建物の天井構造
【課題】軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることでき、ダンパーの廃棄をなくして施工費の削減や環境への配慮も図ることができる建物の天井構造を提供する。
【解決手段】この天井構造は、建物上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持することなく、第1野縁受け3・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け4・・と、これら野縁受け3、4・・の下側に取り付けた複数の野縁5・・と、これら野縁5・・の下側に取り付けた天井板8とを備え、第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置している。
【解決手段】この天井構造は、建物上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持することなく、第1野縁受け3・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け4・・と、これら野縁受け3、4・・の下側に取り付けた複数の野縁5・・と、これら野縁5・・の下側に取り付けた天井板8とを備え、第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば住宅やマンション等の建物の天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の上層階から下層階へ伝搬する床衝撃音を低減するにあたって、例えば上層階の床板や下層階の天井板の面密度を大きくするといった方法が採られている。しかしながら、この場合、多大な重量付加を伴って構造躯体に大きな負担をかけることになる。
【0003】
そこで、構造躯体に大きな負担をかけることなく床衝撃音を低減するために、上層階の床梁に防振吊り具を介して天井下地材を吊り下げ支持したり(例えば、特許文献1参照)、また天井下地材にダイナミックダンパーを組み込む(例えば、特許文献2参照)といった各種対策が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−61311号公報
【特許文献2】特開2006−342580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、床衝撃音としては、物を落下したときや椅子等を引きずったとき等に発生する中高域周波数の振動に起因する軽量床衝撃音と、子供が走り回ったり飛び跳ねたとき等に発生する低域周波数の振動に起因する重量床衝撃音とがある。床衝撃音対策としては、これら軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることが要求されるが、上記のような対策では、軽量床衝撃音又は重量床衝撃音のいずれか一方に対してのみ有効であることが多く、このような要求に十分に答えることができなかった。
【0006】
また、防振吊り具を用いた対策では、防振ゴム等の経年劣化に伴うクリープ変形量の増大により、下層階の天井板が撓み易くなって部分的な垂れ下がりが生じるといった不具合があった。ところが、このような天井板の部分的な垂れ下がりに対しては、ほとんど配慮されていなかった。
【0007】
さらに、ダイナミックダンパーを用いた対策では、遮音性能を高めるために、比較的多くのダイナミックダンパーを天井全体に亘って分散配置させる必要がある。このため、例えば特許文献2に開示された構造においては、天井全体に亘って配置される比較的剛性の高い野縁受けを利用して、それら野縁受けにダイナミックダンパーを組み込むようにしている。この場合、複数のダイナミックダンパーを予め組み込んだ一定長の野縁受けを現場に搬入して、このダイナミックダンパー付きの野縁受けを、現場において天井面の形状や大きさに応じた長さに加工(カット調整)して施工することで、現場でのダイナミックダンパーの組み込み作業をなくして、施工性の向上を図るようにしていることが多い。ところが、このようにダイナミックダンパー付きの野縁受けを加工(カット調整)する場合、その切り落とした端材(余剰部分)は、他に使い道もなく、高価なダイナミックダンパーが組み込まれていても廃棄せざるを得ないことから、無駄が多くなって施工費の増大を招き易いといった不具合があった。しかも、合成ゴム製の弾性体と金属製の質量体を接着してなる再生困難なダイナミックダンパーを廃棄すれば、環境面でも好ましくないといった不具合があった。
【0008】
この発明は、上記の不具合を解消して、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることでき、しかも天井板の部分的な垂れ下がり等をなくした良好な施工状態を維持することができ、また材料の無駄を少なくして施工費の削減や環境への配慮も図ることができる建物の天井構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の建物の天井構造は、建物上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け3・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け4・・と、前記第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に取り付けた複数の野縁5・・と、これら野縁5・・の下側に取り付けた天井板8とを備え、前記第1及び第2野縁受け3、4・・のうち前記第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置したことを特徴とする。
【0010】
また、前記第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、建物内壁6に固定した壁際野縁7・・を備え、前記建物内壁6に対向する前記第1野縁受け3・・の端部を、前記壁際野縁7・・上に設置するとともに、前記建物内壁6に対向する前記第2野縁受け4・・の端部を、前記壁際野縁7・・に対して離間させるようにしている。
【0011】
さらに、複数の前記第2野縁受け4・・をそれら端部間に隙間S1を確保しながら横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列4A・・を、前記第1野縁受け3・・に対して略直交する方向に間隔をあけて互いに略平行に配置するとともに、これら第2野縁受け列4A・・における前記隙間S1・・を、前記第1野縁受け3・・に対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に配置している。
【0012】
さらにまた、前記第2野縁受け4・・における前記ダイナミックダンパー30・・を、前記第2野縁受け4・・と前記野縁5・・との交差部付近に配置している。
【0013】
また、前記第2野縁受け4・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー30・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能としている。
【0014】
さらに、前記ダイナミックダンパー30は、質量体31と弾性体32とを組み合わせてなり、その弾性体32によって質量体31を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け4にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着している。
【発明の効果】
【0015】
この発明の天井構造においては、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を、防振吊り具によって重点的に低減することができるとともに、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を、第2野縁受けに組み込んだダイナミックダンパーによって重点的に低減することができ、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることができる。
