床用目地装置
【課題】 本発明は地震等で上下方向に大きく揺れ動いても、目地プレートが取付け部より外れるのを確実に防止することができるとともに、目地部が狭くなり目地プレートの先端部が上方へ回動するのをスムーズに行なうことができる床用目地装置を得るにある。
【解決手段】 一方の床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、他方の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、目地プレート支持凹部に後端部が支持され、目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、目地プレート支持凹部の一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで床用目地装置を構成している。
【解決手段】 一方の床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、他方の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、目地プレート支持凹部に後端部が支持され、目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、目地プレート支持凹部の一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで床用目地装置を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられる、車両の走行が可能な左右の床躯体間の目地部を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の床用目地装置は、目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する他方の目地部側床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と前記目地プレート支持凹部とを覆うように取付けられた目地プレートと、前記目地プレート支持凹部に固定された上部が反目地部側方向に突出する、くさび状あるいは逆L字状の支持片と、前記目地プレートの後端部に形成された前記支持片が挿入される支持片挿入凹部とで構成されていた。
【0003】
このため、地震等によって上下方向に大きく揺れ動くと、目地プレートの支持片挿入凹部より支持片が離れて、元の状態に戻らなくなってしまうという欠点があった。
また、目地プレートの設置の際に、支持片挿入凹部内に支持片を挿入させる作業が大変で、手数がかかるという欠点があった。
【特許文献1】特開2001−329625
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、地震等で上下方向に大きく揺れ動いても、目地プレートが取付け部より外れるのを確実に防止することができるとともに、目地部が狭くなり目地プレートの先端部が上方へ回動するのをスムーズに行なうことができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
また、本発明は目地プレートの吊り上げ作業が容易にできるように、アイボルトを簡単に着脱可能に取付けることができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで構成されているので、地震によって大きく上下方向に揺れ動いても、目地プレートの後端部が目地プレート支持凹部に固定されたナットに、ボルトで取付けられているため、取付け部より外れたりするのを確実に防止することができる。
したがって、安全に使用することができる。
【0010】
(2)前記(1)によって、目地プレートの後端部に回動可能な支持部材を介して、ボルトをナットに螺合させているので、目地プレートの先端部をスムーズに上方へ回動させることができる。
したがって、目地部が狭くなるような揺れ動き時に、目地プレートがスムーズに回動してその揺れ動きを損傷することなく吸収することができる。
【0011】
(3)前記(1)によって、目地プレートに一対の支持部、この一対の支持部に回動可能に支持部材を取付けるとともに、目地プレート支持凹部にナットを固定し、該ナットに支持部材のボルト挿入孔を介してボルトを螺合させるだけでよいので、容易に設置することができる。
【0012】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【0013】
(5)請求項3も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、目地プレートの移同時には一対の支持部材のボルト挿入孔のねじ部にアイボルトを螺合させて、クレーン等で吊り上げることができる。
したがって、アイボルトの着脱作業は容易で、短時間にでき、移動作業をスムーズに行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた、車両の走行が可能な床躯体3、3間を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は一方の床躯体3の目地部側に形成された目地プレート支持凹部4と、この目地プレート支持凹部4と対応する部位の他方の床躯体3の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面5に形成された目地プレートスライド支持凹部6と、前記目地プレート支持凹部4に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部6に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレート7と、この目地プレート7の後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口8、8するように形成された一対のコ字状の支持部9、9と、この一対の支持部9、9の両側壁9a、9aに枢支ピン10、10で回動可能に枢支された、上部にアイボルトが螺合できるねじ部11を有するボルト挿入孔12が形成された一対の支持部材13、13と、前記目地プレート支持凹部4に複数本のビス14等で固定されたクランク状の支持金具15と、この支持金具15の前記一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12と対応する部位に固定された一対のナット16、16と、この一対のナット16、16と前記一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12を通過して螺合する一対のボルト17、17とで構成されている。
【0016】
前記目地プレート7は図3に示すように、長方形状の浅皿状で、後端部の両側部にコ字状の一対の支持部9、9が形成された金属材製の目地プレート本体18と、この目地プレート本体18内に充填されたコンクリートやモルタル19と、このコンクリートやモルタル19の上部に配置されたタイルやレンガ等の化粧床材20と、前記目地プレート本体18の先端部にヒンジ部材21を介して取付けられたカバープレート22とで構成されている。
