説明

建屋の空調機

【課題】 従来、燃焼ガス生成用の煙道(釜)と、煙道の排熱を介して外気を昇温し、又は煙道の排熱を、ヒートポンプの熱源とし、ヒートポンプを効率的に制御した構造がある。煙道の燃焼ガスを、作物の生育に利用し、排熱を、温室の冷暖房に利用する。しかし、煙道の燃焼ガスの利用と、排熱の利用であり、具体的な構造と、機材の配置に関する開示がなく、現場に即応した装置とは考えられない。
【解決手段】 本発明は、建屋の壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、ヒートポンプを設け、暖房機に、吸込み用のファンと、長手方向の側面に一方・他方のシャツタと、並びに短手方向の側面に内気導入孔を設けた空気切換え部を設け、空気切換え部に向って、炭酸ガス発生装置の吹出し管、ヒートポンプの吹出し管がそれぞれ位置し、各吹出し管は、建屋内に開口し、一方のシャツタと壁面の開口とを連繋するダクトを設ける建屋の空調機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウス、温室等の建屋の空調機に関する。
【背景技術】
【0002】
建屋(ハウス、温室等であり、以下、ハウスとする)の空調機に関しては、これまでに、種々の構造、方法が提案されている。この提案の中で、構造が明確で、論理的に纏まったものとして、特許・実用新案公開公報がある。
【0003】
例えば、特開昭62−166820号の「燃焼排ガスのCO2を貯蔵する装置をつけた温室の空調機」(文献(1)とする)において、燃焼ガスを生成する煙道(釜)と、この煙道の排熱を介して外気を昇温し、又は煙道の排熱を、ヒートポンプの熱源とし、このヒートポンプを効率的に制御した構造であり、煙道の燃焼ガスを、作物の生育に利用し、その排熱を、温室の冷暖房に利用することを意図する。しかし、この発明では、煙道の燃焼ガスの利用と、その排熱の利用であり、具体的な構造と、機材の配置に関する開示がなく、現場に即応した装置とは考えられない。そして、これに類する考案として、実開平7−42604号の「ハウス内におけるCO2供給兼暖房装置」(文献(2)とする)がある。この考案は、前記文献(1)を実用に即した構造を考えたものであるが、冷房に関しての開示がなく、装置として、十分とは考えられない。
【0004】
また、前記文献(2)と同じ構造と目的を達成する考案、発明としては、例えば、実開昭60−116848号の「温室における暖房機構」(文献(3)とする)と、特開2004−344154の「施設園芸用温室における排熱回収兼用炭酸ガス供給システム」(文献(4)とする)と、特開平10−229763号の「温室装置」(文献(5)とする)と、が挙げられる。
【0005】
そして、外気(ハウス外の空気)と内気(ハウス内の空気)とをミキシングし、この外気を加温するか、又は除湿等として調合する装置としては、例えば、実開平5−90220号の「農業用栽培ハウスの空調装置」(文献(6)とする)がある。この考案は、空調ユニットに凝縮器と蒸発器とを配備し、温湿度の空調を図る。また、特開平5−284860号の「植物栽培ハウス用吸気装置」(文献(7)とする)がある。この発明は、フードにハウス内に至るダクトを連設し、このダクトにファンと、内気吸込み開口を設けた構造であり、このダクト内で空調を図ることを特徴とする。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−166820号
【特許文献2】実開平7−42604号
【特許文献3】実開昭60−116848号
【特許文献4】特開2004−344154
【特許文献5】特開平10−229763号
【特許文献6】実開平5−90220号
【特許文献7】特開平5−284860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
文献(1)は、煙道の排熱を介して外気を昇温し、又は煙道の排熱を、ヒートポンプの熱源とし、ヒートポンプを効率的に制御する構造であり、排熱利用の考え方を意図する。従って、ハウスの生育環境に必要とする条件全体を管理する構造でなく、改良の余地がある。また、この発明では、ハウスに現実に設置するには、詳細な説明、例えば、この装置をハウスのどの場所に設置するか、排熱を、ヒートポンプの熱源とするか、等に関して十分な説明がないことが考えられる。また、文献(2)においても、総体的には、略同様な改良点が挙げられる。
【0008】
そして、その他の文献(3)〜文献(7)に関しては、それぞれの意図を達成するには十分とは考えられる。しかし、この文献(3)〜文献(7)は、ハウスの生育環境に必要とする条件全体を管理する構造でなく、改良の位置がある。
【0009】
上記に鑑み、本発明は、下記の目的を達成すること意図する。
1) ハウスの生育環境に必要とする条件全体を管理する構造を提案することで、生育の健全化と、作物の収穫量の拡大と品質の向上を図りつつ、かつ合理的な農作業を図る。
