説明

微孔性膜の製造方法及び装置

【課題】製造ラインを高速化することのできる微孔性膜の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】微孔性膜44の製造装置10は、走行する帯状支持体20上に微孔性膜形成用のドープを流延塗布するダイ18と、流延塗布によって帯状支持体20上に形成された液膜を凝固させる凝固部26とを備える。凝固部26は、帯状支持体20上の液膜に向けて凝固液を噴射する噴射口76A〜78Aを有するノズルユニット76〜78と、ノズルユニット76〜78に凝固液を供給するポンプ80とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微孔性膜の製造方法及び装置に係り、特に製薬工業、食品工業、電子工業、原子力工業などの分野で用いられるポリスルホン系の微孔性膜の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬工業、食品工業などの分野では、0.1〜5μm程度の微粒子や菌を除去するために微孔性膜が用いられる。この微孔性膜は一般に、セルロースエステル、脂肪族ポリアミド、ポリフルオロカーボン、ポリスルホン、ポリプロピレン等を原料として製造される。
【0003】
微孔性膜には、微孔の孔径が膜厚方向に均一な対称膜と、孔径が膜厚方向に変化する非対称膜とがある。特許文献1には、膜の内部に最小孔径層を有する微孔性膜を製造する方法が記載されている。この微孔性膜は、膜の表面の孔径が内部の孔径よりも大きいので、濾過抵抗が小さく、且つ、微粒子や菌の補足効率が高い。また、特許文献1の微孔性膜は、その表面を欠損しても濾過性能が劣化せず、常に高い濾過性能を維持することができる。このような微孔性膜は、たとえばカートリッジに組み込まれて使用される(特許文献2参照)。
【0004】
微孔性膜の製造は、特許文献1に記載されるように、まず、微孔性膜形成用のドープが支持体上に流延されて、支持体上にドープの液膜が形成される。次いで、この支持体上の液膜を調湿エアに接触させる。これにより、支持体上の液膜は、表面から内部に向かってコアセルベーションを起こして、微細なコアセルベーション相を液膜の表面から内部に形成する。この液膜をさらに、凝固槽内の凝固液に浸漬することによって、液膜の溶媒が溶けて凝固液に置換される溶媒置換が行われる。これにより、前述のコアセルベーション相が微細孔として固定されると同時に、液膜の相分離によって微細孔以外の細孔が形成され、微孔性膜が形成される。
【0005】
ところで、上述した凝固槽の内部では、液膜中の溶媒が溶けて凝固液に置換されるため、凝固液の濃度が徐々に低下する一方で溶媒の濃度が徐々に上昇し、液膜中における溶媒置換反応が徐々に遅くなるという問題があった。このため、従来は、凝固槽内の凝固液を循環させて入れ換えることによって、凝固液の濃度が低下することを防止していた。
【特許文献1】特開昭63−139930号公報
【特許文献2】特開2002−224539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、凝固槽内の凝固液を入れ換えても、液膜の近傍では凝固液の濃度が局所的に低下するので、溶媒置換反応が遅くなる。このため、従来の製造装置は、液膜を凝固液に浸漬する凝固時間を長く設定する必要があり、製造ラインを高速化することができないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、製造ラインを高速化することのできる微孔性膜の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、走行する支持体上に微孔性膜形成用のドープ(調製した塗布液)を流延塗布することによって前記支持体上に前記ドープの液膜を形成する流延塗布工程と、前記流延塗布工程で形成した前記支持体上の液膜を凝固させて微孔性膜を形成する凝固工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、前記凝固工程は、前記支持体上の液膜に向けて凝固液を噴射することによって該凝固液を前記液膜に接触させ、前記液膜を凝固させることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、凝固液を空中で噴射することによって支持体上の液膜に接触させるので、液膜に常に高濃度の凝固液(すなわち溶媒濃度の低い凝固液)を接触させることができる。したがって、液膜中における溶媒置換反応の進行速度が大きくなるので、凝固工程の時間を短縮することができ、製造ラインを高速化することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記支持体の走行方向において複数箇所で前記凝固液を噴射するとともに、噴射箇所ごとに前記凝固液の噴射流量を制御することを特徴とする。