説明

床面給電システム

【課題】移動体の可動範囲内において移動体への連続的な給電を可能とする床面給電システムを提供する。
【解決手段】床面給電システム100は、その表面に一定形状の電源電極22とグランド電極23とが所定幅の隙間24を介して交互に並べられた給電パネル11および給電パネル11に所定の電圧を供給する電源12を有する床面給電装置10と、給電パネル11の表面に常時接触する複数の給電端子52および給電パネル11の表面に接地する脚部たる車輪53並びに給電端子52からの給電によって車輪53を駆動するモータ54を有する移動体たるロボット50から構成される。常に、複数の給電端子52のうち、少なくとも1つは電源電極22に接触し、少なくとも1つはグランド電極23に接触するように、給電パネル11の電極パターンと給電端子52の数および配置が調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット等の移動体をコードレスで連続動作させるための床面給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボットの行動を遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)や遺伝的プログラミング(GP;Genetic Programming)を用いて獲得する研究や、複数台のロボットを使った協調制御の研究が盛んに行われている(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、実機であるロボットを用いて長時間にわたる研究を行っている事例はほとんど無い。その理由としては、ロボットに内蔵されたバッテリーの容量には限界があるためにバッテリー交換が必要になることや、バッテリーを用いずに有線給電を行った場合には給電ケーブルが絡まる等の問題が発生することが挙げられる。特に小型ロボットでは、その占有体積の制限から、バッテリー容量を大きくすることは極めて困難である。
【0004】
このようなバッテリー駆動や有線給電駆動に対して、送電機器から受電機器である電子玩具へ電磁誘導を用いた非接触方式で電力を供給する電力供給システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術を、プログラムにしたがって停止動作を含む動作を行うロボットの長時間駆動に適用すると、ロボットに長時間の停止を行わせると、どの送電部からも電力を得ることができなくなって、ロボットの駆動が不能になるおそれがある。
【非特許文献1】E.Uchibe, M. Nakamura and M.Asada, “Co-evolution for Cooperative Behavior Acquisition in a Multiple Mobile Robot Environment”, Proc. of The1998 IEEE/RSJ Int. Conf. on Intelligent Robots and Systems, p.425-430, 1998.
【非特許文献2】小菅一弘、大住智宏、千葉晋彦,“単一物体を操る複数移動ロボットの分散協調制御”,日本ロボット学会誌,16,1,p.87-95,1998.
【特許文献1】特開2006−87214(図1、段落[0024]等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ロボット等の移動体の可動範囲内において移動体への連続的な給電を可能とする床面給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による床面給電システムは、給電機器である床面給電装置と、受電機器である移動体とを備えている。この床面給電装置は、その表面に一定形状の電源電極とグランド電極とが所定幅の隙間を介して交互に並べられた給電パネルと、この給電パネルに所定の電圧を供給する電源とを具備している。一方、移動体は給電パネル上に載置され、給電パネルの表面に常時接触する複数の給電端子と、給電パネルの表面に接地する脚部と、給電端子からの給電によってこの移動体が給電パネル上を縦横自在に移動するように脚部を駆動する駆動部とを具備している。複数の給電端子のうち、少なくとも1つは電源電極に接触し、少なくとも1つはグランド電極に接触しているように、給電端子の配置と給電パネルに設けた電極パターンとを調整する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体への連続的な給電が可能となるので、従来は困難であった長い時間にわたって、移動体を動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1A,図1Bはそれぞれ、床面給電システムの概略構成を示す側面図である。床面給電システム100は、給電機器である床面給電装置10と、受電機器であるロボット50から構成されており、床面給電装置10は、給電パネル11と、この給電パネル11に電力を供給する電源12を備えている。電源12は、例えば家庭用コンセントに接続され、そこから得られる交流100Vを直流10Vに変圧、整流し、給電パネル11に送電する。