2) ハウスの壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、並びにヒートポンプを設けた空調装置とすることで、このハウスに確実、かつ速やかに設置可能とする。
3) ダクトに暖気、冷気、又は調和空気とか、また、CO2を個別、又は同時に供給する中継基地として、暖房機と空気切換え部を活用する構造とする。
4) 暖房機に設けたダクトを、作物の株間に配備する構造とし、ハウス栽培に最適な空調機を提供する。
5) また、空気切換え部が、内外気、暖冷気、又はCO2を確実に吸込み可能とするために、シャツタの他に内外気、暖冷気、又はCO2用の導入孔を、開設する構造とする。
6) 空気切換え部の側面に導入孔の開口と、炭酸ガス発生装置の吹出し管の開口と、ヒートポンプの吹出し管の開口を、切離して設ける構造とし、ハウスの内気と、この空気切換え部に導入するCO2と、暖冷気とのミキシングを図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、前記1)〜3)の目的を達成する。
【0011】
請求項1の発明は、建屋内の壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、並びにヒートポンプを設けた空調装置において、
前記暖房機に空気切換え部を設け、この空気切換え部には、内部に吸込み用のファンと、その長手方向の側面に一方・他方のシャツタと、並びにその短手方向の側面に内気導入孔を設け、
また、前記空気切換え部に向って、前記炭酸ガス発生装置の吹出し管、並びにヒートポンプの吹出し管がそれぞれ位置し、この各吹出し管は、前記建屋内に開口する構成とし、
前記一方のシャツタと前記壁面の開口とを連繋する防虫ネットを設ける構成とした建屋の空調機である。
【0012】
請求項2の発明は、前記1)〜4)の目的を達成する。
【0013】
請求項2は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記暖房機にダクトを接続し、
ハウス栽培における局部株間送風に利用する構成とした建屋の空調機である。
【0014】
請求項3・4の発明は、前記1)〜3)と、5)と6)の目的を達成する。
【0015】
請求項3は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記建屋に開閉自在の天窓を設け、
この天窓の開閉運転を制御部からの信号で行う構成とするとともに、この制御部からの信号を基本に、次の運転を選択的に行う構造とした建屋の空調機である。
イ) この建屋の内外気循環運転と、
ロ) 外気導入運転と、
ハ) ヒートポンプ運転。
【0016】
請求項4は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記空気切換え部には、天井と、この天井の長手方向より傾斜状に垂下した枠体と、この枠体に前記一方・他方のシャツタを設け、また、前記天井の短手方向より垂下した側面に、前記内外気、暖冷気、又はCO2用の導入孔を設ける構成とした建屋の空調機である。
【0017】
請求項5の発明は、前記1)〜3)の目的を達成する。
【0018】
請求項5は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記暖房機に設けた煙突は、前記空気切換え部の内部と天井を通過し、建屋の外部に到り、この外部で開口する構成とした建屋の空調機である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明は、建屋内の壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、並びにヒートポンプを設けた空調装置において、
暖房機に空気切換え部を設け、空気切換え部には、内部に吸込み用のファンと、長手方向の側面に一方・他方のシャツタと、並びに短手方向の側面に内気導入孔を設け、
また、空気切換え部に向って、炭酸ガス発生装置の吹出し管、並びにヒートポンプの吹出し管がそれぞれ位置し、各吹出し管は、建屋内に開口する構成とし、
一方のシャツタと壁面の開口とを連繋するダクトを設ける構成とした建屋の空調機である。
【0020】
従って、請求項1は、下記の1)〜3)の目的を達成できる特徴がある。
1) ハウスの生育環境に必要とする条件全体を管理する構造を提案することで、生育の健全化と、作物の収穫量の拡大と品質の向上を図りつつ、かつ合理的な農作業が図れる。
2) ハウスの壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、並びにヒートポンプを設けた空調装置とすることで、このハウスに確実、かつ速やかに設置可能となる。
