説明

廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システム

【課題】廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムにおいて、熱分解槽にコーキングが発生しても、廃プラスチックの攪拌と熱分解とを安定して続けることができるようにする。
【解決手段】熱分解処理装置1は、熱分解させるため廃プラスチックを収容する熱分解槽2と、熱分解槽2を鉛直軸に対して傾斜された回転軸線Oを中心に回転させる回転駆動部11A、11Bと、熱分解槽2を少なくとも下面側から加熱する加熱部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラチック廃棄物(廃プラスチック)を熱分解することにより油化する廃プラスチック油化システムにおいて、廃プラスチックを攪拌しつつ熱分解を行う熱分解処理装置が知られている。
このような熱分解処理装置の一例として、例えば、特許文献1には、廃プラスチック油化処理システムに設置される熱分解処理装置であって、加熱手段による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽と、この熱分解槽内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器と、この攪拌器に作用する負荷トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段により検出された負荷トルクに応じて、攪拌器の回転を制御する制御手段と、を備えた熱分解処理装置が記載されている。
攪拌器の構成としては、熱分解槽の中心に回転軸を設け、この回転軸の端部に熱分解槽の底面に沿って旋回する攪拌羽根を設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−13595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の熱分解処理装置には以下のような問題があった。
廃プラスチックの熱分解が進行し、生成油として回収される熱分解生成ガスが廃プラスチックから抜けていくと、高分子量を有し粘性が高い成分が熱分解槽内に残存するため、次第に熱分解槽の内面や攪拌羽根の表面で炭化されていく。このような現象はコーキングとして知られている。コーキングは高温部から進行するため、熱分解槽の底面と攪拌羽根の表面とに発生しやすい。このため、底面の攪拌羽根の隙間に炭化物が入り込んで攪拌羽根の回転を妨げてしまう。この結果、回転軸に過大なトルク負荷が発生し、攪拌が困難になったり、攪拌羽根や回転軸が損傷したりするという問題がある。
したがって、ある程度コーキングが発生したら、熱分解処理の途中であっても攪拌を停止する必要があった。また、熱分解処理後、炭化物を除去するなどのメンテナンス作業を行う必要がある。このため、メンテナンスの作業時間を含めた時間当たりの油化効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、熱分解槽にコーキングが発生しても、廃プラスチックの攪拌と熱分解とを安定して続けることができる廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の廃プラスチックの熱分解処理装置は、熱分解させるため廃プラスチックを収容する熱分解槽と、該熱分解槽を鉛直軸に対して傾斜された回転軸線を中心に回転させる回転駆動部と、前記熱分解槽を少なくとも下面側から加熱する加熱部と、を備える構成とする。
【0007】
また本発明では、前記回転軸線の傾斜角を変化させる傾斜角変更手段を備えることが好ましい。
【0008】
また本発明では、前記熱分解槽の内面に、前記熱分解槽の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する攪拌突起を備えることが好ましい。
【0009】
また本発明では、前記攪拌突起を備える場合には、前記攪拌突起は板状の羽根部材からなることが好ましい。
【0010】
本発明の廃プラスチック油化システムは、本発明の廃プラスチックの熱分解処理装置を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムによれば、熱分解槽を回転駆動部によって鉛直軸に対して傾斜された回転軸線を中心に回転させることによって熱分解槽に対して回転する攪拌部材を用いることなく廃プラスチックを攪拌することができるため、熱分解槽にコーキングが発生しても、廃プラスチックの攪拌と熱分解とを安定して続けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムの概略構成を示す模式的なシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る熱分解処理装置の回転軸線を含む模式的な断面図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【図4】本発明の実施形態の第1変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのB−B断面図である。
