座標入力装置
【課題】 コストを低減することが可能な座標入力装置を提供する。
【解決手段】 本発明の座標入力装置100は、第1のシート10と、第1のシート10と対向配置され、第1のシート10と対向する面上に電位勾配が形成され、導電性を有する導電膜21が設けられた第2のシート20と、一対の導電体12及び14と、第1のシート10及び第2のシート20のうち少なくとも一方が押下されて、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが所定の座標で接触する場合、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方を介して検出される所定の座標の電位に基づいて、所定の座標を検出する座標検出部16と、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる電流の大きさに基づいて、所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部16と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】 本発明の座標入力装置100は、第1のシート10と、第1のシート10と対向配置され、第1のシート10と対向する面上に電位勾配が形成され、導電性を有する導電膜21が設けられた第2のシート20と、一対の導電体12及び14と、第1のシート10及び第2のシート20のうち少なくとも一方が押下されて、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが所定の座標で接触する場合、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方を介して検出される所定の座標の電位に基づいて、所定の座標を検出する座標検出部16と、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる電流の大きさに基づいて、所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部16と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器において、液晶パネル等に表示されるGUI(Graphical User Interface)等の操作を行うためのタッチパネルやタッチパッド等の座標入力装置が開発されている。ユーザは、液晶パネル等に直接触れることにより、GUIを操作することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、スイッチ入力の付加機能を加えても、カーソルの移動操作と一連の操作でスイッチ入力操作を行うことができ、しかも誤動作することのない座標入力装置が開示されている。特許文献2には、スイッチ入力の付加機能を加えても、カーソルの移動操作と一連の操作でスイッチ入力操作を行うことができ、しかも誤動作することのない座標入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−143313号公報
【特許文献2】特開2010−66952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1に記載の座標入力装置は、上層タブレットシート及び下層タブレットシートにより押下点の座標を検出し、可撓シート及び基板により押下点の圧力を検出する。このように、押下点の座標と圧力とをそれぞれ異なる構成により検出するため、座標入力装置の構成が複雑になり、コストが増大してしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、コストを低減することが可能な座標入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の座標入力装置は、第1のシートと、前記第1のシートと対向配置され、前記第1のシートと対向する面が導電性を有し、前記第1のシートと対向する面に電位勾配が形成される第2のシートと、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上に設けられた一対の導電体と、前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが所定の座標で接触する場合、前記一対の導電体のうち少なくとも一方を介して検出される前記所定の座標の電位に基づいて、前記所定の座標を検出する座標検出部と、前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが前記所定の座標を含む部分で接触する場合、前記一対の導電体の一方と前記一対の導電体の他方との間を前記第2のシートを介して流れる電流の大きさに基づいて、前記所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、押下点の座標と圧力とを、それぞれ異なる構成ではなく、第1のシート、第2のシート及び一対の導電体の構成を用いて検出することができる。よって、コストを低減することができる。
【0009】
上記構成において、前記一対の導電体は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられている構成としてもよい。
【0010】
上記構成において、前記一対の導電体は、それぞれ渦状の形状である構成としてもよい。
【0011】
上記構成において、前記一対の導電体は、複数の一対の導電体を有し、前記複数の一対の導電体のそれぞれは、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている構成としてもよい。
【0012】
上記構成において、前記第2のシートの形状は、平面であって、前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向に向かって電位が変化するように形成され、前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標を検出する構成としてもよい。
【0013】
上記構成において、前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向と、前記第1の方向と交差する第2の方向と、に向かってそれぞれ電位が変化するように形成され、前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標及び前記第2の方向の座標を検出する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の座標入力装置によれば、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)、図1(b)及び図1(c)は、実施例1に係る座標入力装置の構成の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1に係る座標入力装置の状態遷移の一例を示す図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、実施例1に係る待ち受けモードの場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図4】図4は、図4(a)及び図4(b)は、実施例1に係る待ち受けモードから座標検出モードへ遷移する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、実施例1に係る座標検出モードにおいてX軸方向の座標を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、実施例1に係る座標検出モードにおいてY軸方向の座標を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、実施例1に係る圧力検出モードにおいて点Pを含む部分における圧力を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図7(c)は、実施例1に係る圧力検出モードにおける導電体と導電膜との接触する部分の断面の拡大図である。
【図8】図8は、実施例1に係るCPUの座標検出処理及び圧力検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例2に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、実施例3に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図11】図11は、実施例4に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図12】図12は、実施例5に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図13】図13は、実施例6に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を用いて、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(a)、図1(b)及び図1(c)は、実施例1に係る座標入力装置100の構成の概略を示す断面図である。図1(a)、図1(b)及び図1(c)のように、座標入力装置100は、シート10と、シート20と、一対の導電体12及び14と、を備える。シート10を押下する指示部80は、例えばユーザの指やペン型のスタイラス等である。シート10は、可撓性を有する。シート20は、絶縁体であり、シート10と対向配置される。シート20のシート10と対向する面に、導電性を有する導電膜21が設けられている。導電膜21には、電位勾配が形成されている。導電膜21は、例えばカーボン、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、導電性ポリマー(ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン)、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤー等である。なお、シート20の少なくともシート10と対向する面が導電性を有するようにして、シート20のシート10と対向する面に導電膜21を設けない構成としてもよい。一対の導電体12及び14は、シート20と対向するシート10の面上に設けられる。
【0018】
