説明

循環器系危険因子及びシンドロームXを誘発する代謝性危険因子を改善するための方法及び組成物

本発明は、キサス・クアドラングラリス(Cissus quadrangularis、四角ヤブガラシ)植物からの抽出物を用い、シンドローム(症候群)Xを引き起こす種々の循環器系危険因子及び代謝性危険因子を改善又は排除する組成物及び関連する方法を提供する。コントロールされた大学での調査は、肥満のヒトに6週間毎日提供される300mgのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物が、重量損失を含む膨大な健康上の利益を提供するのに有効であり、体脂肪燃焼機構を改善し、血清セロトニンレベルを増加させ、それは食欲の抑制を引き起こし、及び過食及び/又は感情的な摂食を防ぎ、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドレベル、空腹時血糖レベル及び血圧を減少させ、及びHDL又は“良好な”コレステロールレベルを増加させる。追加の大学でのコントロールされた実験はまた、キサス・クアドラングラリス植物からの抽出物が、リパーゼ抑制、α-アミラーゼ抑制、齧歯類におけるα-グルコシダーゼ抑制の増加において有効であったこと、及びキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の大用量が齧歯類に有毒でなかったことを示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、概して、キサス・クアドラングラリス(Cissus quadrangularis、四角ヤブガラシ)植物からの抽出物を用いる組成物及び関連する方法に関し、シンドローム(Syndrome、症候群)Xを引き起こすことが既知の種々の循環器系の(cardiovascular)危険因子及び代謝性の危険因子を改善し、及び様々な関連する健康上の利益を提供する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の記載)
シンドロームX(又は代謝性症候群)は、よく知られた症候群であり、それは、肥満、循環器系の(cardiovascular、心血管系)疾病及びインスリン抵抗性又は糖尿病を持つことによって規定されることが多い。American Heart Association(アメリカン・ハート・アソシエーション)(AHA)は、ヒトにおけるシンドロームXが代謝性の危険因子の群によって特徴付けられることを指し示している。より一層詳しくは、AHAは次の代謝性の危険因子をシンドロームXに関与するとして認めた:
1. 腹部肥満(腹部内及び周りの過剰な脂肪組織)
2. アテローム生成の脂質代謝異常(血液脂肪疾患(blood fat disorders)-高トリグリセリド、低HDLコレステロール及び高LDLコレステロールであり-それは動脈壁におけるプラーク発達を育成する)
3. 高められた血圧
4. インスリン抵抗性又は耐糖能障害(glucose intolerance)(体はインスリン又は血糖を正しく用いることができない)
5. プロトロンビンの状態(例は、血液における高フィブリノーゲン又はプラスミノーゲン活性化因子インヒビタ-1)
6. 炎症誘発性(Proinflammatory)の状態(例は、血液における高められたC-反応性タンパク質)。
【0003】
(http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=4756参照)
AHA及び他はまた、シンドロームXを有する人々が、冠動脈心疾病の増加した危険、及び動脈壁におけるプラーク発達に関連する他の疾病(例は、脳卒中(stroke )及び末梢血管の疾病)及びタイプ2の糖尿病を持つことを承認した。不運にも、シンドロームXは米国において益々ありふれたものになっている。AHAは、米国成人の約20-25パーセント(50ミリオン(50,000,000)人を超えるアメリカ人)がシンドロームXを持つと見積もっている。
【0004】
AHAはまた、シンドロームXについての支配的な根底にある危険因子が腹部肥満及びインスリン抵抗性であると思われることを示した。インスリン抵抗性は全身性の(generalized)代謝性の疾患であり、そこでは、体がインスリンを効率的に使用できない。これはなぜシンドロームXがまたインスリン抵抗性症候群と称されるかの理由である。シンドロームXについての他の代謝性の危険因子には、物理的な不活発(運動不足)、加齢及びホルモンの不均衡が含まれる。
【0005】
不運にも、若干の人々は、遺伝的にインスリン抵抗性に罹り易い。後天的な代謝性の危険因子、余分な体脂肪及び物理的な不活発のようなものが、これらの人々においてインスリン抵抗性を引き出し、及びシンドロームXを招くことがある。遺伝的にインスリン抵抗性に罹り易く及び、その結果として、後天性(acquiring)シンドロームXに罹り易い個体にとって、インスリン抵抗性及びシンドロームXを引き起こすと考えられる代謝性の危険因子を改善し、制御し、又は排除することが特に重要である。インスリン抵抗性を有するほとんどの人々が腹部肥満を持つと思われる。したがって、腹部肥満が、インスリン抵抗性及びシンドロームXを引き起こす際に、他の代謝性の危険因子より大きな役割を演じる場合があると思われる。腹部肥満が、全体的な重量損失及びBMIの減少によって制御され、又は減らされ得ることはよく知られている。
【0006】
不運にも、現在では、分子レベルでのインスリン抵抗性の生物学的機構及び如何にして一定の代謝性の危険因子がインスリン抵抗性及びシンドロームXを引き起こすのに働くかは、十分に理解されておらず、及び複雑であると考えられる。同様に、現在、シンドロームXの生物学的機構はまた、複雑であり、及び十分に理解されていない。
【0007】
目下、シンドロームXを診断するための普遍的-受入れ規準が存在しない。AHAは、National Cholesterol Education Program(米国ナショナル・コレステロール・エデュケーション・プログラム) (NCEP) Adult Treatment Panel(アダルト・トリートメント・パネル) III (ATP III)によって提案される規準が、シンドロームXを診断するための最も新しく、及び広く用いられる規準であると認める。
【0008】
加えて、AHA及びNational Heart, Lung, and Blood Institute(米国ナショナル・ハート、ラング、アンド・ブラッド・インスティテュート)は、シンドロームX又は代謝性症候群が3種又はそれよりも多くの次の代謝性の危険因子の存在によって識別され、又は診断されることを推奨する:
1. 隆起したウエスト(elevated waist)の周囲によって測定される中心性肥満:
男性-40インチ(102cm)に等しい、又はそれよりも大きい
女性-35インチ(88cm)に等しい、又はそれよりも大きい
2. 高められたトリグリセリド:
150mg/dLに等しい、又はそれよりも高い
減少したHDL (“良好”)のコレステロール:
男性-40mg/dLよりも少ない
女性-50mg/dLよりも少ない
3. 高められた血圧:
130/85mm/Hgに等しい、又はそれよりも高い
4. 高められた空腹時ブドウ糖:
100mg/dLに等しい、又はそれよりも高い。
【0009】
(http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=534を参照)。
