説明

微生物発酵技術の利用によるリン肥料の製造方法

本発明は、リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから嫌気性の微生物発酵を用いて、亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩(およびそれらのポリマーの形態および/またはそれらの塩)ならびに亜リン酸塩ベースの農薬(肥料および殺生物剤)を製造する方法およびその使用を含む。
発酵プロセスは、農薬製品として用いられ得る、液状および固形の亜リン酸塩/次亜リン酸塩を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最終製品が農業での使用に適した、微生物発酵技術を用いることによる、より具体的にはリン酸塩ソースを嫌気性の微生物発酵により還元された形態のリンに変換することによる、リン(P)肥料の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホネートとしても知られている亜リン酸塩は、土壌、植物および海生植物のシステムにおけるリンのサイクルの天然成分である。それらは、亜リン酸(H3PO3)の塩として定義される。次亜リン酸塩は次亜リン酸の塩である。
この発明の以下の説明では、「亜リン酸塩」という用語は、これら亜リン酸/次亜リン酸の塩を記述するために用いられることもある。
【0003】
現代の農業においては、リンのサイクルは殺生物剤および無機肥料の広範囲に亘る使用により、ひどく乱されている。これらの要因は、多くの農業の土壌においてしばしばリンの制限をもたらす。
さらに、リン酸塩ベースの肥料は、固着および吸着のため、多くの土壌では極めて有効ではないことが知られている。その上、葉のリン酸塩の吸収は、極めて貧弱であるかまたはありえない。
【0004】
亜リン酸塩は、植物栄養素源(Lovatt,米国特許5514200)および殺生物剤(Thizy,米国特許4075324)として、植物と微生物の両方において活性を有することが最近知られており、現在それらの農芸化学での使用についてうまく確立されている。
【0005】
亜リン酸塩ベースのリン肥料は、植物の葉を通過する優れた浸透性を示し、土壌中でより利用可能である傾向を有し、リン酸塩の場合のように固着または吸着されないことも判定された。
亜リン酸塩ベースの肥料は、酸素分子を一つ少なく有するため、リン酸塩ベースの肥料よりも、リンの供給の点でかなり有効であり、そのため分子中の「P」の比率はそれに対応してより高い。
【0006】
亜リン酸塩は極めて溶けやすく、沈殿および土壌吸着されにくい。亜リン酸塩の優れた溶解性は、塩の中のアニオンという点でも有利である。アンモニウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの塩のより高い溶解性は、相当するリン酸塩よりも、土壌または特に植物の葉のいずれかに適用される、より有効な栄養の配達をもたらす。
【0007】
亜リン酸塩は、菌類およびバクテリアのような特定の微生物に対する顕著な活性を証明するために示され、殺生物剤として用いられる。
現在、リン肥料の製造は、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、亜リン酸カリウムなどのような肥料の塩を製造するために、酸を製造すること、次いで酸と特定の塩基とを反応させることから主になっている。これらの方法は、高反応性で、一般に発熱性の反応を伴う。また、多くの反応物質は化学的に危険である。
【0008】
商業的には、ほとんどの亜リン酸塩は、極めて有害で、危険な反応である3塩化リンと水との反応により主に製造される。亜リン酸は反応生成物から抽出され、精製される。それは費用がかかる危険なプロセスである。
亜リン酸塩/次亜リン酸塩を製造することができる、より危険性が少なく、より有効なプロセスが見出された場合、それは極めて有益な結果をもたらす。
【0009】
嫌気性の微生物は自然界に多数存在し、自然界における多くの複雑な生化学的反応を仲介している。酸素が不存在または限定的であるいずれかの環境で、嫌気性の代謝が起こり得る。
嫌気性の環境の例は、有機物が酸素の不存在下に分解され、「沼気」の形成を引き起こす、湿地および停滞水のような生態系において見出され得る。沼気は大部分がメタンである。
【0010】
有機物の嫌気的な腐敗および劣化は、通常、硫化水素およびメルカプタン(硫黄を含むいずれかの有機化合物)のような、硫黄を含む有機化合物の不快臭を伴っている。そのような還元条件では、酸素が豊富な分子は多く存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、嫌気性の微生物発酵を用いて、亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩(およびそれらのポリマーの形態および/またはそれらの塩)ならびに亜リン酸塩ベースの農薬(肥料および殺生物剤)の使用および製造方法を記載する。
