説明

後処理方法及び後処理装置

【課題】搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持する。
【解決手段】用紙に折り目を形成する折り部と、折り目が形成された前記用紙を複数枚重ね合わせて用紙束とする重ね合わせ部と、前記用紙束を搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送速度を制御する制御部とを備え、画像形成された用紙を搬送すると共に該用紙に後処理を施す際に、前記用紙束の状態と予め定められた条件とに応じて前記用紙束を搬送する際の前記搬送速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を形成した用紙に対して折り目を形成した状態で搬送する後処理方法及び後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において各種の後処理装置を接続することで、さまざまな製本処理が可能になり、印刷装置として使用することができる。
【0003】
このような印刷装置の後処理装置では、用紙の中央で用紙を中折りにして、更にこの中折り状態の用紙を重ね合わせて用紙束として、その用紙束の折り目部分にステープル処理をして週刊誌のような形状の中綴じ製本が可能である。また、ステープル処理をせずに中折り状態で重ね合わされた状態の用紙束として出力することも可能である。
【0004】
このような後処理装置では、画像形成装置の生産性に合わせて、中折り状態で重ね合わされた状態の用紙束や、中折り綴じされた状態の用紙束を、遅滞なく搬送する必要がある。近年は画像形成装置の生産性が向上しているため、後処理装置内部でも。このような用紙束をできるだけ速く搬送する必要が生じている。
【0005】
しかしながら、搬送する際に受ける風圧で用紙束の重ね合わせ状態が乱れたり、あるいは落下したりといったことが発生しやすくなる。
【0006】
なお、このような用紙束の搬送時の乱れについては、以下の特許文献にも提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−324932号公報
【特許文献2】特開2005−271087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の特許文献1では、用紙束を搬送する際に摩擦部材で用紙束を押さえつけるようにしている。更に、用紙束のサイズ(体積)に応じて摩擦部材の形状や押さえ強さを変更して、用紙束の乱れが生じないようにしている。しかし、この手法によると、押さえ部材、押さえ機構、押さえ圧制御部などが必要になるため、後処理装置のコストが上昇するという新たな問題が発生する。
【0009】
また、用紙の一部を部材で押さえつけることは、出力物の状態を良好に保つためには望ましくない。同様に、搬送速度を低下させることで用紙束の乱れは発生しなくなるものの、画像形成装置の生産性を一定に保つ観点からは望ましくない。
【0010】
一方、以上の特許文献2では、用紙束の断裁時に、用紙束の体積に応じて用紙束を回転させる速度を変更して、用紙束回転時のずれを防止しようとしている。但し、この特許文献2では回転についての内容であり、搬送時の用紙乱れ(ずれや落下)に適用することはできない。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能な後処理方法及び後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
【0013】
(1)第1の発明は、用紙に折り目を形成する折り部と、折り目が形成された前記用紙を複数枚重ね合わせて用紙束とする重ね合わせ部と、前記用紙束を搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送速度を制御する制御部とを備え、画像形成された用紙を搬送すると共に該用紙に後処理を施す際に、前記用紙束の状態と予め定められた条件とに応じて前記用紙束を搬送する際の前記搬送速度を制御することを特徴とする。
【0014】
(2)第2の発明は、上記(1)において、前記用紙束の状態は、前記用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズが含まれることを特徴とする。
【0015】
(3)第3の発明は、上記(2)において、前記用紙束が一体化されている場合には、該用紙束を構成する用紙枚数と斤量と紙サイズにより決定される用紙束重量により前記搬送速度を制御し、前記用紙束が一体化されていない場合には、該用紙束を構成する用紙の斤量と紙サイズにより決定される用紙1枚の重量により前記搬送速度を制御することを特徴とする。
【0016】
(4)第4の発明は、上記(2)〜(3)において、前記用紙束の状態に、前記用紙束を構成する用紙の滑りやすさに関する表面状態が含まれ、該表面状態を加味して前記搬送速度を制御することを特徴とする。
【0017】
また、上記(2)〜(3)において、前記用紙束の状態に、前記用紙束を構成する用紙の滑りやすさに関して湿度若しくは温度の環境条件が含まれ、該環境条件を加味して前記搬送速度を制御することを特徴とする。
【0018】
(5)第5の発明は、上記(1)〜(4)において、前記搬送部は、前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える載置部を備え、前記用紙束を該載置部に載置した状態で搬送することを特徴とする。
【0019】
