説明

建築物用構造材

【課題】 鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、衝撃等による振動が少なく、さらに火災等の高熱にも対処し、間伐材等並材を強度等級区分をせずに使用して、鉄骨建設物の構造材への利用を可能とするとともに、彫刻可能な大断面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強度,木材の暖かみや調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼ね備え、炭素のストック化による地球環境にも有益な建築物用構造材を提供する。
【解決手段】 鋼材からなる軸状の芯部材2と、該芯部材2の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した木製部材3とを具備し、且つその端部に芯部材2のみからなる所定長さの継手部21を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨建築等で使用される建築物用構造材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼材は、品質精度が高く強度が安定しているため、鉄骨建築や橋桁等建設資材に多く使用されている。また、木材は、入手し易く加工性も良いため、家屋等建築物の構造材や内装材として古くから広く使用され、木橋や屋外建設物等にも多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼材は鉄骨建設資材として多く使用されているが、衝撃等により特有の振動が発生する欠点がある。例えば、近年の高層マンション化で、階上の住人(子供たち)が飛び跳ねたりすると、階下の住人が天井等から響いてくる振動音に悩まされるケースも出てきている。また、鋼材は、火災等の高熱にさらされると急激に強度が低下したり、木材のように暖かみや調湿機能等が無い等の問題もある。一方、木材には、鋼材に比べて強度的に劣るとともに、強度にばらつきが大きいと言う欠点がある。斯る対策として、例えば、比較的大規模な木造建築物の構造材など強度を必要とする木製構造材は、断面を大きくしたり強度等級区分をした木製部材を貼り合わせたりした集成材を利用するなどして対処してきた。また、より強度をあげるために継手部を除く集成材の中に、鋼材を補強材として埋め込んだ■特開平4−143352号公報の他、■特開平11−44044号公報,実用新案登録第3035798号公報、■実用新案登録第3031921号公報、■特開昭63−226438号公報、■特開平9−144141号公報等の技術が提案されている。上記■の開示技術は木材の全長に亘って鋼材を目暗状に埋入するか接合して一体とし、該鋼材端を派出延長して接続部とした柱状の建築構築用複合材であり、■の技術は複数の形鋼の溝状部内などに木製角材を嵌込み固定した合成柱である。また、■の技術は木製部材の断面中心に棒状鋼材よりなる引張補強材を貫挿した木製建築部材で、■の技術は鋼鉄その他の強靭な金属のアングルを芯として木質部分に通したプレカット集成材である。
【0004】しかしながら、上述の集成材や公報技術は木造建設物に使用されるものであり、強度計算上も木造建設資材としての強度評価となり、鉄骨建設物の構造材としては使用できない問題があった。また、前記公報技術■には外見は木造でありながら実質は鉄骨又は鉄筋の強力な建築物を建設することが可能になる効果を奏するとしているが、プレカット集成材の強度を保証する手段が明確にされていない。すなわち、従来の集成材や■から■の公報技術は部材の断面における圧縮,引張,剪断方向の強度や長さ方向の圧縮,引張,曲げ方向の強度が鉄骨建築物さらに大規模な木造建築物に適用するには十分なものといえるものでなかった。そして、集成材を橋桁として使用する場合には、橋台との取り付け部が地面と接することがあり、腐朽する欠点があった。また、木造建築の分野において、社寺仏閣等大型建築物の彫刻を必要とする大断面木質構造材は、良質大径木の減少により入手も困難になり、価格も高くなっていた。さらに、現在国家的な課題となっている、大量に生産される間伐材等並材の需要を拡大するための新たな利用技術,新製品の開発が強く望まれていた。最近では地球温暖化防止等の面からも、木材の大量使用による炭素のストック化が望まれるようになってきている。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するもので、鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、衝撃等による振動が少なく、さらに火災等の高熱にも対処し、間伐材等並材を強度等級区分をせずに使用して、鉄骨建設物の構造材への利用を可能とするとともに、彫刻可能な大断面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強度、木製材のもつ柔軟な感触や暖かみ,自然味,素朴さ,優しさなど感性の優れた面や調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼ね備え、炭素のストック化による地球環境にも有益な建築物用構造材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、請求項1記載の発明の要旨は、鋼材からなる軸状の芯部材と、該芯部材の周囲に接着剤を介在させて接着被覆した木製部材とを具備し、且つその端部に芯部材のみからなる所定長さの継手部を設けてなることを特徴とする建築物用構造材にある。