説明

微生物群集解析方法

【課題】微生物の持つ遺伝情報を指標として、簡単な操作により、短時間で正確に、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比を明らかにすることができる微生物群集解析方法を提案する。
【解決手段】試料中の微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅し、増幅された核酸断片をTRFLP法により処理してTRFの鎖長に対応する存在比を求め、一方SSCP法により一本鎖の核酸断片を調製して電気泳動的に分画して、各核酸断片の塩基配列または微生物種を決定し、決定された塩基配列または微生物種から、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定する微生物群集解析方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の微生物によって構成される微生物群集の構造を明らかにするための微生物群集構造解析方法に関し、特に発酵生産、排水処理、スライムコントロール、医薬分野などの微生物を扱う分野において、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比などの微生物群集構造を明らかにするための微生物群集解析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微生物が関与する発酵生産、排水処理、スライムコントロール等の産業分野や、医薬分野などの多くの分野において、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物の属、種、株等の微生物種の別、ならびにそれぞれの微生物種の存在比などを明らかにすることが要求されることがある。従来、このような目的の微生物の群集構造解析のためには、顕微鏡観察、培養による単離、同定などが行われていたが、このような解析方法では、複雑な操作と多くの時間が必要であった。
【0003】
これに対して近年、微生物の群集構造解析には、個々の微生物の持つ遺伝情報を指標とした解析手法が広く利用されるようになっている。このような遺伝情報を指標とする解析手法では、個々の微生物毎にDNA配列には相異があることに着目し、DNA配列の違いを指標として個々の微生物の名称を特定することができる。また特定のDNA分子の割合を調べることにより、もとの群集構造における各細菌の存在割合を推測することも可能である。こうした微生物群集構造解析手法として、非特許文献1には、ランダムクローニング法、FISH(Fluorescent in-situ hybridization)法、TGGE(Thermal gradient gel electrophoresis)法、DGGE(Denaturing gradient gel electrophoresis)法、SSCP(Single strand conformational polymorphism)法、TRFLP(Terminal restriction fragment length polymorphism)法などが示されている。
【0004】
このうちTRFLP法は、微生物群集より抽出したDNAを、標識したプライマーを用いてPCRにより増幅し、得られた増幅産物を適切な制限酵素で処理することで得られるTRF(Terminal restriction fragment:末端制限断片)、すなわち5’末端側の断片の鎖長をキャピラリー電気泳動で解析する方法である。この方法は簡便で再現性もよいので、近年幅広く利用されている技術であり、例えば活性汚泥中の微生物や、土壌中の難分解性有機化合物の分解に関与する微生物、ヒト糞便中に含まれる微生物などの解析に利用されている。
【0005】
しかしながら、このようなTRFLP解析では、TRFの長さと量から各DNAの存在比を明らかにすることは可能であるが、TRFないしは、その由来となったDNA断片のDNA配列を特定することは困難である。すなわちTRFLP解析では、ポリマーを充填したキャピラリー式の電気泳動によってDNAを分画しているため、このような微量の試料を扱う解析装置から、分離されたDNAを回収することは困難であるとともに、TRFLPでは制限酵素で完全に消化されたDNA断片を解析しているので、例えば数10〜100塩基以内の長さのTRFから微生物の名称を特定するための十分な遺伝情報を得ることはできないからである。
【0006】
したがって、TRFLP法によって分離されたTRF、およびその由来となる微生物の関係を特定するためには、通常はTRFLP法と平行して別の解析を実施する必要があった。たとえば、試料を寒天培地に塗布して得られたコロニーから分離したDNAや、ランダムクローニング法等によってDNAプールからクローン化されたDNAの配列を特定して、得られた情報より期待されるTRFの長さを推測して、TRFLPの結果と照合するなどの方法が用いられる。しかしながら、こうした操作は極めて煩雑なだけではなく、PCRによるバイアス等によって、必ずしもコロニーやクローンの遺伝情報の結果とTRFLPの結果が一致しないケースがあり、全てのTRFを特定することはできないなどの問題点がある。
