説明

往復式空気圧縮機のための一体型水冷式空気冷却用インタークーラー

【課題】構成部材を固定して単一の一体型構造体にするのにボルト及びガスケットではなく、溶接接続を使用する、水冷式空気冷却用インタークーラーを提供する。
【解決手段】往復式空気圧縮機に用いられる水冷式空気冷却用インタークーラー10が、複数の空気通路管を含む内側部分と、冷却水入口と、少なくとも1つの冷却水出口とを有する中央コアユニット20を備える。第1のマニホールド30は、複数の空気通路管に連通し、少なくとも1つの空気入口50から空気を受け入れてこの空気を複数の空気通路管へ誘導する。第2のマニホールド40は、空気出口60を有し、複数の空気通路管に連通し、複数のフィン付きの空気通路管から空気を受け入れてこの空気を少なくとも1つの空気出口60へ誘導する。中央コアユニット20、第1のマニホールド30及び第2のマニホールド40は、溶接によって一体に接続されて単一の部品を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復式空気圧縮機内の圧縮空気を冷却するための、一体型水冷式空気冷却用インタークーラー(single piece water over air intercooler)に関する。より詳細には、本発明は、複数の空気通路管を含む中央コアユニットと、空気入口及び空気出口並びに第1のマニホールド及び第2のマニホールドと、冷却水入口及び冷却水出口とを有し、これら全てが共に溶接されて一体構造体を形成する、水冷式空気冷却用インタークーラーに関する。第1の圧縮段からの空気はインタークーラーに誘導され、インタークーラーにおいて、第1の圧縮段からの空気は、複数の空気流通管の上を流れるエンジン冷却水からの冷却水によって冷却される。冷却された空気は次いで、インタークーラーから第2の圧縮段に誘導される。
【背景技術】
【0002】
多段空気圧縮機は、大型車両及び/又は機関車のエアーブレーキシステムに圧縮空気を提供する等の目的で、当該技術分野において一般的に既知である。そのような圧縮機の1つが、Goettel他の特許文献1(参照によってその全体が本明細書に援用される)に開示されている。当業者によって理解され得るように、エアーブレーキシステムにおいて使用するために必要なレベルまで空気を加圧することは、圧縮システム内の空気の大幅な温度上昇にもつながり、これによって、ブレーキシステム内の潤滑油が化学変化(breakdown)を起こし、ブレーキの様々な装置が損傷する。このとき、圧縮空気の周囲温度を好適なレベルまで下げるために、そのような圧縮機内の圧縮シリンダ間に冷却装置を設けることが好ましい。
【0003】
インタークーラーは、エンジンから供給される冷却水を利用し、圧縮機内の圧縮段同士の間で空気の周囲温度を下げることで知られている。しかし、従来技術の構造では、ボルト及びガスケットによって共に固定される複数の構成部材が使用されている。そのような構造では、ガスケット及びボルトを頼りにしてインタークーラー内の種々の接続部をシールし、空気又は水が漏れること、並びに、水及び圧縮空気が混合してしまうことを防止している。しかし、ガスケットを用いるシーリングは完璧ではなく、そのような多くの従来技術のインタークーラーでは、漏れる可能性がある経路が非常に多く存在するため、漏れは一般的な故障の形態である。
【0004】
また、これらの構造は、多くのボルトによる接続(bolted connections)を必要とし、その結果、多くの別々になった部品を有する複雑な構造となり、この複雑な構造は多くの生産労力を必要とする。さらに、そのような多くの従来技術のインタークーラーは鋳鉄から構成されているため、重く扱い難い上に交換するのが困難となる。
【0005】
よって、溶接による接続は好ましいがボルト及びガスケットによる接続は用いない、一体型水冷式空気冷却用インタークーラーが一般的に必要とされている。この一体型水冷式空気冷却用インタークーラーは、漏れの可能性のある経路を減らし、インタークーラーからの空気漏れの低減、並びに、圧縮空気及び冷却水の混合の低減をおこない、全体の組立時間を短縮し、そして、新しい圧縮機アセンブリにおける使用に対して、また既存のインタークーラーの交換部品として、従来技術のインタークーラーに代わる軽量な物を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,106,270号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、構成部材を固定して単一の一体型構造体(single piece, unitary construction)にするのにボルト及びガスケットではなく溶接接続を使用する、水冷式空気冷却用インタークーラーを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、従来技術のインタークーラーと比較して、漏れの可能性のある経路を減らし、且つ、インタークーラーからの圧縮空気の漏れの低減、並びに、空気及び冷却水の混合の低減をおこなうインタークーラーを提供することである。
【0009】
本発明の目的は、重量を減らし、インタークーラーの取扱い、設置及び維持を容易にするためにアルミニウム構成部材から構成されるインタークーラーを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、複数の空気通路管に圧縮空気を受け入れ、またエンジンの冷却水の供給部から冷却水を受け入れて、空気通路管の上に水を流し空気通路管内の圧縮空気を冷却するようにする中央コアユニットを有するインタークーラーを提供することである。
【0011】
本発明の目的は、一般的な接続(common interface)位置を有することによって、交換部品として種々のタイプの既存の圧縮機に直接ボルトで固定することができるインタークーラーを提供することである。
【0012】
本発明の目的は、多段圧縮する複数の圧縮シリンダを有する往復式空気圧縮機と、圧縮段間で圧縮空気を冷却するための単一の部品であるインタークーラーとを提供することである。
【0013】
