説明

廃蛍光管の処理装置および処理方法

【課題】作業環境を汚染することなく、高い生産性を持ち、且つ、リサイクルに適した、廃蛍光管の処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】廃蛍光管が投入され、当該投入された廃蛍光管を外気と遮断した状態で収納する投入部と、当該投入部から、収納された廃蛍光管が外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該投入された廃蛍光管を破砕する破砕部と、当該破砕された廃蛍光管が、前記外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該破砕された廃蛍光管を外気と遮断した状態で収納する排出部とを、有する破砕装置であって、当該投入部と、当該排出部とは、当該破砕部に着脱自在であることを特徴とする廃蛍光管の処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃蛍光管の処理装置および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃蛍光管の処理方法として破砕処理が用いられてきた。これは、廃蛍光管を破砕処理することで、当該廃蛍光管を非常に細かく剪断でき、当該廃蛍光管の構成物であるガラスと蛍光体(水銀等も含み)との分離を促すことが出来るからである。さらに、当該廃蛍光管を細かく剪断することで、被処理物の嵩も減らすことが出来るメリットもある。
近年は、マテリアルリサイクルが盛んになり、被処理後の廃蛍光管から蛍光体(水銀等も含み)等を回収する技術が開発された。その結果、廃蛍光管の被処理物は、当該マテリアルリサイクルの原料として用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、廃蛍光管の処理装置として、投入シュータの上面にセンサ、吸引機および閉開の自在の安全シャッターを備え、破砕羽根により廃蛍光管を破砕処理する構成を有し、ドラム缶の上部に設置される廃蛍光管破砕機が開示されている。
【0004】
一方、廃蛍光管には、照明用蛍光管の他に、液晶TVやパソコンの液晶パネルにバックライトとして用いられる蛍光管がある。近年における液晶TVやパソコンの普及に伴い、廃棄処理におけるマテリアルリサイクルを重視する観点からも、この液晶パネル用廃蛍光管の蛍光体等(水銀等も含み)も回収が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−99712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、特許文献1に記載の廃蛍光管破砕機について検討した。すると、当該廃蛍光管破砕機では、廃蛍光管投入時のシャッターの開閉時や、廃蛍光管破砕終了後におけるドラム缶の開放時に、処理時の雰囲気や粉塵が漏れる可能性があることが判明した。当該処理時の雰囲気には廃蛍光管由来の水銀等が含有され、当該粉塵には廃蛍光管由来の蛍光体が含有されていることから、これらの漏出は作業環境を始めとする環境保全の観点からも問題である。
【0007】
一方、液晶技術の進歩により、従来の照明用蛍光管加え、液晶パネル内の蛍光管使用が飛躍的に増加した。一般的に、液晶パネル内の蛍光管は、アルミまたは鉄製のランプホルダに装着されている。ここで、本発明者等の検討によると、当該液晶パネルから、蛍光管が装着された状態のランプホルダを手解体により取り出すことは比較的容易である。しかし、蛍光管が装着された状態のランプホルダから廃蛍光管を取り出すことは容易でない。これは、液晶パネル用廃蛍光管が、径は数mmであるのに長さは数100mm以上あり、且つ、ガラス肉厚が薄く、機械的に非常に脆い為である。
【0008】
この為、例えば、上述した特許文献1に記載された廃蛍光管破砕機を、投入口の改造等により液晶パネル用廃蛍光管に適用しようとした場合、上述したランプホルダから廃蛍光管を取り外す際に、廃蛍光管を破損してしまう可能性が高い。当該廃蛍光管の破損は蛍光体の拡散を招き、作業環境を汚染し好ましくない。だからといって、当該廃蛍光管を破損しないようにランプホルダから取り外す為には、非常に繊細な作業が必要で、生産性を上
げることが出来ない。
【0009】
本発明は、上述の状況の下で成されたものであり、その解決しようとする課題は、作業環境を汚染することなく、高い生産性を持ち、且つ、マテリアルリサイクルに適した、廃蛍光管の処理装置および処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決する為、本発明者等は鋭意研究を行った。その結果、当該廃蛍光管の処理装置および処理方法を、投入、破砕、排出の3段階と考え、当該破砕、排出段階において廃蛍光管を外気から遮断した状態とし、当該外気から遮断した状態を保ったまま廃蛍光管の破砕処理を実施し、さらに当該外気から遮断した状態を保ったまま当該廃蛍光管の破砕処理物の排出、運搬を行えば、処理時の雰囲気や粉塵が環境へ漏出することを回避できることに想到した。