【0016】
しかも、床梁材に吊り下げ支持した一般的な第1野縁受けに加えて、床梁材に吊り下げ支持することのない第2野縁受けを別途設けていることから、天井板の下地部分の剛性を高めることができる。これにより、天井板の撓みを抑えることができ、防振吊り具を使用して軽量床衝撃音対策を講じているにもかかわらず、これら防振吊り具における防振ゴムのクリープ変形に起因する天井板の部分的な垂れ下がりを防止して、良好な施工状態を長期に亘って維持することができる。
【0017】
さらに、現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受けには、ダイナミックダンパーをあえて組み込まないようにして、第2野縁受けのみにダイナミックダンパーを予め組み込むようにしており、これら第2野縁受けについては、長さの異なる数種類のものを天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置することで、現場での加工(カット調整)を極力なくすようにしているので、高価で再生困難なダイナミックダンパーを廃棄せずに済み、施工費の削減を図ることができるとともに、環境面にも配慮することができる。
【0018】
また、第2野縁受けの組み合わせ配置に際して、建物内壁に対向する第2野縁受けの端部を、壁際野縁に対して離間した状態で配置して、第2野縁受けの端部と壁際野縁との間に隙間を確保している。さらには、各第2野縁受け列において、横一列に並べた第2野縁受けの端部間に隙間を確保している。これにより、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受けと壁際野縁との干渉、振動する第2野縁受けの端部同士の干渉をなくして、擦れ音等の異音の発生を防止することができ、床衝撃音対策だけでなく、異音対策にも十分に配慮することができる。しかも、このような隙間を確保することで、第2野縁受けの配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受けを支障なく配設することができ、施工性の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、各第2野縁受け列において、横一列に並べた第2野縁受けの端部間に隙間を設けることで、各第2野縁受け列の中間部分において欠損が生じることになるが(第2野縁受けの連続性が損なわれることになるが)、これら第2野縁受け列の隙間を、第1野縁受けに対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に分散配置しているので、天井板が直線上に沿って撓み易くなるといった不具合を防止することができる。
【0020】
また、第2野縁受けと野縁との交差部付近は、剛性が高くしかも天井全体に亘って分配配置されており、このような交差部付近に第2野縁受けに組み込んだダイナミックダンパーを配置することで、ダイナミックダンパーによる重量床衝撃音の低減効果を天井全体に亘って効果的に利かすことができ、重量床衝撃音に対する遮音性能をより一層向上することができる。
【0021】
さらに、床梁材に吊り下げ支持した第1野縁受けをそのままにして、吊り下げ支持していない施工自由度の高い第2野縁受けの本数を調整することで、ダイナミックダンパーの設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能としているので、大幅な設計変更等を伴うことなく、遮音性能を簡単に調整することができる。
【0022】
さらにまた、ダイナミックダンパーを、第2野縁受けにその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着することで、床下空間における配管や断熱材等の施工に際して、ダイナミックダンパーが邪魔にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態に係る建物の天井構造の要部斜視図である。
【図2】同じくその部分拡大斜視図である。
【図3】同じくその概略平面図である。
【図4】同じくその壁際部分を示す概略平面図である。
【図5】同じくその防振吊り具付近の縦断面図である。
【図6】同じくその防振吊り具付近の正面図である。
【図7】同じくその第2野縁受けのダンパー装着部分の分解斜視図である。
【図8】同じくその第2野縁受けの種類を示す図である。
【図9】同じくその野縁の取付部分の分解斜視図である。
【図10】同じくその第1野縁受けの端部付近の縦断面図である。
【図11】同じくその第2野縁受けの端部付近の斜視図である。
【図12】同じくそのランナー付近の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る天井構造は、例えば軽量鉄骨系の戸建て住宅に適用されている。この天井構造は、図1乃至図4に示すように、上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持されることなく、第1野縁受け3・・に対して略平行に配設された複数の第2野縁受け4・・と、これら第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に取り付けられた複数の野縁5・・と、第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、建物内壁6に固定された複数の壁際野縁7・・と、これら野縁5・・及び壁際野縁7・・の下側に取り付けられた石膏ボード等からなる天井板8とを備えている。
【0025】
なお、図において、床梁材1・・としては、H形鋼からなる床梁が使用されているが、床梁間に差し渡した溝形鋼からなる梁つなぎであっても良い。また、天井板8としては、2枚の石膏ボードを重ね張りしたものが使用されている。
【0026】
防振吊り具2は、図2、図5及び図6に示すように、床梁材1に装着される梁装着部材10と、この梁装着部材10に取り付けられた圧縮型の防振ゴム11と、この防振ゴム11に貫通支持されて、第1野縁受け3に連結される吊りボルト12とを備えている。
【0027】
梁装着部材10は、鋼板を折曲形成してなり、開放部分が上向きとなった略溝形状に形成されている。そして、その底面部15が防振ゴム11を装着する装着部とされ、底面部15の両側端から立ち上がった一対の側面部16、16が床梁材1に係合する係合部とされている。
【0028】
側面部16、16には、嵌合溝16a、16aが横向きに夫々形成されており、これら嵌合溝16a、16aに床梁材1の下フランジ1aを嵌め込むようにして、側面部16、16が床梁材1に係合される。そして、この係合状態において、底面部15にねじ込んだ固定ボルト17の先端を下フランジ1aの下面に押し付けることで、梁装着部材10が床梁材1に装着されるようになっている。
【0029】
防振ゴム11は、略中央部を括れさせた略円筒状のゴム体を上下の鋼製プレートによって挟み込んだ構造となっていて、梁装着部材10の側面部16、16間において底面部15上から立ち上がるようにして装着されている。
【0030】
吊りボルト12は、その上端部にカシメナット18が螺合された状態で、防振ゴム11及び梁装着部材10の底面部15を上下方向に貫通している。なお、カシメナット18は、防振ゴム11の上側プレートに回転可能に係合されるようになっている。
【0031】
そして、吊りボルト12の下端部は、後述する第1野縁受け3の上側フランジ20を上下方向に貫通している。この吊りボルト12の下端部には、上下一対のナット19、19が螺合され、これらナット19、19を締め付けて第1野縁受け3の上側フランジ20を挟み込むことで、吊りボルト12の下端部に第1野縁受け3が取り付けられている。
【0032】
第1野縁受け3は、図2及び図5に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ20、20と、それらフランジ20、20の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ21とを備えている。第1野縁受け3・・としては、比較的長尺な一種類が用意されており、現場において天井面の形状や大きさに応じた長さに加工(カット調整)して使用されている。