図1(a)は、指示部80がシート10を押下する前の、指示部80とシート10とが接触していない状態を示している。図1(b)は、図1(a)の状態から、指示部80がシート10を力F1で押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した状態を示している。図1(c)は、図1(b)の状態から、指示部80がシート10を図1(b)の場合よりも強い力F2で押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した状態を示している。
【0019】
図1(b)及び図1(c)のように、指示部80がシート10をシート20に向かって押下すると、座標入力装置100は、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した点Pの座標と、点Pの座標を含む部分におけるシート10及びシート20が受ける圧力とを検出する。図1(b)において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状は、中心が点P、直径がL1の円になる。図1(c)において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状は、中心が点P、直径がL1より大きいL2の円になる。力F2は力F1より大きいため、図1(c)の一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の面積は、図1(b)の場合に比べて大きくなる。なお、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状が円である例を説明したが、指示部80の形状や押下する力の大きさ、向き等により、円以外の形状にもなり得る。
【0020】
図2を参照して、実施例1に係る座標入力装置100の状態遷移を説明する。図2は、実施例1に係る座標入力装置100の状態遷移の一例を示す図である。図2のように、座標入力装置100は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94の3つの状態を備える。座標入力装置100の状態遷移は、後述するCPU(Central Processing Unit)が管理する。
【0021】
以下、図1(a)、図1(b)、図1(c)及び図2を参照して、座標入力装置100の状態遷移について説明する。座標入力装置100の初期状態は、待ち受けモード90である。待ち受けモード90は、座標入力装置100が指示部80による入力を受け付けることが可能な状態であり、例えば図1(a)に示す状態に対応する。
【0022】
待ち受けモード90において、指示部80がシート10を押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触すると、座標入力装置100の状態は、待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移する。座標検出モード92は、例えば図1(b)及び図1(c)のように、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触した場合に、点Pの座標を検出する状態である。座標検出モード92において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが離れると、座標入力装置100の状態は、座標検出モード92から待ち受けモード90へ遷移する。
【0023】
座標検出モード92において、CPUは座標検出処理を行う。CPUの座標検出処理が終了後、例えば出荷時の設定やユーザの指示等により、シート10及びシート20が受ける圧力を検出することが指定された場合、座標入力装置100の状態は、座標検出モード92から圧力検出モード94へ遷移する。圧力検出モード94は、例えば図1(b)及び図1(c)のように、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触した場合に、点Pを含む部分における圧力を検出する状態である。圧力検出モード94において、CPUは圧力検出処理を行う。圧力検出モード94において、一対の導電体12及び14とシート20とが離れると、座標入力装置100の状態は、圧力検出モード94から待ち受けモード90へ遷移する。
【0024】
図3(a)及び図3(b)は、待ち受けモード90の場合のシート10及び20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図3(a)において、シート10は、シート20と対向する面を示している。図3(a)のように、座標入力装置100は、シート10、一対の導電体12及び14、CPU16、ADC(Analog Digital Converter)18、抵抗R並びにスイッチSW1、SW2及びSW3を備える。一対の導電体12及び14は、シート20と対向するシート10の面上に設けられている。一対の導電体12及び14は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられている。一対の導電体12及び14は、例えば金属細線で形成される。導電体12は、ADC18、抵抗Rの一端及びスイッチSW2の一端と接続される。ADC18は、ADC18を制御するCPU16と接続される。抵抗Rの他端は、スイッチSW1の一端と接続される。スイッチSW1の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体14は、スイッチSW2の他端及びスイッチSW3の一端と接続される。スイッチSW3の他端は接地される。CPU16は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94のいずれかの状態に応じて、スイッチSW1、SW2及びSW3のオンオフの切り替えを制御する。ADC18は、抵抗Rにかかる電圧を検出して、CPU16に通知する。
【0025】
図3(b)において、シート20は、シート10と対向する面を示している。図3(b)のように、座標入力装置100は、シート20、電極22、24、26及び28並びにスイッチSW4、SW5、SW6及びSW7を備える。シート20のシート10と対向する面上に、X軸とY軸とが直交する座標系が設定されている。シート20のシート10と対向する面に設けられた導電膜21には、電極22、24、26及び28が設けられている。なお、図3(b)において、導電膜21の記載は省略している。以後説明する図中においてもシート20における導電膜21の記載は省略することとする。電極22及び24は、導電膜21のY軸の方向に電位勾配を印加するように、互いにY軸方向に対向する位置に設けられている。電極26及び28は、導電膜21のX軸の方向に電位勾配を印加するように、互いにX軸方向に対向する位置に設けられている。電極22は端子23と接続される。スイッチSW4は、一端が端子23と接続され、他端が電圧Vccを印加する電源と接続される。電極24は、端子25と接続される。スイッチSW5は、一端が端子25と接続され、他端が接地される。電極26は端子27と接続される。スイッチSW6は、一端が端子27と接続され、他端が電圧Vccを印加する電源と接続される。電極28は、端子29と接続される。スイッチSW5は、一端が端子29と接続され、他端が接地される。CPU16は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94のいずれかの状態に応じて、スイッチSW4、SW5、SW6及びSW7のオンオフの切り替えを制御する。
【0026】
CPU16は、待ち受けモード90の場合、スイッチSW1、SW2及びSW7をオンして、SW3、SW4、SW5及びSW6をオフする。この場合、電流は流れず、導電膜21のX軸方向及びY軸方向に電位勾配は形成されていない。なお、スイッチSW7がオンされている例を説明したが、スイッチSW5及びSW7の少なくとも一方がオンされていればよい。
【0027】
図4(a)及び図4(b)は、それぞれ実施例1に係る待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図4(a)及び図4(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図4(a)及び図4(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0028】
図4(a)及び図4(b)のように、座標入力装置100が待ち受けモード90の場合に、シート10が押下されて、導電体12と導電膜21とが接触すると、電流は、図4(a)中の破線矢印で示す経路1及び図4(b)中の破線矢印で示す経路2のように流れる。経路1及び2は、スイッチSW1と接続された電源から、スイッチSW1、抵抗R、導電体12、導電膜21、電極28、スイッチSW7及び接地の順に流れる電流の経路を示している。ADC18は、電流を検出して、CPU16へ通知する。CPU16は、ADC18から電流が検出された通知を受けることにより、導電体12と導電膜21とが接触したと判定する。CPU16は、座標入力装置100の状態を、待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移させる。
【0029】
図5(a)及び図5(b)は、それぞれ実施例1に係る座標検出モード92においてX軸方向の座標を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図5(a)及び図5(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図5(a)及び図5(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0030】
図5(a)及び図5(b)のように、座標検出モード92においてX軸方向の座標を検出する場合、CPU16は、スイッチSW2、SW6及びSW7をオンして、スイッチSW1、SW3、SW4及びSW5をオフする。これにより、電流は図5(b)に示す破線矢印で示す経路4のように流れる。これにより、電極26から導電膜21を介して電極28へ電流が流れ、導電膜21のX軸方向に電位勾配が形成される。ADC18は、導電体12を介して、導電体12と導電膜21とが接触している点Pにおける電圧を読み取る。CPU16は、ADC18から通知される電圧に基づいて、点PのX軸方向の座標を検出する。
【0031】
図6(a)及び図6(b)は、それぞれ実施例1に係る座標検出モード92においてY軸方向の座標を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図6(a)及び図6(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図6(a)及び図6(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0032】
