説明

引込戸のポップアップ機構、及び、引込戸用のポップアップ用部品

【課題】メンテナンス性に優れるなどの新規な構成のポップアップ機構を提案する。
【解決手段】戸袋2内に引き入れられる引込戸3に設けられるポップアップ用部品10と、引込戸3以外のものに固定される被押圧部材20と、を有し、引込戸3が戸袋2内に引き入れられた開状態において、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触し得る構成とするとともに、開状態において引込戸3を戸袋2内にさらに押し込む操作がなされた際に、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に押し返されることで、引込戸3が戸袋2内から押し出される構成とするものであって、ポップアップ用部品10は、引込戸3が戸袋2から引き出された状態にあるときに、戸袋2の外の位置にあるように配置される、引込戸のポップアップ機構、とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁体内などに形成される戸袋に対し、引き込み、引き出しがされる形態の引込戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、壁体内や壁間に形成される戸袋に引き入れられる引込戸に関し、戸袋に引き入れられた引込戸の前側端面を押圧することで、引込戸の前端部を戸袋から飛び出させる構造が知られている。本明細書では、このように引込戸の前端部が飛び出す機構をポップアップ機構と称することとする。
【0003】
特許文献1では、引込戸の先端部を押し込むと、引込戸の奥側端面に設けられた弾性部材が戸袋(収納部)の内部の戸当り面に当接して圧縮し、その圧縮が弾性復帰することで引込戸の前端部が飛び出る構成について開示している。
【0004】
また、特許文献2では、引込戸の先端部を押し込むと、戸袋内の奥側に備えた押し出し機構のばねが圧縮し、その圧縮が弾性復帰することで引込戸の前端部が飛び出る構成について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3340030号明細書
【特許文献2】特開平10−266713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示される技術では、弾性部材の交換などのメンテナンスを行う場合には、引込戸を戸袋から取り外す必要があり、交換作業に手間がかかるものとなる。また、引込戸の取り外しを行うには、まずは、引込戸の前端側に設けた長尺の把手部材を取り外す必要があって、この作業も手間となる。さらには、復旧作業ではこの把手部材の取り付けが必要となる。
【0007】
また、特許文献1の構成において、把手部材は扉部材と別体であることから、戸部材の高さ寸法に合わせた把手部材を作製する必要があり、引込戸全体としての製造コストが嵩んでしまうことが懸念される。また、把手部材の寸法合わせのための切断作業を施工現場で行う場合には、施工手間が生じることになってしまう。これは、戸部材の高さ寸法に把手部材の寸法を合わせる必要から生じるものであり、把手部材に汎用性がないことに起因する問題といえる。
【0008】
一方、特許文献2では、押し出し機構のメンテナンスに関する内容は記載がされていないが、仮にメンテナンスをするのであれば、戸袋を形成する壁の取り外しといった大掛かりな作業が発生するものと考えられる。
【0009】
以上のように、従来技術で開示される技術によってポップアップ機構を実現する場合には、そのメンテナンス性や、部品の汎用性について課題が残るのである。
【0010】
他方、図9(a)(b)の例に示すごとく、戸袋が形成される袖壁91に引込戸90を引き入れて収納する形態では、引込戸90は戸袋内に収められるため、袖壁91の両側にゴミ箱92などの物を壁付けで置くことや、壁掛収納93などの物を壁掛設置することや、或いは、洗面化粧台94などの住宅設備を壁付けで設置できるなど、その袖壁91の周囲の空間設計の自由度が高いものとなる。
【0011】
これに対し、図9(c)(d)に示すごとく、戸袋を設けないで引戸を設置する形態では、袖壁95の片側に形成される開放箇所96に引戸97を移動させることから、開放箇所96の近くに物が置けない、開放箇所96に物を壁掛けできない、住宅設備を開放箇所96から離して設置しなければならない、などということとなり、空間設計の自由度が低いものとなる。
【0012】
このように、戸袋に引込戸が収容される形態を採用することは、空間設計においてメリットを有するものである。しかしながら、上述したポップアップ機構のメンテナンス性の問題を理由に、採用を見送らざるを得ない事態が生じることが懸念される。即ち、メンテナンス性に乏しいことが理由で、設計者側では引込戸を使用した設計プランの提案を控える、或いは、施主側では引込戸を使用した設計プランの採用を控える、ということになってしまうのである。
【0013】
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑み、メンテナンス性に優れるなどの新規な構成のポップアップ機構を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0015】
即ち、請求項1に記載のごとく、
戸袋内に引き入れられる引込戸に設けられるポップアップ用部品と、
前記引込戸以外のものに固定される被押圧部材と、を有し、
