説明

復元力が優秀な即席乾燥おこげの製造方法

【解決手段】本発明は、うるち米ともち米を混合して洗米して水に浸漬して、別途の工程でアマドコロ濃縮液と米澱粉を追加で投じて製造された炊飯水で炊飯して米飯を製造した後、おこげ成形器に米飯と精製水を混合しておこげを製造して、これを粉砕して遂行される即席乾燥おこげの製造方法に係り、本発明により製造されたおこげは、おこげ組織間の網状構造が発達してお湯を加えて一定時間が経過した時おこげの澱粉が多量溶出されて一定の濁度を持つことになっておこげ香りが生きていてお湯に対する復元性が優れて伝統的な家庭料理式方法で製造したおこげ汁と品質的に非常に似ていて長期間保存が可能だ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復元力が優秀な即席乾燥おこげの製造方法に係り、より具体的にはうるち米ともち米を混合して洗米して水に浸漬させて、別途の工程でアマドコロ(Polygonatum odoratum)濃縮液と米澱粉を追加で投じて製造された炊飯水で炊飯して米飯を製造した後、おこげ成形器に米飯と精製水を混合しておこげを製造して、これを粉砕して遂行される即席乾燥おこげの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的におこげ汁は、家庭でご飯を炊いた後発生したおこげに一定量の水を加えて100℃で10分以上加熱することによって製造される。
【0003】
従来おこげ汁の製造方法では、インスタント即席おこげまたは加熱後摂取する乾燥おこげ形態で製造する方法(特許文献1〜6など)が開始されていて、また、即席おこげ湯の製造方法に対する特許文献7には米または穀類混合物を自動式御飯釜で炊いた後、これをおこげ成形器を使って成形して、このおこげをぬるい水に浸漬して含水率80ないし90重量%になるようにして急速凍結乾燥した後、含水率5%以下で真空乾燥して真空包装する即席おこげ湯の製造方法が開始されている。
【0004】
また、おこげ湯を濃縮して殺菌包装して一般家庭で濃縮おこげ湯にお湯を加えておこげ湯を作ることができる濃縮おこげ湯が開始されていて(特許文献8)、水および白米と玄米を混合して140ないし180℃の温度で等しく加熱して蒸熟と煎りが同時に成り立つようにした後、自然乾燥させて製造した即席おこげ湯製品が開始されている(特許文献9)。
【0005】
既存の乾燥おこげに沸いているお湯を加えて食べる形態は、家庭食おこげ汁に比べて組織感や香りなどの味品質が大きく落ちて、乾燥おこげを水を加えて沸かして食べる場合にも上の場合よりは品質が優秀だが相変らず香りと組織感に対して不満足な品質を現わす。
【0006】
したがって既存の方式でおこげ汁を製造する場合、長期保存が不可能なだけでなく味品質に対する多くの問題点があった。
【0007】
本発明者らは、前記の課題を解決するための調査と実験を鋭意繰り返した結果、味と香りおよび組織感が優れた品質特性を充足させる本発明の製造方法を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国特許出願第10−1974−1979号
【特許文献2】大韓民国特許出願第10−1983−2843号
【特許文献3】大韓民国特許出願第10−1984−6509号
【特許文献4】大韓民国特許出願第10−1987−9919号
【特許文献5】大韓民国特許出願第10−1990−18920号
【特許文献6】大韓民国特許出願第10−1991−22412号
【特許文献7】大韓民国特許出願第10−1993−934号
【特許文献8】大韓民国特許出願第10−2003−9247号
【特許文献9】大韓民国実用新案登録出願第20−2005−3671号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、うるち米ともち米を原料としておこげを製造するということにあって網状構造の発達で復元力および味と組織感、固有の香りが優れた即席乾燥おこげの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような本発明の目的は、うるち米ともち米を原料として含水率68〜78%の米飯を製造した後米飯重量対比5〜10%の精製水を加水して混合してこれを加熱した熱版(150〜170℃)を利用して含水率7〜9%のおこげを製造して、製造されたおこげの改善された特性を確認することによって達成された。
【0011】
本発明は、即席乾燥おこげの製造方法を提供する。
【0012】
