説明

座標入力装置及びその制御方法、プログラム

【課題】横長化されたマルチ画面システムの表示のデザイン性や臨場感等の映像効果を損なわず、かつ小型にシステムを構成することが可能な座標入力装置を提供する。
【解決手段】矩形状の座標入力領域4A,4Bの対向する2辺に少なくとも2箇所ずつ配置される投光部と受光部とにより構成されるセンサ1A〜1Hを備える。入射光を再帰的に反射する第1の再帰反射部3A、および第2の再帰反射部3Bを備える。第1の再帰反射部3Aと対向するセンサ1B、1C、1F、1Gにより、第1の複数の光量分布を検出する。第2の再帰反射部3Bと対向するセンサ1A、1D、1E、1Hにより、第1の複数の光量分布とは異なるタイミングで第2の複数の光量分布を検出する。第1の複数の光量分布及び第2の複数の光量分布の少なくとも4つの光量分布のうち、少なくとも2つの光量分布に基づいて、前記座標入力領域における指示位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の座標入力領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
座標入力面に、指示具(例えば、専用入力ペン、指等)によって指示して座標を入力することで、接続されたコンピュータの制御をしたり、文字や図形等を書き込むために用いられる座標入力装置が存在する。
【0003】
従来より、この種の座標入力装置としては、タッチパネルとして、各種方式のものが提案、または製品化されており、特殊な器具を用いずに、画面上でパーソナルコンピュータ等の端末の操作が簡単にできるため、広く用いられている。
【0004】
座標入力方式としては、抵抗膜を用いたもの、また、超音波を用いたものなど、さまざまなものがあるが、光を用いたものとして、例えば、特許文献1がある。この特許文献1では、座標入力領域の外側に再帰性反射シートを設け、座標入力領域の角端部に配置された光を照明する照明部と光を受光する受光部とにより、座標入力領域内において指等の光を遮蔽する遮蔽物と受光部間の角度を検出する。そして、その検出結果に基づいて、その遮蔽物の指示位置を決定する構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2や3等にあるように、再帰反射部材を座標入力領域周辺に構成し、再帰反射光が遮光される部分(遮光部分)の座標を検出する座標入力装置が開示されている。
【0006】
これらの装置において、例えば、特許文献2では、微分等の波形処理演算によって受光部が受光する遮蔽物による遮光部分のピークを検出することにより、受光部に対する遮光部分の角度を検出し、その検出結果からその遮蔽物の座標を算出している。また、特許文献3では、特定のレベルパターンとの比較によって遮光部位の一方の端と他方の端を検出し、それらの座標の中心を検出する構成が示されている。
【0007】
ここで、特許文献1乃至3のような、遮光位置を検出して座標を算出する方式を、以下、遮光方式と称する。
【0008】
上述した座標入力装置のシステムとして、フロントプロジェクタ等の投影装置により座標入力装置の座標入力面であるスクリーン機能を有するボードに投影し、投影画像に対して、直接的に入力が可能な構成とする場合が考えられる。
【0009】
このようなシステムは、比較的安価に画面を大型化することができるため、複数人で使用する会議や、ネットワークに接続されたビデオカメラ等の撮像装置を用いた複数人で行う遠隔会議などに利用されている。
【0010】
但し、上述した用途においては、ユーザの要求が満たされているわけではない。遠隔地にある会議室の人物映像があたかも同一空間の会議室に存在するかのような仮想会議室の臨場感をさらに高めたい、表示できる情報量を増やしたいといったような要求があることから、さらなる大画面化が望まれている。
【0011】
しかしながら、上述した遮光方式の座標入力装置においては、座標入力領域を制限無く大きくできるわけではなく、受光部では、座標入力領域内の遮蔽物の指示位置を算出できる程度の光量分布を得る必要がある。光量は、光を照明する照明部の発光強度、再帰反射部材の再帰反射効率、受光部の受光感度等の各構成要素により決定される。従って、座標入力領域の1面のサイズは、これらの各構成要素の制限によって決まることになる。
【0012】
従って、大画面化のための実用的なシステム構成として、1面の座標入力領域を有する座標入力装置のシステムを横に並べるように組み合わせて、画面を横長にする構成とすることが考えられる。
【0013】
このような横長化の構成として、特許文献4には、複数台の光遮断検出装置を、互いの表示領域がほぼ連続するように連接し、その境界部を両面に再帰反射部材が設けられた仕切部材により仕切る構成が開示されている。
【0014】
また、特許文献5には、縦長化の構成として、検出領域内に置かれる物体の影の位置を検出するセンサ部と、検出領域の方向に光を放射する光源部とを有する検出ユニットが検出領域の外側に設けられた構成が示されている。そして、さらに再帰反射材は検出領域を覆うことなく、光源からの光を再帰反射するように、検出領域の一側だけに、再帰反射材と検出ユニットとで、検出領域を挟むように構成する内容が開示されている。
【0015】
また、特許文献6には、複数台の光遮断検出装置を並べて使用する場合において、カーソル等の連続性の維持をカーソルの停留時間で判断して隣の画面でも引き続きドラッグや先を引けるようにする内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4507557号公報
【特許文献2】特開2000−105671号公報
【特許文献3】特開2001−142642号公報
【特許文献4】特許登録第4167789号公報
【特許文献5】特許登録第3742634号公報
【特許文献6】特許登録第4094796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
1面の座標入力装置を有する座標入力装置を複数個並べて2面以上の横長のマルチ画面システムを構成する場合、従来の3辺に再帰反射部材がある構成では、隣接させた繋ぎ目に再帰反射部材があるので座標入力面が断続的となる。そこで、2面の座標入力領域に跨って入力するときに操作性が低下するという課題がある。
【0018】
さらに、例えば、プロジェクタで投影する表示画像も断続的になることから、システムのデザイン性が低下するとともに、表示される映像の臨場感を損なうという課題もある。
【0019】
特許文献4は、検出ユニットと対向する辺の再帰反射部材を隣接させて、極力隣接させた部分を薄型にする構成が示されているが、上述したような問題を解決していない。
【0020】
また、座標入力領域が2面に跨る構成に対する入力の操作性に関して、特許文献6では、カーソル等の連続性の維持をカーソルの停留時間で判断して隣の画面でも引き続き操作できるようにしている。しかし、ユーザに指示具を一定時間停留させる操作を強いるため、自然な操作を妨げてしまうという課題がある。
【0021】
一方で、特許文献5に示されているように、1辺のみに再帰反射部材を有する構成では、座標入力装置を構成するセンサユニットと再帰反射部材からなる面積に対して、入力可能な領域の割合が小さくなる。すなわち、入力領域(画面領域)と比して座標入力装置が大型とならざるを得ないという課題がある。
【0022】
また、特許文献5に示されている内容で2面以上で構成する場合に、投影面自体は、隣接させることができるので、連続した投影画像とすることが可能ではあるが、座標入力領域が連続的にはならないという問題がある。
【0023】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、横長化されたマルチ画面システムの表示のデザイン性や臨場感等の映像効果を損なわず、かつ小型にシステムを構成することが可能な座標入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
