説明

微生物量測定装置

【課題】試料溶液中の微生物量の測定を、簡便かつ短時間で、高精度に行うことができる微生物量測定装置を提供する。
【解決手段】ATPと反応して発光するATP発光反応試薬を添加した試料溶液の発光をバックグラウンド光として検出するバックグラウンド光検出器と、バックグラウンド光を検出した後の前記試料溶液に所定量のATP発光反応試薬を追加添加する試薬追加機構と、バックグラウンド光を検出した後であって、ATP発光反応試薬を追加添加する前又は後において前記試料溶液中の微生物の細胞を融解又は破壊する微生物破壊機構と、ATP発光反応試薬を追加添加し、かつ、微生物の細胞の融解又は破壊処理を施した前記試料溶液の発光を検出する微生物由来光検出器と、を備えているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試料溶液中の微生物量を迅速かつ容易に測定することができる微生物量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貨物船は積荷等の重量を含めて安定するよう設計されているため、空荷の状態では、(1)浮き上がる(喫水が下がる)ため、船の重心が上がり、転覆し易くなり、また、(2)喫水が下がることにより、自船周囲の死角域が拡大し、小型船が見えにくくなり、更に、(3)喫水が下がることにより、プロペラが水面近くなるので、推進力及び制御力が低下する、等の様々な問題が生じる。これらの問題に対処するため、船内に設けたバラストタンクに海水(バラスト水)等を積んで積荷代わりとし、船体を安定させる方法が取られている。
【0003】
当該バラスト水は寄港地で荷物を積載した後は不要となり船外へ排出されるが、そこに含まれている水生生物が外来種として生態系に影響を与える問題が指摘されている。このため、2004年2月にロンドンで開催された国際海事機構(IMO)会議で、国際航路を航行する船のバラスト水とバラストタンクの底にたまる泥を規制するためのバラスト水規制条約が採択された。当該条約では、移入生物(外来種)を含む可能性があるバラスト水を入港前に沖合で交換する等の暫定的な措置のほか、2009年以降に新しく建造される船舶に対してはバラスト水を適切に処理(生物除去処理)する設備を備えることを義務付けている。
【0004】
処理後のバラスト水の水生生物の存否の確認は、従来、顕微鏡を用いた観察やプレート培養すること等により行われているが、これらの方法で適切な確認を行うためには、時間も技術も必要である。このため、より簡便に短時間で処理後のバラスト水を検査する方法が求められている。
【0005】
一方、ATP(アデノシン三リン酸)は、全ての生物に存在するエネルギー物質であり、このATPを利用して微生物を検出する方法として、ルシフェラーゼを用いる生物発光アッセイ(以下、ATP法という。)が知られている(特許文献1〜3)。また、微生物の細胞内に存在するATPを検出するために、超音波を用いて微生物の細胞を破壊して、細胞内の物質を細胞外に取り出す方法も公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−81506号公報
【特許文献1】特開2005−46010号公報
【特許文献1】特開2001−299390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、バラスト水を試料として、超音波処理を行ってからATP法を実施すると、その検査結果が顕微鏡等を用いた検査結果と整合しない場合がある。
【0008】
そこで本発明は、試料溶液中の微生物量の測定を、簡便かつ短時間で、高精度に行うことができる微生物量測定装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が検討したところ、バラスト水中には当初より遊離ATPが存在すること、また、超音波処理を行うと試料溶液の温度が上昇し、この温度上昇に伴い反応試薬に含まれるルシフェラーゼ等の酵素が失活することが判明した。
【0010】
すなわち本発明に係る微生物量測定装置は、試料溶液中の微生物量を測定するための装置であって、ATPと反応して発光するATP発光反応試薬を添加した試料溶液の発光をバックグラウンド光として検出するバックグラウンド光検出器と、バックグラウンド光を検出した後の前記試料溶液に所定量のATP発光反応試薬を追加添加する試薬追加機構と、バックグラウンド光を検出した後であって、ATP発光反応試薬を追加添加する前又は後において前記試料溶液中の微生物の細胞を融解又は破壊する微生物破壊機構と、ATP発光反応試薬を追加添加し、かつ、微生物の細胞の融解又は破壊処理を施した前記試料溶液の発光を検出する微生物由来光検出器と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