それに応じ、これらの及び関連する代謝性の危険因子の制御及び改善は、シンドロームXの発現(onset、発症)を防止し、及びそれを処置する。AHAは、シンドロームXを引き起こす多重の代謝性の危険因子を修飾することから最も多い利益を得るために、根底にあるインスリン抵抗性の状態が療法の標的にならなければならず、及び過重量及び肥満の人々においてインスリン抵抗性を減らすのに、最も安全で、最も有効で、及び好ましいやり方が、重量損失及び増加した物理的な活発性を介していることを指し示している。AHAはまた、患者及びそれらの医者にとっても重要であるシンドロームXを管理するための他の工程には、次のものが含まれることを指し示した:
1. 定期的に、体重(特に中心性肥満についての指標)、血液グルコース(ブドウ糖)、リポタンパク質及び血圧を監視すること。
2. 確立された指針に従い個々の危険因子(高脂血症、高血圧症(hypertension)及び高血液グルコース)を処置すること。
3. 異なる薬剤がインスリンの感受性上に異なる効果を持つので、注意深く抗-高血圧症の薬物を選ぶこと。
【0010】
(http.7/www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=534を参照)。
それに応じ、これらの、及びシンドロームXを引き起こす関連する代謝性の危険因子を改善し、及びそれにより排除することは、シンドロームXの進行を防止し、処置し、及び制御する有効なやり方である。
【0011】
ほとんどのアメリカ人を発効させる関連する条件は循環器系の疾病である。実際、循環器系の疾患は、合衆国において男性及び女性の双方の第1位の死因(number one killer)である。冠状動脈心疾病は、5人のアメリカ人の1人がそれの若干の形態を持つと見積もられるほど流行する。また、1.1ミリオン(11,000,000)人ほどの多くのアメリカ人が冠状動脈の発作を今年持ち、及びそれらの約3分の1がその発作がもとで死ぬと見積もられる。
【0012】
AHAは、制御され、又は処置される冠状動脈心疾病及び脳卒中についての共通の循環器系の危険因子には、高総コレステロール(240mg/dL又はそれよりも多い)、高トリグリセリドレベル(血液脂肪、150mg/dL又はそれよりも高い)、高LDLコレステロールレベル(100mg/dLよりも多い)、低HDLコレステロールレベル(男性について40mg/dLよりも少なく; 女性について50mg/dLよりも少ない)、高血圧(135/85mm/Hg又はより一層高い)、喫煙、糖尿病、物理的な不活発及び過重量(25.1から30.0までのBMI)又は肥満(30.0又はより一層高いBMI)が含まれる。(http://strokeassociation.org/presenter.jhtml?identifier=3027394及びhttp://strokeassociation.org/presenter.jhtml?identifier=4716を参照、それらを参考として本明細書に組込む)。これらの循環器系の危険因子が循環器系の疾病及び死を引き起こすことがよく受け入れられる。したがって、循環器系の疾病を防止し、又は処置し、及び死を長引かせるための努力において、これらの及び関連する循環器系の危険因子の改善及び排除が非常に望ましい。
【0013】
種々の処置が創作され、種々の冠状動脈の軽症を引き起こす処置可能な循環器系の危険因子、及びシンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善し、及び排除することを標的とされる。不運にも、これらの処置のどれも、循環器系の危険因子(高められた総コレステロール、トリグリセリド、LDLコレステロール、血圧、減じられたHDLコレステロール、糖尿病及び過重量又は肥満であること)又は代謝性の危険因子(肥満、高められたトリグリセリド、空腹時ブドウ糖レベル及び血圧及び減じられたHDL、)で、シンドロームXを引き起こすもののいずれかを、それらが有意に改善され、又は排除されるような程度までに改善し、又は排除することにおいて及び、代謝性の危険因子の場合に、シンドロームXが防止され、又は処置されるもので、特に有効であることが示されなかった。加えて、既知の処置は、管理するのに難しいことが多く、重大で、及び望ましくない副作用を引き起こし、及び時間にわたって段々有効でなくなる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、よく知られた循環器系の危険因子及びシンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善し、又は排除する組成物及び関連する方法が必要である。加えて、追加の健康上の利益を提供する組成物及び関連する方法で、制限されないが、脂肪燃焼機構を増強又は改善すること、食欲抑制を提供すること及び過食及び感情的な摂食(emotional eating)を防止すること、リパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンの抑制を増加させること、それによって望まれない食餌の脂肪、炭水化物(糖質)、砂糖(糖)及びタンパク質の吸収をブロックすることがそれぞれ含まれ、必要である。本発明はこれら及び他の関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
簡潔に、及び一般的な関係において、1例として、及び制限としてでなく、本発明の1種の局面は、キサス・クアドラングラリス植物からの抽出物を用いて、循環器系の危険因子及びシンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善又は排除し、それによってシンドロームXを防止又は処置する優れた組成物及び関連する方法に属する。加えて、1例であり、及び制限のないものとして、本発明の別の局面は、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用いて、少なくとも1種の循環器系の危険因子又はシンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善又は排除することに存在する。
【0016】
1例で及び制限なしに、本発明のまだ別の局面は、哺乳類に、有効量のキサス・クアドラングラリス抽出物を提供し、哺乳類に、1種又はそれよりも多くの次の利益を提供する(1)増加した重量損失及び減少したBMI、(2)増加又は改善した脂肪燃焼機構、(3)食欲抑制及び過食及び/又は感情的摂食の防止、(4)増加したリパーゼ抑制、それによる望まない食餌脂肪の吸収の阻止、(5)増加したα-アミラーゼ抑制、それによる望まない糖質の吸収の阻止、(6)増加したα-グルコシダーゼ抑制、それによる望まない糖の吸収の阻止、(7)増加したトリプシン抑制、それによる望まないタンパク質の吸収の阻止、(8)減少した総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドレベル又は血圧、(9)増加したHDL又は“良好な”コレステロールレベル、(10)減少した空腹時血糖レベル、(11)増加したクレアチニンレベル及び(12)シンドロームXの防止又は処置。
【0017】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の局面は、1種又はそれよりも多いキサス・クアドラングラリス植物からの有効量の抽出物を含有する組成物を用い、哺乳類において1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善することに関する。
