説明

後写鏡

【課題】ミラーの方向を調整するときに生じる異音を低減可能な後写鏡を提供する。
【解決手段】車両に取り付けられるベース20は、支持部22を有している。ハウジング30は、支持部22との間の最大摩擦力より大きな外力が加わると相対的に回転または揺動可能なよう支持部22に支持される被支持部32を有している。ミラーは、ハウジング30に設けられる。締結部材50は、支持部22と被支持部32とを締め付けている。支持部22は、被支持部32側へ球面状に突出する第1球状凸面221を有している。被支持部32は、支持部22とは反対側へ球面状に凹む第1球状凹面341を有している。被支持部32のサポートキャップ34の第1球状凹面341には、円形の段差342が複数形成されている。第1球状凹面341は、各段差342の環状の角部344が、支持部22の第1球状凸面221に接触することにより線接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後方を確認するのに用いられる後写鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に取り付けられるベースによって、ミラーを収容するハウジングを回動可能に支持する後写鏡が知られている。特許文献1に開示された後写鏡では、ベースの支持部に半球状の凸面を形成し、当該凸面の形状に対応する半球状の凹面をハウジングの被支持部に形成し、締結部材によって前記凸面と前記凹面とを互いに締め付けることによりハウジングを支持している。この構成では、前記凸面と前記凹面との間の最大摩擦力より大きな力をハウジングに加えることで、ハウジングを、被支持部を中心として、締結部材の軸周りに回転させること、および、軸が傾くように揺動させることができ、ミラーの方向を自由に調整可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−6718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の後写鏡では、前記凸面と前記凹面とは互いに面接触し、両者には締結部材の締め付け力による所定の圧力が作用している。よって、ミラーの方向を調整するためにハウジングをベースに対し相対的に回転させ、または、動かしたとき、すなわち、前記凸面と前記凹面とが摩擦するとき、両者が固着と滑りを繰り返すこと(所謂スティックスリップ現象)により異音が生じるおそれがある。例えば前記凸面を形成する支持部と前記凹面を形成する被支持部とがいずれも樹脂材料で形成されている場合、比較的周波数の高い大きな異音が発生することがある。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ミラーの方向を調整するときに生じる異音を低減可能な後写鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両の後方を確認するのに用いられる後写鏡であって、ベースとハウジングとミラーと締結部材とを備えている。車両に取り付けられるベースは、支持部を有している。ハウジングは、ベースの支持部との間の最大摩擦力より大きな外力が加わると相対的に回転または揺動可能なよう支持部に支持される被支持部を有している。ミラーは、ハウジングに設けられる。締結部材は、ベースの支持部とハウジングの被支持部とを締め付けている。
【0007】
そして、本発明では、支持部または被支持部の一方は、他方側へ球面状に突出する第1球状凸面を有している。支持部または被支持部の他方は、一方とは反対側へ球面状に凹む第1球状凹面を有している。この構成では、支持部と被支持部との間の最大摩擦力より大きな力をハウジングに加えることで、ハウジングを、被支持部を中心として、例えば締結部材の軸周りに回転させることができ、ミラーの方向を調整可能である。また、第1球状凸面または第1球状凹面の一方は、他方側へ突出する凸部を単数または複数有することにより、他方と線接触または点接触している。つまり、第1球状凸面と第1球状凹面とは、線接触または点接触しているため、面接触する場合と比べ、接触面積が小さい。そのため、ミラーの方向を調整するとき、第1球状凸面と第1球状凹面とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0008】
また、本発明では、第1球状凸面と第1球状凹面とが線接触または点接触する構成のため、第1球状凸面と第1球状凹面との間には隙間が形成される。よって、第1球状凸面と第1球状凹面とが摩擦することにより摩擦粉が生じたとしても、当該摩擦粉は前記隙間に収容される。そのため、支持部と被支持部との円滑な摺動を長期に亘って維持することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、ベースの支持部およびハウジングの被支持部は、樹脂により形成されている。そのため、支持部および被支持部を例えば金属で形成する場合と比べ、後写鏡の重量および部材コストを低減することができる。
【0010】