【0007】
一方、SSCP法による群集構造解析では、二本鎖のDNA断片から一本鎖のDNAを調製し、得られた一本鎖DNAをポリアクリルアミド当のゲルを支持体として電気泳動的に分画し、シークエンシングに供することによってDNA断片の遺伝子配列を明らかにすることができる。DNA配列は、RDB等の既存のデータベースと照合することにより、微生物の名称を特定することが可能である。したがって、DNA断片の量や数から群集における各DNAの存在比を調べ、さらに各DNA断片に相当する正確な微生物名を容易に特定することができる。
【0008】
しかしSSCP法は、通常DNA断片がバンドとして分画されるため、分画されたDNA断片の正確な存在比を得ることは困難である。またSSCP法は、一本鎖DNAの分子内構造の差による物理的性質の差を利用して検出を行うため、検出時の物理条件等によって検出結果が異なり、再現性が悪く、経時的な変化の追跡には不向きである。また、PCR反応には様々なバイアスが生じることが指摘されており、同一の微生物群集より調整したDNAを鋳型としてPCR反応を実施した場合においても、末端が修飾されていたり、配列や長さが異なるなど、プライマーの性状の違いによって、合成されるDNA分子の組成が異なる可能性が考えられる。したがって、それぞれ別のPCR産物よりTRFLP法とSSCP法を並行して実施しても、両者によって得られる結果の相関性を明確にすることは困難であった。このように従来は、TRFLPを用いた解析手法によっては、微生物の種ならびにそれぞれの微生物種の存在比を明らかにすることは困難であった。
【非特許文献1】Re/Views in Environmental Science and Bio/Technology, 1 巻39-49ページ、2002年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、微生物の持つ遺伝情報を指標として、簡単な操作により、短時間で正確に、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比を明らかにすることができる微生物群集解析方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は次の微生物群集構造解析方法である。
(1) 複数種の微生物を含む試料の微生物群集構造を解析する方法であって、
A:試料中の微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅する増幅工程と、
B:増幅工程で得られた核酸断片をTRFLP法により処理して、分離されるTRFの鎖長に対応する微生物の存在比を求めるTRFLP工程と、
C:増幅工程で得られた二本鎖の核酸断片から一本鎖の核酸断片を調製し、得られた一本鎖核酸断片を電気泳動的に分画するSSCP工程と、
D:SSCP工程で分画された各一本鎖核酸断片の塩基配列を特定し、塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定する群集構造決定工程と
を含む微生物群集構造解析方法。
(2) 群集構造決定工程が、SSCP工程で分画された一本鎖核酸断片を増幅して塩基配列を特定し、その塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、各画分をTRFLP工程で用いた制限酵素で処理する場合に見込まれるTRFの鎖長と、TRFLP工程で分離されたTRFの鎖長とを対比して、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定するものである上記(1)記載の方法。
(3) 増幅工程がPCRである上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 増幅工程が、一方のプライマーとして標識プライマーを用い、他方のプライマーとして化学修飾プライマーを用いるPCRである上記(3)記載の方法。
(5) 増幅工程が、一方のプライマーとして5’末端を蛍光ラベルした標識プライマーを用い、他方のプライマーとして5’末端をリン酸化した化学修飾プライマーを用いるPCRである上記(4)記載の方法。
(6) SSCP工程における一本鎖核酸の調製が、得られた増幅産物の化学修飾した核酸鎖をモノヌクレオチドに分解する酵素処理である上記(5)記載の方法。
【0011】
本発明において、解析の対象とする微生物群集構造は、発酵生産、排水処理、スライムコントロール等の産業分野や、医薬分野などの微生物を扱う分野において、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比などの構造である。微生物種としては、微生物群集に含まれる微生物の属、種、株のほか、形態、機能等の微生物の特性などを含む。
【0012】