【0018】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量で、組成物において用いられるもの、及び哺乳類に提供させるものは好ましくは、1日に100mgから900mgまで、より一層好ましくは、200mgから400mgまで及び最も好ましくは300mgである。
【0019】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物は、哺乳類において、次の1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善し、及びそれによってそれを排除することができる: (1)過重量又は肥満、(2)高総コレステロール、(3)高LDLコレステロール、(4)低HDLコレステロール、(5)高血圧、(6)高トリグリセリドレベル、及び(7)高空腹時血糖レベル。
【0020】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物を用い、哺乳類において、重量及びBMIを減少させること、総コレステロールレベルを低下させること、LDLコレステロールレベルを減少させること、HDLコレステロールレベルを増加させること、全血圧(overall blood pressure)を減少させること、トリグリセリドレベルを低下させること; 空腹時血糖レベルを低下させること、血清セロトニンレベルを低下させること、及びクレアチニンレベルを増加させることによって、循環器系の危険因子を改善又は排除する。
【0021】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物抽出物を用い循環器系の危険因子を改善又は排除することが、シンドロームXを防止又は処置する。
【0022】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、シンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を、キサス・クアドラングラリス植物抽出物を用い改善又は排除することが、シンドロームXを防止又は処置する。
【0023】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物抽出物を含有する組成物を、哺乳類に対して提供し、1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善又は排除し、及び主張(claim)を、組成物が、哺乳類において、1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善又は排除することについて行う。
【0024】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用い、哺乳類において、重量、総コレステロール、LDLコレステロール、血圧; トリグリセリドレベル; 及び空腹時血糖レベルを減じ、及びHDLコレステロールレベル、血清セロトニンレベル及びクレアチニンレベルを増加させることによって循環器系の危険因子を改善する。
【0025】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用い、哺乳類において、シンドロームXを引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善する。
【0026】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用い、哺乳類において、余分な重量又は肥満を減じ、高総コレステロール及び高LDLコレステロールを低め、低HDLコレステロールを上げ、高血圧、高トリグリセリドレベル、及び高い空腹時血糖レベルを低める。
【0027】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用い、重量及びBMIを減じること、総コレステロールレベルを低めること、LDLコレステロールレベルを減じること、HDLコレステロールレベルを増やすこと、全血圧を減じること、トリグリセリドレベルを低めること; 及び空腹時血糖レベルを低めることによって、代謝性の危険因子を改善する。
【0028】
本発明のまだ別の詳細な局面において、キサス・クアドラングラリス植物の抽出物を用い、シンドロームXの代謝性の危険因子を改善又は排除することは、シンドロームXの発現を処置又は防止する。
【0029】
本発明のまだ別の詳細な局面において、組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物を哺乳類に対して提供し、シンドロームXを引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除し、及び組成物又は組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物が哺乳類においてシンドロームX又はシンドロームXを引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除するという請求を行う。
【0030】
本発明のまだ別の詳細な局面において、組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物を用い、哺乳類において、重量、総コレステロール、LDLコレステロール、血圧、トリグリセリドレベル、及び空腹時血糖レベルを減じ、及びHDLコレステロールレベル、血清セロトニンレベル及び尿の脂肪代謝物を増加させる。
【0031】
1例で及び制限なく、本発明のまだ別の詳細な局面において、組成物のキサス・クアドラングラリス植物抽出物を用い、重量を減じること、総コレステロールレベルを減少させること、LDLコレステロールレベルを減少させること、HDLコレステロールレベルを増加させること、血圧を減少させること、トリグリセリドレベルを減少させること、及び空腹時血糖レベルを減少させることによって、シンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善する。
(図面の簡単な記載)
(図面の簡単な説明)の項に移す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(好適例の詳細な記載)
キサス・クアドラングラリスはセイロン島及びインドのより一層熱い地方(parts)で原産のブドウ科(Vitaceae)の族の古くからの薬用植物である。それは、数世紀の間、特定の薬用及び料理用の目的に使用された。より一層詳しくは、それは、一般的な強壮剤(トニック)及び鎮痛剤として、古くからのアーユルベーダの(Ayurvedic)のテキストにおいて、特定の骨折の治癒特性を有して規定された。現代の研究は、キサス・クアドラングラリスの骨の治癒を加速する能力において、それが糖質コルチコイドのアンタゴニストとして振舞うことを示すことによって若干の光を発した。同化/アンドロゲンの化合物が糖質コルチコイドに対するアンタゴニストとして振舞い、並びに骨の成長及び骨折の治癒を促進することがよく知られているので、キサス・クアドラングラリスが同化/アンドロゲンの特性を保有することが要求された。
【0033】
骨治癒の再形成処理の加速に加え、キサス・クアドラングラリスがまた骨の引張り強さにおける著しくより一層速い増加を導くと思われる。臨床試験研究は、キサス・クアドラングラリスの有効な量が、骨折治癒時間を対照(コントロール)と比較したとき、55%から33%までだけ減少させたことを示した。キサス・クアドラングラリスが抗-糖質コルチコイドの特性を発揮する追加の証拠は、骨がコルチゾルでの処置により弱められた多数の調査によって示唆され、及び有効量のキサス・クアドラングラリスの管理(投与)により、コルチゾル誘導された弱化が止められ、及び治癒過程が始まった。