本発明の目的は、溶接接続を使用して、漏れの可能性のある経路を減らし、且つ、インタークーラーからの圧縮空気の漏れの低減、並びに、圧縮空気及び冷却水の混合の低減をおこなう、一体型水冷式空気冷却用インタークーラーを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施の形態によると、往復式空気圧縮機に用いられる水冷式空気冷却用インタークーラーが提供される。水冷式空気冷却用インタークーラーは、対向する第1の側部及び第2の側部、対向する第3の側部及び第4の側部、並びに、対向する第5の側部及び第6の側部を有する中央コアユニットであって、これらの側部は一体に接続されて中央コアユニット内に内側部分を画定し、中央コアユニットは内側部分に複数の空気通路管を含み、中央コアユニットには少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口が設けられる、中央コアユニットと、中央コアユニットの第1の側部に設けられる第1のマニホールドであって、第1のマニホールドには少なくとも1つの空気入口が設けられ、第1のマニホールドが複数の空気通路管に連通し少なくとも1つの空気入口から空気を受け入れてこの空気を複数の空気通路管へ誘導する、第1のマニホールドと、中央コアユニットの第2の側部に設けられる第2のマニホールドであって、第2のマニホールドには少なくとも1つの空気出口が設けられ、第2のマニホールドが複数の空気通路管に連通し複数のフィン付きの空気通路管から空気を受け入れてこの空気を少なくとも1つの空気出口へ誘導する、第2のマニホールドとを備える。中央コアユニット、第1のマニホールド及び第2のマニホールドは、溶接によって一体に接続されて単一の部品を形成する。
【0015】
少なくとも1つの冷却水入口は、溶接によって中央コアユニットの第1の側部に近接して中央コアユニットに一体に接続され、中央コアユニットの内側部分に連通し、少なくとも1つの冷却水出口は、溶接によって中央コアユニットの第2の側部に近接して中央コアユニットに一体に接続され、中央コアユニットの内側部分に連通する。
【0016】
中央コアユニットの内側部分は、少なくとも1つの冷却水入口を介して供給部から冷却水を受け入れると共に、少なくとも1つの冷却水出口を介して供給部へ冷却水を戻すようになっており、冷却水は、中央コアユニットの内側部分を通って流れ複数の空気通路管の上を通過するようになっている。空気は、中央コアユニットの内側部分の複数の空気通路管を介して第1のマニホールドから第2のマニホールドまで通過することによって、中央コアユニットの内側部分を通って流れると共に複数の空気通路管の上を通過する水によって冷却される。冷却水の供給部はエンジンの冷却水の供給部であり、中央コアユニット、第1のマニホールド及び第2のマニホールドはアルミニウムから構成されることが好ましい。
【0017】
少なくとも1つの空気入口は、第1の圧縮段からの圧縮空気を受け入れるようになっている。少なくとも1つの空気入口は、溶接によって第1のマニホールドに一体に接続される入口導管であって、第1のマニホールドの内側部分に連通する入口導管と、溶接によって入口導管に一体に接続される入口取付プレートとを備える。入口導管及び入口取付プレートはアルミニウムから構成され、少なくとも1つの空気入口には2つの空気入口が含まれることが好ましい。
【0018】
第1のマニホールドは、第1の側部に沿って中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部を越えて延びることにより、中央コアユニットの幅よりも広い幅を有し、それによって、中央コアユニットの方に向いた第1のマニホールドの表面が、中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部のそれぞれに隣接する露出した部分を有し、入口導管が、中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部のそれぞれに隣接する、第1のマニホールドの表面の露出した部分に、それぞれ一体に接続され、それにより、空気入口が第1のマニホールドの表面に設けられる。
【0019】
少なくとも1つの空気出口は、圧縮空気を第2の圧縮段へ誘導するようになっている。少なくとも1つの空気出口は、溶接によって第2のマニホールドに一体に接続される出口導管であって、第2のマニホールドの内側部分に連通する出口導管と、溶接によって出口導管に一体に接続される出口取付プレートとを備える。出口導管及び出口取付プレートはアルミニウムから構成されることが好ましい。第2のマニホールドは隆起している中央部分を有し、出口導管は、第2のマニホールドの隆起している中央部分に一体に接続される。
【0020】
本発明のさらなる実施の形態によると、複数の圧縮段を有する往復式空気圧縮機が提供される。往復式空気圧縮機は、第1の圧縮段にある少なくとも1つの低圧圧縮シリンダと、第2の圧縮段にある少なくとも1つの高圧圧縮シリンダと、少なくとも1つの低圧圧縮シリンダ及び少なくとも1つの高圧圧縮シリンダに連通する水冷式空気冷却用インタークーラーとを備える。このインタークーラーは、対向する第1の側部及び第2の側部、対向する第3の側部及び第4の側部、並びに、対向する第5の側部及び第6の側部とを有する中央コアユニットであって、これらの側部は一体に接続されて中央コアユニット内に内側部分を画定し、中央コアユニットは内側部分に複数の空気通路管を含み、中央コアユニットには少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口が設けられる、中央コアユニットと、中央コアユニットの第1の側部に設けられる第1のマニホールドであって、第1のマニホールドには少なくとも1つの空気入口が設けられ、第1のマニホールドが複数の空気通路管に連通し少なくとも1つの空気入口から空気を受け入れてこの空気を複数の空気通路管へ誘導する、第1のマニホールドと、中央コアユニットの第2の側部に設けられる第2のマニホールドであって、第2のマニホールドには少なくとも1つの空気出口が設けられ、第2のマニホールドが複数の空気通路管に連通し複数のフィン付きの空気通路管から空気を受け入れてこの空気を少なくとも1つの空気出口へ誘導する、第2のマニホールドとを備える。少なくとも1つの低圧圧縮シリンダからの空気は、少なくとも1つの空気入口を介してインタークーラーに入り、中央コアユニット内の複数の空気通路管内で冷却され、次いで少なくとも1つの空気出口を介して少なくとも1つの高圧圧縮シリンダに入る。中央コアユニット、第1のマニホールド及び第2のマニホールドは、溶接によって一体に接続されて単一の部品を形成する。
【0021】
少なくとも1つの冷却水入口は、溶接によって中央コアユニットの第1の側部に近接して中央コアユニットに一体に接続され、中央コアユニットの内側部分に連通し、少なくとも1つの冷却水出口は、溶接によって中央コアユニットの第2の側部に近接して中央コアユニットに一体に接続され、中央コアユニットの内側部分に連通する。
【0022】
中央コアユニットの内側部分は、少なくとも1つの冷却水入口を介して供給部から冷却水を受け入れると共に、少なくとも1つの冷却水出口を介して供給部へ冷却水を戻すようになっており、冷却水は、中央コアユニットの内側部分を通って流れ複数の空気通路管の上を通過するようになっている。空気は、中央コアユニットの内側部分の複数の空気通路管を介して第1のマニホールドから第2のマニホールドまで通過することによって、中央コアユニットの内側部分を通って流れると共に複数の空気通路管の上を通過する水によって冷却される。冷却水の供給部はエンジンの冷却水の供給部であり、中央コアユニット、第1のマニホールド及び第2のマニホールドはアルミニウムから構成されることが好ましい。