本発明では、このような複数種の微生物を含む試料中の微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅し、増幅された核酸断片をTRFLP法により処理して、分離されたTRFの鎖長に対応する存在比を求める。一方SSCP法により、増幅された二本鎖の核酸断片から一本鎖の核酸断片を調製して電気泳動的に分画し、分画された各々の一本鎖核酸断片を回収・分析し、各核酸断片の塩基配列を決定し、塩基配列に基づいて各々の画分画に対応する微生物種を決定し、決定された塩基配列または微生物種から、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定し、群集構造を解析する。
【0013】
TRFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphysm: 末端制限断片長多型)法は、5’末端をラベルしたプライマーを用いたPCR産物を制限酵素処理し、電気泳動によりわずかな配列の違いを有する同種遺伝子(DNA)を分画し、その構成比や種類を分析する方法である。5’末端を蛍光ラベルしたプライマーを用いてPCRを行ったのち、増幅産物を制限酵素処理すると、末端に蛍光物質が付与されたTRF(制限酵素消化断片)が得られる。TRFの長さは制限酵素認識部位の位置、すなわちDNAの配列特異性に依存するので、TRFをキヤピラリー電気泳動で分画し、長さと量(蛍光強度)を調べることで、DNAの種類や構成比を調べることができる。
【0014】
SSCP(Single Strand Conformational Polymorphysm: 一本鎖立体構造多型)法は、DNAを一本鎖にし、電気泳動によりわずかな配列の違いを有する同種遺伝子(DNA)を分画し、その構成比や種類を分析する方法である。DNAを一本鎖にすると、分子内で水素結合を形成する。温度や塩濃度に依存するが、分子毎に固有の立体構造を形成するので、同一分子量のDNAでも配列の違いに応じて、電気泳動的に移動度が異なる。この違いを利用して、DNAの種類や構成比を調べることができる。
【0015】
PCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)は、該当するDNAに相補的な2種類のプライマーを用い、酵素反応を利用する特定DNA(遺伝子)の試験管内増幅方法である。熱変性(約95°C、二本鎖を一本鎖に変性)、アニーリング(約40〜70℃、プライマーを結合)、伸張(約70°C、プライマーを起点とし耐熱性DNAポリメラーゼでDNAを合成し二本鎖DNAとする)、の三段階の反応を20〜40サイクル繰り返すことで、該当DNAを数万倍に増幅することができる。
【0016】
本発明で微生物群集構造を解析する試料は、上記のような複数種の微生物を含む試料であり、発酵生産、排水処理、スライムコントロール、医薬分野等の解析対象場所において採取される試料である。このような試料中から微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅するには、試料から混合状態の核酸を抽出し、この混合状態の核酸をPCR等により増幅する。微生物の遺伝情報を含む核酸部位としては、微生物に含まれる任意の核酸部位とすることができるが、5SrDNAや16SrDNA等のリボゾームRNA分子をコードするDNA配列ならびにそのスペーサー配列、またはDNAジャーイレースをコードする遺伝子等が適切である。核酸としては、DNAでもRNAでもよいが、DNAが好ましい。RNAが遺伝情報を含む場合でも、これをDNAに変換した状態で解析に供するのが好ましい。以下の記述は、核酸としてDNA、一本鎖の核酸としてプラス鎖の場合について説明する。
【0017】
本発明の増幅工程における二本鎖DNAの増幅法については、既知の試験管内DNA合成方法が利用できるが、PCRが好ましい。PCRは耐熱性DNAポリメラーゼを用いて公知の方法で行うことができ、また市販されているPCR用キットを用いて行うこともできる。PCRはフォワードプライマーおよびリバースプライマーの2種類のプライマーを使用する。増幅を期待できる遺伝子長としては、100〜1500塩基対程度であるが、長すぎるとSSCP解析における分離性能の悪化が予想され、短すぎるとTRFLP解析の信頼性が低下したり、微生物を特定する際の遺伝子情報が少なくなるので、およそ300〜700塩基対程度が最適である。増幅対象とされるDNAは、全ての微生物が万遍なく保有するDNAであり、進化の過程で、微妙な配列の違いを生じているものが望ましい。また、遺伝子情報と微生物の名称を特定するうえで、過去に調査された結果がデータベース化されており、容易に検索可能であることが望ましい。
【0018】
こうしたDNAをPCRにより増幅するためには、プライマーとしてユニバーサルプライマーを用いることができるが、特定の微生物に対象を絞りたい場合は、その特定の微生物に特有な配列を有するプライマーを少なくとも一方のプライマーとして用いることができる。プライマーは以後のTRFLPおよびSSCPに利用できるように、標識を有するものが好ましく、特にTRFLPおよびSSCPの両方に共通して利用できる標識を有するものが好ましい。標識を付けたプライマーとしては、核酸断片を放射性元素、酵素、蛍光物質または化学物質等の標識物質を結合させて標識した核酸断片を用いることができる。標識はプラス鎖を形成するプライマーに付けるのが好ましく、特にプラス鎖を形成するプライマーの5’末端に蛍光物質を付けるのが好ましい。この場合、一方のプライマー(例えばプラス鎖)に標識を付け、他方のプライマー(マイナス鎖)の好ましくは5’末端に、二本鎖核酸の一本鎖をモノヌクレオチドに選択的に分解する酵素が認識するリン酸化等の化学修飾を施したプライマーを用いるのが好ましい。