【図5】本発明の実施形態の第2変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのC−C断面図である。
【図6】本発明の実施形態の第3変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る廃プラスチックの熱分解処理装置および廃プラスチック油化システムの概略構成を示す模式的なシステム構成図である。図2は、本発明の実施形態に係る熱分解処理装置の回転軸線を含む模式的な断面図である。図3は、図1におけるA−A断面図である。
【0014】
本実施形態の廃プラスチック油化システム100は、プラスチック材料の廃棄物である廃プラスチックを熱分解して、低分子量の熱処理生成ガスを生成させ、これを凝縮して生成油を取り出すための装置群からなるシステムである。
廃プラスチック油化システム100の概略構成は、図1に示すように、熱分解処理装置1(廃プラスチックの熱分解処理装置)、冷却装置17、清浄集塵装置18、および排ガス燃焼装置19を備える。
【0015】
熱分解処理装置1の概略構成は、図1〜3に示すように、熱分解処理装置1の各構成部材を支持する熱分解槽支持部材3と、熱分解させる廃プラスチック10(図2参照)を収容する熱分解槽2と、熱分解槽2を鉛直軸に対して傾斜された回転軸線Oを中心に回転可能に支持する回転支持部5と、鉛直軸に対する回転軸線Oの傾斜角を変化させる傾斜角変更手段12A、12Bと、回転支持部5に支持された熱分解槽2を回転させる回転駆動部11A、11Bと、熱分解槽2を少なくとも下面側から加熱する加熱部4とが設けられている。
【0016】
廃プラスチック10は、熱分解可能な樹脂材料を含むものであれば、含まれる樹脂の種類やグレードなどは特に限定されない。
例えば、樹脂をベース材料として、無機フィラー、グラスファイバーなどの無機添加物が分散された複合材料であってもよい。
【0017】
熱分解槽支持部材3は、図2に示すように、床面上に設置された正面視五角形状の部材であり、直方体の上端側の角部が図示奥行き方向に延びる平面で切り取られたような外形を有している。これにより上端側において斜めに傾斜された平面状の支持面3aが形成されている。
支持面3aの中心部には、支持面3aに直交する方向に延ばされた円筒状の穴部3bが形成されている。また、支持面3a上には、図1、3に示すように、穴部3bを挟んで水平方向に対向された2位置からそれぞれ鉛直方向に延ばされた1対の回転支持板3cが立設されている。
各回転支持板3cには、穴部3bの中心軸線と直交する水平軸線H(図2の紙面垂直軸)と同軸となる位置に、後述する回動軸9aを支持する軸受3dがそれぞれ設けられている。
穴部3bの内面は、加熱部4を収容して保持するため、耐熱性が高く、断熱効果の高い材質、例えば、セラミックス材料などによって形成されている。
【0018】
熱分解槽2は、釜2Aと上蓋部2Bとが、例えばボルト・ナットなどからなる連結部材21(図3参照)によって着脱可能に連結され、連結時に略筒状の密閉容器を構成するものである。
釜2Aは、廃プラスチック10を収容するため一端が開口された箱状の部材であり、例えば、ステンレス鋼などの金属材料を用いて形成されている。
本実施形態では、釜2Aの形状は、有底円筒状部材の開口側の外周部に、連結部材21によって上蓋部2Bと連結するためのフランジ2cが設けられた形状を採用している。
なお、釜2Aは、図2では一体の部材として描いているが、複数の部材が着脱可能に連結された構成としてもよい。例えば、円筒部と底面部とをボルト・ナットなどによって着脱可能に連結した構成してもよい。この場合、円筒部や底面部を取り外して清掃したり、必要に応じて交換したりすることが容易になる。
【0019】
釜2Aの内部は、図2に示すように、底面2a(熱分解槽の内面)と、底面2aの外周から底面2aに直交する方向に延ばされた円筒状の内側面2b(熱分解槽の内面)とにより構成される。
【0020】
上蓋部2Bは、釜2Aの開口を覆って密閉する部材である。本実施形態の上蓋部2Bは、一端側が釜2Aの内側面2bの内径に等しい円開口を有するドーム形状を有し、円開口の外周部に釜2Aのフランジ2cに密着できるフランジ2dが設けられている。
上蓋部2Bの円開口と対向する天面2eの中心部には、熱分解槽2の内部で発生する熱処理生成ガスG1を熱分解槽2の外部に排出するため、両端部に開口を有する円筒状のパイプからなるガス排出管路6がその一端を貫入させた状態で固定されている。
