弱毒化ペスチウイルス

【課題】現場からの病因ペスチウイルスから区別し得る免疫の誘導について高い効力を有する生の弱毒化ワクチンとしての使用のための特異的に弱毒化され、かつ検出可能に標識されたペスチウイルスの提供。
【解決手段】糖タンパク質ERNSにあるRNase活性が不活性化されているペスチウイルスを含む生ワクチン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は糖タンパク質ERNSにあるリボヌクレアーゼ活性(RNase活性)を不活性化することによるペスチウイルスの弱毒化方法に関する。また、本発明は本発明に従って弱毒化されたペスチウイルス、このようなペスチウイルスを調製するための核酸、本発明の弱毒化ペスチウイルスを含むワクチン及び医薬組成物に関する。更に、本発明は本発明の弱毒化ウイルスと病原ウイルスとを区別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペスチウイルスは世界中の多くの国で経済的に重要な動物の疾患の原因物質である。現在知られているウイルス分離物はフラビウイルス科中の一つの属を一緒に形成する三つの異なる種にグルーピングされていた。
I ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)はウシにウシウイルス性下痢(BVD)及び粘膜病(MD)を引き起こす(Baker, 1987; Moennig及びPlagemann, 1992; Thielら, 1996)。
II 以前には豚コレラウイルスと称された古典的ブタ熱病ウイルス(CSFV)は古典的ブタ熱病(CSF)又は豚コレラ(HC)の原因である(Moennig及びPlagemann, 1992; Thielら, 1996)。
III ボーダー病ウイルス(BDV)は典型的にはヒツジに見られ、ボーダー病(BD)を引き起こす。ウシのMDと同様の症候がまたBDVによる子ヒツジの子宮内感染後に生じることが記載されていた(Moennig及びPlagemann, 1992; Thielら, 1996)。
ペスチウイルスの別の分類がBecherら(1995)その他により提示されている。
【0003】
ペスチウイルスは5'キャップ配列及び3' poly(A)配列の両方を欠いている陽極性の一本鎖RNAゲノムを有する小さいエンベロープウイルスである。ウイルスゲノムは細胞プロテアーゼ及びウイルスプロテアーゼを伴う同時翻訳プロセシング及び後翻訳プロセシングにより最終開裂産物を生じる約4000アミノ酸のポリタンパク質をコードする。ウイルスタンパク質は順位NH2-Npro-C-ERNS-E1-E2-p7-NS2-NS3-NS4A-NS4B-NS5A-NS5B-COOHでポリタンパク質中に配置されている(Rice, 1996)。プロテインC並びに糖タンパク質ERNS、E1及びE2がペスチウイルスのウイルス粒子の構造成分に相当し(Thielら, 1991)、E2及び少ない程度でERNSが抗体中和の標的であることがわかった(Donisら, 1988; Patonら, 1992; van Rijnら, 1993; Weilandら, 1990, 1992)。ERNSは膜アンカーを欠いており、感染細胞からかなりの量で分泌される。このタンパク質はRNase活性を示すことが報告されていた(Hulstら, 1994; Schneiderら, 1993; Windischら, 1996)。ウイルス生活環に関するこの酵素活性の機能は現在知られていない。CSFVワクチン株の場合、部位誘導突然変異誘発によるRNaseの実験的分解は野生型ウイルスと同等の細胞培養中の増殖特性を有する細胞変性ウイルスをもたらすと報告されていた(Hulstら, 1998)。その酵素活性はペスチウイルスERNSと植物起源及び菌類起源の異なる既知のRNaseとの間に保存されたアミノ酸の二つのストレッチの存在に依存する。これらの保存配列の両方がヒスチジン残基を含む(Schneiderら, 1993)。CSFVワクチン株のERNSタンパク質中のリシンに対するこれらの残基の夫々の交換がRNase活性の分解をもたらした(Hulstら, 1998)。CSFVワクチン株のゲノムへのこれらの突然変異の導入はウイルス生存度又は増殖性に影響しなかったが、わずかに細胞変性の表現型を示すウイルスをもたらした(Hulstら, 1998)。
【0004】
弱毒化もしくは死滅されたウイルス又は異種発現系中で発現されたウイルスタンパク質を含むワクチンがCSFV及びBVDVについて生成され、現在使用されている。ライフワクチンとして使用されるこれらのウイルスの弱毒化の構造上の基礎は知られていない。これはワクチン注射後の逆突然変異又は組換えにより予測できない復帰突然変異体のリスクをもたらす。一方、免疫の誘導中の不活化ワクチン又は異種発現されたウイルスタンパク質(サブユニットワクチン)の効力はかなり低い。
一般に、弱毒化の基礎としての特定の突然変異を含む生ワクチンはワクチンの現在の世代の欠点を回避することを可能にするであろう。ペスチウイルス中の弱毒化突然変異に潜在的な標的は現在利用できない。
前記弱毒化突然変異の更なる利点はそれらを弱毒化ペスチウイルスに特有な標識として使用し、それらを現場からのペスチウイルスから区別することを可能にするそれらの分子上の特異性にある。
ペスチウイルス感染症の有効かつ安全並びに検出可能な予防及び治療の重要性のために、免疫の誘導についての高い可能性並びに病因ペスチウイルスから区別し得る弱毒化の特定の基礎を有する生の特異的に弱毒化されたワクチンに対する強い要望がある。
それ故、本発明の基礎となる技術上の問題は、この方法の結果として、現場からの病因ペスチウイルスから区別し得る免疫の誘導について高い効力を有する生の弱毒化ワクチンとしての使用のための特異的に弱毒化され、かつ検出可能に標識されたペスチウイルスを提供することである。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術上の問題の解決はこの記載及び特許請求の範囲に特定された実施態様により達成される。
驚くことに、ペスチウイルスが糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不活性化により特異的に弱毒化し得ることがわかった。
弱毒化ペスチウイルスは高い免疫原性の生ワクチンを与える。
それ故、一局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNaseが不活性化されているペスチウイルスを含むことを特徴とする生ワクチンを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】CSFVのアルフォート株により発現された最初の495アミノ酸。配列表はCSFVのアルフォート株により発現された最初の495アミノ酸を示す(Meyersら, 1989)。前記株の糖タンパク質ERNSの一つのモノマーはRumenapfら(1993)により記載されたアミノ酸268-494に相当する。植物及び菌類のRNase (Schneiderら, 1993)に相同性を示す領域に相当する残基295-307及び338-357が下線を施されている。
【図2】試験感染後の動物の直腸温度曲線。毎日の直腸温度を感染後の2日目から18日目まで記録した。直腸温度曲線がプラスミドpA/CSFVから誘導されたウイルスV(pA/CSFV)(連続線)又はプラスミドpA/C-346-dから誘導されたウイルスV(pA/C-346-d)(点線)で感染されたグループの夫々の動物について詳細に示される。
【図3】抗原投与感染後の動物の直腸温度曲線。毎日の直腸温度を抗原投与ウイルス感染後の1-21日目に記録した。致死用量のCSFV抗原投与株エイストラップで抗原投与された動物は明細書に詳述されたように69日前に突然変異体C-346-d〔V(pA/C-346-d)〕で感染されていた。直腸温度曲線がCSFV抗原投与株エイストラップから2x105 TCID50で抗原投与されたグループの夫々の動物について詳しく示される。
【図4】試験感染後の動物の直腸温度曲線。毎日の直腸温度を感染後の0-18日目に記録した。直腸温度曲線がC-346-d〔V(pA/C-346-d)〕(点線)又は回復されたウイルスC-346-d/RS〔V(pA/C-346-dRS)〕(連続線)で感染された二つのグループの夫々の動物について詳細に示される。
【図5】抗原投与感染動物実験#2後の直腸温度。毎日の直腸温度を抗原投与ウイルス感染後の1-10日目に記録した。致死用量(2x105 TCID50)のCSFV抗原投与株エイストラップで抗原投与された動物は37日前に突然変異体C-346-dで感染されていた。
【図6】実施例6に記載の二重突然変異体で治療された動物の直腸温度。毎日の直腸温度が突然変異体V(pA/C-297-L/346-L)による抗原投与ウイルス感染の前後に記録された。
【図7】実施例8に記載のRT-PCRによるC-346-dとヒスチジンコドン346の欠失を含まないCSFVの識別。a)プライマー対OI H-3/OI EmpStopは実施例8に詳しく記載されたようにコドン346の欠失を含むRNA(C-346-d)から誘導されたバンドを特異的に増幅することを可能にする。対照的に、前記欠失を含まないRNAは前記プライマー対と相互作用しない(C-WT、C-346-L、C-346-K)。b)及びc)その他の二つのプライマー組み合わせ(OI H+2及びOI H+3)はコドン346の欠失を含まないRNAから誘導されたバンドを増幅する(OI H+2及びOI H+3)。346欠失突然変異体C-346-dから誘導されたRNAが鋳型として使用される場合、バンドを観察することができない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に使用される“ワクチン”という用語は動物に免疫応答を誘導する少なくとも一種の免疫活性成分とおそらく前記活性成分の免疫活性を増進する必ずしも必要ではない一種以上の付加的な成分とを含む医薬組成物を表す。ワクチンは医薬組成物に典型的な更なる成分を更に含んでもよい。ワクチンの免疫活性成分は完全生生物をその初期の形態で、又は所謂修飾生ワクチン(MLV)中の弱毒化生物もしくは所謂死滅ワクチン(KV)中の適当な方法により不活性化された生物として含んでもよい。別の形態において、ワクチンの免疫活性成分は前記生物の適当な要素(サブユニットワクチン)を含んでもよく、それによりこれらの要素が全生物もしくはこのような生物の増殖培養物の分解及びその後の所望の一つ以上の構造を生じる精製工程により、又は細菌、昆虫、哺乳類もしくはその他の種(これらに限定されない)のような好適な系の適当な操作により誘導される合成方法+その後の分離操作及び精製操作により、或いは好適な医薬組成物を使用する遺伝子物質の直接のとり込みによるワクチンを必要とする動物中の前記合成方法の誘導(ポリヌクレオチドワクチン注射)により生成される。ワクチンは上記の要素の一種を含んでもよく、又は一種より多い要素を同時に含んでもよい。
【0008】
免疫応答を増進するための付加的な成分はワクチンに添加される、例えば、水酸化アルミニウム、鉱油もしくはその他の油又は補助的分子のようなアジュバントと普通称される成分又はインターフェロン、インターロイキンもしくは成長因子(これらに限定されない)のようなこのような付加的な成分による夫々の誘導後に生体により生成される成分である。
“医薬組成物”は本質的には抗生物質又は駆虫薬(これらに限定されない)のような、それが投与される生物又はその表面に生きている生物の生理学的機能、例えば、免疫機能を変更することができる一種以上の成分、並びにプロセシング形質、滅菌、安定性、腸内経路もしくは非経口経路、例えば、経口経路、鼻内経路、静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、経皮経路もしくはその他の経路により組成物を投与することのしやすさ、投与後のトレランス、徐放性(これらに限定されない)のような或る種のその他の目的を達成するためにそれに添加されるその他の成分からなる。
本発明のワクチンは先に特定されたワクチンを表し、一種の免疫活性成分がペスチウイルス又はペスチウイルス起源のものである。
“生ワクチン”という用語は生物、特に、生ウイルス活性成分を含むワクチンを表す。
本明細書に使用される“ペスチウイルス”という用語はフラビウイルス科中のBVDV、CSFV及びBDVと同じ属に属すること及び糖タンパク質ERNSのそれらの発現を特徴とする、全てのペスチウイルスを表す。勿論、前記用語はまたBecherら(1995)により特性決定された全てのペスチウイルス又は糖タンパク質ERNSを発現するその他のペスチウイルスを表す。本明細書に使用される“RNase活性”はRNAを加水分解する糖タンパク質ERNSの能力を表す。
用語糖タンパク質E0は刊行物中に糖タンパク質ERNSと同義でしばしば使用されることが注目されるべきである。
“前記糖タンパク質にあるRNase活性の不活性化”という用語は前記糖タンパク質ERNSの未修飾野生型と較べて修飾糖タンパク質ERNSがRNAを加水分解することができないこと又は低下されたその能力を表す。
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不活性化は本明細書及びHulstら(1998)により実証されるような前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により達成し得る。それ故、好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されている生ワクチンに関する。
【0009】
糖タンパク質ERNSは約97kDのジスルフィド結合されたホモダイマーを形成することが示され、夫々のモノマーはRumenapfら(1993)により記載されたCSFVポリタンパク質のアミノ酸268-494に相当する227アミノ酸からなる。CSFVのアルフォート(Alfort)株により発現された最初の495アミノ酸が参考の目的のみのために図1に示される。CSFVのアルフォート株のゲノム配列は受理番号J04358としてGenBank/EMBLデータライブラリー中で入手し得る。また、BVDV株CP7に関するアミノ酸配列はGenBank/EMBLデータライブラリー(受理番号U63479)中でアクセスし得る。アミノ酸の二つの領域は糖タンパク質ERNS中だけでなく、或る種の植物及び菌類のRNase活性タンパク質中で高度に保存される(Schneiderら, 1993)。これらの二つの領域がRNase酵素活性に特に重要である。第一領域はCSFVのアルフォート株について図1により例示されるように位置295-307のアミノ酸の領域からなり、また第二領域は前記ウイルスポリタンパク質の位置338-357のアミノ酸からなる(CSFV株アルフォートの公表された演繹アミノ酸配列(Meyersら, 1989)に従うナンバリング)。上記RNase活性に特に重要なアミノ酸はCSFVのアルフォート株について特定された正確な位置に何ら限定されないが、その位置又はBVDV、BDV及び一般のペスチウイルスに見られるその他の株中のその位置に相当する位置にある好ましいアミノ酸を指摘するために単に例示様式で使用される。何とならば、それらが高度に保存されるからである。CSFVアルフォート株以外のペスチウイルスについて、好ましいアミノ酸の位置のナンバリングはしばしば異なるが、ペスチウイルスの分子生物学の分野の専門家は前記糖タンパク質の高度に保存されたアミノ酸に対するそれらの位置によりこれらの好ましいアミノ酸を容易に同定するであろう。一つの特別な非限定例において、CSFVアルフォートの位置346はBVDV株cp7の位置349と同じである。