【0017】
前記一対の支持部材13、13は図4に示すように、上面が前記支持部9の内径寸法よりもわずかに小さい形状に形成され、先端部側の側面が傾斜面23となる支持部材本体24と、この支持部材本体24の両側面より外方へ突出するように螺合固定されるボルト状の枢支ピン10、10と、前記支持部材本体24のほぼ中央部に上下方向に形成されたボルト挿入孔12と、このボルト挿入孔12の上部に該ボルト挿入孔12よりも大径の皿状の凹部25形状に形成し、その内壁面にアイボルトが螺合されるように形成されたねじ部11とで構成されている。
【0018】
上記構成の床用目地装置1は、地震等によって目地部2が広くなるように揺れ動くと、図6に示すように目地プレート7の先端部が目地プレートスライド支持凹部6内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
目地部2が狭くなるように揺れ動くと、図7に示すように目地プレート7の先端部が目地プレートスライド支持凹部6の傾斜面5に沿って上方へ移動するが、目地プレート7の後端部は回動可能な一対の支持部材13、13を介して、ボルト17、17で目地プレート支持凹部4に固定されたナット16、16に螺合されているため、一対の支持部材13、13が回動して、目地プレート7の回動動作をスムーズにさせることができる。
【0019】
また、目地プレート7が上下方向に大きく揺れ動いても、一対の支持部材13、13を介してボルト17、17で目地プレート支持凹部4に固定された支持金具15に固定されたナット16、16に螺合されているため、目地プレート支持凹部4から目地プレート7の後端部が外れたりすることなく、安全に使用することができる。
目地プレート7を移動させる場合には、図8に示すように、一対の支持部材13、13のねじ部11、11にアイボルト26、26を螺合し、該アイボルト26、26に吊り上げワイヤー27を取付けてクレーン28等で吊り上げ、トラックや使用場所へ移動させることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図9ないし図15に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図9ないし図12に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、目地プレートスライド支持凹部6を覆い、目地プレート7がスムーズにスライド移動できるように固定された金属材製の目地プレートスライド支持凹部カバー29と、目地プレート本体18に形成した一対の支持部9、9の両側壁9a、9a、9a、9aに一対の支持部材13、13の両側壁13a、13a、13a、13aに固定された枢支ピン10A、10A、10A、10Aを挿入することができるL字状で、下部端部が大径のガイド溝30、30、30、30を形成した点で、このように構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、支持部材13、13の支持部9、9への取付けが容易で、目地部2が非常に狭くなった場合に、図12に示すように目地プレート7の後端部の支持部材13、13の枢支ピン10A、10A、10A、10Aをガイド溝30、30、30、30に沿って下方へ移動して、目地プレート7の後端部を上方へ移動させ、目地プレート7の先端部が上方へ大きく突出するのを防止することができる。
【0022】
図13ないし図15に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、一対の支持部9、9を両端部を除く、両端部寄りの部位に形成した目地プレート本体18Aで形成した目地プレート7Aと、一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12と対応する目地プレート支持凹部4に下端部にフランジ31が形成されたナット16A、16Aを複数本のビス32等によって固定した点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、一対の支持部材13、13の枢支ピン10、10、10、10が目地プレート本体18Aの両側面より外方へ突出することなく、目地プレート7Aを複数個並列する床用目地装置では、目地プレート間に隙間なく並列させることができる。
なお、前記本発明を実施する形態では長方形状の目地プレート本体を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限らず、先端部が傾斜面に形成された目地プレート本体を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地プレートの説明図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の支持部材の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の要部拡大断面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の吊り上げる状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う拡大断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の目地プレートの説明図。
【図12】本発明を実施するための第2の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
【図13】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図14】図13の14−14線に沿う拡大断面図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態のナットの取付け状態の説明図。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:床躯体、 4:目地プレート支持凹部、
5:傾斜面、 6:目地プレートスライド支持凹部、
7、7A:目地プレート、 8:開口部、
9:支持部、 10、10A:枢支ピン、
11:ねじ部、 12:ボルト挿入孔、
13:支持部材、 14:ビス、
15:支持金具、 16、16A:ナット、
17:ボルト、 18、18A:目地プレート本体、
19:コンクリートやモルタル、20:化粧床材、
21:ヒンジ部材、 22:カバープレート、
23:傾斜面、 24:支持部材本体、
25:凹部、 26:アイボルト、
27:吊り上げワイヤー、 28:クレーン、
29:目地プレートスライド支持凹部カバー、
30:ガイド溝、 31:フランジ、
32:ビス。
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられる、車両の走行が可能な左右の床躯体間の目地部を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の床用目地装置は、目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する他方の目地部側床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と前記目地プレート支持凹部とを覆うように取付けられた目地プレートと、前記目地プレート支持凹部に固定された上部が反目地部側方向に突出する、くさび状あるいは逆L字状の支持片と、前記目地プレートの後端部に形成された前記支持片が挿入される支持片挿入凹部とで構成されていた。