請求項2の発明によれば、凝固液の噴射箇所ごとに凝固液の噴射流量を制御するようにしたので、凝固液を無駄に消費することなく、凝固反応を早めて凝固工程を短縮することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は請求項1又は2の発明において、前記凝固液を前記支持体の液膜に対して斜め方向に噴射することを特徴とする。請求項3の発明によれば、凝固液を液膜に対して斜め方向に噴射するので、液膜に接触した後の凝固液が液膜面に対して斜め方向に反射し、液膜の液切れが良くなる。よって、液膜に凝固液が残りにくくなるので、新たに凝固液を噴射することによって、常に高濃度の凝固液を液膜に接触させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記支持体の走行方向において複数箇所で前記凝固液を噴射するとともに、前記凝固液の噴射箇所同士の間で、前記支持体にエアを吹きつけることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、凝固液の噴射箇所同士の間でエアを支持体に吹きつけるようにしたので、液膜に付着した凝固液を吹き飛ばすことができる。したがって、請求項4の発明によれば、液膜に凝固液が残りにくくなるので、新たに凝固液を噴射することによって、常に高濃度の凝固液を液膜に接触させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれか1の発明において、前記支持体を斜め方向に又は鉛直方向に走行させ、該斜め方向又は鉛直方向に走行する支持体に前記凝固液を噴射することを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、斜め方向又は鉛直方向に走行する支持体に凝固液を噴射するようにしたので、液膜に凝固液が残りにくくなり、新たな凝固液を噴射した際に高濃度の凝固液を液膜に接触させることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は請求項1〜5のいずれか1の発明において、前記凝固液をエクストルージョン型のダイを用いて前記支持体の液膜に向けて吐出することにより、前記凝固液を前記液膜に接触させることを特徴とする。請求項6の発明によれば、エクストルージョン型のダイを用いて凝固液を吐出するので、液膜に凝固液を安定して接触させることができ、均等な凝固反応を得ることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は請求項1〜5のいずれか1の発明において、前記支持体をローラの外周面に巻きかけるとともに、該ローラの外周面に形成した複数の噴射口から前記凝固液を噴射することにより、前記凝固液を前記液膜に接触させることを特徴とする。請求項7の発明によれば、ローラの外周面に設けた複数の噴射口から凝固液を噴射するので、液膜に広い範囲で凝固液を接触させることができ、安定した凝固反応を得ることができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は前記目的を達成するために、走行する支持体上に微孔性膜形成用のドープを流延塗布することにより前記支持体上に前記ドープの液膜を形成する流延塗布装置と、前記流延塗布装置で形成された前記支持体上の液膜を凝固させて微孔性膜を形成する凝固装置と、を有する微孔性膜の製造装置において、前記凝固装置は、前記支持体上の液膜に向けて形成された噴射口と、該噴射口に凝固液を供給する凝固液供給手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、凝固液を噴射して液膜に接触させるので、液膜には常に高濃度の凝固液(すなわち溶媒濃度の低い凝固液)が接触される。したがって、本発明によれば、液膜における溶媒置換の反応速度が大きく、微孔性膜の製造速度を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下添付図面に従って本発明に係る微孔性膜の製造方法及び装置の好ましい実施形態について説明する。
【0020】
図1は本実施の形態における微孔性膜の製造装置の構成を模式的に示している。同図に示す溶解タンク12は、微孔性膜形成用のドープを調製するタンクであり、この溶解タンク12の内部で、膜形成用のポリマーが溶媒に溶解されてドープが調製される。溶解タンク12にはジャケット14が取りつけられており、このジャケット14に熱媒体を循環させることによって、溶解タンク12内のドープが一定温度に保持される。
【0021】
溶解タンク12内のドープは、その温度及び溶解状態が安定した状態で、送液ポンプ16によって塗布装置のダイ18に送られる。そして、ドープは、ダイ18の先端から帯状支持体20に向けて連続的に吐出される。
【0022】
帯状支持体20は、たとえばポリエステルフィルムから成り、ロール状に巻回されて巻戻ローラ22に装着されている。帯状支持体20は、巻戻ローラ22から巻き戻され、ドラム24に巻きかけられて支持される。そして、この帯状支持体20は、後述の凝固部26のガイドローラ28、28にガイドされた後、ガイドローラ30、剥離ローラ32を経て、巻取ローラ34によってロール状に巻回される。
