説明

座席補助具

【課題】 座席のクッションを簡単に着脱可能にするだけでなく、クッションの形状を自在に変形することができ、小物やゴミ袋などを邪魔にならず、目立たない場所に収納することができる座席補助具を提供すること。
【解決手段】 座席に付設する補助具であり、着座する座席の前面に配設されるクッションと、そのクッションを座席に固定するクッション固定具とを有し、クッションは、着座する座席の上に配置される座部クッションと、その座部クッションに連設され、座席の足部に連なるすだれ部クッションとを備え、クッション固定具は、座部クッションに着脱自在に接続され、着座する座席の座部と、背を当てる背部との隙間から、座席の裏面にかけて配置され、座席の座部と背部との隙間に係止する略棒状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの座席に付設する座席補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
車の中などの狭い空間で、ゴミ箱や小物を車内等の座席に設置する需要がある。座席に設置するゴミ箱や小物掛けなどは、市販されていて既に公知である。
そのような従来技術には、例えば、特許文献1〜5がある。
【特許文献1】特開2002−165673
【特許文献2】登録実用新案第3049173号
【特許文献3】特開2005−289339
【特許文献4】特開2001−158302
【特許文献5】特開2003−159973
【0003】
しかし、従来技術によると、座席の足元などやシート上に設置する場合は、邪魔になったり、見栄えが悪くなったりした。特に、車での移動時等にずれたりして、運転に支障をきたす場合もあった。
【0004】
また、座席シートのクッションについては、従来は、紐などで固定していたが、何らかの力が加わって解ける場合があり、また、着脱に時間を要して不便であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、座席のクッションを簡単に着脱可能にするだけでなく、クッションの形状を自在に変形することができ、また、小物やゴミ袋などを邪魔にならず、目立たない場所に収納することができる座席補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の座席補助具は、次の構成を備える。すなわち、座席に付設する補助具であり、着座する座席の前面に配設されるクッションと、そのクッションを座席に固定するクッション固定具とを有し、クッションは、着座する座席の上に配置される座部クッションと、その座部クッションに連設され、座席の足部に連なるすだれ部クッションとを備え、クッション固定具は、座部クッションに着脱自在に接続され、着座する座席の座部と、背を当てる背部との隙間から、座席の裏面にかけて配置され、座席の座部と背部との隙間に係止する略棒状であることを特徴とする。
【0007】
ここで、クッション固定具が、略T字型の端部を有すると共に、内装された弾性体によって伸縮可能であってもよい。
【0008】
すだれ部クッションが、複数の棒状のクッションを紐状体によってすだれ状に接合させたものであってもよい。
【0009】
すだれ部クッションが、袋類を掛止可能な突部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、クッションと、それに付設可能な収納部を一体化することで、狭い空間でも有効に活用することができる。クッションの留め具を利用することによって簡単に着脱が可能であり、ずれが少なくなる。
クッション自体も自在に変形することができ、収納や、腰部のクッション用などにも利用することができる。また、ゴミ袋など座椅子のヘッダ部や背部にかけるのではなく、足元にかけることで、車内や、視線の中にゴミ袋が入らないため、見栄えがよくなる。また、人が着席していても小物類を邪魔にならずにかけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を基に説明する。なお、本実施例では、車両の座席に設置する例を挙げるが、劇場やオフィスや家庭などの座席にも適用でき、本発明の構成は、その趣旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
【0012】
図1は、座席の側部を示す説明図である。
座席の座部(11)と背部(12)の隙間から、クッション固定具(20)を介して、座部クッション(30)及びすだれ部クッション(40)が貫入される。
クッション固定具(20)は、図2のように、略棒状であり、略T字型の端部を有し、弾性体としてのばね(21)が内装され、ピストン状に伸縮する。
T字型部分が、座席の座部(11)と背部(12)の隙間に掛合することで、外れることが防止される。また、略棒状の部位によって、左右にずれて外れることが防止される。
なお、クッション固定具(20)は、座席後部の小物掛けとしても利用可能である。
また、座席の座部(11)と背部(12)の隙間が大きい事務座椅子などの場合は、座部クッション(30)の端部(31)に複数の穴を設け、それにクッション固定具(20)を係合させることで設置してもよい。
【0013】
また、ばね(21)の弾性が弱くなった場合には、図3に示す弾性調整具(22)を、図4のように、クッション固定具(20)に付設する。
弾性調整具(22)は、ばね(21)の両端部間の距離を規制して、復元力を調整するものである。略U字状の固定具(23)によって固定される。
【0014】
また、座席の座部(11)と背部(12)の隙間は、座椅子によって幅がまちまちであるために、クッション固定具(20)が緩む心配がある。その場合は、図5に示す紐調整具(24)によって、図6のように、すだれ部クッション(40)の紐状体(41)を圧縮して紐状体の張りを調整する。
