説明

引き違い戸装置

【課題】小型化できる引き違い戸装置を提供する。
【解決手段】キャビネット本体2の前面開口部4の開口縁に沿って移動可能に走行部材35を取り付ける。右側引戸体11および左側引戸体12の揺動部材52を走行部材35に対して前後方向に揺動可能に取り付ける。揺動部材52の内側を走行部材35に対して後側にばね体62で付勢する。右側引戸体11または左側引戸体12の内側を前側に揺動してから開口縁に沿って移動する。キャビネット本体2の前面開口部4を開口できる。右側引戸体11または左側引戸体12を外側に移動すると、ばね体62の弾性力で揺動部材52の内側が後側に引き込まれる。キャビネット本体2の前面開口部4を閉塞できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1引戸と第2引戸との重ね合わせで開口部が開口可能な引き違い戸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の引き違い戸装置としては、各引戸に走行部材が走行可能に取り付けられ、これら引戸を引き違い状態にすることで開口可能に構成されている。そして、これら走行部材は、開閉方向に移動可能なY軸キャリッジと、このY軸キャリッジに前後方向に沿って取り付けられたロッドに沿って前後方向に走行可能なX軸キャリッジとを有している。また、これらX軸キャリッジとY軸キャリッジとの間には、これらY軸キャリッジを後方に付勢する付勢手段が取り付けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、この種の引き違い戸装置としては、複数の扉体のうちの1枚を厚さ方向に移動させて、他の扉体と重なるように水平移動することで収容庫の筐体の前面が開口されるように構成されている。そして、筐体の上部フレームおよび下部フレームそれぞれの前部に、前方に開口する空間部を設けて、これら空間部に、扉体を移動可能に支持する扉移動機構が設けられた構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、この種の引き違い戸装置に関連する引戸装置としては、引戸の上端部を吊り下げ支持する引戸吊持手段が走行するガイドレールが、出入り用開口の下端部に取り付けられている。そして、これら引戸吊持手段のガイドレールに沿った走行方向の左右位置である引戸の前後方向にガイドローラが取り付けられた構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2005−23539号公報
【特許文献2】特開2005−60929号公報
【特許文献3】特開2004−169469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の引き違い戸装置では、開閉方向に移動可能なY軸キャリッジに前後方向に沿って取り付けられたロッドに沿って前後方向に移動可能にX軸キャリッジが取り付けられている。したがって、これらX軸キャリッジとY軸キャリッジとの間にロッドを設けるスペースを確保する必要があるから、これらX軸キャリッジおよびY軸キャリッジにて構成された走行部材が大型化してしまうおそれがある。
【0006】
また、上記特許文献2記載の引き違い戸装置では、筐体の上部フレームおよび下部フレームそれぞれの前部に、前方に開口する空間部を設け、これら空間部に扉移動機構を設けていることから、これら空間部を形成するためのスペースを確保しなければならず、大型化してしまうおそれがある。
【0007】
さらに、上記特許文献3記載の引戸装置では、引戸吊持手段の前後にガイドローラを取り付けた構成であるため、これらガイドローラを取り付けるためのスペースが、引戸吊持手段の前後に必要となる。したがって、これら引戸吊持手段が大型化してしまうおそれがあり、小型化が容易ではないという問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、小型化できる引き違い戸装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の引き違い戸装置は、水平方向に開口した開口部を有する収容装置本体の前記開口部の開口縁およびこの開口部の開口方向のそれぞれに沿って移動可能に取り付けられ前記開口部の少なくとも一部を閉塞する第1引戸と、前記収容装置本体の開口部の開口縁およびこの開口部の開口方向のそれぞれに沿って移動可能に取り付けられ前記開口部のうちの前記第1引戸にて閉塞される部分と異なる一部を閉塞する第2引戸とを具備し、前記第1引戸および第2引戸は、前記開口部の開口方向に沿って重ね合わせ可能で、これら第1引戸および第2引戸を互いに重ね合わせることにより、前記開口部の少なくとも一部が開口可能な引き違い戸装置であって、前記収容装置本体に取り付けられこの収容装置本体の開口部の開口縁に沿って移動可能な一対の走行部材と、これら一対の走行部材それぞれに前記開口部の開口方向に向けて揺動可能に取り付けられ、前記第1引戸および第2引戸のいずれかが取り付けられた一対の揺動部材と、これら一対の揺動部材それぞれの対向する側を前記走行部材に対して前記収容装置本体の開口部の反対側に向けて付勢する一対の付勢手段とを具備したものである。
【0010】
請求項2記載の引き違い戸装置は、請求項1記載の引き違い戸装置において、収容装置本体の開口部の上側に、この開口部の開口縁に沿って取り付けられた一対のガイドレールを具備し、走行部材は、前記ガイドレールの内部に位置して走行可能に取り付けられているものである。
【0011】
請求項3記載の引き違い戸装置は、請求項2記載の引き違い戸装置において、ガイドレールの内部に位置して走行部材に並べて取り付けられ、第1引戸および第2引戸の開閉時の前記第1引戸および第2引戸による前記収容装置本体への衝撃を緩衝する緩衝手段を具備したものである。
【0012】
請求項4記載の引き違い戸装置は、請求項3記載の引き違い戸装置において、一対の走行部材は、収容装置本体の開口部の開口方向に沿って突出した被係合部をそれぞれ有し、各緩衝手段は、第1引戸および第2引戸の開閉時に、前記被係合部に係合して前記収容装置本体への前記走行部材の衝撃を緩衝するものである。
【0013】
請求項5記載の引き違い戸装置は、請求項1ないし4いずれか記載の引き違い戸装置において、一対の揺動部材は、これら一対の揺動部材が対向する側が収容装置本体の開口部の開口方向に向けて揺動可能に形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の引き違い戸装置によれば、収容装置本体の開口部の開口縁に沿って移動可能な一対の走行部材それぞれに開口部の開口方向に向けて揺動可能に揺動部材を取り付け、これら揺動部材それぞれの対向する側を開口部の反対側に向けて付勢手段で付勢した。したがって、この揺動部材の対向する側を付勢手段による付勢に抗して揺動させてから開口部の開口縁に沿って走行部材を移動させることで、第1引戸と第2引戸とを重ね合わせて開口動作できる。また、この揺動部材を開口部の開口縁に沿って相対する側に移動させることで、この揺動部材の対向する側が付勢手段による付勢にて開口部の反対側に揺動されるから、第1引戸および第2引戸を閉塞動作できる。よって、これら揺動部材と走行部材との間に付勢手段を設けるだけで、第1引戸および第2引戸を引き違い操作できるから、これら揺動部材と走行部材との間に比較的大きな空間を設ける必要がないため、小型化できる。
【0015】
請求項2記載の引き違い戸装置によれば、走行部材を一対のガイドレールの内部に位置させて走行可能に取り付けたことにより、これら走行部材と第1引戸および第2引戸との衝突を防止できる。
【0016】
請求項3記載の引き違い戸装置によれば、収容装置本体に緩衝手段を取り付けたことにより、第1引戸および第2引戸の開閉時の第1引戸および第2引戸による収容装置本体への衝撃を緩衝できる。
【0017】