【0034】
調査は、骨の治癒の高められた速度が慢性の骨粗そう症のような疾病を患う人に対して著しく有意であり得ることを示す一方、キサス・クアドラングラリスの抗-糖質コルチコイド特性は、平均的ボディビルダ又は運動選手にとって大いに興味深い可能性があり、それは、内因性の糖質コルチコイド、特にコルチゾルが、骨に対して異化であるだけでなく、しかし、その上、筋肉組織を異化するからである。数年にわたる膨大な調査は、グルコルチコイド(glucorticoids、糖質コルチコイド)で、体の内因性ホルモンのコルチゾルを含むものが、骨だけでなく、しかしその上、骨格筋組織も劣化する経路を活性化することを示唆している。1種の出版された報告は、糖質コルチコイド(コルチゾルを含む)が、いわゆるユビキチン-プロテアソーム経路のタンパク質分解を活性化することによって、筋肉の分解をいかに誘導するかを文書化した。組織分解のこの経路は、損傷され、及び非-機能的なタンパク質を除去するのに重要である。しかし、それが、高められたコルチゾルの期間の間に過敏であるとき(例は、疾病状態、ストレス、及び過剰訓練(overtraining))、余分な量の正常組織がまた破壊される。同化の、抗グルコルチコイドの効果を発揮することによって、キサス・クアドラングラリスは、物理的、及び感情的なストレスの時の間に筋肉組織の保存を助けることができる。
【0035】
シンドロームXを引き起こす循環器系の危険因子及び代謝性の危険因子を改善又は排除する組成物及び関連する方法を見出すための努力において、本発明者等は、キサス・クアドラングラリス抽出物を含む組成物の、多様な循環器系及び代謝性の危険因子及び他の関連する健康上の因子上での効果を研究した。特に、本発明者等は、キサス・クアドラングラリス抽出物の効果的な非-毒性の量が(1)重量及びBMI、(2)脂肪燃焼機構、(3)食欲抑制及び過食及び/又は感情的摂食、(4)リパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンの抑制(4)総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール及びトリグリセリドレベル及び血圧、(5)空腹時血糖で、哺乳類におけるもの、及び(6)クレアチニンレベルに効果を持ち、それらのすべてが循環器系又は代謝性の危険因子であり、又は他の健康上の関連する利益を提供する。
【0036】
加えて、本発明者等の試験によるキサス・クアドラングラリス植物抽出物の組成物が哺乳類において安全であることを確かにするため、本発明者等は、比較的非常に多い投与量のキサス・クアドラングラリス植物抽出物の毒性をげっ歯類モデルにおいて試験した。とりわけ、本発明者等は、キサス・クアドラングラリス抽出物の大投与量の急性及び亜-急性の毒性についての大学によるコントロールされた二重盲検調査を予め形成し、それはクレイムした発明の組成物及び関連する方法がげっ歯類モデルにおいて有毒でなく、及びヒトの消費にとって安全であったことを示した。
【0037】
キサス・クアドラングラリスのような植物からの抽出物を得る方法が普通であり、及びよく知られている一方、以下のすべての実験及び研究の知見のためのキサス・クアドラングラリス抽出物は、抽出処理によって得られ、それは、抽出物を用いる植物の空中部分の水性の水抽出物であり: 乾燥した植物の比での1: 4から1: 15までであり、キサス(ツタ)植物の季節的な収穫によって依存する。処理プロセスは、殺菌及び更に活性成分の精製のために生蒸気を用いる。次いで、抽出物に噴霧乾燥又はドラム乾燥のいずれかをし、標準化した抽出物を生成し、それは2.5%未満のケト-ステロイドしか含まず、紫外/可視の光(UV/VIS)検出機を用いる高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)により確認される。
【実施例】
【0038】
以下は本発明の組成物及び方法に関する実験及び研究の知見の概要である。本発明の方法及び組成物は、(1)シンドロームXを防止及び制御し、(2)重量損失を増加し、及びBMIを減少させ、(3)脂肪燃焼を、尿脂肪代謝物、マロンジアルデヒドの排出を増加させることによって改善し、(4)血清セロトニンレベルを増加させ、それが食欲抑制及び過食及び/又は感情的摂食の防止の利益を提供し、(5)リパーゼ抑制を増加させ、それにより望まない食餌脂肪の吸収を阻止し、(5)α-アミラーゼ抑制を増加させ、それにより望まない糖質の吸収を阻止し、(6)α-グルコシダーゼ抑制を増加させ、それにより望まない糖の吸収を阻止し、(7)総コレステロールレベルを、健康的なコレステロールレベルを有する肥満の対象体において減少させ、(8)LDLコレステロールレベルを、健康的なコレステロールレベルを有する肥満の対象体において減少させ、(9)トリグリセリドレベルを、健康的なトリグリセリドレベルを有する肥満の対象体において減少させ、(10)HDL又は“良好な”コレステロールレベルを、健康を備える肥満の対象体において増加させ、(11)空腹時血糖レベルを、肥満の対象体のコレステロールレベルにおいて減少させ、(12)血圧を減少させ、及び(13)クレアチニンレベルを増加させる。本発明の方法及び組成物によって提供されるこれらの及び他の利益が、肥満、糖尿病、冠状血管心疾病及びシンドロームXの防止、及び発現及び進行の制御において援助することは理解されるべきである。シンドロームX、インスリン-抵抗性の条件は、肥満、糖尿病及び心臓疾病の誘導において原因となる役割を演じると考えられる。
(リパーゼ抑制)
【0039】
キサス・クアドラングラリス抽出物がリパーゼ抑制活性を提供し、及び従って脂質(脂肪(fats))の吸収を阻止するかどうかを定めるため、本発明者等は、キサス・クアドラングラリスの10mg/mLの水性及びエタノール性の抽出物の動態及び終点抑制を試験した。MGTの酵素アッセイキットを、Liodakis(リオダキス), A.、Drew(ドリュウ), J.、Chan(チャン), R.、及びSawyer(ソイヤ)による1991年の論文で、“Spectrofluorometric determination of lipase activity(リパーゼ活性の分光蛍光分析決定).”と題されたものにおいて記述される方法と共に用いた(Biochem Internat(バイオケミストリ・インターナショナル)の23(5): 825-834)。
【0040】
図2は、キサス・クアドラングラリス抽出物の10mg/mLのリパーゼ抑制活性を、Orlistat(オルリスタット)(ZenicalTM(ゼニカル(XenicalTM)(商標))としてRoche(ロッシュ社)が販売する)で、リパーゼインヒビタ(抑制剤)として振舞い、よく知られ、及び普及した重量損失薬物であるものの10mg/mLのそれと比較した棒グラフの形態での本発明者等の実験の結果を示す。キサス・クアドラングラリス抽出物は、有意(重要)な動態及び終点のリパーゼ抑制を提供した。キサス・クアドラングラリス抽出物が、ゼニカルのものに似たリパーゼ抑制性活性を提供する一方で、キサス・クアドラングラリスがオルリスタットと関連する任意の共通の副作用又は薬物の相互作用を持たないことに注目するのは重要である。オルリスタットに関連する若干の副作用には、鼻、のど又は洞の感染、脂肪質の便通、ガスが通るときの便の放出、制御できない便通、直腸からの油性の漏れ、油性の便、及びシクロスポリンに似た薬物との相互作用が含まれる。それに従い、キサス・クアドラングラリスの有効量は有意なリパーゼ抑制性活性を提供し、及び脂質の吸収を、一般にリパーゼ抑制性薬物と関連する副作用をもたらさないで防ぐ。
