説明

微生物検出方法および微生物計量装置

【課題】界面活性剤を含んだ検体およびエマルジョン粒子を含んだ検体から微生物を分離するために界面活性剤を添加する検体から微生物を効率良く採取し、微生物を正確に検出あるいは計量することを目的とする。
【解決手段】色落ちを防止しかつ暗色の微生物採取用フィルタ7を用いることで、界面活性剤の影響によるフィルタ自体からの蛍光発光を防止して、染色された微生物1個1個を微生物と認識することで、染色された微生物を感度および精度よく微生物を検出あるいは計量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤を含みうる検体やエマルジョン粒子を含んでいるために微生物を分離するために界面活性剤を添加する検体において、例えば台所洗剤などの各種洗剤や乳液やクリームなどの化粧品類、その他エマルジョン粒子を含む各種食品類などの微生物検査を行うための微生物検出方法および微生物計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の微生物検査方法および微生物計量装置は、微生物を含みうる液体の検体をニュクレーポアフィルタなどのメンブレンフィルタでろ過して、フィルタ上に微生物を捕捉した後、蛍光染色を行った微生物を顕微鏡を用いて目視で観察やカウントを実施して微生物を検出するものや、また、光電子増倍管を用いて蛍光を検出することで、微生物を検出するというものであった。ほとんど水に近い飲料やビールなどは測定することが可能であるが、洗剤などのように界面活性剤そのものような検体や化成品、化粧品、食品分野の検体では、乳化したエマルジョン粒子を含む検体が多く、このような検体は界面活性剤が測定を妨害したり、ろ過をするために界面活性剤を検体に添加することでエマルジョン粒子を破壊あるいは凝集することで微生物と分離する前処理を行う必要があり、その前処理を行うことで検体に界面活性剤が混合され、測定できないこともあった(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−29837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の微生物検査法や微生物計量装置は、界面活性剤が検体に含有しているとメンブレンフィルタの表面が蛍光して目視でも光電子増幅管を用いても測定が困難であるという課題があり、測定の際に暗色でかつ色落ちしないフィルタを用いることで、フィルタの表面の蛍光発光を防止して、微生物の区別を容易にし、精度良く微生物数を計量することが要求されている。
【0004】
また、エマルジョン粒子を含有する乳液やクリームなど検体は、検体自体には界面活性剤が含んでいないかあるいは含んでいても非常に微量であっても、そのままではろ過を行うことが困難であるため、検体中の微生物とエマルジョン粒子を分離するために検体に界面活性剤を添加して前処理を行う必要になる。そのため、メンブレンフィルタでろ過を行う場合には、高濃度の界面活性剤が検体に含まれるために、上記と同様の課題を有し、同様に精度良く微生物を計量することが要求されている。
【0005】
さらに界面面活性剤の影響により脱色や劣化などが生じる恐れがあると測定する際に微生物との区別が困難になるという課題があり、より脱色や劣化を防止したフィルタが要求されている。
【0006】
また、染色した微生物を顕微鏡を用いて目視で観察することで、検出あるいはカウントを行う場合、長時間観察することが必要であり、精度良く測定することや人によってバラツキが大きいなどの課題があり、自動的に検出できる微生物計量装置が要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、各種洗剤のように多量の界面活性剤が含有された検体や乳液、クリームなどエマルジョン粒子を多量に含み、ろ過を行うために界面活性剤を添加して前処理を行う必要がある検体において、フィルタ自体が蛍光発光することを防止することによって、染色された微生物の区別が容易になり、精度良く微生物の検出、カウントができ、また、染色された微生物を1個1個を微生物と認識することで、安定した再現性のある計量をすることのできる微生物検出方法および微生物計量装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、界面活性剤と微生物を含みうる検体において、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する発光防止手段を備えた微生物採取用フィルタを用いることで微生物を検出するようにしたことを特徴とする微生物検出方法としたものである。
【0008】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、エマルジョン粒子と微生物を含みうる検体のエマルジョン粒子と微生物を分離するために界面活性剤を検体に添加し、微生物採取用フィルタで前記検体をろ過することにより微生物を検出する方法において、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する発光防止手段を備えた微生物採取用フィルタを用いることで微生物を検出するようにしたことを特徴とする微生物検出方法としたものである。