【0012】
発酵プロセスは、農薬製品として用いられ得る、液状と固形両方の亜リン酸/次亜リン酸塩を製造する。発酵容器から取り出した後、液相はろ過され、パッケージされる。液体物質は植物への適用のために、水でさらに希釈され、植物に適用される。
反応チャンバー内の固形物質は取り出され、乾燥され、次いで(肥料および粘土のような)その他の固形物と混合されるか、または水で希釈されて適用される固体肥料として用いられ、植物に適用され得る。
【0013】
誘導される亜リン酸塩/次亜リン酸塩ベースの肥料は安定であり、植物の葉に許容可能なpHを有する溶液中に混合され、また根に許容されるpHを有するその他の溶液中に混合され得る。
発酵容器から取り出されたとき、該物質は乾燥されるかもしくは水でさらに希釈され、または懸濁液にされ得る。
【0014】
したがって、リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、嫌気性発酵により亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩を製造するために、天然の土壌が用いられるプロセスを提供することが、本発明の一つの目的である。
【0015】
リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、嫌気性発酵により亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩を製造するために、自然界にある微生物が用いられるプロセスを提供することも、本発明の目的である。
【0016】
リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、嫌気性発酵により亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩を製造するために、天然の土壌および微生物が用いられるプロセスを提供することも、本発明の目的であり;ある場合には、土壌は嫌気性発酵プロセスにおいて利用される微生物源を提供する。
【0017】
嫌気性発酵により製造される亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩が、園芸などでの使用のため、肥料、殺生物剤およびその他の農薬のような農薬製品を製剤化するために用いられるプロセスを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0018】
リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩を製造するために、発酵プロセスで嫌気性のバクテリアを用いることが、本発明のもう一つの目的である。
【0019】
リン酸塩またはその他の天然もしくは合成のリンのソースから、亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩を製造するために、発酵プロセスで嫌気性の菌類を用いることが、本発明のもう一つの目的である。
【0020】
嫌気性発酵により製造される亜リン酸塩および/または次亜リン酸塩が、植物、微生物または土壌に適用されるプロセスを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
製造方法
次の成分:
好適なリン酸塩ソース、(嫌気性の微生物および必須の栄養素を含む)嫌気性の土壌サンプルまたは選択された微生物の純粋培養液が加えられる無菌の土壌、炭素源および水が、スラリー中で混合され、換気された気密コンテナー中に置かれる。
【0022】
ヘリウム、ノーベル(Nobel)ガスまたは窒素が、発酵容器から空気をパージするために用いられ得る。気密コンテナーは、排気ガスが放出されることを可能とし、発酵容器内に確立される最小の圧力を確実とするために、一方通行の通気口を有する。
【0023】
リン酸塩を還元することができる、上記のような混合された微生物の共同体は、土壌が数年間嫌気的に培養された場所から得られる。好気性の条件の欠如が、これらの低酸素条件下に増殖する嫌気性の微生物の出現には好ましいため、上記の土壌が好ましい。
【0024】
嫌気性の条件における、微生物の成長のエネルギー的な要件は、様々なレドックス反応によることを除いては、酸素に依存する呼吸によっては満たされない。そのような反応は、(オキシアニオンのような)高酸化物質が低酸化状態に還元され得る還元環境を生み出す。
そのような例には、硫酸塩から硫化物に、塩素酸塩から塩化物に、リン酸塩から亜リン酸塩に、硝酸塩から窒化物に(および究極的にはメタン)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
したがって、十分に低酸素の環境が提供される場合、リン酸塩は、亜リン酸塩(+III)および次亜リン酸塩(+I)のような低酸化状態に変換され得ることが見出された。