図6(a)及び図6(b)のように、座標検出モード92においてY軸方向の座標を検出する場合、CPU16は、スイッチSW2、SW4及びSW5をオンして、スイッチSW1、SW3、SW6及びSW7をオフする。これにより、電流は図5(b)に示す破線矢印で示す経路5のように流れる。これにより、電極22から導電膜21を介して電極24へ電流が流れ、導電膜21のY軸方向に電位勾配が形成される。ADC18は、導電体12を介して、導電体12と導電膜21とが接触している点Pにおける電圧を読み取る。CPU16は、ADC18から通知される電圧に基づいて、点PのY軸方向の座標を検出する。
【0033】
図7(a)及び図7(b)は、それぞれ実施例1に係る圧力検出モード94において点Pを含む部分における圧力を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図7(c)は、実施例1に係る圧力検出モード94における導電体12及び14と導電膜21との接触する部分の断面の拡大図である。図7(a)及び図7(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図7(a)及び図7(b)に示す円11及び13は、それぞれ図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0034】
図7(a)及び図7(b)のように、圧力検出モード94において点Pを含む部分における圧力を検出する場合、CPU16は、スイッチSW1及びSW3をオンして、スイッチSW2、SW4、SW5、SW6及びSW7をオフする。これにより、図7(a)中の破線矢印で示す経路7、図7(c)中の破線矢印で示す経路8及び図7(a)中の破線矢印で示す経路9の順に、電流が流れる。経路7は、スイッチSW1と接続された電源から、スイッチSW1、抵抗R及び導電体12へ流れる電流の経路を示している。経路8は、導電体12から導電膜21を介して導電体14へ流れる電流の経路を示している。経路9は、導電体14からスイッチSW3を介して接地へ流れる電流の経路を示している。ADC18は、経路7、8及び9を流れる電流の大きさを検出して、CPU16へ通知する。
【0035】
経路8において、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が大きいほど抵抗が小さくなる。逆に、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が小さいほど抵抗が大きくなる。よって、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が大きいほど、導電体12及び14間に電流は大きくなり、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が小さいほど、導電体12及び14間に電流は小さくなる。例えば、図7(a)及び図7(b)に示す円11の抵抗と円13の抵抗とを比較すると、円11の抵抗の方が円13の抵抗より大きくなる。また、図1(b)及び図1(c)のように、シート10を押下する力が大きいほど、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積は大きくなり、シート10を押下する力が小さいほど、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積は小さくなる。このように、シート10を押下する力と導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積とは、比例する。以上より、CPU16は、ADC18から通知される電流の大きさに基づいて、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力を検出する。例えば、経路7、8及び9を流れる電流の大きさと、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力との関係を示すテーブルを予めメモリ等の記憶部に記憶しておく。CPU16は、ADC18から通知された電流の大きさと記憶部から読み出したテーブルとを比較することにより、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力を検出することができる。
【0036】
図8を参照して、実施例1に係るCPU16の座標検出処理及び圧力検出処理の一例を説明する。図8は、実施例1に係るCPU16の座標検出処理及び圧力検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートの処理開始前の座標入力装置100の初期状態は、待ち受けモード90であるとする。
【0037】
図8のように、CPU16は、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触しているか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において、CPU16は、例えばADC18が図4(a)及び図4(b)に示す経路1及び2を流れる電流を検出して通知した場合に、Yesと判定する。ステップS10がNoの場合、CPU16は処理を終了する。ステップS10がYesの場合、CPU16は座標入力装置100の状態を待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移させる(ステップS12)。CPU16は、ADC18により、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触した点のX軸方向の電圧を測定する(ステップS14)。CPU16は、ADC18により、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触した点のY軸方向の電圧を測定する(ステップS16)。CPU16は、X軸及びY軸方向の電圧に基づいて、接触した点の座標を検出する(ステップS18)。CPU16は、圧力を検出するか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、CPU16は、例えば出荷時の設定やユーザの指示等により、シート10及びシート20が受ける圧力を検出することが指定された場合、Yesと判定する。ステップS20がNoの場合、CPU16は処理を終了する。CPU16は、ステップS20がYesの場合、CPU16は座標入力装置100の状態を座標検出モード92から圧力検出モード94へ遷移させる(ステップS22)。CPU16は、ADC18により、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる、電流の大きさを測定する(ステップS24)。CPU16は、予めメモリ等に記憶しておいた電流と圧力とのテーブルを参照して、測定した電流に対応する圧力を検出する(ステップS26)。以上で、CPU16は処理を終了する。
【0038】
実施例1において、座標入力装置100が、第1のシートであるシート10と、導電膜21と、導電膜21と対向するシート10の面上に設けられた一対の導電体12及び14と、シート10が押下されて、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触する場合、導電体12を介して検出される点Pの電位に基づいて、点Pの座標を検出する座標検出部であるCPU16と、シート10が押下されて、導電体12と導電膜21とが点Pを含む部分で接触する場合、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる電流の大きさに基づいて、点Pを含む部分における圧力を検出する圧力検出部であるCPU16と、を備える例を説明した。これにより、押下点の座標と圧力とを、それぞれ異なる構成ではなく、シート10及び20と一対の導電体12及び14の構成を用いて検出することができる。よって、コストを低減することができる。なお、導電膜21を設ける代わりに、シート20が、シート10と対向配置され、シート10と対向する面が導電性を有し、シート10と対向する面に電位勾配が形成されるようにしてもよい。
【0039】
実施例1において、導電膜21の形状は平面であって、電位勾配が電極26及び28によりX軸の方向に向かってそれぞれ電位が変化するように形成される例を説明した。また、電位勾配が電極22及び24によりX軸と交差するY軸の方向に向かってそれぞれ電位が変化するように形成される例を説明した。
【0040】
実施例1において、シート10が可撓性を有し、指示部80がシート10をシート20に向けて押下する例を説明した。逆に、シート20が可撓性を有し、指示部80がシート20をシート10に向けて押下する構成としてもよい。
【0041】
実施例1の座標入力装置100は、タッチパッドとして使用することができる。なお、座標入力装置100は、シート10及び20、導電膜21並びに導電体12及び14を透明導電膜で形成することにより、タッチパネルとしても使用することができる。
【実施例2】
【0042】
実施例2は、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図9は、実施例2に係る第1のシートであるシート30及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図9において、シート30は、シート20と対向する面を示している。図9のように、座標入力装置100は、シート30、導電体32、33及び34、CPU36及び37、ADC38及び39、抵抗R1及びR2並びにスイッチSW8、SW9及びSW10を備える。なお、図9において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチは記載を省略する。導電体32、33及び34は、シート20と対向するシート30の面上に設けられている。導電体32、33及び34は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体32と導電体33とは互いにかみ合うように設けられている。導電体33と導電体34とは、シート30の導電体32と導電体33とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体42及び43のかみ合う部分並びに導電体43及び44のかみ合う部分は、X軸と平行になっている。導電体32は、ADC38、抵抗R1の一端と接続される。ADC38は、ADC38を制御するCPU36と接続される。抵抗R1の他端は、スイッチSW8の一端と接続される。スイッチSW8の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体34は、ADC39、抵抗R2の一端と接続される。ADC39は、ADC39を制御するCPU37と接続される。抵抗R2の他端は、スイッチSW10の一端と接続される。スイッチSW10の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。CPU36及び37は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC38及び39は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0043】