矩形状の座標入力領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置であって、

前記座標入力領域の対向する2辺に少なくとも2箇所ずつ配置されるセンサ手段であって、それぞれが、前記座標入力領域に向けて投光する投光部と、該座標入力領域への指示に伴う光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサ手段と、
前記座標入力領域の第1の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第1の再帰反射手段と、
前記座標入力領域の前記第1の辺に対向する第2の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第2の再帰反射手段と、
前記第1の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により得られる第1の複数の光量分布と、前記第2の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、前記第1の複数の光量分布とは異なるタイミングで得られる第2の複数の光量分布と、前記第1の複数の光量分布及び前記第2の複数の光量分布の少なくとも4つの光量分布のうち、少なくとも2つの光量分布に基づいて、前記座標入力領域における指示位置を算出する算出手段と
を備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、横長化されたマルチ画面システムの表示のデザイン性や臨場感等の映像効果を損なわず、かつ小型にシステムを構成することが可能な座標入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図3】実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図4】実施形態1の制御・演算ユニットのブロック図である。
【図5】実施形態1の制御・演算ユニットの動作を説明するための図である。
【図6】実施形態1の光量分布を説明するための図である。
【図7】実施形態1の光量分布を説明するための図である。
【図8】実施形態1の光量分布を説明するための図である。
【図9】実施形態1の各センサユニットの組み合わせで座標計算可能な座標入力領域の座標検出範囲を示す図である。
【図10】実施形態1の座標入力領域上に定義する座標のセンサユニットとの位置関係を示す図である。
【図11】実施形態1の座標算出処理を示すフローチャートである。
【図12】実施形態2の座標入力装置を説明するための図である。
【図13】実施形態2の座標入力装置を説明するための図である。
【図14】実施形態2のセンサユニットの回転移動機構を説明するための図である。
【図15】実施形態2の座標入力装置を説明するための図である。
【図16】実施形態2の制御・演算ユニットのブロック図である。
【図17】実施形態3の座標入力装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0028】
<実施形態1>
<装置構成の概略説明>
本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成について図1を用いて説明する。
【0029】
図1中、1A〜1D及び1E〜1Hは投光部及び受光部を有するセンサユニット(センサ部)であり、矩形状の座標入力領域4A及び4Bに対して互いに所定の距離離されて設置されている。より具体的には、座標入力領域4A(第1の座標入力領域)の対向する2辺(第1の辺及び第2の辺)に少なくとも2箇所ずつセンサユニット1A及び1D、センサユニット1B及び1Cが設けられている。また、座標入力領域4B(第2の座標入力領域)の対向する2辺(第1の辺及び第2の辺)に少なくとも2箇所ずつセンサユニット1E及び1H、センサユニット1F及び1Gが設けられている。
【0030】
センサユニット1Aと1D及び1Bと1Cはそれぞれ、制御・演算を行う制御・演算ユニット2A及び2Bに接続され、制御信号を制御・演算ユニット2A及び2Bから受信すると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2A及び2Bに送信する。また、センサユニット1Eと1H及び1Fと1Gはそれぞれ、制御・演算を行う制御・演算ユニット2C及び2Dに接続され、制御信号を制御・演算ユニット2C及び2Dから受信すると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2C及び2Dに送信する。
【0031】
3A及び3Bはそれぞれ、座標入力領域4A及び4Bの対向する2辺に設けられている再帰反射部(第1の再帰反射部及び第2の再帰反射部)である。再帰反射部3A及び3Bは、入射光を到来方向に反射する再帰反射面を有し、それぞれのセンサユニット1A〜1Hから投光された光を、センサユニット1A〜1Hに向けて再帰的に反射する。反射された光は、集光光学系とラインCCD等の構成部品によって構成されたセンサユニットの受光部によって1次元的に検出され、その光量分布が制御・演算ユニット2A〜2Cに送信される。
【0032】
4A及び4Bは座標を入力する座標入力領域であり、座標入力領域4Aに対する指示入力が、センサユニット1A〜1Dによって検出される。また、座標入力領域4Bに対する指示入力が、センサユニット1E〜1Hによって検出される。
【0033】
実施形態1において、再帰反射部3A及び3Bは、座標入力領域4A及び4Bの2辺に構成されており、センサユニット1A、1D、1E及び1Hは、2辺の再帰反射部3A及び3Bのうち一方の再帰反射部3Bに対して投光した光を受光する。同様に、センサユニット1B、1C、1F及び1Gは、もう一方である再帰反射部3Aに対して投光した光を受光する。
【0034】
尚、実施形態1においては、座標入力領域4A及び4Bの2面で隙間無く隣接された状態で形成されている。各座標入力領域における指等の指示具による入力指示の座標を算出するために用いるセンサユニット1A〜1Hは、図示の如く座標入力領域4A及び4Bの外側に配置されている。そして、座標入力領域4A及び4BをPDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置(表示部)の表示画面で構成したり、フロントプロジェクタで画像を投影したりすることで、インタラクティブな座標入力装置として、利用可能となっている。
【0035】
このような構成において、座標入力領域4A及び4Bに指等の指示具による入力指示がなされると、投光部から投光された光が遮られ、再帰反射による反射光が得られなくなるため、入力指示位置のみ光量が得られなくなる。
【0036】
制御・演算ユニット2A及び2B、及び2C及び2Dはそれぞれ、双方にデータを通信する無線通信部を有する。制御・演算ユニット2A〜2Dは、センサユニット1A〜1Hの光量変化から、入力指示された部分の遮光範囲を検出し、同遮光範囲内での検出点を特定して、それぞれの遮光範囲とセンサユニットとの間の角度を算出する。算出された角度及びセンサユニット間の距離等から、座標入力領域上の指示具の指示位置の座標を算出し、表示装置に接続されているPC等の情報処理装置に、USB等のインタフェースを経由して指示位置の座標値を出力する。
【0037】
このようにして、指等の指示具によって、画面上に線を描画したり、アイコンの操作をする等の情報処理装置の操作が可能になる。
【0038】
<センサユニットの詳細説明>
次に、センサユニット1A〜1Hの構成について、図2及び図3を用いて説明する。尚、センサユニット1A〜1Hは、大きく分けて投光部と受光部から構成される。
【0039】
図2は本発明の実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【0040】