【0010】
結果として、本発明は更に好ましい実施態様において本発明のワクチンに関するものであり、前記不活性化欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される。
非常に好ましい実施態様において、本発明は前記糖タンパク質の位置346のアミノ酸の欠失又は突然変異による前記RNaseの不活性化が特に有益な生ワクチンをもたらすことを開示する。それ故、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている本発明のワクチンに関する。
【0011】
本発明はウイルスポリタンパク質の位置346のヒスチジン(CSFVアルフォート/ツビンゲン(Tubingen)の公表された配列(Meyersら, 1989)に従うナンバリング)(これはERNS RNaseの保存された推定活性部位残基の一つに相当する)が欠失される場合にペスチウイルスが生存可能であり、RNase活性のないERNSタンパク質をコードすることを実証する。また、BVDペスチウイルスのERNS中の夫々のヒスチジン(位置349、BVDV CP7 GenBank/EMBLデータライブラリーの配列(受理番号U63479)に従ってナンバリングされた)の欠失はERNS糖タンパク質がRNase活性を失った生存可能なウイルスをもたらすことが本発明について実証された。一つのアミノ酸を別のものに変える点突然変異とは対照的に、欠失突然変異体は一般に復帰突然変異体よりも極めて安定である。この欠失を含むERNSを発現する病因CSFVアルフォート/ツビンゲンの突然変異体によるブタの感染はCSFV感染症の発熱又はその他の典型的な臨床症候をもたらさなかったが、一方、野生型ウイルスによる感染は発熱、下痢、拒食症、アパシー、B細胞の枯渇及び中枢神経障害を生じた。これらのブタが瀕死段階で殺され、接種14日後に皮膚及び内臓中にひどい出血を示した。その突然変異体で感染されたブタは感染3日、5日、7日、10日、14日後に試験してウイルス血症を示さなかったし、またB細胞枯渇を示さなかったが、一方、CSFVが野生型ウイルスを接種されたブタ由来の血液サンプルから容易に分離された。欠失突然変異体は中和抗体の誘導により示されるように動物中で明らかに複製した(実施例3、表3cを参照のこと)。突然変異体ウイルスに対する免疫応答はアルフォート株に異種であるCSFV株エイストラップ(Eystrup)(Konig, 1994)による高度に病原性の感染の2x105 TCID50による致死抗原投与を克服させるのに十分であった。更に、試験動物は抗原投与感染後に発熱、下痢、出血、B細胞枯渇又は拒食症のようなCSFV感染に典型的な臨床症候を示さなかった。このデータは欠失突然変異体によるブタの感染が厳しい抗原投与に対する保護に十分の免疫応答を誘導することを実証する。
【0012】
それ故、最も好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている本発明のワクチンに関する。
更に別の最も好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている本発明のBVDVワクチンに関する。
別の局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されており、但し、前記糖タンパク質の位置297及び/又は346(CSFVについて図1に記載された)のアミノ酸がリシンではないことを条件とする、弱毒化ペスチウイルスに関する。前記糖タンパク質の位置297及び/又は346のアミノ酸がリシンである組換えペスチウイルスがHulstらにより1998年に記載されていた。これらの特別なペスチウイルスはブタ腎臓細胞中で細胞変性効果を示した。今まで、ERNS酵素活性の不活性化による驚くべき、かつ革新的な弱毒化の特徴が全く知られていなかった。
【0013】
ワクチンについて上記された理由のために好ましい実施態様において、本発明はまた前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される欠失及び/又は突然変異により不活性化されているペスチウイルスに関する。
ワクチンについて上記された理由のために更に好ましい実施態様において、本発明はまた前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている本発明のペスチウイルスに関する。
ワクチンについて上記された理由のために最も好ましい実施態様において、本発明はまた前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されているペスチウイルスに関する。
更に別の最も好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されているBVDVペスチウイルスに関する。
【0014】
本発明の弱毒化ペスチウイルス及びワクチンの活性成分は糖タンパク質ERNS中の突然変異体アミノ酸配列の発現をもたらす核酸修飾組換え技術により容易に調製し得る。それ故、本発明の更なる局面は前記糖タンパク質にあるRNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されており、但し、前記糖タンパク質の位置297及び/又は346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された)のアミノ酸がリシンではないことを条件とする、糖タンパク質ERNSをコードする核酸に関する。
好ましい実施態様において、本発明は、上記された理由のために、前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される欠失及び/又は突然変異により不活性化されている、本発明の核酸に関する。
更に好ましい実施態様において、本発明は、ワクチンについて上記された理由のために、前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている、本発明の核酸に関する。
最も好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている、本発明の核酸に関する。
更に別の最も好ましい実施態様において、本発明は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている、本発明のBVDV核酸に関する。
【0015】
ヌクレオチド、例えば、DNA又はRNAはまたDNAワクチン、RNAワクチン及び/又はベクターワクチンを調製するのに有益である。これらのワクチンでは、ヌクレオチドが動物に直接適用され、又は初期のウイルス以外のベクターにより間接的に適用される。ヌクレオチドワクチン及びベクターワクチンは現在の技術水準から公知であり、更に詳述するまでもないであろう。
更なる局面において、本発明はヌクレオチドワクチン及び/又はベクターワクチンを調製するための本発明の核酸の使用に関する。
本発明のワクチン、弱毒化ペスチウイルス、及び/又は核酸は医薬組成物の調製に特に有益である。
従って、本発明の更なる局面は本発明のワクチン、及び/又は本発明のペスチウイルス、及び/又は本発明のヌクレオチド配列を含む医薬組成物に関する。例示目的のためにのみ示される、このような医薬組成物の一つの非限定例は以下のようにして調製し得る。感染細胞培養物の細胞培養上澄みが安定剤(例えば、スペルミジン及び/又はBSA(ウシ血清アルブミン))と混合され、続いて混合物が凍結乾燥され、又はその他の方法により脱水される。ワクチン注射の前に、前記混合物がその後に水溶液(例えば、食塩水、PBS(食塩加リン酸緩衝液))又は非水性溶液(例えば、油エマルション、アルミニウムをベースとするアジュバント)中で再度水和される。
【0016】
本発明の付加的な局面はペスチウイルスの弱毒化方法に関する。本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とするペスチウイルスの特異かつ予期しない弱毒化方法を提供する。
特異的に弱毒化されたペスチウイルスはワクチンの調製に特に有益である。それ故、更なる付加的な局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に弱毒化されたペスチウイルスワクチンの生産方法に関する。
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不活性化はペスチウイルスを検出可能に標識するための驚くべき、かつ新規な方法を提供する。更なる局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とするペスチウイルスを検出可能に標識する方法を提供する。本発明のペスチウイルスの糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不在の特徴はこれらのペスチウイルスを検出可能に標識することを可能にする。体液中のペスチウイルス感染細胞から分泌された標識され、又は標識されていないペスチウイルス又はERNSは分離及びこのような酵素活性のアッセイ後に糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在又は存在により明らかに区別し得る。
【0017】
欠失及び/又は突然変異により糖タンパク質ERNSにあるそれらのRNase活性を不活性化されたペスチウイルスについて、幾つかのその他の技術が使用し得る。このようなペスチウイルスはこのような欠失及び/又は突然変異から生じる構造上の結果のために容易に検出し得る。例えば、変化された糖タンパク質ERNSの核酸配列の配列の相違が実施例8に示されるように核酸配列決定技術又はPCR技術(ポリメラーゼ連鎖反応)により検出できる。変化されたタンパク質配列は変化しなかったタンパク質を認識しない特異性モノクローナル抗体により検出し得る。その逆に、変化され、それにより構造標識されたタンパク質を変化しなかった糖タンパク質ERNSを認識する特異性モノクローナル抗体への結合の不在により検出することがまた可能であるが、但し、ペスチウイルスの存在がそれ以外に証明し得ることを条件とする。また、勿論、標識ウイルス中のRNase活性を終わらせる欠失及び/又は突然変異は未標識ペスチウイルス感染症から生じる応答と較べた場合に動物で異なる免疫応答を生じるであろう。
【0018】
ペスチウイルスの弱毒化方法、特異的に弱毒化されたペスチウイルスワクチンの生産方法及び本発明のペスチウイルスを検出可能に標識する方法について言及する全ての局面に好ましい実施態様は前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
ペスチウイルスの弱毒化方法、特異的に弱毒化されたペスチウイルスワクチンの生産方法及び本発明のペスチウイルスを検出可能に標識する方法について言及する全ての局面に更に好ましい実施態様は前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
ペスチウイルスの弱毒化方法、特異的に弱毒化されたペスチウイルスワクチンの生産方法及び本発明のペスチウイルスを検出可能に標識する方法について言及する全ての局面に非常に好ましい実施態様は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
【0019】
ペスチウイルスの弱毒化方法、特異的に弱毒化されたペスチウイルスワクチンの生産方法及び本発明のペスチウイルスを検出可能に標識する方法について言及する全ての局面に最も好ましい実施態様は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
本発明は動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療に特に有益であるワクチン及び/又はその他の医薬組成物を提供する。それ故、本発明の更なる局面は本発明のワクチン又は本発明の別の医薬組成物をこのような予防又は治療を要する動物に適用することを特徴とする動物のペスチウイルス感染症の予防方法及び治療方法に関する。
更なる局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法を提供する。
一つの局面において、本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法を提供する。
【0020】
特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法、本発明の特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法について言及する全ての局面に好ましい実施態様は前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法、本発明の特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法について言及する全ての局面に更に好ましい実施態様は前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
【0021】
特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法、本発明の特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法について言及する全ての局面に非常に好ましい実施態様は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法、本発明の特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法について言及する全ての局面に最も好ましい実施態様は前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化される糖タンパク質ERNSの不活性化に関するこれらの方法である。