【0009】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、色落ちを防止しかつ暗色の微生物採取用フィルタを用いることで微生物を検出するようにしたことを特徴とする微生物検出方法としたものである。
【0010】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、前記微生物採取フィルタ上に顔料を担持した微生物検出方法としたものである。
【0011】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、前記微生物採取フィルタ上に金、銅、クロム、白金、パラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属成分を含む薄膜が形成された微生物検出方法としたものである。
【0012】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、前記微生物採取フィルタに上に捕捉した微生物を染色法で検知あるいはカウントする微生物検出方法としたものである。
【0013】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、前記染色法が蛍光染色法である微生物検出方法としたものである。
【0014】
本発明の微生物検出方法は上記目的を達成するために、前記微生物採取フィルタと、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備え、前記染色法が生細胞とのみ反応して生細胞のみを発色させる第1の試薬と、死細胞のみと反応して死細胞のみを前記発色と異なる波長で発色させる第2の試薬と、生死細胞のいずれとも反応して生死細胞のいずれも前記発色と異なる波長で発色させる第3の試薬と、微生物由来物質のその微生物に固有の物質と反応することで前記発色と異なる波長で発色する少なくとも1種類以上の第4の試薬の中でいずれか1種類あるいは複数種類の試薬を用いた微生物検出方法としたものである。
【0015】
本発明の微生物計量装置は上記目的を達成するために、前記微生物採取フィルタと、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備え、前記第1の試薬と、第2の試薬と、第3の試薬と、第4の試薬の中でいずれか1種類あるいは複数種類の化合物を用いて微生物を染色した後、予め定められた波長域で励起光を照射する光源と、前記励起光によって照射されて発光する予め定めたれた波長域の光を前記微生物採取フィルタの設定した一定面積を受光する受光手段と、前記光源によって照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し、その受光した光量が設定したしきい値の範囲で、かつ設定した面積の範囲であるものを微生物と判断する微生物判断手段と、前記微生物採取フィルタの1部あるいは全面積の発光点を確認するために、前記微生物採取フィルタあるいは受光手段を移動させる移動手段と、微生物判断手段によって微生物と判断した発光点1個と微生物1個と判断して、順次積算することで、微生物の数量を積算する積算手段を有する微生物検出方法を行うための微生物計量装置としたものである。
【0016】
本発明の微生物計量装置は上記目的を達成するために、受光手段が、少なくとも微生物の大きさが認識できる面積を有した複数個の光電変換素子である微生物計量装置したものである。
【0017】
本発明の微生物計量装置は上記目的を達成するために、前記光源を1種類あるいは複数種類であり、予め定められた波長域を1種類あるいは複数種類であり、その1種類あるいは複数種類の波長域で照射された発光する光を予め定められた、複数種類の波長域の光を各々受光する受光手段と、各々の波長域での光量の比から発光した点あるいは面積を微生物と判断する微生物判断を有する微生物計量装置としたものである。
【0018】
本発明の微生物計量装置は上記目的を達成するために、前記複数種類の光源と複数の波長域を受光する受光手段を1種類あるいは設定した種類の前記光源および受光手段を切替て、設定した種類のみ波長域の光源と受光手段で微生物を検知する微生物計量装置としたものである。
【0019】
本発明の微生物計量装置は上記目的を達成するために、前記微生物判断手段によって、設定した面積以上のため微生物以外と認識された発光点の面積を順次積算あるいはその面積を1つと認識して順次個数を積算し、その総面積あるいは総個数が、設定した面積あるいは個数以上のときに注意を表わす注意手段を有した微生物計量装置としたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、界面活性剤を含有する検体において、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備えたものとして、色落ちを防止しかつ暗色の微生物採取用フィルタを用いることで、界面活性剤による溶解などによる微生物採取用フィルタの色落ちを防止し、かつ暗色であるため、フィルタの表面のフィルタ自体からの蛍光発光を防止することができ、フィルタからの発光および発色がないために、発色した微生物の区別が容易になることで精度および感度が向上した微生物検出方法を提供できる。
【0021】