図2(a)は、センサユニット1A〜1Hそれぞれの投光部100を示している。101は赤外光を発する赤外LEDであり、投光レンズ102によって、再帰反射部3に向けて所定範囲に光を投光する。ここで、センサユニット1A〜1H中のそれぞれの投光部100は、この赤外LED101と投光レンズ102によって実現される。そして、投光部100より投光された赤外光は、再帰反射部3により到来方向に再帰的に反射され、センサユニット1A〜1H中の受光部200によって、その光を検出する。
【0041】
図2(b)は、センサユニット1A〜1Hそれぞれの受光部200を示している。受光部200は、1次元のラインCCD103、集光光学系としての受光用レンズ104、入射光の入射方向を概略制限する絞り105、及び可視光等の余分な光(外乱光)の入射を防止する赤外フィルター106からなる。そして、再帰反射部3によって反射された光は、赤外フィルター106、絞り105を抜けて受光用レンズ104によって、ラインCCD103の検出素子面上に集光される。
【0042】
図3は、図1のセンサユニット1A及び1B側から見た断面図である。センサユニット1Aの赤外LED101Aからの光は、投光レンズ102Aにより、座標入力面に略平行に制限された光束として、主に再帰反射部3Bに対して光が投光されるように構成されている。同様に、センサユニット1Bの赤外LED101Bからの光は、投光レンズ102Bにより、主に再帰反射部3Aに対して光が投光されるように構成されている。
【0043】
ここで、実施形態1の場合、投光部100と受光部200は、座標入力面である座標入力領域4A及び4Bの垂直方向に対し重ねた配置構成となっている。そして、正面方向(座標入力面に対し垂直方向)から見て、投光部100の発光中心と受光部200の基準位置(つまり、角度を計測するための基準点位置に相当し、実施形態1にあっては絞り105の位置)が一致する構造となっている。
【0044】
また、投光部100により投光された座標入力面に略平行な光束であって、座標入力面内方向に所定角度方向に投光されている光は、再帰反射部3Aあるいは3Bにより光の到来方向に再帰反射される。そして、赤外フィルター106A(106B)、絞り105A(105B)、受光用レンズ104A(104B)を経て、ラインCCD103A(103B)の検出素子面上に集光、結像することになる。
【0045】
従って、ラインCCD103の出力信号は、反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD103を構成する各画素の画素番号が角度情報を示すことになる。
【0046】
尚、図3に示す投光部100と受光部200の距離Lは、投光部100から再帰反射部3までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を受光部200で検出することが可能な構成となっている。
【0047】
また、図3では、センサユニット1A及び1Bについて説明しているが、同様の関係を有する、センサユニット1E及び1F、センサユニット1D及び1C、及びセンサユニット1H及び1Gも、センサユニット1A及び1Bと同様の構成を有する。
【0048】
以上説明したように、センサユニット1A〜1Hは、投光部100と、各々の投光部100で投光された光を各々検出する受光部200を有する構成である。
【0049】
<制御・演算ユニットの説明>
図1の制御・演算ユニット2A〜2Dとセンサユニット1A〜1Hの間では、CCD制御信号、CCD用クロック信号とCCDの出力信号、及び、LED駆動信号がやり取りされている。尚、制御・演算ユニット2Aは、センサユニット1A及び1Dと接続されている。同様に、制御・演算ユニット2Bは、センサユニット1B及び1Cと接続されている。制御・演算ユニット2Cは、センサユニット1E及び1Hと接続されている。制御・演算ユニット2Dは、センサユニット1F及び1Gと接続されている。
【0050】
図4は本発明の実施形態1の制御・演算ユニットのブロック図である。尚、図4では、センサユニット1Aと1Dに接続される制御・演算ユニット2Aの構成を例に挙げて説明するが、制御・演算ユニット2B〜2Dも同様の回路構成となっている。
【0051】
CCD制御信号はワンチップマイコン等の構成部品で構成されるCPU41から出力され、CCDのシャッタタイミングやデータの出力制御等を行っている。CCD用クロック信号はクロック発生回路CLK42からセンサユニットに送信されるとともに、CCDとの同期をとって、各種制御を行うためにCPU41にも入力されている。LED駆動信号はCPU41から、センサユニット1Aと1Dの赤外LED101に供給されている。
【0052】
センサユニット1Aと1Dの受光部200からの検出信号は、制御・演算ユニット2AのA/Dコンバータ43に入力され、CPU41からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値はメモリ44に記憶され、角度計算に用いられる。そして、計算された角度から、座標値が算出され、外部PC等の情報処理装置にシリアルインタフェース48等の通信インタフェースを介して出力される。尚、シリアルインタフェース48は、制御・演算ユニット2A〜2Dのいずれか1つがPCと接続される。
【0053】
ここで、実施形態1では、センサユニット1Aと1Dとそれに対する制御・演算ユニット2Aと、センサユニット1Bと1Cとそれに対する制御・演算ユニット2Bが、座標入力領域4Aに対して上部と下部にそれぞれ分離して配置された構成となっている。また、センサユニット1Eと1Hとそれに対する制御・演算ユニット2Cと、センサユニット1Fと1Gとそれに対する制御・演算ユニット2Dが、座標入力領域4Bに対して上部と下部にそれぞれ分離して配置された構成となっている。更に、座標入力領域4Aと4Bの上部と下部のそれぞれにおいて、各座標入力領域の座標を検出する対応するセンサユニットと制御・演算ユニットとの組に接続された回路構成となっている。
【0054】
また、実施形態1においては、制御・演算ユニット間で通信を行うための通信機能を有している。
【0055】
まず、上部と下部のそれぞれにおける制御・演算ユニット2A及び2C間、及び2B及び2D間の通信には、有線シリアル通信部からなるインタフェース47で行う。このインタフェースを介して、上部のセンサユニット1A、1D、1E及び1H、下部のセンサユニット1B、1C、1F及び1Gの制御信号の同期が行われる。また、メモリ44に格納された各種のデータがやりとりされる。
【0056】
また、上部と下部の間の制御・演算ユニット2A〜2Dの通信には、無線通信部が用いられる。実施形態1では、無線通信部の1つである赤外線通信インタフェース46を介して、サブCPU45で処理されたデータにより、制御・演算ユニット2A〜2D間のやりとりが行われる。
【0057】
尚、各制御・演算ユニット2A〜2Dは、マスター・スレーブ制御にて動作する。実施形態1の場合は、制御・演算ユニット2Aがマスターで、その他の制御・演算ユニット2B〜2Dがスレーブである。また、各制御・演算ユニット2A〜2Dは、マスター・スレーブのどちらにもなりうるが、ディップスイッチ(不図示)等の切替部で、CPU41のポートに切替信号を入力することでマスター/スレーブを切り替えることが可能となっている。
【0058】
マスターである制御・演算ユニット2Aからは、各センサユニット1A〜1Hの制御信号を送信するタイミングを制御する制御信号がスレーブの制御・演算ユニット2B〜2Dに赤外線通信インタフェース46を介して送信される。そして、上述の手順に従って座標値が算出され、PC等の情報処理装置に送信される。
【0059】
<光量分布検出の説明>
図5は制御信号のタイミングチャートである。
【0060】
51、52、53がCCD制御用のCCD制御信号であり、SH信号(51)の間隔で、CCDのシャッタ解放時間が決定される。52、53はそれぞれ上部センサユニット(センサユニット1A、1D、1E及び1H)と下部センサユニット(センサユニット1B、1C、1F及び1G)へのゲート信号であり、CCD内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号である。