(6)第6の発明は、上記(5)において、前記搬送部は、前記用紙束を前記載置部に載置した状態であって、該用紙束を上から抑えることなく搬送することを特徴とする。
【0020】
(7)第7の発明は、上記(5)〜(6)において、前記搬送部において、前記載置部は前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える鞍形状の鞍部を備えて構成されることを特徴とする。
【0021】
(8)第8の発明は、上記(1)〜(7)において、前記搬送部は、前記用紙束の折り目の平行方向と直交方向とに搬送が可能であり、前記用紙束の状態として、折り目の方向と搬送方向との関係を更に含む、ことを特徴とする。
【0022】
(9)第9の発明は、上記(1)−(7)において、前記搬送速度の制御は、加速度についての制御と、一定速度での搬送時における速度の制御の少なくとも一方を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、以下のような効果が得られる。
【0024】
この発明では、折り目が形成された用紙が複数枚重ね合わされて生成された用紙束を搬送する際に、用紙束の状態と予め定められた条件とに応じて用紙束を搬送する際の搬送速度を制御する。ここで、用紙束の状態は、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、滑りやすさ、が含まれる。そして、用紙束がステープル等により一体化されている場合には、該用紙束を構成する用紙枚数と斤量と紙サイズにより決定される用紙束重量により搬送速度を制御し、用紙束が一体化されていない場合には、該用紙束を構成する用紙の斤量と紙サイズにより決定される用紙1枚の重量により搬送速度を制御する。このように搬送速度を制御することで、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能になる。
【0025】
また、以上のように用紙の状態に応じて搬送速度を制御することで、該用紙束を上から抑えることなく、用紙の折り目の劣角の部分を下から支える鞍形状などの載置部を備え、用紙束を該載置部に載置した状態で搬送する際にも、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能になる。
【0026】
また、用紙束の折り目の平行方向と直交方向とに搬送が可能である場合には、用紙束の状態として折り目の方向と搬送方向との関係を更に加味して搬送速度を制御することで、折り目に対して何れの方向に搬送する場合であっても、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能になる。
【0027】
また、搬送速度の制御は、加速度についての制御と、一定速度での搬送時における速度の制御の少なくとも一方を含むことにより、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつも、搬送性能を維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態の後処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の後処理装置の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態の後処理装置の主要部の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態の後処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の後処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の後処理装置の制御状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の後処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の後処理装置の制御状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
【0030】
〔画像形成システムの構成〕
図1−図3を参照して、本実施の形態に係る後処理装置を備える画像形成システムの構成について説明する。
【0031】
図1と図2とに示すように、この画像形成システムは、画像形成装置100と、反転搬送装置200と、後処理装置300と、後処理装置400と、を有している。
【0032】
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に後処理装置としてシステム全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、操作者による操作入力に応じた操作入力信号を制御部101に通知すると共に画像形成装置100の状態表示とを行う操作部表示103と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部104と、収容されている用紙を給紙する給紙部105と、給紙され画像形成される用紙を所定速度で搬送する搬送部110と、原稿をスキャンして画像データを生成する原稿読込部120と、画像形成する際のイメージデータや各種データを記憶する画像データ記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令とイメージデータとに基づいて画像形成(印刷)を実行する画像形成部150と、を備えて構成されている。なお、画像形成装置100で画像形成された用紙は、後段の反転搬送装置200に向けて搬出される。