なお、支持部および被支持部がいずれも樹脂材料で形成されている場合、第1球状凸面と第1球状凹面とが摩擦するとき、比較的周波数の高い大きな異音が生じることが懸念される。しかしながら、本発明では、第1球状凸面と第1球状凹面とが線接触または点接触するよう形成されているため、第1球状凸面と第1球状凹面との摩擦時の異音が低減されている。よって、本発明のように支持部および被支持部を樹脂で形成しても、前記異音の発生を抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、ベースの支持部またはハウジングの被支持部は、第1球状凸面とは反対側に、第1球状凸面の形状に対応するよう球面状に凹む第2球状凹面を有している。本発明では、締結部材は、ボルト、ボールワッシャー、ナットおよびスプリングからなる。ボルトは、ベースの支持部の中央に形成された穴およびハウジングの被支持部の中央に形成された穴に挿通される軸部、ならびに、当該軸部の一端に形成される頭部を有している。ボールワッシャーは、中央に形成された穴にボルトの軸部が挿通されることでボルトの頭部との間に支持部および被支持部を挟み込むようにして設けられ、支持部または被支持部に形成された第2球状凹面と面接触可能な第2球状凸面を有している。ナットは、ボルトの軸部の他端に螺合するよう設けられている。スプリングは、ボールワッシャーとナットとの間に設けられ、ボールワッシャーの第2球状凸面が支持部または被支持部の第2球状凹面に押し付けられるようボールワッシャーを付勢している。締結部材は、ボルトの頭部とナット、スプリングおよびボールワッシャーとにより、支持部と被支持部とを締め付けている。
【0012】
この構成では、支持部または被支持部の第2球状凹面とボールワッシャーの第2球状凸面とは摺動可能である。また、支持部と被支持部との間の最大摩擦力より大きな力をハウジングに加えることで、ハウジングを、被支持部を中心として、締結部材(ボルトの軸部)の軸周りに回転させること、および、軸が傾くように揺動させることができ、ミラーの方向を自由に調整可能である。本発明では、第1球状凸面と第1球状凹面とが線接触または点接触するよう構成されているため、ミラーの方向を調整するときの第1球状凸面と第1球状凹面とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、支持部または被支持部の第2球状凹面とボールワッシャーの第2球状凸面とは、互いに面接触するとともに摺動可能である。よって、第2球状凹面と第2球状凸面とが摺動および摩擦するとき、異音が生じることが懸念される。そこで、請求項4に記載の発明では、ボールワッシャーは、金属により形成されている。これにより、第2球状凹面と第2球状凸面とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0014】
請求項5〜9に記載の発明は、第1球状凸面または第1球状凹面に形成される凸部の形状をより具体的に例示するものである。すなわち、第1球状凸面と第1球状凹面とがどのように線接触または点接触するのかを具体的に示すものである。
請求項5に記載の発明では、凸部は、第1球状凸面または第1球状凹面の中心を中心とする円形の段差の角部であり、第1球状凸面または第1球状凹面の一方に単数または複数形成されている。
【0015】
請求項6に記載の発明では、凸部は、第1球状凸面または第1球状凹面の中心を中心とする渦巻き状の段差の角部であり、第1球状凸面または第1球状凹面の一方に単数または複数形成されている。
請求項7に記載の発明では、凸部は、第1球状凸面または第1球状凹面の中心から外縁部に向かって延びるよう形成された突起であり、第1球状凸面または第1球状凹面の一方に複数形成されている。
【0016】
請求項8に記載の発明では、凸部は、第1球状凸面または第1球状凹面の一方から他方側へ向かって球面状に突出するよう形成された突起であり、第1球状凸面または第1球状凹面の一方に複数形成されている。
請求項9に記載の発明では、凸部は、第1球状凸面または第1球状凹面の一方を粗面加工することにより形成された微細な突起であり、第1球状凸面または第1球状凹面の一方に複数形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態による後写鏡の一部を示す図であって図2のI−I線断面図、(B)は第1球状凸面と第1球状凹面との接触部を示す拡大断面図。
【図2】本発明の第1実施形態による後写鏡を示す全体図。
【図3】本発明の第1実施形態による後写鏡を示す分解斜視図。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態による後写鏡のハウジングおよび締結部材を示す斜視図、(B)は(A)のB部分を示す正面図、(C)は(B)のC−C線断面図。
【図5】本発明の第1実施形態による後写鏡のサポートキャップを示す図であって、(A)は上面図、(B)は下面図、(C)は(A)のC−C線断面図。
【図6】本発明の第2実施形態による後写鏡のサポートキャップを示す図であって、(A)は下面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【図7】本発明の第3実施形態による後写鏡のサポートキャップを示す図であって、(A)は下面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【図8】本発明の第4実施形態による後写鏡のサポートキャップを示す図であって、(A)は下面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【図9】本発明の第5実施形態による後写鏡のサポートキャップを示す図であって、(A)は下面図、(B)は(A)のB−B線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による後写鏡およびその一部を図1〜5に示す。