(アミラーゼ抑制)
【0041】
キサス・クアドラングラリス抽出物がα-アミラーゼ抑制性活性を提供し、それが糖質の吸収を阻止し、及び血糖を管理するのに働くかどうかを定めるため、本発明者等は、キサス・クアドラングラリスの水性及びエタノール性の抽出物のα-アミラーゼの活性における動態及び終点の抑制調査を実行した。α-アミラーゼ(Amylase)(EC 3.2.1.1)(1,4-アルファ-D-グルカングルカノヒドロラーゼ)、Sigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ社)から入手したもの(A 4268)を参照として用い、及び100%の活性を表した。キサス・クアドラングラリスの種々の画分を用い、抑制の活性の百分率(パーセント)を定めた。1978年のKikumoto(キクモト)の論文で“An improved assay method for amylase activity using an amylodextrin fraction as substrate(基質としてアミロデキストリンを用いるアミラーゼ活性のための改良アッセイ法)”と題されるものにおいて記述される方法を用いた(Carbohydrate Research(カーボハイドレート・リサーチ)61: 369-375)。図3は、キサス・クアドラングラリスのl0mg/mLのα-アミラーゼ抑制性活性を、アカルバロース(Acarbalose、アカルボース(Acarbose))の10mg/mLに比較して、棒グラフの形態において、本発明者等の実験の結果を示す。図3の棒グラフにおいて示す結果は、キサス・クアドラングラリス抽出物が有意なα-アミラーゼ抑制性活性を提供し、アカルバロースのアミラーゼ抑制性活性に類似することを実証する。
(グルコシダーゼ抑制)
【0042】
キサス・クアドラングラリス抽出物がα-グルコシダーゼ抑制性活性を提供し、それがグルコース(6-炭糖)の吸収を阻止するかどうかを定めるため、本発明者等は、キサス・クアドラングラリスの水性及びエタノール性の抽出物の酵母α-グルコシダーゼの活性における終点の抑制調査を実行した。α-グルコシダーゼ(Glucosidase)(EC 3.2.1.1)は、末端の1,4-連結α-D-グルコースの残基を、連続的にマルトオリゴ-の非-還元性端部から加水分解し、及びβ-D-グルコースの放出を伴ってより一層小さい範囲の多糖にまで触媒する。酵素のほとんどの形態は緩徐に1,6-α-D-グルコシド結合を加水分解することができる。図4の棒グラフの結果が示すように、キサス・クアドラングラリス抽出物は、有意なα-グルコシダーゼ抑制性活性を示し、グルコースの吸収の阻止を指し示す。α-グルコシダーゼの活性をキサス・クアドラングラリス画分の存在及び不存在の下で測定し、活性の抑制の範囲を定めた。
(トリプシン抑制)
【0043】
キサス・クアドラングラリス抽出物がトリプシン抑制性活性を提供し、それがアルギニン及びリジンの残基でタンパク質の分解の防止を指し示すかどうかを定めるため、本発明者等は、キサス・クアドラングラリスの抽出物の終点の抑制調査を実行した。ウシ膵臓からのトリプシン(Trypsin)(EC 3.4.21.4)を、Sigma-Aldrichから入手した(T 4665)。活性の抑制を、キサス・クアドラングラリスの抽出物について、標準抑制剤を用いるSigma-Aldrich(T 0256)からのトリプシンインヒビタ及び連続的な分光光度法の速度決定を用いて定め、抑制を定めた。
【0044】
図3は、キサス・クアドラングラリス抽出物が唾液及び膵臓のα-アミラーゼの双方の活性を抑制することを示す。抑制の種類は、アミラーゼ-種類特異的であることが見出され、唾液のアミラーゼは、非-競争的なやり方において抑制され(抑制剤及び基質が酵素の分子に同時に結合する)、その一方、膵臓のアミラーゼの抑制は、不可逆的抑制であった(抑制剤が化学的に酵素の構造を修飾し; 還元速度での酵素の機能性を修飾したと思われる)。それに応じ、キサス・クアドラングラリス抽出物の有効量は、有意なα-アミラーゼ抑制性活性を提供し、それは、糖質の吸収を阻止し、及び血糖の管理を助ける。
(循環器系及び代謝性の危険因子におけるヒトの調査)
【0045】
キサス・クアドラングラリス植物抽出物のヒトにおける効果を定めるために、大学でのコントロールされ、無作為化された、二重盲検の、プラセボ-コントロールされた調査を、Yaounde(ヤウンデ)Iの大学、Cameroon(カメルーン国)、Department of Biochemistry(生化学の部門)で行った。さらに詳しくは、実験は、キサス・クアドラングラリス抽出物の300mgの効果(2種の150mgの投与量で朝及び夕方管理(投与)された)を6週間、60名の中等度に肥満のヒト対象体の体重、肥満度指数、脂肪損失、脂肪代謝物、血液脂質、空腹時血糖、血清セロトニン及びクレアチニンにおいて定めた。ビト対象体は食餌において制限されないが、しかし感覚的に食べるように頼まれた。穏やかな運動は推薦されたが、監視はしなかった。図15において示す表は実験の結果を示し、それらは6週間管理されたキサス・クアドラングラリス抽出物の300mgが、体重、肥満度指数、脂肪損失、脂肪代謝物、血液脂質、空腹時血糖、血清セロトニン及びクレアチニンレベルを改善し、それが著しいことが多いことを実証した。図1-2、7-14及び19は、各々が棒グラフ(又は図19の場合においては図表(チャート))を示し、図15の表において挙げた変数(variables)のそれぞれについて、キサス・クアドラングラリス補給の調査の結果を伴う。したがって、300mgのキサス・クアドラングラリス抽出物が、循環器系の危険因子及びシンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善し、及び関連する健康上の利益を提供するのに用いることができると理解すべきである。
(安全性調査)
【0046】
キサス・クアドラングラリス植物抽出物が安全であるかどうかを定めるため、本発明者等は非常に多い投与量のキサス・クアドラングラリス植物抽出物の毒性における独立した大学での調査を実行した。研究の結果は、以下に詳しく記載し、及び図17において示すが、死亡(mortality、死亡率)又は毒性効果を示さなかった。加えて、ラットにおける経口投与によって試験されたキサス・クアドラングラリスのLD50が12gm/kg体重よりも多く、又は(すなわち)ヒトに対し推奨される投与量のおよそ32,000倍であるので、ヒトのための推奨される投与量は有毒でない。
(急性毒性-死亡を伴わないLD50>12g/kg)
【0047】
キサス・クアドラングラリス抽出物の大用量が急性毒性を招かないのを確実にするため、Hayes(ヘイズ)の1987年の論文で“Guidelines of Acute Oral Toxicity Testings(急性経口毒性試験の指針)”と題するものの185頁に記述され、the In Principles and Methods of Toxicology(毒性学の原理及び方法)、2nd Edition(第2版)(Raven Press Ltd(レーブン・プレス社),. New York(ニューヨーク所在))において見出される方法及びプロトコルを用い、急性毒性実験を実行した。より一層詳しくは、マウスを6匹のマウスの3つの群にそれぞれ分けた。グループ1はコントロール群で、及びグループ2及び3は試験群であった。グループ1は、コントロール群として役立ち、1日に蒸溜された水の経口投与量を与えた。2種の試験群は各々所定の1日の経口投与量の8g/kg又は12g/kgのキサス・クアドラングラリスの粉体抽出物を蒸溜された水の0.5mLにおいて溶解して与えた。