前記引込戸が前記戸袋内に引き入れられた開状態において、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に接触し得る構成とするとともに、
前記開状態において前記引込戸を前記戸袋内にさらに押し込む操作がなされた際に、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に押し返されることで、前記引込戸が前記戸袋内から押し出される構成とするものであって、
前記ポップアップ用部品は、前記引込戸が前記戸袋から引き出された状態にあるときに、前記戸袋の外の位置にあるように配置される、
引込戸のポップアップ機構、とするものである。
【0016】
また、請求項2に記載のごとく、
前記被押圧部材は、
前記引込戸の被ガイド部をガイドする機能を兼ね備える、
こととするものである。
【0017】
また、請求項3に記載のごとく、
前記被押圧部材は、床面側に設置され、
前記ポップアップ用部品は、引込戸の下部に設置される、
こととするものである。
【0018】
また、請求項4に記載のごとく、
前記引込戸の前記被ガイド部は、
前記引込戸の底部において前記引込戸の幅方向に形成され、その下側が開放されるガイド溝として構成され、
前記ポップアップ用部品は、前記ガイド溝内に納められ、
前記被押圧部材は、前記ガイド溝に下側から挿入されるガイドピンを有する、
こととするものである。
【0019】
また、請求項5に記載のごとく、
前記被押圧部材は、天井側に設置され、
前記ポップアップ用部品は、引込戸の上部に設置される、
こととするものである。
【0020】
また、請求項6に記載のごとく、
前記引込戸の前記被ガイド部は、
前記引込戸の上部において前記引込戸の幅方向に形成され、その上側が開放されるガイド溝として構成され、
前記ポップアップ用部品は、前記ガイド溝内に納められ、
前記被押圧部材は、前記ガイド溝に上側から挿入されるガイドピンを有する、
こととするものである。
【0021】
また、請求項7に記載のごとく、
前記ポップアップ用部品は、引込戸の前端部に設けられ、
前記引込戸の前端面側から着脱可能な位置に設けられる、
こととするものである。
【0022】
また、請求項8に記載のごとく、
前記ポップアップ用部品は、
前記引込戸に固定されるベース部材と、
前記ベース部材に対し移動可能に設けられる可動部材と、
前記可動部材を一側移動方向に付勢する弾性部材と、
前記被押圧部材に対する可動部材の一時的な固着を可能とする一時固着手段と、
を有する構成とするものである。
【0023】
また、請求項9に記載のごとく、
戸袋に引き入れられる引込戸以外のものに固定されるポップアップ用部品と、
前記引込戸に設けられる被押圧部材と、を有し、
前記引込戸が前記戸袋内に引き入れられた開状態において、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に接触し得る構成とするとともに、
前記開状態において前記引込戸を前記戸袋内にさらに押し込む操作がなされた際に、
前記被押圧部材が前記ポップアップ用部品に押し返されることで、前記引込戸が前記戸袋内から押し出される構成とする、
引込戸のポップアップ機構、とするものである。
【0024】
また、請求項10に記載のごとく、
前記ポップアップ用部品は、
前記引込戸の被ガイド部をガイドする機能を兼ね備える、
こととするものである。
【0025】
また、請求項11に記載のごとく、
前記引込戸は、その全体が前記戸袋内に引き入れられた状態で納まり得るものであり、
前記引込戸の全体が前記戸袋内に引き入れられた状態において、前記ポップアップ用部品が被押圧部材に接触するものであり、
前記ポップアップ用部品が被押圧部材に接触した状態において、前記引込戸のさらなる押し込みを許容するための隙間が、引込戸の奥側に形成される、こととするものである。
【0026】
また、請求項12に記載のごとく、
引込戸に固定されるベース部材と、
前記ベース部材に対し移動可能に設けられる可動部材と、
前記可動部材を一側移動方向に付勢する弾性部材と、
を有し、
前記ベース部材は、前記引込戸が前記戸袋から引き出された状態にあるときに、前記戸袋の外の位置にあるように配置され得るように構成される、
引込戸用のポップアップ用部品とするものである。
【0027】
また、請求項13に記載のごとく、
ポップアップ操作がされる際に、前記可動部材を押し返すための被押圧部材に対する一時的な固着を可能とする一時固着手段を、さらに有する、ポップアップ用部品とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0029】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
戸袋の外において、ポップアップ用部品の取り外しや、取り付けの作業が可能となり、メンテナンス性に優れたポップアップ機構を実現することが可能となる。また、ポップアップ用部品を汎用品として利用することができ、ポップアップ機構を実現する際における製造コストの低減も図ることが可能となる。
【0030】
また、請求項2に記載の発明においては、
ポップアップ機構の実現において、部品点数を削減することが可能となる。
【0031】
また、請求項3に記載の発明においては、
引込戸を吊り下げてスライド移動可能とする設置形態について、本発明を適用することが可能となる。
【0032】
また、請求項4に記載の発明においては、