【0023】
前述のダイ18から吐出されたドープは、ドラム24に巻きかけ支持された帯状支持体20上に流延塗布される。これにより、帯状支持体20の表面にドープの液膜(後に微孔性膜44となる膜)が形成される。
【0024】
ドープの液膜が形成された帯状支持体20は、まず、調湿ゾーン36を鉛直に下方向に走行する。調湿ゾーン36は、そのケーシング38が、ドラム24から凝固槽26までの帯状支持体20の液膜側表面を覆うように形成されている。また、調湿ゾーン36の内部は、調湿されたエアが帯状支持体20の走行方向に(すなわち下方に向けて)送風されている。具体的には、調湿ゾーン36の上部に調湿エアの給気口36Aが設けられ、調湿ゾーン36の下部に調湿エアの排気口36Bが設けられる。給気口36Aと排気口36Bには、循環ダクト40が接続されており、この循環ダクト40に空調機42が設けられる。空調機42は、排気口36Bからエアを吸引し、このエアの温湿度を調節した後、給気口36Aに送気する。これにより、所定の温室度に調節された調湿エアが調湿ゾーン36に送気され、調湿ゾーン36の内部が所定の温湿度に維持される。
【0025】
なお、調湿エアは、温度15〜60℃で、相対湿度10〜80%、風速0.2〜4m/secの範囲内で調節することが好ましい。また、調湿ゾーン36では、帯状支持体20の表面の液膜が、調湿エアに2〜17秒間、曝されることが好ましい。
【0026】
調湿ゾーン36を通過することによって帯状支持体20上の液膜は、表面から内部に向かってコアセルベーションを起こし、微細なコアセルベーション相を液膜の表面から内部に形成する。すなわち、調湿ゾーン36では、空気中から非溶媒蒸気(たとえば水分)を吸収せしめる一方で溶媒を蒸発させ、表面近傍にのみ相分離状態を作り出すので、後述の凝固部26で微孔性膜を形成した際に、膜の内部に微細孔を形成し、膜の表面に比較的大きな細孔を形成することができる。
【0027】
調湿ゾーン36を通過した帯状支持体20は、凝固部26のガイドローラ28、28にガイドされて走行した際に、後述のノズルから噴射された凝固液に接触する。凝固液としては、ドープのポリマーに対して非溶媒であり、且つ、ポリマーの溶媒に相溶性を有する液(たとえば水)が好ましい。この凝固液に接触することによって、帯状支持体20の表面の液膜は、溶媒が溶けて凝固液に置換され、溶媒置換が行われる。そして、調湿ゾーン36で形成されたコアセルベーション相を微細孔として固定させると同時に、液膜の相分離によって微細孔以外の細孔を形成し、微孔性膜44が形成される。
【0028】
微孔性膜44は帯状支持体20に密着した状態で凝固部26の後段に導出される。そして、剥離ローラ32によって帯状支持体20が微孔性膜44から剥離され、剥離後の帯状支持体20が巻取ローラ34に巻き取られる。
【0029】
一方、剥離後の微孔性膜44は、フィードローラ46を駆動することによって走行し、水洗槽48に導入される。水洗槽48の内部には、水洗液中にターンバー50、50…が設けられており、このターンバー50、50…によって微孔性膜44がガイドされる。そして、微孔性膜44が水洗槽48内の水洗液中を走行することによって、微孔性膜44に付着した溶媒等が洗い落とされる。
【0030】
水洗後の微孔性膜44は、乾燥室52に送られる。乾燥室52には、乾燥ドラム54、54…が設けられており、この乾燥ドラム54、54…に巻きかけられることによって微孔性膜44が乾燥される。
【0031】
乾燥後の微孔性膜44は、濡れ剤の塗布室56に送られる。塗布室56には、濡れ剤の調製タンク58が設けられており、この調製タンク58によって濡れ剤が調製される。濡れ剤としては、食品や医薬品に混入しても安全であり、且つ、水に容易に洗浄除去可能な材料が好ましい。たとえばポリビニルピロリドン及びその誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びそれらの誘導体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びそれらの誘導体などの親水性ポリマーは、安全性が高く、濡らし効果が高く、且つ水洗で容易に洗い落とせるので好ましい。同様の理由から、炭素数が6〜24のアルキルスルホン酸塩及び蔗糖高級脂肪酸エステルなどの界面活性剤も好ましい。このアルキルスルホン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好ましく、蔗糖脂肪酸エステルの脂肪酸は、炭素数は6〜24が好ましい。
【0032】
調製タンク58内の濡れ剤は、不図示のポンプによってチューブ60を介して送液される。チューブ60の先端には、フェルト等から成るハケ部材62が設けられており、このハケ部材62が、ガイドローラ64、64にガイドされた微孔性膜44の幅方向の両端部に接触するようになっている。これにより、微孔性膜44の幅方向の両端部に濡れ剤が塗布される。