【0019】
図2は、本実施形態の後写鏡1の全体を示す図である。後写鏡1は、車両の側面(例えば車両のドア)に取り付けられ、車両の搭乗者が後方を確認するためのサイドミラーとして用いられる。なお、図2に示す後写鏡1は車両の右側面に取り付けられ、図2の後写鏡1と左右対称のものが車両の左側面に取り付けられる。図3は、後写鏡1の分解斜視図である。
【0020】
図1(A)および図2に示すように、後写鏡1は、ベース20、ハウジング30、ミラー40および締結部材50等を備えている。
ベース20は、本体21および支持部22等を有している。本体21および支持部22は、強化樹脂により、一体に形成されている。本体21には、取付部23が設けられている。取付部23は、軟質材などにより形成され、複数の取付穴231を有している。当該取付穴231にボルト等の部材が通されることにより、ベース20、すなわち後写鏡1が車両に取り付けられる。
【0021】
支持部22は、図1(A)および図3に示すように、球面状に突出する第1球状凸面221を有している。また、支持部22は、図1(A)に示すように、第1球状凸面221とは反対側に、第1球状凸面221の形状に対応するよう球面状に凹む第2球状凹面222を有している。さらに、支持部22は、第1球状凸面221および第2球状凹面222の中央を貫く穴223を有している。
【0022】
ハウジング30は、本体31および被支持部32を有している。また、被支持部32は、収容部33およびサポートキャップ34を有している。本体31および収容部33は、耐候性が比較的高い樹脂により、一体に形成されている。一方、サポートキャップ34は、耐摩耗性に優れた樹脂により収容部33とは別体に形成され、収容部33に形成された収容凹部331に嵌め込まれるようにして収容されている。
【0023】
サポートキャップ34は、図1(A)および図5に示すように、球面状に凹む第1球状凹面341を有している。当該第1球状凹面341には、図5(B)および(C)に示すように、第1球状凹面341の中心を中心とする円形の段差342が複数形成されている。なお、当該複数の段差342は、本実施形態では、第1球状凹面341の中心から遠いものほど段差面の幅が狭くなるよう形成されている。また、複数の段差342は、第1球状凹面341の中心から遠いものほど高さが高くなるよう形成されている。すなわち、図5(C)に示すように、w1>w2、h1<h2である。
【0024】
また、サポートキャップ34は、第1球状凹面341の中央を貫く矩形状の穴343を有している(図5(A)および(B)参照)。また、収容部33には、穴343に対応する位置に、穴343と略同形状の穴332が形成されている。
【0025】
ベース20の支持部22は、ハウジング30の被支持部32を支持している。ここで、サポートキャップ34は、第1球状凹面341が支持部22の第1球状凸面221に対向するよう設けられている。上述のように、第1球状凹面341には、円形の段差342が複数形成されている。そのため、図1(A)に示すように、第1球状凹面341は、各段差342の環状の角部344が第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面341と第1球状凸面221とは、線接触している。ここで、角部344は、第1球状凹面341から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されており、特許請求の範囲における「凸部」に対応している。
【0026】
図1(B)に示す断面図において、各段差342の角部344の先端を結ぶ仮想曲線C1は、第1球状凸面221の形状に沿う仮想曲線C2に略一致する。すなわち、仮想曲線C1の曲率と仮想曲線C2の曲率とは略同じである。また、各段差342の角部344の先端と仮想曲線C1との交点をそれぞれP1、P2、P3とすると、仮想曲線C1のうちP1からP2までの長さと、P2からP3までの長さとは略同じである。
【0027】
ミラー40は、ハウジング30に設けられる鏡である。より具体的には、図2および3に示すように、ミラー40は、ハウジング30の枠体35と本体31との間に挟み込まれるよう、かつ、鏡面が露出するよう設けられている。
【0028】
締結部材50は、図1(A)および図3に示すように、ボルト51、ボールワッシャー52、ナット53およびスプリング54からなる。
ボルト51は、金属により形成され、軸部511および頭部512を有している。軸部511は、四角柱状に形成され、被支持部32の収容部33の穴332、サポートキャップ34の穴343および支持部22の穴223に挿通されている。上述のように、穴332および穴343は矩形状に形成されているため、軸部511は、収容部33およびサポートキャップ34に対して相対回転不能である。なお、支持部22の穴223は、軸部511の太さよりも大きく形成されている。そのため、穴223を形成する支持部22の内壁と軸部511の外壁との間には、所定の隙間が形成されている。よって、軸部511は、支持部22に対しては相対回転可能、かつ、穴223の内側において自身の軸を傾けるような動き(揺動)が可能である。
【0029】