【0003】
このため、地震等によって上下方向に大きく揺れ動くと、目地プレートの支持片挿入凹部より支持片が離れて、元の状態に戻らなくなってしまうという欠点があった。
また、目地プレートの設置の際に、支持片挿入凹部内に支持片を挿入させる作業が大変で、手数がかかるという欠点があった。
【特許文献1】特開2001−329625
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、地震等で上下方向に大きく揺れ動いても、目地プレートが取付け部より外れるのを確実に防止することができるとともに、目地部が狭くなり目地プレートの先端部が上方へ回動するのをスムーズに行なうことができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
また、本発明は目地プレートの吊り上げ作業が容易にできるように、アイボルトを簡単に着脱可能に取付けることができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとで構成されているので、地震によって大きく上下方向に揺れ動いても、目地プレートの後端部が目地プレート支持凹部に固定されたナットに、ボルトで取付けられているため、取付け部より外れたりするのを確実に防止することができる。
したがって、安全に使用することができる。
【0010】
(2)前記(1)によって、目地プレートの後端部に回動可能な支持部材を介して、ボルトをナットに螺合させているので、目地プレートの先端部をスムーズに上方へ回動させることができる。
したがって、目地部が狭くなるような揺れ動き時に、目地プレートがスムーズに回動してその揺れ動きを損傷することなく吸収することができる。
【0011】
(3)前記(1)によって、目地プレートに一対の支持部、この一対の支持部に回動可能に支持部材を取付けるとともに、目地プレート支持凹部にナットを固定し、該ナットに支持部材のボルト挿入孔を介してボルトを螺合させるだけでよいので、容易に設置することができる。
【0012】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【0013】
(5)請求項3も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、目地プレートの移同時には一対の支持部材のボルト挿入孔のねじ部にアイボルトを螺合させて、クレーン等で吊り上げることができる。
したがって、アイボルトの着脱作業は容易で、短時間にでき、移動作業をスムーズに行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた、車両の走行が可能な床躯体3、3間を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は一方の床躯体3の目地部側に形成された目地プレート支持凹部4と、この目地プレート支持凹部4と対応する部位の他方の床躯体3の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面5に形成された目地プレートスライド支持凹部6と、前記目地プレート支持凹部4に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部6に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレート7と、この目地プレート7の後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口8、8するように形成された一対のコ字状の支持部9、9と、この一対の支持部9、9の両側壁9a、9aに枢支ピン10、10で回動可能に枢支された、上部にアイボルトが螺合できるねじ部11を有するボルト挿入孔12が形成された一対の支持部材13、13と、前記目地プレート支持凹部4に複数本のビス14等で固定されたクランク状の支持金具15と、この支持金具15の前記一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12と対応する部位に固定された一対のナット16、16と、この一対のナット16、16と前記一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12を通過して螺合する一対のボルト17、17とで構成されている。
【0016】
前記目地プレート7は図3に示すように、長方形状の浅皿状で、後端部の両側部にコ字状の一対の支持部9、9が形成された金属材製の目地プレート本体18と、この目地プレート本体18内に充填されたコンクリートやモルタル19と、このコンクリートやモルタル19の上部に配置されたタイルやレンガ等の化粧床材20と、前記目地プレート本体18の先端部にヒンジ部材21を介して取付けられたカバープレート22とで構成されている。
【0017】
前記一対の支持部材13、13は図4に示すように、上面が前記支持部9の内径寸法よりもわずかに小さい形状に形成され、先端部側の側面が傾斜面23となる支持部材本体24と、この支持部材本体24の両側面より外方へ突出するように螺合固定されるボルト状の枢支ピン10、10と、前記支持部材本体24のほぼ中央部に上下方向に形成されたボルト挿入孔12と、このボルト挿入孔12の上部に該ボルト挿入孔12よりも大径の皿状の凹部25形状に形成し、その内壁面にアイボルトが螺合されるように形成されたねじ部11とで構成されている。
【0018】
上記構成の床用目地装置1は、地震等によって目地部2が広くなるように揺れ動くと、図6に示すように目地プレート7の先端部が目地プレートスライド支持凹部6内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
目地部2が狭くなるように揺れ動くと、図7に示すように目地プレート7の先端部が目地プレートスライド支持凹部6の傾斜面5に沿って上方へ移動するが、目地プレート7の後端部は回動可能な一対の支持部材13、13を介して、ボルト17、17で目地プレート支持凹部4に固定されたナット16、16に螺合されているため、一対の支持部材13、13が回動して、目地プレート7の回動動作をスムーズにさせることができる。
【0019】
また、目地プレート7が上下方向に大きく揺れ動いても、一対の支持部材13、13を介してボルト17、17で目地プレート支持凹部4に固定された支持金具15に固定されたナット16、16に螺合されているため、目地プレート支持凹部4から目地プレート7の後端部が外れたりすることなく、安全に使用することができる。