また、検体自体には界面活性剤が含んでいなかったり、微量しか含んでいない場合でも、乳液やクリームなどの化粧品のように多量のエマルジョン粒子を含んでいるためにそのエマルジョン粒子と微生物を分離することを目的として、界面活性剤を添加することがある。その添加された界面活性剤によって、フィルタが脱色したり、劣化したりしてフィルタ自体が発光することによって、測定に影響を与えることがある。その添加された界面活性剤の影響を防止するために色落ちを防止しかつフィルタ自体に蛍光発光を防止することで、精度および感度が向上した微生物検出方法を提供できる。
【0022】
また、フィルタの上に金、銅、クロム、白金、パラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属成分を含む金属成分を薄膜が形成されることで、検体中に含まれる界面活性剤でフィルタ自体の劣化および色が脱色することを防止できるとともに、上記金属は光の反射を防止する作用を持っているために、高精度に微生物を検出あるいはカウントできる微生物検出方法を提供できる。
【0023】
また、顔料を含んだ溶液を微生物採取用フィルタにろ過するなどによりフィルタの上に顔料を担持することで、界面活性剤により簡単に色落ちしない暗色のフィルタができるため、高精度に微生物を検出あるいはカウントできる微生物検出方法を提供できる。
【0024】
また、蛍光染色法を用いることで、より微生物とその他微生物以外の物質との区別が容易に行われるため、高精度でバラツキが少ない測定結果を得ることができる微生物検出方法を提供できる。
【0025】
また、フィルタからの蛍光発光を防止することで、生細胞、死細胞、生死いずれの細胞や特定の微生物のいずれかあるいは複数種類の反応する化合物を用いても、各々に対応する波長を妨害することがないため、微生物の中から上記いずれの細胞あるいは微生物と区別することが容易になり、一度の観察で複数の情報を得ることができるという微生物検出方法を提供できる。
【0026】
また、染色された微生物に励起光を照射する照射手段と発光した光を受光する受光手段とその受光した光の情報から微生物と判断する判断手段と微生物と判断されたものを微生物1個と判断して順次積算する手段を用いることで、目視では長時間の観察による人によってバラツキが大きすぎたり、微生物と認識する判断を機械的に一定にすることで、より高精度で、安定した測定値を得ることができ、自動的に検出あるいは計量できる微生物検量装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の請求項1記載の発明は、検体に含まれる界面活性剤による微生物採取用フィルタの脱色や劣化などを防止し、かつフィルタ自体からの蛍光発光を防止することで、発色あるいは発光した微生物をより明確に区別あるいは特定しやすくなり、精度良く測定しやすいという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項2記載の発明は、検体には界面活性剤が含まれていなくても、エマルジョン粒子を含む検体の場合、エマルジョン粒子と微生物を分離するために界面活性剤を用いるので、界面活性剤による微生物採取用フィルタの脱色や劣化などを防止し、かつフィルタ自体からの蛍光発光を防止することで、発色あるいは発光した微生物をより明確に区別あるいは特定しやすくなり、精度良く測定しやすいという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項3記載の発明は、検体に含まれる界面活性剤によるフィルタの色落ちを防止し、暗色することで、色が落ちることでフィルタの素材自体が現われることが防止でき、かつ暗色であるため、フィルタ自体からの蛍光発光を防止するという作用を有する。
【0030】
また、請求項4記載の発明は、顔料は界面活性剤では溶けて色落ちしない、かつ暗色の顔料を選定することが容易であるため、微生物採取用フィルタへの影響を防止するという作用を有する。
【0031】
また、請求項5記載の発明は、微生物採取用フィルタが仮に界面活性剤で脱色してもフィルタの表面に金属薄膜が形成されているために、フィルタ表面は金属薄膜そのままであり、光の反射も少なく、安定したフィルタ表面を形成するという作用を有する。
【0032】
また、請求項6記載の発明は、微生物採取用フィルタ上で補足された微生物を染色することで、微生物の特定および認知がしやすくなるために微生物の検出あるいはカウントが容易になるという作用を有する。
【0033】
また、請求項7記載の発明は、蛍光発光した微生物は、目視で観察してもより明確に特定しやすく、微生物採取用フィルタの微弱な発光を仮に有していても、より微生物と特定しやいという作用を有する。
【0034】
また、請求項8記載の発明は、異なる波長で発色する生細胞、死細胞、生死いずれの細胞や特定の微生物の1種類以上を区別するために、各波長に対するフィルタ自体の発光が防止でき、かつフィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備えた微生物採取用フィルタを用いることで、各波長で発色した細胞や微生物を区別しやすいという作用を有する。
【0035】
また、請求項9記載の発明は、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備えた微生物採取用フィルタを用いることで、各試薬で染色された微生物が各波長に対応した発色した光の面積および光量が明確になることによって、定められた一定の判断基準で微生物と判断できるという作用を有する。