【0019】
TRFLP工程では、微生物群集より抽出したDNAを、標識したプライマーを用いてPCR法により増幅し、得られた増幅産物を適切な制限酵素で処理して得られる5’末端側の核酸断片の鎖長を、キャピラリー電気泳動で分画し解析する。5’末端を標識したプライマーを用いてPCR法により増幅した増幅産物は、5’末端に標識を付けているため、5’末端側の断片をそのままTRFLPで検出することができる。この場合、異なる微生物の切断部位が重なる場合は、異なる微生物ごとに異なる位置に存在する切断部位を切断できる制限酵素で切断することによって、末端に付けた標識部位からの長さの異なるTRF(切断片)を形成し、それぞれの長さおよび量を検出することができる。ここでTRFの量、存在比はすべてのTRFについて正確に決定することもできるが、一部例えば優勢のTRFについてラフに決定することもできる。TRFの長さ(鎖長)は、末端から切断位置に至る塩基数(二本鎖核酸の場合はプラス鎖の塩基数)により検出することができる。
【0020】
本発明のSSCP工程では、増幅工程で得られた二本鎖の核酸断片から一本鎖の核酸断片を調製し、得られた一本鎖核酸断片を電気泳動的に分画する。この場合、調製した二本鎖DNAから酵素反応などの手法により一本鎖DNAを調製する。得られた一本鎖DNAを電気泳動的に分画し、分画されたDNAを回収してその塩基配列を明らかにすることにより、個々のTRFの塩基配列を特定することができ、これにより塩基配列に基づいて各々の画分に対応する微生物種を決定することができる。この場合、分画されたDNAを回収し、増幅してその塩基配列を明らかにすることができる。
【0021】
通常、DNA分子は二本鎖の状態では、その泳動距離はおおむね分子量に依存する。したがって16SrDNAのような同一の機能を有する遺伝子は、複数の微生物由来の分子であってもおおむね遺伝子長(鎖長)には大きな差はないことから、個々の分子毎に分離することは困難である。仮に1塩基の違いを区別して分離できても、長さは同じでも配列の異なる分子を区分することはできない。しかし、一本鎖のDNAでは、適切な温度やpHないし塩濃度条件においては、分子内塩基間で水素結合が起こり、DNA配列の違いに依存して異なる立体構造の分子が形成される。こうしたDNA混合物を電気泳動に供すると、各DNA分子はその立体構造よって固有の移動度を示すので、容易に分離することが可能である。
【0022】
一本鎖DNAの調製方法としては、熱変性や水酸化ナトリウム等の化学物質により鎖間の水素結合を解離する方法や、酵素反応によって一方の鎖を分解除去する方法がある。後者の方が、泳動時におけるプラス鎖とマイナス鎖の再結合を防止する意味で望ましい。この場合、一方のプライマー(例えばプラス鎖)に標識を付け、他方のプライマー(マイナス鎖)に二本鎖核酸の一本鎖をモノヌクレオチドに選択的に分解する酵素が認識するリン酸化等の化学修飾を施したPCRで増幅し、SSCP工程においてリン酸化DNA鎖等の化学修飾核酸鎖を認識する酵素によりモノヌクレオチドに分解して一本鎖を形成することができる。酵素反応による一本鎖DNAの調製方法としては、例えば、リン酸化された5’末端を特異的に認識するエキソヌクレアーゼを用いることができる。すなわち、試験管内DNA増幅方法において用いる2種類のプライマーDNAのうち、一方(プラス鎖を形成するプライマー)の5’末端をTRFLPに用いるために蛍光標識し、もう一方(マイナス鎖を形成するプライマー)の5’末端をリン酸化したものを用いて、増幅産物を調製し、かかる増幅産物をλエキソヌクレアーゼで処理することにより、リン酸化5’末端側のDNA鎖はモノヌクレオチドに分解されるので、5’末端が蛍光標識された鎖のみを回収することができる。
【0023】
調製された一本鎖DNAは電気泳動的に分画することができる。支持体としては、ポリアクリルアミド、アガロース等が挙げられるが、ポリアクリルアミドゲルが望ましい。泳動温度は高温では一本鎖DNAの分子間水素結合が失われるので、4℃〜40℃の温度条件で実施することが望ましく、さらに望ましくは20℃〜25℃が適切である。泳動後のゲルは、適切な方法、例えばエチジウムブロマイド、サイバーグリーン、銀染色法等によって染色することにより、分離されたDNA分子を確認することができる。DNA分子を内包するゲルは、適切な大きさに切り出した後、適切な緩衝液に浸潰しゲル内のDNA分子を溶出することができる。この際、電気的にDNA断片を移動させたり、物理的にゲルを破砕するなどの方法を用いて溶出を促進することも可能である。溶出されたDNA分子は、前述のPCR等の試験管内DNA増幅反応を用いて、増幅することが可能である。さらに増幅されたDNAを鋳型としてシークエンシング反応を行い、DNAシークエンサーを用いて塩基配列を決定することができる。得られたDNA配列を基に、起因する微生物種を明らかにすることができ、また各種制限酵素処理する場合に見込まれるTRFの長さを明らかにすることができる。