【0022】
本発明のワクチン又はその他の医薬組成物は動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療に特に有益である。
それ故、一つの局面において、本発明は動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療のための本発明のワクチンの使用に関する。更なる局面において、本発明は動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療のための本発明の医薬組成物の使用に関する。
本発明のペスチウイルス及び/又は核酸は医薬組成物又はワクチンの有益な活性成分である。それ故、本発明は更なる局面においてワクチン又は医薬組成物の調製のための本発明のペスチウイルス及び/又は本発明の核酸の使用に関する。
【0023】
上記のように、糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不活性化はペスチウイルスを標識するための驚くべき、かつ新規な方法を提供する。
従って、本発明の一つの局面は本発明の検出可能に標識されたペスチウイルスを未標識かつおそらく病因のペスチウイルスから区別する方法に関する。このような方法は動物中の標識ペスチウイルスの効力を追跡するのに特に有益である。ワクチン治療された動物はこのような動物のサンプルを得、前記標識についてアッセイした後に標識陽性を与えるであろう。未標識動物及び特にペスチウイルス陽性を与える未標識動物が直ちに分離され、隔離され、又は屠殺されてその他の動物への病的感染の広がりの切迫した危険性を取り去ることができる。
【0024】
本発明は糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とするペスチウイルスを検出可能に標識する方法を提供する。本発明のペスチウイルスの糖タンパク質ERNSにあるRNase活性の不在のこの特徴はこれらのペスチウイルスを検出可能に標識することを今可能にする。その結果として、標識ペスチウイルス及び未標識ペスチウイルスが分離及びこのような酵素活性のアッセイ後に糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在又は存在により明らかに区別し得る。関係するペスチウイルス又はその物質を含むサンプルを得た後のこの酵素活性の存在又は不在の測定は、例えば、実施例2又はHulstら(1994)に記載されたような通常の方法に従って行い得る。
それ故、好ましい実施態様において、本発明は
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中の糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在又は存在を測定する工程、
(3) 糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記活性の存在を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付ける工程
を含むことを特徴とするペスチウイルス感染動物を本発明に従って特異的に弱毒化されたペスチウイルスでワクチン注射された動物から区別する方法に関する。
【0025】
本発明は欠失及び/又は突然変異により糖タンパク質ERNSにあるそれらのRNase活性を不活性化されたペスチウイルスを提供する。このようなペスチウイルスはこのような欠失及び/又は突然変異により生じる構造上の結果のために容易に検出される。変化された糖タンパク質ERNSをコードするERNS遺伝子の配列の相違が配列決定技術又はPCR技術により検出できる。その結果として、本発明は好ましい実施態様において
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中のペスチウイルスゲノム又はタンパク質のヌクレオチド配列を同定する工程、
(3) ワクチン中に存在するERNSヌクレオチド配列の欠失及び/又は突然変異をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記欠失及び/又は突然変異の不在を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付ける工程
を含むことを特徴とする、本発明の特異的に弱毒化されたペスチウイルスでワクチン注射された動物からペスチウイルス感染動物を区別する方法を提供する。
【0026】
更に、本発明のペスチウイルスの糖タンパク質ERNSの変化されたタンパク質配列から生じる構造変化が未変化タンパク質を認識しない特異性モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体により検出し得る。
それ故、更なる実施態様において、本発明は
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中に存在するERNS糖タンパク質へのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合により弱毒化ペスチウイルスの修飾ERNS糖タンパク質を同定する工程(前記糖タンパク質は本発明の方法により修飾され、それにより前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体が未修飾ERNS糖タンパク質に結合しない)、
(3) 前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記動物及び/又は前記サンプル中のペスチウイルス物質の存在がそうしないと証明される条件下で前記動物のペスチウイルス感染への抗体結合の不在を相関関係付ける工程
を含むことを特徴とするペスチウイルス感染動物を本発明の弱毒化ペスチウイルスでワクチン注射された動物から区別する方法に関する。
【0027】
逆に、ペスチウイルスの存在がそうしないと証明される場合に未変化糖タンパク質ERNSのみを認識する特異性モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体への結合の不在により変化され、それにより構造上標識されたタンパク質を検出することがまた可能である。好ましい実施態様において、本発明は
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中に存在するERNS糖タンパク質へのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合によりペスチウイルスの未修飾ERNS糖タンパク質を同定する工程(前記糖タンパク質は本発明の方法により修飾されておらず、それにより前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体が修飾ERNS糖タンパク質に結合しない)、
(3) 前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付け、前記動物及び/又は前記サンプル中のペスチウイルス物質の存在がそうしないと証明される条件下でワクチン注射された動物への抗体結合の不在を相関関係付ける工程
を含むことを特徴とするペスチウイルス感染動物を本発明の弱毒化ペスチウイルスでワクチン注射された動物から区別する方法に関する。
【0028】
勿論、構造の修飾及び本発明の標識ウイルス中のRNase活性の不在は未標識ペスチウイルス感染症から生じる応答と較べた場合に動物の異なる免疫応答を生じるであろう。本発明のペスチウイルスは細胞だけでなく体液の異なり、かつ特有の免疫応答を誘発し、これは未修飾かつおそらく病的の免疫応答とは異なる。例えば、本発明の糖タンパク質ERNSは未修飾糖タンパク質から生じるポリクローナル抗体と較べた場合にそれらの結合特異性を異にするポリクローナル抗体を生じるであろう。結合特異性のこの相違はペスチウイルス現場感染動物から本発明からのペスチウイルスでワクチン注射された動物を区別するための標識を与える。感染動物及びワクチン注射された動物を差別する目的のために野生型エピトープ又はそのエピトープのマーカー欠失突然変異に結合する特異性ポリクローナル抗体について血清をスクリーニングするための試験が、例えば、仮性狂犬病感染ブタ及びワクチン注射されたブタについて記載されていた(Kitら, 1991)。
【0029】
好ましい実施態様において、本発明は
(1) ポリクローナル抗体のサンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 未修飾糖タンパク質ERNS又は本発明に従って修飾された糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の特異的結合を同定する工程、
(3) 未修飾糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の結合をペスチウイルス感染症と相関関係付け、本発明に従って修飾された糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の結合をワクチン注射された動物と相関関係付ける工程
を含むことを特徴とするペスチウイルス感染動物を本発明の弱毒化ペスチウイルスでワクチン注射された動物から区別する方法に関する。
【実施例】
【0030】
実施例1 RNase陰性ペスチウイルス突然変異体の生成
完全長cDNAクローンpA/CSFV (Meyersら, 1996a)又はpA/BVDV (Meyersら, 1996b)(これらから感染性cRNAがin vitro転写により得られる)で開始して、サブクローンを生成した。CSFVについて、pA/CSFVのXhoI/SspI断片をpブルースクリプトSK+にクローン化し、XhoI及びSmaIで切断した。BVDVについて、pA/BVDVからのXhoI/BgIII断片をプラスミドpCITE-2Cにクローン化し、同酵素で切断した。E. coli CJ 236細胞(バイオラド)及びVCMS一本鎖ファージ(ストラタゲン)を使用して、一本鎖プラスミドDNAをKunkel(Kunkelら, 1987)の方法に従ってこれらの構築物から生成した。“ファージミドin vitro突然変異誘発キット”(バイオラド)を使用して、一本鎖DNAを二本鎖に変換した。所望のペスチウイルス突然変異体を生成するためのプライマーとして使用された合成オリゴヌクレオチドの幾つかを例示様式で以下にリストする。
【0031】
C-297-L: AGGAGCTTACTTGGGATCTG
C-346-L: GGAACAAACTTGGATGGTGT
C-297-K: ACAGGAGCTTAAAAGGGATCTGGC
C-346-K: ATGGAACAAAAAGGGATGGTGTAA
C-346-d: GAATGGAACAAAGGATGGTGTAAC
B-346-d: CATGAATGGAACAAAGGTTGGTGCAACTGG
【0032】
二本鎖プラスミドDNAをE.coli XL1-ブルー細胞(ストラタゲン)の形質転換に使用した。プラスミドを宿している細菌コロニーをアンピシリン選択により分離した。プラスミドDNAを調製し、T7ポリメラーゼ配列決定キット(ファーマシア)を使用してヌクレオチド配列決定により更に分析した。所望の突然変異を含み、第二部位変化を含まないプラスミドを完全長cDNAクローンの構築に使用した。CSFVの場合、突然変異誘発プラスミドからのXhoI/NdeI断片をプラスミド578(pA/CSFVからのXhoI/BgIII断片を含むpCITE 2A)から誘導されたNdeI/BgIII断片と一緒にXhoI及びBgIIIで切断されたpA/CSFVに挿入した。BVDV CP7突然変異体を得るために、その欠失を含むXhoI/BgIII断片をpA/BVDV/Ins-から分離されたBgIII/NcoI断片と一緒にXhoI及びNcoIで切断されたpA/BVDVに挿入した。構築物pA/BVDV/Ins-から、cRNAを転写し、これが好適な細胞中でトランスフェクション後に非細胞変性BVDVを生じる(Meyersら, 1996b)。異なる完全長クローンを増幅し、プラスミドを分離した。所望の突然変異の存在がDNA配列決定により判明された。SrfI (CSFV完全長クローン)又はSmaI (BVDV完全長クローン)で線状にした後、cRNAを既に記載されたようにして転写した(Meyersら, 1996ab)。RNAをゲル濾過及びフェノール/クロロホルム抽出により精製し、ブタ腎臓(PK15)細胞又はウシ腎臓(MDBKクローンB2)細胞の形質転換に使用した(夫々、CSFV構築物又はBVDV構築物)。トランスフェクションをウイルス特異性抗血清による免疫蛍光により分析した。所望の突然変異体が回収できた場合(免疫蛍光陽性)、ウイルスをトランスフェクション実験に使用したのと同じ細胞系による継代により増幅した。CSFV突然変異体の更なる分析は1工程増殖曲線の測定及びウイルス特異性cDNAプローブによるノーザンブロットによるウイルスRNAの特性決定並びに逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)及びウイルスゲノム中の所望の突然変異の存在を確かめるためのPCR断片のその後の配列決定を含んでいた。全ての場合に、所望の突然変異の存在が判明された。回収したウイルスの全てが同等に良く増殖し、野生型配列を示すプラスミドから生じるウイルスと同様の量のRNAを生成した。
【0033】
BVDV突然変異体の生存度を夫々のcRNAのトランスフェクション及びその3日後の細胞のスプリッティングにより示した。細胞の一部を直径3.5cmの皿に接種し、その後にその日にアセトン/メタノールで固定し、BVDV特異性モノクローナル抗体(Weilandら, 1989)の混合物による免疫蛍光により分析した。全ての細胞が陽性とわかり、一方、非感染性RNAでトランスフェクトされた細胞の対照はシグナルを示さなかった。夫々のcRNAでトランスフェクトされた細胞の一部から、抽出物を凍結及び解凍の1サイクルにより生成した。新しい細胞をこの細胞抽出物で感染させ、感染3日後にBVDV特異性免疫蛍光によりBVDV陽性であると判明した。
表1は示されたウイルス突然変異体によりコードされるRNaseの推定活性部位に相当するERNSの保存配列に導入された異なる変化を要約する。
【0034】
【表1】