【0036】
また、請求項10記載の発明は、微生物と認識できる最小の光電変換素子になり、効率的に微生物と認識できるという作用を有する。
【0037】
また、請求項11記載の発明は、生細胞、死細胞、生死いずれの細胞や特定の微生物と、微生物以外との区別も容易であるという作用を有する。
【0038】
また、請求項12記載の発明は、生細胞、死細胞、生死いずれの細胞や特定の微生物を一度に認識可能であるという作用を有する。
【0039】
また、請求項13記載の発明は、検出あるいは計量した微生物が設定された個数あるいは面積以上になったら、警報や注意をだすことで、未然に微生物汚染された製品の出荷などを防止するという作用を有する。
【0040】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0041】
(実施の形態1)
台所洗剤、衣料用洗剤などの各種洗剤やシャンプーなどは、高濃度の界面活性剤が含まれている。また、その界面活性剤の種類も陽イオン系、陰イオン系、非イオン系、両性イオン系などがあり、それぞれ各種洗剤に用いられている。特に洗剤に用いられている界面活性剤は、溶かす力が強力である。例えば台所洗剤中の微生物を測定する場合、台所洗剤をメンブレンフィルタでろ過し、メンブレンフィルタ上に捕捉された微生物の有無などを顕微鏡などを用いて観察する。メンブレンフィルタは、通常白色のものが多いが、白色あるいはそれに近い明るい色のメンブレンフィルタでは、フィルタ自体が蛍光発光を起こすため、微生物が染色されていても、フィルタ自体からの光によって、微生物を認識するのが困難であり、したがって微生物の検出が難しい。また、メンブレンフィルタに着色を施しても、界面活性剤の溶かす力が強いために、検体に含まれる界面活性剤によって、ろ過する過程でメンブレンフィルタの色が脱色を起こし、測定ができない場合がある。故にフィルタ自体からの蛍光発光を防止する蛍光防止手段を備えた微生物採取用フィルタを用いることが必要である。例えば、界面活性剤では色落ちしない、かつ光の反射を防止する暗色のフィルタを用いることで、フィルタ自体からの蛍光発光を防止できるため、発色した微生物の特定あるいは認識が容易に行うことができ、精度良く微生物の検出またはカウントを行うことが可能である。色落ちしないとは、全体的に色が薄くなるというだけでなく、微生物の大きさが0.2〜10数μmであるため、その大きさと同程度の大きさの色落ちがあると、その部分が蛍光発光して微生物との区別がしにくくなるため、微小な色落ちもしないということである。また、色落ちの程度としては、顕微鏡で観察する場合に用いる照射光である白色、紫外光、青、緑、黄、赤などの色に対して、少なくとも蛍光発光をしない、あるいは、染色された微生物の特定あるいは認識ができる程度にフィルタからの発光が抑えることができることである。また暗色とは、黒色あるいはそれに近い色であるが、顕微鏡で観察するときに白色光あるいは紫外光や各種波長の光を照射した際に、蛍光発光しない色であることであることや光の反射を防止できることを言う。色落ちさせない手段としては、通常の水溶性、油性の着色剤をフィルタに塗布しただけでは、界面活性剤で溶けることが多いため、着色自体をフィルタに練りこむ方法が最良である。メンブレンフィルタの材料の種類はPP(Polypropylene)、PVC(Polyvinyl chloride) PC(Polycarbonate)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PVDF(Polyvinylidiene fluoride)、MCE(Mixed cellulose esters)、PES(Polyether sulfone)、NYL(Nylon)などがあるが、たとえばMCEの表面は凹凸していたり、細孔に微生物が埋まっていたりするため顕微鏡で観察する場合に正確さに欠ける。例えばPCの材質のように表面がフラット(±2μm以下、好ましくは±1μ以下)で、しかも、放射線を用いて穴をあけており、非常に均一な細孔があいているために、微生物がフィルタ上の表面に埋まることなく捕集されるため、顕微鏡観察には適している。また、色落ちしないだけなく、界面活性剤をろ過した際に、メンブレンフィルタそのものが界面活性剤に溶かされて、劣化して測定が困難になることがある。したがって、対薬品性が高いPP、PC、PTFEが望まれる。
【0042】
(実施の形態2)
乳液、クリーム類など化粧品は、0.4μm以上のエマルジョン粒子が入っており、ろ過が困難である。上記化粧品だけでなく、その他化成品や食品でもエマルジョン粒子を含有しているものがあり、ろ過が困難である。通常、微生物検査で用いるメンブレンフィルタは、0.1〜0.4μmの細孔径のフィルタを使用するが多く、そのフィルタでろ過する必要がある。たとえば乳液をろ過する場合、ろ過を実施する前に、このエマルジョン粒子を細かくしたり、エマルジョン粒子と微生物を分離する前処理が必要であり、この前処理に界面活性剤を使用することが多い。したがって、検体自体には界面活性剤はほとんど含有していない場合でも、前処理を行うことで、最終メンブレンフィルタにろ過する時は、非常に高濃度の界面活性剤が含有されることがある。このような場合、検体に界面活性剤が入っていることと同じであり、微生物を顕微鏡などで観察する場合は、色落ちしない暗色のメンブレンフィルタを用いることで、精度よく測定することができる。