【0011】
また、本発明者等は液晶パネル用廃蛍光管の処理方法について鋭意研究を行った。その結果、ランプホルダから蛍光管取り外すことなく、当該廃蛍光管を処理出来るのではないかという画期的な発想の転換をおこなった。
しかし、例えば、特許文献1に記載された廃蛍光管破砕機へ、ランプホルダごと廃蛍光管を投入した場合、廃蛍光管に比較して遙かに機械的強度の高いランプホルダを破砕するために、大量のエネルギーが必要となる上、廃蛍光管破砕機の寿命も短くなり、さらに、被処理物においては、蛍光体、ガラス片、ランプホルダを構成していた金属片等が混在し、後工程であるマテリアルリサイクル処理の生産性を低下させるものであった。
【0012】
ここで、本発明者等はさらに研究を行った。そして、ランプホルダに取り付けられた蛍光管において、当該廃蛍光管のみを押圧または衝撃により処理し、当該ランプホルダには殆ど損傷を加えないという画期的な処理方法に想到し、本発明を完成した。
【0013】
即ち、上述の課題を解決する第1の発明は、
廃蛍光管が投入され、当該廃蛍光管を収納する投入部と、
当該投入部から、収納された廃蛍光管が外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該投入された廃蛍光管を破砕する破砕部と、
当該破砕された廃蛍光管が、前記外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該破砕された廃蛍光管を外気と遮断した状態で収納する排出部とを、有する破砕装置であって、
当該投入部と、当該排出部とは、当該破砕部に着脱自在であることを特徴とする廃蛍光管の処理装置である。
【0014】
第2の発明は、
前記破砕部または前記排出部の少なくとも一方に、当該破砕部内または排出部部内の雰囲気を吸引し、当該雰囲気に含まれる粉塵とガスとを分離して粉塵を回収し、ガスを吸引元の排出部部内に戻すことを特徴とする第1の発明に記載の廃蛍光管の処理装置である。
【0015】
第3の発明は、
前記投入部と前記破砕部との間、および、前記破砕部と前記排出部との間に、開閉自在のシャッターを配置したことを特徴とする第1または第2の発明に記載の廃蛍光管の処理装置である。
【0016】
第4の発明は、
前記破砕部が、廃蛍光管へ押圧または衝撃を加えて破砕するものであることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置である。
【0017】
第5の発明は、
第1から第4の発明のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用い、
廃蛍光管を密閉された投入部に収納する工程と、
当該投入部に収納された廃蛍光管を、外気遮断状態で破砕部に投入して破砕する工程と、
当該破砕された廃蛍光管を、外気遮断状態で排出部へ収納する工程とを、有することを特徴とする廃蛍光管の処理方法である。
【0018】
第6の発明は、
前記廃蛍光管の破砕物が収納された排出部を、前記破砕部から脱離した後、
当該排出部部内の雰囲気を吸引し、当該雰囲気に含まれる粉塵とガスとを分離して粉塵を回収し、ガスを吸引元の排出部部内に戻すことを特徴とする第5の発明に記載の廃蛍光管の処理方法である。
【0019】
第7の発明は、
第1から第4の発明のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用い、前記廃蛍光管として、液晶パネル用廃蛍光管を用いる廃蛍光管の処理方法であって、
当該廃蛍光管を当該液晶パネルのランプホルダに装着したまま、押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕し、当該廃蛍光管を構成していた部材と、当該ランプホルダとを回収することを特徴とする廃蛍光管の処理方法である。
【0020】
第8の発明は、
前記廃蛍光管を装着したままのランプホルダを、外気と遮断した状態とし、当該外気との遮断状態を保ったまま、押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕することを特徴とする第7の発明に記載の廃蛍光管の処理方法である。
【0021】
第9の発明は、
前記押圧が、プレス圧であることを特徴とする第7または第8の発明に記載の廃蛍光管の処理方法である。
【0022】
第10の発明は、
前記液晶パネルが、当該液晶画面の対角長が20インチ以上の液晶パネルであることを特徴とする第7から第9のいずれかの発明に記載の廃蛍光管の処理方法である。
【0023】
第11の発明は、