請求項4記載の引き違い戸装置によれば、第1引戸および第2引戸の開閉時に緩衝手段に係合する被係合部を収容装置本体の開口部の開口方向に沿って突出させたことにより、これら被係合部および緩衝手段を走行部材および揺動部材に並べて設置できるため、より小型化できる。
【0018】
請求項5記載の引き違い戸装置によれば、揺動部材の対向する側を収容装置本体の開口部の開口方向に向けて揺動させてから開口部の開口縁に沿って移動させることで、第1引戸と第2引戸とを重ね合わせできるから、この揺動部材全体を開口方向に向けて揺動させる場合に比べ、この揺動部材を揺動させるために必要な空間をより小さくできるから、より小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の引き違い戸装置の一実施の形態を図1ないし図25を参照して説明する。
【0020】
図1ないし図15において、1は引き違い戸装置で、この引き違い戸装置1は、例えばシステムキッチン等の収容装置本体である家具本体としてのキャビネット本体2に取り付けられている。具体的に、この引き違い戸装置1は、キャビネット本体2の前側に位置した一側面である前面を開口させた前面開口部4を、この前面開口部4の開口縁に沿った水平方向に向けて開閉可能にする。
【0021】
さらに、キャビネット本体2は、天板部5、底板部6、右側板部7、左側板部8および背板部9を有している。また、このキャビネット本体2の前面開口部4は、左右方向長手状で垂直方向の正面視略細長矩形状に形成されており、水平方向に向けて開口している。さらに、この前面開口部4の正面視右側には、この前面開口部4の正面視右側半分を開閉可能に閉塞する正面視矩形状の扉体である第1引戸としての右側引戸体11が取り付けられている。また、この前面開口部4の正面視左側には、この前面開口部4の正面視左側半分を開閉可能に閉塞する正面視矩形状の扉体である第2引戸としての左側引戸体12が取り付けられている。
【0022】
ここで、これら右側引戸体11および左側引戸体12それぞれの前面開口部4に対向させて取り付けられる側である裏面には、これら右側引戸体11あるいは左側引戸体12をキャビネット本体2の前面開口部4に吊下支持させる取付凹部としての埋設凹部13が、例えば2つずつ形成されている。これら埋設凹部13は、右側引戸体11および左側引戸体12それぞれの上端部に設けられ、これら右側引戸体11および左側引戸体12の上端縁の中央部から等間隔に離間した位置に取り付けられている。さらに、これら埋設凹部13は、これら埋設凹部13の下端側の中央部が下方に突出した正面視略V字状に形成され、この埋設凹部13の上端側が水平な直線状に形成されている。
【0023】
そして、これら右側引戸体11および左側引戸体12は、キャビネット本体2の前面開口部4の開口縁および水平方向のそれぞれに沿って移動可能に取り付けられている。また、これら右側引戸体11および左側引戸体12は、前面開口部4のうちの他方にて閉塞される部分とは異なる部分を閉塞する。さらに、これら右側引戸体11および左側引戸体12は、キャビネット本体2の前面開口部4に対して、この前面開口部4の開口方向に沿って平行に重ね合わせできるように構成されている。よって、これら右側引戸体11および左側引戸体12は、これら右側引戸体11および左側引戸体12を前面開口部4に沿って水平に重ね合わせることにより、この前面開口部4の長手方向である水平方向の略半分の領域が開口される。
【0024】
さらに、キャビネット本体2は、このキャビネット本体2の天板部5に対して、この天板部5の上面14より右側板部7、左側板部8および背板部9のそれぞれを上方に突出させた状態で取り付けられている。よって、このキャビネット本体2の天板部5の上面14上の右側板部7、左側板部8および背板部9それぞれの上端部にて囲まれた領域が取付凹部15となる。
【0025】
そして、このキャビネット本体2の取付凹部15には、一対のガイドレール16,17が取り付けられている。これら一対のガイドレール16,17は、キャビネット本体2の前面開口部4の上側である天板部5の上面14に、この前面開口部4の開口縁である水平方向に沿って取り付けられている。具体的に、これら一対のガイドレール16,17は、これら各ガイドレール16,17の長手方向をキャビネット本体2の天板部5の長手方向に沿わせた状態で、この天板部5の前後方向に向けて平行に離間されて取り付けられている。さらに、これら各ガイドレール16,17の幅方向の一側面には、これらガイドレール16,17の長手方向に沿った断面凹状の係止凹部18が形成されている。また、これら各ガイドレール16,17の係止凹部18の幅方向の一側である先端側には、これら係止凹部18に連続して開口したローラ係止部19が設けられている。これらローラ係止部19は、ガイドレール16,17の幅方向としての前後方向に沿って水平に並べられて設けられている。具体的に、各係止凹部18は、各ガイドレール16,17の基端側である奥側に設けられ、各ローラ係止部19は、各ガイドレール16,17の先端側である手前側にそれぞれ設けられている。
【0026】
また、これら各ガイドレール16,17それぞれの係止凹部18には、これら係止凹部18に沿ってキャビネット本体2の右側板部7あるいは左側板部8への衝撃を緩衝する緩衝手段としてのダンパ装置20がそれぞれ取り付けられている。これらダンパ装置20は、ガイドレール16,17の係止凹部18の内部に位置して嵌合されて、この係止凹部18内に収容されて取り付けられている。
【0027】
さらに、これら一対のガイドレール16,17のうちの一方のガイドレール16は、この一方のガイドレール16の係止凹部18を背板部9側である後側に向けた状態で、取付凹部15の前端縁、すなわち天板部5の上面14の前端縁に沿って取り付けられている。また、これら一対のガイドレール16,17のうちの他方のガイドレール17は、この他方のガイドレール17の係止凹部18を前面開口部4側である前側に向けた状態で、取付凹部15の前後方向の中間部、すなわち天板部5の上面14の前後方向の中間に、この天板部5の長手方向に沿って取り付けられている。よって、これら一対のガイドレール16,17は、これら一対のガイドレール16,17の係止凹部18を互いに平行に向かい合わせた状態で、天板部5の上面14上に平行に取り付けられている。
【0028】
さらに、キャビネット本体2の天板部5の上面14のうちの一対のガイドレール16,17にて挟まれた部分には、平面視矩形状のレール部材21が取り付けられている。このレール部材21は、一対のガイドレール16,17の間に位置した天板部5の上面14を略覆う大きさの平面視細長矩形平板状に形成されており、この天板部5の上面14にねじ止めされて固定されている。さらに、このレール部材21は、このレール部材21の長手方向の中間部を構成する中間レール部22と、この中間レール部22の長手方向の両側部に連続して取り付けられる右側レール部23および左側レール部24とを備えている。
【0029】
ここで、このレール部材21の中間レール部22には、この中間レール部22の長手方向に沿って一対の中間凹部25,26が設けられている。これら一対の中間凹部25,26は、中間レール部22の幅方向の一側である前側寄りの位置に、この中間レール部22の幅方向に向けて平行に並べて設けられて、断面凹溝状に形成されている。
【0030】
そして、この中間レール部22の正面視右側に連続して取り付けられる右側レール部23には、この中間レール部22の中間凹部25,26に連通する一対の右側凹部27,28が設けられている。これら一対の右側凹部27,28は、右側レール部23の幅方向の一側である前側寄りの位置に、この右側レール部23の幅方向に向けて平行に並べて設けられて、断面凹溝状に形成されている。
【0031】