頭部512は、軸部511の一端に形成されている。頭部512は、図4(A)および(C)に示すように、円板の両側を削ったような略小判状に形成されている。頭部512は、収容部33の収容凹部331とは反対側に形成された2つの係止レール333の間に位置している。係止レール333は、直線状に形成され、頭部512の両側の平面状の側壁に対向および当接している。これにより、頭部512は、2つの係止レール333の間において、収容部33に対して相対回転不能である。また、2つの係止レール333の収容凹部331とは反対側の端部には、互いの方向に突出するとともに係止レール333の長さ方向に延びる係止部334が形成されている。これにより、ボルト51は、頭部512が係止部334に当接して係止されることによって、収容部33からの抜けが防止されている。
【0030】
ボールワッシャー52は、金属により形成されている。図1(A)に示すように、ボールワッシャー52は、有底筒状に形成され、底部の中央に、ボルト51の軸部511の形状に対応する穴521を有している。ボールワッシャー52は、穴521に軸部511が挿通されることで、ボルト51の頭部512との間に支持部22、被支持部32のサポートキャップ34および収容部33を挟み込むようにして設けられている。なお、ボールワッシャー52は、穴521に軸部511が挿通された状態において、軸部511に対して相対回転不能である。また、ボールワッシャー52は、底部から軸方向に球面状に突出することにより、支持部22の第2球状凹面222に面接触可能な第2球状凸面522を有している。
【0031】
ナット53は、ボルト51の軸部511の頭部512とは反対側の端部に形成されたねじ溝に螺合するよう設けられている。
スプリング54は、所謂コイルスプリングであり、ボールワッシャー52の底部とナット53との間に設けられている。スプリング54は、軸方向に伸びる力を有している。これにより、スプリング54は、第2球状凸面522が支持部22の第2球状凹面222に押し付けられるよう、ボールワッシャー52を付勢している。
上記構成により、締結部材50は、ボルト51の頭部512とナット53、スプリング54およびボールワッシャー52とにより、所定の力で支持部22と被支持部32とを締め付けている。これにより、ベース20とハウジング30とが連結されている。
【0032】
次に、後写鏡1の組み立て手順の一例について、図1(A)、図3および図4に基づき説明する。
まず、サポートキャップ34を、ハウジング30の被支持部32に形成された収容凹部331に嵌め込む。
続いて、ボルト51の軸部511を収容凹部331の穴332およびサポートキャップ34の穴343に挿通させる。このとき、ボルト51の頭部512は、2つの係止レール333の係止部334を押し広げるようにして、収容凹部331側へ移動する。係止部334は、頭部512の移動に伴い、押し広げられた後、再び元の状態に戻る。すなわち、係止レール333とボルト51の頭部512とは、スナップフィット様の構成を呈している(図4参照)。
【0033】
続いて、ボルト51の軸部511をベース20の支持部22に形成された穴223に挿通させ、サポートキャップ34と支持部22とを当接させる。このとき、サポートキャップ34の第1球状凹面341に形成された複数の段差342の角部344が、支持部22の第1球状凸面221に接触する。
続いて、穴521にボルト51の軸部511が挿通されるようボールワッシャー52を設ける。このとき、ボールワッシャー52の第2球状凸面522と支持部22の第2球状凹面222とが接触する。
【0034】
続いて、スプリング54の内側に軸部511を通すようにして、スプリング54を、ボールワッシャー52の頭部512とは反対側に設ける。
続いて、ナット53を、軸部511の頭部512とは反対側の端部に形成されたねじ溝に螺合させる。このとき、ナット53は、螺合することで、軸部511のうち、ねじ溝が形成された部分の最も頭部512寄りの箇所に位置する。これにより、スプリング54は、軸方向に圧縮されて所定の長さとなり、ボールワッシャー52を所定の付勢力によって支持部22の第2球状凹面222に押し付けた状態となる。
最後に、取付部23をベース20の本体21の所定の箇所に取り付ける。
以上の組み立て手順を経ることにより、後写鏡1が完成する。
【0035】
次に、後写鏡1の作動について、図1(A)に基づき説明する。
後写鏡1が車両に取り付けられた状態において、支持部22の第1球状凸面221とサポートキャップ34の第1球状凹面341との間の最大摩擦力より大きな力を搭乗者が手でハウジング30に加えると、ハウジング30は、被支持部32を中心として、ボルト51の軸部511の軸周りに回転する、あるいは、軸が傾くように揺動する。これにより、ミラー40の鏡面の方向を自由に調整することができる。なお、このとき、支持部22の第1球状凸面221とサポートキャップ34の第1球状凹面341とは、線接触しつつ摺動する。また、支持部22の第2球状凹面222とボールワッシャー52の第2球状凸面522とは、面接触しつつ摺動する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、ベース20の支持部22は、ハウジング30の被支持部32側へ球面状に突出する第1球状凸面221を有している。一方、ハウジング30の被支持部32のサポートキャップ34は、支持部22とは反対側へ球面状に凹む第1球状凹面341を有している。
【0037】