実施例2において、導電体32及び33と導電体33及び34とが、シート20と対向する第1のシートであるシート30の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体32及び33がかみ合うように設けられた領域と、導電体33及び34がかみ合うように設けられた領域とは、Y軸方向は共通であり、X軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。また、図9のように、2つの電源に対して、接地が共通化されているため、導電体32、33及び34の抵抗変動が小さくなるため、電流及び電圧の検出誤差を低減することができる。
【実施例3】
【0044】
実施例3は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図10は、実施例3に係る第1のシートであるシート40及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図10において、シート40は、シート20と対向する面を示している。図9のように、座標入力装置100は、シート40、導電体42、43及び44、CPU46及び47、ADC48及び49、抵抗R3及びR4並びにスイッチSW8、SW9及びSW10を備える。なお、図10において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチは記載を省略する。実施例3は、実施例2と比較して、導電体42及び43のかみ合う部分並びに導電体43及び44のかみ合う部分が、X軸と平行ではなく、斜めとなっている(X軸との角度が90°未満である)点が異なる。その他については実施例2と同様のため、説明を省略する。
【実施例4】
【0045】
実施例4は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図11は、実施例4に係る第1のシートであるシート50及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図11において、シート50は、シート20と対向する面を示している。図11のように、座標入力装置100は、シート50、導電体52及び54、CPU56、ADC58、抵抗R5並びにスイッチSW14及びSW15を備える。導電体52及び54は、それぞれ渦状の形状である。
【実施例5】
【0046】
実施例5は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図12は、実施例5に係る第1のシートであるシート60及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図12において、シート60は、シート20と対向する面を示している。図12のように、座標入力装置100は、シート60、導電体62、64、63及び65、CPU66及び67、ADC68及び69、抵抗R6及びR7並びにスイッチSW16、SW17及びSW18を備える。なお、図12において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチの記載を省略する。導電体62、64、63及び65は、シート20と対向するシート60の面上に設けられている。導電体62、64、63及び65は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体62と導電体64とは互いにかみ合うように設けられている。導電体63と導電体65とは、シート60の導電体62と導電体64とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体62は、ADC68及び抵抗R6の一端と接続される。ADC68は、ADC68を制御するCPU66と接続される。抵抗R6の他端は、スイッチSW16の一端と接続される。スイッチSW16の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体64は、スイッチSW17の一端と接続される。スイッチSW17の他端は接地される。導電体63は、ADC69、抵抗R7の一端と接続される。ADC69は、ADC69を制御するCPU67と接続される。抵抗R7の他端は、スイッチSW18の一端と接続される。スイッチSW18の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体65は、スイッチSW19の一端と接続される。スイッチSW19の他端は接地される。CPU66及び67は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC68及び69は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0047】
実施例5において、導電体62及び64と導電体63及び65とが、シート20と対向する第1のシートであるシート60の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体62及び64がかみ合うように設けられた領域と、導電体63及び65がかみ合うように設けられた領域とは、Y軸方向は共通であり、X軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。
【実施例6】
【0048】
実施例6は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図13は、実施例6に係る第1のシートであるシート70及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図13において、シート70は、シート20と対向する面を示している。図12のように、座標入力装置100は、シート70、導電体72、74、73及び75、CPU76及び77、ADC78及び79、抵抗R8及びR9並びにスイッチSW20、SW21、SW22及びSW23を備える。なお、図13において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチの記載を省略する。導電体72、74、73及び75は、シート20と対向するシート70の面上に設けられている。導電体72、74、73及び75は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体72と導電体74とは互いにかみ合うように設けられている。導電体73と導電体75とは、シート70の導電体72と導電体74とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体72は、ADC78及び抵抗R8の一端と接続される。ADC78は、ADC78を制御するCPU76と接続される。抵抗R8の他端は、スイッチSW20の一端と接続される。スイッチSW20の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体74は、スイッチSW21の一端と接続される。スイッチSW21の他端は接地される。導電体73は、ADC79、抵抗R9の一端と接続される。ADC79は、ADC79を制御するCPU77と接続される。抵抗R9の他端は、スイッチSW22の一端と接続される。スイッチSW22の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体75は、スイッチSW23の一端と接続される。スイッチSW23の他端は接地される。CPU76及び77は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC78及び79は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0049】
実施例5において、導電体72及び74と導電体73及び75とが、シート20と対向する第1のシートであるシート70の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体72及び74がかみ合うように設けられた領域と、導電体73及び75がかみ合うように設けられた領域とは、X軸方向は共通であり、Y軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10、20 シート
12、14 導電体
16 CPU
18 ADC
22、24、26、28 電極
100 座標入力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器において、液晶パネル等に表示されるGUI(Graphical User Interface)等の操作を行うためのタッチパネルやタッチパッド等の座標入力装置が開発されている。ユーザは、液晶パネル等に直接触れることにより、GUIを操作することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、スイッチ入力の付加機能を加えても、カーソルの移動操作と一連の操作でスイッチ入力操作を行うことができ、しかも誤動作することのない座標入力装置が開示されている。特許文献2には、スイッチ入力の付加機能を加えても、カーソルの移動操作と一連の操作でスイッチ入力操作を行うことができ、しかも誤動作することのない座標入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−143313号公報