【0033】
第2野縁受け4は、図2及び図7に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ20、20と、それらフランジ20、20の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ21とを備え、ウエブ21には複数のボルト挿通用孔21a・・が長手方向に適宜間隔をあけて形成されている。そして、第2野縁受け4には、第1野縁受け3には組み込まれていない複数の重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込まれている。
【0034】
ダイナミックダンパー30は、略直方体状に形成された例えば金属製の質量体31と、この質量体31よりも一回り小さな略直方体状に形成された例えば合成ゴム製の弾性体32とを接着一体化してなり、弾性体32における質量体31側とは反対側の側面には、一対のボルト挿通用孔33a、33aを有する装着板33が取り付けられている。
【0035】
そして、ダイナミックダンパー30は、その装着板33を第2野縁受け4のウエブ21に当接させて、互いに一致するボルト挿通用孔21a、33a・・に挿通したボルト34、34にナット35、35を螺合して締め付けることにより、弾性体32によって質量体31を弾性支持するようにして、剛性の高い第2野縁受け4のウエブ21に、その高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着されている。これにより、床下空間における配管や断熱材等の施工に際して、ダイナミックダンパー30が邪魔になり難くなっている。なお、ダイナミックダンパー30は、例えば63Hz帯域の振動に同調して振動するようにチューニングされている。
【0036】
上記のようなダイナミックダンパー30・・付きの第2野縁受け4・・としては、長さの異なる数種類のものが予め用意されている。具体的には、図8に示すように、6個〜12個のダイナミックダンパー30・・を夫々組み込んだ7種類のものが予め用意され、それらの各長さは、短いものから順に例えば約1870mm、約2200mm、約2530mm、約2870mm、約3200mm、約3530mm、約3870mmとされている。なお、すべての種類の第2野縁受け4・・において、ダイナミックダンパー30・・は長手方向に約333mmの間隔をあけて装着されており、両端部分に位置するダイナミックダンパー30、30から野縁受け両端面までの距離がいずれも約100mmとされている。
【0037】
そして、このような長さの異なる数種類(具体的には7種類)の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置している。これにより、第2野縁受け4・・に対する現場での加工(カット調整)を極力なくすようにして、高価で再生困難なダイナミックダンパー30・・を廃棄せずに済むようにしている。
【0038】
この組み合わせ配置に際しては、特に天井面の幅寸法(対向する建物内壁6、6間の距離)が、図8(g)に示す第2野縁受け4(最も長い第2野縁受け)の長さを大幅に上回っている場合には、図1及び図3に示すように、複数の第2野縁受け4、4を横一列に並べることで、天井面の幅寸法に見合った長さに調整している。例えば、天井面の幅寸法が約6250mmのときには、図8(c)に示す第2野縁受け4と図8(e)に示す第2野縁受け4を横一列に並べたり、図8(d)に示す第2野縁受け4を2本使用してこれらを横一列に並べるようにしている。
【0039】
そして、このように複数の第2野縁受け4、4を横一列に並べるにあたって、第2野縁受け4、4の端部間には隙間S1を確保している。これにより、第2野縁受け4、4の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け4、4を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け4、4の端部同士の干渉をなくして、これら端部同士が擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
【0040】
また、第2野縁受け4、4を横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列4A・・は、図1及び図3に示すように、第1野縁受け3・・に対して略直交する方向に略等間隔をあけて互いに略平行に配置されるが、この場合、各第2野縁受け列4Aの中間部分において、隙間S1すなわち強度的に弱い欠損部分が生じることになる。そこで、これら第2野縁受け列4A・・における隙間S1・・を、第1野縁受け3・・に対して略直交する直線(図3の一点鎖線で示す線)上に揃わないように千鳥状に配置して、強度的に弱い欠損部分を分散させることで、天井板8に撓みを生じさせるような剛性低下を招くことがないようにしている。なお、間仕切り壁の直上位置近傍において隙間S1・・を千鳥状に配置させるようにすれば、剛性低下を確実に抑えることができる。
【0041】
さらに、第2野縁受け4・・は、床梁材1・・に吊り下げ支持されておらず、構造上支障をきたすことなく、比較的容易に増設したり、取り除いたりすることができることから、このような施工自由度の高い第2野縁受け4・・の本数を適宜調整することで、ダイナミックダンパー30・・の設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮音性能を簡単に調整可能としている。
【0042】
なお、第1及び第2野縁受け3、4・・のうち第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、第1野縁受け3・・には組み込まないようにしたのは、以下の理由による。すなわち、床梁材1・・に吊り下げ支持されて、天井荷重を支える第1野縁受け3・・は、天井面の端から端まで1本で連続していることが良好な剛性を確保する上で好ましい。このため、第1野縁受け3・・の施工に際しては、比較的長尺なものを用意して、天井面の形状や大きさに応じて加工(カット調整)することが一般的になされている。従って、このような現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受け3・・に対しては、ダイナミックダンパー30・・をあえて組み込まないようにして、加工(カット調整)に伴うダイナミックダンパー30・・の廃棄をなくすようにしている。なお、このように第1野縁受け3・・に対してダイナミックダンパー30・・を組み込まなくても、第1野縁受け3・・は第2野縁受け4・・に比べて本数が極端に少ないことから、重量床衝撃音に対する遮音性能に支障をきたすことはない。
【0043】
野縁5は、図5及び図9に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、その側面片40、40にはその長手方向に沿って係止溝41、41が夫々形成されている。この野縁5は、複数の野縁支持具50・・を介して第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に跨って取り付けられている。
【0044】
野縁支持具50は、図5及び図9に示すように、上面部51と、この上面部51の両側端から延出した一対の側面部52、52とによって下向きの略コ字状に形成され、その上面部51には、一対の係合片53、53が形成されており、側面部52、52には、係止爪54、54が夫々形成されている。
【0045】
そして、野縁支持具50は、係合片53、53を第1野縁受け3や第2野縁受け4の下側フランジ20に係合させることで、第1野縁受け3や第2野縁受け4に取り付けられている。また、野縁支持具50の側面部52、52間に野縁5の上部を差し入れて、係止爪54、54を野縁5の係止溝41、41に係合させることで、野縁5が支持されている。
【0046】
