説明

従業員に対する教育用の情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法

【課題】 複数の従業員がコンピュータ端末を共用する環境において、簡易な操作で従業員の実力に応じた設問を個々に設定し、この設問を解答させるために、実効性のある強制力を持たせた従業員教育用の情報処理装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】 解答者の真正性を確認する解答時の従業員の顔の撮影データと解答データの入力の都度、従業員の属性データに応じて次に出題する問題を自動生成するためのデータとを認証処理から解答入力までの極めて簡易な入力操作によって取得することが可能な情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員に対する教育用の情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関し、特に、複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、上記教育を行う情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業にとって人材が重要な資産として位置付けられ、従業員に対する教育体制を強化する企業が増えている。「人財」と言われる所以である。
【0003】
従業員の教育手法としては、従前より、いわゆるOJT(On the Job Training)といって、職務中や職務の遂行を通して行う手法と、 OffJT(Off the Job Training)といって、階層別や業務別の研修、講師などによるセミナー、また、大学など教育専門機関での専門知識の習得などによる手法が主に採択されている。
【0004】
上記OJTでは、現場で教育を行うため、実態に見合ったリアルタイムの教育を行うことができるが、指導者の主観に依存せざるをえず、客観性に欠ける点で、組織全体のレベルアップを図ることが困難であった。
【0005】
一方、上記OffJTでは、一斉に同一内容の教育を行うため、提供情報、教育水準の均一化を図ることが可能であり、上記OJTの欠点を補うことが可能であるが、従業員を一定時間、一定の場所に集合させて拘束するため、スケジュール調整などが困難で、実効性に欠けるという問題があった。
【0006】
そこで、近年、コンピュータ端末やネットワークを利用したイーラーニングという手法が盛んに採択されるようになってきている。このイーラーニングでは、各従業員が自己のコンピュータ端末で、任意の時間にどの従業員も一定の内容の教育を受けることができるため、上記OJT及びOffJTの欠点を補うことが可能であり、高い教育効果が期待できる。
【0007】
しかし、イーラーニングでは、従業員の自主的な受講意欲に依存させると、仕事を優先するなどの理由により、受講しないケースが増大する可能性があった。
【0008】
そこで、従来、クライアント端末が、所定のプログラムを実行することにより、所定の電子教育が完了したか否かを検知し、管理サーバに通知する情報処理システムで、この管理サーバで、上記電子教育の完了通知がなされていないクライアント端末に対して、未完了の通知をし、所定時間が経過しても上記完了通知を行わないクライアント端末に対しては、上記電子教育を強制実行させるために、未完了デスクトップスタンプを発行し、そのクライアント端末に刻印表示させる等の制御手段を備えた情報処理システムが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
このスタンプは、クライアント端末側からでは削除、移動不可能であり、デスクトップの壁紙上貼り付けられるため、従業員に心理的圧迫を与えることにより、強制的実行を図ることができる。また、上記イーラーニングで出題される問題に対する回答について、不正解者のクライアント端末に対しては、解説の参照確認ボタンをクリックしないと通常の運用状態に移行できないようにしていた。このようなシステムにより、イーラーニングを受講させる強制力を持たせていた。
【0010】
ところで、飲食店、病院、工場などでは、各従業員にコンピュータ端末が付与されていない場合が多く、複数の従業員がコンピュータ端末を共用する環境になっている。また、これらの従業員は、必ずしも同程度の知識レベルとは限らず、職務内容、役職、職務の経験年数、雇用形態、就業形態等、千差万別である。
【0011】
このような環境で共用のコンピュータ端末を使用してイーラーニングの実効性を上げるために、従来、複数の社員で共用する社員端末で、社員の受講履歴情報、職務経歴情報等に基づいて、社員端末からのリクエストに応じて、推薦すべき教育研修コンテンツを配信するシステムが提案されていた。さらに、このシステムでは、上記受講履歴情報と職務経歴情報とを比較して、例えば、当該社員が当然有していると判断される知識の解説箇所等を削除し、各社員向けに個別調製することも可能であった(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
また、たとえば、飲食店などの衛生管理に関し、測定装置で所定の検査を行い、測定値を測定した施設IDとともに、情報配信装置に送信すると、この受信した測定値と基準値を比較し、基準値を超えた項目について、衛生情報記憶部に記憶されている問題から検索処理し、上記項目に該当する問題を抽出し、ユーザ端末に試験を実施する通知を送信し、このユーザ端末から試験問題の送信要求があると、上記抽出された問題が送信され、ユーザ端末からは、その回答が送信され、回答の送信が終了すると、回答の正否を判定し、解説、回答所要時間等とともに、ユーザ端末に送信される情報配信装置が提案されていた(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
この装置は、問題の難易度ごとに、ランクを設定し、ユーザに対して当該ランクを設定し、上記問題抽出の際には、ユーザのランクと同じランクの問題を抽出するようにしてもよく、アルバイト店員には、簡単な問題を、責任者には難解な問題を出題するようにしてもよい。
【0014】
