説明

床パネル及び床パネルを用いた床

【課題】耐荷重を細かく調整でき、スラブ床状に障害物があっても設置できる床パネル及び床パネルを用いた床を提供する。
【解決手段】床パネルは、上面が平面な天板部と、天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、この溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、を備える。床パネルを用いた床は、2枚合わせにされた床パネルと、この2枚合わせにされた床パネルを支持する複数の支柱と、この2枚合わせにされた床パネル1の溝部が形成する貫通孔に挿通され、この2枚合わせにされた床パネルを懸架する心棒と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、床パネル及び床パネルを用いた床に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるOAフロアなどの床パネルは、スラブ床状に4本の支柱を立て、この4本の支柱によって1枚の床パネルを載せるように形成される。
【0003】
この床パネルは耐荷重が数十kgごとに決められている。例えば、耐荷重が200kgの床パネルの次に強い床パネルは耐荷重が250kgであり、その中間は販売されていない。
【0004】
従って、その中間の耐荷重があれば十分な場合でも、高価な高耐荷重の床パネルを購入しなければならない。
【0005】
また、床パネル1枚につき4本の支柱が必要であるため、スラブ床上に障害物があると床パネルは設置できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−270568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、耐荷重を細かく調整でき、スラブ床上に障害物があっても設置できる床パネル及び床パネルを用いた床が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、上面が平面な天板部と、天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、を備える床パネルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】床パネルの底面斜視図である。
【図2】床パネルの側面図である。
【図3】床パネルの強度補強方法を示す図である。
【図4】床パネルの他の補強方法を示す図である。
【図5】スラブ床状に障害物がある場合の対処方法を示す図である。
【図6】支柱によって支持される床パネルの側面図である。
【図7】床パネルを用いた床の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、床パネルの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
本実施形態の床パネルは、上面が平面な天板部と、天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、を備える。
【0012】
本実施形態の床パネルを用いた床は、上面が平面な天板部と、天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、を備える床パネルの裏面同士を合わせた2枚合わせの床パネルと、2枚合わせの床パネルを支持する複数の支柱と、2枚合わせの床パネルの溝部が形成する貫通孔に挿通され、2枚合わせの床パネルを懸架する心棒と、を備える。
【0013】
図1は、本実施形態の床パネル1の底面斜視図である。図2は、床パネル1の側面図である。
【0014】
図1に示すように、床パネル1は、上面が平面な天板部11と、天板部11の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行な複数の溝部13、この溝部13に平行な切り欠き部16、及び複数のビス穴15を備える本体部12と、を備える。
【0015】
天板部の形状は、正方形又は長方形が望ましいが、これらに限られるものではない。
【0016】
溝部13は本体部の一方の辺からこの辺に対向する辺まで続く。複数の溝部13は、床パネル1の裏面同士を合わせたときに、一方の床パネル1の溝部13と、他方の床パネル1の溝部13とは一つの貫通孔を形成する位置に設けられる。すなわち、複数の溝部13は本体部12に互いに対称配置される。
【0017】
切り欠き部16は、本体部12の各辺に沿って設けられる。従って、床パネル1の裏面同士を合わせて2枚合わせにし、この2枚合わせにした床パネル1の側面を合わせると、切り欠き部16は一つの貫通孔を形成する。
【0018】
ビス穴15は、天板部11の4隅に設けられ、天板部11から本体部12までを貫通する。
【0019】
図2に示すように、溝部13の数は2以上であれば数は問わない。図2には、溝部13が2つ備える床パネル1を示してある。
【0020】