ここで、「建築物用構造材」には橋梁,橋桁等の土木・建設資材用構造材も含むものとする。また、請求項2の発明たる建築物用構造材は、請求項1で、芯部材に被覆した木製部材の最外側に、所定厚みの良質の木質基材を接着剤を介在させて接着被覆してなることを特徴とする。請求項3の発明たる建築物用構造材は、請求項1または2で、芯部材が形鋼で造られることを特徴とする。請求項4の発明たる建築物用構造材は、請求項1〜3で、木製部材が、強度等級区分されていない木材,集成材,並材,間伐材のうちの少なくとも一つであることを特徴とする。請求項5の発明たる建築物用構造材は、請求項1〜4で、強度が芯部材で保証されたことを特徴とする。請求項6の発明たる建築物用構造材は、請求項1〜5で、制振特性としての振動減衰比が前記芯部材単体の5倍以上となることを特徴とする。請求項7の発明たる建築物用構造材は、請求項1〜6で、木製部材が火災時の燃え代として確保され、芯部材の強度低下を防止するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建築物用構造材の実施形態について詳述する。
(1)実施形態1図1〜図3は本発明の建築物用構造材の一形態を表し、図1は建築物用構造材の端部周りの斜視図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図1の建築物用構造材の側面図を示す。
【0008】建築物用構造材1は鋼材からなる芯部材2と、該鋼材の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した木製部材3と、を具備する。芯部材2を構成する鋼材は、鉄骨部材たり得る長さがある。芯部材2となる鋼材はI形,H形,L形,T形,コ形,+形等の形鋼や鋼管等、構造強度材として使用可能なものであれば、いかなる形状のものでもよい。
【0009】木製部材3は所定形状若しくは所定厚みに加工された木製品で、間伐材等並材で造った角材や板材,集成材などを含む。該木製部材3で、両端部を除いた芯部材2の主要部2aの全てが隠されるように覆着する。木製部材3は任意の大きさの直方体,立方体,円柱,錐体等に形成したものを使用できる。木チップなどを成形した木質加工材を使用してもよい。木製部材3の強度に関しては、鋼材で強度保証するため、集成材製作の際に要する強度等級区分は不要である。
【0010】木製部材3が被覆されない前記両端部は、芯部材2のみからなる継手部21となる。該継手部21は建築物用構造材1中を一本で縦通する芯部材2の端部であり、所定長さを有するこの部分を利用して他の鉄骨部材等に連結し鉄骨建設物の構造材に供することができる。該継手部21は建物が完成した時点で外観に現われない所となり、建築物用構造材は外部からはあたかも木製品であるように思わせる構成にある。
【0011】図1では、I形鋼からなる芯部材2の主要部周囲を接着剤4を塗布して複数本(ここでは6本)の角柱の木製部材3で接着被覆している。該木製部材3は主要部2aに全面に亘り密着できるよう部分的に切り欠かれる。そして、建築物用構造材1の両端部には芯部材2がむき出しとなる所定長さの継手部21が設けられる。上記芯部材2に木製部材3が被着された建築物用構造材1の本体部分は、あたかも木製の柱や梁木材として使える一本の角柱体ごときを呈している。
【0012】前記木製部材3は芯部材2に接着剤4を用いて接着被覆されるが、該接着剤としては、一液性自然硬化タイプあるいは二液性混合タイプ(二成分以上の多成分混合タイプでも可)を用いることができる。作業工程,硬化時間,コストおよび各種物性などについて考慮して選定される。勿論、接着剤は、鋼材および木材に対して接着性(親和性)を有する成分で構成されることおよび実使用における耐久性を有することが必要である。接着剤の主成分としては、ポリウレタン,エポキシ樹脂,アクリル樹脂樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などの公知の汎用樹脂を使用することができる。ポリウレタン,ゴム系などの柔軟な接着剤を使用した場合、本発明の効果の一つである振動減衰効果をさらに高めることができ、より好ましくなる。また、高い接着強度で接着させることが可能なエポキシ樹脂,アクリル樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などを使用した場合、屋外で使用しても優れた耐久性を示す構造材を形成することができ、好適となる。
【0013】一般的に、JASに定められている構造用集成材の剪断強度は、スギの常態の場合、54kgf/cm 以上,木破率70%以上であり、この数値よりも高い値を示す接着剤は全て本発明において使用可能である。また、木材自体の強度が低い場合は、木破率100%時の接着強度を考慮して接着剤を選定すればよく、破断時の強度に大きく依存する必要はない。一液性自然硬化型接着剤としては、末端イソシアネート基含有のウレタンプレポリマーはすべて例外なく使用可能であるが、接着強度をより高めるために、ポリウレタンを構成するソフトセグメントとしてのポリオール成分およびハードセグメントとしてのイソシアネート成分の含有量を調整する必要がある。柔軟性のあるポリウレタンとしては、水酸基価(OHV)がおよそ28〜150mgKOH/gのポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)などの2官能以上のイソシアネート化合物との反応物の湿気硬化物を例示することができる。二液性混合型接着剤としては、汎用のビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤との組み合わせによる接着剤として使用可能である。具体的な接着剤としてイイダ産業株式会社製のOROTEX 4650を例示できる。ここで、鋼材からなる芯部材2に木製部材3を接着する際に、芯部材表面に研掃工具を用いて下地処理を行い、適当な表面粗さとなるように面粗しを行い、芯部材表面の錆,汚れを除去することや、有機溶剤にて芯部材表面の脱脂を行うと、高い接着強度が得られるので、より好ましい。