【0011】
図2に給電パネル11の平面図を示す。給電パネル11は、樹脂等の絶縁性材料からなる基板21の表面に、矩形(帯状)の電源電極22とグランド電極23とが所定幅の間隙部24を介して交互に並べられた構造を有している。
【0012】
基板21の裏面には一対のリード電極26a,26bが形成されている。リード電極26a,26bの末端部には電源12が接続される。基板21には、電源電極22とリード電極26aとを接続するためのスルーホール電極25aと、グランド電極23とリード電極26bとを接続するためのスルーホール電極25bが設けられている。
【0013】
図2に示されるように、電源電極22の長さ方向をX方向、幅方向をY方向とし、また、電源電極22とグランド電極23の幅は‘a’で同じであるとする。給電パネル11のY方向端に位置しているグランド電極23の幅は‘a/2’となっており、しかもY方向端側面には、この幅が‘a/2’であるグランド電極23が延長して設けられている。
【0014】
そこで、給電パネル11のY方向端に同じ構造を有する別の給電パネル11を接続すると、この接続部で幅‘a’の新たなグランド電極23が形成される。こうして、ロボット50を置く床面のY方向長さは、給電パネル11のY方向設置枚数により調節することができるようになっている。同様に、給電パネル11のX方向端の側面にも電源電極22とグランド電極23が延長して設けられており、床面のX方向長さを、給電パネル11のX方向設置枚数により調節することができるようになっている。
【0015】
間隙部24の幅は、電源電極22とグランド電極23との間で、導通が生じない値に設定することができる。
【0016】
ロボット50は、基台51と、給電パネル11の表面に常時接触するように基台51の下側に設けられた4個の給電端子52と、給電パネル11の表面に接地する脚部たる2個の車輪53と、給電端子52からの給電によって2個の車輪53を独立駆動させる駆動部たる2個のモータ54と、各モータ54の駆動を制御するための制御部55と、各種の機能モジュールを搭載した拡張ボード58を差し込み可能な接続バス56と、給電端子52から取り入れられる電力を貯蔵するための二次電池57を備えている。
【0017】
図3は給電端子52の配置を示す平面図である。なお、図3は図2と等倍率ではない。4個の給電端子52は、正三角形の頂点と重心の合計4箇所に設けられている。これら4個の給電端子52はそれぞれ、例えば、金属線材を一定の曲率で折り曲げたものや、先端が球面等の曲面となっている棒状または錐状の端子であり、その頂点部分で給電パネル11の表面に接触している。給電端子52は、バネ等(図示せず)を用いて接触圧が常に一定となるように、基台51に設置されている。
【0018】
1個の給電端子52が同時に電源電極22とグランド電極23に接触することがないように、給電端子52が給電パネル11との接触する部分の面積と、電極パターンとが調整されている。
【0019】
4個の給電端子52のうちの1つに着目すると、その給電端子52は、電源電極22に接触するときもあれば、グランド電極23に接触することもあり、また間隙部24に接触して開回路を構成する場合がある。そのため、どの給電端子から給電が行われても一定の電圧が得られるように、4個の給電端子52からダイオードブリッジ回路(図示せず)を通して電力の取り込みが行われる。給電端子52の配置に関する幾何的条件については、後に説明する。
【0020】
ロボット50は、4個の給電端子52と2個の車輪53が給電パネル11の表面に接触することで、バランスをとっている。車輪53を駆動するためのモータ54は回転数を変動させることができる。モータ54はその回転数を変化させることができるサーボモータであり、モータ54を独立駆動させたり同時駆動の際の回転数を調整したりすることによって、ロボット50の動きにバリエーションをもたせることができるようになっている。