ポップアップ用部品が引込戸内に隠されて、ポップアップ用部品が目立つことによって引込戸の外観意匠の美観が損なわれることを回避できる。
【0033】
また、請求項5に記載の発明においては、
引込戸の下部に戸車を設けてスライド移動可能とする設置形態について、本発明を適用することが可能となる。
【0034】
また、請求項6に記載の発明においては、
ポップアップ用部品が引込戸内に隠されて、ポップアップ用部品が目立つことによって引込戸の外観意匠の美観が損なわれることを回避できる。
【0035】
また、請求項7に記載の発明においては、
ガイド溝にポップアップ用部品が納められる形態において、ポップアップ用部品の交換が容易に行うことが可能となる。
【0036】
また、請求項8に記載の発明においては、
引込戸が開かれた状態を維持することが可能となり、引込戸が意図せずに閉まってしまうことを防ぐことができる。
【0037】
また、請求項9に記載の発明においては、
戸袋を形成する壁体袖壁の取り外しなどの大掛かりな作業を必要とせずに、ポップアップ用部品の交換などが可能となって、メンテナンス性を確保することができる。
【0038】
また、請求項10に記載の発明においては、
ポップアップ機構の実現において、部品点数を削減することが可能となる。
【0039】
また、請求項11に記載の発明においては、
引込戸を戸袋内に完全に納めることが可能となって、広い開口部を形成することが可能となる。
【0040】
また、請求項12に記載の発明においては、
引込戸に対して汎用性の広いポップアップ用部品を実現することが可能となる。
【0041】
また、請求項13に記載の発明においては、
引込戸が開かれた状態を維持することが可能となり、引込戸が意図せずに閉まってしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)はポップアップ操作について説明する図。(b)はポップアップ動作について説明する図。
【図2】戸袋と引戸の配置について示す水平断面図。
【図3】(a)はポップアップ用部品の設置状態について説明する図。(b)はポップアップ操作がされた際の弾性復帰力について示す図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】(a)はポップアップ用部品の斜視図。(b)はポップアップ用部品の他の斜視図。
【図6】ポップアップ用部品の他の配置例について示す図。
【図7】実施例2におけるポップアップ用部品の配置について示す図。
【図8】実施例2におけるポップアップ用部品の他の配置の例について示す図。
【図9】(a)は引込戸を閉じた状態について示す図。(b)は引込戸を開いた状態について示す図。(c)は戸袋がない構成において引戸を閉じた状態について示す図。(d)は戸袋がない構成において引戸を開いた状態について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
次に、発明の実施の形態について、実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0044】
図1(a)(b)及び図2に示すごとく、ポップアップ機構1は、戸袋2内に引き入れられる引込戸3の前端部3aに設けられるポップアップ用部品10と、前記引込戸3以外のもの(本実施例1では、床面6における戸袋2内の位置)に固定される被押圧部材20と、を有し、前記引込戸3が前記戸袋2内に引き入れられた開状態において、前記ポップアップ用部品10が前記被押圧部材20に接触し得る構成とするとともに、前記開状態において前記引込戸3を前記戸袋2内にさらに押し込む操作がなされた際に、前記ポップアップ用部品10が前記被押圧部材20に押し返されることで、前記引込戸3の前端部3aが前記戸袋2内から押し出される構成とするものであって、前記ポップアップ用部品10は、前記引込戸3が戸袋2から引き出された状態にあるときに、前記戸袋2の外の位置にあるように配置される、こととしている。
【0045】
このように、本実施例では、図1(a)(b)に示すごとく、人の指8などによるポップアップ操作(引込戸3の開状態において引込戸3を前記戸袋2内にさらに押し込む操作)をした際に、引込戸3がポップアップ動作(引込戸3の前端部3aが前記戸袋2内から押し出される)する構成とするものである。そして、図1(b)に示すごとく、引込戸3がポップアップ動作することによって、引込戸3の引き手3Aが現れ、この引き手3Aを使用して引込戸3をスライド移動させることが可能となるものである。
【0046】
以下詳細に説明すると、図2に示すごとく、二枚の袖壁4・4が幅Wの間隔を開けて対向して配置され、袖壁4・4の間の空間に戸袋2が形成される。戸袋2の一端側は開放されて戸袋開口部2aが形成されており、この戸袋開口部2aを通して引込戸3がスライド移動するようになっている。また、戸袋2において、戸袋開口部2aと反対側となる奥側部2bには、ストッパー材2cが設置されており、このストッパー材2cの位置から戸袋開口部2aまでの距離が、戸袋2の奥行幅L2として規定される。
【0047】
また、図2に示すごとく、本実施例のように、引込戸3が戸袋2内に完全に引き込まれる設計とする場合には、戸袋2の奥行幅L2は、引込戸3の幅L3と、後述するポップアップ用部品10の可動部材12(図3)の押し込み代L12を加えた大きさを考慮して設定される。
【0048】