【0033】
反転搬送装置200は、画像形成装置100の後段であって後処理装置300の前段に接続されており、反転搬送装置200内の各部を制御する制御部201と、画像形成装置100や後処理装置300と通信するための通信部202と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部204と、用紙を所定速度で搬送する搬送部210と、画像形成装置100からの用紙を反転させて後段に送り出す反転部220と、反転された用紙を整合する整合部230と、を備えて構成される。
【0034】
後処理装置300は、反転搬送装置200の後段に接続されており、後処理装置300内の各部を制御する制御部301と、画像形成装置100や反転搬送装置200と通信するための通信部302と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部304と、後処理された用紙束を排出させる排出経路を選択する排出経路選択部305と、用紙を所定速度で搬送する用紙搬送部310と、用紙を中折り又は3つ折りに折る折り部320と、後処理のために用紙を重ね合わせて用紙束とする重ね合わせ部330と、折り部320で折られて重ね合わせ部330で重ね合わされた用紙束に後処理として中綴じを施す中綴じ部340と、用紙束の状態で搬送する用紙束搬送部350と、用紙束の小口部分を断裁する断裁部360と、を備えて構成される。
【0035】
後処理装置400は、後処理装置300の後段に接続されており、後処理装置400内の各部を制御する制御部401と、画像形成装置100や後処理装置300と通信するための通信部402と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部404と、後処理された用紙束を排出させる排出経路を選択する排出経路選択部405と、用紙を所定速度で搬送する搬送部410と、用紙束にステープルを施すステープル部420と、メイントレイを排出先として用紙を排出するメイントレイ排出部440と、サブトレイを排出先として用紙を排出するサブトレイ排出部450と、を備えて構成される。
【0036】
なお、図1と図2における、画像形成装置100、反転搬送装置200、後処理装置300、後処理装置400の接続は画像形成システムの一例であって、このような接続に限定されるものではない。また、図2や図3の機械的構成において、主要部の原理的構成を中心に示しており、既知の用紙搬送や整合などについては、省略した状態で示している。
【0037】
図2おいて、画像形成装置100からX方向に搬送されてきた用紙を、後処理装置400で後処理する場合には、そのままX方向に搬送しつつ後処理を実行して排出する。
【0038】
一方、後処理装置300において後処理を実行する場合は、図2に示す折り部320において、下方から折りナイフで用紙を突き上げつつ、2つのローラで用紙と折りナイフとを挟み込むことで、Y方向を稜線とした折り目を形成して中折りを実行する。そして、この中折りした用紙を、Y方向に搬送しつつ、重ね合わせ部330で重ね合わせて用紙束とする。この用紙束に対して中綴じ部340で中綴じを実行する。さらに、この用紙束を用紙束搬送部350でX方向に搬送して、断裁部360に送る。
【0039】
このように、画像形成によりX方向に搬送されていた用紙に対して、Y方向の折り目を形成して用紙束とするとともに、この用紙束を折り目に平行するY方向に搬送して中綴じを施すことで、後処理の実行効率が高まり、画像形成システムとして生産性を高めることが可能になる。
【0040】
また、用紙束搬送部350は、図3に示すように、用紙束Ppの折り目の劣角(180°未満の角)の部分を下から支える鞍形状の載置部351を備え、用紙束Ppを鞍形状の載置部351に載置した状態で、Y方向駆動部352によりY方向に駆動すると共に、このY方向駆動部352自体をX方向駆動部353によりX方向に駆動する。従って、載置部351は用紙束Ppを折り目と平行するY方向と、用紙束Ppを折り目と直交するX方向との両方に搬送が可能である。なお、用紙束搬送部350は、図3に示すように、用紙束Ppの折り目の劣角(180°未満の角)の部分を下から鞍形状の載置部351で支えた状態で搬送することにより、用紙束Ppを上から押さえつける部材は設けられていない。
【0041】
〔動作〕
以下、図4、図5のフローチャート、本実施形態の動作についての説明を行う。
【0042】
ここでは、図1と図2の接続状態の画像形成システムにおける後処理装置300の制御を中心にして説明する。
【0043】
画像形成が開始されると、後処理装置300の制御部301は、画像形成についての情報(画像形成情報:紙種、用紙サイズ、搬送速度など)と後処理についての処理モードに関連する情報(後処理モード情報)を制御部101に対して要求する。これに対して制御部101は、ジョブ情報から後処理装置300に関連する画像形成情報と後処理モード情報とを制御部301に通知する。この後処理モード情報としては、折り種類、綴じ選択有無、断裁選択有無、といった情報が該当する。
【0044】
画像形成情報と後処理モード情報を受信した制御部301は、実行する後処理の折り種類が「三つ折り」であるか「中折り」であるかを判断する。ここでは、後処理装置300として、中折り〜中綴じ〜断裁、または、中折り〜断裁を行う場合を具体例にする。
【0045】