3) ダクトに暖気、冷気、又は調和空気とか、また、CO2を個別、又は同時に供給する中継基地として、暖房機と空気切換え部を活用する構造となる。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
暖房機にダクトを接続し、
ハウス栽培における局部株間送風に利用する構成とした建屋の空調機である。
【0022】
従って、請求項2は、前記1)〜3)と、下記の4)の目的を達成できる特徴がある。
4) 暖房機に設けたダクトを、作物の株間に配備する構造とし、ハウス栽培に最適な空調機を提供できる。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
建屋に開閉自在の天窓を設け、
天窓の開閉運転を制御部からの信号で行う構成とするとともに、制御部からの信号を基本に、次の運転を選択的に行う構造とした建屋の空調機である。
イ) 建屋の内外気循環運転と、
ロ) 外気導入運転と、
ハ) ヒートポンプ運転。
【0024】
請求項4の発明は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
空気切換え部には、天井と、天井の長手方向より傾斜状に垂下した枠体と、枠体に前記一方・他方のシャツタを設け、また、天井の短手方向より垂下した側面に、内外気、暖冷気、又はCO2用の導入孔を設ける構成とした建屋の空調機である。
【0025】
従って、請求項3・4は、前記1)〜3)と、下記の5)と6)の目的を達成できる特徴がある。
5) また、空気切換え部が、内外気、暖冷気、又はCO2を確実に吸込み可能とするために、シャツタの他に内外気、暖冷気、又はCO2用の導入孔を、開設する構造である。
6) 空気切換え部の側面に導入孔の開口と、炭酸ガス発生装置の吹出し管の開口と、ヒートポンプの吹出し管の開口を、切離して設ける構造とし、ハウスの内気と、この空気切換え部に導入するCO2と、暖冷気とのミキシングが図れる。
【0026】
請求項5の発明は、請求項1に記載の建屋の空調機であって、
暖房機に設けた煙突は、空気切換え部の内部と天井を通過し、建屋の外部に到り、外部で開口する構成とした建屋の空調機である。
【0027】
従って、請求項5は、前記1)〜3)の目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ハウスの妻面の壁面近傍に、本発明の装置を配備した状態の一部欠截の平面模式図
【図2】図1の正面模式図
【図3】図1の他方のシャツタを開放した状態を示した側面模式図
【図4】暖房機の一方のシャツタを開放した状態を示した側面模式図
【図5】シャツタの一例を示した拡大正面図
【図6】ハウス栽培の一例を示した拡大模式図
【図7】制御盤の内部構造の一例を示した拡大図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図中1は暖房機で、この暖房機1は、ハウスHの妻面H1の壁面H2近傍に設けられており、その暖房機本体1a内に、重油を燃料とするバーナ100と釜101、並びに空気通路102(冷気、暖気、内外気等の空気通路)と一個、又は複数の排気口103(開口)と、一個、又は複数の吸込み口104(開口)とを有する。従って、吸込み口104から導入された内外気(空気)は、空気通路102において釜101との熱交換を介して、昇温された後、排気口103から、ダクト2に排気(給気)される。尚、バーナ100を燃焼しない場合には、暖房機1は、前記と同じルートとなり、空気、調和空気(ミキシング空気)、後述するCO2、又は冷気(暖気)の中継基地として利用する。
【0030】
この暖房機1の上には、底部の一部が開口3aする空気切換え部3が設けられている。この空気切換え部3は、三角柱体となる枠体300と、この枠体300の長手方向の頂面300aに設けた天井301と、また、この天井301(枠体300)の長手方向の両側面300b、300cに設けた電動シャツタ5、5等と、この空気切換え部3の内部に設けたファン8、8と、で構成する。また、この天井301の短手方向の両側面300d、eには、内外気、冷気、又はCO2用の導入孔6、6等を開設する。そして、この空気切換え部3の一方のシャツタ5、5は外気吸込み用とし、また他方のシャツタ5、5は内気吸込み用とする。また、一方のシャツタ5、5はダクト7を介して、壁面H2の開口H3に連通される。この例では、既存の躯体H4を利用し、この躯体H4内にダクト7を張装している。従って、外気は、この空気切換え部3のファン8、8の吸引力で、開口H3からダクト7を経由し、開放した一方のシャツタ5、5から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過した後、暖房機1(暖房機本体1a)の内部に至る。そして、この暖房機1で昇温された後、ダクト2を介して、ハウスHの栽培棚を利用したハウス栽培のトマトWに供給される(地面によるハウス栽培等を含む)。尚、後述するCO2、又は冷気(暖気)のルートも同様である。また、他方のシャツタ5、5は、ハウスHに設けられている。従って、このハウスH内の空気(内気)は、この空気切換え部3のファン8、8の吸引力で、開放した一方のシャツタ5、5から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過した後、暖房機1の内部に至る。そして、この暖房機1で昇温された後、ダクト2を介して、ハウスHのハウス栽培のトマトWに供給される。尚、4は、暖房機1を迂回する管路に接続した煙突を示す。この煙突4は、原則して、ハウスH外に導き、外気中に開口する。