また、図2に示す例では、引込戸3は、その全体が戸袋2内に引き入れられた状態で納まり得ることとしており、引込戸3の全体が戸袋2内に引き入れられた状態において、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触するようになっている。そして、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触した状態において、引込戸3のさらなる押し込みを許容するための隙間Sが、引込戸3の奥側(本実施例では、ストッパー材2cと引込戸3の奥側端面3kの間)に形成されることとしている。
【0049】
この構成によって、引込戸3を戸袋2内に完全に納めることが可能となって、広い開口部を形成することが可能となる。なお、この場合の隙間Sの幅Lsは、押し込み代L12以上に設定されることとなる。
【0050】
また、図2に示すごとく、戸袋2の奥行幅L2に関し、奥行幅L2の大きさが、引込戸3の幅L3と押し込み代L12と略同一に設定されるようにストッパー材2cを配置することによれば、引込戸3が過剰に押し込まれた場合において、ストッパー材2cにて引込戸3を受け止めることで、ポップアップ用部品10や被押圧部材20に荷重が集中することを防止することができ、ポップアップ用部品10や被押圧部材20の使用年数の長期化や、破損の防止を図ることが可能となる。
【0051】
また、図2に示すごとく、引込戸3は一枚の板状の戸体として構成されるものであって、戸袋2に引き入れられた状態において、戸袋2の奥側部2bに位置する側を奥端部3bとし、この奥端部3b側の端面が奥側端面3kとして構成される。また、引込戸3において、奥端部3bと反対側の部位を前端部3aとし、この前端部3a側の引込戸3の端面が前側端面3jとして構成される。
【0052】
また、図1(a)に示すごとく、引込戸3の上方には鴨居5が掛け渡されており、この鴨居5に設けられるガイドレールに対して、引込戸3がスライド移動可能に吊り下げられる。また、引込戸3の下方において、戸袋2内に位置する床面6には、被押圧部材20が設置されており、この被押圧部材20に対して、引込戸3がガイドされつつスライド移動可能となるように、図3(a)に示すごとく、引込戸3の底部における幅方向には、その下側が開放されるガイド溝3gが設けられる。
【0053】
また、図3(a)(b)に示すごとく、被押圧部材20は、床面6に固定するための固定板部21と、固定板部21から立設されるガイドピン22とを有しており、ガイドピン22が引込戸3のガイド溝3gに挿入されることで、引込戸3がスライド移動する際に、引込戸3の下部の揺れ動きが抑えられるようになっている。
【0054】
また、図3(a)(b)に示すごとく、ガイドピン22は、戸袋2が全開状態の際に、ポップアップ用部品10の可動部材12が当接し得る位置に配置されている。本実施例では、ポップアップ用部品10が戸袋2の前端部3aに配置されるため、戸袋開口部2aの近傍の位置にガイドピン22が配置されることとしている。
【0055】
また、図3(a)(b)及び図4に示すごとく、引込戸3の底部に形成されるガイド溝3gの溝幅は、ガイドピン22が挿入された状態で引込戸3のスライド移動が可能な大きさに設定される。また、引込戸3の前側端面3jの下部には、キャップ部材7が取り付けられ、このキャップ部材7によってガイド溝3gの前端部が閉じられる。
【0056】
また、図3(a)(b)及び図4に示すごとく、引込戸3の前端部3aの下部には、ポップアップ用部品10が設けられている。本実施例では、このポップアップ用部品10は、引込戸3の底部に形設されるガイド溝3g内に納められることで、引込戸3内に隠されて、ポップアップ用部品10が目立つことによって引込戸3の外観意匠の美観が損なわれることを回避できるようになっている。
【0057】
また、図3(a)(b)及び図4に示すごとく、引込戸3は、新設のものだけではなく、既設のものである場合にも、その引込戸3にガイド溝3gが形設されていて、被押圧部材20にてガイド溝3gが案内されるものであれば、ポップアップ用部品10をガイド溝3g内へ設置する形態とすることにより、後付けにてポップアップ用部品10を適用することが可能となる。
【0058】
また、図3(a)(b)に示すごとく、ポップアップ用部品10は、引込戸3の前端部3a側に設けられることで、既設の引込戸3についてのガイド溝3gへの後付での設置や、キャップ部材7を取り外すことによる交換が可能となっている。なお、ポップアップ用部品10の交換は、例えば、経年によって弾性部材13の弾性復帰力F(図3(b))が減衰した場合が考えられる。
【0059】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すごとく、ポップアップ用部品10は、引込戸3のガイド溝3g内に固定されるベース部材11と、ベース部材11に対し移動可能に設けられる可動部材12と、可動部材12を一側移動方向に付勢する弾性部材13と、を有する構成としており、前記可動部材12が前記被押圧部材20のガイドピン22を押圧した際に、前記弾性部材13に生じる弾性復帰力Fがベース部材11に作用する構成としている。
【0060】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すごとく、ベース部材11には、可動部材12の一部を突出させつつ進退可能に収容するブロック状のケース部11aが設けられる。このケース部11aにおいて、図4に示すごとく、可動部材12の突出方向と直交する断面の輪郭形状は、ガイド溝3gの溝形状と略同一としており、本実施例では、上辺が底辺よりも短い略台形状に構成されることで、ガイド溝3gに対しケース部11aが嵌め込まれ、これによりポップアップ用部品10が全体として引込戸3に対して嵌着固定されるようになっている。