さらに、これら一対の右側凹部27,28のうち、右側レール部23の後側に位置している右側凹部27は、中間レール部22の後側に位置している中間凹部25の正面視右側の端部に連続する位置から、この右側レール部23の後側に向けて円弧状に湾曲した形状に形成されている。また、これら一対の右側凹部27,28のうち、右側レール部23の前側に位置している右側凹部28は、中間レール部22の前側に位置している中間凹部26の正面視右側の端部に連続する位置から、この右側レール部23の正面視右側に向かいつつ、この右側レール部23の後側に向けて徐々に湾曲した滑らかな円弧状に形成されている。さらに、この右側凹部28の正面視右側に位置する端部は、右側レール部23の前後方向において、この右側レール部23の後側に設けられている右側凹部27の正面視左側の端部が位置する位置までに亘って設けられている。すなわち、この右側凹部28は、この右側凹部28の後側に設けられている右側凹部27の曲率半径より大きな曲率半径を有する円弧状に形成されている。
【0032】
また、中間レール部22の正面視左側に連続して取り付けられている左側レール部24は、中間レール部22の正面視右側に取り付けられている右側レール部23に対して、中間レール部22の長手方向の中間部の前後方向を基準とした線対称な形状に形成されている。したがって、この左側レール部24には、右側レール部23の一対の右側凹部27,28と線対称な形状に形成された一対の左側凹部29,30が設けられている。
【0033】
したがって、これら中間レール部22、右側レール部23および左側レール部24それぞれの後側に設けられている中間凹部25、右側凹部27および左側凹部29によって、レール部材21の長手方向に向けて連続した平面視略コ字状の後側案内凹部32が形成される。また、これら中間レール部22、右側レール部23および左側レール部24それぞれの前側に設けられている中間凹部26、右側凹部28および左側凹部30によって、レール部材21の長手方向に向けて連続した平面視弧状の前側案内凹部33が形成される。
【0034】
一方、キャビネット本体2の天板部5には、この天板部5に取り付けられている一対のガイドレール16,17に沿って、この天板部5の長手方向である左右方向に向けて走行可能な一対の走行部材35,36が取り付けられている。これら走行部材35,36は、一対のガイドレール16,17間の正面視右側と正面視左側とに取り付けられている。さらに、これら走行部材35,36は、一対のガイドレール16,17間の幅方向の間隔寸法より若干小さな幅寸法を有する矩形平板状の本体部37を有している。
【0035】
そして、この本体部37の幅方向の両側部には、円盤状のローラ体38が、例えば2つずつ取り付けられている。これらローラ体38は、本体部37の両側部の長手方向の両端部にそれぞれ取り付けられており、この本体部37の長手方向に向けて回転自在に取り付けられている。また、これらローラ体38は、これらローラ体38が対向して位置するガイドレール16,17のローラ係止部19の内部に位置して、これらローラ係止部19の長手方向に沿って走行可能に収容されて係止されている。よって、各走行部材35は、一対のガイドレール16,17のローラ係止部19の内部でのローラ体38の走行によって、これら一対のガイドレール16,17の長手方向に沿って走行可能に係止されて取り付けられている。
【0036】
さらに、正面視右側に取り付けられている走行部材35の本体部37の幅方向の前側には、この本体部37の幅方向に沿って突出した被係合部としての係合ピン39が突設されている。この係合ピン39は、本体部37の長手方向の中央部に取り付けられており、この本体部37の幅方向の前端縁から前側に向けて垂直に突出した細長円柱状に形成されている。そして、この係合ピン39は、この係合ピン39が取り付けられている走行部材35を一対のガイドレール16,17間で走行させて、これら一対のガイドレール16,17の長手方向の一端あるいは他端に移動させた際に、これら一対のガイドレール16,17のうちのキャビネット本体2の前側に取り付けられているガイドレール16の係止凹部18に取り付けているダンパ装置20に係合して、このダンパ装置20に引き込まれるようにガイドレール16の端部側に移動され、この走行部材35によるキャビネット本体2の右側板部7あるいは左側板部8への衝突を緩衝させる。
【0037】
さらに、この正面視右側に取り付けられている走行部材35の本体部37の長手方向の一端側である正面視右側には、揺動案内部材としての細長略矩形状の外側案内体41が本体部37の幅方向に沿って取り付けられている。この外側案内体41は、この外側案内体41の長手方向の一端である前端側が本体部37に対して水平方向に回動可能に取り付けられている。また、この外側案内体41は、この外側案内体41の長手方向の他端である後端側が本体部37の長手方向である左右方向に向けて水平に揺動可能に取り付けられている。さらに、この外側案内体41は、本体部37の幅方向の後寄りの位置に取り付けられており、この外側案内体41と本体部37との間には、この外側案内体41の後端側を正面右側に向けて付勢する付勢手段としてのばね体42が取り付けられている。
【0038】
また、この正面視右側に取り付けられている走行部材35の本体部37の長手方向の他端側である正面視左側には、揺動案内部材としての内側案内体43が本体部37の幅方向に沿って取り付けられている。この内側案内体43は、この内側案内体43の長手方向の一端である後端側が本体部37に対して水平方向に回動可能に取り付けられている。さらに、この内側案内体43は、この内側案内体43の長手方向の他端である前端側が本体部37の長手方向である左右方向に向けて水平に揺動可能に取り付けられている。さらに、この内側案内体43は、本体部37の幅方向の前寄りの位置に取り付けられており、この内側案内体43と本体部37との間には、この内側案内体43の前端側を正面左側に向けて付勢する付勢手段としての図示しないばね体が取り付けられている。
【0039】
そして、この走行部材35の本体部37の外側案内体41および内側案内体43が取り付けられている位置の間には、この本体部37の前後方向に沿った長手方向を有する長孔状の一対の摺動溝部45,46が形成されている。これら摺動溝部45,46のうち、本体部37の正面視右側に位置している外側の摺動溝部45は、この本体部37の前寄りの位置に設けられている。また、これら摺動溝部45,46のうち、本体部37の正面視左側に位置している内側の摺動溝部46は、この本体部37の後寄りの位置に設けられている。
【0040】
一方、正面視左側に取り付けられている走行部材35は、この走行部材35の係合ピン39の取り付け位置以外が、正面視右側に取り付けられている走行部材35に対して、天板部5の長手方向の中心部の前後方向を基準とした線対称な形状に形成されている。すなわち、この走行部材35の係合ピン39は、この走行部材35の本体部37の幅方向の後側に取り付けられており、この本体部37の幅方向の後端縁から後側に向けて垂直に突出している。
【0041】
したがって、この係合ピン39は、この係合ピン39が取り付けられている走行部材35を一対のガイドレール16,17間で走行させて、これら一対のガイドレール16,17の長手方向の一端側あるいは他端側に移動させた際に、これら一対のガイドレール16,17のうちのキャビネット本体2の後側に取り付けられているガイドレール17の係止凹部18に取り付けられているダンパ装置20に係合して、このダンパ装置20に引き込まれるようにガイドレール17の端部側に移動され、この走行部材35によるキャビネット本体2の右側板部7あるいは左側板部8への衝突を緩衝させる。
【0042】
さらに、これら一対のガイドレール16,17間に走行可能に取り付けられている各走行部材35には、平面視略矩形状の揺動部材51,52がそれぞれ揺動可能に取り付けられている。これら揺動部材51,52は、走行部材35に対してキャビネット本体2の前面開口部4の開口方向に向けて摺動可能かつ揺動可能に取り付けられている。そして、これら揺動部材51,52は、走行部材35の長手方向に沿った長手方向を有する本体部としての平板部53,54を備えている。ここで、正面視左側に位置した走行部材35に取り付けられる揺動部材52の平板部54は、正面視右側に位置した走行部材35に取り付けられる揺動部材51の平板部53の幅寸法よりも、右側引戸体11の厚さ寸法ほど若干大きな幅寸法に形成されている。