【0033】
濡れ剤の塗布量としては、たとえばポリビニルピロリドン及びその誘導体の場合、1〜6g/mが好ましく、2〜4g/mがより好ましい。メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びそれらの誘導体の場合には0.1〜1g/mが好ましく、0.2〜0.6g/mがより好ましい。界面活性剤の場合には、0.05〜0.1g/mが好ましく、0.1〜0.3g/mがより好ましい。塗布する位置は、膜のそれぞれの端から数ミリメートルだけでよい。
【0034】
なお、濡れ剤の塗布方法は、上記の方法に限定されるものではなく、たとえば、濡れ剤をスポンジや布に染み込ませたものを微孔性膜44に接触させることによって塗布したり、ビードコータ、グラビアコータ、バーコータなどの既知の塗布方法で塗布したりしてもよい。
【0035】
濡れ剤が塗布された微孔性膜44は、濡れ剤の乾燥室66に送られる。乾燥室66には、無接触搬送ドラム68、68が設けられており、このドラム68、68の外周面には、エアを吹き出す多数の孔が設けられる。微孔性膜44は、このドラム68、68に巻きかけられることによって、無接触で支持されて搬送され、微孔性膜44の表面の濡れ剤が乾燥処理される。
【0036】
濡れ剤が乾燥した微孔性膜44は、所定の温湿度に調節された調整室70内をガイドローラ72、72…にガイドされて走行した後、巻取室74に送られてロール状に巻き取られる。
【0037】
次に本発明の特徴部分である凝固工程について説明する。図2は、凝固工程の第1の実施形態を模式的に示す構成図である。同図に示すように、凝固部26は、帯状支持体20の下側(液膜側)に配置された三個のノズルユニット76、77、78を備える。各ノズルユニット76〜78には、凝固液の供給ライン79が接続されており、この供給ライン79を介してポンプ80、凝固液タンク81に接続されている。したがって、ポンプ80を駆動することによって凝固液タンク81内の凝固液(たとえば水)が供給ライン79を介して各ノズルユニット76〜78に供給される。
【0038】
ノズルユニット76の上面には複数の噴射口76A、76A…が設けられており、ノズルユニット76に供給された凝固液は各噴射口76A、76A…から上方の帯状支持体20に向けて噴射される。複数の噴射口76A、76A…は、帯状支持体20の幅方向に配列されており、各噴射口76A、76A…から凝固液が噴射されることによって、帯状支持体20の幅方向全体に凝固液が接触するようになっている。
【0039】
ノズルユニット77、78は、ノズルユニット76と同様に構成される。すなわち、ノズルユニット77の上面には、帯状支持体20の幅方向に配列された複数の噴射口77A、77A…が設けられ、この噴射口77A、77A…から凝固液が上方に向けて噴射される。また、ノズルユニット78の上面には、帯状支持体20の幅方向に配列された複数の噴射口78A、78A…が設けられ、この噴射口78A、78A…から凝固液が上方に向けて噴射される。
【0040】
上述したノズルユニット76〜78は、帯状支持体20の走行方向において均等な間隔で配置されている。したがって、帯状支持体20の液膜は、各ノズルユニット76〜78の噴射口76A〜78Aから噴射された凝固液に、三回にわたって接触される。
【0041】
なお、ノズルユニット76〜78の個数は三個に限定されるものではなく、二個以下、又は四個以上であってもよい。また、各ノズルユニット76〜78の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、帯状支持体20の下面(液膜面)に凝固液を帯状支持体20の幅方向全体に噴射するように構成されていればよい。したがって、ノズルユニット76〜78に複数の噴射口76A〜78Aを幅方向に配列する代わりに、幅方向にスリット状の噴射口を設けてもよい。
【0042】
なお、図2の符号82は、ノズルユニット76〜78の下方を囲むようにして設けられた回収容器であり、この回収容器82によって、ノズルユニット76〜78から噴射された凝固液及び置換後の溶媒が回収される。
【0043】
上記の如く構成された凝固部26によれば、帯状支持体20の液膜は、まず、ノズルユニット76から噴射された凝固液に接触される。これにより、液膜中の溶媒が溶けて凝固液に置換される。そして、溶けた溶媒を含む凝固液は、下方に落ちて帯状支持体20から離れ、回収容器82に回収される。
【0044】
次に、液膜は、ノズルユニット77から噴射された凝固液に接触される。その際、新たな凝固液(すなわち、溶けた溶媒を含まない凝固液)が液膜に接触されるので、液膜中の溶媒置換が速い速度で進行する。
【0045】
次いで、液膜は、ノズルユニット78から噴射された凝固液に接触される。その際にも、新たな凝固液(すなわち、溶けた溶媒を含まない凝固液)が液膜に接触されるので、液膜中の溶媒置換が速い速度で進行する。
【0046】