さらに、勤務形態の多様性に対応するために、従業員ごとに出退勤時刻を記録してその勤怠を管理する勤怠管理コンピュータを備えた勤怠管理システムで、従業員名が選択操作されると、その選択された従業員に伝達すべきメッセージを格納した勤怠管理データベースから、その従業員に伝達すべきメッセージを表示装置に表示させ、その従業員がメッセージ確認ボタンにより確認の応答操作があるまで次の処理、すなわち、打刻確認ボタンの表示の処理を保留するメッセージ伝達方式が提案されていた(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2008−65848(請求項1の記載)
【特許文献2】特開2002−56107(請求項3、5及び15の記載)
【特許文献3】特開2008−59508(請求項1、段落番号0045の記載)
【特許文献4】特開2004−126924(請求項1、3の記載)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、未完了デスクトップスタンプを発行してイーラーニング受講の強制力を持たせる上記情報処理システムでは、従業員個々にコンピュータ端末が提供されている環境であれば効果的だが、上記のように、複数の従業員が共用する環境では適用できないという不都合があった。また、コンピュータ端末にスタンプが刻印されたとしても、コンピュータ端末の通常の使用には支障はないため、あくまで、スタンプが刻印された画面の表示を他人に見られたくないという従業員の主観的感情に訴える程度の強制力であり、このようなスタンプの刻印をまったく気にしない従業員に対しては、この強制力は機能しないという問題があった。解説の参照確認ボタンについても、内容の理解の有無にかかわらず、クリックすればよいことから、強制力を図るには不十分であった。
【0016】
また、社員の受講履歴情報、職務経歴情報等に基づいて、社員端末からのリクエストに応じて、推薦すべき教育研修コンテンツを配信する前記システムでは、受講履歴や職務履歴について、具体的な分析は、質問上の集計、理解度テストの集計、アクセス度数のカウント程度の記載しかなく、多様な職務内容、役職、職務の経験年数、雇用形態、就業形態の従業員を配する業界では、必ずしも、効果的な教育はできない可能性があった。
【0017】
さらに、前記飲食店などの衛生管理に関する情報配信装置では、従業員のランクの決定について、具体的な説明がない。通常は、情報配信の回数を重ねるごとに、従業員のランクも変動するはずであるが、このランクの変動にタイムリーに対応することができないという不都合があった。この情報配信装置では、衛生管理に関しては、状況に応じて適切な情報配信が可能だが、衛生管理情報以外の情報をどのように配信するかについては、不明確であった。
【0018】
前記勤怠管理システムについては、従業員がメッセージを理解したか否かの確認は、結局従業員による確認ボタンの押下に依存せざるを得ず、現実の理解度を把握することはできなかった。また、確認の応答操作があるまで打刻確認ボタンの表示の処理を保留するため、勤怠の入力装置の前で従業員が並び、処理が滞る場合が生じるおそれがあった。
【0019】
なお、複数の従業員が共用するコンピュータ端末を利用して、イーラーニングを行う場合は、操作を簡易にしなれば、特定の従業員にコンピュータ端末が占有され、実効性が低下するが、そのような操作の簡易性については、上記いずれの先行技術も配慮されていなかった。
【0020】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、複数の従業員がコンピュータ端末を共用する環境において、簡易な操作で従業員の実力に応じた設問を個々に設定し、この設問を解答させるために、実効性のある強制力を持たせた従業員教育用の情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するため、本発明にかかる情報処理装置は、複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、教育を行う情報処理装置であって、前記コンピュータ端末は、前記各従業員の特定データ及び属性データを蓄積する従業員マスタデータ蓄積手段と、前記属性データに応じて、設問データ及び解答データを保存する設問保存手段と、この設問保存手段から、前記属性データに基づいて各従業員に個別に適用される設問を自動的に生成し、従業員が出勤する当日に出題する設問テーブルを作成する設問自動生成手段と、前記各従業員の前記特定データが入力されると、前記従業員マスタデータから一致するデータを読み出して照合する認証手段と、認証された従業員に適用される設問を前記設問テーブルから読み出して表示する表示手段と、この表示された設問の解答が前記コンピュータ端末から、単一操作で入力可能な入力手段と、入力された解答データと設問保存手段に保存されている解答データとを比較して、解答の成否を判定する判定手段と、前記入力手段の入力操作によって、解答者の解答時の顔が撮影される撮影手段と、撮影した画像データを前記各従業員の特定データと対応させて保存する画像データ保存手段とを備え、前記解答の入力後、正解及び前記正否の判定結果を前記表示手段で表示させることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、従業員による認証のための特定データ入力後は、設問に対する解答データの入力操作のみで解答者の顔が自動的に撮影され、短時間の簡易操作の間に、解答者の真正性を確認できるデータを取得することができる。
【0023】
前記特定データは、少なくとも、従業員の社員番号または氏名から構成し、前記属性データは、少なくとも、職務内容と、役職と、この職務内容の経験期間または役職から初期設定される基礎ランクと、所定期間内の正答率から決定される変動ランクと、所定期間内の所要出勤数とから構成すればよい。前記設問保存手段は、保存されている設問データに前記各属性データを対応させた設問分類テーブルを有し、前記設問自動生成手段は、前記従業員の属性データに対応する設問データをこの設問分類テーブルから読み出して生成すればよい。したがって、出題される設問は、上記細かい属性に応じた内容の問題が生成される。
【0024】
前記設問保存手段に保存されている設問データは、前記単一操作で解答可能な択一式の設問であり、各設問に解答データと解説データとを対応させて構成されているものであればよい。このような形式の問題にすれば、従業員の解答入力操作は、たとえば、前記コンピュータ端末のキーボードを1回押下するだけでよいので、短時間で解答が可能となる。