本発明にともなう即席乾燥おこげの製造方法は、うるち米ともち米を混合する段階;前記混ざり合った米を洗米して水に浸漬する段階;煎り米を熱水抽出して、その抽出液にアマドコロ濃縮液と米澱粉を追加で投じて殺菌して炊飯水を製造する段階;前記で洗米した米に炊飯水を入れて炊飯して米飯を製造する段階;おこげ成形器に前記で製造した米飯と精製水を混合した後、加熱しておこげを製造する段階;および前記で製造されたおこげを粉砕する段階からなる。
【0013】
本発明で“うるち米”とは、玄米を11分度以上搗精した米をいう。
【0014】
本発明で“乾燥おこげ”とは、白米を水洗して水に1時間浸漬してから炊飯器で水分含有量68〜78%のご飯を製造した後おこげ成形器に入れて成形した水分含有量9重量%未滿のおこげをいう。
【0015】
本発明で“洗米”とは、米を洗う工程を意味する。
【0016】
本発明で“浸漬”とは、米をふやかす工程をいう。
【0017】
以下本発明の方法を図1を参考にして各段階別に詳細に説明する。
【0018】
まず、うるち米ともち米を8:2で混合して精製水で洗って米粒の表面についている澱粉質とその他不純物などを除去した後、洗米が完了した米を1時間程度浸漬処理して、一定の容器、例えば金網笊に入れて水気を除去する。
【0019】
続いて、別途の工程で煎り米を80〜90℃で30分間精製水を使用して熱水抽出して、アマドコロ濃縮液(炊飯水基準1.2%)と米澱粉(炊飯水に対して1.5%)混合して濾過してUV殺菌して炊飯水を製造する。
【0020】
水洗が終わった米を1時間浸漬して水気を除去した後あらかじめ製造した炊飯水を使って100℃条件で40〜50分間炊飯器を利用して炊飯する。この時、最終ご飯の水分含有量は68〜78%でする。
【0021】
以後炊飯が完了したご飯に5〜10%(ご飯量対比)の精製水を加水して混合する。
【0022】
精製水と混ざり合って水分含有量が増加したご飯を150〜170℃で加熱した熱版おこげ成形器に一定量を移して平坦に広げた後10〜15分間加熱して水分含有量7〜9%未満のおこげを製造する。
【0023】
次に製造されたおこげを25℃の清潔な空間で4時間の間放置冷却させてさらに多くの水分変化が発生しないようにする。
【0024】
最後に一定の大きさ(10mm×10mm)で粉砕して即席乾燥おこげを完成する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の方法により製造された即席乾燥おこげは、内部組織に網状構造が発達して沸いているお湯を入れて料理することになれば広がり性が優れて食感がやわらかい特徴を持っている。それだけでなくおこげ固有の香りおよび濁度を作る澱粉がおこげ内部でたやすく溶出されて伝統的な家庭料理式方法で製造したおこげ汁と品質的に非常に同等で長期間保存が可能で食品産業上非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の実施例で製造したおこげの官能評価結果を示したグラフである。
【図2】図2は、本発明にともなう即席乾燥おこげ製造工程を概略的に示した工程図である。
【図3】図3は、既存方式により製造されたおこげのSEM(走査電子顕微鏡)による微細構造写真である。
【図4】図4は、本発明にともなう即席乾燥おこげのSEM(走査電子顕微鏡)による微細構造写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態を下記の実施例を介してより詳細に説明する。だが、本発明がこのような実施例に限定されるのではない。
【0028】
<実施例1>
白米200gを水で5回洗米して水に1時間の間浸漬した後、金網笊に入れて水気を除去した。
【0029】
別途の工程で煎り米を80〜90℃で30分間精製水を使用して熱水抽出して、アマドコロ濃縮液(炊飯水基準1.2%)と米澱粉(炊飯数に対して1.5%)を混合して濾過してUV殺菌して炊飯水を製造した。
【0030】
炊飯器(100℃30分間)で330gの炊飯水を入れて水分含有量68〜78%のご飯を製造した。以後精製水100〜150gを加水して混合した後150〜170℃で加熱した熱版おこげ成形器に一定量を移して平坦に広げた後10〜15分間加熱して水分含有量7〜9%未満のおこげを製造した。
【0031】
製造されたおこげを25℃で4時間の室温乾燥を経た後一定の大きさ(横×縦×高さ:15mm×10mm×5mm)に粉砕する。粉砕されたおこげ60gに100℃の沸騰水300gを入れて5分間維持しておこげ汁を製造して摂食した。
【0032】
<比較例1>
白米200gを水で5回洗米して水に1時間の間浸漬した後、金網笊に入れて水気を除去した。
【0033】
白米200gに水160gを添加して30分間加熱してご飯を製造した後、追加で10分間加熱しておこげを製造した。
【0034】
このように製造したおこげ20gとご飯20gを水230gと共に入れて10分間加熱しておこげ汁を製造して摂食した。
【0035】