前記廃蛍光管を装着したままのランプホルダとして、液晶パネルを分解し回収されたアセンブリ組部品を用いることを特徴とする第7から第10のいずれかの発明に記載の廃蛍光管の処理方法である。
【0024】
第12の発明は、
第1から第4の発明のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用いて廃蛍光管の処理を行うにあたり、
1個またはそれ以上の投入部と排出部とを準備し、当該投入部を、廃蛍光管の発生地や集積地に運搬して廃蛍光管を投入して貯蔵し、さらに、破砕部のところまで運搬して、当該破砕部にて当該廃蛍光管を破砕し、排出部へ投入し貯蔵し、さらに、当該排出部を後工程の処理装置の所在地に運搬することで、廃蛍光管の破砕物を外気から遮断された状態で破砕、貯蔵、および運搬することを特徴とする廃蛍光管の処理方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、廃蛍光管を、作業環境を汚染することなく、高い生産性を持ちながら
、且つ、リサイクルに適したかたちで、粉砕処理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(1)廃蛍光管の処理装置
本発明に係る廃蛍光管の処理装置は、投入部、破砕部、および排出部を有している。
投入部は、廃蛍光管が投入され、当該投入された廃蛍光管を貯蔵し、必要に応じて運搬するための部であり、開閉自在な投入排出口を有している。
破砕部は、外気と遮断した状態を保ったまま、廃蛍光管へ押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕する部である。具体的には、上部に密閉性をもって開閉自在な投入口を有し、下部に密閉性をもって開閉自在な排出口を有している。さらに当該排出部および/または後述する排出部には、当該破砕部内または排出部内の雰囲気を吸引し、当該雰囲気に含まれる粉塵や水銀とガスとを分離して、粉塵や水銀を回収し、ガスを吸引元の破砕部内または排出部部内に戻すフィルターと送風装置とが装着されている。
排出部は、当該破砕された廃蛍光管が、外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該破砕された廃蛍光管が、外気と遮断した状態を保ったまま収納、必要により運搬される部であり、密閉性をもって開閉自在な投入排出口を有している。
【0027】
当該投入部および排出部の投入排出口と、破砕部の上部の投入口、下部の排出口との開閉時期を適宜調整することで、当該投入部および排出部は、外気と遮断した状態を保ったまま当該破砕部に着脱自在である。特に、当該投入部および排出部の投入排出口は、投入排出口の閉口時に、パッキン等により内部の収納物(粉)が漏れないようにしてある。具体的には、前記破砕部と前記排出部との間に、開閉自在のシャッターを配置したことで、破砕部の投入口および排出口に機密を保ったまま着脱可能となっている。
【0028】
当該投入部および排出部を構成する容器としては、コンテナを改造した容器を用いるとよい。コンテナであれば密閉性に優れ、市販されており製造コストが安価となる。
さらにコンテナであれば、上述したフィルターと送風装置とを容易に配置出来る。
【0029】
本発明に係る廃蛍光管の処理装置の破砕部は、投入された廃蛍光管へ押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕する構成を有している。これに対し、例えば、特許文献1に記載の廃蛍光管破砕機は、回転する破砕羽根によって廃蛍光管を破砕する構成を有している。
被処理対象の廃蛍光管が一般の照明に用いられる直管、円形管等の廃蛍光管であれば、特許文献1に記載の回転する破砕羽根によっても、廃蛍光管を破砕することが出来る。しかし、本発明においては、後述するように廃蛍光管として、一般の照明に用いられる直管、円形管等の廃蛍光管、および、液晶パネルに用いられている廃蛍光管を被処理対象と考えている。そして、液晶パネルに用いられている廃蛍光管を被処理対象とした場合、やはり後述する理由により、当該廃蛍光管へ押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕することにより、高い生産性をもって当該廃蛍光管を破砕することが出来た。
【0030】
ここで、押圧による破砕とは例えばプレス圧による破砕であり、衝撃を加えての破砕とは例えばボールミルによる破砕である。
【0031】
(2)廃蛍光管
本発明に係る廃蛍光管の処理装置および処理方法の被処理対象となる廃蛍光管は、一般の照明に用いられる直管、円形管等の廃蛍光管、および、液晶パネルに用いられている廃蛍光管である。
【0032】
特に、被処理対象が液晶パネルに用いられている廃蛍光管である場合、ランプホルダに
装着された状態の廃蛍光管をそのまま処理可能である。