このように本実施の形態によれば、帯状支持体20上の液膜が常に新しい凝固液(すなわち溶けた溶媒を含まない凝固液)に接触するので、凝固液と溶媒との置換反応が速くなり、微孔性膜44の形成時間を短縮することができる。よって、凝固工程の時間を短縮することができるので、製造ラインを高速化することが可能となる。
【0047】
図3は凝固工程の第2の実施形態を模式的に示す構成図である。同図に示す第2の実施形態は、各ノズルユニット76、77、78に供給する凝固液の流量を可変できるようになっている。すなわち、ノズルユニット76、77、78はそれぞれ、凝固液の供給ライン79A、79B、79Cに接続されており、この供給ライン79A、79B、79Cにそれぞれポンプ80A、80B、80Cが配設される。したがって、各ポンプ80A、80B、80Cの吐出量を制御することによって、各ノズルユニット76、77、78に供給する凝固液の流量を調節することができる。凝固液の流量は、帯状支持体20の走行方向の上流側に配置されたノズルユニットほど、流量が大きくなるように制御される。すなわち、ノズルユニット76への流量が最も大きく、ノズルユニット78への流量が最も小さくなるように制御される。これにより、凝固液が多量に必要な凝固工程の前半において凝固液を多量に供給して凝固反応を確実に行うとともに、凝固工程の後半において無駄な凝固液の供給を無くして凝固液の消費量を減少させることができる。
【0048】
なお、上述した第2の実施形態は、ポンプ80A〜80Cの吐出量を調節することによって、凝固液の流量を調節したが、弁部材を用いて流量を調節するようにしてもよい。また、流量の制御方法は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば、ノズルユニット76とノズルユニット77を同じ流量にしたり、最下流のノズルユニット78だけ流量を大きくして微孔性膜44の洗浄を図ったりしてもよい。
【0049】
また、上述した第2の実施形態は、各ノズルユニット76〜78を共通の凝固液タンク81に接続したが、これに限定するものではなく、別々の凝固液タンクに接続してもよい。この場合、温度や濃度の異なる凝固液を各ノズルユニット76〜78から噴射するようにしてもよい。
【0050】
図4は凝固工程の第3の実施形態を模式的に示す構成図である。同図に示す第3の実施形態は、帯状支持体20の走行方向に対して、各ノズルユニット76、77、78の下流側にそれぞれ、エア噴射ユニット86、87、88が設けられている。各エア噴射ユニット86、87、88には、エアの給気ライン89が接続されており、この給気ライン89に配設されたファン90を駆動することによって、各エア噴射ユニット86、87、88にエアが給気される。各エア噴射ユニット86、87、88の上面にはそれぞれ、帯状支持体20の幅方向に配列された噴射口86A、87A、88Aが設けられており、エア噴射ユニット86、87、88に給気されたエアが噴射口86A、87A、88Aから上方の帯状支持体20の下面(液膜面)に向けて噴射される。したがって、帯状支持体20の液膜面に付着した凝固液を、帯状支持体20の液膜面から吹き飛ばすことができる。
【0051】
上記の如く構成された第2の実施形態によれば、各ノズルユニット76、77、78の下流側にエア噴射ユニット86、87、88を設けたので、各ノズルユニット76、77、78から噴射した凝固液をエア噴射ユニット86、87、88によって帯状支持体20の液膜面から取り除くことができる。したがって、溶けた溶媒を含む凝固液を液膜面から完全に取り除いて、新たな凝固液(すなわち溶けた溶媒を含まない凝固液)だけを液膜に接触させることができ、凝固工程をさらに短縮させることができる。
【0052】
なお、上述した第3の実施形態の場合にも、各ノズルユニット76〜78から噴射する凝固液の流量を調節してもよい。また、それに応じて、各エア噴射ノズル86〜88から噴射するエアの流量を調節してもよい。
【0053】
図5は凝固工程の第4の実施形態を示す平面図であり、図6は図5の6−6線に沿う断面図である。図5に示すように、第4の実施形態のノズルユニット76、77、78は、帯状支持体20の走行方向に対して斜めに配置されており、噴射口76A、77A、78Aが帯状支持体20の走行方向に対して斜めに配列されている。また、図6に示すように、ノズルユニット76の噴射口76Aは、帯状支持体20の幅方向に、且つ、帯状支持体20の下面(液膜面)に対して斜め方向に噴射するように構成されている。なお、ノズルユニット77の噴射口77A、ノズルユニット78の噴射口78Aも同様に構成される。
【0054】
上記の如く構成された第4の実施形態は、帯状支持体20の下面(液膜面)に対して斜め方向に凝固液が噴射されるので、液膜に接触した凝固液は、帯状支持体20の幅方向に流れる。また、各噴射口76A、77A、78Aが帯状支持体20の走行方向に対して斜め方向に配列されているので、噴射口76Aから噴射されて帯状支持体20の下面(液膜面)に接触した凝固液は、下流側になるほど、帯状支持体20の幅方向の端部に徐々に押し出される。したがって、第4の実施形態によれば、帯状支持体20の下面(液膜面)における凝固液の液切れが良くなり、帯状支持体20の下面(液膜面)に多量の凝固液が付着したまま帯状支持体20が走行することを防止できる。