【0061】
54、55は赤外LEDの駆動信号であり、SH信号(51)の最初の周期で上部センサユニットの赤外LEDを点灯するためにLEDU信号(54)がLED駆動回路を経て赤外LEDに供給される。そして、次の周期で下部センサユニットの赤外LEDを点灯するためにLEDD信号(55)がLED駆動回路を経て赤外LEDに供給される。双方の赤外LEDの駆動が終了した後に、ラインCCDの信号がセンサユニットから読み出される。従って、上部センサユニットと下部センサユニットとでは、異なるタイミングで投光(56Uと56Dの投光期間)されて、各センサユニットの各ラインCCDが受光した複数のデータ(光量分布)が読み出されることになる。
【0062】
読み出される信号は、入力がない場合には、それぞれのセンサユニット1A〜1Hからの出力として、図6のような光量分布が得られる。もちろん、このような光量分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射部3A及び3Bの特性や赤外LED101の特性、また、経時変化(反射面の汚れ等)によって、光量分布は変化する。
【0063】
同図においては、Aレベルが最大光量のレベルであり、Bレベルが最低光量のレベルとなる。つまり、反射光のない状態では、得られるレベルがBレベル付近になり、反射光量が増えるほどAレベルの方向になっている。このように、ラインCCD103から出力されたデータは、逐次A/D変換されCPU41にデジタルデータとして取り込まれる。
【0064】
図7は指等の指示具で入力を行った場合、つまり、再帰反射光を遮った場合の出力の例である。C部分が指等の指示具で反射光が遮られたためその部分のみ、光量が低下している。検出は、この光量分布の変化から行う。
【0065】
具体的には、図6のような入力の無い初期状態を予め記憶しておいて、それぞれのサンプル期間に図6のような変化があるか初期状態との差分によって検出し、変化があったらその部分を入力点として入力角度を決定する演算を行う。
【0066】
<角度計算の説明>
センサユニット1A〜1Hに対する指示具の角度計算にあたっては、まず、指示具による遮光範囲を検出する必要がある。
【0067】
上述したように、センサユニット1A〜1Hが検出する光量分布は、経時変化等の要因で一定ではないため、その初期状態の光量分布は、例えば、システムの起動時毎にメモリ44に記憶することが望ましい。そうすることで、例えば、再帰反射面がほこり等で汚れていても、全く反射しないような場合を除いて使用可能になる。
【0068】
以下、一つのセンサユニット1Aによる指示具の角度計算について説明するが、他のセンサユニット1B〜1Hでも同様の角度計算を行っていることは言うまでもない。
【0069】
電源投入時、入力の無い(遮光部分がない)状態で、まず、センサユニット1A内の投光部100からの投光を停止している状態で、受光部200のラインCCD103の出力をA/D変換して、この値をBas_Data[N]として、メモリ44に記憶する。
【0070】
尚、この値は、受光部200(ラインCCD103)のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図6のBレベル付近のデータとなる。ここで、NはラインCCD103を構成する画素の画素番号であり、有効な入力範囲(有効範囲)に対応する画素番号が用いられる。
【0071】
次に、投光部100からの投光を行っている状態で、受光部200の出力である光量分布をA/D変換して、この値をRef_Data[N]としてメモリ44に記憶する。この値は、例えば、図6の実線で示されるデータである。
【0072】
そして、このメモリ44に記憶されたBas_data[N]とRef_data[N]とを用いて、まずは、指示具による入力の有無、かつ遮光範囲の有無の判定を行う。ここで、センサユニット1Aの出力のサンプル期間内のN番目の画素の画素データをNorm_Data[N]とする。
【0073】
まず、遮光範囲を特定するために、画素データの変化の絶対量によって、遮光範囲の有無を判定する。これは、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。
【0074】
具体的には、画素データの変化の絶対量を、ラインCCD103の各々の画素において、以下の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
【0075】
Norm_Data[N]_a = Norm_Data[N] - Ref_Data[N] (1)
ここで、Norm_Data[N]は、ラインCCD103の各画素における絶対変化量である。
【0076】
この処理は、ラインCCD103の各画素の絶対変化量Norm_data_a[N]を算出し、それを閾値Vthaと比較するだけである。従って、その処理時間をさほど必要とせず、入力の有無の判定を高速に行うことが可能である。そして、特に、閾値Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出された場合に、指示具の入力があると判定する。
【0077】
次に、より高精度に指示具による入力を検出するために、画素データの変化の比を計算して入力点の決定を行う。
【0078】
Norm_Data[N]_r = Norm_Data[N] / (Bas_Data[N] - Ref_Data[N]) (2)
この画素データに対して、閾値Vthrを適用して、遮光範囲に対応する画素データ分布の立ち上がり部と立下り部に対応する画素番号を取得する。そして、この両者の中央を指示具による入力に対応する画素とすることで、より正確な指示具の入力位置を決定することができる。
【0079】
図8は、この比計算を終了した後の検出の例である。指示具による遮光範囲を検出するための閾値Vthrに対して、その閾値Vthrを横切る画素データ分布の立ち上がり部分がNr番目の画素、立ち下がり部分がNf番目の画素であるとする。
【0080】
この場合、両者の画素の中心画素Npを
Np = Nr + (Nf - Nr) / 2 (3)
のように計算してもよいが、そうすると、ラインCCD103の画素間隔が最小の分解能になってしまう。より高分解能に検出するために、それぞれの画素のデータレベルとその一つ前の隣接画素のデータレベルを用いて、閾値Vthrを横切る仮想の画素番号を計算する。
【0081】
ここで、Nr板面の画素のデータレベルをLr、Nr−1番目の画素のデータレベルをLr−1とする。また、Nf番目の画素のデータレベルをLf、Nf−1番目の画素のデータレベルをLf−1とする。この場合、それぞれの仮想画素番号Nrv、Nfvは、
Nrv = Nr-1 + ( Vthr - Lr-1 ) / ( Lr - Lr-1 ) (4)
Nfv = Nf-1 + ( Vthr - Lf-1 ) / ( Lf - Lf-1 ) (5)
と計算できる。そして、これの仮想画素番号Nrv、Nfvの仮想中心画素Npvは、
Npv = Nrv + ( Nfv - Nrv ) / 2 (6)
で決定される。
【0082】
このように、閾値Vthrを越えるデータレベルの画素の画素番号とその隣接する画素番号と、それらのデータレベルから、閾値Vthrを横切る仮想的な仮想画素番号を計算することで、より分解能の高い検出を実現できる。このようにして得られた遮光範囲の中心点を示す中心画素番号から、実際の指示具の座標値を計算するためには、この中心画素番号を角度情報に変換する必要がある。
【0083】
後述する実際の座標計算では、角度そのものよりもその角度における正接(tanθ)の値を算出するほうが都合がよい。尚、画素番号から、tanθへの変換には、テーブル参照や変換式を用いる。この変換式は、例えば、高次多項式を用いると精度を確保できるが次数等は計算能力及び精度スペック等を鑑みて決定すればよい。
【0084】