【0025】
前記情報処理装置は、各従業員の解答履歴を保存する解答履歴データ保存手段を備え、前記変動ランクは、前記従業員マスタデータから、前記所要出勤数を満たした従業員を抽出し、この抽出された従業員の解答履歴を前記解答履歴データ保存手段から読み出して正答率を算出し、算出された正答率から、所定の計算式に基づいて前記基礎ランクを下限として増減を計算する変動ランク処理手段によって決定してもよい。このような構成によれば、常に従業員の最新のレベルに応じた設問を自動生成することが可能になる。
【0026】
前記情報処理装置は、管理者が使用する管理者通信端末とインターネット網等の通信ネットワーク網を介して接続され、前記変動ランク処理手段は、計算した変動ランクが前記基礎ランクを下回る従業員がいるときに、この従業員を特定する社員番号データまたは氏名データを前記管理者通信端末に送信する送信手段を備えたものであってもよい。この構成により、役職や経験に照らして明らかに低レベルの知識しかない従業員を直ちに特定し、管理者が個別の指導をするためのアラートをかけることができる。
【0027】
前記設問保存手段は、各設問を各設問の分野と各分野内の類似問題ごとに付するグループ番号とに対応させた設問カテゴリーテーブルを有し、前記設問自動生成手段は、この設問カテゴリーテーブルに基づいて、同一グループ番号の問題を連続で出題し、または出題しないように設定可能な構成にしてもよい。
【0028】
本発明で使用される設問は、上記の通り、選択式の問題を短時間で解答可能な内容にしているため、偶然に正解するケースも考えられる。そこで、上記のような構成にして、類似問題をあらためて連続で出題したり、日をあけて出題することにより、偶然に正解したか否かを判断することが可能になる。
【0029】
前記設問自動生成手段は、前記自動生成された設問に代えて所定の問題を割り込み出題させることが可能なものであってもよい。たとえば、飲食店など、季節によって緊急に全員に衛生管理に関する教育が必要な場合、法改正などにより、緊急に知識を習得させる必要がある場合などにこの割り込み出題をさせればよい。
【0030】
何らかの理由により、設問が表示されているにもかかわらず、解答の入力操作がなされないと、別の従業員のエントリーに支障をきたす。また、本発明では、上記の通り、設問は比較的簡単に回答できる内容にしているため、設問を長時間表示させて検討してから解答しても、正確な評価ができないおそれがある。
【0031】
そこで、前記表示手段で設問が表示されてから、前記入力手段で解答が入力されるまでの時間を計測する時間計測手段を備え、所定の時間が経過しても解答が入力されない場合には、設問の表示がキャンセルされるようにすればよい。また、前記認証手段は、この設問の表示がキャンセルされると、連続して同一の従業員の認証処理を行わないようにすればよい。
【0032】
前記認証手段で認証されると、認証時間を一時保存し、前記所定時間内に解答が入力された場合には、一時保存した時間を出勤時間として記録し、前記所定時間内に解答が入力されない場合には、一時保存した時間を消去する勤怠処理手段を備えたものであってもよい。
【0033】
出勤時間の入力操作と設問への解答操作を単一の操作で行うことにより、より、高度の強制力を持たせることができ、かつ、操作も簡単なため、複数の従業員が共用するコンピュータ端末を利用しても、入力待ちで滞ることを最小限にとどめることが可能となる。
【0034】
前記撮影手段は、前記解答時の顔の撮影に加えて、前記認証手段で、前記各従業員の特定データが入力されたときにも、この特定データを入力した者の顔を撮影するように設定してもよい。このように、2回に分けて写真を撮影することにより、後日解答入力者の顔を確認する際に、社員番号や名前と写真とを照合するよりも、一見して同一人物が認証の入力操作と解答の入力操作を行ったか否かの確認ができる。
【0035】
前記従業員マスタデータ蓄積手段には、各従業員の電子メールアドレスが登録され、前記設問保存手段に保存されている解説データは、簡易表示データと詳細表示データとから構成され、この簡易表示データは、従業員が前記入力手段で解答したときに前記表示手段で表示させるものであり、詳細表示データは、前記簡易表示データの表示手段による表示と同時に、前記通信ネットワーク網を介して解答した従業員の前記電子メールアドレスに自動的に送信するようにしてもよい。
【0036】
本発明では、設問に解答するための従業員一人当たりの前記コンピュータ端末占有時間は、最小限に抑えなければならない。従って、前記コンピュータ端末に解説を詳細に説明することは困難であるため、上記の通り個々の従業員の端末に詳細な解説を自動送信すればよい。
【0037】
前記各解説データは、正解した従業員に対するものと、不正解だった従業員に対するものと2種類のデータから構成され、前記判定手段による正否の判定に応じて、自動的にいずれか一方の解説データを前記表示手段で表示し、かつ、前記電子メールアドレスに自動送信するものでもよい。
【0038】
従業員別に、所定期間内における前記算出された正答率の推移データのほか、少なくとも、前記設問カテゴリーテーブルで分類されたカテゴリー別の正答率の推移データ、撮影された写真の表情推移一覧データ、前記変動ランクの推移データのいずれか一つを集計する集計手段を有するものであってもよい。
【0039】
本発明にかかる情報処理システムは、上記いずれかに記載の情報処理装置の各処理をASP(Application Service Provider)サーバによって各情報処理装置に提供するようにしてもよい。この構成によれば、上記情報処理装置が、インターネットに接続可能な環境であれば、既存の環境のまま本システムを導入することができる。
【0040】
本発明にかかる情報処理システムは、上記いずれかに記載の情報処理装置を複数の店舗に設置し、各情報処理装置をクライアント端末として、前記通信ネットワーク網を介して管理サーバと通信自在に接続し、各情報処理装置は、店舗全体のカテゴリー別正答率推移データ集計処理し、この集計処理されたデータを前記通信ネットワーク網を介して前記管理サーバに送信し、管理サーバは、この集計処理された各店舗のカテゴリー別正答率推移データから、各店舗で所定値以下の正答率のカテゴリーがあったときは、前記割り込み出題をさせるために、当該カテゴリーに属する設問データを含む割り込み処理要求データをこの店舗の情報処理装置に送信し、この割り込み処理要求データを受信した情報処理装置の設問自動生成手段は、優先的にこの割り込み処理要求データに含まれる設問データから当日出題する設問データを作成するものであることを特徴とする。