本実施形態では、ガス排出管路6の固定位置は回転軸線Oと同軸となる位置に設定される。
ガス排出管路6における熱分解槽2の外側の端部は、図1に示すように、回転継手部13を介して固定側管路16と連結されている。
回転継手部13は、熱分解槽2の回転に伴ってガス排出管路6が回転する際に、ガス排出管路6と固定側管路16との連通状態を保つ回転ジョイントからなる。
固定側管路16は、少なくとも回転継手部13と連結される端部の位置が調整可能に設けられており、これにより、回転軸線Oの傾斜角が変更されても、回転継手部13との連結を保つことができるようになっている。
【0021】
このような構成により、釜2Aおよび上蓋部2Bを連結して密閉空間を形成した状態では、熱分解槽2の内部と固定側管路16とが、ガス排出管路6および回転継手部13を介して連通される。このため、熱分解槽2の内部で発生する熱処理生成ガスGは、熱分解槽2が回転されている状態であっても固定側管路16に導かれる。
また、固定側管路16には、回転継手部13、ガス排出管路6を通し、熱分解槽2の内部の温度やガス濃度などを測定する測定部14が設けられている。
なお、特に図示していないが、上蓋部2Bには、熱分解中に酸化が起こるのを防止するために不活性ガスを導入する不活性ガス供給配管などが設けられていてもよい。
【0022】
回転支持部5の構成は、図2、3に示すように、回転板7と、軸受8(図2参照)を介して回転板7をその中心軸回りに回転可能に保持する支持板9とを備え、全体として略円板形状に設けられた組立体である。
また、回転支持部5は、熱分解槽支持部材3の支持面3aに対する斜め上方向において支持面3aと対向する位置に配置されている。また、回転支持部5は、本実施形態では、支持板9が回転支持板3cに軸支されて水平軸線H回りに回動可能に支持されるとともに、後述する傾斜角変更手段12A、12Bによって、水平軸線H回りの回動角を可変できるようになっている。
【0023】
回転板7は、熱分解槽2の上蓋部2Bより大径、かつ熱分解槽2のフランジ2c、2dより小径の貫通孔7aを中心部に有し、軸受8の内輪部が固定された略円筒状の外周面7dを備える略円環状部材である。
貫通孔7aの外縁部には、回転板上面7e側から、熱分解槽2のフランジ2c、2dを外嵌する円筒穴である保持穴7bが形成されている。保持穴7bの底部には、フランジ2dを当接させて下方側から受けるフランジ受け面7cが形成されている。
熱分解槽2のフランジ2dとフランジ受け面7cとは、フランジ受け面7cに受けられた熱分解槽2が回転板7と一体になって回転できるように少なくとも回転の周方向に係合されていればよい。本実施形態では、図示のボルトなどの固定部材によってフランジ2cをフランジ受け面7cに固定しているが、フランジ受け面7cとフランジ2cとにそれぞれピンと孔、または凹部と凸部などからなる係合構造を設けて、周方向の位置を固定するだけでもよい。
このような構成により、回転板7に係合された熱分解槽2は、回転板7と一体に回転されるため、回転板7の回転軸線は熱分解槽2の回転における回転軸線Oを構成している。
【0024】
支持板9は、回転板7の外周面7dより大径の支持孔部9bを中心部に有する略円環状の板部材である。支持板9の外周側の側面には、1つの直径方向に沿って径方向外側に延出された1対の回動軸9aが設けられている。この1対の回動軸9aは、回転支持板3cの各軸受3dにそれぞれ軸支されている。
これにより、支持板9は、支持板下面9dを支持面3aに対向させ、支持板上面9cを斜め上方向に向けた状態で、熱分解槽支持部材3に回動可能に取り付けられている。また、支持板9の回動中心は水平軸線Hと一致されている。
【0025】
傾斜角変更手段12A、12Bは、本実施形態では、支持面3aに直交する方向に進退するアクチュエータからなり、それぞれの下端が支持面3aの上端側、下端側に固定され、それぞれの先端が支持板下面9dに連結されている。本実施形態では、傾斜角変更手段12A、12Bの先端の連結位置は、水平軸線Hと直交する径方向における支持板下面9dの外縁部に設定されている。
傾斜角変更手段12A、12Bの進退量は、支持板9を水平軸線H回りに回動させることができるように、不図示の制御手段によって協調して制御されている。
このため、傾斜角変更手段12A、12Bは回転支持部5に取り付けられた熱分解槽2の回転軸線Oの鉛直軸に対する傾斜角を変化させることができるようになっている。
【0026】
回転駆動部11A、11Bは、いずれも、支持板上面9c上に固定されモータ軸が回転板7の径方向に沿って延ばされた駆動モータ11bと、駆動モータ11bのモータ軸に固定され、回転板7の回転板上面7e上に当接された駆動ローラ11aとからなり、駆動ローラ11aの回転方向および回転速度は互いに合わせられている。