【0043】
また、これら各揺動部材51,52の平板部53,54それぞれの幅方向の前端側には、これら平板部53,54の前端縁を下方に屈曲させた形状の係止縁部55が一体的にそれぞれ設けられている。この係止縁部55の外側に位置している外側面には、各揺動部材51,52の前側に向けて突出した軸体としての略円柱状の吊下軸部56が垂直に突出した状態で、例えば2つずつ取り付けられている。これら吊下軸部56は、各係止縁部55の長手方向の両側部のそれぞれに取り付けられている。そして、これら各吊下軸部56の外周面には、これら各吊下軸部56の周方向に沿った断面凹溝状の係止溝部57がそれぞれ設けられている。
【0044】
ここで、正面視右側に取り付けられている揺動部材51の平板部53の下面には、細長円柱状の内側摺動軸58および外側摺動軸59のそれぞれが垂直に突設されている。そして、これら内側摺動軸58および外側摺動軸59それぞれの軸方向の先端部には、これら内側摺動軸58あるいは外側摺動軸59の周方向に向けて回転可能にローラ体61が取り付けられている。これらローラ体61は、キャビネット本体2の天板部5に取り付けられているレール部材21の後側案内凹部32および前側案内凹部33それぞれの幅寸法より若干小さな外径寸法を有する円環状に形成されている。すなわち、これらローラ体61は、後側案内凹部32あるいは前側案内凹部33に回転可能に挿入されて、これら後側案内凹部32あるいは前側案内凹部33の長手方向に向けて揺動部材51を走行させる。
【0045】
さらに、この正面視右側に位置している揺動部材51の平板部53の正面視右側に取り付けられている外側摺動軸59は、この平板部53の幅方向の略中央部に取り付けられ、正面視右側に位置している走行部材35の正面視右側の摺動溝部45に摺動可能に挿入されて取り付けられている。そして、この外側摺動軸59は、この外側摺動軸59に取り付けられているローラ体61を、レール部材21の前側案内凹部33に走行可能に挿入させて取り付けられている。
【0046】
また、この揺動部材51の平板部53の正面視左側に取り付けられている内側摺動軸58は、この平板部53の幅方向の後寄りの位置に取り付けられ、正面視右側に位置している走行部材35の正面視左側の摺動溝部46に摺動可能に挿入されて取り付けられている。そして、この内側摺動軸58は、この内側摺動軸58に取り付けられているローラ体61を、レール部材21の後側案内凹部32に走行可能に挿入させて取り付けられている。
【0047】
さらに、この揺動部材51の平板部53の内側揺動軸58より正面視右側の位置には、この内側揺動軸58が取り付けられている側、すなわち揺動部材52が対向する側である正面視左側を走行部材35に対して後側に付勢する付勢手段としてのばね体62が取り付けられている。このばね体62は、揺動部材51の前後方向に沿った長手方向を有している。そして、このばね体62は、このばね体62の長手方向の一端部である前端部が揺動部材51の下面に固定されており、このばね体62の長手方向の他端部である後端部が走行部材35の本体部37上に固定されて取り付けられている。
【0048】
一方、正面視左側に取り付けられている揺動部材52は、この揺動部材52の平板部54の幅寸法以外が、正面視右側に取り付けられている揺動部材51に対して、天板部5の長手方向の中心部の前後方向を基準とした線対称な形状に形成されている。そして、この揺動部材52は、キャビネット本体2の天板部5に取り付けられたレール部材21の正面視左側に走行可能に取り付けられている。
【0049】
ここで、これら各揺動部材51,52、レール部材21およびガイドレール16,17は、図5、図8、図13および図15に示すように、キャビネット本体2の底板部6の下面にもそれぞれ取り付けられている。
【0050】
さらに、各揺動部材51,52それぞれの係止縁部55に取り付けられている吊下軸部56には、軸受装置としての扉吊り金具である戸吊具71がそれぞれ取り付けられている。これら戸吊具71は、図16ないし図25に示すように、右側引戸体11および左側引戸体12のそれぞれに設けられている埋設凹部13に対応した外形形状のホルダ体72を備えている。このホルダ体72は、側面視略円形状に形成されており、このホルダ体72の幅方向である厚さ方向の一側部に、係止片部73が設けられている。この係止片部73は、ホルダ体72の外周面より外側に突出しており、側面視で下端部の中央部が最も突出した略V字状で、長手方向の両端部が互いに平行な直線状で、上端部が両端部に対して直交する直線状な形状に形成されている。
【0051】
また、ホルダ体72の内部には、中空な収容空間としての左右調整空間74が設けられている。この左右調整空間74は、ホルダ体72の長手方向である左右方向に沿った平面状の底面部75を有している。そして、この左右調整空間74の底面部75の長手方向の両端部76,77は、上下方向に向う周方向を有する円弧面状に形成されており、これら両端部76,77の内面側を互いに合わせた状態に設けられている。よって、左右調整空間74は、左右方向に沿った長手方向を有する正面視長円状に形成されている。また、この左右調整空間74の幅方向の両側部78,79は、上下方向および左右方向のそれぞれに沿って互いに平行に対向した平面状に形成されている。そして、この左右調整空間74の係止片部73が設けられている側に位置する側部79の中央部には、側面視略矩形状の挿入開口80が形成されている。
【0052】
さらに、この左右調整空間74の高さ方向である上下方向の上側に位置する上面部81には、この左右調整空間74に連通して開口した開口部としての調整開口82が設けられている。この調整開口82は、ホルダ体72の長手方向に沿った長手方向を有する溝状である長孔状の係止開口部83を備えている。この係止開口部83は、調整開口82の長手方向の一端部である正面視右側に形成されている。さらに、この調整開口82の長手方向の他端部である正面視左側には、この調整開口82の係止開口部83の幅寸法より大きな幅寸法を有する長孔状の挿通開口部84が形成されている。この挿通開口部84は、係止開口部83の長手方向の長さ寸法より小さな長さ寸法に形成されている。
【0053】
また、ホルダ体72の左右調整空間74には、このホルダ体72の長手方向である左右方向に向けて摺動可能に第1調整体としての左右調整体85が取り付けられている。この左右調整体85は、ホルダ体72の調整開口82の開口方向に交差する方向、すなわち左右方向に向けて調整可能、すなわち移動可能にホルダ体72の左右調整空間74内に収容されている。そして、この左右調整体85は、略平板状に形成されており、この左右調整体85の長手方向の両端部86,87がホルダ体72の左右調整空間74の両端部76,77に対応した円弧状に形成されている。さらに、この左右調整体85の内部には、この左右調整体85の長手方向の両端部86,87が貫通した収容空間としての上下調整空間88が形成されている。この上下調整空間88は、左右調整体85の厚さ方向である幅方向の中央部に設けられている。
【0054】
さらに、左右調整体85の幅方向の両側部89,90の長手方向の一端側である側面視右側には、左右調整体85の幅方向に向けて各両側部89,90を貫通した円形状の軸止孔91が形成されている。この軸止孔91は、左右調整体85の高さ方向である上下方向の略中心部に設けられている。また、左右調整体85の両側部89,90の長手方向の中央部には、この左右調整体85の幅方向に向けて各両側部89,90を貫通した開口部としての略円弧状の揺動孔92が形成されている。この揺動孔92は、上下調整空間88に連通して設けられ、ホルダ体72の調整開口82の開口方向に交差する方向、すなわち幅方向に向けて開口して形成されている。