【特許文献2】特開2010−66952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1に記載の座標入力装置は、上層タブレットシート及び下層タブレットシートにより押下点の座標を検出し、可撓シート及び基板により押下点の圧力を検出する。このように、押下点の座標と圧力とをそれぞれ異なる構成により検出するため、座標入力装置の構成が複雑になり、コストが増大してしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、コストを低減することが可能な座標入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の座標入力装置は、第1のシートと、前記第1のシートと対向配置され、前記第1のシートと対向する面が導電性を有し、前記第1のシートと対向する面に電位勾配が形成される第2のシートと、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上に設けられた一対の導電体と、前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが所定の座標で接触する場合、前記一対の導電体のうち少なくとも一方を介して検出される前記所定の座標の電位に基づいて、前記所定の座標を検出する座標検出部と、前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが前記所定の座標を含む部分で接触する場合、前記一対の導電体の一方と前記一対の導電体の他方との間を前記第2のシートを介して流れる電流の大きさに基づいて、前記所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、押下点の座標と圧力とを、それぞれ異なる構成ではなく、第1のシート、第2のシート及び一対の導電体の構成を用いて検出することができる。よって、コストを低減することができる。
【0009】
上記構成において、前記一対の導電体は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられている構成としてもよい。
【0010】
上記構成において、前記一対の導電体は、それぞれ渦状の形状である構成としてもよい。
【0011】
上記構成において、前記一対の導電体は、複数の一対の導電体を有し、前記複数の一対の導電体のそれぞれは、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている構成としてもよい。
【0012】
上記構成において、前記第2のシートの形状は、平面であって、前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向に向かって電位が変化するように形成され、前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標を検出する構成としてもよい。
【0013】
上記構成において、前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向と、前記第1の方向と交差する第2の方向と、に向かってそれぞれ電位が変化するように形成され、前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標及び前記第2の方向の座標を検出する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の座標入力装置によれば、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)、図1(b)及び図1(c)は、実施例1に係る座標入力装置の構成の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1に係る座標入力装置の状態遷移の一例を示す図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、実施例1に係る待ち受けモードの場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図4】図4は、図4(a)及び図4(b)は、実施例1に係る待ち受けモードから座標検出モードへ遷移する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、実施例1に係る座標検出モードにおいてX軸方向の座標を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、実施例1に係る座標検出モードにおいてY軸方向の座標を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、実施例1に係る圧力検出モードにおいて点Pを含む部分における圧力を検出する場合のシートとその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図7(c)は、実施例1に係る圧力検出モードにおける導電体と導電膜との接触する部分の断面の拡大図である。
【図8】図8は、実施例1に係るCPUの座標検出処理及び圧力検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例2に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、実施例3に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図11】図11は、実施例4に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図12】図12は、実施例5に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【図13】図13は、実施例6に係る第1のシート及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を用いて、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(a)、図1(b)及び図1(c)は、実施例1に係る座標入力装置100の構成の概略を示す断面図である。図1(a)、図1(b)及び図1(c)のように、座標入力装置100は、シート10と、シート20と、一対の導電体12及び14と、を備える。シート10を押下する指示部80は、例えばユーザの指やペン型のスタイラス等である。シート10は、可撓性を有する。シート20は、絶縁体であり、シート10と対向配置される。シート20のシート10と対向する面に、導電性を有する導電膜21が設けられている。導電膜21には、電位勾配が形成されている。導電膜21は、例えばカーボン、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、導電性ポリマー(ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン)、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤー等である。なお、シート20の少なくともシート10と対向する面が導電性を有するようにして、シート20のシート10と対向する面に導電膜21を設けない構成としてもよい。一対の導電体12及び14は、シート20と対向するシート10の面上に設けられる。
【0018】
図1(a)は、指示部80がシート10を押下する前の、指示部80とシート10とが接触していない状態を示している。図1(b)は、図1(a)の状態から、指示部80がシート10を力F1で押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した状態を示している。図1(c)は、図1(b)の状態から、指示部80がシート10を図1(b)の場合よりも強い力F2で押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した状態を示している。
【0019】
図1(b)及び図1(c)のように、指示部80がシート10をシート20に向かって押下すると、座標入力装置100は、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触した点Pの座標と、点Pの座標を含む部分におけるシート10及びシート20が受ける圧力とを検出する。図1(b)において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状は、中心が点P、直径がL1の円になる。図1(c)において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状は、中心が点P、直径がL1より大きいL2の円になる。力F2は力F1より大きいため、図1(c)の一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の面積は、図1(b)の場合に比べて大きくなる。なお、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状が円である例を説明したが、指示部80の形状や押下する力の大きさ、向き等により、円以外の形状にもなり得る。
【0020】
図2を参照して、実施例1に係る座標入力装置100の状態遷移を説明する。図2は、実施例1に係る座標入力装置100の状態遷移の一例を示す図である。図2のように、座標入力装置100は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94の3つの状態を備える。座標入力装置100の状態遷移は、後述するCPU(Central Processing Unit)が管理する。
【0021】
以下、図1(a)、図1(b)、図1(c)及び図2を参照して、座標入力装置100の状態遷移について説明する。座標入力装置100の初期状態は、待ち受けモード90である。待ち受けモード90は、座標入力装置100が指示部80による入力を受け付けることが可能な状態であり、例えば図1(a)に示す状態に対応する。
【0022】
待ち受けモード90において、指示部80がシート10を押下して、一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触すると、座標入力装置100の状態は、待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移する。座標検出モード92は、例えば図1(b)及び図1(c)のように、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触した場合に、点Pの座標を検出する状態である。座標検出モード92において、一対の導電体12及び14と導電膜21とが離れると、座標入力装置100の状態は、座標検出モード92から待ち受けモード90へ遷移する。
【0023】