駆動ローラ11aは、例えば、ゴムタイヤなどからなり、回転板上面7eを摩擦駆動できるようになっている。
このため、各駆動ローラ11aと回転板上面7eとの接触位置では、各駆動ローラ11aが回転されると、駆動ローラ11aから回転駆動力が回転板上面7eに作用し、回転板7を一定方向、例えば、図3における図示時計回り方向に回転させるようになっている。
支持板上面9c上の周方向における回転駆動部11A、11Bの取り付け位置は、特に限定されないが、本実施形態ではそれぞれ支持板9を挟んで傾斜角変更手段12A、12Bと対向する位置に設定されている。
【0027】
加熱部4は、本実施形態では、図3に示すように、熱分解槽支持部材3の穴部3bに収容された有底円筒状の伝熱体の内部に不図示のヒータが埋め込まれた構成を採用している。ヒータ温度は、測定部14で測定された熱分解槽2の内部の温度に基づいて制御されるようになっている。このヒータ温度の目標値は、廃プラスチック10の樹脂種類などに応じて、熱分解を効率的に進行させることができる適宜値に設定する。
本実施形態では、加熱部4のヒータは、加熱部4全体を略均一に加熱できるように設けている。
なお、加熱部4の具体的な構成は、伝熱体とヒータとを組合せた構成には限定されず、熱分解装置における従来周知の構成はいずれを採用してもよい。例えば、加熱バーナーが加熱部4の内周面に沿って配置された構成としてもよい。
【0028】
冷却装置17は、図1に示すように、熱分解処理装置1によって熱分解された廃プラスチック10から発生し、固定側管路16に導かれた熱処理生成ガスGを冷却して、熱処理生成ガスGが凝縮された生成油L、Lを外部に取り出すものであり、本実施形態では1次冷却塔17Aおよび2次冷却塔17Bを備える。
1次冷却塔17Aは、固定側管路16に接続された配管15aから熱処理生成ガスGを導入し、熱処理生成ガスGの相対的な高分子量の成分を凝縮させて生成油Lを取り出すものである。
2次冷却塔17Bは、1次冷却塔17Aによって生成油Lの成分が除去された熱処理生成ガスGを、1次冷却塔17Aに接続された配管15bから導入し、1次冷却塔17Aよりも低温で冷却してより低分子量の成分を凝縮させて生成油Lを取り出すものである。
1次冷却塔17A、2次冷却塔17Bによって凝縮されなかった熱処理生成ガスGのガス成分からなる熱処理生成ガスGは、配管15cを介して清浄集塵装置18に送出される。
【0029】
清浄集塵装置18は、配管15cから導入された熱処理生成ガスGに含まれる有害物質粒子などを除去するための装置であり、例えば、洗浄液からなる溜水中に熱処理生成ガスGをくぐらせる溜水式のスクラバーを採用することができる。ただし、清浄集塵装置18は溜水式スクラバーには限定されず、必要に応じて他方式のスクラバーを採用してもよい。また、溜水式スクランバーと他方式のスクラバーと組み合わせて構成してもよい。
有害物質粒子などが除去された後の熱処理生成ガスGは、配管15dを介して排ガス燃焼装置19に送出される。
【0030】
排ガス燃焼装置19は、配管15dから導入された熱処理生成ガスGを燃焼させて、熱処理生成ガスGに残存する有害ガス成分を燃焼し、これにより無害化された排気ガスGを、排ガス排出管路20を通して大気中に排出するものである。
【0031】
次に、本実施形態の熱分解処理装置1の動作について説明する。廃プラスチック10の熱分解をバッチ処理する場合の例で説明する。
熱分解処理装置1を用いて、廃プラスチック10を熱分解するには、まず熱分解処理装置1から取り外された状態の釜2Aに一定量の廃プラスチック10を投入して、釜2Aの開口を上蓋部2Bによって閉止し、それぞれのフランジ2c、2dを連結部材21によって連結する。
【0032】
次に、この熱分解槽2を不図示の移載ロボットなどによって移動し、熱分解処理装置1の回転板7に取り付ける。
すなわち、図2に示すように、釜2Aの底部を回転板7の貫通孔7a内に挿入し、さらにフランジ2c、2dを保持穴7b内に挿入して、フランジ2cをフランジ受け面7cに係合させる。本実施形態では不図示の固定部材によってフランジ2cをフランジ受け面7cに固定する。
これにより、熱分解槽2の中心軸線が保持穴7bの中心軸線と同軸に配置され、熱分解槽2の中心軸線が、回転板7の回転軸線である回転軸線Oと同軸に配置される。
次に、人手などによって、ガス排出管路6の端部を回転継手部13に連結する。
【0033】
図2では、予め傾斜角変更手段12A、12Bの進出高さを揃えているため、回転軸線Oは、加熱部4の中心軸線と同軸となっている。ただし、本実施形態では、加熱部4の収容穴4aの内周面は、釜2Aとの間に隙間が形成される大きさを有しているため、傾斜角変更手段12A、12Bを駆動すれば、釜2Aと収容穴4aとがぶつからない範囲内で回転支持部5の傾きを変更することができる。すなわち、回転軸線Oの鉛直軸に対する傾斜角を変更することができる。