また、ベース20の支持部22は、第1球状凸面221とは反対側に、第1球状凸面221の形状に対応するよう球面状に凹む第2球状凹面222を有している。本実施形態では、締結部材50は、ボルト51、ボールワッシャー52、ナット53およびスプリング54からなる。ボルト51は、ベース20の支持部22の中央に形成された穴223およびハウジング30の被支持部32の中央に形成された穴(収容部33の穴332およびサポートキャップ34の穴343)に挿通される軸部511、ならびに、当該軸部511の一端に形成される頭部512を有している。ボールワッシャー52は、中央に形成された穴521にボルト51の軸部511が挿通されることでボルト51の頭部512との間に支持部22および被支持部32を挟み込むようにして設けられ、支持部22に形成された第2球状凹面222と面接触可能な第2球状凸面522を有している。ナット53は、ボルト51の軸部511の他端に螺合するよう設けられている。スプリング54は、ボールワッシャー52とナット53との間に設けられ、ボールワッシャー52の第2球状凸面522が支持部22の第2球状凹面222に押し付けられるようボールワッシャー52を付勢している。締結部材50は、ボルト51の頭部512とボールワッシャー52とにより支持部22と被支持部32とを締め付けている。
【0038】
この構成では、支持部22の第2球状凹面222とボールワッシャー52の第2球状凸面522とは摺動可能である。また、支持部22(第1球状凸面221)と被支持部32(サポートキャップ34の第1球状凹面341)との間の最大摩擦力より大きな力をハウジング30に加えることで、ハウジング30を、被支持部32を中心として、締結部材50(ボルト51の軸部511)の軸周りに回転させること、および、軸が傾くように揺動させることができ、ミラー40の鏡面の方向を自由に調整可能である。
【0039】
また、本実施形態では、被支持部32のサポートキャップ34の第1球状凹面341には、第1球状凹面341の中心を中心とする円形の段差342が複数形成されている。第1球状凹面341は、各段差342の環状の角部344が、支持部22の第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面341と第1球状凸面221とは、線接触している。ここで、角部344は、第1球状凹面341から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されている。
【0040】
このように、被支持部32のサポートキャップ34の第1球状凹面341は、第1球状凸面221側へ突出する角部344を複数有することにより、第1球状凸面221と線接触している。つまり、第1球状凸面221と第1球状凹面341とは、線接触しているため、面接触する場合と比べ、接触面積が小さい。そのため、ミラー40の鏡面の方向を調整するとき、第1球状凸面221と第1球状凹面341とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1球状凸面221と第1球状凹面341とは線接触する構成のため、第1球状凸面221と第1球状凹面341との間には隙間が形成される。よって、第1球状凸面221と第1球状凹面341とが摩擦することにより摩擦粉が生じたとしても、当該摩擦粉は前記隙間に収容される。そのため、支持部22と被支持部32との円滑な摺動を長期に亘って維持することができる。
【0042】
また、本実施形態では、ベース20の支持部22およびハウジング30の被支持部32のサポートキャップ34は、樹脂により形成されている。そのため、支持部22およびサポートキャップ34を例えば金属で形成する場合と比べ、後写鏡1の重量および部材コストを低減することができる。
【0043】
なお、支持部22および被支持部32(サポートキャップ34)がいずれも樹脂材料で形成されている場合、第1球状凸面221と第1球状凹面341とが摩擦するとき、比較的周波数の高い大きな異音が生じることが懸念される。しかしながら、本実施形態では、第1球状凸面221と第1球状凹面341とが線接触するよう形成されているため、第1球状凸面221と第1球状凹面341との摩擦時の異音が低減されている。よって、本実施形態のように支持部22および被支持部32(サポートキャップ34)を樹脂で形成しても、前記異音の発生を抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、支持部22の第2球状凹面222とボールワッシャー52の第2球状凸面522とは、互いに面接触するとともに摺動可能である。よって、第2球状凹面222と第2球状凸面522とが摺動および摩擦するとき、異音が生じることが懸念される。しかしながら、本実施形態では、ボールワッシャー52は、金属により形成されている。これにより、第2球状凹面222と第2球状凸面522とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0045】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による後写鏡のサポートキャップを図6に示す。第2実施形態では、サポートキャップの第1球状凹面の形状が第1実施形態と異なる。
【0046】
第2実施形態では、サポートキャップ64の第1球状凹面641に、第1球状凹面641の中心を中心とする渦巻き状の段差642が形成されている。図6(A)に示すように、本実施形態では、段差642は、第1球状凹面641に1つ形成されている。また、サポートキャップ64は、第1球状凹面641の中央を貫く矩形状の穴643を有している。当該穴643には、ボルト51の軸部511が挿通される。