【0035】
表1の脚注:RNase活性に関する試験を一時的アッセイで行った。BHK21細胞をワクチンウイルスvTF7-3 (Fuerstら, 1986)で感染し、次いで夫々のcDNA構築物(プラスミドDNA5μg、供給業者(キアゲン)により推奨されるようにスーパーフェクトを使用するトランスフェクション)でトランスフェクトした。CO2インキュベーター中の37℃で10時間のインキュベーション後に、トランスフェクトされた細胞を溶解し、以下に記載されるようなRNase活性の測定のために処理した。生存度を以下に記載されるようにして測定した。
【0036】
実施例2 ERNSのRNase活性に関する異なる突然変異の効果
ERNSのRNase活性に関する異なる突然変異の効果を試験するために、適当な細胞を突然変異体ウイルスで感染させた。CSFVについて、感染を0.01の感染多重度(m.o.i.)で行った。野生型ウイルスによる感染が陽性対照として利用でき、一方、非感染細胞を陰性対照として使用した。感染48時間後に、細胞を食塩加リン酸緩衝液で2回洗浄し、溶解緩衝液(20 mM トリス/HCl; 100 mM NaCl、1 mM EDTA、2mg/mlのウシ血清アルブミン;1%トリトンX100;0.1%デオキシコール酸;0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)0.4mll中で溶解した。溶解産物を1.5mlの反応管に入れ、音波処理し(ブランソンソニファイアーB12、120ワット、カップホルン水浴中で20秒)、遠心分離(5分間、14,000rpm、エッペンドルフ遠心分離機、4℃)により透明にし、上澄みを超遠心分離(ベックマン卓上超遠心分離機、TLA45ローター中で4℃で45,000rpmで60分間)にかけた。RNase活性の測定をRNaseアッセイ緩衝液(40 mM トリス-アセテート(pH 6.5)、0.5 mM EDTA、5 mM ジチオスレイトール(DTT))中に第二遠心分離工程の上澄み5又は50μl及びポリ(rU)(ファーマシア)80μgを含む合計200μlの容積で行った。37℃で1時間の反応混合物のインキュベーション後に、200μlの1.2Mの過塩素酸、20 mM LaSO4を添加した。氷の上の15分のインキュベーション後に、混合物をエッペンドルフ遠心分離機中で4℃で14,000rpmで15分間遠心分離した。上澄みに、3倍容積の水を添加し、ウルトラスペック3000スペクトロフォトメーター(ファーマシア)を使用して光学密度を260nmで測定することにより混合物のアリコートを分析した。全ての場合に、突然変異が完全に停止されたRNase活性をEms遺伝子に導入した(表1)。
【0037】
BVDV突然変異体について、回収ウイルスの継代を使用しないRNAトランスフェクション後に得られた物質でRNase活性を試験した。適当なRNAでトランスフェクトされた細胞をトランスフェクション72時間後にスプリットし、二つの皿に接種した。24時間後に、一つの皿から、細胞抽出物を調製し、上記のようにRNase活性について分析した。感染を証明するために、第二の皿の細胞をBVDV特異性モノクローナル抗体(Weilandら, 1989)で免疫蛍光により分析し、100%陽性とわかった。トランスフェクションをpA/BVDV/Ins-またpA/B-346-d、CSFVアルフォートゲノム中のコドン346に均等のコドンの欠失を含む以外はpA/BVDV/Ins-に均等のプラスミドから転写されたRNAを用いて行った。トランスフェクトされなかったMDBK細胞が陰性対照として利用できた。
【0038】
【表2】