そして、制御部301は、画像形成情報と後処理情報から、後処理装置300内における用紙束搬送速度を決定する(図4中のステップS1)。
【0046】
後処理装置300内では、画像形成装置100から送られてきた用紙を、画像形成装置100の用紙排出間隔に合わせて用紙搬送部310が図2のX方向に搬送する。更に、用紙束搬送部350が、重ね合わせ部330で重ね合わされて生成される用紙束を中綴じ部340や断裁部360に向けてY方向とX方向とに所定の用紙束搬送速度で搬送する(図4中のステップS2)。
【0047】
なお、用紙束の搬送については、従来技術として説明した通り、搬送の際に受ける風圧で用紙束が乱れる可能性があるので、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持可能な用紙束搬送速度を、画像形成情報や後処理モード情報を参照して制御部301が決定している。
【0048】
〔速度決定(1)〕
以下、図5のフローチャートを参照して、用紙束搬送速度決定の処理を説明する。
【0049】
制御部301は、中折りして生成する用紙束について中綴じによって一体化されるかを後処理モード情報を参照して調べ(図5中のステップS101)、用紙束が中綴じによって一体化される場合には(図5中のステップS101でYES)、「重量=用紙束に含まれる用紙枚数×用紙斤量(単位面積の重量)×用紙面積」として算出する(図5中のステップS102)。すなわち、制御部301は用紙束としての重量を算出する。
【0050】
算出された重量が60グラムを超えていれば(図5中のステップS103でYES)、制御部301は、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=高速、加速度=大、と決定する(図5中のステップS104)。すなわち、用紙束が中綴じされて一体化されていて更に重量があれば、搬送の際の風圧によって束が乱れる可能性が小さいため、高速・加速度大にて用紙束搬送を行う。
【0051】
また、算出された重量が60グラム以下であれば(図5中のステップS103でNO)、制御部301は、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=中、と決定する(図5中のステップS105)。すなわち、用紙束が中綴じされて一体化されているものの重量が小さければ、重量大の場合よりは搬送の際の風圧によって束が乱れやすくなるため、中速・加速度中にて用紙束搬送を行う。
【0052】
一方、用紙束に中綴じが選択されておらず一体化されない場合には(図5中のステップS101でNO)、制御部301は、「重量=用紙斤量(単位面積の重量)×用紙面積」として算出する(図5中のステップS106)。すなわち、制御部301は用紙1枚の重量を算出する。
【0053】
算出された重量が10グラムを超えていれば(図5中のステップS107でYES)、制御部301は、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=小、と決定する(図5中のステップS108)。すなわち、用紙1枚としては重量があるものの用紙束として一体化されていないため、搬送の際の風圧によって束が乱れる可能性が若干存在するため、中速・加速度小にて用紙束搬送を行う。
【0054】
一方、算出された重量が10グラム以下であれば(図5中のステップS107でNO)、制御部301は、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=低速、加速度=小、と決定する(図5中のステップS109)。すなわち、用紙束が一体化されておらず更に用紙の重量が小さいため、搬送の際の風圧によって束が乱れたり、ずれたりしやすくなるため、低速・加速度小にて用紙束搬送を行う。
【0055】
以上のように用紙束搬送速度を制御することで、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能になる。
【0056】
なお、ここで、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)の高速/中速/低速と、加速度の大/中/小は後処理装置300内における相対値である。このため、用紙束重量の60グラムや用紙の10グラムについては、速度や加速度と用紙束の乱れ具合や許容範囲により、任意に定めうる値である。
【0057】
また、以上の図5のフローチャートでは、用紙束の状態として、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、を判断項目として、用紙束搬送速度と加速度とを決定していたが、これに限定されるものではない。例えば、用紙束の状態の判断項目としては、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、に加えて、滑りやすさを考慮することが可能である。ここで、滑りやすさとは、表面のコーティング状態や平滑性に起因するものであるので、用紙束の状態として紙種(普通紙/コート紙)を判断項目に加えることが可能である。
【0058】
また、滑りやすさは、湿度等の環境条件に影響を受けることがある。例えば、低湿度では滑りやすくなり、逆に高湿度では滑り難くなる。そこで、用紙束の状態として環境条件(低湿度/中湿度/高湿度)を判断項目に加えることが可能である。また、この環境条件による滑りやすさは、用紙のコーティング状態や平滑性に密接に関連するので、上述した紙種(普通紙/コート紙)に応じて異なる係数を乗じて環境条件を用いることも可能である。
【0059】
