辺、71…縦方向の基準線、72…横方向の基準線、8,81〜84…敷設済みの正六角形床タイル、85…切断対象の正六角形床タイル、9,94〜97,911,912…敷設済みの菱形床タイル、92,93,98,99…切断対象の菱形床タイル、…正六角形床タイル、R1〜R13…残部領域、F…施工場所の床面、W1…施工場所の縦方向の壁面、W2…施工場所の横方向の壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視正六角形の床タイルを施工場所の床面に敷設する床タイルの施工方法であって、
前記施工場所の床面に、基準となる1枚目の床タイルを敷設する初期位置決め工程と、
前記1枚目の床タイルの端辺に2枚目の床タイルの端辺を突き合わせて2枚目の床タイルを敷設し、同様にして3枚目以降の床タイルを施工場所の壁面側に向かって順次敷設する工程と、
前記壁面の近傍において1枚分の床タイルを敷設できない床面の残部領域の形状に適合するように、床タイルを切断する工程と、
切断によって得られた床タイル片を前記残部領域に嵌め入れる工程と、を有し、
前記切断工程が、前記残部領域に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する前記敷設済みの床タイルの上に、切断対象の床タイルを重ね置き、前記切断対象の床タイル上に下記切断用定規を置き、前記切断用定規の一辺を前記残部領域に対応する壁面部に当て、且つ前記切断用定規の対辺に沿って前記切断対象の床タイルをカッターで切断することを特徴とする床タイルの施工方法。
前記切断用定規は、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その外形の一辺の長さはA×31/2×N1で、且つその他辺の長さはA×3×N1であり、前記Aは正六角形の床タイルの一辺の長さを表し、前記N1は1以上の整数を表す。
【請求項2】
平面視菱形の床タイルを施工場所の床面に敷設する床タイルの施工方法であって、
前記施工場所の床面に、基準となる1枚目の床タイルを敷設する初期位置決め工程と、
前記1枚目の床タイルの端辺に2枚目の床タイルの端辺を突き合わせて2枚目の床タイルを敷設し、同様にして3枚目以降の床タイルを施工場所の壁面側に向かって順次敷設する工程と、
前記壁面の近傍において1枚分の床タイルを敷設できない床面の残部領域の形状に適合するように、床タイルを切断する工程と、
切断によって得られた床タイル片を前記残部領域に嵌め入れる工程と、を有し、
前記切断工程が、前記残部領域に対応する壁面部に対して略直交する方向に存する前記敷設済みの床タイルの上に、切断対象の床タイルを重ね置き、前記切断対象の床タイル上に下記切断用定規を置き、前記切断用定規の一辺を前記残部領域に対応する壁面部に当て、且つ前記切断用定規の対辺に沿って前記切断対象の床タイルをカッターで切断することを特徴とする床タイルの施工方法。
前記切断用定規は、平面視長方形の4辺に相当する外形を有し、その外形の一辺の長さはN2×Bで、且つその他辺の長さはN3×C/2であり、前記Bは菱形の床タイルの短い方の対角線の長さを表し、前記Cは菱形の床タイルの長い方の対角線の長さを表し、前記N2及びN3は、それぞれ独立して1以上の整数を表す。
【請求項3】
前記切断対象の床タイルの全ての辺が前記敷設済みの床タイルの全ての辺に一致するように、前記切断対象の床タイルを前記敷設済みの床タイルの上に置く、請求項1または2に記載の床タイルの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−26117(P2012−26117A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163931(P2010−163931)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】