【0014】(2)実施形態2本実施形態は、図2に対応する断面図が図4に示すごとくの建築物用構造材である。鋼材からなる芯部材2と、該芯部材2の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した木製部材3とを具備し、且つその端部に芯部材2のみからなる所定長さの継手部21を設ける基本構成は実施形態1と同様であるが、さらに前記芯部材2に被覆した木製部材3の最外側に、彫刻可能な所定厚みの良質の木質基材5を接着剤を介在させて接着被覆した建築物用構造材1になっている。良質の木質基材5とは化粧板や彫刻可能な所定厚みがある高付加価値の木材(例えばケヤキ,ヒノキ)をいう。高付加価値は木製部材3より高価であれば要件を満たす。両端の継手部21を残して芯部材の主要部2aを木製部材が覆着し、さらに該木製部材の最外側の外周面を木質基材5が覆着する。ここでの木製部材3は、図4からも判るように、木製部材3が木質基材5に覆われるために意匠面として現われてこない。従って、この場合の木製部材3には集成材の他、合板,パーティクルボード,ファイバーボード等も用いることができる。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省略する。
【0015】ところで、本発明の建築物用構造材は構造材としての強度を鋼材からなる芯部材2の部分で保証するものである。すなわち、構造材の断面における圧縮,引張,剪断方向の強度や長さ方向の圧縮,引張,曲げ方向の強度を芯部材2で保証する。鋼材のバラツキが少なく且つ安定した高い強度特性を活用するものである。芯部材2で強度を負担する設計とするので、従来、木質材料では困難であった大規模建築物や橋梁などに適用できる。また、建築物の柱や梁に適用した際に、木材では困難であった長さが確保でき、木材に比べて柱と柱の間隔を長くでき、間取りの自由度を増すことができ設計の幅を広げることができる。また、本発明の建築物用構造材は構造材としての強度を鋼材からなる芯部材2で保証するものである。従って、芯部材2の周囲に被覆する木製部材3の強度は問われない。強度等級区分されない木材,集成材,並材,間伐材などから適宜選定すればよいことになる。
【0016】そして、本発明の建築物用構造材は、鋼材からなる芯部材2の周囲に被覆する木製部材3は衝撃を受けて振動する芯部材2の振動を吸収し、芯部材単独の場合に比べて高い制振効果を有する。建築物用構造材の制振特性としての振動減衰比が軸状の鋼材からなる芯部材2単体の5倍以上のものとすると、より好ましくなる。また、本発明の建築物用構造材は、鋼材からなる芯部材2の周囲に木製部材3を被覆しているので、火災時には木製部材3が炭化してしまう部分すなわち燃え代となる。従って、木製部材3が燃える間、芯部材2への熱の伝導を遅らせ、火災時においても芯部材2に熱の影響が及ばないようになっている。木製部材3を形成する木材の炭化速度は0.6〜0.7mm/分であるので、木製部材表面から芯部材2までの被覆厚さを適宜選定することにより芯部材2の温度上昇を防止することができる。また、木製部材3が燃えた炭化物が熱伝導を遅らせる被覆物として作用する。これらのことにより芯部材2の温度上昇を防ぎ、高温下における芯部材2の鋼材強度の低下を防止できる。このように、本発明の建築物用構造材は、耐火性能が芯部材単独に比べて高いものとなっている。
【0017】次に本発明品の振動減衰性能比較試験について説明する。本発明にかかる建築物用構造材を以下のように製作し、それぞれについて振動減衰試験を三重県科学技術振興センター・林業技術センター構内で行った。
【0018】■振動減衰性能比較試験1図5のように、芯部材2としてI形鋼200×100×5.5×8の鋼材を使用し、且つ、芯部材2の主要部2aに6本の木製部材3を接着剤4を塗布して接着被覆し、一辺が262cm×167cmの長方形断面の建築物用構造材1を製作した。
【0019】上記建築物用構造材についてインパルス加振法による振動減衰特性試験を行った。その結果を表1に示す。減衰特性は振動減衰比ζが大きいほど大きく、表1より建築物用構造材は、芯部材21のみと比較して、約4倍の大きな振動減衰効果のあることが認められた。
【0020】
【表1】


【0021】■振動減衰性能比較試験2図6のように、芯部材2としてI形鋼300×150×6.5×9の鋼材を使用し、芯部材2の主要部2aに12本の木製部材3を接着剤4を塗布して接着被覆し、一辺が370cm×282cmの長方形断面の建築物用構造材1を製作した。
【0022】上記建築物用構造材についてインパルス加振法による振動減衰特性試験を行った。その結果を表2に示す。表2より建築物用構造材は芯部材22のみと比較して、少なくとも振動数565Hz〜808Hzの領域で5倍以上(詳しくは約5〜30倍)の大きな振動減衰効果のあることが認められた。