〔速度決定(2)〕
図6は、用紙束の状態として、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、紙種(滑りやすさ:普通紙/コート紙)を判断項目にして用紙束搬送速度と加速度とを決定する速度制御データテーブルの一例を示す。
【0060】
なお、この速度制御データテーブルは記憶部304に記憶されていて、制御部301により使用される。
【0061】
また、図5のフローチャートでは用紙束一体化有無と重量(斤量×面積)のみを判断項目としていたが、図6の速度制御データテーブルでは、用紙束一体化有無、枚数、斤量、面積、紙種それぞれを場合分けすることで条件を細分化している。
【0062】
これにより、用紙束一体化有り(中綴じの用紙束)の場合を9種類に分類すると共に、低速:加速度小、低速:加速度中、中速:加速度小、中速:加速度中、中速:加速度大、高速:加速度中、高速:加速度大、の7通りの制御が可能になり、一体化された用紙束を搬送する際における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ、搬送性能をできる限り高く維持することが可能になる。
【0063】
また、用紙束一体化無し(中折りの用紙束)の場合を4種類に分類すると共に、低速:加速度小、中速:加速度小、中速:加速度中、の3通りの制御が可能になり、一体化されない用紙束を搬送する際における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ、搬送性能をできる限り高く維持することが可能になる。
【0064】
なお、図6には示していないが、環境条件(低湿度/中湿度/高湿度)を搬送速度決定の判断項目に加えることが可能である。
【0065】
〔速度決定(3)〕
以下、図7のフローチャートを参照して、用紙束搬送速度決定の処理を説明する。ここでは、図3に示したように、鞍形状の載置部351が用紙束Ppを折り目と平行するY方向と、用紙束Ppを折り目と直交するX方向との両方に搬送が可能である場合において、平行方向と直交方法とで適した用紙束搬送速度を算出する処理を説明する。
【0066】
なお、図3に示す通り、折り目と平行するY方向に用紙束Ppを搬送する場合には、全面投影面積は小さいため空気抵抗は小さいものの、各用紙間に空気が入り込むことで、用紙束に乱れが生じる。一方、折り目と直交するY方向に用紙束Ppを搬送する場合には、全面投影面積が大きいため空気抵抗が大きくなり、外側の用紙からずれることで用紙束に乱れが生じる。このように、用紙束搬送方向の違いにより用紙束の乱れ方が異なるため、用紙束Ppを上から押さえつける部材を設けない状況下では、乱れを生じない適正な用紙束搬送速度が異なったものになる。
【0067】
制御部301は、中折りして生成する用紙束について中綴じによって一体化されるかを後処理モード情報を参照して調べ(図7中のステップS201)、用紙束が中綴じによって一体化される場合には(図7中のステップS201でYES)、「重量=用紙束に含まれる用紙枚数×用紙斤量(単位面積の重量)×用紙面積」として算出する(図7中のステップS202)。すなわち、制御部301は用紙束としての重量を算出する。
【0068】
算出された重量が60グラムを超えていれば(図7中のステップS203でYES)、制御部301は、折り目と平行する搬送において、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=高速、加速度=大、と決定する(図7中のステップS204)。すなわち、用紙束が中綴じされて一体化されていて更に重量があれば、搬送の際の風圧によって束が乱れる可能性が小さいため、高速・加速度大にて用紙束搬送を行う。
【0069】
また、算出された重量が60グラム以下であれば(図7中のステップS203でNO)、制御部301は、折り目と平行する搬送において、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=中、と決定する(図7中のステップS205)。すなわち、用紙束が中綴じされて一体化されているものの重量が小さければ、重量大の場合よりは搬送の際の風圧によって束が乱れやすくなるため、中速・加速度中にて用紙束搬送を行う。
【0070】
また、制御部301は、算出された重量が60グラムを超えていて(図7中のステップS203でYES)、用紙面積が0.125m2を超えていれば(図7中のステップS206でYES)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=大、と決定(図7中のステップS207)し、用紙面積が0.125m2以下であれば(図7中のステップS206でNO)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=高速、加速度=大、と決定(図7中のステップS208)する。すなわち、折り目と直交する方向に搬送する場合、用紙束が中綴じされて一体化されていて更に重量がある場合でも、搬送の際の風圧(空気抵抗)によって束が乱れる可能性は用紙面積に比例するため、用紙面積に応じて速度と加速度を決定する。
【0071】