【0061】
なお、ポップアップ用部品10の引込戸3に対する固定の形態は、引込戸3全体を鴨居5(図1参照)などから取り外さずにポップアップ用部品10の交換が可能となるものであればよく、特に限定されるものではない。また、本実施例のように、ポップアップ用部品10をガイド溝3gに嵌着する形態とする他、キャップ部材7を介してポップアップ用部品10が引込戸3に固定される形態などとしてもよい。
【0062】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すごとく、ベース部材11には、ケース部11aの上部において可動部材12の突出方向に延出される延出部11bが設けられる。この延出部11bは、引込戸3の内側方向に延出される向きでガイド溝3gの上部に形設された凹部3zに納められる。また、延出部11bの上面11cは、ガイド溝3gの凹部3zの天面3uに接触する構成としており、ベース部材11に作用する荷重が、凹部3zの天面3uによって受け止められるようになっている。また、本実施例では、延出部11bの突出長さをケース部11aの長さの約2倍とすることで、延出部11bと天面3uの接触面積を広く確保し、ベース部材11に作用する荷重を分散させることで、ベース部材11の破損が抑えられる構成としている。
【0063】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すごとく、ベース部材11のケース部11aの上部には、上方に突出する突出部11dが形成されており、この突出部11dがガイド溝3gの端部に形設される凹部壁面3vに当接した位置において、ベース部材11がガイド溝3gに嵌着固定されることで、ベース部材11が所定の位置に固定され得るようになっている。
【0064】
また、図3(a)及び図4に示すごとく、可動部材12は、直方体状の磁石部材12aと、磁石部材12aを取り囲むカバー部材12bにて構成されている。また、カバー部材12bの外側面には凸部12f・12fが形成され、ケース部11aの内側面には所定の溝長さの横溝部11f・11fが形成され、凸部12f・12fが横溝部11f・11fに移動可能に挿入される。このようにして、可動部材12のベース部材11に対する移動範囲が、横溝部11f・11fの溝長さによって制限されるようになっている。
【0065】
また、図5(a)(b)に示すごとく、ベース部材11のケース部11aにおいて、延出部11b側の壁面11mには開口部11eが形成されており、この開口部11eから可動部材12の一端が突出される。また、図3に示すごとく、ケース部11aにおいて、開口部11eと反対側の壁面11nには凸部11vが形設され、可動部材12のカバー部材12bには凹部12vが形設され、凸部11vと凹部12vの間に弾性部材13が挟装される。この弾性部材13によって可動部材12の一端が開口部11eから突出するように付勢される。本実施例では、コイルバネにて弾性部材13を構成しているが、このほか、ゴムなどであってもよい。なお、図3(a)に示すごとく、可動部材12の凸部12f・12fが横溝部11f・11fに挿入されることで可動部材12の移動範囲が制限されるため、可動部材12はベース部材11から脱落しない。
【0066】
また、図3(a)に示すごとく、引込戸3が開かれてスライド移動した際には、ポップアップ用部品10の可動部材12が、被押圧部材20のガイドピン22に接触することによって、引込戸3のスライド移動が規制される。また、ガイドピン22は、可動部材12の磁石部材12aが磁着し得る鉄などの素材にて構成されており、これにより、ガイドピン22と可動部材12の接触した状態が維持され、図3(a)の状態においては、引込戸3がポップアップ用部品10(磁石部材12a)を介して被押圧部材20(ガイドピン22)に一時的に固着されるようになっている。
【0067】
また、図3(a)に示すごとく、本実施例のように、磁石部材12aを可動部材12内に納めることによって、被押圧部材20に対する可動部材12の一時的な固着を可能とする一時固着手段を構成するほか、ガイドピン22側に磁石部材を設ける、ガイドピン22側と可動部材12の両方に磁石部材を設ける、などの形態も考えられる。このほかにも、ガイドピン22に押圧された際に挟み込みが解除されるラッチ機構をポップアップ用部品10側に設ける構成なども考えられる。
【0068】
また、図3(a)に示すごとく、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に一時的に固着されることで、引込戸3が開かれた状態を維持することが可能となり、引込戸3が意図せずに閉まってしまうことを防ぐことができる。特に、本実施例のように、引込戸3がスライド移動可能に吊り下げられた構成とする場合には、鴨居5(図1参照)に傾きが生じた際に、自重によって引込戸3が意図せずにスライド移動することが考えられるため、一時固着手段を設けることは有効なものとなる。
【0069】
そして、図3(a)の状態から、図3(b)に示すごとく引込戸3が押し込まれるポップアップ操作が行われると、可動部材12がガイドピン22に押し返されて弾性復帰力Fが発生し、ポップアップ用部品10が押し返されて、引込戸3が開き側へと押し出されようにして、ポップアップ動作をすることとなる。