【0043】
ここで、前処理方法の一例を示す。化粧品の乳液を蒸留水で4倍に希釈した試料を1mlに対して、界面活性剤を0.5ml加える。この溶液を遠心分離機で10000rpmで5分間遠心分離を行うと、エマルジョン粒子が液上面に固まり、その他は透明の溶液になる。液上面に固まった白色のエマルジョン粒子を捨て、液下部に落ちた微生物を再攪拌することで、試料には、エマルジョン粒子がなくなった微生物の溶液になる。但し、非常に高濃度の界面活性剤が含有されることになる。もちろんこの溶液は、ろ過が可能である。また、柔軟剤には、非常に大きなエマルジョン化した高分子の粒子が含有されており、ろ過が困難である。この柔軟剤を蒸留水で3倍希釈を行い、この試料0.5mlに対して、ある種の界面活性剤を0.5ml添加する。そうすると、この高分子が溶けて、細かい粒子あるいはイオンの状態になる。同様にこの試料にも高濃度の界面活性剤が含有されることになるが、ろ過が可能である。前処理で用いる界面活性剤は、乳液、柔軟剤など製品の成分によって異なるが、ろ過を行う場合には界面活性剤が必要であり、有効な手段である。
【0044】
(実施の形態3)
色落ちを防止する手段として、金、銅、クロム、白金、パラジウムなどから選ばれた金属の薄膜をフィルタ表面に蒸着などで被覆することで、色落ちを防止することができる。金属の薄膜であるため、界面活性剤に溶けることもない。例えフィルタの色が脱色しても、フィルタ表面は、金属薄膜そのものであるため、フィルタ表面は変化しない。フィルタ表面の色は、用いた金属によって異なるが、暗色とは言えない金属色になる。しかしながら、例えば金は、紫外光の反射率が低いため、紫外光を照射してもフィルタ自体が蛍光発光することがない。つまり、暗色とは、黒に近い色を示すとともに光の反射が少ないことおよびフィルタ自体が蛍光発光しないことを示す。このように界面活性剤のように溶かすような溶剤を用いても、上記金属が溶けてフィルタの材料が露出することもなく、従って、計測を妨害することがない。
【0045】
(実施の形態4)
色落ちを防止する手段として、フィルタ上の顔料を担持することで、色落ちを防止することができる。顔料は黒または黒に近い色が望ましい。顔料は通常粒子状になっているため、顔料を適当な濃度に蒸留水で希釈する。その希釈水をまずメンブレンフィルタでろ過することでフィルタ上に顔料を担持することができる。顔料の粒径は0.1μm以下が望ましい。0.4μmの細孔径のメンブレンフィルタを用いる場合には、0.2μm以下が望ましい。それ以上の粒子径では、顔料の希釈水がろ過できない場合がある。その後、界面活性剤を含有する検体をろ過しても、顔料は界面活性剤では溶くにくいため、色落ちを防止することができる。また、顔料として墨汁を用いることも可能である。
【0046】
(実施の形態5)
ろ過した後、染色あるいは蛍光染色した微生物を顕微鏡で観察、自動化した装置で測定する場合、色落ちしない暗色のフィルタを用いることで、精度良く測定することが可能である。微生物を染色する方法としては、細胞若しくは微生物が付着した検体に生菌および死菌のいずれを染色する第1の染色試薬である4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩と、死菌だけを染色する第2の染色試薬であるプロピデュームイオダイドと、生菌だけを染色する第3の染色試薬である6−カルボキシフルオレセインジアセテートと、特定の微生物由来の物質に反応して染色される第4の染色試薬である4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシドなどがあり、それぞれ検出またはカウントする細胞または微生物に応じて、各試薬を適時選定低することができる。一例として、生死細胞の核酸と結合した4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩は、励起波長359nmの時に励起波長を吸収して461nmの蛍光波長を発し生死細胞の発光させる。また死細胞の核酸と結合したプロピデュームイオダイドは、励起波長535nmの時、励起波長の光量を吸収して617nmの蛍光波長に変え死細胞のみを発光させる。
【0047】
生菌および死菌のいずれを染色する第1の染色試薬としては、その他アクリジンオレンジやサイトグリーンなどがあり、死菌だけを染色する第2の染色試薬としては、エチジウムブロマイドなどがあり、生菌だけを染色する第3の染色試薬としては、生菌だけが有している酵素であるエステラーゼと反応するDFDAなどのフルオレセインの誘導体や呼吸活性を検知できるものがある。特定の微生物だけが代謝する特定微生物由来物質と反応することで発色する第4の染色試薬としては、大腸菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌やサルモネラなどの各特定の微生物から代謝する特定の酵素と反応して発色する試薬が多数知られており、その他、特定の微生物とのみ反応する抗体、特定の微生物とのみ感染するマイクロファージ、DNAプローブやPNAプローブなどにそれぞれ染色あるいは蛍光染色標識を行うことで、特定の微生物とのみを染色するものなどがある。これらの染色試薬は、それぞれ励起するための光の波長、発色あるいは蛍光発色する波長、発色する光の強度や目的の微生物に対する特異性などが異なるため、目的に応じて適時選択することが可能である。