【0047】
サポートキャップ64は、後写鏡の部品として組み付けられた状態においては、段差642の渦巻き状の角部644が、支持部22の第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面641と第1球状凸面221とは、線接触している。ここで、角部644は、第1球状凹面641から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されており、特許請求の範囲における「凸部」に対応している。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、被支持部32のサポートキャップ64の第1球状凹面641は、第1球状凸面221側へ突出する角部644を有することにより、第1球状凸面221と線接触している。そのため、第1実施形態と同様、ミラー40の鏡面の方向を調整するとき、第1球状凸面221と第1球状凹面641とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0049】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による後写鏡のサポートキャップを図7に示す。第3実施形態では、サポートキャップの第1球状凹面の形状が第1実施形態と異なる。
【0050】
第3実施形態では、サポートキャップ74の第1球状凹面741に、第1球状凹面741の中心から外縁部に向かって延びるよう複数の突起742が形成されている。図7(A)に示すように、本実施形態では、突起742は、第1球状凹面741の周方向に等間隔で16個形成されている。また、サポートキャップ74は、第1球状凹面741の中央を貫く矩形状の穴743を有している。当該穴743には、ボルト51の軸部511が挿通される。
【0051】
サポートキャップ74は、後写鏡の部品として組み付けられた状態においては、突起742の先端(稜線)が、支持部22の第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面741と第1球状凸面221とは、線接触している。ここで、突起742は、第1球状凹面741から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されており、特許請求の範囲における「凸部」に対応している。
【0052】
以上説明したように、本実施形態では、被支持部32のサポートキャップ74の第1球状凹面741は、第1球状凸面221側へ突出する複数の突起742を有することにより、第1球状凸面221と線接触している。そのため、第1実施形態と同様、ミラー40の鏡面の方向を調整するとき、第1球状凸面221と第1球状凹面741とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0053】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による後写鏡のサポートキャップを図8に示す。第4実施形態では、サポートキャップの第1球状凹面の形状が第1実施形態と異なる。
【0054】
第4実施形態では、サポートキャップ84の第1球状凹面841に、球面状に突出する複数の突起842が形成されている。図8(A)に示すように、本実施形態では、突起842は、第1球状凹面841の中心を中心とする仮想同心円O1、O2およびO3上に形成されている。第1球状凹面841の中心に最も近いO1上には、突起842が等間隔で8個形成されている。O1の外側のO2上には、突起842が等間隔で8個形成されている。O2の外側のO3上には、突起842が等間隔で16個形成されている。すなわち、第1球状凹面841には、合計32個の突起842が形成されている。また、サポートキャップ84は、第1球状凹面841の中央を貫く矩形状の穴843を有している。当該穴843には、ボルト51の軸部511が挿通される。
【0055】
サポートキャップ84は、後写鏡の部品として組み付けられた状態においては、突起842の先端が、支持部22の第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面841と第1球状凸面221とは、点接触している。ここで、突起842は、第1球状凹面841から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されており、特許請求の範囲における「凸部」に対応している。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、被支持部32のサポートキャップ84の第1球状凹面841は、第1球状凸面221側へ突出する複数の突起842を有することにより、第1球状凸面221と点接触している。そのため、ミラー40の鏡面の方向を調整するとき、第1球状凸面221と第1球状凹面841とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0057】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による後写鏡のサポートキャップを図9に示す。第5実施形態では、サポートキャップの第1球状凹面の形状が第1実施形態と異なる。
【0058】