【0070】
また、図3(a)に示すごとく、ポップアップ用部品10を交換するメンテナンスの必要が生じた際には、キャップ部材7を取り外すことで、その交換を容易に行うことが可能となる。
【0071】
以上のようにして、本発明を実施することが可能となる。
即ち、図1に示すごとく、
戸袋2内に引き入れられる引込戸3に設けられるポップアップ用部品10と、
引込戸3以外のものに固定される被押圧部材20と、を有し、
引込戸3が戸袋2内に引き入れられた開状態において、
ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触し得る構成とするとともに、
開状態において引込戸3を戸袋2内にさらに押し込む操作がなされた際に、
ポップアップ用部品10が被押圧部材20に押し返されることで、引込戸3が戸袋2内から押し出される構成とするものであって、
ポップアップ用部品10は、引込戸3が戸袋2から引き出された状態にあるときに、戸袋2の外の位置にあるように配置される、
引込戸のポップアップ機構、とするものである。
【0072】
これにより、戸袋2の外において、ポップアップ用部品10の取り外しや、取り付けの作業が可能となり、メンテナンス性に優れたポップアップ機構を実現することが可能となる。また、ポップアップ用部品10を汎用品として利用することができ、ポップアップ機構を実現する際における製造コストの低減も図ることが可能となる。
【0073】
また、図3(a)(b)に示すごとく、
被押圧部材20は、
引込戸3の被ガイド部としてのガイド溝3gをガイドする機能を兼ね備える、
こととするものである。
【0074】
これにより、ポップアップ機構の実現において、部品点数を削減することが可能となる。
なお、図3(a)(b)に示される上述の実施例のように、ガイド溝3gにガイドピン22を挿入する形態とする他、例えば、引込戸3の側面に溝を形成する被ガイド部を形設し、この被ガイド部にピンを挿入してガイドする形態なども考えられる。
【0075】
また、図1に示すごとく、
被押圧部材20は、床面6側に設置され、
ポップアップ用部品10は、引込戸3の下部に設置される、
こととするものである。
【0076】
この形態では、引込戸3を吊り下げてスライド移動可能とする設置形態について、本発明を適用することが可能となる。
【0077】
また、図3(a)(b)に示すごとく、
引込戸3の被ガイド部は、
引込戸3の底部において引込戸3の幅方向に形成され、その下側が開放されるガイド溝3gとして構成され、
ポップアップ用部品10は、ガイド溝3g内に納められ、
被押圧部材20は、ガイド溝3gに下側から挿入されるガイドピン22を有する、
こととするものである。
【0078】
これにより、ポップアップ用部品10が引込戸3内に隠されて、ポップアップ用部品10が目立つことによって引込戸3の外観意匠の美観が損なわれることを回避できる。
【0079】
また、図1に示す形態の他、
被押圧部材は、天井側に設置され、
ポップアップ用部品は、引込戸の上部に設置される、
こととしてもよい。
【0080】
この形態では、引込戸の下部に戸車を設けてスライド移動可能とする設置形態について、本発明を適用することが可能となる。
【0081】
また、この設置形態では、
引込戸の被ガイド部は、
引込戸の上部において引込戸の幅方向に形成され、その上側が開放されるガイド溝として構成され、
ポップアップ用部品10は、ガイド溝内に納められ、
被押圧部材は、ガイド溝に上側から挿入されるガイドピンを有する、
こととするものである。
【0082】
これにより、ポップアップ用部品が引込戸内に隠されて、ポップアップ用部品が目立つことによって引込戸の外観意匠の美観が損なわれることを回避できる。
【0083】
また、図1に示すごとく、
ポップアップ用部品10は、引込戸3の前端部3aに設けられ、
引込戸3の前側端面3j側から着脱可能な位置に設けられる、
こととするものである。
【0084】
これにより、ガイド溝3gにポップアップ用部品10が納められる形態において、ポップアップ用部品10の交換が容易に行うことが可能となる。
なお、例えば、図6に示すごとく、ポップアップ用部品10Aを前端部3aに設けずに、引込戸3の幅方向の中間部3Mに設け、これに対応して、被押圧部材20Aを戸袋の奥行方向の中間部2Mに設けることなども考えられる。即ち、引込戸3が引き出された際において戸袋の外にポップアップ用部品10Aが配置されるのであれば、戸袋を形成する壁体(袖壁4・4)の取り外しなどの大掛かりな作業を必要とせずに、ポップアップ用部品10Aの交換などは可能なものとなり、ポップアップ用部品10Aのメンテナンス性を考慮した構成とすることができる。
【0085】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すごとく、
ポップアップ用部品10は、
引込戸3に固定されるベース部材11と、
ベース部材11に対し移動可能に設けられる可動部材12と、
可動部材12を一側移動方向に付勢する弾性部材13と、
被押圧部材20に対する可動部材12の一時的な固着を可能とする一時固着手段(磁石部材12a)と、
を有する構成とするものである。
【0086】
これにより、引込戸3が開かれた状態を維持することが可能となり、引込戸3が意図せずに閉まってしまうことを防ぐことができる。
【0087】