【0023】
少なくとも1つの空気入口は、溶接によって第1のマニホールドに一体に接続される入口導管であって、第1のマニホールドの内側部分に連通する入口導管と、溶接によって入口導管に一体に接続される入口取付プレートとを備える。入口導管及び入口取付プレートはアルミニウムから構成され、少なくとも1つの低圧圧縮シリンダには2つの低圧圧縮シリンダが含まれ、少なくとも1つの空気入口には2つの空気入口が含まれることが好ましい。
【0024】
第1のマニホールドは、第1の側部に沿って中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部を越えて延びることにより、中央コアユニットの幅よりも広い幅を有し、それによって、中央コアユニットの方に向いた第1のマニホールドの表面が、中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部のそれぞれに隣接する露出した部分を有し、入口導管が、中央コアユニットの第3の側部及び第4の側部のそれぞれに隣接する、第1のマニホールドの表面の露出した部分に、それぞれ一体に接続され、それにより、空気入口が第1のマニホールドの表面に設けられる。
【0025】
少なくとも1つの空気出口は、溶接によって第2のマニホールドに一体に接続される出口導管であって、第2のマニホールドの内側部分に連通する出口導管と、溶接によって出口導管に一体に接続される出口取付プレートとを備える。出口導管及び出口取付プレートはアルミニウムから構成されることが好ましい。第2のマニホールドは隆起している中央部分を有し、出口導管は、第2のマニホールドの隆起している中央部分に一体に接続される。
【0026】
本発明のさらなる態様では、一体型水冷式空気冷却用インタークーラーを製造する方法が提供される。この方法は、中央コアユニットの第1の側部、第2の側部、第3の側部、第4の側部、第5の側部及び第6の側部に対応するアルミニウム板を提供するステップと、複数の空気通路管を第1の側部及び第2の側部の表面に一体に接続して、これらの管が、第1の側部及び第2の側部の表面に対して密封されるようにし、且つ第1の側部及び第2の側部の反対側の表面に連通するようにするステップと、少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口を設けるステップと、少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口を、溶接接続によって第5の側部の表面に一体に接続して、少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口が第5の側部の反対側の表面に連通するようにするステップと、第1の側部、第2の側部、第3の側部、第4の側部、第5の側部及び第6の側部を溶接接続によって一体に接続し、中に密封された内側部分を画定する箱構造を有する中央コアユニットを形成するステップとを備え、そこで、空気通路管は、中央コアユニットの密封された内側部分に含まれ、第1の側部及び第2の側部で中央コアユニットの外側部分に連通し、少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口は、中央コアユニットの外側部分に設けられており、さらに、アルミニウムの第1のマニホールドを提供するステップと、第1のマニホールドを、溶接接続によって中央コアユニットの第1の側部に一体に接続して、第1のマニホールドの内側部分が、中央コアユニットに対して密封されるようにし、且つ複数の空気通路管に連通するようにするステップと、アルミニウムの第2のマニホールドを提供するステップと、第2のマニホールドを、溶接接続によって中央コアユニットの第2の側部に一体に接続して、第2のマニホールドの内側部分が、中央コアユニットに対して密封されるようにし、且つ複数の空気通路管に連通するようにするステップと、アルミニウムの少なくとも1つの空気入口導管、及び、アルミニウムの少なくとも1つの入口取付具であって、インタークーラーを往復式空気圧縮機に接続するようになっている入口取付具を提供するステップと、少なくとも1つの空気入口導管を、溶接接続によって第1のマニホールドに一体に接続して、少なくとも1つの空気入口導管が、第1のマニホールドに対して密封されるようにし、且つ第1のマニホールドの内側部分に連通するようにするステップと、少なくとも1つの入口取付具を、溶接接続によって少なくとも1つの空気入口導管に一体に接続するステップと、アルミニウムの少なくとも1つの空気出口導管、及び、アルミニウムの少なくとも1つの出口取付具であって、インタークーラーを往復式空気圧縮機に接続するようになっている出口取付具を提供するステップと、少なくとも1つの空気出口導管を、溶接接続によって第2のマニホールドに一体に接続して、少なくとも1つの空気出口導管が、第2のマニホールドに対して密封されるようにし、且つ第2のマニホールドの内側部分に連通するようにするステップと、少なくとも1つの出口取付具を、溶接接続によって少なくとも1つの空気出口導管に一体に接続するステップとを備える。
【0027】
本発明のさらなる詳細及び利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。図面を通して、同様の部品は同様の参照符号を用いて示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による一体型水冷式空気冷却用インタークーラーを有する往復式空気圧縮機を概略的に示す図である。
【図2】図1に示される実施形態による往復式空気圧縮機のための一体型水冷式空気冷却用インタークーラーの前面図である。
【図3】図2に示される一体型水冷式空気冷却用インタークーラーの平面図である。
【図4】図2に示される一体型水冷式空気冷却用インタークーラーの右側面図である。
【図5】図4に示される基準線5−5に沿った、水冷式空気冷却用インタークーラーの中央コアユニットの内側部分を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下で説明するために、空間での向きを示す用語が使用される場合、この用語は、参照される実施形態が添付の図面において方向付けられているか又は以下の詳細な説明において別途説明されているように、この参照される実施形態に関連するものとなっている。しかし、以下で説明される実施形態から多くの代替となる変形形態及び代替となる実施形態が想定され得ることは、理解されるはずである。また、添付の図面に示され、本明細書において説明される特定の装置が、例示に過ぎず、限定するものとしてみなされるべきではないことは、理解されるはずである。