嫌気性発酵プロセスの結果、液状および固形の、亜リン酸塩および次亜リン酸塩のような、リンの還元されたオキシ酸塩が製造される。
【0026】
本発明は、農芸化学、農業、園芸およびその他の使用のための、亜リン酸塩/次亜リン酸塩の製造方法を記載する。
組成物は、短かければ数日から長くとも数ヶ月の間、培養され得る。この反応は、より高い温度(10〜40℃)により加速される。
【0027】
嫌気性発酵プロセスの結果、さらに濃縮され、希釈され、そして/またはその他の肥料および/または複合肥料を形成するための殺生物剤および/またはその他の殺生物剤と混合して用いられ得る、固体または液体の形態で農業/園芸などで用いられ得る亜リン酸塩/次亜リン酸塩が製造される。
【0028】
次に限定されることなく、クロストリジウム、ビブリオ、クレブシラおよび/またはエッシェリヒアのような、様々な属の微生物が、このプロセスで識別された。
一般に、嫌気性の土壌から分離されるバクテリアの群のサンプルが、嫌気性の条件下にリン酸塩ソースから亜リン酸塩/次亜リン酸塩を製造するための能力を、多かれ少なかれ有することが見出された。
【0029】
嫌気性の土壌サンプルは、カリフォルニアの様々な場所から集められ、そのような3つの土壌(指定されたrrs 12、rrs 15およびrrs 19)は、リン酸塩から亜リン酸塩を製造することも裏付けられた。
クロストリジウム、ビブリオ、クレブシラおよび/またはエッシェリヒア、その他の嫌気性菌のような属に属するバクテリアのような嫌気性微生物の培養では、嫌気性菌の増殖につながる成長条件を用いることが望ましい。
【0030】
様々なインダクタントには、媒体に限定されず、1983年のロングらにより記載されたもののような追記が含まれる(Appl. Environ. Microbiol., 45:1389-1393)。土壌サンプルからバクテリアの分離が行われ、リン酸塩から亜リン酸塩を製造することができる分離株の識別に到った。
【0031】
この発明では、静的な発酵の形態、またはバイオマスの最適な消化ならびに亜リン酸塩およびそれらの塩の製造が維持されるような嫌気性のバクテリアの発酵のために好ましい環境を提供する連続的な発酵システムを採ることができる。
【0032】
すべての場合において、ヘリウム、窒素またはノーベル・ガスが、発酵容器をパージするために用いられ得る。一般に、好ましくは水性スラリーの形態のバイオマスが、嫌気性の環境と共に提供される発酵反応器中に導入される。
【0033】
バイオマスのスラリーのpHが約4.8に低下した場合、発酵プロセスは損なわれ得る(すなわち、有効な嫌気性のバクテリアの発酵を維持するには、環境があまりにも酸性すぎる)。
【0034】
したがって、各反応器中のpHを約4.8以上に維持するために、システムに中和剤が加えられ得る。好適な中和剤には、水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩、アンモニウム、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムの塩が含まれる。好ましくは、炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムが、システムの好ましいpHの範囲を維持するために用いられる。中和剤は、pHの範囲を維持するために必要とされる、いずれの点においてもシステムに加えられ得る。塩基は、単独でまたは発酵プロセスを引き起こす新たなバイオマスと共に加えられてもよい。
以下に亜リン酸塩/次亜リン酸塩の製造方法の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0035】
実施例1
次の物質(一般に、それらの物質はよい状態であり、最初にフィッツパトリック・ミルのようなよく知られた粉砕機を用いて、10〜40メッシュ(ASTM)の範囲の粒子径に粉砕される)をスラリー中で混合し、土壌を除く全ての成分をオートクレーブ中で滅菌した。土壌を混合物に加え、オービタル・シェイカー上、約35℃で培養した。残留空気をパージするために発酵チャンバー中にヘリウムを供給した。日々の結果を以下の表に示す。
【0036】
リン酸カルシウム(コロイド状) 2kg
リン酸カリウム 0.5kg
嫌気性の土壌(サイト rrs 15) 300g
蔗糖 10g
乳酸ナトリウム 1g
FeCl2 0.5
MnCl2 0.1
ZnCl 0.05
CuCl 0.02
Se 5g
ソルボア(Solubor) 0.01g
水 1.5kg
【0037】
混合物の初期のpHを塩酸で7.5に調整した。混合物を攪拌した。20〜30日経過後、媒体のpHは発酵が損なわれ水酸化カルシウムのような塩基での調整を必要とするレベルに低下し得る。
結果:(実施例1)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0038】