【0024】
群集構造決定工程では、SSCP工程で分画された各一本鎖核酸断片の塩基配列を特定し、塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定する。この場合、SSCP工程において分画された各々の一本鎖核酸断片を回収・分析し、各核酸断片の塩基配列を特定し、特定された塩基配列に基づいて各々の画分に対応する微生物種を決定することができる。また群集構造決定工程としては、SSCP工程で分画された一本鎖核酸断片を増幅して塩基配列を特定し、塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、各画分をTRFLP工程で用いた制限酵素で処理する場合に見込まれるTRFの鎖長と、TRFLP工程で分離されたTRFの鎖長とを対比して、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定するのが好ましい。ここで各画分をTRFLP工程で用いた制限酵素で処理する場合に見込まれるTRFの鎖長とは、実際に制限酵素で処理しなくても、塩基配列から切断位置は決まるので、その切断位置から見込まれるTRFの鎖長と、TRFLP工程で分離されたTRFの鎖長とを対比することにより、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定することができる。分画された一本鎖核酸断片の増幅は、前記増幅工程と同じ条件のPCRにより行うことができる。
【0025】
SSCP工程の各画分について、上記のようにして解析された各DNA由来の遺伝情報ならびに各DNAバンドの濃度と、TRFLP解析におけるTRFの位置およびピーク面積を比較検討することにより、TRFの由来となった微生物種および存在比を特定することが可能である。この場合、SSCP工程において塩基配列または微生物種を決定した後、SSCP工程で決定された塩基配列または微生物種から、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定する際、塩基配列または微生物種が特定されると、その塩基配列における特定の制限酵素による切断位置は決まるから、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかは容易に決定することができる。この場合、SSCP工程で決定された塩基配列と、制限酵素によるTRFの切断位置の塩基配列を対比させることにより、TRFLP工程で分画したピークまたはバンドと、SSCP工程で分画したピークまたはバンドとの関係を特定することは容易である。両者のピークまたはバンドが重なる場合は、制限酵素を選択することにより、重なりを避けることができる。
【0026】
上記の方法では、SSCP工程における一本鎖DNAによる解析も、TRFLPと同じ増幅産物を用いているため、DNAバンドやピークの重なりがない限り、各DNA分子の種類や存在割合は一致して表示される。こうした方法を用いて、TRFLP解析における各TRFの由来となる微生物を容易に特定することが可能であり、微生物群集構造解析の簡便化に大きく寄与することができる。
【0027】
以上の解析により、試料中の複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比などの微生物群集構造を明らかにすることができる。このような解析結果は正確で、再現性もよいので、微生物群を培養した状態で、経時的に解析を行うこともでき、再現性のよい結果を得ることができる。解析結果は試料採取場所における微生物群集構造の把握の他、発酵生産、排水処理、スライムコントロール等において、解析結果に基づいて薬剤の選択、薬剤の添加量の決定、反応条件の変更など、制御手段として利用される。また上記の解析操作を行う機器を組み合わせて、コンピュータ等の制御装置を含む解析装置を構成することができるとともに、このような解析装置を上記反応の制御手段として利用することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、試料中の微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅し、増幅された核酸断片をTRFLP法により処理してTRFの鎖長に対応する存在比を求め、一方SSCP法により一本鎖の核酸断片を調製して電気泳動的に分画して、各核酸断片の塩基配列または微生物種を決定し、決定された塩基配列または微生物種から、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定するようにしたので、微生物の持つ遺伝情報を指標として、簡単な操作により、短時間で正確に、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比を明らかにすることができる。
【0029】