【0023】
【表2】


【0024】このように構成した建築物用構造材は、前述の振動減衰性能比較試験からも判るように衝撃等による振動が少ない優れた特性を有する。鋼材の振動に関し、鋼材の芯部材の周囲を木製部材で被覆するすることにより鋼材の振動を木材が吸収し、高い制振効果が得られる。木材の需要拡大について、従来、木製部材は柱や梁などの建築物の構造材として利用する場合は木造建設物に限られていたが、本発明により鉄骨建設物の分野への利用を可能とし、木材の需要拡大に貢献するとともに、炭素のストック化による地球温暖化防止にも役立つ。
【0025】さらに、本建築物用構造材1は、鋼材の強度と木材の暖かみや調湿機能等の鋼材と木材の各々の長所を兼ね備えている。すなわち、鋼材を芯部材2とし、その周囲を接着剤を介在して木製部材3で接着被覆し、且つ、その端部に芯部材2のみからなる所定長さの継手部21を設けて構成しているため、鋼材もしくはそれ以上の機械的強度が保証される。建築物用構造材の組立における継手部21の接合方法については、従来の鉄骨建設物の接合技術がそのまま使用できる。建築物用構造材は、鋼材からなる芯部材2が一本通って、しかも主要部2aに木製部材3を覆着しながらも両端部の継手部21を用いて建造物の軸組に締結できるので、鉄骨建築に幅広く利用できる。そして、建築物用構造材1の意匠面は木製部材3が現われるので、建造物になったとき、木製部材3のもつ風合い,色,質感が落ち着きを漂わせる。橋桁への利用については、橋台への取り付け部となる継手部21が鋼材であるため、腐朽等の対策が容易となる。加えて、図4のごとく、建築物用構造材の継手部21を除く最外側に、彫刻可能な一定厚さのケヤキ等良質の木質基材5を接着剤を介在して接着被覆すれば、社寺仏閣等の大断面木質構造材の代替として低コスト提供が可能となる。
【0026】尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、芯部材2,木製部材3,接着剤4,木質基材5等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0027】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の建築物用構造材は、鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、衝撃等による振動が少なく、火災等の高熱にも対処し、間伐材等並材を強度等級区分をせずに使用して、鉄骨建設物の構造材への利用を可能とするとともに、彫刻可能な大断面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強度,木材の暖かみや調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼ね備えた建設資材を提供し、さらには炭素のストック化による地球環境の保全にも貢献することができるなど多大な効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の建築物用構造材の端部周りの斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1の建築物用構造材の側面図である。
【図4】実施形態2の建築物用構造材で、図2に対応する断面図である。
【図5】振動減衰性能比較試験1の建築物用構造材で、図2に対応する断面図である。
【図6】振動減衰性能比較試験2の建築物用構造材で、図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 建築物用構造材
2 芯部材
21 継手部
3 木製部材
4 接着剤
5 木質基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋼材からなる軸状の芯部材と、該芯部材の周囲に接着剤を介在させて接着被覆した木製部材とを具備し、且つその端部に芯部材のみからなる所定長さの継手部を設けてなることを特徴とする建築物用構造材。
【請求項2】 前記芯部材に被覆した木製部材の最外側に、所定厚みの良質の木質基材を接着剤を介在させて接着被覆してなる請求項1記載の建築物用構造材。
【請求項3】 芯部材が形鋼で造られる請求項1ないし2記載の建築物用構造材。
【請求項4】 木製部材が、強度等級区分されていない木材,集成材,並材,間伐材のうちの少なくとも一つである請求項1ないし3記載の建築物用構造材。
【請求項5】 強度が芯部材で保証された請求項1ないし4記載の建築物用構造材。
【請求項6】 制振特性としての振動減衰比が前記芯部材単体の5倍以上となる請求項1ないし5記載の建築物用構造材。
【請求項7】 木製部材が火災時の燃え代として確保され、芯部材の強度低下を防止するようにした請求項1ないし6記載の建築物用構造材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−160766(P2000−160766A)
【公開日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−200177
【出願日】平成11年7月14日(1999.7.14)
【出願人】(594156880)三重県 (58)
【出願人】(000101905)イイダ産業株式会社 (47)
【出願人】(000004123)日本鋼管株式会社 (1,044)
【出願人】(595098240)株式会社ジャパンテクノメイト (6)