【0030】
図1には、本発明の好ましい実施形態による一体型水冷式空気冷却用インタークーラー10を有する、往復式空気圧縮機Cが示されている。図1に示されるように、往復式空気圧縮機Cは、3気筒の水冷式であり且つ複式(compound)の多段圧縮機である。インタークーラー10は、第1の圧縮段及び第2の圧縮段の間において圧縮機Cに直接取り付けられるが、好ましい実施形態におけるインタークーラーは、いずれの圧縮段でもその前又は後で圧縮空気を冷却するのに使用することができることが、理解されるはずである。図1に示されるように、往復式空気圧縮機Cは、インタークーラー10の少なくとも1つの入口に連通する2つの低圧圧縮シリンダLと、インタークーラー10の少なくとも1つの出口に連通する高圧圧縮シリンダHとを有している。
【0031】
図2には、本発明の好ましい実施形態による一体型水冷式空気冷却用インタークーラーの前面図が示されている。図2に示されるように、インタークーラー10は、箱型形状をした中央コアユニット20を有している。中央コアユニット20は、第1の側部或いは底部側の側部21と、第2の側部或いは上部側の側部22と、第3の側部23と、第4の側部24と、第5の側部或いは前部側の側部25と、(図4に示す)第6の側部或いは後部側の側部26とを有している。中央コアユニット20の側部21、22、23、24、25、26は、アルミニウムから構成されており、溶接接続によって一体に接続されて、(図5に示す)内側部分27を有する中央コアユニット20の箱型構造を形成する。
【0032】
中央コアユニット20は、冷却水入口70を有している。冷却水入口70は、中央コアユニット20の底部側の側部21に近接して中央コアユニット20の前部側の側部25に一体に接続されており、中央コアユニット20の内側部分27に連通する。冷却水入口70は、(図示しない)冷却水の供給部に接続されており、冷却水の供給部は、車両のエンジンのための冷却水の供給部であることが好ましい。冷却水の供給部からの冷却水は、冷却水入口を介して中央コアユニット20の内側部分27に入り、それによって、内側部分27を水で実質的に満たすと共に中央コアユニット20内に冷却水の流れを発生させる。
【0033】
中央コアユニット20はまた、2つの冷却水出口80、85を有している。冷却水出口80、85は、上部側の側部22に近接して中央コアユニット20の前部側の側部25に一体に接続されており、中央コアユニットの内側部分27に連通する。冷却水出口は、中央コアユニット20の前部側の側部25において互いに対照的に配置されている。冷却水出口80、85は、冷却水の供給部にも接続されており、それによって、冷却水入口70から中央コアユニット20の内側部分27を上方へ流れた冷却水を冷却水の供給部へ戻す。理解され得るように、水は、冷却水入口70から内側部分27に流入し、中央コアユニット20の内側部分27を上に向かって流れ、そして、冷却水出口80、85を介して内側部分27から流出する。
【0034】
図5は、中央コアユニット20の後方から中央コアユニット20の内側部分27を見た、図4の基準線5−5に沿った図である。図5に示されるように、中央コアユニット20の内側部分27には、複数のラジエータ型の空気通路管90が設けられている。この空気通路管90は、図5に示す矢印「A」によって示されるように、中央コアユニット20の底部側の側部21から中央コアユニット20の上部側の側部22に延びる空気の通路である。空気通路管90は、図示しないアルミニウムの冷却フィンによって間隔を開けて設けられている。そのような管は、当業者に既知であり、説明のみを目的として概略的に示されている。そのような管は、通常鋳鉄で構成されるが、当業者によりその目的に適していると知られてる、アルミニウムを含む任意の材料から作製されてもよい。中央コアユニット20の内側部分27に含まれる空気通路管90の数及び構成は、当業者によりその目的に適していると知られているどのような数又は構成であってもよいことが、理解されるはずである。
【0035】
図2に示されるように、第1のマニホールド30が、溶接によって、中央コアユニット20の底部側の側部21に一体に取り付けられている。第1のマニホールド30の(図示しない)内側部分は、中央コアユニット20の内側部分27に含まれている空気通路管90に連通する。第1のマニホールド30は、第3の側部23及び第4の側部24の双方において中央コアユニットを越えて延びるため、中央コアユニット20の幅よりも広い幅を有している。それ故、第1のマニホールド30は、第1のマニホールド30の両端において表面部分31を露出させている。表面部分31は、上方又は中央コアユニット20の方へ向いており、中央コアユニット20の第3の側部23及び第4の側部24の双方に隣接している。第1のマニホールド30は、アルミニウムから構成されており、そして、その底面に排水口を有していてもよい。それによって、第1のマニホールド30は、第1のマニホールドの内側部分内で形成される凝縮液を、定期的なメンテナンス作業中に第1のマニホールド30から排出することを可能にする。
【0036】
第1の空気入口50及び第2の空気入口55が、第1のマニホールド30の露出した表面部31上に設けられており、第1のマニホールド30の内部に連通する。それによって、第1の圧縮段から出る低圧空気が第1のマニホールド30に入ることができる。第1の空気入口50及び第2の空気入口55は、第1の空気入口導管51及び第2の空気入口導管56をそれぞれ有している。空気入口導管51、56はアルミニウムから構成されている。そして、空気入口導管51、56は、中央コアユニット20の第3の側部23及び第4の側部24に隣接する位置で、溶接によって第1のマニホールド30の露出した表面部31にそれぞれ一体に接続されている。図3及び図4に示すように、第1の空気入口導管51及び第2の空気入口導管56は湾曲したパイプであり、この湾曲したパイプは、第1のマニホールド30の露出した表面部31から上方に延び、且つ中央コアユニット20の前部側の側部25から離れるように延びる。第1の圧縮段において別々になっている2つの低圧圧縮シリンダL(図1参照)によって圧縮された空気が、1つの共通のインタークーラー装置10によって冷却されることができるように、2つの空気入口50、55を設けることが好ましい。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな数の空気入口を設けてもよいことが理解されるはずである。
【0037】