【0041】
本発明にかかる情報処理方法は、複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、教育を行うために、各従業員別に出題する設問を自動生成する情報処理方法であって、少なくとも、各従業員に対応付けられている職務内容データ、役職データ、この職務内容の経験期間及び/または役職から初期設定される基礎ランクと所定期間内の正答率から決定される変動ランクから構成されるランクデータからなる属性データを取得し、この取得した属性データに対応する従業員の過去の解答履歴データから不正解の設問の有無を検出し、不正解の設問がある場合は、この設問を出題する設問として再設定し、不正解の設問がない場合は、あらかじめ設問と前記属性データとを対応させた設問分類テーブルから、前記取得した属性データに対応する設問データを読み出し、読み出された設問データと前記解答履歴データとを比較して、読み出された設問データが前記解答履歴データに含まれていない場合は、この設問データを前記従業員が出勤する当日の設問テーブルに書き出し、前記読み出された設問データが前記解答履歴データに含まれている場合は、再度前記取得した属性データに対応する別の設問データを読み出して前記従業員が出勤する当日の設問テーブルに書き出して、設問を自動生成することを特徴とする。
【0042】
また、前記変動ランクは、前記解答履歴データから、所定期間の各従業員の解答履歴のうち、所定回数以上の解答履歴が記録されている従業員を抽出し、この抽出された従業員の正答率を算出し、所定数値以上の正答率の従業員に対しては、前記前記基礎ランクまたは現在の変動ランクに所定のランク数を加算し、所定数値以下の正答率の従業員に対しては、前記基礎ランクを下限として現在の変動ランクから所定のランク数を減算し、各変動後のランクを最新の変動ランクとして書き換えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0043】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法は、複数の従業員がコンピュータ端末を共用する環境において、簡易な操作で従業員の実力に応じた設問を個々に設定し、この設問を解答させるために、実効性のある強制力を持たせることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明は、複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用するという環境で、教育を行うために使用する装置、システム、方法であるが、本実施の形態では、以下、飲食店の店舗を例として説明する。ただし、飲食店に限定する趣旨ではなく、上記環境に当てはまるところであれば、病院やシフト勤務の多い工場などでもよい。
【0045】
図1は、本発明にかかる情報処理装置の構成ブロックとシステム構成を示す図である。本発明は、単一の店舗で利用するスタンドアローンなコンピュータ端末の場合、多店舗をネットワークで接続するシステム構成の場合、いずれも可能である。図1では、情報処理装置としてスタンドアローンの形態で利用可能なコンピュータ端末A、B、C…nをサーバHに通信自在に接続した形態を示したが、これに限定する趣旨ではない。従って、サーバHからコンピュータ端末A、B、C…nをクライアント端末としてソフトウェア的な処理結果を提供する形態でもよく、また、ASPサービスを介して、サーバH及び/あるいは各コンピュータ端末A、B、C…nで処理を行うようにしてもよい。また、設問データだけをASPサービスから提供するような形態にしてもよい。
【0046】
図1では、コンピュータ端末Aのみのブロック構成を示したが、他のコンピュータ端末B、C…nも同じ構成である。1は、従業員を特定するデータベースの従業員マスタである。従業員マスタ1には、従業員を特定するデータのほか、従業員の属性要素を列挙した属性データが蓄積されている。また、2は、設問データを保存する設問データベースである。設問データベース2は、上記従業員の属性データに対応させて保存されている。
【0047】
なお、ここで、従業員とは、正社員、アルバイト、パート等、雇用形態を問わず、雇用関係において、被雇用者となる者すべてを包含する。
【0048】
コンピュータ端末Aの入力部3は、キーボードやマウスなど周辺機器などであるが、従業員を特定するために従業員マスタ1のデータと照合する認証処理を行う認証部4における入力装置は、バイオメトリクス技術を応用したもの、カードやICタグのリーダなどであってもよい。特に、本発明は、簡易な操作が要求されるため、従業員の認証時における入力操作を省略化あるいは簡略化させるためには、これらの入力装置等を設置することが好ましい。
【0049】
コンピュータ端末Aには、従業員が、入力部3で設問の解答を入力するときに、自動的に解答者(従業員)の顔を撮影するために、カメラ5が設置されている。カメラ5で撮影された画像は、画像保存部6で保存される。
【0050】
認証部4で従業員が認証されてから、入力部3で解答が入力されるまでの所要時間をタイマ7で計測する。このとき、所定時間以上経過して解答が入力されないと、後続に従業員がいる場合に、長時間待機させることになるため、いったん設問の表示を中断する処理が必要となる。そこで、タイマ7で計測された時間が所定時間経過したときは、計測処理部8で上記中断処理を実行する。
【0051】
入力部3で入力された解答が、正解か否かを判定部9で判定し、その結果を従業員ごとに解答履歴テーブル10に保存する。
【0052】
なお、上記タイマ7は、上記認証の入力操作時刻を出勤時刻として記録し、解答入力時にこの記録された時刻を出勤時刻として確定させるように勤怠処理部11で処理する。この勤怠処理部11は、既存の勤怠処理装置や市販の勤怠処理システムなどと連動するようにしてもよい。
【0053】
前記従業員マスタ1の属性データを構成する属性要素の中には、従業員の職務内容と、役職と、この職務内容の経験期間または役職から初期設定される基礎ランクと、所定期間内の正答率から決定される変動ランクとが含まれる。この変動ランクは、ランク処理部12によって、解答履歴テーブル10のデータを読み出して、後述する方法でランクの増減を算出して決定する。