【表1】

【0039】
実施例2
無機リン酸塩ソースを実施例1のように用いた。しかしながら、この実施例では、複雑な炭素源を用いた(小麦の藁)。その他の無機の栄養素は加えなかった。物質を実施例1のように混合した。残留空気をパージするために窒素を用いた。日々の結果を以下の表に示す。
【0040】
リン酸アンモニウム 4kg
小麦の藁 100g
嫌気性の土壌(サイト rrs 12) 1kg
水 2kg
pH 7.5
あらゆる残留空気をパージするために、発酵容器中に窒素を供給した。
結果:(実施例2)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0041】
【表2】

【0042】
実施例3
リン酸アンモニウムの代わりにリン灰土を用いたことを除いて、実施例2と同じである。
【0043】
リン灰土 4Kg
嫌気性の土壌(サイト rrs 19) 0.5Kg
小麦の藁 0.5Kg
水 4Kg
結果:(実施例3)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0044】
【表3】

【0045】
実施例4
この実施例では、全ての成分を滅菌した。次いで、滅菌後に、クロストリジウム種(C−rrs 19)を混合物に加え、上記のように培養した。
【0046】
粉砕された(<0.25mm)リン灰土 4Kg
嫌気性の土壌(サイト rrs 19) 0.5Kg
小麦の藁 0.5Kg
水 4Kg
結果:(実施例4)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0047】
【表4】

【0048】
実施例5
この実施例では、実施例4のように、全ての成分を滅菌した。次いで、滅菌後に、大腸菌分離株(E.C.rrs 19)を混合物に加え、上記のように培養した。
【0049】
リン灰土 4Kg
嫌気性の土壌(サイト rss 19) 0.5Kg
小麦の藁 0.5Kg
水 4Kg
結果:(実施例5)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0050】
【表5】

【0051】
実施例6
この実施例では、実施例4のように、全ての成分を滅菌した。次いで、滅菌後、未確認のバクテリア分離株(UI rrs 19)を混合物に加え、上記のように培養した。
【0052】
リン灰土 4Kg
嫌気性の土壌(サイト rss 19) 0.5Kg
小麦の藁 0.5Kg
水 4Kg
結果:(実施例6)
亜リン酸塩および次亜リン酸塩の回収率(総Pのa%としての%w/w)
【0053】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.換気されたチャンバー中へリン酸塩ソースを含むスラリーを導入する;
b.前記のチャンバー中へ少なくとも一つの微生物源を導入する;
c.前記のチャンバー中へ炭素源を導入する;
d.前記のチャンバー中へ水を導入する;
e.所定期間、前記のチャンバーを培養する;そして
f.前記のチャンバーから還元された形態のリンを定期的に取り出す
工程を含む、嫌気性発酵による、リンのソースから還元された形態のリンを製造する方法。
【請求項2】
前記の培養期間が数日〜数ヶ月である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記のチャンバー内の温度が約10℃〜約40℃の間に維持される、請求項1の方法。
【請求項4】
前記の微生物源が土壌である、請求項1の方法。
【請求項5】
前記の微生物源が天然の土壌である、請求項1の方法。
【請求項6】
前記の微生物源が自然界に存在する微生物である、請求項1の方法。
【請求項7】
前記の微生物源が嫌気的に培養された土壌である、請求項1の方法。
【請求項8】
前記の土壌が嫌気性の微生物および必須の栄養素を含む、請求項7の方法。
【請求項9】
嫌気性の菌類が発酵プロセスで用いられる、請求項1の方法。
【請求項10】
嫌気性のバクテリアが発酵プロセスで用いられる、請求項1の方法。
【請求項11】
前記のリン酸塩ソースが有機リン酸塩および無機リン酸塩の群から選択される、請求項1の方法。
【請求項12】
前記のリン酸塩ソースが、リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、リン灰土およびそれらの組合せの群から選択される一つである、請求項1の方法。
【請求項13】
前記の有機リン酸塩ソースが、動物のソース、骨、植物のソース、種およびそれらの組合せの群から選択される一つである、請求項1の方法。
【請求項14】
前記の還元された形態のリンが、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ホスホン酸塩、ハイポホスホネート、ホスホナイトおよびそれらの組合せの群から選択される一つである、請求項1の方法。
【請求項15】