【0055】
さらに、この揺動孔92は、左右調整体85の上下方向の略中心部に設けられており、軸止孔91の中心を中心とした円弧状に形成されている。また、この揺動孔92は、揺動部材51,52に取り付けられている吊下軸部56が挿入可能な幅寸法に形成されている。よって、この揺動孔92は、この揺動孔92に挿入された吊下軸部56を軸止孔91を中心に上下方向に調整できるように形成されている。
【0056】
また、左右調整体85の上下方向の上面部93には、この左右調整体85をホルダ体72の左右調整空間74に収容させた状態で、このホルダ体72の係止開口部83に連通して開口する一対のねじ止め孔94,95と、このホルダ体72の挿通開口部84に連通して開口するねじ挿通孔96とが設けられている。これらねじ止め孔94,95およびねじ挿通孔96は、左右調整体85の長手方向に向けて略等間隔に離間されて設けられており、この左右調整体85の側面視左側からねじ挿通孔96、ねじ止め孔95およびねじ止め孔94の順に形成されている。
【0057】
そして、この左右調整体85の上下調整空間88には、揺動部材51,52の吊下軸部56を上下方向に調整させる第2調整体としての上下調整体101が上下方向に回動可能に取り付けられている。この上下調整体101は、ホルダ体72の調整開口82の開口方向である上下方向に調整可能、すなわち回動可能に左右調整体85の上下調整空間88内に収容されている。そして、この上下調整体101は、長手方向を有する細長状に形成されており、この上下調整体101の長手方向の一端部である側面視右側に軸挿通孔102が形成されている。この軸挿通孔102は、上下調整体101の幅方向に向けて貫通して形成されており、この上下調整体101を左右調整体85の上下調整空間88に収容させた状態で、この左右調整体85の軸止孔91に連通させた軸体としての回動ピン103が回動可能に挿入されて固定され、この上下調整体101を上下方向に回動可能にさせる。
【0058】
さらに、この上下調整体101の長手方向の略中心部には、この上下調整体101の幅方向に向けて貫通した軸受部としての軸固定孔104が設けられている。この軸固定孔104は、左右調整体85の揺動孔92に連通して設けられている。また、この軸固定孔104は、揺動部材51,52の吊下軸部56が挿入可能な内径寸法を有する円形状に形成されている。また、上下調整体101の長手方向の略中心部には、軸固定孔104の中心に貫通するねじ挿入孔105が設けられている。このねじ挿通孔105は、上下調整体101の高さ方向である上下方向の上側に貫通しているとともに、この上下調整体101の軸固定孔104に貫通して形成されている。
【0059】
また、この上下調整体101の長手方向の他端部である正面視左側には、この上下調整体101の他端側に向けて開口した挿通凹部106が形成されている。この挿通凹部106は、上下調整体101の上側および下側のそれぞれに貫通して形成されている。そして、この挿通凹部106は、上下調整体101を左右調整体85の上下調整空間88に収容させた状態で、この左右調整体85のねじ挿通孔96に連通するように形成されている。さらに、この挿通凹部106の上下方向の中心部には、上下調整体101の幅方向に向けて貫通した側面視細長矩形状の取付凹部107が設けられている。
【0060】
そして、この取付凹部107には、略矩形平板状のねじ止め片108が上下方向に移動可能かつ回動可能に挿入されている。このねじ止め片108には、このねじ止め片108の厚さ方向に向けて貫通したねじ止め孔109が設けられている。このねじ止め孔109は、上下調整体101の取付凹部107にねじ止め片108を挿入させた状態で、この上下調整体101の挿通凹部106に連通するように形成されている。
【0061】
ここで、ホルダ体72の係止開口部83には、第1固定手段としての左右調整手段である左右固定ねじ111が取り付けられている。この左右固定ねじ111は、操作部としての頭部112と、この頭部112に連結された固定部としてのねじ部113とを備えており、この左右固定ねじ111のねじ部113がホルダ体72の係止開口部83に挿入されて左右調整体85の正面視右側に位置するねじ止め孔94に挿入されてねじ止め固定されている。すなわち、この左右固定ねじ111は、ホルダ体72の上面側から取り付けられて、このホルダ体72の左右調整空間74内での左右調整体85の左右方向の移動を固定する。言い換えると、この左右固定ねじ111は、左右調整体85のホルダ体72に対する左右調整を固定する。
【0062】
また、ホルダ体72の挿通開口部84には、第2固定手段としての上下調整手段である上下調整ねじ117が取り付けられている。この上下調整ねじ117は、操作部としての頭部118と、この頭部118に連結された固定部としてのねじ部119とを備えており、この上下調整ねじ117のねじ部119がホルダ体72の挿通開口部84から左右調整体85のねじ挿通孔96に回動可能に挿通されつつ、上下調整体101の挿通凹部106に挿通されて、この上下調整体101の取付凹部107に取り付けられているねじ止め片108のねじ止め孔109にねじ止めされている。
【0063】
よって、この上下調整ねじ117は、ホルダ体72の上面側から取り付けられ、このホルダ体72の上面側から上下調整ねじ117の頭部118を操作して回転させることにより、この上下調整ねじ117のねじ部119に対するねじ止め片108のねじ止め孔109の取付位置が上下方向に移動する。言い換えると、この上下調整ねじ117は、この上下調整ねじ117の頭部118の操作にて、上下調整体101の軸挿通孔102を回転中心として、この上下調整体101を上下方向に回動操作させて、この上下調整体101を左右調整体85に対して上下調整させ、この上下調整を固定させる。
【0064】
さらに、ホルダ体72の係止開口部83には、第3固定手段としての上下固定手段である軸固定ねじ114が取り付けられている。この軸固定ねじ114は、操作部としての頭部115と、この頭部115に連結された固定部としてのねじ部116とを備えており、この軸固定ねじ114のねじ部116がホルダ体72の係止開口部83に挿入されて左右調整体85の正面視中央に位置するねじ止め孔95に挿入されてねじ止め固定されている。さらに、この軸固定ねじ114のねじ部116は、上下調整体101のねじ挿入孔105に挿入されて、この上下調整体101の軸固定孔104内へ突出して、この軸固定ねじ114のねじ部116の先端部が、軸固定孔104に挿入されている揺動部材51,52の吊下軸部56の係止溝部57に当接して係止されて固定されている。
【0065】
すなわち、この軸固定ねじ114は、ホルダ体72の上面側から取り付けられて、左右調整体85に対する揺動部材51,52の吊下軸部56の上下方向への調整を固定して、右側引戸体11または左側引戸体12の上下方向の調整を固定する。言い換えると、この軸固定ねじ114は、左右調整体85に対する吊下軸部56の上下方向への調整を固定して、ホルダ体72に対する吊下軸部56、すなわち右側引戸体11あるいは左側引戸体12の上下調整を固定する。
【0066】
次に、上記引き違い戸装置1の調整動作について説明する。
【0067】
まず、キャビネット本体2の前面開口部4に取り付けられている右側引戸体11または左側引戸体12の取り付け位置を左右調整する場合には、これら右側引戸体11または左側引戸体12に取り付けられている戸吊具71のホルダ体72の上面側に取り付けられている左右固定ねじ111の頭部112を、このホルダ体72の上面側から回動操作して、この左右固定ねじ111のねじ部113によるホルダ体72と左右調整体85との固定を解除する。
【0068】