壁際野縁7は、図10に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、野縁5と同様の構造となっている。この壁際野縁7は、側面片40、40を横方向に貫通する複数のビス55、55によって建物内壁6に固定されて、野縁5・・に対して略平行に配されている。
【0047】
そして、建物内壁6に固定された壁際野縁7上には、建物内壁6に対向する第1野縁受け3・・の端部が設置されている。具体的には、第1野縁受け3・・の端部の下側フランジ20・・に、例えば発泡樹脂製又はゴム製の平板状の緩衝材22が接着剤等によって予め貼り付けられていて、第1野縁受け3・・の端部は、建物内壁6に対して縁切りされた状態で、壁際野縁7の上面に緩衝材22を介在させながら載置されている。これにより、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第1野縁受け3・・が建物内壁6に干渉することによって生じる衝突音、振動する第1野縁受け3・・が建物内壁6に固定した壁際野縁7と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。なお、第1野縁受け3・・の端部は、このように緩衝材22を介して壁際野縁7上に設置するだけでなく、上記の野縁支持具50を使用して壁際野縁7上に設置しても良い。
【0048】
一方、建物内壁6に対向する第2野縁受け4・・の端部は、図4及び図11に示すように、壁際野縁7に対して離間した状態で配置されて、第2野縁受け4・・の端部と壁際野縁7との間には隙間S2・・が確保されている。これにより、第2野縁受け4・・の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け4・・を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け4・・が建物内壁6に干渉することによって生じる衝突音、さらには振動する第2野縁受け4・・が建物内壁6に固定した壁際野縁7と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
【0049】
なお、野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部は、図11及び図12に示すように、野縁5・・及び壁際野縁7・・に対して略直交するように、建物内壁6にビス60・・止めされた断面コ字状の溝形鋼からなるランナー61に固定されている。具体的には、ランナー61の室内側に開放する溝部に、野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部が差し込まれた状態で、ランナー61に野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部がビス62・・止めされている。
【0050】
上記の天井構造においては、軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持された複数の第1野縁受け3・・と、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・を予め組み込んだ複数の第2野縁受け4・・と、複数の野縁5・・とが格子状に組み付けられて、天井板8の下地部分が構成されている。従って、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を、防振吊り具2・・によって重点的に低減することができるとともに、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を、ダイナミックダンパー30・・によって重点的に低減することができ、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることができる。
【0051】
しかも、第2野縁受け4・・と野縁5・・との各交差部付近に、第2野縁受け4・・に組み込んだダイナミックダンパー30・・が配置されている。各交差部付近は、剛性が高くしかも天井全体に亘って分配配置されており、このような各交差部付近にダイナミックダンパー30・・を配置することで、ダイナミックダンパー30・・による重量床衝撃音の低減効果を天井全体に亘って効果的に利かすことができ、重量床衝撃音に対する遮音性能をより一層向上することができる。
【0052】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、この発明の天井構造は、新築の戸建て住宅に適用するだけでなく、リフォーム時における床衝撃音対策として既設の戸建て住宅に適用しても良い。また、軽量鉄骨系の戸建て住宅だけでなく、木造住宅やRC造の建物に適用しても良い。
【符号の説明】
【0053】
1・・床梁材、2・・防振吊り具、3・・第1野縁受け、4・・第2野縁受け、4A・・第2野縁受け列、5・・野縁、6・・建物内壁、7・・壁際野縁、8・・天井板、30・・ダイナミックダンパー、31・・質量体、32・・弾性体、S1・・隙間
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば住宅やマンション等の建物の天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の上層階から下層階へ伝搬する床衝撃音を低減するにあたって、例えば上層階の床板や下層階の天井板の面密度を大きくするといった方法が採られている。しかしながら、この場合、多大な重量付加を伴って構造躯体に大きな負担をかけることになる。
【0003】
そこで、構造躯体に大きな負担をかけることなく床衝撃音を低減するために、上層階の床梁に防振吊り具を介して天井下地材を吊り下げ支持したり(例えば、特許文献1参照)、また天井下地材にダイナミックダンパーを組み込む(例えば、特許文献2参照)といった各種対策が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−61311号公報
【特許文献2】特開2006−342580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、床衝撃音としては、物を落下したときや椅子等を引きずったとき等に発生する中高域周波数の振動に起因する軽量床衝撃音と、子供が走り回ったり飛び跳ねたとき等に発生する低域周波数の振動に起因する重量床衝撃音とがある。床衝撃音対策としては、これら軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることが要求されるが、上記のような対策では、軽量床衝撃音又は重量床衝撃音のいずれか一方に対してのみ有効であることが多く、このような要求に十分に答えることができなかった。
【0006】
また、防振吊り具を用いた対策では、防振ゴム等の経年劣化に伴うクリープ変形量の増大により、下層階の天井板が撓み易くなって部分的な垂れ下がりが生じるといった不具合があった。ところが、このような天井板の部分的な垂れ下がりに対しては、ほとんど配慮されていなかった。
【0007】
さらに、ダイナミックダンパーを用いた対策では、遮音性能を高めるために、比較的多くのダイナミックダンパーを天井全体に亘って分散配置させる必要がある。このため、例えば特許文献2に開示された構造においては、天井全体に亘って配置される比較的剛性の高い野縁受けを利用して、それら野縁受けにダイナミックダンパーを組み込むようにしている。この場合、複数のダイナミックダンパーを予め組み込んだ一定長の野縁受けを現場に搬入して、このダイナミックダンパー付きの野縁受けを、現場において天井面の形状や大きさに応じた長さに加工(カット調整)して施工することで、現場でのダイナミックダンパーの組み込み作業をなくして、施工性の向上を図るようにしていることが多い。ところが、このようにダイナミックダンパー付きの野縁受けを加工(カット調整)する場合、その切り落とした端材(余剰部分)は、他に使い道もなく、高価なダイナミックダンパーが組み込まれていても廃棄せざるを得ないことから、無駄が多くなって施工費の増大を招き易いといった不具合があった。しかも、合成ゴム製の弾性体と金属製の質量体を接着してなる再生困難なダイナミックダンパーを廃棄すれば、環境面でも好ましくないといった不具合があった。