目地プレート7を移動させる場合には、図8に示すように、一対の支持部材13、13のねじ部11、11にアイボルト26、26を螺合し、該アイボルト26、26に吊り上げワイヤー27を取付けてクレーン28等で吊り上げ、トラックや使用場所へ移動させることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図9ないし図15に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図9ないし図12に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、目地プレートスライド支持凹部6を覆い、目地プレート7がスムーズにスライド移動できるように固定された金属材製の目地プレートスライド支持凹部カバー29と、目地プレート本体18に形成した一対の支持部9、9の両側壁9a、9a、9a、9aに一対の支持部材13、13の両側壁13a、13a、13a、13aに固定された枢支ピン10A、10A、10A、10Aを挿入することができるL字状で、下部端部が大径のガイド溝30、30、30、30を形成した点で、このように構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、支持部材13、13の支持部9、9への取付けが容易で、目地部2が非常に狭くなった場合に、図12に示すように目地プレート7の後端部の支持部材13、13の枢支ピン10A、10A、10A、10Aをガイド溝30、30、30、30に沿って下方へ移動して、目地プレート7の後端部を上方へ移動させ、目地プレート7の先端部が上方へ大きく突出するのを防止することができる。
【0022】
図13ないし図15に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、一対の支持部9、9を両端部を除く、両端部寄りの部位に形成した目地プレート本体18Aで形成した目地プレート7Aと、一対の支持部材13、13のボルト挿入孔12、12と対応する目地プレート支持凹部4に下端部にフランジ31が形成されたナット16A、16Aを複数本のビス32等によって固定した点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、一対の支持部材13、13の枢支ピン10、10、10、10が目地プレート本体18Aの両側面より外方へ突出することなく、目地プレート7Aを複数個並列する床用目地装置では、目地プレート間に隙間なく並列させることができる。
なお、前記本発明を実施する形態では長方形状の目地プレート本体を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限らず、先端部が傾斜面に形成された目地プレート本体を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地プレートの説明図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の支持部材の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の要部拡大断面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の吊り上げる状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う拡大断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の目地プレートの説明図。
【図12】本発明を実施するための第2の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
【図13】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図14】図13の14−14線に沿う拡大断面図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態のナットの取付け状態の説明図。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:床躯体、 4:目地プレート支持凹部、
5:傾斜面、 6:目地プレートスライド支持凹部、
7、7A:目地プレート、 8:開口部、
9:支持部、 10、10A:枢支ピン、
11:ねじ部、 12:ボルト挿入孔、
13:支持部材、 14:ビス、
15:支持金具、 16、16A:ナット、
17:ボルト、 18、18A:目地プレート本体、
19:コンクリートやモルタル、20:化粧床材、
21:ヒンジ部材、 22:カバープレート、
23:傾斜面、 24:支持部材本体、
25:凹部、 26:アイボルト、
27:吊り上げワイヤー、 28:クレーン、
29:目地プレートスライド支持凹部カバー、
30:ガイド溝、 31:フランジ、
32:ビス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部に固定された支持金具と、この支持金具の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記一対の支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項3】
支持部材のボルト挿入孔には、目地プレートを吊り上げるためにアイボルトを螺合させるためのねじ部が形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2いずれかに記載の床用目地装置。
【請求項1】
一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
一方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側に形成された反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、前記目地プレート支持凹部に後端部が支持され、前記目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持された目地プレートと、この目地プレートの後端部の両側部寄りの部位に後端部が開口するように形成された一対のコ字状の支持部と、この一対の支持部の両側壁に回動可能に枢支されたボルト挿入孔が形成された一対の支持部材と、前記目地プレート支持凹部に固定された支持金具と、この支持金具の前記一対の支持部材のボルト挿入孔と対応する部位に固定された一対のナットと、この一対のナットと前記一対の支持部材のボルト挿入孔を通過して螺合する一対のボルトとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項3】
支持部材のボルト挿入孔には、目地プレートを吊り上げるためにアイボルトを螺合させるためのねじ部が形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2いずれかに記載の床用目地装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−132157(P2007−132157A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328534(P2005−328534)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
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