【0048】
急性毒性学の実験は2週間遂行されたので、それらは、亜-急性毒性もこれらのレベルで問題がないことを実証することを理解すべきである。任意の死亡があるかどうか見るために、調査を2週の完全な週の間行った。動物を1時間連続的な基礎の下で、キサス・クアドラングラリスの摂取後に観察し、及びしかる後に半時間の間隔で次の7時間、行動上の活性における任意の変化について、及び次いで各12時間毎に次の2週間、任意の死亡について観察した。Miller(ミラー)及びTainter(テインタ)(1944年)の論文で、“Estimation of the LD50 and its error by means of Logarithmic-probit graph paper(LD50の評価及びその対数-プロビットグラフ紙による誤差)”と題するものにおいて記述する方法(Proceedings of the Society for Experimental Biology And Medicine at 57:261-264(実験生物学及び薬についての会報、57: 261-264))を用いLD50を定めた。図16は、2種の群で各々キサス・クアドラングラリスの水性抽出物の8g/kg及び12g/kgを供給したもの、及びコントロール群についてのパーセントとしての重量における変化の図表を示す。
(亜-急性毒性)
【0049】
高用量のキサス・クアドラングラリスが亜-急性毒性を招かないのを確かにするため、特定の亜-急性毒性実験を実行した。より一層詳しくは、雄性及び雌性のWistar Albino rats(ウィスタ・アルビノ・ラット)を、各12匹のラットの3つの群、及び標識化群A、B及びCに分けた。グループAは、コントロール群として役立たせ、及び14日の実験期間中蒸溜された水を与えた。グループB及びCは試験群として役立たせ、及び実験期間中所定の1日の経口投与量のキサス・クアドラングラリスを与えた(それぞれ4g/kg及び8g/kgの水性抽出物)。
【0050】
各群からの6匹のラットを、次いで日に14の頚部脱臼(cervical dislocation)によって犠牲にし(亜-急性毒性)、及び血液を断頭によって生化学的なアッセイのために収集した。より一層詳しくは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(アミノ基移転酵素)(AST)及びアラニンアミノ基転移酵素(ALT)の活性を定める試験を、Reitman(ライトマン)及びFrankel(フランケル)の1957年の論文で、“A colorimetric method for the determination of serum glutamate oxaloacetate and pyruvate transaminase(血清グルタミン酸オキザロ酢酸及びピルビン酸アミノ基転移酵素の決定のための比色分析法)”と題するもので、American Journal of Clinical Pathology 28:56-63(アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・パソロジ 28: 56-63)において見出されるものにおいて記述される方法を用いて実行した。同様に、クレアチニンレベルを、Hare(ヘーア)の1950年の論文で、“Endogenous creatinine in serum and urine(血清及び尿における内因性クレアチニン)”と題するもので、the Proceedings of the Society for Experimental Biology and Medicine at 74: 148において見出されるものにおいて記述される方法を用いて測定した。加えて、肝臓、腎臓、心臓及び肺の試料を、10%のホルマリンにおいて、組織病理学的調査のため、“Techniques Histologiques: Masson et Cie editeurs(テクニック・ヒストロジック: マソン・エト・キュ編)”120、Boulevard Saint Germaine(ブルーバード・セント・ジャーメーン)、Paris(仏国、パリ所在) at pp 87, 128, 243 (Gabe(ゲイブ) 1968)において記述の方法を用いて収集した。パラフィン断面はヘマトキシリン及びエオシン(H&E)を用い、及び顕微鏡的に(Leitz Wetzlar Germany(ライツ・ウェッツラ・ドイツ)染色し、及び25Xの拡大での顕微鏡を使用して検査した。図18は組織病理学的調査の結果の2種の概略図表を、雄性及び雌性のラットについて別々に示し、それらは、コントロール群及び実験群の間の有意な差異を示さない。
【0051】
実験データを、分散分析(ANOVA)を採用することによって分析した。Duncan(ダンカン)の多重範囲試験を用い、平均間の有意な差異を定めた。統計分析システム(SAS)のパッケージをこの目的のために用いた。
【0052】
図17は本発明者等の生化学的アッセイの結果を要約する図表であり、それは、アスパラギン酸アミノ基移転酵素(ASAT)及びアラニンアミノ基転移酵素(ALAT)の活性を定める。図17の概略図表として実証されるように、8g/kgのキサス・クアドラングラリスの投与量で、亜-急性毒性は、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アルカリホスファターゼ又はクレアチニンについて見出されなかった。図17は、8g/kgのキサス・クアドラングラリスの投与量がクレアチニンレベルの有意な差異を招き、キサス・クアドラングラリスにおけるケト-ステロイドの筋肉増強(muscle building)効果を表す。増加したクレアチニンレベルは毒性を示唆するに足りるほど高くなかった。毒性のすべての他のパラメータは有意な変化を示さなかった。これらの試験結果に加え、キサス・クアドラングラリスの安全性は、更にそれがU.S. Department of Agriculture's(米国農務省の)食用植物のリストにおいて挙げられて確認され、その茎はアジア及びアフリカ中で数世紀の間、料理用野菜として消費され、及びそれが既知の薬物の相互作用を示さないと思われる。
【0053】
本発明の組成物及びキサス・クアドラングラリス抽出物が概して栄養学上の原材料として多種多様な補給剤(supplements)及び栄養補助(nutraceutical)食糧及び飲料生成物として用いることができることは理解されるべきである。
【0054】
本発明の上述の詳細な記載は、例証の目的として提供するもので、及び網羅的であること又は本発明を開示する特定の具体例に制限することを意図しない。具体例は、用いる構成によって本発明のキーとなる特長を実践するのに異なる性能及び利益を提供することができる。それに応じ、本発明の範囲は次の請求の範囲によってだけ規定させる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】2種の棒グラフを示し、及びそれらに伴うデータ図表(チャート)はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られるBMIにおける%減少及び重量における減少を測定する実験の結果を実証する。
【図2】l0mg/mLのキサス・クアドラングラリス抽出物及びl0mg/mLのオルリスタット(Orlistat)のパーセントでの動態及び終点のリパーゼ抑制活性を実証する棒グラフである。
【図3】10mg/mLのキサス・クアドラングラリス抽出物及び10mg/mLのアカルボース(Acarbose)のパーセントでの動態及び終点のα-アミラーゼ抑制活性を実証する棒グラフである。