いずれにしても、熱分解槽2の中心軸線は、鉛直軸に対して傾斜された回転軸線Oに沿って、斜めに傾いた状態で保持される。
このため、熱分解槽2に投入された廃プラスチック10は、図2に実線で記載するように、重力にしたがって釜2A内の下方に移動して、廃プラスチック10の上面が略水平面に沿う状態に堆積される。
【0034】
次に、加熱部4による加熱を開始する。ただし、内部雰囲気を不活性ガスに置換する必要がある場合には、加熱に先立って、不図示の不活性ガス供給管路から不活性ガスを導入し、熱分解槽2の内部を不活性ガスに置換しておく。
加熱部4の加熱温度は、従来と同様、廃プラスチック10に含まれる樹脂材料の種類に応じて、熱分解槽2の温度が熱処理生成ガスGを発生させやすい温度に設定する。
例えば、廃プラスチック10が主としてポリカーボネート系の樹脂を含む場合には、熱分解槽2の内部が350℃になるように加熱部4の加熱温度を設定しておく。
【0035】
また、加熱の開始とともに、回転駆動部11A、11Bを駆動して、回転板7を回転軸線O回りに回転させる。これにより、回転板7に係合された熱分解槽2が回転軸線O回りに回転される。
釜2A内の廃プラスチック10は、釜2Aの回転とともに上方側に搬送されるが、固体状態では、図2に示す廃プラスチック固形分10Aのように自重によって下側に落下して下側の堆積体に混ざっていく。
また、加熱が進むと、廃プラスチック10に含まれる樹脂材料が軟化、溶融され、次第に集合して塊状に変形し粘性流動体が形成される。粘性流動体となった廃プラスチック10は、図2に二点鎖線で示すように、粘性によって、ある程度上側に回転搬送されてから自重によって下側に落下または逆流して、下側の廃プラスチック10と混ざっていく。
このようにして、熱分解槽2の回転が継続されることで、釜2A内で、廃プラスチック10が攪拌されつつ、加熱部4の加熱温度まで加熱されていく。そして、熱分解され低分子量となった樹脂成分が気化して熱処理生成ガスGが発生する。
【0036】
このように廃プラスチック10が攪拌されることによって、廃プラスチック10の温度分布の偏りが低減され、部分的な炭化が進みにくくなる。このため、コーキングや残渣の発生を抑制あるいは遅延させることができる。
また、熱分解中の廃プラスチック10の温度分布が均質化される。これにより、廃プラスチック10の全体から効率よく熱処理生成ガスGを発生させることができる。
【0037】
熱分解槽2の内部に充満した熱処理生成ガスGは、ガス排出管路6を通して回転継手部13で連結された固定側管路16に導かれ、配管15aを通して、冷却装置17に導かれる。
冷却装置17では、まず1次冷却塔17Aにおいて、まず相対的な高分子量のガス成分が凝縮して油化され、生成油Lが取り出される。
また、生成油Lを除く熱処理生成ガスGは、配管15bを通して2次冷却塔17Bに導かれ、2次冷却塔17Bにおいて、より低分子量のガス成分が凝縮して油化され、生成油Lが取り出される。
また、生成油Lを除く熱処理生成ガスGは、配管15cを通して清浄集塵装置18に導かれて有害物質粒子が除去され、熱処理生成ガスGとして排ガス燃焼装置19に導かれる。
排ガス燃焼装置19では、熱処理生成ガスGが燃焼され、有毒なガス成分が除去された排気ガスGとして、排ガス排出管路20から排出される。
【0038】
このようにして、熱分解槽2の内部に投入された廃プラスチック10から熱処理生成ガスGの成分が抜けきり、高分子量を有する樹脂成分が粘度の高い流体や炭化物などの残渣に変化するまで熱分解処理を行う。これにより1バッチ分の廃プラスチック10の熱分解処理を終了する。
他のバッチの廃プラスチック10を熱分解する場合には、熱分解槽2を熱分解処理装置1から取り外し、必要に応じて釜2A内の残渣等を除去してから、上記を繰り返す。
【0039】
このように、熱分解処理装置1では、釜2Aの内部で攪拌羽根を回転させたりすることなく、廃プラスチック10と釜2Aとの相対運動のみによって、廃プラスチック10の攪拌が行われる。このため、釜2A内にコーキングや残渣が発生しても、攪拌能力が低下したり、攪拌羽根に固着して攪拌ができなくなったりすることもない。この結果、廃プラスチック10の攪拌と熱分解とを安定して続けることができる。
【0040】
[第1変形例]
次に本実施形態の第1変形例の熱分解処理装置1Aについて説明する。
図4は、本発明の実施形態の第1変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのB−B断面図である。
【0041】
本変形例の熱分解処理装置1Aは、図1に示すように、上記実施形態の熱分解処理装置1の熱分解槽2における釜2Aに代えて、攪拌部材付き釜30Bを備える。