図3は、床パネル1の強度補強方法を示す図である。図3に示すように、床パネル1と、床パネルの上面を覆う化粧プレート21と、床パネル1との間に補強板31が挟み込まれ、ビス17によって化粧プレート21、補強板31、及び床パネルがとも締めされる。
【0021】
化粧プレート21は、床の表面を覆う樹脂又は木によって形成されるプレートであり、表面に装飾模様が施されていてもよい。化粧プレート21は天板部11のビス穴15と対応する部分にビス穴32を有する。
【0022】
補強板31は、金属によって形成され、耐荷重が例えば10kgである。補強板31は天板部11のビス穴15と対応する部分にビス穴32を有する
化粧プレート21と補強プレート31と床パネルの上面の形状は同一であることが望ましい。
【0023】
図3に示すように、補強プレート31を化粧プレート21及び床パネル1に挟み込むことにより、補強プレート31の耐荷重分だけ耐荷重を微調整することができる。
【0024】
図4は、床パネル1の他の補強方法を示す図である。図4に示すように、床パネル1は2枚併せにし、化粧プレート21とともにビス17によってとも締めされることによりさらに耐荷重を増すことが可能となる。
【0025】
図5乃至図7は、スラブ床状に障害物がある場合の対処方法を示す図である。図5に示すように、床パネル1は底面同士を併せてビス17により締結される。締結された2枚の床パネル1の溝部13は一つの貫通孔を形成する。この貫通孔に心棒40が挿通される。
【0026】
図6は、支柱50によって支持される床パネル1の側面図である。図6に示すように、スラブ床60上に支柱が接地され、2枚合わせにされた床パネル1はビス17によって支柱に係止される。
【0027】
障害物70のある場所には支柱は置くことができない。この部分は、床パネル1が2枚合わせにビス17によって締結される。
【0028】
図7は、床パネル1を用いた床100の斜視図である。図7に示すように、床パネル1を用いた床100は、2枚合わせにされた床パネル1と、この2枚合わせにされた床パネル1を支持する複数の支柱50と、この2枚合わせにされた床パネル1の溝部13が形成する貫通孔に挿通され、この2枚合わせにされた床パネル1を懸架する心棒40と、を備える。
【0029】
障害物70のある部分は、支柱50を設けず、心棒40によって床パネル1を懸架、すなわち空中に支持する。
【0030】
支柱50は、一端が支柱50に係止され、他端がスラブ床60に固定される添え材51を有していてもよい。
【0031】
以上述べたように、本実施形態の床パネル1は、上面が平面な天板部11と、天板部11の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部13、この溝部13に平行な切り欠き部16、及び複数のビス穴15を備える本体部12と、を備える。
【0032】
従って、床パネル1は2枚合わせにして、貫通孔に挿通される心棒40によって懸架されることにより障害物70があっても床パネル1を用いた床100を構成することができるという効果がある。
【0033】
また、補強パネル31を用いることにより、耐荷重を微調整することが可能となるという効果がある。
【0034】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0035】
1:床パネル
13:溝部
16:切り欠き部
40:心棒
50:支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が平面な天板部と、
前記天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、前記溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、
を備える床パネル。
【請求項2】
金属によって形成され、前記天板部と同形状をなし、前記ビス穴と対応する部分にビス穴を有する補強板と、
前記天板部と同形状をなし、前記ビス穴と対応する部分にビス穴を有し、前記補強板の上面に載置される化粧プレートと、
前記床パネル、前記補強板、及び化粧プレートを締結するビスと、
をさらに備える請求項1記載の床パネル。
【請求項3】
上面が平面な天板部と、前記天板部の下面に設けられ、天板部のいずれかの辺に平行に、互いに対称配置される複数の溝部、前記溝部に平行な切り欠き部、及び複数のビス穴を備える本体部と、を備える床パネルの裏面同士を合わせた2枚合わせの床パネルと、
前記2枚合わせの床パネルを支持する複数の支柱と、
前記2枚合わせの床パネルの前記溝部が形成する貫通孔に挿通され、前記2枚合わせの床パネルを懸架する心棒と、
を備える床パネルを用いた床。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68054(P2013−68054A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209090(P2011−209090)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(302061130)東芝ITサービス株式会社 (32)
【Fターム(参考)】