【図4】1mg/mLのキサス・クアドラングラリス抽出物及び1mg/mLのナリンゲニン(Naringenin)のパーセントでの終点のα-グルコシダーゼ抑制を実証する棒グラフである。
【図5】1mg/mLのキサス・クアドラングラリス抽出物及び1mg/mLのダイズトリプシンインヒビタのパーセントでの終点のトリプシン抑制を実証する棒グラフである。
【図6】キサス・クアドラングラリス抽出物を他のよく知られた抑制性化合物と比べた抑制活性を要約する図表である。
【図7】ヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる尿の脂肪代謝物マロンジアルデヒドにおける平均%増加を測定する実験の結果を実証する棒グラフである。
【図8】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる空腹時血糖における平均%減少を測定する実験の結果を実証する。
【図9】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる血清セロトニンにおける平均%増加を測定する実験の結果を実証する。
【図10】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる総コレステロールにおける平均%変化を測定する実験の結果を実証する。
【図11】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られるトリグリセリドにおける平均%減少を測定する実験の結果を実証する。
【図12】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られるLDLコレステロールにおける平均%減少を測定する実験の結果を実証する。
【図13】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られるHDLコレステロールにおける平均%変化を測定する実験の結果を実証する。
【図14】棒グラフであり、及び付随するデータ図表はヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られるクレアチニンレベルにおける平均%増加を測定する実験の結果を実証する。
【図15】ヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる種々の循環器系及び代謝性の危険因子上の効果を測定する実験の結果を実証する概要の図表である。
【図16】8g/kg及び12g/kgのキサス・クアドラングラリス抽出物の投与量が齧歯類に対して2週間与えられ、急性毒性が定められたとき、重量における%変化を測定する実験の結果を実証する棒グラフである。
【図17】4g/kg及び8g/kgのキサス・クアドラングラリス抽出物補給の効果が齧歯類において亜-急性毒性を定める種々の生化学的パラメータ上に持つことを測定する実験の結果を実証する図表である。
【図18】8g/kgのキサス・クアドラングラリス抽出物を補給した雄性及び雌性の齧歯類及び亜-急性の組織病理学を定める対照(コントロール)群から収集した器官の相対的重量を測定する実験の結果を実証する2種の図表である。
【図19】ヒトの群が6週の300mg/日のキサス・クアドラングラリス抽出物の補給又はプラセボを受け取ったときに得られる収縮期血圧における平均減少を測定する実験の結果を実証する図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類において1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善するための組成物であって:
1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物で、哺乳類において1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善するのに有効な量を含有する、組成物。
【請求項2】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が100mgから900mgまでのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項1の組成物。
【請求項3】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が200mgから400mgまでのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項1の組成物。
【請求項4】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が300mgのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項1の組成物。
【請求項5】
組成物が哺乳類において次の1種よりも多くの循環器系の危険因子:
a. 重量又はBMI(肥満度指数、body mass index)
b. 総コレステロール
c. LDLコレステロール
d. HDLコレステロール
e. 血圧
f. トリグリセリドレベル; 及び
g. 空腹時血液グルコースレベル
を改善する、請求項3の組成物。
【請求項6】
組成物が循環器系の危険因子を:
a. 重量及びBMIを減らすこと;
b. 総コレステロールレベルを低下させること;
c. LDLコレステロールレベルを減らすこと;
d. HDLコレステロールレベルを増やすこと;
e. 全血圧を減らすこと;
f. トリグリセリドレベルを低下させること; 及び
g. 空腹時血液グルコースレベルを低下させること
によって改善する、請求項3の組成物。
【請求項7】
1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善することが、更にシンドロームXを処置し、又はシンドロームXの発現を防止する、請求項5の組成物。
【請求項8】
組成物が更に、シンドロームXを引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を排除することによってシンドロームXを処置し、又はシンドロームXの発現を防止する、請求項6の組成物。
【請求項9】
循環器系の危険因子を改善又は排除するための方法であって:
a. 1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物の有効量を含有する組成物を、哺乳類に対して、1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善又は排除するように提供する工程; 及び
b. 組成物が哺乳類において1種又はそれよりも多くの循環器系の危険因子を改善又は排除することを主張する工程
を備える、方法。
【請求項10】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に100mgから600mgまでである、請求項9の方法。
【請求項11】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に200mgから400mgまでである、請求項9の方法。
【請求項12】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に300mgである、請求項9の方法。
【請求項13】