【0031】
10は炭酸ガス発生装置で、灯油を原料としてCO2を生成する。この炭酸ガス発生装置10には、吹出し管11(排ガス管)を設けるが、この吹出し管11の開口1100は、ハウスH内で開放されている。従って、このCO2は、ハウスH内に一度、排気された後(内気とミキシングされた後)、ファン8、8の吸引力で、導入孔6から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過した後、暖房機1の内部に至る。尚、他方のシャツタ5、5が開放された状態では、この暖房機1内においても、この他方のシャツタ5、5から導入された内気とミキシング(希釈化)される状況もあり得る。その後は、前述と同様なルートで、トマトWに供給される。また、一方のシャツタ5、5が開放された状態では、CO2は、導入孔6から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過した後、暖房機1の内部に至る。この暖房機1内において、外気とミキシングされるが、その後は、前記内気と同じ流れとなる。
【0032】
12はヒートポンプで、内気の冷房・暖房・除湿、又は送風等を図る。このヒートポンプ12には、吹出し管13(冷暖気排気管)を設けるが、この吹出し管13の開口1300は、ハウスH内で開放されている。従って、この冷気は、ハウスH内に一度、排気された後(内気とミキシングされた後)、ファン8、8の吸引力で、導入孔6から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過し、暖房機1の内部に至る。尚、他方のシャツタ5、5が開放された状態では、この暖房機1内においても、この他方のシャツタ5、5から導入された内気とミキシングされる状況もあり得る。その後は、前述と同様なルートで、トマトWに供給される。また、一方のシャツタ5、5が開放された状態では、外気は、前記と同様に暖房機1に至るが、導入孔6から、開口3aを経由し、吸込み口104を通過し、暖房機1の内部に至った冷気とミキシングされる。その後は、前述と同じである。
【0033】
そして、本発明の特徴は、暖房機1の上に、一方・他方のシャツタ5、5と、その両側面3d、3eに導入孔6を備えた空気切換え部3を設け、ハウスH内に、内外気を導入することと、この暖房機1を中継基地として、ハウス栽培のトマトWに、内外気(高温障害回避と、CO2の利用等)を供給すること、又はCO2の不足と、ハウスH内の温湿度管理を、ヒートポンプ12で行うが、その際も、この暖房機1を中継基地として、ハウス栽培のトマトWに、CO2とミキシング空気を供給することを特徴とする。
【0034】
尚、図中矢印Cは、空気、又はガスの流れを示す。そして、ハウスH栽培における局部株間送風に利用する構成では、低コストと、冷暖気又はCO2の有効利用と、燃料費の削減化、環境保護等に有効である。また、培地(地面)の最適な温湿度管理が図れ、生育・収穫環境の向上と、品質の向上等が図れる。
【0035】
続いて、本発明の自動制御の一例を以下に示す。尚、このハウスHには、図示しない天窓を有する。
・ 天窓運転信号により一方のシャツタ5、5を開放し、外気導入運転を行う。前記外気は、ハウスHの開口H3→ダクト7→一方のシャツタ5、5、及び/又は、導入孔6→空気切換え部3→開口3a→吸込み口104→暖房機1→冷暖気用の排気口103→ダクト2のルートである。但し、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号がある場合は5、及び/又は、導入孔6→空気切換え部3→開口3a→吸込み口104→暖房機1→CO2用の排気口103→ダクト2のルートである。
・ 天窓運転信号とは無関係に、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号により、前記内気循環運転を行なう状況もあり得る。
・ そして、このヒートポンプ12による暖房信号により、前記と同様な、内気循環運転を行う。但し、天窓運転信号がある場合は、前記と同様に、外気導入運転を行い、外気とのミキシングを図り、外気のCO2を利用する。また、このCO2の不足の場合、或いは前記天窓運転信号があり、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号がある場合は、前記CO2の供給と、内気循環運転を行う。