ここで、5次多項式を用いる場合の例を示すと、5次多項式を用いる場合には係数が6個必要になるので、出荷時等にこのデータをメモリ44に記憶しておけばよい。5次多項式の係数をL5、L4、L3、L2、L1、L0としたとき、tanθは、
tanθ = (L5* Npr + L4) * Npr + L3) * Npr + L2) * Npr + L1) * Npr + L0 (7)
であらわすことができる。
【0085】
同様なことを、各々のセンサユニットに対して行えば、それぞれの角度データを決定できる。もちろん、上記例では、tanθを算出しているが、角度そのものを算出し、その後tanθを算出しても構わない。
【0086】
<座標計算方法の説明>
次に、画素番号から変換された角度データ(tanθ)から、指示具の位置座標を算出する座標算出方法について説明する。
【0087】
図9は本発明の実施形態1の各センサユニットの組み合わせで座標計算可能な座標入力領域の座標検出範囲を示す図である。尚、図9では、座標入力領域4Aに対するセンサユニット1A〜1Dについて説明するが、座標入力領域4Bに対するセンサユニット1E〜1Hについても同様である。
【0088】
図9に示すように、各センサユニットの投光及び受光範囲が交わる領域が座標計算可能な領域となる。従って、センサユニット1Cと1Dで座標計算可能な範囲は、図9(a)の斜線の範囲91である。同様に、センサユニット1Bと1Cで座標計算可能な範囲は、図9(b)の斜線の範囲92である。センサユニット1Aと1Bで座標計算可能な範囲は、図9(c)の斜線の範囲93である。センサユニット1Aと1Dで座標計算可能な範囲は、図9(d)の斜線の範囲94となる。
【0089】
図10は本発明の実施形態1の座標入力領域上に定義する座標のセンサユニットとの位置関係を示す図である。尚、図10では、座標入力領域4Aに対するセンサユニット1A〜1Dについて説明するが、座標入力領域4Bに対するセンサユニット1E〜1Hについても同様である。
【0090】
図10では、座標入力領域4Aの水平方向にX軸、垂直方向にY軸を定義し、座標入力領域4Aの中央を原点位置O(0,0)に定義している。そして、座標入力領域4Aの座標入力範囲の上辺及び下辺左右に、それぞれのセンサユニット1A〜1DをY軸に対称に取り付けてある。点Pの位置に入力があった場合、このときセンサユニット1Bと1Cにて遮光データが検出される。
【0091】
尚、センサユニット1Bと1C間の距離はDhであらわされており、また、画面中央が画面の原点位置であり、P0(0,P0Y)は、センサユニット1Bと1Cの角度0の交点である。それぞれの角度をθL、θRとして、それぞれtanθL、tanθRを上記多項式を用いて算出する。このとき点Pの(x、y)座標は、
x = Dh * (tanθL + tanθR) / ( 1 + (tanθL * tanθR) (8)
y = - Dh * (tanθR - tanθL - ( 2 * tanθL * tanθR) )
/ ( 1+ ( tanθL * tanθR) ) + P0Y (9)
で計算される。
【0092】
尚、座標入力領域4によって、センサユニット1A〜1Dの組み合わせが変更になることは先述した通りであるが、センサユニット1A〜1Dの組み合わせで、座標算出式のパラメータが変更になる。
【0093】
例えば、センサユニット1Cと1Dで検出された遮光データで計算する場合は、計算式(8)、(9)において、図10に示した値を用いて、Dh→Dv、P0Y→P1Xの変換を行い、さらに計算されたx及びyは、相互に変換される。
【0094】
同様に、センサユニット1Aと1Bの組み合わせ、センサユニット1Aと1Dの組み合わせで遮光データが検出された場合も、パラメータを変更し、上記の計算式(8)、(9)にて計算することができる。
【0095】
尚、各センサユニットの組み合わせによる座標検出可能な座標入力領域は、座標検出範囲が重なる座標入力領域があるため、複数の座標が検出されることがあるが、算出された座標値を平均するなどして、最終的な座標を決定すればよい。
【0096】
また、実施形態1では、2面の座標入力領域を有しているが、センサユニット1E〜1Hで検出されたデータで座標を算出する場合も、上述と同様に座標値を算出することができる。
【0097】
但し、情報処理装置に出力される座標値は、情報処理装置の表示モードによって異なる場合がある。例えば、2面のデスクトップ画面に同じ画像が表示されるいわゆるクローン表示の場合は、算出された座標値をそのままPCに送信すればよい。また、2面の画像を1つのデスクトップ画面として扱ういわゆる拡張デスクトップモードの場合は、算出された座標値をオフセットして情報処理装置に送信することが望ましい。
【0098】
このように、算出された座標値を情報処理装置の表示モードによって、適宜オフセットさせるなどして、情報処理装置に出力してもよいが、これに限定されない。例えば、座標値は、算出されたまま情報処理装置に出力し、情報処理装置にインストールされたドライバ等のアプリケーションで、表示モードに従って、座標値を適宜変更してもよい。
【0099】
<座標算出処理の説明>
図11は本発明の実施形態1の座標入力装置が実行する座標算出処理を示すフローチャートである。尚、図11では、座標入力領域4Aに対する制御・演算ユニット2A及び2B及びセンサユニット1A〜1Dについての座標算出処理を説明するが、座標入力領域4Bに対する制御・演算ユニット2C及び2D及びセンサユニット1E〜1Hについても同様である。
【0100】
まず、座標入力装置の電源が投入されると、ステップS102で、制御・演算ユニット2A及び2Bのポート設定、タイマ設定等の座標入力装置に係る各種初期化を行う。ステップS103で、ラインCCD103のCCD画素有効範囲を、例えば、メモリ44に予め記憶されている設定値から設定する。また、ラインCCD103の初期読込動作の初期読込回数を設定する。
【0101】
尚、この初期読込動作は、座標入力装置の起動時におけるラインCCD103の不要電荷除去を行うための動作である。ラインCCD103では、動作させていないときに不要な電荷を蓄積している場合があり、その電荷が蓄積されている状態で座標入力動作を実行すると、検出不能になったり、誤検出の原因となる。そこで、これを避けるために、ステップS104で、投光部100による投光を停止している状態で、所定回数の読込動作を実行する。これにより、不要電荷の除去を行う。
【0102】
ステップS105で、所定回数以上の読込を実行したか否かを判定する。所定回数以上の読込を実行していない場合(ステップS105でNO)、ステップS104に戻る。一方、所定回数以上の読込を実行した場合(ステップS105でYES)、ステップS106に進む。
【0103】
ステップS106で、ベースデータとして、投光部100による投光を停止している状態でのラインCCD103の画素データ(Bas_data[N])を取り込む。ステップS107で、ベースデータをメモリ44に記憶する。次に、ステップS108で、リファレンスデータとして、投光部100からの投光を行っている状態でのラインCCD103の画素データ(Ref_data[N])を取り込む。ステップS109で、リファレンスデータをメモリ44に記憶する。
【0104】
尚、この投光したときのデータは、上部のセンサユニットの組と下部のセンサユニットの組で異なるタイミング(第1検出と第2検出)で投光してデータ(第1の複数の光量分布と第2の複数の光量分布)を取り込む。これは、上部のセンサユニットと下部のセンサユニットが対向する配置であるため、同時に投光してしまうと、互いの投光を互いの受光部にて検出してしまうことを避けるためである。
【0105】
そして、ステップS110で、全てのセンサユニットにおいて、リファレンスデータの取込が終了したか否かを判定する。終了していない場合(ステップS110でNO)、ステップS108に戻る。一方、終了した場合(ステップS110でYES)、つまり、全てのセンサユニットにおいてリファレンスデータの取込が終了した場合、ステップS111に進む。