また、図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示す形態のポップアップ用部品10では、
引込戸3に固定されるベース部材11と、
ベース部材11に対し移動可能に設けられる可動部材12と、
可動部材12を一側移動方向に付勢する弾性部材13と、
を有し、
ベース部材11は、引込戸3が戸袋2から引き出された状態にあるときに、戸袋2の外の位置にあるように配置され得るように構成される、
引込戸用のポップアップ用部品10とするものである。
【0088】
これにより、引込戸3に対して汎用性の広いポップアップ用部品10を実現することが可能となる。
【0089】
また、ポップアップ操作がされる際に、可動部材12を押し返すための被押圧部材20に対する一時的な固着を可能とする一時固着手段(磁石部材12a)を、さらに有する、ポップアップ用部品10とするものである。
【0090】
これにより、引込戸3が開かれた状態を維持することが可能となり、引込戸3が意図せずに閉まってしまうことを防ぐことができる。
【0091】
また、図2に示すごとく、引込戸3は、その全体が戸袋2内に引き入れられた状態で納まり得るものであり、引込戸3の全体が戸袋2内に引き入れられた状態において、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触するものであり、ポップアップ用部品10が被押圧部材20に接触した状態において、引込戸3のさらなる押し込みを許容するための隙間Sが、引込戸3の奥側に形成される、こととするものである。
【0092】
これにより、引込戸3を戸袋2内に完全に納めることが可能となって、広い開口部を形成することが可能となる。
【実施例2】
【0093】
さらに、以上の構成とするほか、図7の水平断面図に示すごとく、
戸袋2側にポップアップ用部品10Bを設ける形態も考えられる。
即ち、戸袋に引き入れられる引込戸3以外のもの(戸袋2を形成する壁体(袖壁4・4)の戸袋開口部2a)に固定されるポップアップ用部品10Bと、
前記引込戸3に設けられる被押圧部材20Bと、を有し、
引込戸3が戸袋2内に引き入れられた開状態において、
ポップアップ用部品10Bが被押圧部材20Bに接触し得る構成とするとともに、
開状態において引込戸3を戸袋2内にさらに押し込む操作がなされた際に、
被押圧部材20Bがポップアップ用部品10Bに押し返されることで、引込戸3が戸袋2内から押し出される構成とする、
引込戸のポップアップ機構、とするものである。
【0094】
このように、実施例1におけるポップアップ用部品と被押圧部材を逆にした構成、つまり、戸袋2側にポップアップ用部品10Bを設け、引込戸3側に被押圧部材20Bを設ける構成とする場合においても、ポップアップ用部品10Bを交換が行いやすい戸袋開口部2aなどに配置することによれば、戸袋2を形成する壁体(袖壁4・4)の取り外しなどの大掛かりな作業を必要とせずに、ポップアップ用部品10Bの交換などが可能となって、メンテナンス性を確保することができる。
【0095】
なお、図7の構成において、ポップアップ用部品10Bは、可動部材12Bが戸袋開口部2aに突出するように図示せぬ弾性部材にて付勢されるとともに、被押圧部材20Bについては、引込戸3の下面から横方向に接触片22Bを延出することで、ポップアップ機構が実現されるものである。
【0096】
さらに、以上に述べたものの他の構成も考えられる。
例えば、図1(a)における引込戸3にポップアップ用部品10が設けられる場合では、被押圧部材20が固定される箇所について、「引込戸3以外のもの」として、戸袋2内における床面6としたが、このほか、鴨居5、戸袋2、などであってもよい。また、戸袋2の外に被押圧部材20が配置されるものであってもよい。
【0097】
また、例えば、図7における引込戸3に被押圧部材20Bが設けられる場合では、ポップアップ用部品10Bが固定される箇所について、「引込戸3以外のもの」として、壁体(袖壁4・4)の戸袋開口部2aとしたが、このほか、図1(a)に示される床(床面6)、鴨居5、などであってもよい。また、戸袋2の外にポップアップ用部品10Bが配置されるものであってもよい。
【0098】
この点に関し、例えば、図8に示すごとく、床面6(又は鴨居側(天井側))にポップアップ用部品10Cを設置するとともに、このポップアップ用部品10Cのケース部11Caを引込戸3Cのガイド溝3Cgに挿入して、このケース部11Caにて引込戸3Cの被ガイド部としてのガイド溝3Cgをガイドするとともに、このガイド溝3Cgに被押圧部材20Cを設置して、この被押圧部材20Cに対して可動部材12Cを当接させる形態なども採用することができる。もちろん、図8において天地を逆にした構成、つまりは、鴨居側(天井側)にポップアップ用部品10Cを設置することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明のポップアップ機構は、引込戸を吊り下げる形態、或いは、引込戸に戸車を設ける形態のいずれにも適用可能である。また、ポップアップ用部品は汎用性があり、広く利用することが可能であって、既設の引込戸についても後付けで適用することも可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 ポップアップ機構
2 戸袋
3 引込戸
3g ガイド溝
4 袖壁
10 ポップアップ用部品
11 ベース部材
12 可動部材
13 弾性部材
20 被押圧部材