SSCP工程で分画された一本鎖核酸断片を増殖して塩基配列を特定し、塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、各画分をTRFLP工程で用いた制限酵素で処理する場合に見込まれるTRFの鎖長と、TRFLP工程で分離されたTRFの鎖長とを対比して、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定して群集構造決定することにより、正確に微生物種を決定して、群集構造解析の制度を上げることができる。
【0030】
増幅工程としてPCRを採用することにより、TRFLPおよびSSCP工程で利用できる標識プライマーにより効率よく核酸断片を増殖して、解析を行うことができる。TRFLPおよびSSCPの両方に共通して利用できる標識を有するプライマーによりPCRを行うと、TRFLPおよびSSCPの両方の解析結果を直接対比できる。
【0031】
一方のプライマーとして標識プライマーを用い、他方のプライマーとして化学修飾プライマーを用いて増幅することにより、増幅産物の化学修飾を有する核酸鎖をモノヌクレオチドに分解して、標識を有する一本鎖核酸を調製でき、解析を効率化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に本発明の実施例について説明する。実施例の%は重量基準である。
【実施例1】
【0033】
Pseudomonas fluorescence ATCC13525株、Escherichia coli HB101株、Ralstonia eutropha ATCC17697株を、別々にLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、0.5%NaCl、pH7.0)を用い30℃で一晩、振盪培養した。各培養液は、遠心分離(10000rpm、10分間)により菌体を回収後、0.86% NaClで洗浄し、さらに遠心分離により菌体を回収した。同様の洗浄をもう一度繰り返し、得られた洗浄菌体を0.86% NaClに懸濁した。あらかじめ、各菌株の濁度と菌数の関係を調べておき、上記菌体件濁液の濁度を指標として、各細菌濃度を3×107CFU/mlとなるように混合液を調製した。
【0034】
混合液1mlを遠心分離して菌体を回収し、DNA抽出液(0.1M Tris−Cl、pH8.0、0.1M EDTA−Na、0.1M Na2HPO4、1.5M NaCl)に懸濁して、2ml容積のプラスチックチューブに移した。懸濁液に2gの「0.1mm径シリカ/ジルコニアビーズ(Biospec Products Inc.製)を加え、ビートビーターで2分間ホモジナイズした。次に、10μlの10mg/mlプロテイネースK溶液を加え37℃で15分間反応し、さらに250μlの10% SDSを加えてよく混和後、65℃で1時間放置した。遠心分離(12,000rpm、5分間)後、上澄液0.5mlを採取し、新たな1.5ml容エッペンドルフチューブに移した。0.5mlのクロロホルムを加えよく混合して、遠心分離をおこない、上澄液を新しいエッペンドルフチューブに移して、0.3mlのイソプロパノールを加えよく混和した。室温に30分間静置後、遠心分離(12,000rpm、5分間)を行い、水層を取り除き沈殿物を得た。0.5mlの70%エタノールでチューブ内と沈殿物をリンスしたのち、沈殿物を真空乾燥機で乾燥させた。乾燥した沈殿物は50μlのTE(10mM Tris−HCl[pH8.0],1mM sodium EDTA[pH8.0])溶液に懸濁し、−20℃に保存した。
【0035】
細菌混合物より抽出したDNAを鋳型としてPCR反応を行った。表1の混合物をPCR反応容器に混合し、94℃、20秒間の加熱処理後、94℃ 20秒間、55℃ 30秒間、72℃ 2分間の反応を30サイクル繰り返し、72℃ 7分間のポスト反応によりPCR反応を行った。プライマーは、一方は5’末端を6FAMでラベルしたものを用い、もう一方は5’末端をリン酸化したものを用いた。
【0036】
【表1】

【0037】
25μlのPCR産物は、S−300HRカラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、余剰プライマーを除去した後、−20℃に保存した。上記PCR産物は以下のとおり、制限酵素BstUIにより完全消化後、TRFLP解析を行った。
【0038】
【表2】

【0039】
上記表2の試薬を微少遠心管に取り、よく混合後、60℃で1時間反応させた。さらに12μlのホルムアミド、および0.5μlのSize Standard (アプライドバイオシステムズ社)を加えてよく混合後、POP4ポリマーを充填したシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社製、310ジェネティックアナライザー)に供した。得られたTRFLPチャートを図1に示す。図1において、199ベース、382ベース、387ベースにTRFピークが確認された。これらのピークはそれぞれの細菌のPCR産物の切断位置から、P.fluorescenceは382ベース、E. coli は387ベース、R.eutropha は199ベースの位置のピークに相当すると確認された。