座標検出モード92において、CPUは座標検出処理を行う。CPUの座標検出処理が終了後、例えば出荷時の設定やユーザの指示等により、シート10及びシート20が受ける圧力を検出することが指定された場合、座標入力装置100の状態は、座標検出モード92から圧力検出モード94へ遷移する。圧力検出モード94は、例えば図1(b)及び図1(c)のように、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触した場合に、点Pを含む部分における圧力を検出する状態である。圧力検出モード94において、CPUは圧力検出処理を行う。圧力検出モード94において、一対の導電体12及び14とシート20とが離れると、座標入力装置100の状態は、圧力検出モード94から待ち受けモード90へ遷移する。
【0024】
図3(a)及び図3(b)は、待ち受けモード90の場合のシート10及び20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図3(a)において、シート10は、シート20と対向する面を示している。図3(a)のように、座標入力装置100は、シート10、一対の導電体12及び14、CPU16、ADC(Analog Digital Converter)18、抵抗R並びにスイッチSW1、SW2及びSW3を備える。一対の導電体12及び14は、シート20と対向するシート10の面上に設けられている。一対の導電体12及び14は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられている。一対の導電体12及び14は、例えば金属細線で形成される。導電体12は、ADC18、抵抗Rの一端及びスイッチSW2の一端と接続される。ADC18は、ADC18を制御するCPU16と接続される。抵抗Rの他端は、スイッチSW1の一端と接続される。スイッチSW1の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体14は、スイッチSW2の他端及びスイッチSW3の一端と接続される。スイッチSW3の他端は接地される。CPU16は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94のいずれかの状態に応じて、スイッチSW1、SW2及びSW3のオンオフの切り替えを制御する。ADC18は、抵抗Rにかかる電圧を検出して、CPU16に通知する。
【0025】
図3(b)において、シート20は、シート10と対向する面を示している。図3(b)のように、座標入力装置100は、シート20、電極22、24、26及び28並びにスイッチSW4、SW5、SW6及びSW7を備える。シート20のシート10と対向する面上に、X軸とY軸とが直交する座標系が設定されている。シート20のシート10と対向する面に設けられた導電膜21には、電極22、24、26及び28が設けられている。なお、図3(b)において、導電膜21の記載は省略している。以後説明する図中においてもシート20における導電膜21の記載は省略することとする。電極22及び24は、導電膜21のY軸の方向に電位勾配を印加するように、互いにY軸方向に対向する位置に設けられている。電極26及び28は、導電膜21のX軸の方向に電位勾配を印加するように、互いにX軸方向に対向する位置に設けられている。電極22は端子23と接続される。スイッチSW4は、一端が端子23と接続され、他端が電圧Vccを印加する電源と接続される。電極24は、端子25と接続される。スイッチSW5は、一端が端子25と接続され、他端が接地される。電極26は端子27と接続される。スイッチSW6は、一端が端子27と接続され、他端が電圧Vccを印加する電源と接続される。電極28は、端子29と接続される。スイッチSW5は、一端が端子29と接続され、他端が接地される。CPU16は、待ち受けモード90、座標検出モード92及び圧力検出モード94のいずれかの状態に応じて、スイッチSW4、SW5、SW6及びSW7のオンオフの切り替えを制御する。
【0026】
CPU16は、待ち受けモード90の場合、スイッチSW1、SW2及びSW7をオンして、SW3、SW4、SW5及びSW6をオフする。この場合、電流は流れず、導電膜21のX軸方向及びY軸方向に電位勾配は形成されていない。なお、スイッチSW7がオンされている例を説明したが、スイッチSW5及びSW7の少なくとも一方がオンされていればよい。
【0027】
図4(a)及び図4(b)は、それぞれ実施例1に係る待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図4(a)及び図4(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図4(a)及び図4(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0028】
図4(a)及び図4(b)のように、座標入力装置100が待ち受けモード90の場合に、シート10が押下されて、導電体12と導電膜21とが接触すると、電流は、図4(a)中の破線矢印で示す経路1及び図4(b)中の破線矢印で示す経路2のように流れる。経路1及び2は、スイッチSW1と接続された電源から、スイッチSW1、抵抗R、導電体12、導電膜21、電極28、スイッチSW7及び接地の順に流れる電流の経路を示している。ADC18は、電流を検出して、CPU16へ通知する。CPU16は、ADC18から電流が検出された通知を受けることにより、導電体12と導電膜21とが接触したと判定する。CPU16は、座標入力装置100の状態を、待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移させる。
【0029】
図5(a)及び図5(b)は、それぞれ実施例1に係る座標検出モード92においてX軸方向の座標を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図5(a)及び図5(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図5(a)及び図5(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0030】
図5(a)及び図5(b)のように、座標検出モード92においてX軸方向の座標を検出する場合、CPU16は、スイッチSW2、SW6及びSW7をオンして、スイッチSW1、SW3、SW4及びSW5をオフする。これにより、電流は図5(b)に示す破線矢印で示す経路4のように流れる。これにより、電極26から導電膜21を介して電極28へ電流が流れ、導電膜21のX軸方向に電位勾配が形成される。ADC18は、導電体12を介して、導電体12と導電膜21とが接触している点Pにおける電圧を読み取る。CPU16は、ADC18から通知される電圧に基づいて、点PのX軸方向の座標を検出する。
【0031】
図6(a)及び図6(b)は、それぞれ実施例1に係る座標検出モード92においてY軸方向の座標を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図6(a)及び図6(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図6(a)及び図6(b)に示す直径L1の円11は、図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0032】
図6(a)及び図6(b)のように、座標検出モード92においてY軸方向の座標を検出する場合、CPU16は、スイッチSW2、SW4及びSW5をオンして、スイッチSW1、SW3、SW6及びSW7をオフする。これにより、電流は図5(b)に示す破線矢印で示す経路5のように流れる。これにより、電極22から導電膜21を介して電極24へ電流が流れ、導電膜21のY軸方向に電位勾配が形成される。ADC18は、導電体12を介して、導電体12と導電膜21とが接触している点Pにおける電圧を読み取る。CPU16は、ADC18から通知される電圧に基づいて、点PのY軸方向の座標を検出する。
【0033】
図7(a)及び図7(b)は、それぞれ実施例1に係る圧力検出モード94において点Pを含む部分における圧力を検出する場合のシート10及びシート20とその周辺の構成の動作を説明する説明図である。図7(c)は、実施例1に係る圧力検出モード94における導電体12及び14と導電膜21との接触する部分の断面の拡大図である。図7(a)及び図7(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。図7(a)及び図7(b)に示す円11及び13は、それぞれ図1(b)に示す一対の導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の形状に対応する。
【0034】
図7(a)及び図7(b)のように、圧力検出モード94において点Pを含む部分における圧力を検出する場合、CPU16は、スイッチSW1及びSW3をオンして、スイッチSW2、SW4、SW5、SW6及びSW7をオフする。これにより、図7(a)中の破線矢印で示す経路7、図7(c)中の破線矢印で示す経路8及び図7(a)中の破線矢印で示す経路9の順に、電流が流れる。経路7は、スイッチSW1と接続された電源から、スイッチSW1、抵抗R及び導電体12へ流れる電流の経路を示している。経路8は、導電体12から導電膜21を介して導電体14へ流れる電流の経路を示している。経路9は、導電体14からスイッチSW3を介して接地へ流れる電流の経路を示している。ADC18は、経路7、8及び9を流れる電流の大きさを検出して、CPU16へ通知する。
【0035】
経路8において、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が大きいほど抵抗が小さくなる。逆に、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が小さいほど抵抗が大きくなる。よって、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が大きいほど、導電体12及び14間に電流は大きくなり、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積が小さいほど、導電体12及び14間に電流は小さくなる。例えば、図7(a)及び図7(b)に示す円11の抵抗と円13の抵抗とを比較すると、円11の抵抗の方が円13の抵抗より大きくなる。また、図1(b)及び図1(c)のように、シート10を押下する力が大きいほど、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積は大きくなり、シート10を押下する力が小さいほど、導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積は小さくなる。このように、シート10を押下する力と導電体12及び14と導電膜21とが接触する面積とは、比例する。以上より、CPU16は、ADC18から通知される電流の大きさに基づいて、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力を検出する。例えば、経路7、8及び9を流れる電流の大きさと、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力との関係を示すテーブルを予めメモリ等の記憶部に記憶しておく。CPU16は、ADC18から通知された電流の大きさと記憶部から読み出したテーブルとを比較することにより、導電体12及び14と導電膜21とが接触する部分の圧力を検出することができる。