この状態で、右側引戸体11または左側引戸体12を所望する左右方向のいずれかの方向に移動して、これら右側引戸体11または左側引戸体12を左右調整する。このとき、これら右側引戸体11または左側引戸体12を左右方向に移動する際に、戸吊具71のホルダ体72の左右調整空間74内で左右調整体85が左右方向に移動して、このホルダ体72に対する左右調整体85の取付位置が左右方向に調整される。
【0069】
そして、これら右側引戸体11または左側引戸体12を左右調整した状態で、これら右側引戸体11または左側引戸体12に取り付けられている戸吊具71の左右固定ねじ111の頭部112を、このホルダ体72の上面側から回動操作して、この左右固定ねじ111のねじ部113にてホルダ体72と左右調整体85とを固定する。この結果、これら右側引戸体11または左側引戸体12の左右調整が完了する。
【0070】
次いで、これら右側引戸体11または左側引戸体12を上下調整する場合には、これら右側引戸体11または左側引戸体12に取り付けられている戸吊具71の軸固定ねじ114の頭部115を、ホルダ体72の上面側から回動操作して、この軸固定ねじ114のねじ部116の先端部による揺動部材51,52の吊下軸部56の係止溝部57に対する当接係止を解除させる。
【0071】
この状態で、この戸吊具71の上下調整ねじ117の頭部118を、ホルダ体72の上面側から回動操作する。このとき、図24または図25に示すように、この上下調整ねじ117の頭部118の回動操作により、この上下調整ねじ117のねじ部119とねじ止め片108のねじ止め孔109との係合位置が上下方向のいずれかの方向に移動する。
【0072】
この結果、この上下調整ねじ117のねじ部119に対するねじ止め片108の取付位置が上下方向に移動することに伴い、このねじ止め片108が取り付けられている上下調整体101が回動ピン103を回転中心として上下方向に回動する。そして、この上下調整体101の上下方向への回動によって、この上下調整体101の軸固定孔104に挿入されている揺動部材51,52の吊下軸部56が上下方向に移動して、右側引戸体11または左側引戸体12が上下調整される。
【0073】
この後、戸吊具71の軸固定ねじ114の頭部115を、ホルダ体72の上面側から回動操作して、この軸固定ねじ114のねじ部116の先端部を揺動部材51,52の吊下軸部56の係止溝部57に当接して係止させて、この揺動部材51,52が取り付けられているキャビネット本体2に対する右側引戸体11または左側引戸体12の上下方向の取付位置を固定する。この結果、これら右側引戸体11または左側引戸体12の上下調整が完了する。
【0074】
次に、上記引き違い戸装置1の開閉動作について説明する。
【0075】
まず、図1ないし図8に示す状態から、図9に示すように、キャビネット本体2の正面視右側に取り付けられている右側引戸体11の正面視左側の縁部を前側に移動させる。このとき、この右側引戸体11に取り付けられている揺動部材51と走行部材35との間のばね体62の弾性力に抗して、この揺動部材51の内側摺動軸58に取り付けられているローラ体61がレール部材21の後側案内凹部32の右側凹部27にて案内されて、この右側引戸体11の正面視右側が前側に移動する。
【0076】
さらに、この右側引戸体11に取り付けられている揺動部材51に係合した走行部材35の内側案内体43によって、この揺動部材51の内側摺動軸58がばね体62の弾性力で前側に押され、この揺動部材51の内側摺動軸58のローラ体61がレール部材21の後側案内凹部32の右側凹部27にて案内されながら、この揺動部材51の正面視左側が前側に移動する。
【0077】
同時に、この右側引戸体11に取り付けられている揺動部材51に係合した走行部材35の外側案内体41によって、この揺動部材51の外側摺動軸59がばね体42の弾性力で内側に押され、この揺動部材51の外側摺動軸59のローラ体61がレール部材21の前側案内凹部33の右側凹部28にて案内されながら、この揺動部材51の正面視右側が前側に移動する。
【0078】
よって、この揺動部材51は、右側引戸体11の正面視左側を前側に移動させることによって、この揺動部材51の正面視左側が前側に移動して傾斜した状態になった後に、この揺動部材51の内側摺動軸58のローラ体61が後側案内凹部32にて案内されつつ、この揺動部材51の外側摺動軸59のローラ体61が前側案内凹部33に案内されながら移動して、右側引戸体11を左側引戸体12の前側に重ね合わせることができる位置まで、揺動部材51の正面視右側が前側に回動して、この右側引戸体11が左側引戸体12に対して平行な状態となる。
【0079】
このとき、この揺動部材51の正面視右側の前側への移動に伴って、この揺動部材51の内側摺動軸58のローラ体61がレール部材21の後側案内凹部32の右側凹部27に案内されながら移動するとともに、この揺動部材51の外側摺動軸59に取り付けられているローラ体61がレール部材21の前側案内凹部33の右側凹部28に案内されながら移動することによって、この揺動部材51とともに、この揺動部材51に係合した走行部材35が正面視左側に移動する。
【0080】
ここで、この走行部材35は、この走行部材35の係合ピン39が正面視右側のダンパ装置20から外れ、このダンパ装置20が取り付けられているガイドレール16とガイドレール17に沿って走行部材35のローラ体38が回転移動して正面視左側に移動する。
【0081】
この状態から、さらに右側引戸体11を正面視左側に移動させることによって、この右側引戸体11の揺動部材51の内側摺動軸58のローラ体61が後側案内凹部32の中間凹部25に案内されるとともに、この揺動部材51の外側摺動軸59のローラ体61が前側案内凹部33の中間凹部26にて案内されながら、走行部材35のローラ体38がガイドレール16,17に沿って移動することにより、図10ないし図15に示すように、この右側引戸体11を正面視左側に位置する左側引戸体12の前側に重なる位置まで移動でき、キャビネット本体2の前面開口部4の正面視右側の略2分の1の領域が開口される。
【0082】
このとき、この右側引戸体11が左側引戸体12に重なり合う位置では、ガイドレール16の正面視中央部の左側に取り付けられているダンパ装置20によって、この右側引戸体11の走行部材35の係合ピン39が係合して引き込まれて、この右側引戸体11に取り付けられている揺動部材51と、左側引戸体12に取り付けられている揺動部材52との衝突が緩衝される。
【0083】
この状態から、右側引戸体11を正面視右側に移動させることによって、この右側引戸体11の走行部材35の係合ピン39が正面視中央部の左側のダンパ装置20から外れ、このダンパ装置20が取り付けられているガイドレール16およびガイドレール17に沿って走行部材35のローラ体38が回転移動して正面視右側に移動する。
【0084】
同時に、この右側引戸体11の揺動部材51の内側摺動軸58に取り付けられているローラ体61がレール部材21の後側案内凹部32の中央凹部25にて案内されつつ、この揺動部材51の外側摺動軸59に取り付けられているローラ体61が前側案内凹部33の中央凹部26にて案内されて、図9に示すように、右側引戸体11の正面視左側が前側に突出し、この右側引戸体11の正面視左側が左側引戸体12と水平な位置まで移動する。
【0085】
このとき、この右側引戸体11の揺動部材51と走行部材35との間のばね体62の弾性力によって、この揺動部材51の正面視右側が後側に引き込まれるように移動して、図1ないし図8に示すように、この右側引戸体11によってキャビネット本体2の前面開口部4の正面視右側の略2分の1の領域を閉塞した状態となる。
【0086】
なお、このキャビネット本体2の正面視左側に取り付けられている左側引戸体12の正面視右側を前側に移動することによっても、上記右側引戸体11と同様の動作で、この左側引戸体12を右側引戸体11の前側に重ね合わせるように移動でき、このキャビネット本体2の前面開口部4の正面視右側の略2分の1の領域を開口できる。
【0087】