ここで、本発明における測定対象である試料溶液とはバラスト水に限定されず、例えば、湖沼水、河川水、海水、生活排水等であってもよく、また、バラスト水を測定対象とする場合も、生物除去処理の前後いずれのものであってもよく、また、積載直後のものであっても、排出直前のものであっても、いずれであってもよい。
【0012】
このようなものであれば、超音波処理等により微生物の細胞の融解又は破壊処理を行う前に、まず、当初より試料溶液中に存在する遊離ATPを消費することにより、微生物由来のATPに基づく発光のみを検出することができ、また、微生物の細胞の融解又は破壊処理によりATP発光反応試薬が失活した場合も、ATP発光反応試薬を追加添加することにより、失活した試薬をおぎなうことができるので、精度の高い測定結果を得ることができる。
【0013】
ATP発光反応試薬を追加添加するためには、例えば、圧壊可能な仕切り板によりその内部空間が上下方向に少なくとも2層に仕切られた測定セルを用い、その最下層の空間に追加添加分のATP発光反応試薬を収容し、バックグラウンド光を検出後、仕切り板を圧壊し、試料溶液と追加添加分のATP発光反応試薬とを混合すればよい。
【0014】
前記仕切り板の下面は光を反射する反射面であることが好ましい。このようなものであれば、効率的に光検出器に集光することができる。
【0015】
更に、試料溶液中の微生物量を測定する方法もまた、本発明の1つである。すなわち本発明に係る微生物量測定方法は、試料溶液中の微生物量を測定する方法であって、試料溶液にATPと反応して発光するATP発光反応試薬を添加する試薬添加工程と、前記ATP発光反応試薬が添加された前記試料溶液の発光をバックグラウンド光として検出するバックグラウンド光検出工程と、バックグラウンド光が検出された後の前記試料溶液に所定量のATP発光反応試薬を追加添加する試薬追加工程と、前記バックグラウンド光検出工程の後であって、前記試薬追加工程の前又は後において、前記試料溶液中の微生物の細胞を融解又は破壊する微生物破壊工程と、前記ATP発光反応試薬が追加添加され、かつ、微生物の細胞の融解又は破壊処理が施された前記試料溶液の発光を検出する微生物由来光検出工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明によれば、簡便かつ迅速に、精度の高い微生物量の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る微生物量測定装置の機器構成を示す平面図(a)及び使用時の正面図(b)。
【図2】同実施形態における測定器ユニットの機器構成図。
【図3】同実施形態における測定セルの斜視図。
【図4】測定時における測定器ユニットの状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る微生物量測定装置1は、試料溶液中の微生物量をATP法を用いて測定するための装置であって、図1に示すように、測定器ユニット2と、情報処理装置3とを備えており、これらはトランク4に収容されている。
【0020】
測定器ユニット2は、図1(a)に示すように、横臥した状態でトランク4に収容されており、トランク4の扉45を開けて測定を行うときは、図1(b)に示すように、直立した状態に設置される。一方、情報処理装置3は、トランク4の収納室41の開口縁の下方に設けられた仕切り板42の上に載置されている。当該仕切り板42の下には、測定器ユニット2を制御するためのコントラーラや情報処理装置3とのインターフェイス基板等を収容するための収納スペース43が設けられており、測定器ユニット2に取り付けられたフォトダイオード23、24の信号を倍増するためのプリアンプ基板26とノイズ保護のためのカバー27も、測定器ユニット2が直立した状態においては当該仕切り板の下42に位置している。また、トランク4の収納室41内の空隙44には予備の測定セル21やピペット用の使い捨てチップ等が収容される。
【0021】
以下に各部を説明する。
測定器ユニット2は、図2に示すように、測定セル21と、超音波細胞破砕装置22(微生物破壊機構に相当)と、バックグラウンド光を検出するための第1フォトダイオード23(バックグラウンド光検出器に相当)と、細胞破砕処理後の試料溶液の発光を検出するための第2フォトダイオード24(微生物由来光検出器に相当)とを備えており、これらはケーシング25内に収容されている。測定器ユニット2は、簡易防水構造をなしており、また、内部の温度上昇を防止するために、ケーシング25には図示しないシュノーケル構造をなす換気管が設けられている。