【0008】
この発明は、上記の不具合を解消して、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることでき、しかも天井板の部分的な垂れ下がり等をなくした良好な施工状態を維持することができ、また材料の無駄を少なくして施工費の削減や環境への配慮も図ることができる建物の天井構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の建物の天井構造は、建物上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け3・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け4・・と、前記第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に取り付けた複数の野縁5・・と、これら野縁5・・の下側に取り付けた天井板8とを備え、前記第1及び第2野縁受け3、4・・のうち前記第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置したことを特徴とする。
【0010】
また、前記第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、建物内壁6に固定した壁際野縁7・・を備え、前記建物内壁6に対向する前記第1野縁受け3・・の端部を、前記壁際野縁7・・上に設置するとともに、前記建物内壁6に対向する前記第2野縁受け4・・の端部を、前記壁際野縁7・・に対して離間させるようにしている。
【0011】
さらに、複数の前記第2野縁受け4・・をそれら端部間に隙間S1を確保しながら横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列4A・・を、前記第1野縁受け3・・に対して略直交する方向に間隔をあけて互いに略平行に配置するとともに、これら第2野縁受け列4A・・における前記隙間S1・・を、前記第1野縁受け3・・に対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に配置している。
【0012】
さらにまた、前記第2野縁受け4・・における前記ダイナミックダンパー30・・を、前記第2野縁受け4・・と前記野縁5・・との交差部付近に配置している。
【0013】
また、前記第2野縁受け4・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー30・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能としている。
【0014】
さらに、前記ダイナミックダンパー30は、質量体31と弾性体32とを組み合わせてなり、その弾性体32によって質量体31を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け4にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着している。
【発明の効果】
【0015】
この発明の天井構造においては、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を、防振吊り具によって重点的に低減することができるとともに、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を、第2野縁受けに組み込んだダイナミックダンパーによって重点的に低減することができ、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることができる。
【0016】
しかも、床梁材に吊り下げ支持した一般的な第1野縁受けに加えて、床梁材に吊り下げ支持することのない第2野縁受けを別途設けていることから、天井板の下地部分の剛性を高めることができる。これにより、天井板の撓みを抑えることができ、防振吊り具を使用して軽量床衝撃音対策を講じているにもかかわらず、これら防振吊り具における防振ゴムのクリープ変形に起因する天井板の部分的な垂れ下がりを防止して、良好な施工状態を長期に亘って維持することができる。
【0017】
さらに、現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受けには、ダイナミックダンパーをあえて組み込まないようにして、第2野縁受けのみにダイナミックダンパーを予め組み込むようにしており、これら第2野縁受けについては、長さの異なる数種類のものを天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置することで、現場での加工(カット調整)を極力なくすようにしているので、高価で再生困難なダイナミックダンパーを廃棄せずに済み、施工費の削減を図ることができるとともに、環境面にも配慮することができる。
【0018】
また、第2野縁受けの組み合わせ配置に際して、建物内壁に対向する第2野縁受けの端部を、壁際野縁に対して離間した状態で配置して、第2野縁受けの端部と壁際野縁との間に隙間を確保している。さらには、各第2野縁受け列において、横一列に並べた第2野縁受けの端部間に隙間を確保している。これにより、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受けと壁際野縁との干渉、振動する第2野縁受けの端部同士の干渉をなくして、擦れ音等の異音の発生を防止することができ、床衝撃音対策だけでなく、異音対策にも十分に配慮することができる。しかも、このような隙間を確保することで、第2野縁受けの配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受けを支障なく配設することができ、施工性の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、各第2野縁受け列において、横一列に並べた第2野縁受けの端部間に隙間を設けることで、各第2野縁受け列の中間部分において欠損が生じることになるが(第2野縁受けの連続性が損なわれることになるが)、これら第2野縁受け列の隙間を、第1野縁受けに対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に分散配置しているので、天井板が直線上に沿って撓み易くなるといった不具合を防止することができる。
【0020】
また、第2野縁受けと野縁との交差部付近は、剛性が高くしかも天井全体に亘って分配配置されており、このような交差部付近に第2野縁受けに組み込んだダイナミックダンパーを配置することで、ダイナミックダンパーによる重量床衝撃音の低減効果を天井全体に亘って効果的に利かすことができ、重量床衝撃音に対する遮音性能をより一層向上することができる。
【0021】
さらに、床梁材に吊り下げ支持した第1野縁受けをそのままにして、吊り下げ支持していない施工自由度の高い第2野縁受けの本数を調整することで、ダイナミックダンパーの設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能としているので、大幅な設計変更等を伴うことなく、遮音性能を簡単に調整することができる。
【0022】
さらにまた、ダイナミックダンパーを、第2野縁受けにその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着することで、床下空間における配管や断熱材等の施工に際して、ダイナミックダンパーが邪魔にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態に係る建物の天井構造の要部斜視図である。
【図2】同じくその部分拡大斜視図である。
【図3】同じくその概略平面図である。
【図4】同じくその壁際部分を示す概略平面図である。
【図5】同じくその防振吊り具付近の縦断面図である。
【図6】同じくその防振吊り具付近の正面図である。
【図7】同じくその第2野縁受けのダンパー装着部分の分解斜視図である。
【図8】同じくその第2野縁受けの種類を示す図である。