<比較例2>
白米200gを水で5回洗米して水に1時間の間浸漬した後、金網笊に入れて水気を除去した。
【0036】
炊飯器(100℃30分間)で230gの精製水を入れて水分含有量55〜60%のご飯を製造した。以後精製水100〜150gを加水して混合した後150〜170℃で加熱した熱版おこげ成形器に一定量を移して平坦に広げた後10〜15分間加熱して水分含有量7〜9%未満のおこげを製造した。
【0037】
製造されたおこげを25℃で4時間の室温乾燥を経た後一定の大きさ(横×縦×高さ:15mm×10mm×5mm)に粉砕した。粉砕されたおこげ60gに100℃の沸騰水300gを入れて5分間維持しておこげ汁を製造して摂食した。
【0038】
<比較例3>
白米200gを水で5回洗米して水に1時間の間浸漬した後、金網笊に入れて水気を除去した。
【0039】
120〜130℃で加熱した熱版おこげ成形器に一定量を移して平坦に広げた後20〜30分間加熱して水分含有量7〜9%未満のおこげを製造した。
【0040】
製造されたおこげを25℃で4時間の室温乾燥を経た後一定の大きさ(横×縦×高さ:15mm×10mm×5mm)に粉砕する。粉砕されたおこげ60gに100℃の沸騰水300gを入れて5分間維持しておこげ汁を製造して摂食した。
【0041】
<実験例1>
前記の実施例1乃至4で製造したおこげ汁に対し各々官能検査を実施してその結果を下記の表1及び図1に示した。
【0042】
【表1】

【0043】
すなわち、非常に良い:5、良い:4、普通:3、悪い:2、非常に悪い:1、で評価した。
【0044】
比較例1は、伝統的な方法でおこげ汁を製造したことでおこげ汁の香ばしい香りが生きていて飯粒の組織感も優秀でおこげ汁固有の風味が最も優れた。
【0045】
実施例1は、本発明で提示した方法で即席乾燥おこげに沸いているお湯を入れて摂食する方式であり、便宜性で高い消費者嗜好性を現わした。色沢では伝統的なおこげ汁より優れたことが分かった。また、沸いているお湯に対する復元力も優秀で組織の広がり性とおこげ汁の濁度、香味が比較例2、比較例3に比べて優秀だった。
【0046】
比較例2は、即席乾燥おこげに沸いているお湯を入れて摂食する方式であり、便宜性で実施例1と同等な消費者嗜好性を現わした。しかし、おこげの十分な糊化にならなくて組織が固くて丈夫だったし、香味もおこげ固有の風味が顕著に低下することを確認することができた。
【0047】
比較例3は、比較例2より品質的により一層劣悪だったし復元力も最も遅れることが明らかになって組織が非常に固かったしおこげ香味も非常に微小だった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
うるち米ともち米を混合する段階;
前記混ざり合った米を洗米して水に浸漬する段階;
煎り米を熱水抽出して、その抽出液にアマドコロ濃縮液と米澱粉を追加で投じて殺菌して炊飯水を製造する段階;
前記で洗米した米に炊飯水を入れて炊飯して米飯を製造する段階;
おこげ成形器に前記で製造した米飯と精製水を混合した後、加熱しておこげを製造する段階;及び
前記で製造されたおこげを粉砕する段階からなる即席乾燥おこげの製造方法。
【請求項2】
前記うるち米ともち米の混合比が4:1であることを特徴とする請求項1に記載の即席乾燥おこげの製造方法。
【請求項3】
前記炊飯水の製造段階が、別途の工程で煎り米を80〜90℃で30分間精製水を使用して熱水抽出して、アマドコロ濃縮液と米澱粉を混合して濾過してUV殺菌して遂行されることを特徴とする請求項1に記載の即席乾燥おこげの製造方法。
【請求項4】
前記米飯製造段階を米飯の水分含有量が68〜78%になるように遂行することを特徴とする請求項1に記載の即席乾燥おこげの製造方法。
【請求項5】
前記おこげ製造段階が、米飯を米飯重量対比5〜10%の精製水の加水をして150〜170℃で加熱した熱版おこげ成形器により10〜15分間加熱して遂行することを特徴とする請求項1に記載の即席乾燥おこげの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−512649(P2012−512649A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542020(P2011−542020)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007824
【国際公開番号】WO2010/077034
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507421681)シージェイ チェイルジェダン コーポレーション (24)
【Fターム(参考)】