【0021】
制御部55は、CPU、プログラムが記憶されたROM、獲得行動を記憶するRAM等を備えている。
【0022】
接続バス56は基台51の上側に設けられており、拡張ボード58に設けられた端子をその接続56バスの所定の位置に設けられたスロット(図示せず)に差し込むことで、その拡張ボード58と制御部55との間での双方向通信が可能となる。拡張ボード58は制御部55との間に一定の隙間が形成されるようにスタックされる。さらに別の拡張ボード58を先に装着された拡張ボード58の上にスタックすることができ、この別の拡張ボードが有する端子は接続バス56に設けられた別のスロットに差し込むことができる。接続バス56は、パーソナルコンピュータの拡張ボード装着スロットのように、所定枚数の拡張ボード58を平行に差し込むことができるスロット構造のものであってもよい。
【0023】
拡張ボード58としては、カメラモジュール、赤外線センサモジュール、超音波センサモジュール、I/Oモジュール、ユニバーサル基板モジュール、無線モジュール等が挙げられる。これらのモジュールを動作させるための電力は給電端子52から供給される。
【0024】
カメラモジュールは、CMOSカメラを搭載し、ロボット50が動作可能な給電パネル11の領域を色抽出により抽出する。赤外線センサモジュールは、赤外線センサにより水平方向の障害物を検出し、その障害物までの距離を取得する。超音波センサモジュールは赤外線センサモジュールと同等の機能を有する。I/Oモジュールは、各種センサからのアナログ信号の入力や各種制御信号の入出力を行う。ユニバーサル基板モジュールは、USB接続により動作する各種の機器を接続することを可能にする。無線モジュールは無線を用いて所定の信号を送受信させる。
【0025】
カメラモジュールと赤外線モジュール(または超音波モジュール)およびI/Oモジュールをこのロボット50に搭載することにより、制御部55は、これらのモジュールが検知する情報を利用して、給電パネル11の領域内でロボット50を障害物に接触させることなく動作させることができる。
【0026】
二次電池57には、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が好適であるが、このような二次電池に代えて、コンデンサを用いることもできる。なお、二次電池57は必ずしも必要な構成要素ではない。この二次電池57に蓄えられた電力は、給電端子52からの給電が停止してしまった場合、例えば床面給電装置10の電源12の故障や、停電により家庭用コンセントからの給電が停止する等した場合に、それが復旧するまでの間、ロボット50を動作させるために用いることができる。また、給電端子52から給電される電力では賄えないような大出力で、時々、モータ54の回転を制御したい場合等に、この二次電池57からの出力を利用することができる。
【0027】
上述した構成を有する床面給電システム100において、ロボット50に設けられた4個の給電端子52のうち、少なくとも1つは常に電源電極22に接触し、少なくとも1つはグランド電極23に接触するように、給電端子52の幾何的配置と給電パネル11の電極パターンは調整されている。このことについて、以下に詳細に説明する。
【0028】
図4A〜図4Dに給電端子52と給電パネル11に設けられた電極パターンの位置関係を示す。これらの図4A〜図4Dでは、給電端子52をα、β、γ、ηで示すこととする。図4Aに示すように、一辺の長さが‘c’の正三角形の各頂点に給電端子α、β、γが、その正三角形の重心に給電端子ηが設けられており、頂点位置の給電端子α、β、γから重心位置の給電端子ηまでの距離を‘d’、重心位置の給電端子ηから頂点位置の給電端子α、β、γどうしを結ぶ各辺へ下ろした垂線の長さを‘e’とする。また、電源電極22とグランド電極23の幅をそれぞれ‘a’とし、間隙部24の幅を‘b’とする。
【0029】
最初に、説明を簡単にするために、‘b’は‘a’に対して無視できる程度に小さいと仮定すると、電極パターンは図4B〜図4Dの通りに示される。ここで、給電端子αが電源電極22とグランド電極23の境界線(以下単に「境界線」という)上に位置しており、この境界線と給電端子α,βを結ぶ辺とのなす角をθとし、この給電端子αは電源電極22とグランド電極23のいずれにも接触していないと仮定する。また、他の給電端子β,γ,ηも、境界線上に位置する場合には、電源電極22とグランド電極23のいずれにも接触していない状態にあるものとする。
【0030】
(i)0≦θ≦120°の場合(図4B)