【実施例】
【0048】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0049】
図1は微生物計量装置の一態様を示す構成図である。この微生物計量装置は、光源集光手段としてのレンズ1、受光部2を含む。光源3から発せられた励起光から目的の波長を取り出すために励起光分光フィルタ4で分光する。分光された励起光はプリズム5を経て、光路を変化させられる。光路を変化させられた励起光はレンズ1を経て検査台6に設置された微生物採取用フィルタ7を含む部位、即ち、微生物採取用フィルタ7と台座8からなる組合せ体の微生物採取用フィルタ7の表面に集光される。そこで励起光によって励起された微生物が有する蛍光は、再びプリズム5を透過し、受光部2に到達する。受光部2に到達した蛍光は、目的の蛍光のみを取り出すために蛍光分光フィルタ9を経て、受光部に内蔵された光電変換素子10に到達し、信号化され、認識される。また、図に示していないが、この微生物計量装置はモータなどでXY方向に移動する移動手段を備えた検査台6をを備えており、微生物採取用フィルタ7の表面の蛍光発光を全て、若しくは一部を受光することができる。微生物採取用フィルタ7の材質はPCで、このフィルタ表面に金を蒸着して、フィルタ上には金の薄膜が形成させている。
【0050】
界面活性剤を含有する検体として、予め大腸菌を添加した台所洗剤を用いた。この検体を微生物採取用フィルタ7でろ過する。台所洗剤種類によっては、粘度が高いためにろ過ができない場合もあるが、このような場合、蒸留水で適当な濃度(3〜10倍)に希釈すると全量ろ過ができる。ろ過することで、大腸菌が微生物採取用フィルタ7上に捕捉される。この捕捉された大腸菌の生死菌を染色する4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩と死菌を染色するプロピデュームイオダイドで染色した。染色後のフィルタ上に捕捉された大腸菌を蛍光顕微鏡で観察した。紫外光を照射すると青色に蛍光した大腸菌の生死菌が観察された。緑光を照射すると赤色に蛍光した大腸菌の死菌が観察された。フィルタの脱色もなく、フィルタ自体の蛍光発光もなく、精度良く大腸菌の生死菌および死菌の検出および個数をカウントすることができた。この検体を金の蒸着を行わない通常のフィルタでろ過をすると、黒色のフィルタを用いても、フィルタの色が脱色していまい、顕微鏡で同様の観察を行うと、フィルタ自体から発光し、発色している微生物を確認することが非常に困難であることが確認された。
【0051】
この染色された大腸菌を上記微生物計量装置で計量した。紫外光および緑光を照射された大腸菌について、生菌と死菌は461nmの蛍光発光しており、更に死菌は617nmで蛍光発光しているので、微生物判断手段11により、微生物若しくは異物と光の波長の違いを分光フィルター9で分光後目的の蛍光波長のみが取り出され光電変換素子10に到達し、励起波長359nmを吸収し励起されて461nmで蛍光発光しているものは生菌と死菌を含む微生物と判断され、励起波長535nmを吸収し励起され617nmで蛍光発光しているものは死菌と判断され、461nmと617nmの両方で蛍光発光してないものは異物と判断され、微生物と判断された蛍光は積算されて、その数量が計量される。具体的には、光電変換素子10であるCCDに、用いるレンズの倍率によって異なるが1視野(1つの画像)の大きさは1mm↑2以下であれば、0.2〜7μmの菌の大きさを十分に見極めることが可能であり、CCDで撮影された画像にある設定された輝度以上あるいは範囲のものとそれ以外のものとを2値化処理を行い、その2値化された画像で0.2〜7μmの大きさと判断した発光点を微生物と判断する。この大きさや輝度値は、検出したい目的の微生物や検体の種類や性状に応じて自由に設定することが可能である。微生物判断手段11は上記処理がプログラムされたマイコンである。この微生物と判断された発光点は、積算手段12によって、1個づつ積算され、1視野毎に菌数として集計を行う。積算手段12は1個づつ積算するようにプログラムされたマイコンである。検査台6は、モータなどでXY方向に移動することができ、移動することによって微生物採取用フィルタ7の複数の視野を撮影することが可能で、測定した視野数(面積)からフィルタの全面積に換算して総微生物数を算出することもできる。その総微生物数や1視野での微生物数が、設定した値以上あるいは以下であるときに、例えば、警告音やディスプレーに注意やある種のメッセージを表示させたり、測定そのものを停止させるなどの注意手段13で作業者に知らせることで、特に品質不良などの重要な事柄を瞬時に知らせ、直ちに必要な処理を行わせることができる。図2に図1の微生物検査装置で撮影した1視野の画像について、微生物を計量するフローを示す。多数の視野を計測する場合には、このフローを繰り返し、フィルタ全体の面積と測定した面積(視野面積×視野数)の比に計測した微生物数を乗じることでフィルタ全体の微生物と算出することができる。
【0052】