【0106】
ここまでの処理が、電源投入時の初期設定動作になる。この初期設定動作は、座標入力装置に構成されているリセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良いことは言うまでも無い。この初期設定動作を経て、通常の座標入力動作状態に移行することになる。
【0107】
ステップS111で、座標入力サンプリング状態で、ラインCCD103の通常取込動作を実行して、画素データ(Norm_data[N])を取り込む。ステップS112で、全てのセンサユニットにおいて取込が終了したかどうかを判定する。終了していない場合(ステップS112でNO)、ステップS111に戻る。一方、終了した場合(ステップS112でYES)、つまり、全てのセンサユニットにおいて取込が終了した場合、ステップS113に進む。
【0108】
ステップS113で、全てのセンサユニットにおいて、リファレンスデータ(Ref_data[N])と画素データ(Norm_data[N])の差分値を計算する。ステップS114で、その差分値と上述の閾値Vthrに基づいて、指示具による入力(遮光部分)の有無を判定する。入力がない場合(ステップS114でNO)、ステップS111に戻る。一方、入力がある場合(ステップS114でYES)、ステップS115に進み、画素データの変化の比を、式(2)用いて計算する。
【0109】
ステップS116で、計算された画素データの変化の比に対して、指示具による遮光範囲に対応する画素データ分布の立ち下がりと立ち上がりの検出を行う。そして、検出された立ち下がり及び立ち上がりと、(4)、(5)及び(6)式を用いて、遮光範囲の中心となる仮想的な中心画素番号を決定する。そして、ステップS117で得られた中心画素番号から近似多項式よりTanθを計算する。
【0110】
ステップS118で、遮光領域が有りと判定されたセンサユニットの組み合わせから、式(8)、(9)においてセンサ間距離等のTanθ以外のパラメータを選択して、計算式を変更する。そして、ステップS119で、センサユニットでのTanθ値から指示具の入力座標P(x,y)を、(8)及び(9)式を用いて算出する。
【0111】
ステップS120で、ステップS114で「入力有り」と判定されたセンサユニットの全ての組み合わせで座標計算が行われたか否かを判定する。全ての組み合わせで座標計算が終了していない場合(ステップS120でNO)、ステップS115に戻る。一方、全ての組み合わせで座標計算が終了した場合(ステップS120でYES)、ステップS121に進む。
【0112】
次に、これまでの処理で出力された座標について、ステップS121で、座標入力領域4Aがタッチされたか否かを判定する。これは、例えば、マウスのボタンを押下せずにカーソルを移動させている状態のような近接入力状態と、左ボタンを押した状態であるタッチダウン状態の判定を行っている。実際には、先に得られた比の最大値が、ある所定値(例えば、0.5)を超えていればダウンと判定し、それ以下なら近接入力状態と判定する。この結果に従って、ステップS121でダウンフラグのセット、あるいはステップS122でダウンフラグの解除を行う。
【0113】
ステップS123で、座標値とダウン状態が決定されたので、そのデータをホストPCへ出力する。この出力は、シリアル通信で送信しても良いし、任意のインタフェースで送信しても良い。データを受信したホストPC側では、ドライバが受信データを解釈して、カーソルの移動、マウスボタン状態の変更を、座標値、フラグ等のデータを参照して行うことで、PC画面の操作が可能になる。
【0114】
ここでの送信は、例えば、マスターである制御・演算ユニット2Aから、各センサユニット1A〜1Hの制御信号を送信するタイミングを制御する制御信号がスレーブの制御・演算ユニット2B〜2Dに赤外線通信インタフェース46を介して送信する。そして、上述の処理を経て算出した座標値を、マスターである制御・演算ユニット2Aから、PC等の情報処理装置に送信する。
【0115】
尚、ステップS123の処理が終了したら、ステップS111に戻り、以降、電源OFFまで、もしくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、上記の処理を繰り返すことになる。
【0116】
ここで、この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、座標入力装置は100回/秒の周期で指あるいは指示具による指示座標を外部機器等に出力することが可能となる。
【0117】
以上説明したように、実施形態1によれば、複数の座標入力領域を連結して1つの座標入力領域として使用することを可能にする座標入力装置を実現することができる。
【0118】
<実施形態2>
実施形態1では、座標入力領域を2面で使用する使用形態に対して、センサユニット等の構成要素が座標入力領域に対して据え付けた状態で構成される座標入力装置に関して説明している。実施形態2では、1面の座標入力領域同士を複数個隣接させて2面以上の座標入力領域を有する座標入力装置で使用する場合の実施形態について説明する。
【0119】
図12は本発明の実施形態2の座標入力装置を説明するための図である。図中、実施形態1と同一の構成要素に関しては同一の参照番号を用いる。図12は、センサユニット1A〜1Dで1面の座標入力領域4Aを構成する座標入力装置の短辺側(センサユニット1Cと1D側)ともう1台の座標入力装置の座標入力領域4Bの短辺側(センサユニット1Eと1F側)で2台を近接させている構成を示している。
【0120】
図12の5A〜5D、5E〜5Fは、センサユニットを再帰反射部3A〜3D(あるいはその筐体(不図示))に取り付けるための取付金具であり、各センサユニットを座標算出可能な位置に正確に取り付けるためのものである。尚、実施形態2では、センサ間距離がDhに設定されており、各センサユニットの焦点位置の間隔がDhになるようにセンサユニットが取付金具に取り付けられている。
【0121】
図12の構成では、センサユニット1C〜1Fと取付金具5C〜5Fが座標入力領域4A及び4Bの短辺の延長線方向から座標入力領域4A及び4Bに対して外側にはみ出してしまっている。そのため、各センサユニットが互いに干渉してしまい座標検出ができない領域が存在することになる。これは、各センサユニットは、光学的に限られた視野角を有する構成であるため、座標入力領域をカバーするように光量分布を獲得しようとすると、座標入力領域よりも外側にセンサユニットを配置せざるを得ないためである。
【0122】
従って、座標入力領域4Aと座標入力領域4Bを隙間無く隣接させるためには、座標入力領域4Aの短辺の延長線方向6Bから、センサユニット1C及び1D、取付金具5C及び5D、再帰反射部3A及び3Bが座標入力領域4A側になる構成をとる必要がある。また、座標入力領域4Bの短辺の延長線方向6Cから、センサユニット1E及び1F、取付金具5E及び5F、再帰反射部3C及び3Dが座標入力領域4B側になる構成をとる必要がある。
【0123】
実施形態2では、センサユニットが回転移動することによって取付位置を変更可能な回転移動機構を有し、かつセンサユニットが回転移動後は、取付金具及び再帰反射部が折り曲がる折曲機構を有することで、上述の問題を解決している。
【0124】
図13は座標入力領域4Aと4Bを隙間無く隣接するために、図12のセンサユニット1C〜1Fを取付金具内で回転移動させ、取付金具5C〜5F及び再帰反射部3A〜3Dの隣接側を所定位置から折り曲げた状態を示している。
【0125】
図13に示すように、センサユニット1C〜1F、取付金具5C〜5F、再帰反射部3A〜3Dが、座標入力領域4A及び4Bを隣接させる側の短辺の延長線方向6Bと6Cから座標入力領域4A及び4Bの外側にはみ出さない所定範囲内の位置に固定される。尚、センサユニット1C、1Dは、回転移動して取付位置が変更になった後は、座標入力領域4Bの入力座標を算出するために使用される。同様に、センサユニット1E、1Fは、回転移動して取付位置が変更になった後には、座標入力領域4Aの入力座標を算出するために使用される。