【0054】
各従業員に出題する設問は、ランク処理部12で処理されたランクに基づき従業員マスタ1と設問データベース2とから、必要なデータを読み出して設問自動生成部13で生成される。生成方法の詳細は後述する。
【0055】
生成された設問データは、当日設問テーブル14に書き出され、前記認証処理後、当該従業員に適用される設問が、この当日設問テーブル14から読み出されて表示部15で表示される。
【0056】
表示部15で表示された設問に対して、上記の通り、従業員が入力部3から解答を入力し、入力された解答を判定部9で判定して解答履歴テーブルに保存するが、この解答履歴テーブル10に保存されたデータや画像保存部6に保存された画像データは、各従業員の正答率の算出、画像変遷データの作成などを集計処理部16で読み出されて使用される。
【0057】
なお、当日設問テーブル14には、詳細な解説データが含まれ、送信部17から、インターネット網Iを介して、解答した従業員の携帯電話等の通信端末m1、m2、m3に送信される。
【0058】
図2は、図1で説明したコンピュータ端末Aの表示部15で表示される画面の展開図である。画面Aは、初期入力画面である。本実施の形態では、社員番号の入力ウィンドウがあり、実際に「101」と入力した状態を示している。この社員番号の入力後に下の開始ボタンをクリックして、次画面に展開するようになっている。
【0059】
社員番号の入力により、認証処理が行われるが、図1でも説明したとおり、バイオメトリクス技術(たとえば、指紋、掌形、網膜、虹彩、顔、血管、音声、耳形などの生態認証)を利用した入力操作やカードリーダなどによる入力操作の場合は、このような入力画面は不要となる。
【0060】
なお、図2では、図1で説明した勤怠処理と連動する装置を示すため、画面右下に社員番号の入力時間が表示されている。
【0061】
画面Bでは、設問データが表示されている。本実施の形態では、従業員の氏名と、あいさつと、設問及び解答の選択肢が表示されているところを示した。選択肢は、なるべく直観的に解答できるように、絵や写真などの画像を使用することが望ましい。本実施の形態では、選択肢を絵と文字の双方で表示し、かつそれぞれの選択肢に選択枝番号を付している。したがって、各選択肢の内容を直ちに把握することができ、かつ、解答を入力するときは、その選択肢に付された番号と同一の数字キーを押下すればよいだけなので、上記認証の入力操作から解答の入力操作までの時間は極めて短時間で終了する。
【0062】
画面Bで解答を入力すると、画面Cの解答、解説画面に展開する。ここでも、正解の有無のほか、上記選択肢で使用した画像を利用した簡単な解説を表示している。右下の終了ボタンを押下することにより、画面Aの初期画面(社員番号が入力されていない状態の画面)に戻り、次の従業員の操作が可能となる。
【0063】
なお、画面右下の時刻は、上記勤怠処理において、出勤時刻が確定したことを示している。
【0064】
図3は、解答入力の処理フローを示したものである。
【0065】
図2の画面Aで示した通り、最初に初期画面が表示され(S1)、この初期画面で従業員番号が入力され、開始ボタンが押下される(S2)。
【0066】
この押下時間を出勤時刻として一時的に保存した後(S3)、従業員番号をもとに、当日設問テーブルから設問データが取得されると同時に(S4)、カメラでこの従業員の顔が撮影され、画像が保存される(S5)。
【0067】
本実施の形態では、出勤時刻の記録をすることにより、勤怠処理と連動した構成になっているが、勤怠処理とは連動しない構成であってもよく、設問の解答を単に出勤時または退勤時に強制的に行うというルールにしてもよい。いずれにしても、顔写真が撮影されることにより、設問に対する解答の強制力は十分に働く。もっとも、解答の入力と出勤時刻の確定とを連動させることにより、未解答のままだと、出勤扱いされないことになるため、出勤時刻の確定との連動がない場合に比べて格段に高度の強制力がはたらくことが期待できる。
【0068】
図1では、上記カメラによる撮影は、解答入力時に行うと説明したが、ここでは、この社員番号の入力時にも撮影するようにしている。このように、2回に分けて写真を撮影することにより、後日解答入力者の顔を確認する際に、社員番号や名前と写真とを照合するよりも、一見して同一人物が認証の入力操作と解答の入力操作を行ったか否かの確認ができる。
【0069】
また、カメラの撮影をすることにより、本人が解答しなければならないという強制力につながり、複数人が、コンピュータ端末を共用するような環境であっても、各従業員に実効性の高い教育を行うことができる。
【0070】
次に、画面上に設問が表示され(S6)、制限時間内に解答がされたか否かを判断する(S7)。制限時間内に解答した場合には、解答時の顔を再びカメラで撮影し、画像を保存する(S8)。一方、制限時間内に解答されなかった場合は、S3で保存された出勤時間がキャンセルされ(S6)、初期画面に戻る。
【0071】
S8で画像が保存されると、正否判定データと当日設問テーブルから解説データとを取得し(S10)、解答履歴テーブルに解答結果を書き込む(S11)。
【0072】
前記一時保存された出勤時刻は、解答履歴テーブルへの解答の書き込みによって、正式に出勤時刻として確定し(S12)、画面上に正否の表示、解説の表示、及び確定した出勤時刻の表示がなされる(S13)。また、詳細な解説については、従業員のPC,携帯電話などの通信端末の電子メールアドレスに自動送信される(S14)。このとき、このPCや携帯電話から、図1の管理サーバなどを介して店舗の上司や管理者の専用端末(図示せず)に設問に対する質問を返信メールで出すことができるようにしてもよい。
【0073】
最後に、終了ボタンを押下することにより(S15)、初期画面に戻る。
【0074】
図4は、図3のS4で説明した当日設問テーブルに書き込まれる設問の自動生成処理フロー図である。以下、図5から図10までのデータテーブルを参照しながら説明する。
【0075】
まず、図5に示す従業員マスタから、各従業員の属性データを取得する(S41)。図5の従業員マスタは、従業員番号、名前、職務、役職、基礎ランク、変動ランク、勤続週から構成されている。従業員番号と名前は、従業員の特定データであり、職務、役職、基礎ランク、変動ランク、勤続週は、属性要素であり、これらの属性要素からなる全体を属性データと呼ぶ。なお、特定データは、従業員番号と名前のいずれか一方でもよい。