図2〜図4に示されるように、アルミニウムから構成される、第1の空気入口取付具52及び第2の空気入口取付具57が、溶接によって、第1の空気入口導管51及び第2の空気入口導管56に一体に接続されている。入口取付具52、57は矩形板であり、この矩形板によって、インタークーラー10は、直接圧縮機システム内にボルトで固定されることができる。取付具52、57は、既存のインタークーラーと同じ接続位置を使用できるように、サイズが決められると共に構成される。それ故、インタークーラー10は、新たに製造される圧縮機システムと共に使用されるだけでなく、既存の圧縮機システムの交換部品として使用されることができる。取付具52、57は、中央に大きな穴を有しており、それによって、第1の圧縮段から出る空気は、空気入口導管51、56に入ってこれらを通過することができる。
【0038】
図2に示されるように、第2のマニホールド40が、溶接によって、中央コアユニット20の上部側の側部22に一体に取り付けられている。第2のマニホールド40の(図示しない)内側部分は、中央コアユニット20の内側部分27に含まれる通路管90に連通する。第2のマニホールド40は隆起している中央部分41を有している。第2のマニホールド40はアルミニウムから構成されている。第2のマニホールド40は、その上面において、隆起している中央部分41の上にポートを有してもよく、それによって、圧力逃がし弁アセンブリをインタークーラー10に取り付けることができる。
【0039】
空気出口60が、第2のマニホールド40の隆起している中央部分41上に配置され、第2のマニホールド40の内部に連通する。それによって、中央コアユニット20及び第2のマニホールド40から出る冷却された低圧空気が、第2の圧縮段に入ることが可能になる。空気出口60は空気出口導管61を有している。空気出口導管61は、アルミニウムから構成されており、溶接によって第2のマニホールド40の隆起している中央部分41に一体に接続されている。図3及び図4に示されるように、空気出口導管61は直管であり、この直管は、第2のマニホールド40の隆起している中央部分41から外方に延び、且つ中央コアユニット20の前部側の側部25から離れるように延びる。中央コアユニット20内で冷却された空気が、第2の圧縮段において(図1に示す)単一の高圧圧縮シリンダHに入ることができるように、1つの空気入口60を設けることが好ましい。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな数の空気出口を設けてもよいことが理解されるはずである。
【0040】
図2〜図4に示されるように、アルミニウムから構成される空気出口取付具62が、溶接によって、空気出口導管61に一体に接続されている。出口取付具62は矩形板であり、この矩形板によって、インタークーラー10は、直接圧縮機システム内にボルトで固定されることが可能になる。出口取付具62は、既存のインタークーラーと同じ接続位置を使用できるように、サイズが決められると共に構成される。それ故、インタークーラー10は、新たに製造される圧縮機システムと共に使用されるだけでなく、既存の圧縮機システムの交換部品として使用されることができる。出口取付具62は、中央に大きな穴を有しており、それによって、インタークーラー10から出る空気は、空気出口導管61を通過しここから出ることができる。
【0041】
ここで、図2〜図5を参照して、一体型インタークーラー10の動作を詳細に説明する。インタークーラー10は、複数の圧縮段を有する往復式空気圧縮機に直接取り付けられており、この取り付けは、第1の入口取付具52及び第2の入口取付具57、並びに出口取付具62を、適切な接続位置で往復式空気圧縮機にボルトで固定することによっておこなわれている。インタークーラー10は、冷却水入口70並びに第1の冷却水出口80及び第2の冷却水出口85においてエンジンの冷却水の供給部にも接続されている。そして、冷却水は、中央コアユニット20の内側部分27を実質的に満たすまでこの内側部分27へ流される。冷却水は次に、第1の冷却水出口80及び第2の冷却水出口85を介してエンジンの冷却水の供給部へ戻る。それ故、中央コアユニット20の内側部分27を流通し、中央コアユニット20の内側部分27に含まれる複数の空気通路管90上を流通する冷却水の流れが生成される。
【0042】
低圧で圧縮された空気は、圧縮機Cにおける第1の圧縮段に空気をおくための圧縮シリンダから、第1の空気入口50及び第2の空気入口55を介して受け入れられる。空気は次に、第1の空気入口導管51及び第2の空気入口導管56を介して第1のマニホールド30の内側部分に入る。低圧の圧縮空気が第1のマニホールド30内に集まると、空気は、中央コアユニット20の第1の側部21で中央コアユニット20の内側部分27に含まれている複数の空気通路管90内を上方へ向かって流通する。空気が、中央コアユニット20の内側部分27に含まれている空気通路管90を通って上方へ流れるとき、内側部分27を流通する水が、空気通路管90及び取り付けられているアルミウムフィンの上を流れる。それ故、空気通路管90内の空気が、流れる水の周囲温度近くまで冷却される。
【0043】
冷却された空気は次いで、中央コアユニット20の第2の側部22において空気通路管90を出て第2のマニホールド40内に集まる。空気は、第2のマニホールド40内に集まると、空気出口導管61内に入り、空気出口60を介してインタークーラー10から出て、圧縮機における第2の圧縮段に空気をおくための圧縮シリンダに流れる。
【0044】
中央コアユニット20、第1のマニホールド30、第2のマニホールド40、第1の入口導管51、第2の入口導管56、第1の入口取付プレート52、第2の入口取付プレート57、出口導管61、出口取付プレート62、冷却水入口70、並びに第1の冷却水出口80及び第2の冷却水出口85を有する、インタークーラー10の構成部材は、当業者に既知の技法によって共に溶接される。それによって、単一の一体部品が形成される。そのような一体構造は、種々の構成部材間の接続部を密封することによって、インタークーラー10からの圧縮空気が漏れる可能性を低減し、そして、インタークーラー10内で圧縮空気と冷却水とが混合される可能性を低減する。インタークーラー10の構成部材はアルミニウムから構成されることが好ましく、それによって、従来技術のインタークーラーと比較して軽量化が実現される。インタークーラー10はまた、一般的な接続位置を維持しているため、さまざまな型の圧縮機における交換部品として使用することができる。
【0045】