【0022】
測定セル21は、石英やプラスチック等の透明な材料からなり、上端面に開口する試料室が形成されたものであり、図3に示すように、当該試料室は容易に圧壊可能な仕切り板211によって、上部試料室212と下部試料室213とに仕切られている。本実施形態では、仕切り板211には板厚の20〜80%の深さの切りこみが入れられており、超音波細胞破砕装置22に設けられた超音波ニードル221の先端で容易に突き破ることができる一方、圧壊する前までは上部試料室212に注入した試料溶液が下部試料室213に漏れ出ないように構成してある。当該仕切り板211は、光が漏出しないように、その下面が光の反射率が20%以上の反射面であることが好ましく、圧壊可能であることも考慮すると、例えば、アルミ箔等が好適に用いられる。
【0023】
上部試料室212の開口部は、防塵カバー214で覆われており、測定前に、測定誤差の要因となる夾雑物が混入しないようにしてある。防塵カバー214もまた、圧壊可能であり、かつ、その下面が反射面であることが好ましく、例えば、アルミ箔等が好適に用いられる。
【0024】
上部試料室212及び下部試料室213には、それぞれ、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、連鎖的ATP反応増幅酵素等を含有するATP発光反応試薬が予め所定量収容されている。
【0025】
超音波細胞破砕装置22は、超音波を微生物に照射することにより、その細胞を破壊するものであり、カバー222に内蔵された図示しない超音波変換器に接続された超音波ニードル221の先端から超音波が発振される。超音波細胞破砕装置22は、カバー222に形成されたラックギア223とモータ225に取り付けられたピニオンギア224とからなる上下駆動機構を備えており、その駆動状況は位置センサ226a、b、cにより監視されている。そして、待機状態における最上位置と、測定セル21の上部試料室212内に注入された試料溶液に超音波ニードル221が浸漬する中位置と、測定セル21の下部試料室213内に流入した試料溶液に超音波ニードル221が浸漬する最下位置との、少なくとも3つの位置の間を上下動する。
【0026】
第1フォトダイオード23は、バックグラウンド光を検出するためのものであり、その光検出部がケーシング内25に配置された測定セル21の上部試料室212の側面と対向する位置に設けられている。
【0027】
一方、第2フォトダイオード24は、細胞破砕処理後の試料溶液の発光を検出するためのものであり、その光検出部がケーシング内25に配置された測定セル21の下部試料室213の側面と対向する位置に設けられている。
【0028】
ケーシング25は、その上部に超音波細胞破砕装置22を収容し、その下部に測定セル21を収容するものであり、直立した状態でトランク4の収納室41の開口縁と略同じ高さに測定セル21を載置するための載置板251が設けられている。ケーシング25には開閉扉252が設けられており、測定中は当該扉を閉じて遮光することにより、測定室としても機能するように構成されている。測定室として機能するケーシング25下部の内面は鏡面になっており、光がフォトダイオード23、24に効率的に集まるようにしてある。
【0029】
情報処理装置3は、CPUや、メモリ、入出力チャンネル、キーボード等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、A/D変換器、D/A変換器等を備えた汎用乃至専用のものであり、前記CPU及びその周辺機器が、前記メモリの所定領域に格納されたプログラムに従って協働動作することにより、フォトダイオード23、24からの出力信号に基づき微生物量の算出が行われる。本実施形態において情報処理装置3としては、トランク4に収容可能なノート型パソコンが用いられている。
【0030】
本実施形態に係る微生物量測定装置1は、屋内及び屋外を問わず種々の場所で使用することができるように、その電源としていわゆるカーバッテリや、可搬型バッテリー等の直流電源を使用できるように構成してあり、また、ADアダプタを用いて交流電源も使用できるように構成してある。
【0031】
次に、このように構成された微生物量測定装置1を用いて、ATP法により試料溶液中の微生物量を測定する方法について説明する。
【0032】