【0076】
属性データのうち、職務は、キッチン、ホールなどの職務内容を示し、役職は、社員、P/A(パート、アルバイト)の雇用形態を示し、基礎ランクは、たとえば、職務内容の経験期間及び/または役職などから初期設定されるランクを示し、変動ランクは、所定期間内の正答率から決定されるランク示す。また、飲食店の場合のように、パートやアルバイトなど、勤務日数が不規則な従業員が多く混在している場合、勤続日数による比較では、正確なデータが取得できない可能性があるため、ここでは、勤続週を目安とするように設定している。したがって、他の業界の場合は、ここを勤続日数に変更してもよい。
【0077】
次に、図6で示す割り込み設問テーブルに該当するデータの有無を判断する(S42)。割り込み設問テーブルは、出題すべき日付のほか、職務、役職の属性要素と、設問番号が示されている。これは、たとえば、法改正や近隣で食中毒が生じたなどの事件が起きた場合など、緊急で周知徹底を図る必要がある場合に、指定された日に他の設問に優先して出題するためのテーブルである。
【0078】
したがって、出題日に割り込み設問テーブルに該当するデータがある場合は、この割り込み設問テーブルの設問番号を今回の設問番号として次の処理に進む(S43)。
【0079】
一方、出題日に割り込み設問テーブルに該当するデータがない場合は、当該従業員が、過去に不正解の設問があったか否かを判断する(S44)。なお、この不正解の有無は、図7の解答履歴テーブルを検索することによって判断する。この解答履歴テーブルは、従業員番号と設問番号とこの設問番号の設問に解答した日付と入力された解答と正誤の有無の表示から構成されている。
【0080】
S44で過去に不正解の設問がなければ、図8の設問分類テーブルから、S41で取得した従業員マスタの属性データに合致する設問番号を検索する(S45)。図8の設問分類テーブルは、設問番号、職務、役職、各設問番号の設問を出題しうるランクのレンジ(minからmax)、及び同設問を出題しうる勤続週数のレンジ(minからmax)から構成されている。
【0081】
一方、S44で過去に不正解の設問があれば、その設問番号の設問を今回の設問として設定するための処理に進む(S46)。図7では、設問番号2が不正解だったため、これが出題する設問として設定される。
【0082】
S45の処理後、検索された設問が既に出題済が否かを解答履歴テーブルから検索する(S47)。この検索の結果、解答履歴テーブルの直前の設問と今回選択された設問とが、図9の設問カテゴリーテーブル上で同じグループ番号か否かを判断する(S48)。図9の設問カテゴリーテーブルは、設問番号とグループ番号と設問のカテゴリー(本実施の形態では、「衛生」「理念」「接客」「基礎知識」)から構成されている。たとえば、設問2、3及び4は、「衛生」のカテゴリーの設問で、グループ番号が同じ2に属する。従って、S48で解答履歴テーブルで検索した結果、直前(例えば、前日)に出題された設問が、設問番号2の設問である場合に、S45で設問分類テーブによって検索された設問番号が3または4の場合、同じグループ番号の設問と判断される。
【0083】
S48で同じグループ番号だった場合は、再度、別グループ番号に属する設問を選択するために、S47の処理に戻る(S49)。一方、S48で同じグループ番号ではない場合は、検索された設問番号をもとに図10で示す設問テーブルから該当する設問情報を取得し、当日設問テーブルに書き込む(S50)。S43、S46の場合は、各々割り込み設問、不正解だった設問を当日設問テーブルの書き込む(S50)。
【0084】
図10の設問テーブルは、設問番号と設問と選択肢(1〜3)と解答と正解時解説と誤答時解説から構成されている。図2の画面表示で示した問題は、設問番号9の問題である。ここでは、選択肢のデータとして画像データを省略している。また、解説データは、コンピュータ端末に表示するデータのみを示しているが、図1で説明したとおり、従業員の携帯電話などに送信する詳細な解説データを含めてもよい(図示せず)。また、この解説データも正解時のものと誤答時のものにわけてもよい。
【0085】
ところで、本発明で使用される設問は、上記の通り、選択式の問題を短時間で解答可能な内容にしているため、偶然に正解するケースも考えられる。上記S48では、同一グループ番号の設問の連続出題を回避する処理フローを示したが、同一グループ番号の設問の内容が、表現を変えた設問や選択肢の順序を変更したものなどとし、あえて連続出題し、偶然の正解かどうかを確認するようにしてもよい。
【0086】
なお、図8の設問分類テーブル、図9の設問カテゴリーテーブル、図10の設問テーブルは、図1では、設問データベースに含まれる。
【0087】
図11は、従業員マスタテーブルの属性要素の一つである変動ランクの処理フローを示した図である。具体的には、図1のランク処理部12で処理されるフロー図の例を示したものである。この変動ランクが確定して図4のS41の処理が可能になる。なお、変動ランクの初期値は、図5で示した基礎ランクと同一値である。
【0088】
図7で示した解答履歴テーブルより、各従業員の過去の所定期間(本実施の形態では、1ヶ月)の解答履歴を抽出し(S411)、この1ヶ月間に所定回数(本実施の形態では、15回)以上の解答があったか否かを判断する(S412)。
【0089】
15回以上の解答がない場合は、ランクを変動するための有効なデータが取得できないため、従前のランクのまま従業員マスタのランクが確定する(S420)。一方、15回以上の解答があった場合は、正答率を算出する(S413)。正答率は、単純に前解答数のうち、正解数が示す割合を算出すればよい。
【0090】
S413の算出の結果、正答率が80%以上の場合(S414)、変動ランクを+1加算する(S415)。一方、正答率が80%以上じゃない場合、さらに、正答率が30%以下か否かを判断する(S416)。正答率が30%以下ではない場合、変動ランクは変わらず確定する(S420)。正答率が30%以下の場合は、変動ランクを−1減算する(S417)。ここで、減算した結果、変動ランクが基礎ランクを下回るか否かを判断し(S418)、下回らない場合は、減算した数値が変動ランクとして確定する(S420)。しかし、上記減算した数値が、基礎ランクを下回る場合は、減算前のランクすなわち、基礎ランクの戻り(S419)、変動ランクが確定する(S420)。