22 ガイドピン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸袋内に引き入れられる引込戸に設けられるポップアップ用部品と、
前記引込戸以外のものに固定される被押圧部材と、を有し、
前記引込戸が前記戸袋内に引き入れられた開状態において、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に接触し得る構成とするとともに、
前記開状態において前記引込戸を前記戸袋内にさらに押し込む操作がなされた際に、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に押し返されることで、前記引込戸が前記戸袋内から押し出される構成とするものであって、
前記ポップアップ用部品は、前記引込戸が前記戸袋から引き出された状態にあるときに、前記戸袋の外の位置にあるように配置される、
引込戸のポップアップ機構。
【請求項2】
前記被押圧部材は、
前記引込戸の被ガイド部をガイドする機能を兼ね備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項3】
前記被押圧部材は、床面側に設置され、
前記ポップアップ用部品は、引込戸の下部に設置される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項4】
前記引込戸の前記被ガイド部は、
前記引込戸の底部において前記引込戸の幅方向に形成され、その下側が開放されるガイド溝として構成され、
前記ポップアップ用部品は、前記ガイド溝内に納められ、
前記被押圧部材は、前記ガイド溝に下側から挿入されるガイドピンを有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項5】
前記被押圧部材は、天井側に設置され、
前記ポップアップ用部品は、引込戸の上部に設置される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項6】
前記引込戸の前記被ガイド部は、
前記引込戸の上部において前記引込戸の幅方向に形成され、その上側が開放されるガイド溝として構成され、
前記ポップアップ用部品は、前記ガイド溝内に納められ、
前記被押圧部材は、前記ガイド溝に上側から挿入されるガイドピンを有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項7】
前記ポップアップ用部品は、引込戸の前端部に設けられ、
前記引込戸の前端面側から着脱可能な位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項8】
前記ポップアップ用部品は、
前記引込戸に固定されるベース部材と、
前記ベース部材に対し移動可能に設けられる可動部材と、
前記可動部材を一側移動方向に付勢する弾性部材と、
前記被押圧部材に対する可動部材の一時的な固着を可能とする一時固着手段と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項9】
戸袋に引き入れられる引込戸以外のものに固定されるポップアップ用部品と、
前記引込戸に設けられる被押圧部材と、を有し、
前記引込戸が前記戸袋内に引き入れられた開状態において、
前記ポップアップ用部品が前記被押圧部材に接触し得る構成とするとともに、
前記開状態において前記引込戸を前記戸袋内にさらに押し込む操作がなされた際に、
前記被押圧部材が前記ポップアップ用部品に押し返されることで、前記引込戸が前記戸袋内から押し出される構成とする、
引込戸のポップアップ機構。
【請求項10】
前記ポップアップ用部品は、
前記引込戸の被ガイド部をガイドする機能を兼ね備える、
ことを特徴とする請求項9に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項11】
前記引込戸は、その全体が前記戸袋内に引き入れられた状態で納まり得るものであり、
前記引込戸の全体が前記戸袋内に引き入れられた状態において、前記ポップアップ用部品が被押圧部材に接触するものであり、
前記ポップアップ用部品が被押圧部材に接触した状態において、前記引込戸のさらなる押し込みを許容するための隙間が、引込戸の奥側に形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の引込戸のポップアップ機構。
【請求項12】
ベース部材と、
前記ベース部材に対し移動可能に設けられる可動部材と、
前記可動部材を一側移動方向に付勢する弾性部材と、
を有し、
前記ベース部材は、前記引込戸が前記戸袋から引き出された状態にあるときに、前記戸袋の外の位置にあるように配置され得るように構成される、
引込戸用のポップアップ用部品。
【請求項13】
ポップアップ操作がされる際に、前記可動部材を押し返すための被押圧部材に対する一時的な固着を可能とする一時固着手段を、さらに有する、
ことを特徴とする請求項12に記載の引込戸用のポップアップ用部品。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−7332(P2012−7332A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142688(P2010−142688)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】