キサス・クアドラングラリス植物の抽出物が、哺乳類において、重量、総コレステロール、LDLコレステロール、血圧; トリグリセリドレベル; 及び空腹時血液グルコースレベルを減少させること、及びHDLコレステロールレベルを増加させることによって、循環器系の危険因子を改善又は排除する、請求項11の方法。
【請求項14】
組成物が、少なくとも3種の循環器系の危険因子を、次の:
a. 重量の減;
b. 総コレステロールレベルにおける減少;
c. LDLコレステロールレベルにおける減少;
d. HDLコレステロールレベルにおける増加;
e. 血圧における減少;
f. トリグリセリドレべルにおける減少; 及び
g. 空腹時血液グルコースレベルにおける減少で哺乳類でのもの
h. 尿の脂肪代謝物を増やすこと; 及び
i. 血清セロトニンレベルを増やすこと
の3種又はそれよりも多くのものが起こるようにさせることによって改善又は排除する、請求項12の方法。
【請求項15】
シンドロームXを哺乳類において引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除するための組成物であって:
1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物の有効量を含有し、シンドロームXを哺乳類において引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除する、組成物。
【請求項16】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が100mgから900mgまでのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項15の組成物。
【請求項17】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が200mgから400mgまでのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項15の組成物。
【請求項18】
組成物におけるキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が300mgのキサス・クアドラングラリス植物の抽出物を哺乳類に対し1日に提供する、請求項15の組成物。
【請求項19】
組成物が哺乳類において次の1種よりも多くの代謝性の危険因子:
a. 肥満
b. 高総コレステロール
c. 高LDLコレステロール
d. 低HDLコレステロール
e. 高血圧
f. 高トリグリセリドレベル; 及び
g. 高空腹時血液グルコースレベル
を改善又は排除する、請求項17の組成物。
【請求項20】
組成物が代謝性の危険因子を:
a. 重量及びBMIを減らすこと;
b. 総コレステロールレベルを低下させること;
c. LDLコレステロールレベルを減らすこと;
d. HDLコレステロールレベルを増やすこと;
e. 全血圧を減らすこと;
f. トリグリセリドレベルを低下させること; 及び
g. 空腹時血液グルコースレベルを低下させること
によって改善又は排除する、請求項17の組成物。
【請求項21】
1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除することが、シンドロームXを処置し、又はシンドロームXの発現を防止する、請求項19の組成物。
【請求項22】
シンドロームXを引き起こす代謝性の危険因子を改善又は排除するための方法であって:
a. 1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物の有効量を含有する組成物を、哺乳類に対して、シンドロームXを引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除するように提供する工程; 及び
b. 組成物がシンドロームX又はシンドロームXを哺乳類において引き起こす1種又はそれよりも多くの代謝性の危険因子を改善又は排除することを主張する工程
を備える、方法。
【請求項23】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に100mgから600mgまでである、請求項22の方法。
【請求項24】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に200mgから400mgまでである、請求項22の方法。
【請求項25】
哺乳類に対して提供される組成物においてキサス・クアドラングラリス植物の抽出物の有効量が1日に300mgである、請求項22の方法。
【請求項26】
キサス・クアドラングラリス植物の抽出物が、哺乳類において、重量、総コレステロール、LDLコレステロール、血圧; トリグリセリドレベル; 及び空腹時血液グルコースレベルを減少させ、及びHDLコレステロールレベル、血清セロトニンレベル及び尿の脂肪代謝物を増加させる、請求項24の方法。
【請求項27】
組成物が、シンドロームXを引き起こす少なくとも3種の代謝性の危険因子を、次の:
a. 重量を減じること;
b. 総コレステロールレベルを減らすこと;
c. LDLコレステロールレベルを減らすこと;
d. HDLコレステロールレベルを増やすこと;
e. 血圧を減らすこと;
f. トリグリセリドレベルを減らすこと; 及び
g. 空腹時血液グルコースレベルを減らすことであって、哺乳類においてのもの
によって改善又は排除する、請求項24の方法。
【請求項28】
哺乳類における任意の組合せのリパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシン(tyrpisin)を抑制するための組成物であって:
1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物で、哺乳類において任意の組合せのリパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンを抑制するのに有効な量を含有する、組成物。
【請求項29】
哺乳類における任意の組合せのリパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンを抑制するための方法であって:
a. 1種又はそれよりも多くのキサス・クアドラングラリス植物からの抽出物の有効量を含有する組成物を、哺乳類に対して、哺乳類における任意の組合せのリパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンを抑制するように提供する工程; 及び
b. 組成物が哺乳類における任意の組合せのリパーゼ、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ及びトリプシンを抑制することを主張する工程
を備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2008−543745(P2008−543745A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511487(P2008−511487)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/062592
【国際公開番号】WO2007/101066
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(507336329)ゲートウェイ ヘルス アライアンセズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】