第5実施形態では、サポートキャップ94の第1球状凹面941が粗面加工されている。すなわち、第1球状凹面941には、複数の微細な突起942が形成されている。また、サポートキャップ94は、第1球状凹面941の中央を貫く矩形状の穴943を有している。当該穴943には、ボルト51の軸部511が挿通される。
【0059】
サポートキャップ94は、後写鏡の部品として組み付けられた状態においては、突起942が、支持部22の第1球状凸面221に接触している。すなわち、第1球状凹面941と第1球状凸面221とは、点接触している。ここで、突起942は、第1球状凹面941から第1球状凸面221側へ突出するよう形成されており、特許請求の範囲における「凸部」に対応している。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、被支持部32のサポートキャップ94の第1球状凹面941は、第1球状凸面221側へ突出する複数の突起942を有することにより、第1球状凸面221と点接触している。そのため、ミラー40の鏡面の方向を調整するとき、第1球状凸面221と第1球状凹面941とが摩擦する際に生じる異音を低減することができる。
【0061】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、ベースの支持部に第1球状凸面を形成し、ハウジングの被支持部に第1球状凹面を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ハウジングの被支持部に第1球状凸面を形成し、ベースの支持部に第1球状凹面を形成する構成としてもよい。
【0062】
上述の第1実施形態では、第1球状凹面に複数の円形の段差を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1球状凹面に形成する段差はいくつでもよく、単数の円形の段差を形成することとしてもよい。
上述の第2実施形態では、第1球状凹面に単数の渦巻き状の段差を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1球状凹面に形成する段差はいくつでもよく、複数の渦巻き状の段差を形成することとしてもよい。
【0063】
上述の第3実施形態では、第1球状凹面に16個の突起を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1球状凹面には突起をいくつ形成してもよい。
上述の第4実施形態では、第1球状凹面に32個の球面状の突起を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1球状凹面には球面状の突起をいくつ形成してもよい。
上述の第5実施形態では、第1球状凹面に複数の微細な突起を形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1球状凹面には微細な突起をいくつ形成してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、ボルトの頭部が被支持部に係止されるとともに、ナットとボールワッシャーとの間にスプリングを設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ボルトの挿入方向を逆にし、ナットを被支持部に係止するとともに、ボルトの頭部とボールワッシャーとの間にスプリングを設ける構成としてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ナットとボールワッシャーとの間にスプリングを設けることなく、ナットのみでボールワッシャーを付勢する構成としてもよい。
【0065】
また、本発明の他の実施形態では、スプリングおよびボールワッシャーを設けることなく、ボルトとナットのみで支持部と被支持部とを締め付ける構成としてもよい。この場合、例えば、ナットの、ボルトの頭部側の面を第2球状凹面に対応する形状(第2球状凸面)に形成することが考えられる。
【0066】
また、本発明の他の実施形態では、支持部または被支持部の、第1球状凸面とは反対側は、第2球状凹面を形成することなく、平面状であってもよい。この場合、ハウジングを、被支持部を中心として、締結部材(ボルトの軸部)の軸が傾くように揺動させることはできないものの、軸周りに回転させることは可能である。
【0067】
また、本発明の他の実施形態では、支持部および被支持部の少なくとも一方は、金属により形成されていてもよい。また、ボールワッシャーは、樹脂により形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、サポートキャップと収容部とが一体に形成されることで被支持部を構成することとしてもよい。
【0068】
本発明による後写鏡は、例えば車両内部に取り付けられるルームミラーとして用いることもできる。また、車両以外の乗り物等に取り付けて用いることもできる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 ・・・・・後写鏡
20 ・・・・ベース
22 ・・・・支持部
221 ・・・第1球状凸面
30 ・・・・ハウジング
32 ・・・・被支持部
33 ・・・・収容部(被支持部)
34、64、74、84、94 ・・・・・・・・サポートキャップ(被支持部)
341、641、741、841、941 ・・・第1球状凹面