攪拌部材付き釜30Bは、図4(a)、(b)に示すように、上記実施形態の釜2Aの底面2aの中心部に、放射状羽根31を設けたものである。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0042】
放射状羽根31は、底面2aの中心位置に立設され釜2Aの深さ方向の中間部まで延ばされた支柱31aと、直角三角形の形状を有し斜辺を除く2辺がそれぞれ支柱31aの側面と底面2aとに固定された三角羽根板31bとからなる。
本変形例では、三角羽根板31bは、支柱31aから径方向に沿う放射状に延ばされた4枚が、周方向を等分する位置に設けられている。ただし、放射状羽根31の枚数は4枚には限定されず、1枚以上の適宜枚数を採用することができる。また、三角羽根板31bの放射状の配置は、径方向に沿う放射状には限定されず、径方向に対して斜めに交差する放射状であってもよい。
【0043】
このような三角羽根板31bは、板状の羽根部材であって、熱分解槽2の内面に、熱分解槽2の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する攪拌突起を構成している。ここで面状部は三角羽根板31bの表裏の板面に対応する。
【0044】
本変形例の熱分解処理装置1Aによれば、上記実施形態と同様にして熱分解槽2が回転されると、攪拌部材付き釜30B内の放射状羽根31も回転される。このため、熱分解槽2に投入された廃プラスチック10が、放射状羽根31の回転によっても攪拌される。この結果、上記実施形態に比べて廃プラスチック10に対する攪拌性能が向上される。
また、攪拌部材付き釜30Bでは、放射状羽根31は釜2Aに固定されており、回転中に他の可動部材が近接することはない。このため、放射状羽根31の表面にコーキングが発生したり残渣が付着したりしても、攪拌能力はほとんど変わることなく、また攪拌ができなくなることもない。この結果、廃プラスチック10の攪拌と熱分解とを安定して続けることができる。
【0045】
[第2変形例]
次に本実施形態の第2変形例の熱分解処理装置1Bについて説明する。
図5は、本発明の実施形態の第2変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのC−C断面図である。
【0046】
本変形例の熱分解処理装置1Bは、図1に示すように、上記第1変形例の攪拌部材付き釜30Bに代えて、攪拌部材付き釜32Bを備える。
攪拌部材付き釜32Bは、図5(a)、(b)に示すように、上記第1変形例の放射状羽根31に代えて、三角羽根板33を備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
三角羽根板33は、直角三角形の形状を有し斜辺を除く2辺がそれぞれ内側面2bと底面2aとに固定されたものである。
本変形例では、三角羽根板33は、内側面2bから径方向に沿う放射状に延ばされた4枚が、周方向を等分する位置に設けられている。ただし、三角羽根板33の枚数は4枚には限定されず、1枚以上の適宜枚数を採用することができる。また、三角羽根板33の放射状の配置は、径方向に沿う放射状には限定されず、径方向に対して斜めに交差する放射状であってもよい。
【0048】
このように本変形例は、上記第1変形例の三角羽根板31bと同様の形状を有する三角羽根板33を釜2Aの底面2aの周縁部および内側面2bの下端部に設けた例になっている。
また、三角羽根板33は、放射状羽根31と同様、板状の羽根部材であって、熱分解槽2の内面に、熱分解槽2の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する攪拌突起を構成している。ここで面状部は三角羽根板33の表裏の板面に対応する。
【0049】
本変形例の熱分解処理装置1Bによれば、上記実施形態と同様にして熱分解槽2が回転されると、攪拌部材付き釜32B内の各三角羽根板33も回転される。このため、熱分解槽2に投入された廃プラスチック10が、三角羽根板33の回転によっても攪拌される。この結果、本変形例では、上記実施形態に比べて廃プラスチック10に対する攪拌性能が向上される。
【0050】
[第3変形例]
次に本実施形態の第3変形例の熱分解処理装置1Cについて説明する。
図6は、本発明の実施形態の第2変形例に係る熱分解処理装置の主要部の模式的な平面図およびそのD−D断面図である。
【0051】
本変形例の熱分解処理装置1Cは、図1に示すように、上記第2変形例の攪拌部材付き釜32Bに代えて、攪拌部材付き釜34Bを備える。
攪拌部材付き釜34Bは、図6(a)、(b)に示すように、上記第2変形例の三角羽根板33に代えて、矩形羽根板35を備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
矩形羽根板35は、矩形形状を有し、一辺が底面2a上に固定されて立設されたものである。また、矩形羽根板35は、上記第2変形例の三角羽根板33とは異なり、内側面2bとは固定されておらず、矩形羽根板35の端部と内側面2bとの間には隙間が設けられている。