給電端子ηが電源電極22に接触しているための条件は、給電端子ηは給電端子αを中心として半径‘d’の円弧を描くので、
a>d …(1)
であることが必要になる。
【0031】
このとき、給電端子β,γの少なくとも一方はグランド電極23に接触していなければならないが、θ=0°のときには給電端子βが境界線上にあるので、給電端子γがグランド電極23に接触していなければならず、θ=120°のときには給電端子γが境界線上にあるので、給電端子βがグランド電極23に接触していなければならない。そこで、
d+e>a …(2)
であることが必要になる。また、給電端子β,γはいずれもグランド電極23を超えたところに位置している別の電源電極22に接触してはならない。給電端子β,γは給電端子αを中心として半径‘c’の円弧を描くので、
c<2a …(3)
であることが必要となる。
【0032】
よって、これら(2),(3)の条件が同時に満たされていれば、給電端子β,γの少なくとも一方はグランド電極23に接触していることになる。
【0033】
(ii)120°<θ<150°の場合(図4C)
上記(2),(3)の条件が満たされている限りにおいて、図4Cに示されるように、給電端子γは必ずグランド電極23に接触する。そのため、給電端子β,ηのいずれか一方は電源電極22に接触していなければならない。給電端子ηは上記(1)の条件を満たしている限り、必ず、電源電極22に接触するので、給電端子βは電源電極22とグランド電極23のどちらに接触していてもよい。したがって、この場合の新たな条件式は現れない。
【0034】
(iii)θ=150°の場合
この場合、図4Dに示されるように、給電端子ηが境界線上に位置するために、給電端子βは電源電極22に、給電端子γはグランド電極23に、それぞれ接触している必要がある。この場合、境界線から給電端子β,γまでの距離(=c/2)が‘a’未満であればよいので、
c/2<a …(4)
となる。なお、この(4)式は結果的には上記(3)と同じ条件式となる。
【0035】
なお、給電端子ηを中心として給電端子α,β,γを回転させると、これらは給電端子ηを中心として半径‘d’の円弧を描く。したがって、給電端子ηが境界線上にある場合、上記(1)式が満たされていると、給電端子α,β,γのうちの2つが同時に境界線上に位置するという状況になることはなく、また、全ての給電端子α,β,γが同種の電極と接触する状況になることもない。
【0036】
(iv)150°<θ<180°の場合
上記(ii)と同じ条件となる。
【0037】
(v)180°≦θ≦360°
上記(i)〜(iv)と同じ条件となる。
【0038】
以上の(i)〜(v)による(1)〜(4)式から、
d<a<d+e,かつ、c/2<a …(5)
が導かれる。ここで、‘d’と‘c/2’とを比較すると、d=(31/2×c)/3であるから、d>c/2である。
【0039】
したがって、上記(5)式では、結果的にd<a<d+eの条件が満たされることが必要になる。
【0040】
d+e=(31/2×c)/2であるから、結局、d<a<d+eは、
(31/2×c)/3<a<(31/2×c)/2 …(6)
と表される。
【0041】
さらに次に、最初に無視していた‘b’が与える影響について考慮すると、上記(6)式は、下記(7)式のように変形できる。
【0042】
[(31/2×c)/3]+b<a<[(31/2×c)/2]−b …(7)
この(7)式の関係が満たされるように、給電端子52(α,β,γ,η)の幾何的配置と給電パネル11の電極パターンを調整すると、4個の給電端子52のうち少なくとも1つは電源電極22に接触し、少なくとも1つはグランド電極23に接触した状態を実現することができ、これにより理論的には、永続的な給電が可能となる。
【0043】
具体的に、a=27mm、b=3mm、c=38mmとすると、上記(7)式は、24.9<27<29.9となり、その関係が満たされていることがわかる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、給電パネル11として、矩形の電源電極22とグランド電極23とが交互に配置されたものを例に挙げたが、図5の平面図に示す給電パネル15のように、正方形の電源電極27とグランド電極28とが一定幅の間隙部29を介して交互に並べられた構造のものを用いてもよい。給電パネル15も給電パネル11と同様に、複数枚を接続させて、ロボットの可動範囲を調節することができる。なお、図5では、電源電極27とグランド電極28の区別を明瞭に示すために、グランド電極28をドットで潰している。