【図9】同じくその野縁の取付部分の分解斜視図である。
【図10】同じくその第1野縁受けの端部付近の縦断面図である。
【図11】同じくその第2野縁受けの端部付近の斜視図である。
【図12】同じくそのランナー付近の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る天井構造は、例えば軽量鉄骨系の戸建て住宅に適用されている。この天井構造は、図1乃至図4に示すように、上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受け3・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持されることなく、第1野縁受け3・・に対して略平行に配設された複数の第2野縁受け4・・と、これら第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に取り付けられた複数の野縁5・・と、第1及び第2野縁受け3、4・・に対して略直交するように、建物内壁6に固定された複数の壁際野縁7・・と、これら野縁5・・及び壁際野縁7・・の下側に取り付けられた石膏ボード等からなる天井板8とを備えている。
【0025】
なお、図において、床梁材1・・としては、H形鋼からなる床梁が使用されているが、床梁間に差し渡した溝形鋼からなる梁つなぎであっても良い。また、天井板8としては、2枚の石膏ボードを重ね張りしたものが使用されている。
【0026】
防振吊り具2は、図2、図5及び図6に示すように、床梁材1に装着される梁装着部材10と、この梁装着部材10に取り付けられた圧縮型の防振ゴム11と、この防振ゴム11に貫通支持されて、第1野縁受け3に連結される吊りボルト12とを備えている。
【0027】
梁装着部材10は、鋼板を折曲形成してなり、開放部分が上向きとなった略溝形状に形成されている。そして、その底面部15が防振ゴム11を装着する装着部とされ、底面部15の両側端から立ち上がった一対の側面部16、16が床梁材1に係合する係合部とされている。
【0028】
側面部16、16には、嵌合溝16a、16aが横向きに夫々形成されており、これら嵌合溝16a、16aに床梁材1の下フランジ1aを嵌め込むようにして、側面部16、16が床梁材1に係合される。そして、この係合状態において、底面部15にねじ込んだ固定ボルト17の先端を下フランジ1aの下面に押し付けることで、梁装着部材10が床梁材1に装着されるようになっている。
【0029】
防振ゴム11は、略中央部を括れさせた略円筒状のゴム体を上下の鋼製プレートによって挟み込んだ構造となっていて、梁装着部材10の側面部16、16間において底面部15上から立ち上がるようにして装着されている。
【0030】
吊りボルト12は、その上端部にカシメナット18が螺合された状態で、防振ゴム11及び梁装着部材10の底面部15を上下方向に貫通している。なお、カシメナット18は、防振ゴム11の上側プレートに回転可能に係合されるようになっている。
【0031】
そして、吊りボルト12の下端部は、後述する第1野縁受け3の上側フランジ20を上下方向に貫通している。この吊りボルト12の下端部には、上下一対のナット19、19が螺合され、これらナット19、19を締め付けて第1野縁受け3の上側フランジ20を挟み込むことで、吊りボルト12の下端部に第1野縁受け3が取り付けられている。
【0032】
第1野縁受け3は、図2及び図5に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ20、20と、それらフランジ20、20の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ21とを備えている。第1野縁受け3・・としては、比較的長尺な一種類が用意されており、現場において天井面の形状や大きさに応じた長さに加工(カット調整)して使用されている。
【0033】
第2野縁受け4は、図2及び図7に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ20、20と、それらフランジ20、20の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ21とを備え、ウエブ21には複数のボルト挿通用孔21a・・が長手方向に適宜間隔をあけて形成されている。そして、第2野縁受け4には、第1野縁受け3には組み込まれていない複数の重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込まれている。
【0034】
ダイナミックダンパー30は、略直方体状に形成された例えば金属製の質量体31と、この質量体31よりも一回り小さな略直方体状に形成された例えば合成ゴム製の弾性体32とを接着一体化してなり、弾性体32における質量体31側とは反対側の側面には、一対のボルト挿通用孔33a、33aを有する装着板33が取り付けられている。
【0035】
そして、ダイナミックダンパー30は、その装着板33を第2野縁受け4のウエブ21に当接させて、互いに一致するボルト挿通用孔21a、33a・・に挿通したボルト34、34にナット35、35を螺合して締め付けることにより、弾性体32によって質量体31を弾性支持するようにして、剛性の高い第2野縁受け4のウエブ21に、その高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着されている。これにより、床下空間における配管や断熱材等の施工に際して、ダイナミックダンパー30が邪魔になり難くなっている。なお、ダイナミックダンパー30は、例えば63Hz帯域の振動に同調して振動するようにチューニングされている。
【0036】
上記のようなダイナミックダンパー30・・付きの第2野縁受け4・・としては、長さの異なる数種類のものが予め用意されている。具体的には、図8に示すように、6個〜12個のダイナミックダンパー30・・を夫々組み込んだ7種類のものが予め用意され、それらの各長さは、短いものから順に例えば約1870mm、約2200mm、約2530mm、約2870mm、約3200mm、約3530mm、約3870mmとされている。なお、すべての種類の第2野縁受け4・・において、ダイナミックダンパー30・・は長手方向に約333mmの間隔をあけて装着されており、両端部分に位置するダイナミックダンパー30、30から野縁受け両端面までの距離がいずれも約100mmとされている。
【0037】
そして、このような長さの異なる数種類(具体的には7種類)の第2野縁受け4・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置している。これにより、第2野縁受け4・・に対する現場での加工(カット調整)を極力なくすようにして、高価で再生困難なダイナミックダンパー30・・を廃棄せずに済むようにしている。
【0038】
この組み合わせ配置に際しては、特に天井面の幅寸法(対向する建物内壁6、6間の距離)が、図8(g)に示す第2野縁受け4(最も長い第2野縁受け)の長さを大幅に上回っている場合には、図1及び図3に示すように、複数の第2野縁受け4、4を横一列に並べることで、天井面の幅寸法に見合った長さに調整している。例えば、天井面の幅寸法が約6250mmのときには、図8(c)に示す第2野縁受け4と図8(e)に示す第2野縁受け4を横一列に並べたり、図8(d)に示す第2野縁受け4を2本使用してこれらを横一列に並べるようにしている。
【0039】
そして、このように複数の第2野縁受け4、4を横一列に並べるにあたって、第2野縁受け4、4の端部間には隙間S1を確保している。これにより、第2野縁受け4、4の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け4、4を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け4、4の端部同士の干渉をなくして、これら端部同士が擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
【0040】