図2〜図5を参照して、本発明の好ましい実施形態による一体型水冷式空気冷却用インタークーラー10を製造する方法を詳細に説明する。中央コアユニット20の第1の側部21、第2の側部22、第3の側部23、第4の側部24、第5の側部25及び第6の側部26に対応するアルミニウム板を準備する。複数の空気通路管90が第1の側部21及び第2の側部22の表面に一体に接続される、それによって、この管90が、これらの表面に対してシールされ、且つ、第1の側部21及び第2の側部22の反対側の表面に連通する。冷却水入口70及び2つの冷却水出口80、85が、溶接接続によって第5の側部25の表面に一体に接続される、このとき、冷却水入口70及び2つの冷却水出口80、85が、第5の側部25の反対側の表面に連通する。次いで、中央コアユニット20の第1の側部21、第2の側部22、第3の側部23、第4の側部24、第5の側部25及び第6の側部26が、溶接接続によって一体に接続され、その中に密封された内側部分27を画定する箱構造体を形成する。空気通路管90は、中央コアユニット20の密封された内側部分27内に含まれ、第1の側部21及び第2の側部22において中央コアユニット20の外側に連通する。冷却水入口70及び冷却水出口80、85は、中央コアユニット20の外面上に配置されている。
【0046】
次に、アルミニウムから構成される第1のマニホールド30が、溶接接続によって中央コアユニット20の第1の側部21に一体に接続される、このとき、第1のマニホールド30の内側部分が、中央コアユニット20に対して密封されると共に、中央コアユニット20の内側部分27の複数の空気通路管90に連通する。次いで、アルミニウムから構成される第2のマニホールド40が、溶接接続によって中央コアユニット20の第2の側部22に一体に接続される、このとき、第2のマニホールド40の内側部分が、中央コアユニット20に対して密封されると共に、中央コアユニット20の内側部分27の複数の空気通路管90に連通する。
【0047】
アルミニウムから構成される空気入口導管51、56が、溶接接続によって第1のマニホールド30に一体に接続される、このとき、空気入口導管51、56が、第1のマニホールド30に対して密封されると共に、第1のマニホールド30の内側部分に連通する。次いで、アルミニウムから構成される入口取付具52、57が、溶接接続によって空気入口導管51、56にそれぞれ一体に接続され、この接続は、インタークーラー10を往復式空気圧縮機Cに接続するためにおこなわれる。アルミニウムから構成される空気出口導管61が、溶接接続によって第2のマニホールド40に一体に接続される、このとき、空気出口導管61が、第2のマニホールド40に対して密封されると共に、第2のマニホールド40の内側部分に連通する。次に、アルミニウムから構成される出口取付具62が、溶接接続によって空気出口導管61に一体に接続され、この接続は、インタークーラー10を往復式空気圧縮機に接続するためにおこなわれる。
【0048】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、本開示による教示全体を鑑みて、これらの詳細に対するさまざまな変更形態及び代替形態を展開させることができることを当業者は理解するであろう。本明細書中で記載される目下好ましい実施形態は、例示に過ぎないものであることが意図され、添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる均等物からなる全範囲(breadth)を与えられるべきである本発明の範囲について限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復式空気圧縮機に用いられる水冷式空気冷却用インタークーラーであって、
対向する第1の側部及び第2の側部、対向する第3の側部及び第4の側部、並びに、対向する第5の側部及び第6の側部を有する中央コアユニットであって、前記側部は一体に接続されて該中央コアユニット内に内側部分を画定し、該中央コアユニットは前記内側部分に複数の空気通路管を含み、該中央コアユニットには少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口が設けられる、中央コアユニットと、
前記中央コアユニットの前記第1の側部に設けられる第1のマニホールドであって、該第1のマニホールドには少なくとも1つの空気入口が設けられ、該第1のマニホールドが前記複数の空気通路管に連通し前記少なくとも1つの空気入口から空気を受け入れてこの空気を前記複数の空気通路管へ誘導する、第1のマニホールドと、
前記中央コアユニットの前記第2の側部に設けられる第2のマニホールドであって、該第2のマニホールドには少なくとも1つの空気出口が設けられ、該第2のマニホールドが前記複数の空気通路管に連通し前記複数のフィン付きの空気通路管から空気を受け入れてこの空気を前記少なくとも1つの空気出口へ誘導する、第2のマニホールドと
を備え、
前記中央コアユニット、前記第1のマニホールド及び前記第2のマニホールドは、溶接によって一体に接続されて単一の部品を形成する、水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項2】
前記少なくとも1つの冷却水入口は、溶接によって前記中央コアユニットの前記第1の側部に近接して前記中央コアユニットに一体に接続され、前記中央コアユニットの前記内側部分に連通し、
前記少なくとも1つの冷却水出口は、溶接によって前記中央コアユニットの前記第2の側部に近接して前記中央コアユニットに一体に接続され、前記中央コアユニットの前記内側部分に連通する、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項3】
前記中央コアユニットの前記内側部分は、前記少なくとも1つの冷却水入口を介して供給部から冷却水を受け入れると共に、前記少なくとも1つの冷却水出口を介して前記供給部へ前記冷却水を戻すようになっており、
前記冷却水は、前記中央コアユニットの前記内側部分を通って流れ前記複数の空気通路管の上を通過するようになっている、請求項2に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項4】
空気は、前記中央コアユニットの前記内側部分の前記複数の空気通路管を介して前記第1のマニホールドから前記第2のマニホールドまで通過することによって、前記中央コアユニットの前記内側部分を通って流れると共に前記複数の空気通路管の上を通過する水によって冷却される、請求項3に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項5】
前記冷却水の供給部はエンジンの冷却水の供給部である、請求項3に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項6】
前記中央コアユニット、前記第1のマニホールド及び前記第2のマニホールドはアルミニウムから構成される、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項7】
前記少なくとも1つの空気入口は、第1の圧縮段からの圧縮空気を受け入れるようになっている、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項8】
前記少なくとも1つの空気入口は、
溶接によって前記第1のマニホールドに一体に接続される入口導管であって、前記第1のマニホールドの内側部分に連通する入口導管と、