【0039】
表2Aの説明:
PK15細胞を0.01のm.o.i.(感染多重度)で示されたウイルスで感染させ、CO2インキュベーター中で37℃で48時間インキュベートし、次いで溶解し、RNase試験にかけた。異なる細胞抽出物とのインキュベーションから生じる酸可溶性RNAを260nmで光学密度を測定することにより定量した。RNase活性の観察された相違はサンプル中のERNSタンパク質の異なる量のためではなかった。何とならば、同様の値が放射性標識、免疫沈澱及びホスホルイメージャーによる放射能の分析によるERNSの定量後に得られたからである。更に、通常の量のわずかに1/10へのアッセイ中のEms濃度の低下は得られるOD値をかなり変化せず、選ばれた条件ではアッセイがEmsで飽和されることを示した。
CSFV株アルフォート;全てのその他のウイルスをプラスミドからinvitro転写されたRNAから回収した:例えば、C-WTをpA/CSFVから;C-297-LをpA/C-297-Lから回収した;以下、同様。C-346-d/RsウイルスをpA/C-346-d/Rs(pA/CSFVから誘導された均等断片に対する夫々のcDNA断片の交換によりpA/C-346-d中の突然変異の反転により生成した)から回収した。対照:感染されなかったPK15細胞の抽出物。
【0040】
【表3】

【0041】
表2Bの説明
MDBK細胞をin vitro転写RNAで感染させ、トランスフェクション72時間後にスプリットし、24時間後にRNase活性について分析した。細胞の感染が明細書に記載された免疫蛍光分析により判明された。
B-WT:pA/BVDV/Ins-から回収されたウイルス;B-346-d:pA/B-346-dから回収されたウイルス;対照:感染されなかったMDBK細胞からの抽出物。
【0042】
実施例3 RNase不活性化後のCSFVの細胞変性
RNase活性の分解がそれらの天然宿主中のペスチウイルスの細胞変性に影響するか否かを試験するために、動物実験を突然変異体V(pA/C-346-d)(表中のC346-d)で行った。突然変異を含まないCSFV完全長クローンから回収されたウイルス(V(pA/CSFV))が陽性対照として利用できた(表中のC-WT)。夫々の突然変異体について、3匹の子ブタ(品種:ゲルマン・ランドレース;体重約25kg)を使用した。感染用量は動物当り1x105 TCID50であった。接種物の2/3を鼻内投与し(1/3を夫々の鼻孔に)、1/3を筋肉内に投与した。二つのグループを別々の分離ユニット中に収容した。血液を感染前及び3日、5日、7日、10日、12日及び14日に動物から2回採取した。加えて、体温を毎日記録した(図2)。野生型ウイルスで感染された動物は発熱、運動失調、拒食症、下痢、中枢神経障害、皮膚中の出血のような古典的なブタ熱病の典型的な症候を示した(表3a)。ウイルスを3日目(動物#68)及び5日目、7日目、10日目、14日目(動物#68、#78、#121)に血液から回収することができた(表3b)。動物を感染後14日目に瀕死段階で殺した。この時点では、ウイルス中和抗体を検出することができなかった。対照的に、突然変異体で感染された動物は臨床症候を発生しなかった(表3a)。体温は全実験期間にわたって正常に留まり(図2)、動物は食事をとることを停止しなかった。いずれの時点でも、ウイルスを血液から回収することができなかった。それにもかかわらず、動物は明らかに感染されており、ウイルスがおそらく複製した。何とならば、全ての動物が中和抗体を発生したからである(表3c)。
【0043】
【表4】