【0091】
変動ランクの変動の下限を基礎ランクに設定したのは、設定されたレベルと本人の実力が伴っていないことが想定され、このような従業員には、フェーストゥーフェースの教育が必要になるからである。従って、このような場合には、当該従業員を特定する従業員番号データまたは氏名データを図1で示した送信部17から、インターネット網Iを介して管理者専用端末(図示せず)に通知するようにしてもよい。
【0092】
図12は、図1で説明した集計処理部16で集計した結果をまとめた帳票の例を示したものである。従業員(R1)、店舗平均(R2)、全社平均(R3)を各カテゴリー別にレーダーチャートとしてまとめたものである。また、R4は、これらカテゴリーの時間的推移を示した図である。
【0093】
たとえば、カテゴリー別に所定の閾値を予め設定し、図1の各店舗のコンピュータ端末A、B、C…nからサーバHに、店舗平均のデータが送信され、サーバHでこの閾値を下回るカテゴリーが検索された場合には、自動的にそのカテゴリーに属する問題を集中的に出題するように、割り込み処理をさせる信号をその店舗のコンピュータ端末に送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】情報処理装置の構成ブロックとシステム構成を示す図
【図2】コンピュータ端末の表示部で表示される画面の展開図
【図3】解答入力の処理フロー図
【図4】設問の自動生成処理フロー図
【図5】従業員マスタテーブル
【図6】割り込み設問テーブル
【図7】解答履歴テーブル
【図8】設問分類テーブル
【図9】設問カテゴリーテーブル
【図10】設問テーブル
【図11】変動ランク処理フロー図
【図12】集計結果の帳票例を示した図
【符号の説明】
【0095】
1 従業員マスタ
2 設問データベース
3 入力部
4 認証部
5 カメラ
6 画像保存部
7 タイマ
8 計測処理部
9 判定部
10 解答履歴テーブル
11 勤怠処理部
12 ランク処理部
13 設問自動生成部
14 当日設問テーブル
15 表示部
16 集計処理部
17 送信部



















【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、教育を行う情報処理装置であって、
前記コンピュータ端末は、前記各従業員の特定データ及び属性データを蓄積する従業員マスタデータ蓄積手段と、前記属性データに応じて、設問データ及び解答データを保存する設問保存手段と、この設問保存手段から、前記属性データに基づいて各従業員に個別に適用される設問を自動的に生成し、従業員が出勤する当日に出題する設問テーブルを作成する設問自動生成手段と、前記各従業員の前記特定データが入力されると、前記従業員マスタデータから一致するデータを読み出して照合する認証手段と、認証された従業員に適用される設問を前記設問テーブルから読み出して表示する表示手段と、この表示された設問の解答が前記コンピュータ端末から、単一操作で入力可能な入力手段と、入力された解答データと設問保存手段に保存されている解答データとを比較して、解答の成否を判定する判定手段と、前記入力手段の入力操作によって、解答者の解答時の顔が撮影される撮影手段と、撮影した画像データを前記各従業員の特定データと対応させて保存する画像データ保存手段とを備え、前記解答の入力後、正解及び前記正否の判定結果を前記表示手段で表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定データは、少なくとも、従業員の社員番号または氏名から構成され、前記属性データは、少なくとも、職務内容と、役職と、この職務内容の経験期間または役職から初期設定される基礎ランクと、所定期間内の正答率から決定される変動ランクと、所定期間内の所要出勤数とから構成され、前記設問保存手段は、保存されている設問データに前記各属性データを対応させた設問分類テーブルを有し、前記設問自動生成手段は、前記従業員の属性データに対応する設問データをこの設問分類テーブルから、読み出して生成するものであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設問保存手段に保存されている設問データは、前記単一操作で解答可能な択一式の設問であり、各設問に解答データと解説データとを対応させて構成されているものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、各従業員の解答履歴を保存する解答履歴データ保存手段を備え、前記変動ランクは、前記従業員マスタデータから、前記所要出勤数を満たした従業員を抽出し、この抽出された従業員の解答履歴を前記解答履歴データ保存手段から読み出して正答率を算出し、算出された正答率から、所定の計算式に基づいて前記基礎ランクを下限として増減を計算する変動ランク処理手段によって決定されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、管理者が使用する管理者通信端末とインターネット網等の通信ネットワーク網を介して接続され、前記変動ランク処理手段は、計算した変動ランクが前記基礎ランクを下回る従業員がいるときに、この従業員を特定する社員番号データまたは氏名データを前記管理者通信端末に送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設問保存手段は、各設問を各設問の分野と各分野内の類似問題ごとに付するグループ番号とに対応させた設問カテゴリーテーブルを有し、前記設問自動生成手段は、この設問カテゴリーテーブルに基づいて、同一グループ番号の問題を連続で出題し、または出題しないように設定可能なものであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設問自動生成手段は、前記自動生成された設問に代えて所定の問題を割り込み出題させることが可能なものであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかにに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示手