亜リン酸塩を製造するのに有効なpHを維持するために、中和剤を加えるさらなる工程を含む、請求項1の方法。
【請求項16】
前記のチャンバー内の物質のpHを約4.8以上に維持するさらなる工程を含む、請求項1の方法。
【請求項17】
前記の微生物源が、クロストリジウム属、ビブリオ属、クレブシエラ、エッシェリヒア属およびそれらの組合せの群から選択されるバクテリアである、請求項1の方法。
【請求項18】
前記のチャンバーを定期的に換気する追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項19】
発酵の開始前に、前記のチャンバーから空気をパージする追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項20】
ヘリウム、窒素、ノーベル・ガスおよびそれらの組合せのうちの一つが発酵容器から空気をパージするために用いられる、請求項21に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一つの不活性ガスで余分な空気を置換することにより、前記のチャンバーから余分な空気をパージする追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項22】
前記の微生物源を導入する前に、前記のスラリーを滅菌する追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項23】
前記の微生物源が、選択された微生物の純粋な培養物である、請求項23の方法。
【請求項24】
前記のチャンバー中に発酵成分を導入する前に、発酵成分を粉砕する追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項25】
前記のチャンバー内の物質の初期のpHを約7.5に調整する追加の工程を含む、請求項1の方法。
【請求項26】
還元された形態のリンが、農薬、肥料、殺生物剤およびそれらの組合せの群の一つを製剤化するために用いられる、請求項1の方法。
【請求項27】
還元された形態のリンが、植物、微生物、土壌およびそれらの組合せの群の一つに適用される、請求項1の方法。
【請求項28】
a.換気されたチャンバー中へリンのソースを含むスラリーを導入する;
b.前記のチャンバー中へ少なくとも一つの微生物源を導入する;
c.前記のチャンバー中へ炭素源を導入する;
d.前記のチャンバー中へ水を導入する;
e.少なくとも一つの不活性ガスで余分な空気を置換することにより、前記のチャンバーから余分な空気をパージする;
f.前記のチャンバー内の物質の初期のpHを約7.5に調整する;
g.約10℃〜約40℃の間の温度で、前記のチャンバーを培養する;
h.所定期間、前記の温度を維持する;
i.前記のチャンバー内のpHを約4.8以上に維持する;そして
j.前記のチャンバーから還元された形態のリンを定期的に取り出す
工程を含む、リンのソースから嫌気性発酵により還元された形態のリンを製造する方法。
【請求項29】
前記のリンのソースが、リン酸塩、天然のリンのソース、合成のリンのソースおよびそれらの組合せの群から選択される、請求項28の方法。
【請求項30】
前記のリンのソースが、有機リン酸塩および無機リン酸塩の群から選択される、請求項28の方法。
【請求項31】
前記のリンのソースが、リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、リン灰土およびそれらの組合せの群から選択される一つである、請求項28の方法。
【請求項32】
前記の微生物源が嫌気的に培養された土壌である、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記の微生物源が、クロストリジウム属、ビブリオ属、クレブシエラ、エッシェリヒア属およびそれらの組合せの群から選択されるバクテリアである、請求項28の方法。
【請求項34】
前記の微生物源を導入する前に、前記のスラリーを滅菌する追加の工程を含む、請求項28の方法。

【公表番号】特表2010−508814(P2010−508814A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535336(P2009−535336)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/023200
【国際公開番号】WO2008/057448
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509125567)エスシーアイ プロテック,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SCI PROTEK, INC.
【住所又は居所原語表記】35801 Road 132, Visalia, CA 93292, U.S.A.
【Fターム(参考)】