本変形例では、矩形羽根板35は、径方向に沿う放射状に延ばされた4枚が、周方向を等分する位置に設けられている。ただし、矩形羽根板35の枚数は4枚には限定されず、1枚以上の適宜枚数を採用することができる。また、矩形羽根板35の放射状の配置は、径方向に沿う放射状には限定されず、径方向に対して斜めに交差する放射状であってもよい。
【0053】
このように本変形例は、上記第2変形例の三角羽根板31bの形状を矩形状に変更し、さらに径方向の端部を内側面2bから離間させた例になっている。
また、矩形羽根板35は、板状の羽根部材であって、熱分解槽2の内面に、熱分解槽2の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する攪拌突起を構成している。ここで面状部は矩形羽根板35の表裏の板面に対応する。
【0054】
本変形例の熱分解処理装置1Cによれば、上記実施形態と同様にして熱分解槽2が回転されると、攪拌部材付き釜32C内の各矩形羽根板35も回転される。このため、熱分解槽2に投入された廃プラスチック10が、矩形羽根板35の回転によっても攪拌される。この結果、本変形例では、上記実施形態に比べて廃プラスチック10に対する攪拌性能が向上される。
【0055】
なお、上記の説明では、回転軸線Oの傾斜角を傾斜角変更手段12A、12Bによって変更できるようにした場合の例で説明したが、回転軸線Oの傾斜角は、例えば予備実験などを行って、廃プラスチック10の材質や分量に応じて攪拌効率が良好となり、油化収率が大きくなる角度に設定すればよい。
また、回転軸線Oの傾斜角の大きさがあまり油化収率が変わらない場合には、傾斜角を固定した構成としてもよい。すなわち、傾斜角変更手段12A、12Bは固定長の支持部材等に置き換えた構成としてもよい。
【0056】
また、上記の各変形例の説明では、攪拌突起が板状の羽根部材からなる場合の例で説明したが、攪拌突起は、熱分解槽の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する突起部であれば、板状の突起には限定されない。例えば、C字状、J字状断面などを有する翼型の突起や、円柱状、角柱状、山形状などの種々の形状を有する突起を採用することができる。
また、攪拌突起の配置位置は放射状には限定されず、例えば、格子状、千鳥状であってもよく、特に規則性を有しない配置を採用してもよい。
【0057】
また、上記の各変形例の説明では、攪拌突起が、少なくとも熱分解槽の内面のうち底面に設けられている場合の例で説明したが、熱分解槽の内側面に設けられている構成としてもよい。
また、板状の羽根部材は、放射状に配置されている場合の例で説明したが、例えば、熱分解槽の内周面に螺旋状に設けられていてもよい。
【0058】
また、上記の説明では、熱分解槽2の釜2Aが有底円筒状の形状を有する場合の例で説明したが、熱分解槽2は、多角形断面を有する筒状に設けられていてもよい。この場合、筒の内側面の形状が、回転方向に沿う凹凸部を形成するため、攪拌突起が設けられたのと同様な作用を有する。
【0059】
また、上記の説明では、加熱部4が熱分解槽2の全体を略均一に加熱する場合の例で説明した。ただし、斜めに配置された熱分解槽2の内部では、廃プラスチック10は重力にしたがって下側に移動していくため、熱分解槽2の配置状態における下面側から加熱できるようになっていればよい。すなわち、加熱部4は、熱分解槽2の下面側を中心に加熱するようにヒータを配向してもよい。
この場合、釜2Aが回転して上側に移動するにつれて、釜2Aの内面に付着した廃プラスチック10の流動体が相対的に冷却されて、粘度が高まるため、廃プラスチック10が常に低粘度になる場合に比べて、攪拌効率を高めることができる。
【0060】
また、上記の実施形態、各変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり削除したりして実施することができる。
【実施例】
【0061】
次に、熱分解処理装置1を用いた廃プラスチック10の熱分解処理を行った実施例について、比較例とともに説明する。
【0062】
[実施例]
実施例に用いる廃プラスチック10としては、ガラスフィラー30wt%入りのポリカーボネート50kgを用いた。なお、ポリカーボネートは難油化性材料であるため、収率を向上させるために溶媒を添加した。
具体的には、ポリカーボネートとともに、溶媒であるエチレングリコール25kg、クレゾール25kg、水酸化ナトリウム1kgを熱分解槽2内に投入した。
加熱部4による加熱は、5℃/minで昇温させ、熱分解槽2の内部の温度が350℃に到達してから、350℃を保った状態で、2時間の熱分解処理を行った。
また熱分解槽2の回転速度は、20rpmとした。