光源3より発生した励起光は、レンズ1によって集光されるが、その際レンズ1によって励起光を照射する範囲は微小な一定面積に集光される。この場合、微小な一定面積とは微生物の大きさに基づいて設定した場合、一辺0.2μm乃至7.0μm程度の範囲を指し示す。また、現在最も利用されている微生物検出手段の一つである寒天培地拡散法との比較に基づいた場合、寒天培地拡散法によって培養、増殖した微生物の集団によって形成されるコロニーは、その距離が近接している場合、コロニー同士が重なり合う場合があり、最終的に目視で確認した場合、一つのコロニーとして認識してしまう事例が生ずる場合がある。そこで、この場合の微小な一定面積とは、コロニー同士が重なり合わない距離に基づいた場合、一辺100μm乃至500μm程度の範囲を指し示す。つまり微小な一定面積とは、微生物認識手段4にて大きさで微生物と認識できる大きさである。受光部2は、複数の光電変換素子でフィルタ全体を一度で画像として撮影しても良いし、微小(一辺が10μm以下)で1個の光電変換素子10で撮影後、ひとつひとつの画像を組合わせて、最終的に微生物の大きさを認識しても良い。
【0053】
レンズ1によって集光された励起光の照射時間は、蛍光を発する化合物の消光時間と励起光強度に依存する。化合物の種類によっては、自然界に存在する紫外光によっても分解
する場合があり、2秒乃至300秒前後の範囲内で励起光を照射することが望ましい。
【0054】
発光を検出する際、光源3の波長の幅が広いものである場合は、励起光分光フィルタ4によって励起波長を調整、分光することが可能となる。励起光分光フィルタ4は、目的の検出対象に応じて変えられるため、様々な蛍光を発する化合物に対応できる。
【0055】
また、同時に、発光した蛍光波長の幅が広いものである場合は、目的の発光を検出するために蛍光分光フィルタ9を目的の検出対象に応じて変えることで様々な蛍光を発する染色試薬に対応できる。
【0056】
光源3としては、各種ダイオード、ハロゲンランプ、キセノンランプ、冷陰極管、レーザー、ブラックライト、水銀ランプなどが挙げられる。これらの光源のうち、最大励起波長が比較的限定されているダイオード、冷陰極管、ブラックライトなどは、前記励起光分光フィルタ4および蛍光分光フィルタ9を使用することなく実施できる場合がある。また、ハロゲンランプ、水銀ランプなどについては、励起光分光フィルタ4および蛍光分光フィルタ9を使用する必要がある場合がある。
【0057】
プリズム5およびレンズ1は、必要に応じてそれぞれ紫外光を透過する性質を有する。紫外光を透過する性質を有するものとしては石英ガラスなどが挙げられる。これにより紫外光で励起される化合物などにも対応できる。微生物採取用フィルタ7を含む部位を設置する検査台6は回転能を有する。レンズ1により集光された励起光は、微生物採取用フィルタ7の外周部より中心部へ、若しくは、中心部より外周部へ、半径分の距離を移動する。その際、レンズ1により集光された励起光の位置が外周部に存在するときと中心部に存在するときで検査台2の回転速度を変化させることによって、レンズ1により集光された励起光が外周部に存在するときと中心部に存在するときで励起された染色試薬が発した蛍光のずれ、残像および残光の発生を防止することができる。
【0058】
図に示したように検査台6は微生物採取用フィルタ7を含む部位を嵌合させるための陥没部分(装置溝)を有し、ここに微生物採取用フィルタ7を含む部位をそのまま組み込むことができる形状としてある。なお、この際、例えば、検査台6に、微生物採取用フィルタ7がその上に位置するように金属平板を設け、微生物採取用フィルタ7が金属平板に押し付けられるような状態で組み込まれるようにすることで、検査台6上で微生物採取用フィルタ7が凹凸なく平滑に保持されるようにすれば、微生物採取用フィルタ7に捕集された微生物の定量をより確実なものにすることができる。
【0059】
なお、集光した位置を認識する手段を設けることでレンズ1によって集光された励起光の位置を認識し、集光が軌道から逸れないように、また、逸れた場合は再び軌道に戻すように設定されるものである。
【0060】
なお、励起光を照射する微小な一定面積は、正方形を含む多角形に限らず、円形、楕円形などでも可能であり、検体を照射できるものであればよい。
【0061】
なお、励起光もしくは蛍光を分光する手段として回折格子などを利用することも可能である。
【0062】
なお、検査台6の回転速度を調整することで蛍光の残像および残光を防ぐこととしたが、励起光を照射するレンズ1の移動速度を調整することで残像および残光を防ぐことも可能である。
【0063】
なお、集光した位置を認識する手段は、必ずしも励起光の集光位置を直接認識する必要は無く、微生物採取用フィルタ7上の軌道を把握するものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の微生物を含みうる界面活性剤を含有する検体において、色落ちしない暗色のフィルタを用いることで、フィルタ上に捕捉した微生物を精度良く測定することができる。各種洗剤、化粧品やその他の化成品、食品など界面活性剤を含有している製品は多く、微生物汚染の有無を確認するために微生物試験を実施している。そのような製品の微生物の検出方法および装置としては非常に有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例の微生物計量装置の一態様を示す構成図
【図2】本発明の一実施例の微生物数をカウントするフローを示すフロー図
【符号の説明】