【0040】
次に、PCR産物より一本鎖DNAの調製を行った。一本鎖DNAの調製の反応は、下記表3の混合物を37℃で2時間反応した。
【0041】
【表3】

【0042】
反応後、6μlの95%ホルムアミド、10mM NaOH溶液、2μlの10倍濃度のローディングバッファー(5 Prime→3 Prime lnc社製)を加え、その全量を10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。あわせて、個々の微生物から個別に調製したPCR産物についても同様に一本鎖DNAを調製し、あわせて電気泳動した。電気泳動条件は、26℃、200V定電圧、1×TBS緩衝液で7時間電気泳動した。電気泳動後のゲルはサイバーグリーン(宝酒造社製)で30分間染色したのち、トタンスイルミネーターで紫外線照射することによりDNAバンドを検出した。染色写真の写図を図2に示す。個々の細菌由来のDNAはそれぞれ異なる位置に移動し、TRFLPに供したと同じ混合物から調製したPCR産物では、個々のDNAに相当する3本のバンドが確認され、図1の各ピークに対応することが確認された。
【実施例2】
【0043】
製紙工場の製紙機(微塗工紙製造、生産量400t/日)のポリディスクフィルター入口部の白水流路内壁面より採取したスライム(付着物)100mgを、2ml容積のプラスチックチューブに移し、遠心分離(10000rpm、10分間)した後、10mMリン酸緩衝液(pH7.5)で洗浄し、さらに遠心分離によりSS分を回収した。同様の洗浄をもう一度繰り返し、得られたSSをDNA抽出液(0.1M Tris−Cl pH8.0、0.1M EDTA−Na、0.1M Na2HP04、1.5M NaCl)に懸濁した。懸濁液に2gの0.1mm径シリカ/ジルコニアビーズを加え、ビートビーターで2分間ホモジナイズした。次に、10μlの10mg/mlプロテイネースK溶液を加えて37℃で15分間反応し、さらに250μlの10% SDSを加えてよく混和後、65℃で1時間放置した。遠心分離(12,000rpm、5分間)後、上澄液0.5mlを採取し、新たな1.5ml容エッペンドルフチューブに移した。0.5mlのクロロホルムを加えよく混合して遠心分離し、上澄液を新しいエッペンドルフチューブに移して、0.3mlのイソプロパノールを加えよく混和した。室温に30分間静置後、遠心分離(12,000rpm、5分間)を行い、水層を取り除き沈殿物を得た。0.5mlの70%エタノールでチューブ内と沈殿物をリンスしたのち、沈殿物を真空乾燥機で乾燥させた。乾燥した沈殿物は50μlのTE溶液に懸濁し、−20℃に保存した。
【0044】
細菌混合物より抽出したDNAを鋳型とするPCR反応を行った。以下の表4の混合物をPCR反応容器に混合し、94℃、20秒間の加熱処理後、94℃ 20秒間、55℃ 30秒間、72℃ 2分間の反応を30サイクル繰り返し、72℃ 7分間のポスト反応を行なうことで、PCR反応を行った。プライマーは、一方は5’末端を6FAMでラベルしたものを用い、もう一方は5’末端をリン酸化したものを用いた。
【0045】
【表4】

【0046】
25μlのPCR産物は、S−300HRカラムに供し、余剰プライマーを除去した後、−20℃に保存した。上記PCR産物は、制限酵素BstUIで完全消化後、TRFLP解析を行った。
【0047】
【表5】

【0048】
上記表5の試薬を微少遠心管に取り、よく混合後、60℃で1時間反応させた。さらに12μlのホルムアミド、および0.5μlのSize Standard (アプライドバイオシステムズ社製)を加えてよく混合後、POP4ポリマーを充填した310ジェネテイックアナライザーに供した。得られたTRFLPチャートを図3に示す。218ベースの位置と、384ベースの位置に高いピークが観察された。蛍光強度を指標としたピーク面積の相対値は、前者が26104であり、後者は47412であったことから、それぞれのTRFが固有の微生物由来のDNAに由来しているとすれば、後者の構成比は前者のおおむね1.8倍であるといえる。
【0049】
次に、PCR産物より一本鎖DNAの調製を行った。一本鎖DNAの調製の反応は、下記表6の混合物を37℃で2時間反応した。
【0050】
【表6】

【0051】
上記、混合物は37℃で2時間反応した。反応後、6μlの95%ホルムアミド、10mM NaOH溶液、2μlの10倍濃度のローディングバッファー(5 Prime→3Prime Inc社製)を加え、その全量を10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。電気泳動条件は、26℃、200V定電圧、1×TBS緩衝液で7時間電気泳動した。電気泳動後のゲルはサイバーグリーンで30分間染色したのち、トランスイルミネーターで紫外線照射することによりDNAバンドを検出した。染色写真の写図を図4に示すが、2本の濃いバンドと3〜4本の薄いバンドが観察された。濃度の高い2本のバンド(図4、A、B)について、各バンドを含むゲルをカッターで切りだし、250μlのTE緩衝液に移した。0.1mmシリカジルコニアビーズを加えて、ビートビーターで1分間ホモジナイズし、ゲル内のDNAを抽出した。