【0044】
表3aの説明
二つのグループ(夫々のグループを別々に収容した)中の6匹の子ブタ(ゲルマン・ランドレース;体重約25kg)をその研究に入れた。3匹の動物をCSFV-WT(1-105 TCID50)で感染させ、3匹の動物をC-346-d (1x105 TCID50)で感染させた。直腸温度及び臨床症候を記録し、表に詳しく要約した。n.a.:検死を行わなかった。
【0045】
【表5】

【0046】
表3bの説明
血液細胞ウイルス血症をPK15細胞と一緒の血液の同時培養により検出した。37℃で72時間のインキュベーション後に、細胞をPBSで洗浄し、氷冷アセトン/メタノールで固定し、糖タンパク質E2に特異性のモノクローナル抗体(mAb A18、Weilandら, 1990)による免疫蛍光により感染について分析した。
【0047】
【表6】

【0048】
表3cの説明
動物実験中の異なる時点で測定されたウイルス突然変異体C-346-dで感染されたブタの抗体力価:
希釈した血清50μlを30 TCID50のウイルス(CSFVアルフォート/ツビンゲン)を含む培地50μlと混合した。37℃で90分間のインキュベーション後に、細胞100μl(1.5x104細胞)を添加し、混合物を96ウェルプレートに接種した。72時間後に、細胞を氷冷アセトン/メタノールで固定し、糖タンパク質E2に特異性のモノクローナル抗体(mAb A18、Weilandら, 1990)による免疫蛍光により感染について分析した。感染後の69日目に、動物に2x105 TCID50のCSFV株エイストラップを抗原投与した。表は投入ウイルスの完全中和をもたらす最高血清希釈を示す。
【0049】
実施例4 RNase陰性ウイルスによる感染による保護免疫の誘導
突然変異体ウイルスによる感染が保護免疫をもたらしたか否かを分析するために、抗原投与実験をCSFV突然変異体による感染の約9週後に高度に細胞変性の異種CSFV株(株エイストラップ、ベーリングから得られた)を使用して行った。2x105 TCID50のウイルスを感染に使用した。この量のウイルスは幾つかの先行実験(Konig, 1994)で致死性疾患を誘導するのに十分であることがわかった。しかしながら、CSFV RNase突然変異体で既に感染された動物は抗原投与感染後に症候を示さなかった。発熱(図3)又はウイルス血症のいずれもが検出できなかったが、中和抗体の増加が増殖性感染及び抗原投与ウイルスの複製を示した。
【0050】
実施例5 弱毒化原理の確認
突然変異体ウイルスの観察された弱毒化が実際にポリタンパク質の位置346のヒスチジンの欠失のためであり、同定されなかった第二部位突然変異の結果ではないことを示すために、野生型配列を野生型配列を示すpA/CSFVの相当する断片に対する完全長クローンpA/C-346-dの1.6kb XhoI/NdeI断片の交換により回復した。pA/C-346-dから切除された断片を突然変異についてヌクレオチド配列決定により分析した。ポリタンパク質のヒスチジン346をコードするトリプレットの欠失を除いて、野生型配列に対する相違が見られなかった。救済された突然変異体を含むcDNA構築物から、野生型ウイルスと同等に良く増殖し、均等のRNase活性を示すウイルスV(pA/C-346-d/Rs)を回収することができた(表2A)。
【0051】
第二動物実験では、救済されたウイルスをブタの感染に使用した。対照として、欠失突然変異体を使用した。再度、3匹の動物からなる二つのグループを使用した。動物が第一実験の動物よりも若かったので(ゲルマン・ランドレース、約20kg)、5x104 TCID50のウイルスを今回感染に使用した。再度、突然変異体で感染された動物は臨床症候を示さなかった(表5、図4)。1匹の動物のみが1日目に発熱した。それにもかかわらず、これらの動物は中和抗体を発生し、致死性CSFV抗原投与に対し保護された。再度、抗原投与を2x105 TCID50の抗原投与株エイストラップによる感染により行った。動物は抗原投与後に臨床症候を示さず、体温が正常に留まった(図5)。欠失突然変異体で感染されたブタとは対照的に、救済された野生型ウイルスで接種された動物は致死性の古典的なブタ熱病を発生した。1匹の動物が感染の11日後に殺され、別の2匹がその3日後に殺された。全ての動物が古典的なブタ熱病の典型的な症候、即ち、発熱、下痢、拒食症、及び腎臓を含む異なる臓器中の出血のような病的兆候を示した。
【0052】
【表7】

【0053】
表5aの説明
二つのグループ(夫々のグループが分離条件下で別々に収容された)中の6匹の子ブタ(ゲルマン・ランドレース;体重約20kg)をその研究に入れた。3匹の動物を突然変異体C-346-d (5-104 TCID50)で感染させ、3匹の動物をC-346-d/Rs (5-104 TCID50)で感染させた。C-346-d/RSはERNS遺伝子の野生型配列を回復することにより突然変異体C-346-dから誘導された。直腸温度及び症候を記録し、要約した。n.a.:検死を行わなかった。
【0054】
【表8】

【0055】
感染の5日後の動物3及び5並びに感染の7日後の動物実験#2(実施例5に記載された)の動物27、28及び30の血液から回収したウイルスを組織培養で増殖させ、滴定し、上記のようにRNase活性について試験した。感染されなかったPK15細胞及び野生型CSFV(アルフォート)で感染された細胞(対照)が対照として利用できた。動物3及び5は突然変異体C-297-Kで感染され、一方、動物27、28及び30は表に示されたように突然変異体C-346-d/RSで感染された。
【0056】
実施例6 ERNS内の二重突然変異の効果
夫々のウイルスがその天然宿主中で複製する能力及び細胞変性に関するERNS内の二重突然変異の効果を試験するために、動物実験を突然変異体V(pA/C-297-L/346-L)で行った。突然変異を含まないCSFV完全長クローンから回収されたウイルス(V(pA/CSFV)が陽性対照として利用できた。夫々の突然変異体について、3匹の子ブタ(品種:ゲルマン・ランドレース;体重約25kg)を使用した。感染用量は動物当り1x105 TCID50であった。接種物の2/3を鼻内に投与し(1/3を夫々の鼻孔に)、1/3を筋肉内に投与した。血液を感染前(0日目)及び5日目、8日目、12日目及び20日目に動物から採取した。加えて、体温を毎日記録した(図6)。二重突然変異体で感染された動物は臨床症候を発生せず、動物は食事をとることを停止しなかった。動物はおそらく右後脚の外傷により生じた細菌感染症のために8日目の動物45/1を除いて全実験期間にわたって発熱を示さなかった(動物45/2及び45/3)。10日目の抗生物質によるこの動物の治療後に、体温が1日以内に正常値に戻った(図6)。全ての動物について、ウイルスを5日目に血液から回収し、ウイルス血症がその後の時点で検出されなかった(表6a)。全ての動物が中和抗体を発生した(表6a)。動物45/1について、中和力価を約4.5ヶ月p.i.で再度測定し、1:4374であることがわかった。こうして、二重突然変異体による感染は長く持続している免疫記憶をもたらした。
【0057】
【表9】