・ 尚、ヒートポンプ12による除湿、及び/又は、冷房運転信号により前記と同様な、内気循環運転を行う。但し、天窓運転信号がある場合は、前記と同様に、外気導入運転を行い、外気とのミキシングを図り、外気の湿度と冷気を利用する。また、このCO2の不足の場合、或いは前記天窓運転信号があり、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号がある場合は、前記CO2の供給と、内気循環運転を行う。
・ その他として、例えば、ヒートポンプ12による冷房(暖房)運転信号により外気導入運転か、又は内部循環運転を行う(スイッチ操作で、内部循環運転、又は外気導入運転を選択可能)。但し、天窓運転信号がある場合は外気導入運転を行う。一方、このCO2の不足の場合、或いは前記天窓運転信号があり、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号がある場合は、前記CO2の供給と、内気循環運転を行う。
・ また、前記ヒートポンプ12による送風運転信号により外気導入運転か、又は内部循環運転を行う(スイッチ操作で、内部循環運転、又は外気導入運転を選択可能)。但し、天窓運転信号がある場合は外気導入運転を行う。一方、このCO2の不足の場合、或いは前記天窓運転信号があり、炭酸ガス発生装置10の送風出力信号がある場合は、前記CO2の供給と、内気循環運転を行う。
・ 前記一方・他方のシャツタ5、5は、自動スイッチか、又は手動スイッチで、開閉する。
【0036】
そして、図示しないが、天窓運転信号操作、炭酸ガス発生装置10及び、ヒートポンプ12等の信号操作は、手動とか遠隔操作等も可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 暖房機
1a 暖房機本体
100 バーナ
101 釜
102 空気通路
103 排気口
104 吸込み口
2 ダクト
3 空気切換え部
3a 開口
300 枠体
300a 頂面
300b 側面
300c 側面
300d 側面
300e 側面
301 天井
4 煙突
5 シャツタ
6 導入孔
7 ダクト
8 ファン
10 炭酸ガス発生装置
11 吹出し管
1100 開口
12 ヒートポンプ
13 吹出し管
1300 開口
C 流れ
H ハウス
H1 妻面
H2 壁面
H3 開口
H4 躯体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建屋内の壁面近傍に、暖房機と炭酸ガス発生装置、並びにヒートポンプを設けた空調装置において、
前記暖房機に空気切換え部を設け、この空気切換え部には、内部に吸込み用のファンと、その長手方向の側面に一方・他方のシャツタと、並びにその短手方向の側面に内気導入孔を設け、
また、前記空気切換え部に向って、前記炭酸ガス発生装置の吹出し管、並びにヒートポンプの吹出し管がそれぞれ位置し、この各吹出し管は、前記建屋内に開口する構成とし、
前記一方のシャツタと前記壁面の開口とを連繋するダクトを設ける構成とした建屋の空調機。
【請求項2】
請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記暖房機にダクトを接続し、
ハウス栽培における局部株間送風に利用する構成とした建屋の空調機。
【請求項3】
請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記建屋に開閉自在の天窓を設け、
この天窓の開閉運転を制御部からの信号で行う構成とするとともに、この制御部からの信号を基本に、次の運転を選択的に行う構造とした建屋の空調機。
イ) この建屋の内外気循環運転と、
ロ) 外気導入運転と、
ハ) ヒートポンプ運転。
【請求項4】
請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記空気切換え部には、天井と、この天井の長手方向より傾斜状に垂下した枠体と、この枠体に前記一方・他方のシャツタを設け、また、前記天井の短手方向より垂下した側面に、前記内外気、暖冷気、又はCO2用の導入孔を設ける構成とした建屋の空調機。
【請求項5】
請求項1に記載の建屋の空調機であって、
前記暖房機に設けた煙突は、前記空気切換え部の内部と天井を通過し、建屋の外部に到り、この外部で開口する構成とした建屋の空調機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−152176(P2012−152176A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15742(P2011−15742)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】