これは、液晶テレビ、パソコン等の液晶パネルを分解し、バックライトユニットを取り出す作業からの要請を満たすためである。当該バックライトユニットの取り出し作業は、手分解で容易に実施できる。次に、当該バックライトユニットを、ランプホルダに蛍光管が装着されたアセンブリ組部品の状態まで手解体する。ここ迄は、廃蛍光管がランプホルダに装着された状態であるので、ハンドリングが容易であり座屈による破損のおそれもない。また、ここまでの操作は生産性も高い。
【0033】
しかし、この後、蛍光管が装着された状態のランプホルダから廃蛍光管を取り出すことは容易でない。これは、上述したように、液晶パネル用廃蛍光管が、径は数mmであるのに長さは数100mm以上あり、且つ、ガラス肉厚が薄く、機械的に非常に脆い為である。従って、当該廃蛍光管を破損しないようにランプホルダから取り外す為には、非常に繊細な作業が必要で、生産性を上げることが出来ない。
【0034】
ここで、本発明は、アセンブリ組部品状態や、ランプホルダに装着された状態の廃蛍光管へ、押圧または衝撃を加えて、当該廃蛍光管を破砕するプレス処理により破砕する。これは、当該アセンブリ組部品やランプホルダが、アルミニウム材で構成され、蛍光管を支持する骨組みの形状となっていることによる。
【0035】
(3)廃蛍光管の処理方法
まず、廃蛍光管を投入部内に投入し、当該投入部の投入排出口を閉じる。ここで、当該廃蛍光管が液晶パネル用廃蛍光管である場合は、アセンブリ組部品状態や、ランプホルダに装着された状態の廃蛍光管を、当該投入部内に投入する。
【0036】
前記廃蛍光管が投入された状態の投入部を、破砕部の上部に設置し、投入部の投入排出口と、破砕部の上部の投入口とを合わせる。一方、当該破砕部の下部には、排出部の投入排出口と、破砕部の下部の排出口とを合わせる。そして、外気と遮断した状態を保ったまま、投入部の投入排出口と破砕部の投入口とに設けられたシャッターと、破砕部の排出口と排出部の投入排出口と破砕部の投入口とに設けられたシャッターとを開け、前記廃蛍光管を、破砕部内へ投入する。
尚、前記シャッターの開放に先行して、当該破砕部、および/または、予め当該破砕部の下部に外気を遮断する形で設置された排出部に設けられた、粉塵とガスとの分離装置を作動させておくことが好ましい。
【0037】
破砕部内へ投入された廃蛍光管は、押圧または衝撃を加えられて破砕される。ここで、押圧とは、具体的にはプレス圧等であり、衝撃とはボールミル等である。
廃蛍光管が、一般の照明に用いられる直管、円形管等の廃蛍光管である場合は、当該押圧または衝撃を加えられて、当該廃蛍光管を構成していた蛍光体、ガラス片、水銀を含む雰囲気等に破砕される。
一方、廃蛍光管が、アセンブリ組部品状態や、ランプホルダに装着された状態で投入される液晶パネル用廃蛍光管の場合は、当該ランプホルダが廃蛍光管の位置押さえの機能を発揮し、廃蛍光管のガラスのみが押圧または衝撃により、破断、破砕されることによる。一方、他のアセンブリ組部品やランプホルダの破損は、若干の変形に留めることができる。この結果、破砕後の後処理は、廃蛍光管の被処理物とランプホルダとが容易に分離可能であり、生産性が高い。
【0038】
押圧による液晶パネル用廃蛍光管の破砕について、さらに説明する。
液晶パネル用廃蛍光管への当該プレス圧の懸け方、即ち、プレスの圧力方向を、ランプホルダに対して様々な角度から与えることにより、破砕状態に変化をもたらすことが可能である。
具体的には、廃蛍光管が装着されたランプホルダを鉛直に配置し、ランプホルダの長手方向に沿うように、斜め下方にプレス圧を懸けるのが好ましい。当該方法でプレス圧をかけることにより、ランプホルダの変形にまかせて廃蛍光管が破砕される。
【0039】
破砕された廃蛍光管を構成していた蛍光体、ガラス片、および水銀を含む雰囲気、アセンブリ組部品やランプホルダ等は、自重で排出部に充填される。当該充填が完了したら、破砕部の排出口と排出部の投入排出口と破砕部の投入口とに設けられたシャッターを閉じ、破砕部と排出部とを分離する。この後、当該排出部は任意、且つ、容易に運搬可能であるので、当該運搬部に充填された廃蛍光管の被処理物を、さらに処理する後工程まで運搬すればよい。
上述した、一連の操作において、廃蛍光管の被処理物は、常に外気と遮断された状態にあるので、蛍光体や水銀蒸気が、環境中へ洩出するおそれはない。
【0040】
さらに、投入部や排出部を1個またはそれ以上準備し、当該投入部や排出部の貯蔵能力や運搬に適した特性を活用することも好ましい。