上述したように、上記一実施の形態によれば、右側引戸体11および左側引戸体12のそれぞれの揺動部材51,52を、キャビネット本体2の前面開口部4の開口縁に沿って移動可能に取り付けた一対の走行部材35に対して前後方向に揺動可能に取り付けるとともに、これら揺動部材51,52それぞれの対向する側を、走行部材35に対してキャビネット本体2の後側に向けてばね体62にて付勢する構成とした。
【0088】
この結果、右側引戸体11および左側引戸体12のいずれかの対向する側をばね体62の弾性力に抗して前側に揺動させてから、これら右側引戸体11および左側引戸体12のいずれかの揺動部材51,52を対向する側に向けてキャビネット本体2の前面開口部4の開口縁に沿って移動することにより、これら右側引戸体11と左側引戸体12とを重ね合わせた状態で、キャビネット本体2の前面開口部4を開口できる。
【0089】
また、これら右側引戸体11および左側引戸体12を重ね合わせた状態から、これら右側引戸体11および左側引戸体12のうちの開口動作させた一方を相対する側に移動させることにより、揺動部材51,52と走行部材35との間に取り付けられたばね体62の弾性力によって、これら揺動部材51,52の対向する側が後側に引き込まれるように揺動するから、これら右側引戸体11および左側引戸体12のうちの開口動作させた一方でキャビネット本体2の前面開口部4の開口させた部分を閉塞できる。
【0090】
よって、これら右側引戸体11および左側引戸体12の揺動部材51,52と走行部材35との間にばね体62を設けるだけで、これら右側引戸体11および左側引戸体12のそれぞれを引き違い操作できるから、これら右側引戸体11および左側引戸体12の揺動部材51,52と走行部材35との間に、比較的大きな空間を設ける必要がない。よって、これら揺動部材51,52および走行部材35を小型化できるから、引き違い戸装置1の小型化が可能となる。
【0091】
このとき、これら右側引戸体11および左側引戸体12のいずれかの揺動部材51,52の対向する側を、キャビネット本体2の前面開口部4の開口方向に向けて揺動させてから、これら右側引戸体11および左側引戸体12のいずれかをキャビネット本体2の前面開口部4の開口縁に沿って移動させることで、これら右側引戸体11と左側引戸体12とを重ね合わせできる。したがって、これら揺動部材51,52の全体をキャビネット本体2の開口方向に向けて揺動操作する必要をなくすことができる。よって、これら揺動部材51,52の全体をキャビネット本体2の開口方向に向けて揺動させる場合に比べ、これら揺動部材51,52を揺動させるために必要な空間をより小さくできるから、引き違い戸装置1をより小型化できる。
【0092】
さらに、キャビネット本体2の天板部5に取り付けた各ガイドレール16,17のそれぞれにダンパ装置20を取り付けて、このダンパ装置20にて走行部材35の係合ピン39を引き込み動作させて、これら走行部材35の移動を緩衝させる構成とし、右側引戸体11および左側引戸体12を開閉動作させる際に生じる、これら右側引戸体11および左側引戸体12によるキャビネット本体2への衝突にて生じる衝撃を緩衝させるとともに、これら右側引戸体11と左側引戸体12との間での揺動部材51,52同士の衝突にて生じる衝撃を緩衝させる構成とした。よって、右側引戸体11および左側引戸体12を開閉動作させる際に生じる、これら右側引戸体11および左側引戸体12によるキャビネット本体2への衝撃を緩衝できるとともに、これら右側引戸体11と左側引戸体12との間での揺動部材51,52間の衝撃を緩衝できる。
【0093】
また、これら右側引戸体11および左側引戸体12の走行部材35の幅方向、すなわちキャビネット本体2の前面開口部4の開口方向に沿って係合ピン39を突出させる構成とした。この結果、この係合ピン39を引き込み動作させるダンパ装置20をガイドレール16,17の係止凹部18の内部に位置させて収容することが可能となり、これら係合ピン39およびダンパ装置20を走行部材35および揺動部材51,52に対して前面開口部4の開口方向に沿って並べて設置できるから、引き違い戸装置1をより小型化できる。
【0094】
さらに、キャビネット本体2の天板部5の上面14に取り付けられている一対のガイドレール16,17のローラ係止部19の内部に走行部材35,36のローラ体38を走行可能に嵌合させて取り付けたことにより、これら走行部材35,36とキャビネット本体2の前側に取り付けられている右側引戸体11および左側引戸体12との間にガイドレール16,17が位置する。この結果、これら走行部材35,36と右側引戸体11および左側引戸体12と衝突を確実に防止できる。
【0095】
また、これら走行部材35,36のローラ体38が嵌合されるガイドレール16,17のローラ係止部19の内側に、これらローラ係止部19に並べて係止凹部18を形成し、この係止凹部18にダンパ装置20を取り付ける構成とした。この結果、これらガイドレール16,17にダンパ装置20と走行部材35,36のローラ体38とのそれぞれをキャビネット本体2の前後方向に並べて取り付けることができるから、これらダンパ装置20と走行部材35,36とをキャビンネット本体2の上下方向に並べて取り付ける場合に比べ、引き違い戸装置1を上下方向に小型化できる。
【0096】
さらに、右側引戸体11または左側引戸体12の対向する側を前側に移動させることにより、これら右側引戸体11または左側引戸体12に取り付けられている揺動部材51,52に係合した走行部材35の内側案内体43によって、これら揺動部材51,52の一方の内側摺動軸58がばね体の弾性力で前側に押されるとともに、走行部材35の外側案内体41によって、揺動部材51,52の一方の外側摺動軸59がばね体42の弾性力で内側に押される構成とした。
【0097】
この結果、これら揺動部材51,52の一方の内側摺動軸58のローラ体61がレール部材21の後側案内凹部32の右側凹部27または左側凹部29にて案内されながら、これら揺動部材51,52の一方の対向する側が前側に移動するとともに、これら揺動部材51,52の一方の外側摺動軸59のローラ体61がレール部材21の前側案内凹部33の右側凹部28または左側凹部30にて案内されながら、これら揺動部材51,52の一方の相対する側が前側に移動するから、これら揺動部材51,52の一方が走行部材35の一方に対して水平な状態となるまで前側に移動できる。
【0098】
よって、これら右側引戸体11または左側引戸体12いずれかの対向する側を前側に移動させる動作で、これら右側引戸体11または左側引戸体12を重ね合わせることができる平行な位置であるとともに、これら右側引戸体11または左側引戸体12を前面開口部4の開口縁に沿った横方向に移動できる位置へ案内されて移動されるから、これら右側引戸体11および左側引戸体12それぞれの開口動作をより容易にできる。
【0099】
一方、これら右側引戸体11および左側引戸体12をキャビネット本体2に取り付けられている揺動部材51,52に吊り下げ支持させる戸吊具71を、ホルダ体72、左右調整体85および上下調整体101にて構成した。さらに、この左右調整体85のホルダ体72内での左右調整を固定する左右固定ねじ111と、上下調整体101の左右調整体85内での上下調整を固定する上下調整ねじ117とのそれぞれを、ホルダ体72の上面部81に設けられている調整開口82側に取り付けた。
【0100】
この結果、このホルダ体72の上面部81側から左右固定ねじ111および上下調整ねじ117のそれぞれを操作できる。したがって、このホルダ体72の上面部81側から左右固定ねじ111および上下調整ねじ117のそれぞれを操作するだけで、左右調整体85を左右調整できるとともに上下調整体101を上下調整できる。よって、これら左右調整体85および上下調整体101の調整を容易にできるから、戸吊具71にて吊り下げ支持されている右側引戸体11および左側引戸体12の上下調整および左右調整のそれぞれが、これら右側引戸体11および左側引戸体12の上面側からのアクセス可能となる。このため、これら右側引戸体11および左側引戸体12の上下調整および左右調整をより容易にできる。