溶接によって前記入口導管に一体に接続される入口取付プレートと
を備える、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項9】
前記入口導管及び前記入口取付プレートはアルミニウムから構成される、請求項8に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項10】
前記少なくとも1つの空気入口は2つの空気入口から構成される、請求項8に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項11】
前記第1のマニホールドは、前記第1の側部に沿って前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部を越えて延びることにより、前記中央コアユニットの幅よりも広い幅を有し、それによって、前記中央コアユニットの方に向いた前記第1のマニホールドの表面が、前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部のそれぞれに隣接する露出した部分を有し、
前記入口導管が、前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部のそれぞれに隣接する、前記第1のマニホールドの前記表面の露出した部分に、それぞれ一体に接続され、それにより、前記空気入口が前記第1のマニホールドの前記表面に設けられる、請求項10に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項12】
前記少なくとも1つの空気出口は、圧縮空気を第2の圧縮段へ誘導するようになっている、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項13】
前記少なくとも1つの空気出口は、
溶接によって前記第2のマニホールドに一体に接続される出口導管であって、前記第2のマニホールドの内側部分に連通する出口導管と、
溶接によって前記出口導管に一体に接続される出口取付プレートと
を備える、請求項1に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項14】
前記出口導管及び前記出口取付プレートはアルミニウムから構成される、請求項13に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項15】
前記第2のマニホールドは隆起している中央部分を有し、前記出口導管は、前記第2のマニホールドの前記隆起している中央部分に一体に接続される、請求項13に記載の水冷式空気冷却用インタークーラー。
【請求項16】
複数の圧縮段を有する往復式空気圧縮機において、
第1の圧縮段にある少なくとも1つの低圧圧縮シリンダと、
第2の圧縮段にある少なくとも1つの高圧圧縮シリンダと、
前記少なくとも1つの低圧圧縮シリンダ及び前記少なくとも1つの高圧圧縮シリンダに連通する水冷式空気冷却用インタークーラーとを備え、
前記水冷式空気冷却用インタークーラーは、
対向する第1の側部及び第2の側部、対向する第3の側部及び第4の側部、並びに、対向する第5の側部及び第6の側部を有する中央コアユニットであって、前記側部は一体に接続されて該中央コアユニット内に内側部分を画定し、該中央コアユニットは前記内側部分に複数の空気通路管を含み、該中央コアユニットには少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口が設けられる、中央コアユニットと、
前記中央コアユニットの前記第1の側部に設けられる第1のマニホールドであって、該第1のマニホールドには少なくとも1つの空気入口が設けられ、該第1のマニホールドが前記複数の空気通路管に連通し前記少なくとも1つの空気入口から空気を受け入れてこの空気を前記複数の空気通路管へ誘導する、第1のマニホールドと、
前記中央コアユニットの前記第2の側部に設けられる第2のマニホールドであって、該第2のマニホールドには少なくとも1つの空気出口が設けられ、該第2のマニホールドが前記複数の空気通路管に連通し前記複数のフィン付きの空気通路管から空気を受け入れてこの空気を前記少なくとも1つの空気出口へ誘導する、第2のマニホールドと
を備え、
前記少なくとも1つの低圧圧縮シリンダからの空気は、前記少なくとも1つの空気入口を介して前記インタークーラーに入り、前記中央コアユニット内の前記複数の空気通路管内で冷却され、次いで前記少なくとも1つの空気出口を介して前記少なくとも1つの高圧圧縮シリンダに入り、
前記中央コアユニット、前記第1のマニホールド及び前記第2のマニホールドは、溶接によって一体に接続されて単一の部品を形成する、往復式空気圧縮機。
【請求項17】
前記少なくとも1つの冷却水入口は、溶接によって前記中央コアユニットの前記第1の側部に近接して前記中央コアユニットに一体に接続され、前記中央コアユニットの前記内側部分に連通し、
前記少なくとも1つの冷却水出口は、溶接によって前記中央コアユニットの前記第2の側部に近接して前記中央コアユニットに一体に接続され、前記中央コアユニットの前記内側部分に連通する、請求項16に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項18】
前記中央コアユニットの前記内側部分は、前記少なくとも1つの冷却水入口を介して供給部から冷却水を受け入れると共に、前記少なくとも1つの冷却水出口を介して前記供給部へ前記冷却水を戻すようになっており、
前記冷却水は、前記中央コアユニットの前記内側部分を通って流れ前記複数の空気通路管の上を通過するようになっている、請求項17に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項19】
空気は、前記中央コアユニットの前記内側部分の前記複数の空気通路管を介して前記第1のマニホールドから前記第2のマニホールドまで通過することによって、前記中央コアユニットの前記内側部分を通って流れると共に前記複数の空気通路管の上を通過する水によって冷却される、請求項18に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項20】
前記冷却水の供給部はエンジンの冷却水の供給部である、請求項18に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項21】
前記中央コアユニット、前記第1のマニホールド及び前記第2のマニホールドはアルミニウムから構成される、請求項16に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項22】
前記少なくとも1つの空気入口は、