段で設問が表示されてから、前記入力手段で解答が入力されるまでの時間を計測する時間計測手段を備え、所定の時間が経過しても解答が入力されない場合には、設問の表示がキャンセルされ、前記認証手段は、この設問の表示がキャンセルされると、連続して同一の従業員の認証処理を行わないようにするものであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記認証手段で認証されると、認証時間を一時保存し、前記所定時間内に解答が入力された場合には、一時保存した時間を出勤時間として記録し、前記所定時間内に解答が入力されない場合には、一時保存した時間を消去する勤怠処理手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記撮影手段は、前記解答時の顔の撮影に加えて、前記認証手段で、前記各従業員の特定データが入力されたときにも、この特定データを入力した者の顔を撮影するように設定されているものであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記従業員マスタデータ蓄積手段には、各従業員の電子メールアドレスが登録され、前記設問保存手段に保存されている解説データは、簡易表示データと詳細表示データとから構成され、この簡易表示データは、従業員が前記入力手段で解答したときに前記表示手段で表示させるものであり、詳細表示データは、前記簡易表示データの表示手段による表示と同時に、前記通信ネットワーク網を介して解答した従業員の前記電子メールアドレスに自動的に送信されるものであることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記各解説データは、正解した従業員に対するものと、不正解だった従業員に対するものと2種類のデータから構成され、前記判定手段による正否の判定に応じて、自動的にいずれか一方の解説データを前記表示手段で表示し、かつ、前記電子メールアドレスに自動送信するものであることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
従業員別に、所定期間内における前記算出された正答率の推移データのほか、少なくとも、前記設問カテゴリーテーブルで分類されたカテゴリー別の正答率の推移データ、撮影された写真の表情推移一覧データ、前記変動ランクの推移データのいずれか一つを集計する集計手段を有することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13までのいずれかに記載の情報処理装置の各処理をASPサーバによって各情報処理装置に提供することを特徴とする情報処理システム。
【請求項15】
請求項1から請求項13までのいずれかに記載の情報処理装置を複数の店舗に設置し、各情報処理装置をクライアント端末として、前記通信ネットワーク網を介して管理サーバと通信自在に接続し、各情報処理装置は、店舗全体のカテゴリー別正答率推移データ集計処理し、この集計処理されたデータを前記通信ネットワーク網を介して前記管理サーバに送信し、管理サーバは、この集計処理された各店舗のカテゴリー別正答率推移データから、各店舗で所定値以下の正答率のカテゴリーがあったときは、前記割り込み出題をさせるために、当該カテゴリーに属する設問データを含む割り込み処理要求データをこの店舗の情報処理装置に送信し、この割り込み処理要求データを受信した情報処理装置の設問自動生成手段は、優先的にこの割り込み処理要求データに含まれる設問データから当日出題する設問データを作成するものであることを特徴とする情報処理システム。
【請求項16】
複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、教育を行うために、各従業員別に出題する設問を自動生成する情報処理方法であって、
少なくとも、各従業員に対応付けられている職務内容データ、役職データ、この職務内容の経験期間及び/または役職から初期設定される基礎ランクと所定期間内の正答率から決定される変動ランクから構成されるランクデータからなる属性データを取得し、この取得した属性データに対応する従業員の過去の解答履歴データから不正解の設問の有無を検出し、不正解の設問がある場合は、この設問を出題する設問として再設定し、不正解の設問がない場合は、あらかじめ設問と前記属性データとを対応させた設問分類テーブルから、前記取得した属性データに対応する設問データを読み出し、読み出された設問データと前記解答履歴データとを比較して、読み出された設問データが前記解答履歴データに含まれていない場合は、この設問データを前記従業員が出勤する当日の設問テーブルに書き出し、前記読み出された設問データが前記解答履歴データに含まれている場合は、再度前記取得した属性データに対応する別の設問データを読み出して前記従業員が出勤する当日の設問テーブルに書き出して、設問を自動生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
複数の従業員に対して共用のコンピュータ端末を使用して、教育を行うために、各従業員別に出題する設問を自動生成する情報処理方法であって、
前記変動ランクは、前記解答履歴データから、所定期間の各従業員の解答履歴のうち、所定回数以上の解答履歴が記録されている従業員を抽出し、この抽出された従業員の正答率を算出し、所定数値以上の正答率の従業員に対しては、前記前記基礎ランクまたは現在の変動ランクに所定のランク数を加算し、所定数値以下の正答率の従業員に対しては、前記基礎ランクを下限として現在の変動ランクから所定のランク数を減算し、各変動後のランクを最新の変動ランクとして書き換えることを特徴とする請求項16記載の情報処理方法。













【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−49628(P2010−49628A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215352(P2008−215352)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(303040183)サッポロビール株式会社 (150)
【出願人】(309003474)株式会社リーガル・リテラシー (1)
【Fターム(参考)】