【0101】
また、ホルダ体72の左右調整空間74内で左右調整体85を正面視左右方向に摺動させて移動させることにより、この左右調整体85をホルダ体72に対して左右調整できるから、この左右調整体85のホルダ体72に対する左右調整をより簡単な構成でより容易にできる。さらに、上下調整ねじ117を操作して上下調整体101を左右調整体85の上下調整空間88内で上下方向に回動させることにより、この上下調整体101を左右調整体85に対して上下方向に調整できるから、この上下調整体101の左右調整体85およびホルダ体72に対する上下調整をより容易にできる。
【0102】
ここで、このホルダ体72の上面部81に形成されている調整開口82の挿通開口部84に取り付けた軸固定ねじ114の先端部を、上下調整体101の軸固定孔104に挿入されている揺動部材51,52の吊下軸部56の係止溝部57に当接させて係止させた構成とした。この結果、この軸固定ねじ114にて上下調整体101の軸固定孔104に挿入されている揺動部材51,52の吊下軸部56を固定できるから、この吊下軸部56の上下方向の調整をより確実にできる。
【0103】
なお、上記一実施の形態では、キャビネット本体2に取り付けられている右側引戸体11および左側引戸体12を引き違い操作させる引き違い戸装置1としたが、このキャビネット本体2以外の、前面開口部4を引き違い操作で開閉させる種々の収容装置本体に対応させて用いることができる。
【0104】
また、このキャビネット本体2の天板部5側に、ガイドレール16,17、レール部材21、走行部材35および揺動部材51,52のそれぞれを設置し、このキャビネット本体2の底板部6側に、ガイドレール16,17、レール部材21のそれぞれを設置したが、これらガイドレール16,17、レール部材21、走行部材35および揺動部材51,52のそれぞれを、キャビネット本体2の底板部6側に取り付けることもできる。
【0105】
この場合、このキャビネット本体2の天板部5側および底板部6側のそれぞれに、ガイドレール16,17、レール部材21、走行部材35および揺動部材51,52のそれぞれを取り付けても良く、このキャビネット本体2の底板部6側のみに、ガイドレール16,17、レール部材21、走行部材35および揺動部材51,52のそれぞれを取り付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施の形態の引き違い戸装置の一部を切り欠いた平面図である。
【図2】同上引き違い戸装置を示す平面図である。
【図3】同上引き違い戸装置を示す正面図である。
【図4】同上引き違い戸装置を示す右側面図である。
【図5】同上引き違い戸装置を示す底面図である。
【図6】同上引き違い戸装置の正面視右側の揺動部材を取り除いた状態を示す平面図である。
【図7】同上引き違い戸装置の正面視右側の揺動部材を取り除いた状態を示す正面図である。
【図8】同上引き違い戸装置の正面視右側の揺動部材を取り除いた状態を示す底面図である。
【図9】同上引き違い戸装置の正面視右側の第1引戸を揺動させた状態を示す平面図である。
【図10】同上引き違い戸装置を引き違い操作した状態を示す平面図である。
【図11】同上引き違い戸装置を引き違い操作した状態を示す正面図である。
【図12】同上引き違い戸装置を引き違い操作した状態を示す右側面図である。
【図13】同上引き違い戸装置を引き違い操作した状態を示す底面図である。
【図14】同上引き違い戸装置を引き違い操作し正面視右側の揺動部材を取り除いた状態を示す平面図である。
【図15】同上引き違い戸装置を引き違い操作し正面視右側の揺動部材を取り除いた状態を示す底面図である。
【図16】同上引き違い戸装置の第1引戸および第2引戸を吊り下げ支持する戸吊具を示す正面図である。
【図17】同上戸吊具を示す平面図である。
【図18】同上戸吊具のホルダ体を示す正面図である。
【図19】同上戸吊具のホルダ体を示す平面図である。
【図20】同上戸吊具の左右調整体を示す正面図である。
【図21】同上戸吊具の左右調整体を示す平面図である。
【図22】同上戸吊具の上下調整体を示す正面図である。
【図23】同上戸吊具の上下調整体を示す平面図である。
【図24】同上戸吊具の上下調整体を上方に回転させた状態を示す正面図である。
【図25】同上戸吊具の上下調整体を下方に回転させた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0107】
1 引き違い戸装置
2 収容装置本体としてのキャビネット本体
4 開口部としての前面開口部
11 第1引戸としての右側引戸体
12 第2引戸としての左側引戸体
16,17 ガイドレール
20 緩衝手段としてのダンパ装置
35 走行部材
39 被係合部としての係合ピン
51,52 揺動部材
62 付勢手段としてのばね体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に開口した開口部を有する収容装置本体の前記開口部の開口縁およびこの開口部の開口方向のそれぞれに沿って移動可能に取り付けられ前記開口部の少なくとも一部を閉塞する第1引戸と、
前記収容装置本体の開口部の開口縁およびこの開口部の開口方向のそれぞれに沿って移動可能に取り付けられ前記開口部のうちの前記第1引戸にて閉塞される部分と異なる一部を閉塞する第2引戸とを具備し、
前記第1引戸および第2引戸は、前記開口部の開口方向に沿って重ね合わせ可能で、これら第1引戸および第2引戸を互いに重ね合わせることにより、前記開口部の少なくとも一部が開口可能な引き違い戸装置であって、
前記収容装置本体に取り付けられこの収容装置本体の開口部の開口縁に沿って移動可能な一対の走行部材と、
これら一対の走行部材それぞれに前記開口部の開口方向に向けて揺動可能に取り付けられ、前記第1引戸および第2引戸のいずれかが取り付けられた一対の揺動部材と、
これら一対の揺動部材それぞれの対向する側を前記走行部材に対して前記収容装置本体の開口部の反対側に向けて付勢する一対の付勢手段と
を具備したことを特徴とした引き違い戸装置。
【請求項2】
収容装置本体の開口部の上側に、この開口部の開口縁に沿って取り付けられた一対のガイドレールを具備し、
走行部材は、前記ガイドレールの内部に位置して走行可能に取り付けられている
ことを特徴とした請求項1記載の引き違い戸装置。
【請求項3】
ガイドレールの内部に位置して走行部材に並べて取り付けられ、第1引戸および第2引戸の開閉時の前記第1引戸および第2引戸による前記収容装置本体への衝撃を緩衝する緩衝手段を具備した
ことを特徴とした請求項2記載の引き違い戸装置。
【請求項4】
一対の走行部材は、収容装置本体の開口部の開口方向に沿って突出した被係合部をそれぞれ有し、
各緩衝手段は、第1引戸および第2引戸の開閉時に、前記被係合部に係合して前記収容装置本体への前記走行部材の衝撃を緩衝する
ことを特徴とした請求項3記載の引き違い戸装置。
【請求項5】
一対の揺動部材は、これら一対の揺動部材が対向する側が収容装置本体の開口部の開口方向に向けて揺動可能に形成されている
ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載の引き違い戸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−267076(P2008−267076A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114648(P2007−114648)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000137959)株式会社ムラコシ精工 (92)
【Fターム(参考)】