【0058】
【表10】

【0059】
実施例7 BVDVウイルス“B-346-d”の免疫原性及び弱毒化原理
pA/B-346-dから回収されたBVDVウイルス、“B-346-d”の弱毒化原理並びに免疫原性を調べるためにそれをpA/BVDV/Ins-から回収された“B-WT”ウイルスと比較することにより調べるようにこの実験を設計した。ウイルス“B-346-d”は勿論初期のBVDV位置349で突然変異されるが、図1のCSFVアルフォート位置346に対する位置を示すために“B-346”と称される。
生後3-6ヶ月のBVDV血清反応陰性動物の三つのグループを選んだ。グループ1及び2は夫々5匹の動物を含み、一方、グループ3は3匹の動物を含んだ。グループ1及び2の動物を経路当り5mlの容積の2x106 TCID50のB-346-d(グループ1)又はB-WT(グループ2)の投与により感染させた。動物を筋肉内(殿筋)、鼻内そして皮下(肩甲骨の上)で感染させた。感染後の14日の期間にわたって、両方のグループのウイルス血症を血液細胞ウイルス血症及び鼻スワブ中のウイルス放出のようなパラメーターにより監視した。加えて、直腸温度、白血球カウント及び全般の健康パラメーターのような臨床パラメーターを監視した。
【0060】
抗原異種かつ毒性のBVDV分離物(#13)による感染に対する保護免疫をB-346-dによるグループ1の動物の感染77日後の抗原投与感染により調べた。グループ3の動物は抗原投与対照として利用でき、毒性BVDV分離物によるグループ1の動物についての操作に従って感染された。BVDVウイルス(#13)は異なる抗原性グループ(型II)に属し、一方、B-346-dウイルスはPellerin, C.ら, 1994により記載された分類に従って抗原性グループ(型I)に属する。グループ1及び3の動物は経路当り5mlの容積で2x106 TCID50のBVDV分離物(#13)の投与により感染された。動物を筋肉内(殿筋)、鼻内そして皮下(肩甲骨の上)で感染させた。感染後の14日の期間にわたって、両方のグループのウイルス血症を血液細胞ウイルス血症及び鼻スワブ中のウイルス放出のようなパラメーターにより監視した。加えて、直腸温度、白血球カウント及び全般の健康パラメーターのような臨床パラメーターを監視した。
B-346-dによる感染後に、動物はBVDV感染症の典型的な臨床症候、例えば、直腸温度上昇(表7a)、又は呼吸器の臨床症候(示されていない)を示さなかった。
【0061】
減少した血液細胞ウイルス血症(表7b)及び鼻スワブ中のウイルス放出(表7c)はB-WTと較べてB-346-dの弱毒化を明らかに示した。
毒性BVDV分離物#13はグループ3の動物で数日の期間にわたる直腸温度上昇(表7d)、強い白血球減少(表7e)、延長された血液細胞ウイルス血症(表7f)及び鼻スワブ液中のウイルス放出(表7g)のようなBVDV感染症の典型的な症候で強いウイルス血症を誘発した。対照的に、B-346-dによる感染によりワクチン注射されたグループ1の動物は毒性BVDV分離物#13による抗原投与感染後にBVDV感染症に典型的な臨床症候を殆ど示さなかった。感染後に直腸温度の有意な上昇がなかった(表7d)。観察された白血球減少は大きさ及び期間に関して非常に限界に近かった(表7e)。BVDVが血液から分離できず(表7f)、唯一の動物について鼻スワブ滲出液中のウイルス放出が検出できた(表7g)。
それ故、B-346-dによる感染は異種BVDV分離物による抗原投与感染後に臨床症候、ウイルス放出及び血液細胞ウイルス血症を明らかに減少する強い免疫を誘発する。
【0062】
【表11】

【0063】
グループ1の動物を0日目に6x106 TCID50のB-346-dで感染させ、一方、グループ2の動物を6x106 TCID50のB-WTで感染させた。
【0064】
【表12】

【0065】
EDTA血液をB-346-d及びB-WTによる夫々の感染10日後まで毎日サンプリングした。血液0.2mlをヘパリン(凝固を防止するために1単位/ml)を含む培地とともにウシ睾丸(Cte)細胞の3種の培養液の夫々に添加した。一夜のインキュベーション後に、接種物/培地をヘパリンを含まない新しい培地と交換した。4-6日のインキュベーション後に、BVDV細胞をBVDVに特異性のポリクローナル血清による免疫蛍光により検出した。
陰性培養物を凍結し、続いて解凍した。その0.2mlをCte細胞で第二継代で継代してBVDVの不在を確かめた。
【0066】
【表13】

【0067】
鼻滲出液を遠心分離(1000g)してグロスデブリ及び汚染物を除去した。上澄み液を除去し、0.2mlを3種の細胞培養物の夫々に接種した。一夜のインキュベーション後に、接種物/培地を新しい培地2mlと交換した。4-6日のインキュベーション後に、BVDV感染細胞をBVDVに特異性のポリクローナル血清による免疫蛍光により検出した。
【0068】
【表14】

【0069】
直腸温度を抗原投与感染の16日後まで記録した。グループ1及び3の動物を6x106 TCID50の毒性BVDV分離物#13により感染させた。
【0070】
【表15】

【0071】
EDTA血液細胞サンプルを両方のグループの夫々の動物から抗原投与後の2日目から14日目まで毎日採取した。シスメックス・ミクロ−セル・カウンターF800を使用して、EDTA血液サンプル中の白血球のカウントを測定した。
【0072】
【表16】

【0073】
EDTA血液を抗原投与後の10日目まで毎日サンプリングした。血液0.2mlをヘパリン(凝固を防止するために1単位/ml)を含む培地とともにウシ睾丸(Cte)細胞の3種の培養液の夫々に添加した。一夜のインキュベーション後に、接種物/培地をヘパリンを含まない新しい培地と交換した。4-6日のインキュベーション後に、BVDV感染細胞をBVDVに特異性のポリクローナル血清による免疫蛍光により検出した。
陰性培養物を凍結し、続いて解凍した。その0.2mlをCte細胞で第二継代で継代してBVDVの不在を確かめた。
【0074】
【表17】

【0075】
鼻滲出液を遠心分離(1000g)してグロスデブリ及び汚染物を除去した。上澄み液を除去し、その0.2mlを3種の細胞培養物の夫々に接種した。一夜のインキュベーション後に、接種物/培地を新しい培地2mlと交換した。4-6日のインキュベーション後に、BVDV感染細胞をBVDVに特異性のポリクローナル血清による免疫蛍光により検出した。
【0076】
実施例8 RT-PCRによるC-346-dとヒスチジンコドン346の欠失を含まないCSFVの識別
CSFV糖タンパク質ERNS中の保存RNaseモチーフをコードするRNA配列が高度に保存される。全ての既知のCSFV配列の中で、ヌクレオチド交換がCSFVアルフォート株の公表された配列(Meyersら, 1987)の残基1387-1416に相当する領域で見られなかった。こうして、ゲノムのこの保存領域から誘導されたオリゴヌクレオチドプライマーを全てのCSFV分離物の検出のためにRT-PCRアッセイに使用することができる(図7を参照のこと)。従って、ヒスチジン346をコードするトリプレット(ヌクレオチド1399-1401)の不在を適当に設計したプライマーによるRT-PCRアッセイにより検出することができた。保存領域をカバーする異なるオリゴヌクレオチド(ヒスチジンコドンを含み、又は含まない)を合成した。これらのオリゴヌクレオチドを下流プライマーとしてのオリゴヌクレオチドENRS-StopとともにRT-PCR反応に上流プライマーとして利用できた。夫々C-346-d、C-WT、C-346-L又はC-346-Kで感染された組織培養細胞から精製されたRNAを鋳型として使用した。熱変性RNA(30pモルの逆プライマーの存在下で水1.5μl中で92℃で2分間、氷の上で5分間)2μgの逆転写を8μlのRTミックス(125 mM トリス/HCl pH8.3、182.5 mM KCl、7.5 mM MgCl2、25 mM ジスレイトール、1.25 mMの夫々のdATP、dTTP、dCTP、dGTP)、15UのRNAガード(ファーマシア、フライブルグ、ドイツ)及び50Uのスーパースクリプト(ライフ・テクノロジーズ/BRL、エッゲンシュタイン、ドイツ)の添加後に45分間にわたって37℃で行った。逆転写を終了した後、管を氷の上に置き、30μlのPCRミックス(8.3 mM トリス/HCl、pH8.3; 33.3 mM KCl; 2.2 mM MgCl2; 0.42 mMの夫々のdATP、dTTP、dCTP、dGTP;0.17%トリトンX100;0.03%ウシ血清アルブミン;5UのTaqポリメラーゼ(アプリゲン、ハイデルブルグ、ドイツ)及び16.7%DMSO)を添加した。プライマーOI H+3を使用した場合、増幅のための反応ミックスはDMSOを含まなかった。増幅を36サイクル(30秒94℃;30秒57℃;45秒74℃)で行った。増幅反応液1μlを1%アガロースゲルに装填し、増幅産物を電気泳動により分離し、臭化エチジウムで染色した。図7に示されるように、プライマー対OI H-3/OI EmsStopはコドン346の欠失を含むRNAから誘導されたバンドを特異的に増幅することを可能にし、一方、その他の二つのプライマー組み合わせでは、コドン346を含む産物が増幅され、このコドンの欠失を含むRNAが鋳型として使用された場合、バンドが観察されなかった。
【0077】
RT-PCR用のプライマー
上流:
Ol H-3: TGGAACAAAGGATGGTGT
Ol H+2: TGGAACAAACATGGATGG
Ol H+3: GAATGGAACAAACATGGA
下流:
Ol ErnsStop: GGAATTCTCAGGCATAGGCACCAAACCAGG