また、制御部301は、算出された重量が60グラム以下で(図7中のステップS203でNO)、用紙面積が0.125m2を超えていれば(図7中のステップS209でYES)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=低速、加速度=中と決定し(図7中のステップS210)、用紙面積が0.125m2以下であれば(図7中のステップS209でNO)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=中、と決定する(図7中のステップS211)。すなわち、折り目と直交する方向に搬送する場合、用紙束が中綴じされて一体化されていて重量が軽い場合、搬送の際の風圧(空気抵抗)によって束が乱れる可能性は用紙面積に比例するため、用紙面積に応じて速度と加速度を決定する。
【0072】
一方、用紙束に中綴じが選択されておらず一体化されない場合には(図7中のステップS201でNO)、制御部301は、「重量=用紙斤量(単位面積の重量)×用紙面積」として算出する(図7中のステップS212)。すなわち、制御部301は用紙1枚の重量を算出する。
【0073】
算出された重量が10グラムを超えていれば(図7中のステップS213でYES)、制御部301は、折り目と平行する搬送において、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=小、と決定する(図7中のステップS214)。すなわち、用紙1枚としては重量があるものの用紙束として一体化されていないため、搬送の際の風圧(空気抵抗)によって束が乱れる可能性が若干存在するため、中速・加速度小にて用紙束搬送を行う。
【0074】
一方、算出された重量が10グラム以下であれば(図7中のステップS213でNO)、制御部301は、折り目と平行する搬送において、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=低速、加速度=小、と決定する(図7中のステップS215)。すなわち、用紙束が一体化されておらず更に用紙の重量が小さいため、搬送の際の風圧(空気抵抗k)によって束が乱れたり、ずれたりしやすくなるため、低速・加速度小にて用紙束搬送を行う。
【0075】
また、制御部301は、算出された重量が10グラムを超えていて(図7中のステップS213でYES)、用紙面積が0.125m2を超えていれば(図7中のステップS216でYES)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=中と決定し(図7中のステップS217)、用紙面積が0.125m2以下であれば(図7中のステップS216でNO)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=高速、加速度=中、と決定する(図7中のステップS218)。すなわち、折り目と直交する方向に搬送する場合、搬送の際の風圧(空気抵抗)によって束が乱れる可能性は用紙面積に比例するため、用紙面積に応じて速度と加速度を決定する。
【0076】
また、制御部301は、算出された重量が10グラム以下で(図7中のステップS213でNO)、用紙面積が0.125m2を超えていれば(図7中のステップS219でYES)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=低速、加速度=小と決定し(図7中のステップS220)、用紙面積が0.125m2以下であれば(図7中のステップS219でNO)、折り目と直交する搬送において用紙束搬送速度(一定速度時での速度)=中速、加速度=小、と決定する(図7中のステップS221)。すなわち、折り目と直交する方向に搬送する場合、用紙束が中綴じされて一体化されてない場合、搬送の際の風圧(空気抵抗)によって束が乱れる可能性は用紙面積に比例するため、用紙面積に応じて速度と加速度を決定する。
【0077】
以上のように、折り目との関係で用紙束の搬送方向を考慮し、更に、折り目と直交する方向に搬送する場合には、用紙面積も考慮して用紙束搬送速度を制御することで、搬送時における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ搬送性能を維持することが可能になる。
【0078】
なお、ここで、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)の高速/中速/低速と、加速度の大/中/小は後処理装置300内における相対値である。このため、用紙束重量の60グラムや用紙の10グラムについては、速度や加速度と用紙束の乱れ具合や許容範囲により、任意に定めうる値である。
【0079】
また、以上の図7のフローチャートでは、用紙束の状態として、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、用紙束搬送方向を判断項目として、用紙束搬送速度と加速度とを決定していたが、これに限定されるものではない。例えば、用紙束の状態の判断項目としては、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、用紙束搬送方向に加えて、滑りやすさを考慮することが可能である。ここで、滑りやすさとは、表面のコーティング状態や平滑性に起因するものであるので、用紙束の状態として紙種(普通紙/コート紙)を判断項目に加えることが可能である。
【0080】
また、滑りやすさは、湿度等の環境条件に影響を受けることがある。例えば、低湿度では滑りやすくなり、逆に高湿度では滑り難くなる。そこで、用紙束の状態として環境条件(低湿度/中湿度/高湿度)を判断項目に加えることが可能である。また、この環境条件による滑りやすさは、用紙のコーティング状態や平滑性に密接に関連するので、上述した紙種(普通紙/コート紙)に応じて異なる係数を乗じて環境条件を用いることも可能である。
【0081】