また、第2野縁受け4、4を横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列4A・・は、図1及び図3に示すように、第1野縁受け3・・に対して略直交する方向に略等間隔をあけて互いに略平行に配置されるが、この場合、各第2野縁受け列4Aの中間部分において、隙間S1すなわち強度的に弱い欠損部分が生じることになる。そこで、これら第2野縁受け列4A・・における隙間S1・・を、第1野縁受け3・・に対して略直交する直線(図3の一点鎖線で示す線)上に揃わないように千鳥状に配置して、強度的に弱い欠損部分を分散させることで、天井板8に撓みを生じさせるような剛性低下を招くことがないようにしている。なお、間仕切り壁の直上位置近傍において隙間S1・・を千鳥状に配置させるようにすれば、剛性低下を確実に抑えることができる。
【0041】
さらに、第2野縁受け4・・は、床梁材1・・に吊り下げ支持されておらず、構造上支障をきたすことなく、比較的容易に増設したり、取り除いたりすることができることから、このような施工自由度の高い第2野縁受け4・・の本数を適宜調整することで、ダイナミックダンパー30・・の設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮音性能を簡単に調整可能としている。
【0042】
なお、第1及び第2野縁受け3、4・・のうち第2野縁受け4・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・が予め組み込んであって、第1野縁受け3・・には組み込まないようにしたのは、以下の理由による。すなわち、床梁材1・・に吊り下げ支持されて、天井荷重を支える第1野縁受け3・・は、天井面の端から端まで1本で連続していることが良好な剛性を確保する上で好ましい。このため、第1野縁受け3・・の施工に際しては、比較的長尺なものを用意して、天井面の形状や大きさに応じて加工(カット調整)することが一般的になされている。従って、このような現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受け3・・に対しては、ダイナミックダンパー30・・をあえて組み込まないようにして、加工(カット調整)に伴うダイナミックダンパー30・・の廃棄をなくすようにしている。なお、このように第1野縁受け3・・に対してダイナミックダンパー30・・を組み込まなくても、第1野縁受け3・・は第2野縁受け4・・に比べて本数が極端に少ないことから、重量床衝撃音に対する遮音性能に支障をきたすことはない。
【0043】
野縁5は、図5及び図9に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、その側面片40、40にはその長手方向に沿って係止溝41、41が夫々形成されている。この野縁5は、複数の野縁支持具50・・を介して第1及び第2野縁受け3、4・・の下側に跨って取り付けられている。
【0044】
野縁支持具50は、図5及び図9に示すように、上面部51と、この上面部51の両側端から延出した一対の側面部52、52とによって下向きの略コ字状に形成され、その上面部51には、一対の係合片53、53が形成されており、側面部52、52には、係止爪54、54が夫々形成されている。
【0045】
そして、野縁支持具50は、係合片53、53を第1野縁受け3や第2野縁受け4の下側フランジ20に係合させることで、第1野縁受け3や第2野縁受け4に取り付けられている。また、野縁支持具50の側面部52、52間に野縁5の上部を差し入れて、係止爪54、54を野縁5の係止溝41、41に係合させることで、野縁5が支持されている。
【0046】
壁際野縁7は、図10に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、野縁5と同様の構造となっている。この壁際野縁7は、側面片40、40を横方向に貫通する複数のビス55、55によって建物内壁6に固定されて、野縁5・・に対して略平行に配されている。
【0047】
そして、建物内壁6に固定された壁際野縁7上には、建物内壁6に対向する第1野縁受け3・・の端部が設置されている。具体的には、第1野縁受け3・・の端部の下側フランジ20・・に、例えば発泡樹脂製又はゴム製の平板状の緩衝材22が接着剤等によって予め貼り付けられていて、第1野縁受け3・・の端部は、建物内壁6に対して縁切りされた状態で、壁際野縁7の上面に緩衝材22を介在させながら載置されている。これにより、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第1野縁受け3・・が建物内壁6に干渉することによって生じる衝突音、振動する第1野縁受け3・・が建物内壁6に固定した壁際野縁7と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。なお、第1野縁受け3・・の端部は、このように緩衝材22を介して壁際野縁7上に設置するだけでなく、上記の野縁支持具50を使用して壁際野縁7上に設置しても良い。
【0048】
一方、建物内壁6に対向する第2野縁受け4・・の端部は、図4及び図11に示すように、壁際野縁7に対して離間した状態で配置されて、第2野縁受け4・・の端部と壁際野縁7との間には隙間S2・・が確保されている。これにより、第2野縁受け4・・の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け4・・を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け4・・が建物内壁6に干渉することによって生じる衝突音、さらには振動する第2野縁受け4・・が建物内壁6に固定した壁際野縁7と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
【0049】
なお、野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部は、図11及び図12に示すように、野縁5・・及び壁際野縁7・・に対して略直交するように、建物内壁6にビス60・・止めされた断面コ字状の溝形鋼からなるランナー61に固定されている。具体的には、ランナー61の室内側に開放する溝部に、野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部が差し込まれた状態で、ランナー61に野縁5・・及び壁際野縁7・・の端部がビス62・・止めされている。
【0050】
上記の天井構造においては、軽量床衝撃音低減用の防振吊り具2・・を介して吊り下げ支持された複数の第1野縁受け3・・と、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー30・・を予め組み込んだ複数の第2野縁受け4・・と、複数の野縁5・・とが格子状に組み付けられて、天井板8の下地部分が構成されている。従って、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を、防振吊り具2・・によって重点的に低減することができるとともに、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を、ダイナミックダンパー30・・によって重点的に低減することができ、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることができる。
【0051】
しかも、第2野縁受け4・・と野縁5・・との各交差部付近に、第2野縁受け4・・に組み込んだダイナミックダンパー30・・が配置されている。各交差部付近は、剛性が高くしかも天井全体に亘って分配配置されており、このような各交差部付近にダイナミックダンパー30・・を配置することで、ダイナミックダンパー30・・による重量床衝撃音の低減効果を天井全体に亘って効果的に利かすことができ、重量床衝撃音に対する遮音性能をより一層向上することができる。
【0052】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、この発明の天井構造は、新築の戸建て住宅に適用するだけでなく、リフォーム時における床衝撃音対策として既設の戸建て住宅に適用しても良い。また、軽量鉄骨系の戸建て住宅だけでなく、木造住宅やRC造の建物に適用しても良い。