【0066】
1 レンズ
2 受光部
3 光源
4 励起光分光フィルタ
5 プリズム
6 検査台
7 微生物採取用フィルタ
8 台座
9 蛍光分光フィルタ
10 光電変換素子
11 微生物判断手段
12 積算手段
13 注意手段




【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤と微生物を含みうる検体を微生物採取用フィルタで前記検体をろ過することにより微生物を検出する方法において、前記微生物採取用フィルタにフィルタ自体からの蛍光発光を防止する発光防止手段を備えたことを特徴とする微生物検出方法。
【請求項2】
エマルジョン粒子と微生物を含みうる検体のエマルジョン粒子と微生物を分離するために界面活性剤を検体に添加し、微生物採取用フィルタで前記検体をろ過することにより微生物を検出する方法において、前記微生物採取用フィルタにフィルタ自体からの蛍光発光を防止する発光防止手段を備えたことを特徴とする微生物検出方法。
【請求項3】
色落ちを防止しかつ暗色の前記微生物採取用フィルタを用いることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の微生物検出方法。
【請求項4】
前記微生物採取フィルタ上に顔料を担持した請求項1または2のいずれか記載の微生物検出方法。
【請求項5】
前記微生物採取フィルタ上に金、銅、クロム、白金、パラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属成分を含む薄膜が形成された請求項1または2のいずれか記載の微生物検出方法。
【請求項6】
前記微生物採取フィルタに上に捕捉した微生物を染色法で検知あるいはカウントする請求項1乃至5いずれか記載の微生物検出方法。
【請求項7】
前記染色法が蛍光染色法である請求項1乃至6いずれか記載の微生物検出方法。
【請求項8】
前記請求項1または2記載の前記微生物採取フィルタと、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備え、前記染色法が生細胞とのみ反応して生細胞のみを発色させる第1の試薬と、死細胞のみと反応して死細胞のみを前記発色と異なる波長で発色させる第2の試薬と、生死細胞のいずれとも反応して生死細胞のいずれも前記発色と異なる波長で発色させる第3の試薬と、特定の微生物あるいは、その微生物由来物質の固有の物質と反応することで前記発色と異なる波長で発色する少なくとも1種類以上の第4の試薬の中でいずれか1種類あるいは複数種類の試薬を用いた請求項1乃至7いずれか記載の微生物検出方法。
【請求項9】
前記請求項1または2記載の前記微生物採取フィルタと、フィルタ自体からの蛍光発光を防止する手段を備え、前記第1の試薬と、第2の試薬と、第3の試薬と、第4の試薬の中でいずれか1種類あるいは複数種類の化合物を用いて微生物を染色した後、予め定められた波長域で励起光を照射する光源と、前記励起光によって照射されて発光する予め定めたれた波長域の光を前記微生物採取フィルタの設定した一定面積を受光する受光手段と、前記光源によって照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し、その受光した光量が設定したしきい値の範囲で、かつ設定した面積の範囲であるものを微生物と判断する微生物判断手段と、前記微生物採取フィルタの1部あるいは全面積の発光点を確認するために、前記微生物採取フィルタあるいは受光手段を移動させる移動手段と、微生物判断手段によって微生物と判断した発光点1個と微生物1個と判断して、順次積算することで、微生物の数量を積算する積算手段を有する請求項1乃至8いずれか記載の微生物検出方法を行うための微生物計量装置。
【請求項10】
受光手段が、少なくとも微生物の大きさが認識できる面積を有した複数個の光電変換素子である請求項9記載の微生物計量装置。
【請求項11】
前記光源を1種類あるいは複数種類であり、予め定められた波長域を1種類あるいは複数種類であり、その1種類あるいは複数種類の波長域で照射された発光する光を予め定められた、複数種類の波長域の光を各々受光する受光手段と、各々の波長域での光量の比から発光した点あるいは面積を微生物と判断する微生物判断を有する請求項9または10記載の微生物計量装置。
【請求項12】
前記複数種類の光源と複数の波長域を受光する受光手段を1種類あるいは設定した種類の前記光源および受光手段を切替て、設定した種類のみ波長域の光源と受光手段で微生物を検知する請求項9乃至11いずれか記載の微生物計量装置。
【請求項13】
前記微生物判断手段によって、設定した面積以上のため微生物以外と認識された発光点の面積を順次積算あるいはその面積を1つと認識して順次個数を積算し、その総面積あるいは総個数が、設定した面積あるいは個数以上のときに注意を表わす注意手段を有した請求項9乃至12いずれか記載の微生物計量装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−166861(P2006−166861A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367179(P2004−367179)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】