【0036】
図8を参照して、実施例1に係るCPU16の座標検出処理及び圧力検出処理の一例を説明する。図8は、実施例1に係るCPU16の座標検出処理及び圧力検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートの処理開始前の座標入力装置100の初期状態は、待ち受けモード90であるとする。
【0037】
図8のように、CPU16は、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触しているか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において、CPU16は、例えばADC18が図4(a)及び図4(b)に示す経路1及び2を流れる電流を検出して通知した場合に、Yesと判定する。ステップS10がNoの場合、CPU16は処理を終了する。ステップS10がYesの場合、CPU16は座標入力装置100の状態を待ち受けモード90から座標検出モード92へ遷移させる(ステップS12)。CPU16は、ADC18により、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触した点のX軸方向の電圧を測定する(ステップS14)。CPU16は、ADC18により、一対の導電体12及び14のうち少なくとも一方と導電膜21とが接触した点のY軸方向の電圧を測定する(ステップS16)。CPU16は、X軸及びY軸方向の電圧に基づいて、接触した点の座標を検出する(ステップS18)。CPU16は、圧力を検出するか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、CPU16は、例えば出荷時の設定やユーザの指示等により、シート10及びシート20が受ける圧力を検出することが指定された場合、Yesと判定する。ステップS20がNoの場合、CPU16は処理を終了する。CPU16は、ステップS20がYesの場合、CPU16は座標入力装置100の状態を座標検出モード92から圧力検出モード94へ遷移させる(ステップS22)。CPU16は、ADC18により、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる、電流の大きさを測定する(ステップS24)。CPU16は、予めメモリ等に記憶しておいた電流と圧力とのテーブルを参照して、測定した電流に対応する圧力を検出する(ステップS26)。以上で、CPU16は処理を終了する。
【0038】
実施例1において、座標入力装置100が、第1のシートであるシート10と、導電膜21と、導電膜21と対向するシート10の面上に設けられた一対の導電体12及び14と、シート10が押下されて、一対の導電体12及び14と導電膜21とが点Pで接触する場合、導電体12を介して検出される点Pの電位に基づいて、点Pの座標を検出する座標検出部であるCPU16と、シート10が押下されて、導電体12と導電膜21とが点Pを含む部分で接触する場合、導電体12と導電体14との間を導電膜21を介して流れる電流の大きさに基づいて、点Pを含む部分における圧力を検出する圧力検出部であるCPU16と、を備える例を説明した。これにより、押下点の座標と圧力とを、それぞれ異なる構成ではなく、シート10及び20と一対の導電体12及び14の構成を用いて検出することができる。よって、コストを低減することができる。なお、導電膜21を設ける代わりに、シート20が、シート10と対向配置され、シート10と対向する面が導電性を有し、シート10と対向する面に電位勾配が形成されるようにしてもよい。
【0039】
実施例1において、導電膜21の形状は平面であって、電位勾配が電極26及び28によりX軸の方向に向かってそれぞれ電位が変化するように形成される例を説明した。また、電位勾配が電極22及び24によりX軸と交差するY軸の方向に向かってそれぞれ電位が変化するように形成される例を説明した。
【0040】
実施例1において、シート10が可撓性を有し、指示部80がシート10をシート20に向けて押下する例を説明した。逆に、シート20が可撓性を有し、指示部80がシート20をシート10に向けて押下する構成としてもよい。
【0041】
実施例1の座標入力装置100は、タッチパッドとして使用することができる。なお、座標入力装置100は、シート10及び20、導電膜21並びに導電体12及び14を透明導電膜で形成することにより、タッチパネルとしても使用することができる。
【実施例2】
【0042】
実施例2は、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図9は、実施例2に係る第1のシートであるシート30及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図9において、シート30は、シート20と対向する面を示している。図9のように、座標入力装置100は、シート30、導電体32、33及び34、CPU36及び37、ADC38及び39、抵抗R1及びR2並びにスイッチSW8、SW9及びSW10を備える。なお、図9において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチは記載を省略する。導電体32、33及び34は、シート20と対向するシート30の面上に設けられている。導電体32、33及び34は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体32と導電体33とは互いにかみ合うように設けられている。導電体33と導電体34とは、シート30の導電体32と導電体33とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体42及び43のかみ合う部分並びに導電体43及び44のかみ合う部分は、X軸と平行になっている。導電体32は、ADC38、抵抗R1の一端と接続される。ADC38は、ADC38を制御するCPU36と接続される。抵抗R1の他端は、スイッチSW8の一端と接続される。スイッチSW8の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体34は、ADC39、抵抗R2の一端と接続される。ADC39は、ADC39を制御するCPU37と接続される。抵抗R2の他端は、スイッチSW10の一端と接続される。スイッチSW10の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。CPU36及び37は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC38及び39は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0043】
実施例2において、導電体32及び33と導電体33及び34とが、シート20と対向する第1のシートであるシート30の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体32及び33がかみ合うように設けられた領域と、導電体33及び34がかみ合うように設けられた領域とは、Y軸方向は共通であり、X軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。また、図9のように、2つの電源に対して、接地が共通化されているため、導電体32、33及び34の抵抗変動が小さくなるため、電流及び電圧の検出誤差を低減することができる。
【実施例3】
【0044】
実施例3は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図10は、実施例3に係る第1のシートであるシート40及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図10において、シート40は、シート20と対向する面を示している。図9のように、座標入力装置100は、シート40、導電体42、43及び44、CPU46及び47、ADC48及び49、抵抗R3及びR4並びにスイッチSW8、SW9及びSW10を備える。なお、図10において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチは記載を省略する。実施例3は、実施例2と比較して、導電体42及び43のかみ合う部分並びに導電体43及び44のかみ合う部分が、X軸と平行ではなく、斜めとなっている(X軸との角度が90°未満である)点が異なる。その他については実施例2と同様のため、説明を省略する。
【実施例4】
【0045】
実施例4は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図11は、実施例4に係る第1のシートであるシート50及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図11において、シート50は、シート20と対向する面を示している。図11のように、座標入力装置100は、シート50、導電体52及び54、CPU56、ADC58、抵抗R5並びにスイッチSW14及びSW15を備える。導電体52及び54は、それぞれ渦状の形状である。
【実施例5】
【0046】