【0055】
図7は凝固工程の第5の実施形態を示す側面図である。同図に示す第5の実施形態は、凝固部26において帯状支持体20が斜め上方に走行するようになっている。すなわち、帯状支持体20の走行方向に対して下流側(図7の右側)のガイドローラ28が上流側(図7の左側)のガイドローラ28よりも上方に配置されており、このガイドローラ28、28にガイドされて帯状支持体20が走行するようになっている。ノズルユニット76、77、78は、斜め上方に走行する帯状支持体20に向けて凝固液を噴射するように構成される。
【0056】
上記の如く構成された第5の実施形態によれば、ノズルユニット76、77、78から噴射された凝固液が帯状支持体20の下面(液膜面)に接触する際、その帯状支持体20が斜め上方に走行しているので、液膜と接触した後の凝固液は、帯状支持体20の下面に付着したまま下流側に運ばれにくくなる。したがって、溶けた溶媒を含む凝固液が液膜面から落ちて取り除かれるので、常に新たな凝固液(すなわち溶けた溶媒を含まない凝固液)を液膜に接触させることができ、凝固工程をさらに短縮させることができる。
【0057】
なお、上述した第5の実施形態は、帯状支持体20を斜め上方に走行させるようにしたが、鉛直上方に走行させるようにしてもよい。この場合にも、鉛直上方に走行する帯状支持体20の液膜面に向けて凝固液を噴射することによって、液膜面に接触した凝固液が液膜面から払い落とされやすくなるので、常に新たな凝固液を液膜に接触させることが可能となり、凝固工程を短縮することができる。
【0058】
図8は凝固工程の第6の実施形態を示す側面図である。同図に示す第6の実施形態は、エクストルージョン型のダイ92、92から凝固液を吐出することによって、凝固液を帯状支持体20の液膜面に接触させるように構成される。すなわち、所定の間隔で配置されたガイドローラ28、28、28に対して、ダイ92、92がガイドローラ28、28同士の中間位置で且つ帯状支持体20を挟んでガイドローラ28の反対側に配置されている。各ダイ92には、凝固液が供給されるポケット93と、このポケット93に連通されて凝固液を上方の帯状支持体20の下面(液膜面)に向けて吐出するスリット94とが設けられている。
【0059】
上記の如く構成された第6の実施形態によれば、ダイ92、92から凝固液を吐出して帯状支持体20に接触させるので、エクストルージョン塗布と同様に、帯状支持体20の液膜の全面において安定した液量の凝固液を接触させることができる。これにより、帯状支持体20上の液膜の全面において、均一な凝固反応を生じさせることができ、全面において均一な孔径の微孔性膜44を形成することができる。
【0060】
なお、上述した第6の実施形態は、二個のダイ92、92を用いて凝固液を吐出するようにしたが、ダイ92の個数は一個でも三個以上であってもよい。また、上述した第6の実施形態において、エクストルージョン型のダイ92に代えて、他の塗布方式(たとえばバーコーターなど)の塗布ヘッドを用いてもよい。さらに、ダイ92などの塗布ヘッドと、上述したノズルユニット76〜78と組み合わせて使用してもよい。
【0061】
図9は凝固工程の第7の実施形態を示す側面図であり、図10は図9の液吐出ローラを示す斜視図である。これらの図に示す第7の実施形態は、ガイドローラ28、28、28が一定の間隔で配置されており、このガイドローラ28、28の中間位置で且つ帯状支持体20を挟んでガイドローラ28の反対側に吐出ローラ96、96が設けられている。吐出ローラ96は、図10に示すように、円筒状に形成されており、一方の側面に凝固液の供給口96Aが設けられるとともに、他方の側面(不図示)が封止されている。また、吐出ローラ96の外周面には多数の貫通孔96A、96A…が形成され、吐出ローラ96の内部に供給された凝固液が貫通孔96A、96A…から外部に向けて噴射される。貫通孔96A、96A…は、帯状支持体20がラップする範囲α(図9参照)の外周面において、均等に(たとえば千鳥状に)配置されている。したがって、貫通孔96A、96A…から噴射した凝固液によって、帯状支持体20が吐出ローラ96に無接触で搬送される。その際、帯状支持体20の下面(液膜面)と吐出ローラ96の外周面との間に凝固液膜が形成されるので、帯状支持体20の液膜と凝固液とを接触させることができる。
【0062】
上記の如く構成された第7の実施形態によれば、吐出ローラ96から吐出された新しい凝固液(すなわち、溶けた溶媒を含まない凝固液)を帯状支持体20の下面(液膜面)に接触させるようにしたので、凝固反応を早めて凝固工程を短縮することができる。
【0063】