344、644 ・・・・・・・角部(凸部)
742、842、942 ・・・突起(凸部)
40 ・・・・ミラー
50 ・・・・締結部材
51 ・・・・ボルト(締結部材)
52 ・・・・ボールワッシャー(締結部材)
53 ・・・・ナット(締結部材)
54 ・・・・スプリング(締結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を確認するのに用いられる後写鏡であって、
支持部を有し、前記車両に取り付けられるベースと、
前記支持部との間の最大摩擦力より大きな外力が加わると相対的に回転または揺動可能なよう前記支持部に支持される被支持部を有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられるミラーと、
前記支持部と前記被支持部とを締め付ける締結部材と、を備え、
前記支持部または前記被支持部の一方は、他方側へ球面状に突出する第1球状凸面を有し、
前記支持部または前記被支持部の他方は、一方とは反対側へ球面状に凹む第1球状凹面を有し、
前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方は、他方側へ突出する凸部を単数または複数有することにより、他方と線接触または点接触していることを特徴とする後写鏡。
【請求項2】
前記支持部および前記被支持部は、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の後写鏡。
【請求項3】
前記支持部または前記被支持部は、前記第1球状凸面とは反対側に、前記第1球状凸面の形状に対応するよう球面状に凹む第2球状凹面を有し、
前記締結部材は、
前記支持部の中央に形成された穴および前記被支持部の中央に形成された穴に挿通される軸部、ならびに、当該軸部の一端に形成される頭部を有するボルト、
中央に形成された穴に前記軸部が挿通されることで前記頭部との間に前記支持部および前記被支持部を挟み込むようにして設けられ、前記第2球状凹面と面接触可能な第2球状凸面を有するボールワッシャー、
前記軸部の他端に螺合するよう設けられるナット、および、
前記ボールワッシャーと前記ナットとの間に設けられ、前記第2球状凸面が前記第2球状凹面に押し付けられるよう前記ボールワッシャーを付勢するスプリングからなり、
前記頭部と前記ナット、前記スプリングおよび前記ボールワッシャーとにより、前記支持部と前記被支持部とを締め付けていることを特徴とする請求項1または2に記載の後写鏡。
【請求項4】
前記ボールワッシャーは、金属により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の後写鏡。
【請求項5】
前記凸部は、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の中心を中心とする円形の段差の角部であり、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方に単数または複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の後写鏡。
【請求項6】
前記凸部は、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の中心を中心とする渦巻き状の段差の角部であり、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方に単数または複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の後写鏡。
【請求項7】
前記凸部は、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の中心から外縁部に向かって延びるよう形成された突起であり、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方に複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の後写鏡。
【請求項8】
前記凸部は、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方から他方側へ向かって球面状に突出するよう形成された突起であり、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方に複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の後写鏡。
【請求項9】
前記凸部は、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方を粗面加工することにより形成された微細な突起であり、前記第1球状凸面または前記第1球状凹面の一方に複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の後写鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−166664(P2012−166664A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28598(P2011−28598)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】