【0126】
そのため、センサユニット1Cは、再帰反射部3Dに対して、投光及び受光が行われ、センサユニット1Dは、再帰反射部3Cに対して、投光及び受光が行われる。同様に、センサユニット1Eは、再帰反射部3Bに対して、投光及び受光が行われ、センサユニット1Fは、再帰反射部3Aに対して、投光及び受光が行われる。
【0127】
図14は、センサユニット1Dの回転移動機構、及び取付金具5D、再帰反射部3Aの折曲機構に関して説明するための図である。
【0128】
図14(a)は、センサユニット1Dが回転移動前の状態(図12の状態)を示している。151はセンサユニットを回転移動させるための溝であり、センサユニットをこの溝を滑らせて移動させて、座標入力領域4Aの隣接側短辺の延長線方向6Bに対して移動前と対称の位置に固定される。152は移動検出スイッチ(検出機構)であり、センサユニット1Dの移動(取付固定位置への移動)を検出するために使用される。
【0129】
図14(b)は、センサユニット1Dを溝151に沿わせて移動して固定させた後の状態を示している。先述したとおり、回転移動後は、移動前と座標を検出する座標入力領域が座標入力領域4Aから座標入力領域4Bに切り替わる。この切替は、先述した移動検出スイッチ152で、センサユニット1Dが回転移動して取付位置が変更されたことを検出することによって行われる。
【0130】
図14(c)は、取付金具5Dの折曲機構を説明するための図で、説明のためにセンサユニットを取り外した状態を示している。図に示すように矢印の方向に折り曲がる折曲機構を有している。尚、折り曲がり位置は、座標入力領域の短辺の延長線方向からはみ出さない位置となっている。
【0131】
図14(d)は、再帰反射部3Aの折曲機構を説明するための図で、取付金具と同様に、矢印方向に所定位置から折り曲がり、折り曲げ後は、座標入力領域の短辺の延長線方向からはみ出さないようになっている。尚、取付金具及び再帰反射部の折曲機構は、ヒンジ部を有することなどにより実現すればよい。
【0132】
以上のような構成により、図15に示すように、座標入力装置の座標入力領域4Aと4Bが、隙間無く隣接させることができるとともに、隣接させた後のセンサ間距離を変更することなく構成することができる。
【0133】
図15に示すように、座標入力領域4Aと4Bの隣接後、座標入力領域4Aの座標を算出するセンサユニット1Bと1Fの間のセンサ間距離はDhであり、これは、隣接する前の1面で使用する場合のセンサ間距離と同じである。
【0134】
図16は本発明の実施形態2の制御・演算ユニットのブロック図である。実施形態2の制御・演算ユニットは、実施形態1の制御・演算ユニット2Aに対して、以下の点で異なる。まず、図14の取付金具5Dに配置するセンサユニット1Dが回転移動して取付位置が変更されたことを検知するための移動検出スイッチ152の入力がCPU41の入力ポートに接続されている。また、図14には示していないが、上述と同様に、図12の取付金具5Aに配置されているセンサユニット1Aの移動検出スイッチ152が、CPU41の入力ポートに接続されている。
【0135】
CPU41は、移動検出スイッチからの検出信号に基づき、座標入力領域の座標を算出するために用いるセンサユニットで検出された各データを選択する。すなわち、図11の座標算出処理において、ステップS118では、遮光領域が有りと判定されたセンサユニットの組み合わせから、式(8)、(9)においてセンサ間距離などのTanθ以外のパラメータを選択して、計算式を変更する。そして、ステップS119で、移動検出スイッチの検出信号に基づき選択されたセンサユニットでのTanθ値から指示具の入力座標P(x,y)を、(8)及び(9)式を用いて算出する。
【0136】
尚、座標入力領域を隣接させた場合は、実施形態1と同様に、上部と下部で各制御・演算ユニットのインタフェース47を接続させることによって、各制御・演算ユニット2A〜2Dは、マスター・スレーブ制御により動作する。そして、マスターとなる制御・演算ユニットがPC等の情報処理装置に座標値を送信する。
【0137】
このように、再帰反射部は、座標入力領域の長辺より長い再帰反射部材から構成され、再帰反射部材を座標入力領域の長辺上に配置した場合に、座標入力領域の短辺の延長線上の所定位置から当該再帰反射部材が長辺方向に折れ曲がる第1折曲機構を備える。また、センサユニットを再帰反射部に取り付ける取付部として、当該取付部を所定位置から座標入力領域の長辺方向に折り曲げる第2折曲機構と、センサユニットの取付位置を移動する移動機構を有する。
【0138】
また、座標入力領域同士を隣接させる場合には、再帰反射部の第1折曲機構、取付部の第2折曲機構をそれぞれ折り曲げる。これによって、座標入力領域の短辺同士を隣接させ、かつセンサユニットの取付位置が、座標入力領域を隣接させる短辺の延長線方向から座標入力領域側となるように移動機構によって取り付けられる。
【0139】
また、移動機構は、延長線方向を中心に線対称の位置に前記センサユニットを取り付け可能とする。
【0140】
以上説明したように、実施形態2によれば、1面で使用可能な座標入力装置を2台並べて、座標入力領域2面を隙間無く隣接させた状態で、座標を算出することが可能となり、座標入力領域が横長のシステムを構成することができる。
【0141】
尚、実施形態2では、座標入力領域を2面に構成した場合について説明しているが、これに限定されない。例えば、3面以上の構成においても、座標入力領域の隣接する側のセンサユニット、取付金具、再帰反射部を回転移動機構、折曲機構により構成することにより、同様に実現可能である。
【0142】
<実施形態3>
実施形態1では、座標入力領域が2面で使用する使用形態に対して、センサユニット等の構成要素が座標入力領域に対して据え付けた状態で構成される座標入力装置に関して説明している。また、実施形態2では、センサユニット等の構成要素を回転させることが可能な構成により、1面の座標入力領域を2つ隣接させて2面の座標入力領域を構成可能とし、使用形態によって変更できる装置構成に関して説明している。
【0143】
実施形態3では、1面でも2面でもセンサユニット部を移動・回転などすることなしに、1面で使用する状態のまま、隣接させて2面での使用も可能な実施形態について説明する。
【0144】
図17は本発明の実施形態3の座標入力装置を説明するための図である。
【0145】
図17において、17A〜17Eはミラーであり、センサユニット1A〜1Eによる投光及び受光の光路上に配置される。実施形態2の構成とは、このミラー17A〜17Eを有するところが異なる。
【0146】
ミラー17A〜17Eは曲面ミラーで構成され、センサユニット1A〜1Eからの投光を折り返して再帰反射部3A〜3Eへ投光し、再帰反射部3A〜3Eからの反射光を折り返してセンサユニット1A〜1Eの受光部200のラインCCD103に結像させる。
【0147】
従って、図17に示すように、センサユニット1A〜1Eは、座標入力領域4A及び4Bの左右方向へはみ出さないでコンパクトに構成することが可能となる。
【0148】
つまり、センサユニットの投光部からの投光と受光部での受光における光路上に配置されるミラーは、座標入力領域の短辺に複数個隣接させる場合に、座標入力領域同士が隣接する辺とそれに対向する辺の各々の延長線方向に配置される。
【0149】
このように構成することによって、座標入力領域4Aと座標入力領域4Bを容易に隣接させることが可能となる。
【0150】
以上説明したように、実施形態3によれば、1面で使用可能な座標入力装置を2台並べて、座標入力領域2面を隙間無く隣接させた状態で、座標を算出することが可能となり、座標入力領域が横長のシステムを構成することができる。
【0151】
尚、実施形態3における曲面ミラーは、楕円、放物線、双曲線、凹面、凸面等で構成され、センサユニットの位置や、座標入力領域と再帰反射部の位置関係、再帰反射部の長さなどによって、適宜選択すればよい。