このような熱分解処理を行う間、熱分解槽2の内部には、熱処理生成ガスGが抜けた後の残渣が形成されていったが、熱分解槽2の回転に支障はなく、このため、廃プラスチック10の攪拌が停止されることはなかった。
熱分解終了後、次のバッチの廃プラスチック10を熱分解処理するため、熱分解槽2を熱分解処理装置1から取り外し、釜2Aの内部を清掃した。この清掃には1時間を要した。
この熱分解処理においては、350℃の加熱開始から1時間経過後に得られた生成油量は、合計72.4kgであった。また、2時間経過後(熱分解処理完了時)の生成油量は78kgであった。このため、油化収率は80%となった。
ここで、油化収率は、溶媒の回収率を100%とし、ガラスフィラーの除く樹脂成分に対する生成油の回収量の比から計算した。(0.8={78−(25×2)}/{(1−0.3)×50})
【0063】
[比較例]
比較例は、熱分解処理装置として、熱分解槽の内部に攪拌機を備えたものを用いて熱分解処理を行った点のみが実施例と異なる。その他の加熱条件や、廃プラスチック10、溶媒の種類、量は、実施例とまったく同様である。
攪拌機は、熱分解槽の底面に沿って旋回する回転羽根を採用した。
比較例では、廃プラスチック10および溶媒を熱分解槽に投入して加熱を開始し、加熱温度が350℃に到達してから攪拌機を動作させた。攪拌機の動作開始から1時間経過したところで、コーキングが発生し、攪拌機が停止した。
このため、熱分解処理を続行することができず、熱分解槽の分解清掃を行った。この分解清掃には4時間を要した。
この熱分解処理においては、350℃の加熱開始から1時間経過後に得られた生成油量は、合計71kgであった。このため、油化収率は60%となった。
【0064】
このように、比較例では、コーキングの発生によって、熱分解処理が1時間しか継続できなかったため、1バッチ当たりの油化収率は、実施例の方が20%高くなった。
また、熱分解槽の清掃も、比較例に比べて短時間で行うことができた。
また、熱分解処理が1時間経過した時点で比較しても、実施例の生成油量が1.4kgも多く、同一時間当たりの油化収率でも上回る結果となった。
この結果によれば、回転羽根を用いた攪拌機による攪拌の効果に比べて、熱分解槽2を回転させることによる攪拌の効果の方が優れていることが分かる。
【符号の説明】
【0065】
1、1A、1B、1C 熱分解処理装置
2 熱分解槽
2A、30B、32B、34B 釜
2a 底面(熱分解槽の内面)
2b 内側面(熱分解槽の内面)
2c、2d フランジ
3 熱分解槽支持部材
3c 回転支持板
3d 軸受
4 加熱部
5 回転支持部
6 ガス排出管路
7 回転板
8 軸受
9 支持板
9a 回動軸
H 水平軸線
O 回転軸線
10 廃プラスチック
10A 廃プラスチック固形分
11A、11B 回転駆動部
12A、12B 傾斜角変更手段
13 回転継手部
14 測定部
17 冷却装置
18 清浄集塵装置
19 排ガス燃焼装置
31 放射状羽根
31b、33 三角羽根板(板状の羽根部材、攪拌突起)
35 矩形羽根板(板状の羽根部材、攪拌突起)
、G、G 熱処理生成ガス
、L 生成油
100 廃プラスチック油化システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解させるため廃プラスチックを収容する熱分解槽と、
該熱分解槽を鉛直軸に対して傾斜された回転軸線を中心に回転させる回転駆動部と、
前記熱分解槽を少なくとも下面側から加熱する加熱部と、
を備えることを特徴とする廃プラスチックの熱分解処理装置。
【請求項2】
前記回転軸線の傾斜角を変化させる傾斜角変更手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの熱分解処理装置。
【請求項3】
前記熱分解槽の内面に、前記熱分解槽の回転の周方向と交差するように設けられた面状部を有する攪拌突起を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の廃プラスチックの熱分解処理装置。
【請求項4】
前記攪拌突起は板状の羽根部材からなることを特徴とする請求項3に記載の廃プラスチックの熱分解処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の廃プラスチックの熱分解処理装置を備えたことを特徴とする廃プラスチック油化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−256216(P2011−256216A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129160(P2010−129160)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】