なお、すだれ部クッション(40)は、座席の座部(11)や小物掛けの高さを調節するために、すだれ状の形状をなすが、すだれを形成する横棒は、必ずしも多数必要なく、重しとして機能する下端部の1本だけでもよいし、それと小物掛けとして機能するものとの2本でもよい。
【0015】
図7は、座部クッション(30)及びすだれ部クッション(40)の正面説明図である。
座部クッション(30)の中央部には、座りやすくするための凹みや穴から成る凹部(32)が備わる。
【0016】
座部クッション(30)に連設されたすだれ部クッション(40)には、複数の棒状クッション(42)が備わり、複数の穴、図示の例では3個の穴を有し、紐状体(41)で接続されている。
すだれ部クッション(40)の先端部には、図8に示すように、重しとしても機能する端部棒状クッション(43)が備わる。
すだれ部クッション(40)の長さや幅は、紐状体(41)や棒状クッション(42)によって、座席に合わせて調整可能である。
【0017】
棒状クッション(42)は、図9に示すように、凹部(42a)と凸部(42b)との嵌合で構成される。凸部(42b)を、単体で使用することもできる。
このような棒状クッション(42)は、図10及び11に示すように、紐状体(41)によって、すだれ状に接合される。このとき、図12に示すような袋類(50)を、図13に示すように、凸部(42b)に係止させて小物入れやゴミ袋等として利用することができる。
なお、凹部(42a)と凸部(42b)との間に袋類(50)の端部を挟み込むなど、袋類(50)の形状に応じて、その保持を適宜調整可能である。
また、棒状クッション(42)の前面または背面に小物入れ類を取り付けることで、小物を隠したり、クッションの機能により小物を衝撃から守ったり、音を吸収することができる。
【0018】
棒状クッション(42)は、凹部(42a)と凸部(42b)とのセパレート式でなく、一体型でもよい。図14に示すように、棒状クッション(42)の背面部で、凸部(42b)の中央に設けた穴に紐状体(41)を通すことで、棒状クッション(42)と紐状体(41)とを固定しても良い。
【0019】
また、図15及び16に示すように、袋類(50)を棒状クッション(42)の前面に取り付けたり、すだれ部クッション(40)を、座席の頭部(13)に掛けたS字金具(14)を介して、座席の背部(12)にもたれさせて取り付けることもできる。なお、S字金具(14)に限らず、棒状クッション(42)を係止させるなどしてもよい。
【0020】
クッションの素材は、エアーや冷却や保温機能をもった液体の封入されたものや、綿など、従来公知の部材が利用でき、図1に示したように、座部クッション(30)及びすだれ部クッション(40)を丸めて、腰当てにも利用できる。
【0021】
図6に示したように、すだれ部クッション(40)の前面に、カバー(40)を付設して、足のふくらはぎに当たって違和感を与えないようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によると、車の座席だけでなく、あらゆる座席のクッションとして活用することができ、また小物掛けにも利用することができ、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】座席の側面要部説明図
【図2】クッション固定具の要部説明図
【図3】弾性調整具の説明図
【図4】使用例のクッション固定具の説明図
【図5】紐調整具の要部説明図
【図6】別実施例の座席の側面要部説明図
【図7】座部クッション及びすだれ部クッションの正面要部説明図
【図8】座部クッション及びすだれ部クッションの側面要部説明図
【図9】棒状クッションの説明図
【図10】すだれ部クッションの正面要部説明図
【図11】すだれ部クッションの平面要部説明図
【図12】袋類の説明図
【図13】使用例のすだれ部クッションの正面説明図
【図14】別実施例のすだれ部クッションの側面要部説明図
【図15】別実施例の座席の側面要部説明図
【図16】別実施例の座席の側面要部説明図
【符号の説明】
【0024】
11 座席の座部
12 座席の背部
13 座席の頭部
14 S字金具
20 クッション固定具
21 ばね
22 弾性調整具
23 固定具
24 紐調整具
25 ばね
26 ボタン
30 座部クッション
31 座部クッション端部
32 凹部
40 すだれ部クッション
41 紐状体
42 棒状クッション
42a 凹部
42b 凸部
43 端部棒状クッション
44 カバー
50 袋類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席に付設する補助具であり、
着座する座席の前面に配設されるクッションと、そのクッションを座席に固定するクッション固定具とを有し、
クッションは、着座する座席の上に配置される座部クッションと、その座部クッションに連設され、座席の足部に連なるすだれ部クッションとを備え、
クッション固定具は、座部クッションに着脱自在に接続され、着座する座席の座部と、背を当てる背部との隙間から、座席の裏面にかけて配置され、座席の座部と背部との隙間に係止する略棒状である
ことを特徴とする座席補助具。
【請求項2】
クッション固定具が、略T字型の端部を有すると共に、内装された弾性体によって伸縮可能である
請求項1に記載の座席補助具。
【請求項3】
すだれ部クッションが、複数の棒状のクッションを紐状体によってすだれ状に接合させたものである
請求項1または2に記載の座席補助具。
【請求項4】
すだれ部クッションが、袋類を掛止可能な突部を備える
請求項1ないし3に記載の座席補助具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate