説明

微少液滴吐出装置及び方法

【課題】
均一な粒径を有する微少液滴を液体中で吐出する。
【解決手段】
生成剤保持管の移動動作に同期して当該生成剤保持管が上方位置から下方位置に移動する際に押出針の先端部が生成剤内に引込んだ状態から生成剤保持管から保持液内に突き出すように動作させるようにしたことにより、簡易な構成によって粒径が均一なピコリットルオーダの微少液滴を当該微少液滴を保持可能な保持液内において生成できる微少液滴吐出装置を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微少液滴吐出装置及び方法に関し、特にpl(ピコリットル)オーダの微小液滴を液体中で吐出できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タンパク質やバイ菌を含む液体を微少量ずつ取り扱う方法として、非接触型インジェクタを用いて貯液容器から吸引した微少液体を液滴容器にアレイ状に吐出するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−89849公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来の方法においては、吐出した微少液滴が乾燥するのを防止するために、液滴容器にナチュラルオイルを充填していた。
【0004】
しかしながらこの方法によると、液滴量がpl(ピコリットル)オーダ程度にまで微少になると、微少液滴を吐出した後、オイルを充填するまでの間に、瞬間的に微少液滴が乾燥してしまうため、実際上微少化できる液滴量は10〔nl〕程度が限界になり、その結果タンパク質などの高価な薬剤を扱うときにはコストがかかるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、均一性が優れたpl(ピコリットル)オーダの微小液滴を当該微少液滴を保持可能な保持液内において生成することができるような簡易な構成の微少液滴吐出装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、液滴生成剤23Aを保持し、保持液23A内に先端部を進入及び退出するように上下方向に移動する液滴生成剤保持管23と、液滴生成剤保持管23内に進退自在に挿入される押出針22と、液滴生成剤保持管23を第1の上方位置及び第1の下方位置間に移動動作させると共に、当該液滴生成剤保持管23の移動動作に同期して、液滴生成剤保持管23が第1の上方位置から下方に移動したとき押出針22を第2の上方位置に移動させかつ第1の下方位置から上方に移動したとき押出針22を第2の下方位置に移動させる振動機構部とを具え、押出針22は、第2の上方位置に移動したとき先端部分を液滴生成剤保持管23の液滴生成剤23A内に引き込み、その後第2の下方位置に移動したとき先端部を液滴生成剤保持管23から下方に突き出すことにより液滴生成剤23Aを保持液4内に微少液滴31として放出するようにする。
【発明の効果】
【0007】
先端部を保持液に進入及び退出するよう上下方向に移動する液滴生成剤を保持する液滴生成剤保持管内に、進退自在に挿入した押出針を、液滴生成剤保持管の移動動作に同期して当該液滴生成剤保持管が上方位置から下方位置に移動する際に押出針を先端部が液滴生成剤内に引込んだ状態から液滴生成剤保持管から保持液内に突き出すように動作させるようにしたことにより、簡易な構成によって粒径が均一なピコリットルオーダの微少液滴を保持液内で生成できる微少液滴吐出装置及び方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面について、本発明を微少液滴吐出装置に適用した一実施の形態を詳述する。
【0009】
図1において、1は全体として微少液滴吐出装置を示し、固定基台2に取り付けられた振動機構部1Aによって生じる振動に基づいて、振動機構部1Aの先端部に構成されている液滴突出部1Bによって、振動機構部1Aが振動するごとに生成液槽3内の保持液4(疎水性の油性液でなる)内に液滴を1つずつ吐出して行く。
【0010】
振動機構部1Aは、上下位置において互いに平行に前方延長する一対の板ばね12A及び12Bを有し、その後方の固定側端が金具11A、11B及び11Cでなる固定部材11によって固定基台2に固定されており、これにより板ばね12A及び12Bは片持梁として先端部に形成された振動駆動部13を上下方向に共振振動できるようになされている。
【0011】
振動駆動部13は振動モータ14を収納するモータケース15を有し、このモータケース15を上側及び下側取付板部15A及び15Bによって板ばね12A及び12Bの先端に挟み込んで取り付けた構成を有する。
【0012】
振動モータ14は30〔Hz〕の回転速度で回転する偏平モータを有し、その出力軸に偏心荷重を有する偏心荷重ロータが取り付けられ、これにより駆動モータ14が駆動したとき、その偏心荷重ロータの回転に応じてモータケース15を繰返し上下方向に移動させるように板ばね12A及び12Bを振動させる。
【0013】
モータケース15の下側取付板15Bには左右方向に突出するように案内突起15B1及び15B2が形成され、その案内孔(図示せず)を上下方向に摺動自在に貫通するポール16A及び16Bを介して板状の押出針保持部材21に結合されている。
【0014】
押出針保持部材21の下面中央位置には、タングステン材料で構成された押出針22が下方に突出するように設けられ、その先端部が液滴生成剤保持管23内に進退できるように挿入されている。
【0015】
液滴生成剤保持管23は図2に示すように、先端内径が40〜150〔μm〕程度のガラスピペットで構成され、内部に、毛細管現象を利用して親水性の液滴生成剤23Aを保持している。
【0016】
この液滴生成剤保持管23には上方から押出針22が挿通され、その先端部が液滴生成剤23A内に引込んだ状態において当該押出針22が液滴生成剤保持管23の先端から突出するように移動動作したとき、押出針22の先端面下にある液滴生成剤23A及び先端部に付着した液滴生成剤23Aを液滴生成剤保持管23から下方に押し出すことができるようになされている。
【0017】
液滴生成剤保持管23は、振動駆動部13の下側取付板部15Bに上端部が固着されているL字状の支持部材24の水平先端部24Aに、上下方向に貫通するように固着され、これにより振動駆動部13が上下方向に振動したとき、当該液滴生成剤保持管23が上方位置及び下方位置間を移動する。
【0018】
振動駆動部13の下側取付板部13Bの下面と押出針保持部材21の上面との間には、弦巻ばねでなる圧縮ばね30が設けられ、この圧縮ばね30の圧縮力によって押出針保持部材21を下方に押圧偏倚することにより、常時はポール16A及び16Bがその上端部に設けられているストッパ31A及び31Bの下端面が案内突起15B1及び15B2の上端面に当接した伸長位置状態を維持するのに対して、押出針保持部材21に上方向に慣性力が作用したとき、ポール16A及び16Bが案内突起15B1及び15B2の案内孔内を上方に摺動することにより、押出針保持部材21、従って押出針22が上方に移動できるようになされている。
【0019】
このようにして、微少液滴吐出装置1は板ばね12A及び12Bの共振振動系による液滴生成剤保持管23の位置の変化と、圧縮ばね30の圧縮動作振動系に基づく押出針22の位置の変化とによって、押出針22が液滴生成剤保持管23に対して相対的に引込み動作をしたり突出し動作をすると共に、液滴生成剤保持管23及び押出針22が生成液槽3の保持液4の液面4Aに進入したり退出したりすることにより、液滴を吐出する液滴吐出部1Bを形成している。
【0020】
すなわち、図3(A)に示すように、板ばね12A及び12Bが水平方向に延長する位置にあり、かつ圧縮ばね30の下方向への偏倚力によってポール16A及び16Bがストッパ31A及び31Bを案内突起15B1及び15B2に当接させた状態(これを圧縮ばね伸長状態と呼ぶ)になっているときには、押出針22及び液滴生成剤保持管23の位置関係は、図2に示すように、押出針22の先端部が液滴生成剤保持管23の先端から下方に突出した基準位置関係にある。このとき液滴生成剤保持管23の先端部は保持液4の液面4Aから僅かに上方の位置に位置決めされた状態になる。
【0021】
この状態から図3(B)に示すように、板ばね12A及び12Bが徐々に上方に折れ曲がってゆくと、ストッパ31A及び31Bが案内突起15B1及び15B2に当接した圧縮ばね伸長状態を維持しながら押出針保持部材21が振動駆動部13の上方への移動に従って上方へ移動して行き、これにより液滴生成剤保持管23は、押出針22との相対位置関係を図2の基準位置関係を維持しながら、保持液4の液面4Aから上方へ移動して行く。
【0022】
やがて振動駆動部13が最も高い上方位置に到達した後下方に下降し始めると、図3(C)に示すように、板ばね12A及び12Bが水平状態を通って下方に曲って行くことにより支持部材24は下方向へ動作し、一方、押出針保持部材21には上方向の慣性力が与えられるため、圧縮ばね30は上方に圧縮されてポール16A及び16Bのストッパ31A及び31Bが案内突起15B1及び15B2から上方に離れて行くような状態になる(これを圧縮ばね圧縮状態という)。
【0023】
このとき、押出針保持板部材21と支持部材24の先端部24Aとの間隔が大きくなることにより、押出針22の先端部が液滴生成剤保持管23の先端より上方に引き込まれるように移動して行くような状態になる。
【0024】
このときの液滴生成剤保持管23は下方位置に移動し、これにより液滴生成剤保持管23の先端は保持液4の液面4Aに向って下方位置に移動して行く。
【0025】
この状態から、板ばね12A及び12Bの曲げが下方への最大値を越えて水平方向に戻って行くと、このときの押出針保持部材21には下方への慣性力が作用することにより、圧縮ばね30の圧縮状態を開放するような状態になり、これにより図3(D)に示すように、ポール16A及び16Bが下方に摺動してそのストッパ31A及び31Bが案内突起15B1及び15B2に当接する圧縮ばね伸長状態になる。
【0026】
このとき、液滴生成剤保持管23の先端は保持液4内に進入した状態になると共に、押出針22の先端部は液滴生成剤保持管23の中から下方に突き出すような動作をする。
【0027】
やがて板ばね12A及び12Bが水平方向の状態に戻って行くと、押出針22の液滴生成剤保持管23は図2について上述した基準位置関係を維持したまま、図3(A)について上述した状態に戻って行く。
【0028】
以上の構成において、微少液滴吐出装置1は、図4及び図5の液滴生成工程によって、生成液槽3の保持液4内に連続的に微小液滴を1つずつ生成する。
【0029】
まず、図4(A)に示すように、振動機構部1Aの板ばね12A及び12Bがほぼ水平な状態になると、液滴生成剤保持管23と押出針22との関係が図2について上述した基準位置関係になるので、液滴生成剤保持管23は保持液4の液面4Aよりわずか上方位置において、押出針22を僅かに突出させた状態になる。
【0030】
これに続いて、図4(B)に示すように、振動駆動部13が最も高い上方位置に向かって移動している状態になると、押出針22を図4(A)のときと同様に僅かに突出した状態を維持しながら、液滴生成剤保持管23が上昇して行く。
【0031】
やがて図4(C)に示すように、振動駆動部13が最も高い上方位置から下方に降りてくると押出針保持部材21には上方に向かう慣性力が働くことにより、押出針保持部材21が振動駆動部13の下降動作に追従できなくなって圧縮ばね30を圧縮する状態になる。
【0032】
このとき液滴生成剤保持管23はその先端が液面4Aに突っ込んだ状態になるのに対して押出針22は液滴生成剤保持管23内の液滴生成剤23A中に引込んだ状態になる。
【0033】
この状態では、液滴生成剤23Aは液滴生成剤保持管23の表面張力により先端面の開口から吐出できないような状態になっている。
【0034】
この状態から図5(A)に示すように、振動駆動部13が最も低い下方位置を通って上昇を開始し始めると、エマルション生成剤保持管23は上方に移動して行こうとするのに対して、押出針保持板部材21には下方に慣性力が働くために圧縮ばね30を伸長状態にすることにより押出針22を急激に当該液滴生成剤保持管23の下端開口から下方に突出させるような動作をする。
【0035】
このとき押出針22の先端面及びその周辺には、液滴生成剤保持管23内に表面張力によって保持されている液滴生成剤23Aが付着しているので、当該付着した液滴生成剤23Aを液面4A下の保持液4内に押し出す。
【0036】
続いて図5(B)に示すように、駆動振動部13が基準位置基準位置に向かって上昇して行くと、押出針22は先端部を液滴生成剤保持管23から突出させた状態で、当該液滴生成剤保持管23の上昇に従って上昇して行くので、押出針22の突出端に付着していた液滴生成剤23Aが保持液4内に取り残されて行く。
【0037】
この実施の形態の場合、液滴生成剤23Aが親水性の液体であるのに対して、保持液4は疎水性の液体であるので、保持液4内に押し出された液滴生成剤23Aは保持液4によって抵抗が与えられ、これにより液滴生成剤保持管23及び押出針22が上方に移動して行ったときこれに付着できなくなって保持液4内に残される。
【0038】
この状態に続いて図5(C)に示すように、振動駆動部13が板ばね12A及び12Bが水平方向に延長する基準位置を通過する状態になると、これに応じて液滴生成剤保持管23が上昇して行くことにより、保持液4の液面4Aより上方の位置に移動する。
【0039】
このとき押出針22に対する慣性力は働いていないので、押出針22は液滴生成剤保持管23の先端よりわずかに突出した状態のまま一緒に保持液4の液面4Aから上方に離れる。
【0040】
このとき保持液4の中に取り残された微小液滴31は、保持液4が疎水性の油性の流体なので球形に集合した状態になる。
【0041】
かくして振動駆動部13は、図4(A)について上述した基準状態に戻ることにより、振動機構部1Aは次の振動サイクルに入り、これにより上述の図4(A)ないし図5(C)の液滴生成工程を繰り返す。
【0042】
このようにして振動駆動部13が1サイクル分の振動をしたとき、圧縮ばね30、押出針保持部材21、押出針22、液滴生成剤保持管23が液滴吐出部1Bを形成することにより、図5(A)ないし(C)について上述したように、微小液滴31が1つずつ保持液4に内に残されて行くことになる。
【0043】
かかる1サイクル分の液滴生成工程は、各サイクルごとに生成条件がほぼ同じであるので、微小液滴31の粒径は、常に押出針22の端面及びその周辺に付着した液滴生成剤23Aの量によって決まり、結局微小液滴31はpl(ピコリットル)オーダの粒量となると共に、その粒径は各振動ごとにほぼ均一になる。
【0044】
以上の構成によれば、振動機構部として、板ばね12A及び12Bに基づく駆動振動部13の振動による液滴生成剤保持管23の移動動作と、圧縮ばね30の圧縮伸長動作とに基づいて、押出針保持部材21が振動駆動部13の移動動作からタイミングがずれるように移動動作することによって、押出針22が液滴生成剤保持管23内の液滴生成剤23Aの押出し動作をするようにしたことにより、比較的簡易な構成によって粒径が均一な微小液滴31を生成できるような微少液滴吐出装置1を実現できる。
【0045】
かくして保持液4内に生成できる親水性液体でなる微少液滴31は、その周囲を疎水性液体でなる保持液4によって覆われていることにより、吐出した際の乾燥を防止できる。
【0046】
なお、上述の実施の形態においては、液滴生成剤23Aとして親水性の液体を用いるのに対して、保持液4として疎水性の油性の液体を用いるようにしたが、これとは逆に保持液4を親水性にすると共に液滴生成剤23Aを疎水性にするようにしても、上述の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
また上述の実施の形態においては、振動モータ14を30〔Hz〕で駆動することにより、振動駆動部13を30〔Hz〕の速度で上下動させるようにした場合について述べたが、振動サイクルはこれに限らず、駆動モータ14の回転駆動速度を変更することにより、単位時間当たりに生成する微小液滴数を制御することができる。
【0048】
さらに、上述の実施の形態においては、振動駆動部13が振動動作するごとに1回ずつ液滴生成剤保持管23及び押出針22を保持液4内に進入させるようにしたが、進入回数を制御することにより、例えば進入回数を1回に制御すれば、1個の微小液滴を生成するようにし得る。
【0049】
さらに、上述の実施の形態においては、保持液4、液滴生成剤23Aとして親水性液体と疎水性液体とを用いたが、これに代え、保持液4となる第1液中に液滴生成剤23Aとなる第2液を微少液滴として吐出した際に、その境界における重合させることにより微少液滴表面に薄膜を形成させ、この微少液滴を取り出して微少カプセルとしてドラッグデリバリーシステムに使用するようにしても良い。
【実施例1】
【0050】
液滴生成剤保持管23の先端内径を、(a) 40〔μm〕、(b) 90〔μm〕及び(c) 150〔μm〕とした3つの場合について、押出針22の先端直径を、(a) 30〔μm〕、(b) 70〔μm〕及び(c) 120〔μm〕としたところ、平均粒径は、(a) 14.5〔μm〕、(b) 54.3〔μm〕及び(c) 99.5〔μm〕となり、そのばらつきは、(a) 13.1〔%〕、(b) 8.6〔%〕及び(c) 6.45〔%〕の結果を得た。
【0051】
これにより、微小液滴31の粒径を液滴生成剤保持管23及び押出針22の先端寸法を変更することによりpl(ピコリットル)オーダの大きさで制御でき、粒径のばらつきも小さいことを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、液滴生成液を得る場合に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による微少液滴吐出装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】液滴生成剤保持管と押出針との基準位置関係を示す部分的拡大断面図である。
【図3】板ばねと圧縮ばねの曲げ動作の説明に供する略線図である。
【図4】(A)ないし(C)は液滴生成工程の説明に供する略線図である。
【図5】(A)ないし(C)は液滴生成工程の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0054】
1……微少液滴吐出装置、1A……振動機構部、1B……液滴吐出部、2……固定基台、3……生成液層、4……保持液、4A……液面、11……固定部材、12A、12B……板ばね、13……振動駆動部、14……振動モータ、15……モータケース、15A、15B……上側、下側取付板部、15B1、15B2……案内突起、16A、16B……ポール、21……押出針保持部材、22……押出針、23……液滴生成剤保持管、23A……液滴生成剤、24……支持部材、30……圧縮ばね、31A、31B……ストッパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴生成剤を保持し、上記保持液内に先端部を進入及び退出するように上下方向に移動する液滴生成剤保持管と、
上記液滴生成剤保持管内に進退自在に挿入される押出針と、
上記液滴生成剤保持管を第1の上方位置及び第1の下方位置間に移動動作させると共に、当該液滴生成剤保持管の移動動作に同期して、上記液滴生成剤保持管が上記第1の上方位置から下方に移動したとき上記押出針を第2の上方位置に移動させかつ上記第1の下方位置から上方に移動したとき上記押出針を第2の下方位置に移動させる振動機構部と
を具え、上記押出針は、上記第2の上方位置に移動したとき先端部分を上記液滴生成剤保持管の上記液滴生成剤内に引き込み、その後上記第2の下方位置に移動したとき先端部を上記液滴生成剤保持管から下方に突き出すことにより上記液滴生成剤を上記保持液内に上記微少液滴として吐出する
ことを特徴とする微少液滴吐出装置。
【請求項2】
上記振動機構部は、
片持梁構成の板ばねの先端に設けられ、上下方向に振動する振動モータを有する振動駆動部と、
上記押出針を保持し、上記振動駆動部に圧縮ばねを介して下方から保持された押出針保持部材と、
上記液滴生成剤保持管を支持し、上記振動駆動部と一体に移動する支持部材と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の微少液滴吐出装置。
【請求項3】
液滴生成剤を保持し、上記保持液内に先端部を進入及び退出するように上下方向に移動する液滴生成剤保持管と、上記液滴生成剤保持管内に進退自在に挿入される押出針とを設け、
振動機構部によって、上記液滴生成剤保持管を第1の上方位置及び第1の下方位置間に移動動作させると共に、当該液滴生成剤保持管の移動動作に同期して、上記液滴生成剤保持管が上記第1の上方位置から下方に移動したとき上記押出針を第2の上方位置に移動させかつ上記第1の下方位置から上方に移動したとき上記押出針を第2の下方位置に移動させ、
上記押出針は、上記第2の上方位置に移動したとき先端部分を上記液滴生成剤保持管の上記液滴生成剤内に引き込み、その後上記第2の下方位置に移動したとき先端部を上記液滴生成剤保持管から下方に突き出すことにより上記液滴生成剤を上記保持液内に上記微少液滴として吐出する
ことを特徴とする微少液滴吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−320795(P2006−320795A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144285(P2005−144285)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年2月11日 電気通信大学主催の「平成16年度 電気通信大学 知能機械工学専攻修士論文審査会」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年3月1日 社団法人精密工学会発行の「2005年度 精密工学会春季大会 学術講演会講演論文集」「2005年度 精密工学会春季大会 プログラム&アブストラクト集」に発表
【出願人】(504133110)国立大学法人 電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】