〔速度決定(4)〕
図8は、用紙束の状態として、用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズ、用紙束搬送方向、紙種(滑りやすさ:普通紙/コート紙)を判断項目にして用紙束搬送速度と加速度とを決定する速度制御データテーブルの一例を示す。
【0082】
なお、この速度制御データテーブルは記憶部304に記憶されていて、制御部301により使用される。
【0083】
また、この図8では、用紙面積を3段階に分類する等により、図7のフローチャートよりも条件を細分化している。
【0084】
これにより、用紙束一体化有り(中綴じの用紙束)の場合を11種類に分類して、一体化された用紙束を折り目平行方向と折り目直交方向とに搬送する際における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ、搬送性能をできる限り高く維持することが可能になる。
【0085】
また、用紙束一体化無し(中折りの用紙束)の場合を5種類に分類して、一体化されない用紙束を折り目平行方向と折り目直交方向とに搬送する際における用紙束の重ね合わせ状態の乱れを防止しつつ、搬送性能をできる限り高く維持することが可能になる。
【0086】
なお、図8には示していないが、環境条件(低湿度/中湿度/高湿度)を搬送速度決定の判断項目に加えることが可能である。
【0087】
〔その他の実施形態〕
以上の実施形態では、X方向に画像形成された用紙を搬送している画像形成システムにおいて、Y方向を稜線とした折り目を付した用紙束を用紙束搬送部350によりY方向やX方向に搬送するとしていたが、これに限定されるものではない。
【0088】
すなわち、X方向を稜線とした折り目を付した用紙束を用紙束搬送部350によりX方向やY方向に搬送するものであってもよい。
【0089】
また、以上の説明で、用紙束搬送部350は鞍形状の載置部351を図示したが、平面台形状の載置部を用いることも可能である。この場合、平面台形状の載置部に、用紙束の折り目に合わせた凸部を設けるようにしてもよい。
【0090】
また、以上の用紙束搬送速度決定の際の加速度について、加速時の加速度と減速時の加速度とに分けて制御することも可能である。この場合、加速時には減速時よりも風圧の影響を受けやすいといった傾向があるため、用紙面積も参照して、加速時加速度と減速時加速度とを決定すればよい。
【0091】
また、以上の用紙束搬送速度決定では、用紙束搬送速度(一定速度時での速度)と、加速度の両方を用紙束の状態に基づく各種判断項目により決定していたが、用紙束搬送速度と加速度のいずれか一方のみを可変に決定して、他方を固定とすることも可能である。
【0092】
また、以上の各実施形態において、環境条件としての湿度を用いる場合には、図示されないセンサが必要になる。この場合、センサは画像形成装置100内であってもよいが、機内の温度変化に伴って湿度も変化するため、後処理装置300内にセンサを設けることが望ましい。
【0093】
また、以上の各実施形態において、滑りやすさとして湿度等の環境条件を用いる場合に、綴じの有無に応じて、環境条件を用いる際の係数を変更するようにしてもよい。たとえば、中綴じなしで一体化されていない用紙束の場合であって、低湿度で滑りやすい場合には、環境条件の重みを大きくして搬送速度を決定するといった判断を行うことも可能である。
【0094】
また、以上の各実施形態では、環境条件の湿度に関して、低湿度/中湿度/高湿度と3段階の例を示したが、滑りやすい低湿度とそれ以外の湿度、の2段階としてもよい。
【0095】
また、以上の実施形態で環境条件として湿度を具体例として示したが、これに限定されず、温度を判断条件に加えても良い。例えば、載置部351の材質によっては、温度が変化すると摩擦係数が変化するような場合には、環境条件として温度を加えて搬送速度決定を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0096】
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
103 操作表示部
130 画像データ記憶部
140 画像処理部
150 画像形成部
200 反転搬送装置
201 制御部
202 通信部
210 搬送部
220 反転部
230 整合部
300 後処理装置
301 制御部
302 通信部
310 用紙搬送部
320 折り部
330 重ね合わせ部
340 中綴じ部
350 用紙束搬送部
400 後処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に折り目を形成する折り部と、折り目が形成された前記用紙を複数枚重ね合わせて用紙束とする重ね合わせ部と、前記用紙束を搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送速度を制御する制御部とを備え、画像形成された用紙を搬送すると共に該用紙に後処理を施す後処理方法であって、
前記用紙束の状態と予め定められた条件とに応じて前記用紙束を搬送する際の前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする後処理方法。
【請求項2】
前記用紙束の状態は、前記用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズが含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の後処理方法。
【請求項3】