以下に、本発明で用いられる微孔性膜形成用のドープについて説明する。ドープには、膜形成用ポリマーが含まれており、このポリマーを、良溶媒、または良溶媒と非溶媒の混合溶媒、若しくはポリマーに対する溶解性の異なる複数種の溶媒の混合液に溶解することによって作製される。
【0064】
ポリマーの種類は特に限定するものではなく、微孔性膜の用途等に合わせて選択される。たとえば、ポリマーとして、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーのケン化物、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、オルガノシロキサン−ポリカーボネートコポリマー、ポリエステルカーボネート、オルガノポリシロキサン、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズィミダゾール等をあげることができる。
【0065】
また、溶媒は、ポリマーの種類等によって異なるが、凝固液に速やかに置換されるものが好ましい。多くの場合、凝固液として、水及び/又は水に相溶する有機溶媒が使用されるので、凝固液と相溶性のある極性溶媒を使用することが好ましい。たとえば、膜形成用ポリマーがポリスルホンの場合、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、或いはこれらの混合溶媒が用いられる。また、ポリマーがポリアクリロニトリルの場合には、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が好ましく、ポリマーがポリアミドの場合には、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等が好ましく、ポリマーがセルロースアセテートの場合には、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等が好ましい。
【0066】
非溶媒を混合する場合の非溶媒としては、水、セルソルブ類、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ポリエチレングリコール、グリセリン等があげられる。非溶媒の良溶媒に対する割合は、混合液が均一状態を保てる範囲ならば如何なる範囲でもよいが、5〜50重量%が好ましい。
【0067】
ポリマー溶液には、多孔質構造を制御するものとして、膨潤剤と称される無機電解質、有機電解質、または、高分子、あるいは、その電解質ポリマーを加えることが好ましい。膨潤剤としては、食塩、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム等の有機酸の金属塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の高分子、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルスルホンコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系界面活性剤等が用いられる。これらの膨潤剤は、単独で溶液にくわえてもよいが、水溶液として添加することによって顕著な効果を示す。また、膨潤剤の添加量は、その添加によって溶液の均一性が損なわれない範囲であれば特に限定はないが、通常、溶媒に対して0.5容量%〜10容量%である。さらに、膨潤剤の濃度についても特に制限はなく、濃度の大きい方が大きな効果が得られ、通常は1重量%〜60重量%が好ましい。
【0068】
ポリマー溶液の濃度は、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。これは、35重量%を超えると、得られる微孔性膜の透水性が実用的な意味を持たないほど小さくなり、反対に5重量%未満になると十分な分離能を持った微孔性膜が得られないためである。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
精密ろ過膜の製造ポリスルホン(アモコ社製 P−3500)15部、N−メチル−2−ピロリドン70部、ポリビニルピロリドン15部、塩化リチウム2部、水1.3部を均一に溶解して製膜原液を作成した。これを用いて、製品厚さが180μmになるように流延し、温度25℃、相対湿度50%、風速1.0m/秒の空気を8秒間流延した液膜表面に当て、直ちに25℃の水を、図2に示した孔径2mmのノズルユニットから流速0.5m/sで噴射し、乾燥させて微孔性膜を得た。
【0070】
(実施例2)
ノズルユニットからの流速を0.3m/sとした以外は実施例1と同条件で実施した。
【0071】
(比較例1)
ノズルユニットを使用せず、凝固浴に浸漬して凝固工程を行った。それ以外は、実施例1と同条件で実施した。
【0072】
上記のように微孔性膜の評価を行った。評価方法は、ASTM−F−316−70に規定されたバブルポイント法で最大細孔径(BP)を測定した。以下にその結果を示す。
【0073】
【表1】

【0074】