【0052】
抽出物を鋳型とするPCR反応を行った。以下の表7の混合物をPCR反応容器に混合し、94℃、0.2分間の加熱処理後、94℃ 20秒間、55℃ 30秒間、72℃ 2分間の反応を30サイクル繰り返し、PCR反応を行った。
【0053】
【表7】

【0054】
25μlのPCR産物は、S−300HRカラム(アマシャム社製)に供し、余剰プライマーを除去した後、シークエンシング反応に供した。
【0055】
【表8】

【0056】
上記表8の反応物は、96℃、10秒間の加熱処理後、96℃ 10秒間、50℃ 5秒間、60℃ 4分間を25サイクル繰り返す反応を行なった。反応物は滅菌水を加えて20μlとした後、AutoSeqG50カラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に供して未反応ヌクレオチドを除去したのち、専用のサンプルチューブに移して95℃2分間の加熱後、氷水中で急冷し、シークエンサー(アプライドバイオシステムズ社製、310ジェネティックアナライザー)に供した。バンドA由来の塩基配列を配列表の配列番号3に、B由来の塩基配列を配列表の配列番号4に示す。
【0057】
得られた塩基配列をBLASTプログラムを用いて、NCBIデータベースと照合した結果、2本のバンドのうち、Aは、Flexibacter-Cytophaga-Bacteroides(FCB)グループに属する未知の細菌として登録された細菌と97%の相同性を有するDNAであり、BはAcinetobacer baummaniと99%の相同性を示すDNAであることがわかった。それぞれのDNAをBstUIで消化したときに生成する5’末端側のTRFは、塩基配列より220と386と計算されることから、上述のTRFLPで得られた図3に示す218のピークはFCBに属する細菌に、384のピークはAcinetobacterに由来するものであることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
発酵生産、排水処理、スライムコントロール、医薬分野などの微生物を扱う分野において、複数の微生物によって構成される微生物群集に含まれる微生物種の別、ならびにその存在比などの微生物群集構造を明らかにするために利用される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1のTRFLPチャートである。
【図2】実施例1の染色写真の写図である。
【図3】実施例2のTRFLPチャートである。
【図4】実施例2の染色写真の写図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の微生物を含む試料の微生物群集構造を解析する方法であって、
A:試料中の微生物の遺伝情報を含む核酸部位を増幅する増幅工程と、
B:増幅工程で得られた核酸断片をTRFLP法により処理して、分画されるTRFの鎖長に対応する微生物の存在比を求めるTRFLP工程と、
C:増幅工程で得られた二本鎖の核酸断片から一本鎖の核酸断片を調製し、得られた一本鎖核酸断片を電気泳動的に分画するSSCP工程と、
D:SSCP工程で分画された各一本鎖核酸断片の塩基配列を特定し、塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定する群集構造決定工程と
を含む微生物群集構造解析方法。
【請求項2】
群集構造決定工程が、SSCP工程で分画された一本鎖核酸断片を増幅して塩基配列を特定し、その塩基配列に基づいて各画分に対応する微生物種を決定するとともに、各画分をTRFLP工程で用いた制限酵素で処理する場合に見込まれるTRFの鎖長と、TRFLP工程で分離されたTRFの鎖長とを対比して、TRFLP工程で分離されたTRFがどの微生物に由来するかを決定するものである請求項1記載の方法。
【請求項3】
増幅工程がPCRである請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
増幅工程が、一方のプライマーとして標識プライマーを用い、他方のプライマーとして化学修飾プライマーを用いるPCRである請求項3記載の方法。
【請求項5】
増幅工程が、一方のプライマーとして5’末端を蛍光ラベルした標識プライマーを用い、他方のプライマーとして5’末端をリン酸化した化学修飾プライマーを用いるPCRである請求項4記載の方法。
【請求項6】
SSCP工程における一本鎖核酸の調製が、得られた増幅産物の化学修飾した核酸鎖をモノヌクレオチドに分解する酵素処理である請求項5記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−94830(P2006−94830A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287264(P2004−287264)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】