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖タンパク質ERNSにあるRNaseが不活性化されているペスチウイルスを含むことを特徴とする生ワクチン。
【請求項2】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第1項記載のワクチン。
【請求項3】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第2項記載のワクチン。
【請求項4】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第1項〜第3項のいずれか一項記載のワクチン。
【請求項5】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一項記載のワクチン。
【請求項6】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項記載のワクチン。
【請求項7】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されており、但し、前記糖タンパク質の位置297及び/又は346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸がリシンではないことを条件とすることを特徴とするペスチウイルス。
【請求項8】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される欠失及び/又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第7項記載のペスチウイルス。
【請求項9】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第7項又は第8項記載のペスチウイルス。
【請求項10】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第7項〜第9項のいずれか一項記載のペスチウイルス。
【請求項11】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第7項〜第10項のいずれか一項記載のBVDVペスチウイルス。
【請求項12】
糖タンパク質ERNSをコードする核酸であって、前記糖タンパク質にあるRNase活性が前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化されており、但し、前記糖タンパク質の位置297及び/又は346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸がリシンではないことを条件とすることを特徴とする核酸。
【請求項13】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される欠失及び/又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第12項記載の核酸。
【請求項14】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化されている請求の範囲第12項又は第13項記載の核酸。
【請求項15】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第12項〜第14項のいずれか一項記載の核酸。
【請求項16】
前記RNase活性が前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他のBVDV株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化されている請求の範囲第12項〜第15項のいずれか一項記載のBVDV核酸。
【請求項17】
ヌクレオチドワクチン及び/又はベクターワクチンを調製するための請求の範囲第12項〜第16項のいずれか一項記載の核酸の使用。
【請求項18】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記載のワクチン、及び/又は請求の範囲第7項〜第11項のいずれか一項記載のペスチウイルス、及び/又は請求の範囲第12項〜第16項のいずれか一項記載のヌクレオチド配列を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項19】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とするペスチウイルスの弱毒化方法。
【請求項20】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する請求の範囲第19項記載の方法。
【請求項21】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第19項又は第20項記載の方法。
【請求項22】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化する請求の範囲第19項〜第21項のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化する請求の範囲第19項〜第22項のいずれか一項記載の核酸。
【請求項24】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に弱毒化されたワクチンの生産方法。
【請求項25】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する請求の範囲第24項記載の方法。
【請求項26】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第24項又は第25項記載の方法。
【請求項27】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化する請求の範囲第24項〜第26項のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化する請求の範囲第24項〜第27項のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とするペスチウイルスを検出可能に標識する方法。
【請求項30】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する請求の範囲第29項記載の方法。
【請求項31】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第29項又は第30項記載の方法。
【請求項32】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化する請求の範囲第29項〜第31項のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化する請求の範囲第29項〜第32項のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記載のワクチン又は請求の範囲第18項記載の医薬組成物をペスチウイルス感染症の予防又は治療を要する動物に適用することを特徴とする動物のペスチウイルス感染症の予防方法及び治療方法。
【請求項35】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に弱毒化されたペスチウイルスの調製方法。
【請求項36】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する請求の範囲第35項記載の方法。
【請求項37】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第35項又は第36項記載の方法。
【請求項38】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化する請求の範囲第35項〜第37項のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化する請求の範囲第36項〜第38項のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
糖タンパク質ERNSにあるRNase活性を不活性化することを特徴とする特異的に標識されたペスチウイルスの調製方法。
【請求項41】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の少なくとも一つのアミノ酸の欠失及び/又は突然変異により不活性化する請求の範囲第40項記載の方法。
【請求項42】
前記欠失及び/又は突然変異が前記糖タンパク質の位置295-307及び/又は位置338-357(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸に位置される請求の範囲第40項又は第41項記載の方法。
【請求項43】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のアミノ酸の欠失又は突然変異により不活性化する請求の範囲第40項〜第42項のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
前記RNase活性を前記糖タンパク質の位置346(例示様式でCSFVアルフォート株について図1に記載された位置又はその他の株中のそれに相当する位置)のヒスチジン残基の欠失により不活性化する請求の範囲第40項〜第43項のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療のための請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記載のワクチンの使用。
【請求項46】
動物のペスチウイルス感染症の予防及び治療のための請求の範囲第18項記載の医薬組成物の使用。
【請求項47】
ワクチン又は医薬組成物の調製のための請求の範囲第7項〜第11項のいずれか一項記載のペスチウイルス及び/又は請求の範囲第12項〜第16項のいずれか一項記載のヌクレオチド配列の使用。
【請求項48】
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中のペスチウイルスのヌクレオチド配列を同定する工程、
(3) ワクチン中に存在するERNSヌクレオチド配列の欠失及び/又は突然変異をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記欠失及び/又は突然変異の不在を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付ける工程
を含むことを特徴とする、特異的に弱毒化されたペスチウイルス(前記の特異的に弱毒化されたペスチウイルスは請求の範囲第19項〜第23項のいずれか一項記載の方法により弱毒化されている)でワクチン注射された動物からペスチウイルス感染動物を区別する方法。
【請求項49】
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中に存在するERNS糖タンパク質へのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合により弱毒化ペスチウイルスの修飾ERNS糖タンパク質を同定する工程(前記糖タンパク質は請求の範囲第19項〜第23項のいずれか一項記載の方法により修飾され、それにより前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体が未修飾ERNS糖タンパク質に結合しない)、
(4) 前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記動物及び/又は前記サンプル中のペスチウイルス物質の存在がそうしないと証明される条件下で前記動物のペスチウイルス感染への抗体結合の不在を相関関係付ける工程
を含む請求の範囲第48項記載の方法。
【請求項50】
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中に存在するERNS糖タンパク質へのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合によりペスチウイルスの未修飾ERNS糖タンパク質を同定する工程(前記糖タンパク質は請求の範囲第19項〜第23項のいずれか一項記載の方法により修飾されておらず、それにより前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体が修飾ERNS糖タンパク質に結合しない)、
(3) 前記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の特異的結合を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付け、前記動物及び/又は前記サンプル中のペスチウイルス物質の存在がそうしないと証明される条件下でワクチン注射された動物への抗体結合の不在を相関関係付ける工程
を含む請求の範囲第49項記載の方法。
【請求項51】
(1) サンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 前記サンプル中の糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在又は存在を測定する工程、
(3) 糖タンパク質ERNSのRNase活性の不在をワクチン注射された動物と相関関係付け、前記活性の存在を前記動物のペスチウイルス感染症と相関関係付ける工程
を含む請求の範囲第48項記載の方法。
【請求項52】
(1) ポリクローナル抗体のサンプルをペスチウイルス感染症の疑いのある関係する動物又はワクチン注射された動物から得る工程、
(2) 未修飾糖タンパク質ERNS又は本発明に従って修飾された糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の特異的結合を同定する工程、
(3) 未修飾糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の結合をペスチウイルス感染症と相関関係付け、本発明に従って修飾された糖タンパク質ERNSへの前記ポリクローナル抗体の結合をワクチン注射された動物と相関関係付ける工程
を含む請求の範囲第48項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−99357(P2013−99357A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−19815(P2013−19815)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2010−167518(P2010−167518)の分割
【原出願日】平成11年5月26日(1999.5.26)
【出願人】(504225895)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (34)
【Fターム(参考)】