【符号の説明】
【0053】
1・・床梁材、2・・防振吊り具、3・・第1野縁受け、4・・第2野縁受け、4A・・第2野縁受け列、5・・野縁、6・・建物内壁、7・・壁際野縁、8・・天井板、30・・ダイナミックダンパー、31・・質量体、32・・弾性体、S1・・隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物上層階の床梁材(1)・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具(2)・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け(3)・・と、床梁材(1)・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け(3)・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け(4)・・と、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・の下側に取り付けた複数の野縁(5)・・と、これら野縁(5)・・の下側に取り付けた天井板(8)とを備え、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・のうち前記第2野縁受け(4)・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー(30)・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け(4)・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置したことを特徴とする建物の天井構造。
【請求項2】
前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・に対して略直交するように、建物内壁(6)に固定した壁際野縁(7)・・を備え、前記建物内壁(6)に対向する前記第1野縁受け(3)・・の端部を、前記壁際野縁(7)・・上に設置するとともに、前記建物内壁(6)に対向する前記第2野縁受け(4)・・の端部を、前記壁際野縁(7)・・に対して離間させるようにした請求項1記載の建物の天井構造。
【請求項3】
複数の前記第2野縁受け(4)・・をそれら端部間に隙間(S1)を確保しながら横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列(4A)・・を、前記第1野縁受け(3)・・に対して略直交する方向に間隔をあけて互いに略平行に配置するとともに、これら第2野縁受け列(4A)・・における前記隙間(S1)・・を、前記第1野縁受け(3)・・に対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に配置した請求項1又は2記載の建物の天井構造。
【請求項4】
前記第2野縁受け(4)・・における前記ダイナミックダンパー(30)・・を、前記第2野縁受け(4)・・と前記野縁(5)・・との交差部付近に配置した請求項1乃至3のいずれかに記載の建物の天井構造。
【請求項5】
前記第2野縁受け(4)・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー(30)・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能とした請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の天井構造。
【請求項6】
前記ダイナミックダンパー(30)は、質量体(31)と弾性体(32)とを組み合わせてなり、その弾性体(32)によって質量体(31)を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け(4)にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着した請求項1乃至5のいずれかに記載の建物の天井構造。
【請求項1】
建物上層階の床梁材(1)・・に軽量床衝撃音低減用の防振吊り具(2)・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け(3)・・と、床梁材(1)・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け(3)・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け(4)・・と、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・の下側に取り付けた複数の野縁(5)・・と、これら野縁(5)・・の下側に取り付けた天井板(8)とを備え、前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・のうち前記第2野縁受け(4)・・のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー(30)・・が予め組み込んであって、長さの異なる数種類の第2野縁受け(4)・・を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置したことを特徴とする建物の天井構造。
【請求項2】
前記第1及び第2野縁受け(3)(4)・・に対して略直交するように、建物内壁(6)に固定した壁際野縁(7)・・を備え、前記建物内壁(6)に対向する前記第1野縁受け(3)・・の端部を、前記壁際野縁(7)・・上に設置するとともに、前記建物内壁(6)に対向する前記第2野縁受け(4)・・の端部を、前記壁際野縁(7)・・に対して離間させるようにした請求項1記載の建物の天井構造。
【請求項3】
複数の前記第2野縁受け(4)・・をそれら端部間に隙間(S1)を確保しながら横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列(4A)・・を、前記第1野縁受け(3)・・に対して略直交する方向に間隔をあけて互いに略平行に配置するとともに、これら第2野縁受け列(4A)・・における前記隙間(S1)・・を、前記第1野縁受け(3)・・に対して略直交する直線上に揃わないように千鳥状に配置した請求項1又は2記載の建物の天井構造。
【請求項4】
前記第2野縁受け(4)・・における前記ダイナミックダンパー(30)・・を、前記第2野縁受け(4)・・と前記野縁(5)・・との交差部付近に配置した請求項1乃至3のいずれかに記載の建物の天井構造。
【請求項5】
前記第2野縁受け(4)・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー(30)・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮音性能を調整可能とした請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の天井構造。
【請求項6】
前記ダイナミックダンパー(30)は、質量体(31)と弾性体(32)とを組み合わせてなり、その弾性体(32)によって質量体(31)を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け(4)にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着した請求項1乃至5のいずれかに記載の建物の天井構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−12829(P2012−12829A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150007(P2010−150007)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
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