前記用紙束が一体化されている場合には、該用紙束を構成する用紙枚数と斤量と紙サイズにより決定される用紙束重量により前記搬送速度を制御し、
前記用紙束が一体化されていない場合には、該用紙束を構成する用紙の斤量と紙サイズにより決定される用紙1枚の重量により前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の後処理方法。
【請求項4】
前記用紙束の状態に、前記用紙束を構成する用紙の滑りやすさに関する表面状態が含まれ、該表面状態を加味して前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項2−3に記載の後処理方法。
【請求項5】
前記搬送部は、前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える載置部を備え、前記用紙束を該載置部に載置した状態で搬送する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の後処理方法。
【請求項6】
前記搬送部は、前記用紙束を前記載置部に載置した状態であって、該用紙束を上から抑えることなく搬送する、
ことを特徴とする請求項5に記載の後処理方法。
【請求項7】
前記搬送部において、前記載置部は前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える鞍形状の鞍部を備えて構成される、
ことを特徴とする請求項5−6に記載の後処理方法。
【請求項8】
前記搬送部は、前記用紙束の折り目の平行方向と直交方向とに搬送が可能であり、
前記用紙束の状態として、折り目の方向と搬送方向との関係を更に含む、
ことを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の後処理方法。
【請求項9】
前記搬送速度の制御は、加速度についての制御と、一定速度での搬送時における速度の制御の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1−8のいずれか一項に記載の後処理方法。
【請求項10】
用紙に折り目を形成する折り部と、
折り目が形成された前記用紙を複数枚重ね合わせて用紙束とする重ね合わせ部と、
前記用紙束を搬送する搬送部と、
前記搬送部の搬送速度を制御する制御部と、を備え、
画像形成された用紙を搬送すると共に該用紙に後処理を施す後処理装置であって、
前記制御部は、前記用紙束の状態と予め定められた条件とに応じて、前記搬送部が前記用紙束を搬送する際の前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記用紙束の状態として、前記用紙束の一体化有無、斤量、紙サイズを参照して前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の後処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記用紙束が一体化されている場合には、該用紙束を構成する用紙枚数と斤量と紙サイズにより決定される用紙束重量により前記搬送速度を制御し、
前記用紙束が一体化されていない場合には、該用紙束を構成する用紙の斤量と紙サイズにより決定される用紙1枚の重量により前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項11に記載の後処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記用紙束の状態として、前記用紙束を構成する用紙の滑りやすさに関する表面状態を更に参照し、該表面状態を加味して前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項11−12に記載の後処理装置。
【請求項14】
前記搬送部は、前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える載置部を備え、前記用紙束を該載置部に載置した状態で搬送する、
ことを特徴とする請求項10−13のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項15】
前記搬送部は、前記用紙束を前記載置部に載置した状態であって、該用紙束を上から抑えることなく搬送する、
ことを特徴とする請求項14に記載の後処理装置。
【請求項16】
前記搬送部において、前記載置部は前記用紙の折り目の劣角の部分を下から支える鞍形状の鞍部を備えて構成される、
ことを特徴とする請求項14−15に記載の後処理装置。
【請求項17】
前記搬送部は、前記用紙束の折り目の平行方向と直交方向とに搬送が可能であり、
前記制御部は、前記用紙束の状態として折り目の方向と搬送方向との関係を加味して、前記搬送部が前記用紙束を搬送する際の前記搬送速度を制御する、
ことを特徴とする請求項10−16のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記搬送速度の制御として、加速度についての制御と、一定速度での搬送時における速度の制御の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項10−17のいずれか一項に記載の後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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