表1の実施例1、2から分かるように、ノズルユニットから水を膜面に噴射して凝固処理を行った場合には、BPが0.6μm程度の微孔性膜が得られたが、凝固浴槽に浸漬した比較例1の場合には、溶媒置換反応が十分に行われず、BPが3.0μm以上の微孔性膜しか得られなかった。この結果から、凝固浴槽に浸漬する場合よりも、ノズルユニットから噴射して凝固処理を行った方が、溶媒置換反応が速く進むことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る微孔性膜の製造装置を示す構成図
【図2】第1の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図3】第2の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図4】第3の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図5】第4の実施形態の凝固工程を示す平面図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】第5の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図8】第6の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図9】第7の実施形態の凝固工程を示す構成図
【図10】図9の吐出ローラを示す斜視図
【符号の説明】
【0076】
10…微孔性膜の製造装置、12…溶解タンク、18…ダイ、20…帯状支持体、22…ドラム、26…凝固槽、36…調湿ゾーン、44…微孔性膜、48…水洗槽、50…ターンバー、52…乾燥室、56…濡れ剤の塗布室、58…調製タンク、66…濡れ剤の乾燥室、68…ドラム、76〜78…ノズルユニット、86〜88…エア噴射ユニット、92…ダイ、96…吐出ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する支持体上に微孔性膜形成用のドープを流延塗布することによって前記支持体上に前記ドープの液膜を形成する流延塗布工程と、
前記流延塗布工程で形成した前記支持体上の液膜を凝固させて微孔性膜を形成する凝固工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、
前記凝固工程は、前記支持体上の液膜に向けて凝固液を噴射することによって該凝固液を前記液膜に接触させ、前記液膜を凝固させることを特徴とする微孔性膜の製造方法。
【請求項2】
前記支持体の走行方向において複数箇所で前記凝固液を噴射するとともに、噴射箇所ごとに前記凝固液の噴射流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項3】
前記凝固液を前記支持体の液膜に対して斜め方向に噴射することを特徴とする請求項1又は2に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項4】
前記支持体の走行方向において複数箇所で前記凝固液を噴射するとともに、前記凝固液の噴射箇所同士の間で、前記支持体にエアを吹きつけることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項5】
前記支持体を斜め方向に又は鉛直方向に走行させ、該斜め方向又は鉛直方向に走行する支持体に前記凝固液を噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項6】
前記凝固液をエクストルージョン型のダイを用いて前記支持体の液膜に向けて吐出することにより、前記凝固液を前記液膜に接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項7】
前記支持体をローラの外周面に巻きかけるとともに、該ローラの外周面に形成した複数の噴射口から前記凝固液を噴射することにより、前記凝固液を前記液膜に接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項8】
走行する支持体上に微孔性膜形成用のドープを流延塗布することにより前記支持体上に前記ドープの液膜を形成する流延塗布装置と、
前記流延塗布装置で形成された前記支持体上の液膜を凝固させて微孔性膜を形成する凝固装置と、を有する微孔性膜の製造装置において、
前記凝固装置は、前記支持体上の液膜に向けて形成された噴射口と、該噴射口に凝固液を供給する凝固液供給手段とを備えることを特徴とする微孔性膜の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−289937(P2007−289937A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79898(P2007−79898)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】