具体例としては、廃蛍光管の発生地や集積地に投入部を運搬し、そこで当該廃蛍光管を投入部に投入して貯蔵する。適宜な時期に当該廃蛍光管を貯蔵する投入部を破砕部まで運搬し、外気から遮断された状態で、廃蛍光管を破砕部に投入し破砕する。当該破砕された廃蛍光管は、外気から遮断された状態で、排出部へ投入され貯蔵される。適宜な時期に当該破砕された廃蛍光管を貯蔵する排出部を、廃蛍光管をマテリアルリサイクルする後工程の処理装置の所在地に運搬することで、廃蛍光管の破砕物を外気から遮断された状態で破砕、貯蔵、および運搬することが可能になり、作業環境を始めとする環境を汚染することなく、高い生産性を持ちながら、且つ、マテリアルリサイクルに適したかたちで、廃蛍光管の粉砕処理することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃蛍光管が投入され、当該廃蛍光管を収納する投入部と、
当該投入部から、収納された廃蛍光管が外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該投入された廃蛍光管を破砕する破砕部と、
当該破砕された廃蛍光管が、前記外気と遮断した状態を保ったまま投入され、当該破砕された廃蛍光管を外気と遮断した状態で収納する排出部とを、有する破砕装置であって、
当該投入部と、当該排出部とは、当該破砕部に着脱自在であることを特徴とする廃蛍光管の処理装置。
【請求項2】
前記破砕部または前記排出部の少なくとも一方に、当該破砕部内または排出部部内の雰囲気を吸引し、当該雰囲気に含まれる粉塵とガスとを分離して粉塵を回収し、ガスを吸引元の排出部部内に戻すことを特徴とする請求項1に記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項3】
前記投入部と前記破砕部との間、および、前記破砕部と前記排出部との間に、開閉自在のシャッター機構を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項4】
前記破砕部が、廃蛍光管へ押圧または衝撃を加えて破砕するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用い、
廃蛍光管を密閉された投入部に収納する工程と、
当該投入部に収納された廃蛍光管を、外気遮断状態で破砕部に投入して破砕する工程と、
当該破砕された廃蛍光管を、外気遮断状態で排出部へ収納する工程とを、有することを特徴とする廃蛍光管の処理方法。
【請求項6】
前記廃蛍光管の破砕物が収納された排出部を、前記破砕部から脱離した後、
当該排出部部内の雰囲気を吸引し、当該雰囲気に含まれる粉塵とガスとを分離して粉塵を回収し、ガスを吸引元の排出部部内に戻すことを特徴とする請求項5に記載の廃蛍光管の処理方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用い、前記廃蛍光管として、液晶パネル用廃蛍光管を用いる廃蛍光管の処理方法であって、
当該廃蛍光管を当該液晶パネルのランプホルダに装着したまま、押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕し、当該廃蛍光管を構成していた部材と、当該ランプホルダとを回収することを特徴とする廃蛍光管の処理方法。
【請求項8】
前記廃蛍光管を装着したままのランプホルダを、外気と遮断した状態とし、当該外気との遮断状態を保ったまま、押圧または衝撃を加えて当該廃蛍光管を破砕することを特徴とする請求項7に記載の廃蛍光管の処理方法。
【請求項9】
前記押圧が、プレス圧であることを特徴とする請求項7または8に記載の廃蛍光管の処理方法。
【請求項10】
前記液晶パネルが、当該液晶画面の対角長が20インチ以上の液晶パネルであることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の廃蛍光管の処理方法。
【請求項11】
前記廃蛍光管を装着したままのランプホルダとして、液晶パネルを分解し回収されたア
センブリ組部品を用いることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の廃蛍光管の処理方法。
【請求項12】
請求項1から4のいずれかに記載の廃蛍光管の処理装置を用いて廃蛍光管の処理を行うにあたり、
1個またはそれ以上の投入部と排出部とを準備し、当該投入部を、廃蛍光管の発生地や集積地に運搬して廃蛍光管を投入して貯蔵し、さらに、破砕部のところまで運搬して、当該破砕部にて当該廃蛍光管を破砕し、排出部へ投入し貯蔵し、さらに、当該排出部を後工程の処理装置の所在地に運搬することで、廃蛍光管の破砕物を外気から遮断された状態で破砕、貯蔵、および運搬することを特徴とする廃蛍光管の処理方法。

【公開番号】特開2010−227764(P2010−227764A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75971(P2009−75971)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(506347517)DOWAエコシステム株式会社 (83)
【Fターム(参考)】