【0152】
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の座標入力領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置であって、

前記座標入力領域の対向する2辺に少なくとも2箇所ずつ配置されるセンサ手段であって、それぞれが、前記座標入力領域に向けて投光する投光部と、該座標入力領域への指示に伴う光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサ手段と、
前記座標入力領域の第1の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第1の再帰反射手段と、
前記座標入力領域の前記第1の辺に対向する第2の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第2の再帰反射手段と、
前記第1の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により得られる第1の複数の光量分布と、前記第2の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、前記第1の複数の光量分布とは異なるタイミングで得られる第2の複数の光量分布と、前記第1の複数の光量分布及び前記第2の複数の光量分布の少なくとも4つの光量分布のうち、少なくとも2つの光量分布に基づいて、前記座標入力領域における指示位置を算出する算出手段と
を備えることを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記座標入力領域は、当該座標入力領域を前記第1の辺及び前記第2の辺とは異なる方向の辺に複数個隣接させた2面以上の座標入力領域で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
2つの前記座標入力領域として、第1の座標入力領域と第2の座標入力領域とが隣接している場合、
前記第1の座標入力領域と前記第2の座標入力領域と隣接する辺から、前記第1の座標入力領域の前記第1の辺及び前記第2の辺の所定範囲内の位置に、前記第2の座標入力領域に対するセンサ手段が配置され、
前記第1の座標入力領域と前記第2の座標入力領域と隣接する辺から、前記第2の座標入力領域の前記第1の辺及び前記第2の辺の所定範囲内の位置に、前記第1の座標入力領域に対するセンサ手段が配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記第1の再帰反射手段及び前記第2の再帰反射手段は、前記矩形状の座標入力領域の長辺より長い再帰反射部材から構成され、前記再帰反射部材を前記座標入力領域の長辺上に配置した場合に、前記座標入力領域の短辺の延長線上の所定位置から当該再帰反射部材が長辺方向に折れ曲がる第1折曲機構を備え、
前記センサ手段を前記第1の再帰反射手段及び前記第2の再帰反射手段それぞれに取り付ける取付手段であって、当該取付手段を前記所定位置から前記長辺方向に折り曲げる第2折曲機構と、前記センサ手段の取付位置を移動する移動機構を有する取付手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
【請求項5】
複数個の前記座標入力領域を隣接させる場合には、前記第1の再帰反射手段及び前記第2の再帰反射手段それぞれの第1折曲機構、前記取付手段の第2折曲機構をそれぞれ折り曲げることによって、該座標入力領域の短辺同士を隣接させ、かつ前記センサ手段の取付位置が、前記座標入力領域を隣接させる短辺の延長線方向から前記座標入力領域側となるように前記移動機構によって取り付けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記移動機構は、前記延長線方向を中心に線対称の位置に前記センサ手段を取り付け可能とする
ことを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
【請求項7】
前記取付手段は、更に、前記センサ手段の取付固定位置への移動を検出する検出機構を更に備え、
前記検出機構による検出信号に基づいて、前記センサ手段が座標を検出する座標入力領域を切り替える
ことを特徴とする請求項6に記載の座標入力装置。
【請求項8】
前記センサ手段の投光部からの投光と前記受光部での受光における光路上に配置されるミラーであって、前記座標入力領域を前記第1の辺及び前記第2の辺とは異なる方向の辺に複数個隣接させる場合に、前記座標入力領域が隣接する辺とそれに対向する辺の各々の延長線方向に配置されるミラーを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項9】
矩形状の座標入力領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置として、
前記座標入力領域の対向する2辺に少なくとも2箇所ずつ配置されるセンサ手段であって、それぞれが、前記座標入力領域に向けて投光する投光部と、該座標入力領域への指示に伴う光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサ手段と、
前記座標入力領域の第1の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第1の再帰反射手段と、
前記座標入力領域の前記第1の辺に対向する第2の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第2の再帰反射手段と
を備える座標入力装置の制御方法であって、
前記第1の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、第1の複数の光量分布を検出する第1検出工程と、
前記第2の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、前記第1の複数の光量分布とは異なるタイミングで第2の複数の光量分布を検出する第2検出工程と、
前記第1の複数の光量分布及び前記第2の複数の光量分布の少なくとも4つの光量分布のうち、少なくとも2つの光量分布に基づいて、前記座標入力領域における指示位置を算出する算出工程と
を備えることを特徴とする座標入力装置の制御方法。
【請求項10】
矩形状の座標入力領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置として、
前記座標入力領域の対向する2辺に少なくとも2箇所ずつ配置されるセンサ手段であって、それぞれが、前記座標入力領域に向けて投光する投光部と、該座標入力領域への指示に伴う光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサ手段と、
前記座標入力領域の第1の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第1の再帰反射手段と、
前記座標入力領域の前記第1の辺に対向する第2の辺に設けられ、入射光を再帰的に反射する第2の再帰反射手段と
を備える座標入力装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、第1の複数の光量分布を検出する第1検出工程と、
前記第2の再帰反射手段と対向する前記センサ手段により、前記第1の複数の光量分布とは異なるタイミングで第2の複数の光量分布を検出する第2検出工程と、
前記第1の複数の光量分布及び前記第2の複数の光量分布の少なくとも4つの光量分布のうち、少なくとも2つの光量分布に基づいて、前記座標入力領域における指示位置を算出する算出工程と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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