溶接によって前記第1のマニホールドに一体に接続される入口導管であって、前記第1のマニホールドの内側部分に連通する入口導管と、
溶接によって前記入口導管に一体に接続される入口取付プレートと
を備える、請求項16に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項23】
前記入口導管及び前記入口取付プレートはアルミニウムから構成される、請求項22に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項24】
前記少なくとも1つの低圧圧縮シリンダは2つの低圧圧縮シリンダから構成され、前記少なくとも1つの空気入口は2つの空気入口から構成される、請求項22に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項25】
前記第1のマニホールドは、前記第1の側部に沿って前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部を越えて延びることにより、前記中央コアユニットの幅よりも広い幅を有し、それによって、前記中央コアユニットの方に向いた前記第1のマニホールドの表面が、前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部のそれぞれに隣接する露出した部分を有し、
前記入口導管が、前記中央コアユニットの前記第3の側部及び前記第4の側部のそれぞれに隣接する、前記第1のマニホールドの前記表面の露出した部分に、それぞれ一体に接続され、それにより、前記空気入口が前記第1のマニホールドの前記表面に設けられる、請求項24に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項26】
前記少なくとも1つの空気出口は、
溶接によって前記第2のマニホールドに一体に接続される出口導管であって、前記第2のマニホールドの内側部分に連通する出口導管と、
溶接によって前記出口導管に一体に接続される出口取付プレートと
を備える、請求項16に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項27】
前記出口導管及び前記出口取付プレートはアルミニウムから構成される、請求項26に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項28】
前記第2のマニホールドは隆起している中央部分を有し、前記出口導管は、前記第2のマニホールドの前記隆起している中央部分に一体に接続される、請求項26に記載の往復式空気圧縮機。
【請求項29】
一体型水冷式空気冷却用インタークーラーを製造する方法であって、
中央コアユニットの第1の側部、第2の側部、第3の側部、第4の側部、第5の側部及び第6の側部に対応するアルミニウム板を提供するステップと、
複数の空気通路管を前記第1の側部及び前記第2の側部の表面に一体に接続して、前記空気通路管が、前記第1の側部及び前記第2の側部の前記表面に対して密封されるようにし、且つ前記第1の側部及び前記第2の側部の反対側の表面に連通するようにするステップと、
少なくとも1つの冷却水入口及び少なくとも1つの冷却水出口を設けるステップと、
前記少なくとも1つの冷却水入口及び前記少なくとも1つの冷却水出口を、溶接接続によって前記第5の側部の表面に一体に接続して、前記少なくとも1つの冷却水入口及び前記少なくとも1つの冷却水出口が前記第5の側部の反対側の表面に連通するようにするステップと、
前記第1の側部、前記第2の側部、前記第3の側部、前記第4の側部、前記第5の側部及び前記第6の側部を溶接接続によって一体に接続し、中に密封された内側部分を画定する箱構造を有する中央コアユニットを形成するステップと
を備え、
前記空気通路管は、前記中央コアユニットの前記密封された内側部分に含まれ、前記第1の側部及び前記第2の側部で前記中央コアユニットの外側部分に連通し、前記少なくとも1つの冷却水入口及び前記少なくとも1つの冷却水出口は、前記中央コアユニットの前記外側部分に設けられており、
さらに、アルミニウムの第1のマニホールドを提供するステップと、
前記第1のマニホールドを、溶接接続によって前記中央コアユニットの前記第1の側部に一体に接続して、前記第1のマニホールドの内側部分が、前記中央コアユニットに対して密封されるようにし、且つ前記複数の空気通路管に連通するようにするステップと、
アルミニウムの第2のマニホールドを提供するステップと、
前記第2のマニホールドを、溶接接続によって前記中央コアユニットの前記第2の側部に一体に接続して、前記第2のマニホールドの内側部分が、前記中央コアユニットに対して密封されるようにし、且つ前記複数の空気通路管に連通するようにするステップと、
アルミニウムの少なくとも1つの空気入口導管、及び、アルミニウムの少なくとも1つの入口取付具であって、前記インタークーラーを往復式空気圧縮機に接続するようになっている入口取付具を提供するステップと、
前記少なくとも1つの空気入口導管を、溶接接続によって前記第1のマニホールドに一体に接続して、前記少なくとも1つの空気入口導管が、前記第1のマニホールドに対して密封されるようにし、且つ前記第1のマニホールドの前記内側部分に連通するようにするステップと、
前記少なくとも1つの入口取付具を、溶接接続によって前記少なくとも1つの空気入口導管に一体に接続するステップと、
アルミニウムの少なくとも1つの空気出口導管、及び、アルミニウムの少なくとも1つの出口取付具であって、前記インタークーラーを前記往復式空気圧縮機に接続するようになっている出口取付具を提供するステップと、
前記少なくとも1つの空気出口導管を、溶接接続によって前記第2のマニホールドに一体に接続して、前記少なくとも1つの空気出口導管が、前記第2のマニホールドに対して密封されるようにし、且つ前記第2のマニホールドの前記内側部分に連通するようにするステップと、
前記少なくとも1つの出口取付具を、溶接接続によって前記少なくとも1つの空気出口導管に一体に接続するステップと
を備える一体型水冷式空気冷却用インタークーラーを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−14111(P2010−14111A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−134140(P2009−134140)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(506190681)ワブテク・ホールディング・コーポレイション (13)
【氏名又は名称原語表記】WABTEC HOLDING CORP.
【住所又は居所原語表記】1001 Air Brake Avenue, Wilmerding, PA 15148, U.S.A.
【Fターム(参考)】