【0045】
この給電パネル15を用いた場合の給電端子52の配置は、図5に併記されるように、正五角形の各頂点とその重心の6点に設けることが好ましい。例えば、正三角形や正方形の頂点およびその中心に給電端子を配置した場合には、給電端子間の距離に関係なく、全ての給電端子が間隙部に収まってしまう事態が生じ得る。正五角形の各頂点に給電端子を配置すると、図5に示されている通りに、そのうちの3つが同時に間隙部に位置し、残り2つが同種の電極と接触する事態が起こりえる。そこで、正五角形の中心にさらに駆動電極を設けることにより、6個の給電端子52のうちのいずれかは必ず電源電極27に接触し、いずれかは必ずグランド電極28に接触した状態を実現することができる。
【0046】
給電パネルに形成される電源電極とグランド電極の形状は、上述した矩形(長方形)や正方形に限定されることなく、三角形や正六角形等であってもよく、給電端子をどのような位置に配置するは、給電パネルに設けられる電極形状に適合させて設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】床面給電システムの概略構成を示す側面図。
【図1B】床面給電システムの概略構成を示す別の側面図
【図2】給電パネルの平面図。
【図3】給電端子の配置を示す平面図。
【図4A】給電端子と電極パターンの位置関係を示す図。
【図4B】給電端子と電極パターンの位置関係を別の示す図。
【図4C】給電端子と電極パターンの位置関係をさらに別の示す図。
【図4D】給電端子と電極パターンの位置関係をさらに別の示す図。
【図5】別の給電パネルにおける電極パターンと給電端子の配置例を示す図。
【符号の説明】
【0048】
10…床面給電装置、11…給電パネル、12…電源、15…給電パネル、21…基板、22…電源電極、23…グランド電極、24…間隙部、25a・25b…スルーホール電極、26a・26b…リード電極、27…電源電極、28…グランド電極、29…間隙部、50…ロボット、51…基台、52…給電端子、53…車輪、54…モータ、55…制御部、56…接続バス、57…二次電池、58…拡張ボード、100…床面給電システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電機器である床面給電装置と、受電機器である移動体とを備えた床面給電システムであって、
前記床面給電装置は、その表面に一定形状の電源電極とグランド電極とが所定幅の隙間を介して交互に並べられた給電パネルと、前記給電パネルに所定の電圧を供給する電源とを具備し、
前記移動体は前記給電パネル上に載置され、前記給電パネルの表面に常時接触する複数の給電端子と、前記給電パネルの表面に接地する脚部と、前記給電端子からの給電によってこの移動体が前記給電パネル上を縦横自在に移動するように前記脚部を駆動する駆動部とを具備し、
前記複数の給電端子のうち、少なくとも1つは前記電源電極に接触し、少なくとも1つは前記グランド電極に接触していることを特徴とする床面給電システム。
【請求項2】
前記給電パネルは、ともに幅‘a’の前記電源電極と前記グランド電極とが、幅‘b’の前記隙間を介して、その幅方向に交互に並べられた構造を有し、
前記給電端子は、一辺の長さが‘c’である正三角形の各頂点およびその重心の計4点に配置されており、
[(31/2×c)/3]+b<a<[(31/2×c)/2]−bの関係が満たされていることを特徴とする請求項1に記載の床面給電システム。
【請求項3】
前記脚部は独立した車輪であり、前記駆動部は前記車輪を独立駆動するモータであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の床面給電システム。
【請求項4】
前記移動体は、所定の機能のモジュールを搭載した拡張ボードを差し込むための接続バスを複数有しており、
前記接続バスに差し込まれた拡張ボードに搭載されたモジュールを動作させるための電力は前記給電端子から供給されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の床面給電システム。
【請求項5】
前記移動体は、前記給電端子から取り入れられる電力を貯蔵するための二次電池またはコンデンサをさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の床面給電システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5】
image rotate