実施例5は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図12は、実施例5に係る第1のシートであるシート60及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図12において、シート60は、シート20と対向する面を示している。図12のように、座標入力装置100は、シート60、導電体62、64、63及び65、CPU66及び67、ADC68及び69、抵抗R6及びR7並びにスイッチSW16、SW17及びSW18を備える。なお、図12において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチの記載を省略する。導電体62、64、63及び65は、シート20と対向するシート60の面上に設けられている。導電体62、64、63及び65は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体62と導電体64とは互いにかみ合うように設けられている。導電体63と導電体65とは、シート60の導電体62と導電体64とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体62は、ADC68及び抵抗R6の一端と接続される。ADC68は、ADC68を制御するCPU66と接続される。抵抗R6の他端は、スイッチSW16の一端と接続される。スイッチSW16の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体64は、スイッチSW17の一端と接続される。スイッチSW17の他端は接地される。導電体63は、ADC69、抵抗R7の一端と接続される。ADC69は、ADC69を制御するCPU67と接続される。抵抗R7の他端は、スイッチSW18の一端と接続される。スイッチSW18の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体65は、スイッチSW19の一端と接続される。スイッチSW19の他端は接地される。CPU66及び67は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC68及び69は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0047】
実施例5において、導電体62及び64と導電体63及び65とが、シート20と対向する第1のシートであるシート60の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体62及び64がかみ合うように設けられた領域と、導電体63及び65がかみ合うように設けられた領域とは、Y軸方向は共通であり、X軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。
【実施例6】
【0048】
実施例6は、実施例2と同様に、実施例1に示す第1のシートであるシート10及びその周辺の構成の変形例である。図13は、実施例6に係る第1のシートであるシート70及びその周辺の構成の一例を示す概略図である。図13において、シート70は、シート20と対向する面を示している。図12のように、座標入力装置100は、シート70、導電体72、74、73及び75、CPU76及び77、ADC78及び79、抵抗R8及びR9並びにスイッチSW20、SW21、SW22及びSW23を備える。なお、図13において、図3(a)に示すスイッチSW2に相当するスイッチの記載を省略する。導電体72、74、73及び75は、シート20と対向するシート70の面上に設けられている。導電体72、74、73及び75は、それぞれ櫛歯状の形状である。導電体72と導電体74とは互いにかみ合うように設けられている。導電体73と導電体75とは、シート70の導電体72と導電体74とが設けられた領域と異なる領域に、互いにかみ合うように設けられている。導電体72は、ADC78及び抵抗R8の一端と接続される。ADC78は、ADC78を制御するCPU76と接続される。抵抗R8の他端は、スイッチSW20の一端と接続される。スイッチSW20の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体74は、スイッチSW21の一端と接続される。スイッチSW21の他端は接地される。導電体73は、ADC79、抵抗R9の一端と接続される。ADC79は、ADC79を制御するCPU77と接続される。抵抗R9の他端は、スイッチSW22の一端と接続される。スイッチSW22の他端は、電圧Vccを印加する電源と接続される。導電体75は、スイッチSW23の一端と接続される。スイッチSW23の他端は接地される。CPU76及び77は、実施例1に示すCPU16と同様の動作を行う。ADC78及び79は、実施例1に示すADC18と同様の動作を行う。
【0049】
実施例5において、導電体72及び74と導電体73及び75とが、シート20と対向する第1のシートであるシート70の面上の互いに重複しない部分を占めるように設けられている例を説明した。導電体72及び74がかみ合うように設けられた領域と、導電体73及び75がかみ合うように設けられた領域とは、X軸方向は共通であり、Y軸方向が異なる。これにより、異なる2つの領域のそれぞれで、押下点の座標と圧力を検出することができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10、20 シート
12、14 導電体
16 CPU
18 ADC
22、24、26、28 電極
100 座標入力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートと、
前記第1のシートと対向配置され、前記第1のシートと対向する面が導電性を有し、前記第1のシートと対向する面に電位勾配が形成される第2のシートと、
前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上に設けられた一対の導電体と、
前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが所定の座標で接触する場合、前記一対の導電体のうち少なくとも一方を介して検出される前記所定の座標の電位に基づいて、前記所定の座標を検出する座標検出部と、
前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが前記所定の座標を含む部分で接触する場合、前記一対の導電体の一方と前記一対の導電体の他方との間を前記第2のシートを介して流れる電流の大きさに基づいて、前記所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部と、
を備えることを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記一対の導電体は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記一対の導電体は、それぞれ渦状の形状であることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記一対の導電体は、複数の一対の導電体を有し、
前記複数の一対の導電体のそれぞれは、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上の互いに重複しない部分を占めるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項5】
前記第2のシートの形状は、平面であって、
前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向に向かって電位が変化するように形成され、
前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向と、前記第1の方向と交差する第2の方向と、に向かってそれぞれ電位が変化するように形成され、
前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標及び前記第2の方向の座標を検出することを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
【請求項1】
第1のシートと、
前記第1のシートと対向配置され、前記第1のシートと対向する面が導電性を有し、前記第1のシートと対向する面に電位勾配が形成される第2のシートと、
前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上に設けられた一対の導電体と、
前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが所定の座標で接触する場合、前記一対の導電体のうち少なくとも一方を介して検出される前記所定の座標の電位に基づいて、前記所定の座標を検出する座標検出部と、
前記第1のシート及び前記第2のシートのうち少なくとも一方が押下されて、前記一対の導電体のうち少なくとも一方と前記第2のシートとが前記所定の座標を含む部分で接触する場合、前記一対の導電体の一方と前記一対の導電体の他方との間を前記第2のシートを介して流れる電流の大きさに基づいて、前記所定の座標を含む部分における圧力を検出する圧力検出部と、
を備えることを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記一対の導電体は、それぞれ櫛歯状の形状であって、互いにかみ合うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記一対の導電体は、それぞれ渦状の形状であることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記一対の導電体は、複数の一対の導電体を有し、
前記複数の一対の導電体のそれぞれは、前記第2のシートと対向する前記第1のシートの面の上の互いに重複しない部分を占めるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項5】
前記第2のシートの形状は、平面であって、
前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向に向かって電位が変化するように形成され、
前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記電位勾配は、前記平面上の第1の方向と、前記第1の方向と交差する第2の方向と、に向かってそれぞれ電位が変化するように形成され、
前記座標検出部は、前記所定の座標を検出する場合、前記所定の座標の前記第1の方向の座標及び前記第2の方向の座標を検出することを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−43312(P2012−43312A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185632(P2010−185632)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
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