まず、図3に示すように、予め上部試料室212及び下部試料室213に所定量のATP発光反応試薬が収容されている測定セル21の上部試料室212に、必要に応じて緩衝液と混合しpHを調整した試料溶液を注入する。この際、測定セル21の防塵カバー214を、所定量の試料溶液を吸い上げたピペットの先端で突き破って、上部試料室212内に試料溶液を注入する。なお、このようなピペットとしては、その先端が使い捨てのプラスチック製チップからなるものが好適に用いられる。上部試料室212内に試料溶液が注入された測定セル21は、図2に示すように、超音波細胞破砕装置22が最上位置に上昇している状態で、ケーシング25内に設けられた載置板251上に載置される。続いて、図4(a)に示すように、超音波細胞破砕装置22を下降させ、上部試料室212に収容された試料溶液に超音波ニードル221を浸漬し、微生物の細胞が壊れないように低出力の超音波を発振して、ATP発光反応試薬を試料溶液に溶解させる。
【0033】
ATP発光反応試薬を試料溶液に溶解すると、試料溶液中に当初より存在していた遊離ATPによって、下記式に示す反応が起こる。
ルシフェリン+O→オキシルシフェリン+光
すなわち、この反応においては、まず、ルシフェリンがATPをAMPとリン酸に分けて、AMPを自らのカルボキシル基に結合する。次に、ルシフェラーゼによりこのAMPが切り離されて二酸化炭素と水とが生成されるとともに、ルシフェリンにはカルボキシル基に変わりカルボニル基が残される。このカルボニル基の酸素原子は励起状態にあり、基底状態に戻るときにエネルギーの差が可視光として放出される。このようにして発生した光をバックグラウンド光として第1フォトダイオード23で検出する。
【0034】
試料溶液中に当初より存在していた遊離ATPが全て消費されると発光は停止し、第1フォトダイオード23からの出力は0になる。第1フォトダイオード23からの出力が0になったら、図4(b)に示すように、超音波細胞破砕装置22を更に下降させて、超音波ニードル221で仕切り板211を突き破り、超音波ニードル221を下部試料室213に挿入する。このとき、試料溶液は仕切り板211に空いた孔を通って下部試料室213へ流れ込む。
【0035】
続いて、超音波ニードル221から高出力の超音波を発振させて、追加分のATP発光反応試薬を試料溶液に溶解させるとともに、試料溶液中に存在する微生物の細胞を破壊して、微生物の細胞中に含まれていたATPを試料溶液中に溶出させる。
【0036】
微生物の細胞中に含まれていたATPが試料溶液中に溶出すると、微生物由来のATPにのみ起因する発光反応が起こる。このようにして発生した光は微生物由来光として第2フォトダイオード24で検出される。
【0037】
微生物由来光を検出した第2フォトダイオード24からの出力信号は情報処理装置3に送信され、当該情報処理装置3において所定の演算処理が行われて、第2フォトダイオード24で検出された発光量の積分値に基づき微生物量(生菌数等)が算出される。得られた微生物量はディスプレイに表示されるとともに、メモリの所定領域に記録され保存される。
【0038】
測定終了後、超音波ニードル221を上昇させて、その表面を充分に洗浄する。
【0039】
したがって、このように構成した本実施形態に係る微生物量測定装置1によれば、超音波による微生物の細胞破砕波処理を行う前に、まず、当初より試料溶液中に存在した遊離ATPを消費することにより、微生物由来のATPに基づく発光のみを検出することができ、また、細胞破砕波処理により試料溶液の温度が上昇しATP発光反応試薬中の酵素が失活した場合も、ATP発光反応試薬を追加添加することにより、失活分をおぎなうことができるので、精度の高い測定結果を得ることができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0041】
例えば、同一サンプルを何回かに分けて測定するときは、当初より試料溶液中に存在した遊離ATPのみに由来するバックグラウンド光の検出は初回の測定時のみに行えばよく、2回目以降の測定においてはこれを省略して、直ちに微生物の細胞破砕処理を行い、遊離ATPと破砕した微生物細胞から溶出したATPに由来して発光したトータル光の検出を行ってもよい。このようにして得られたトータル光の光量(積分値)から初回の測定で得られたバックグラウンド光の光量(積分値)を差し引くことにより、微生物細胞から溶出したATPのみに由来する微生物由来光の光量(積分値)を得て、これより微生物量を測定することができる。
【0042】
バックグラウンド光検出器と微生物由来光検出器とを、同一の光検出器が兼ねていてもよく、この場合、光検出器と測定セルとが相対的に上下移動するための駆動機構を備えていればよい。
【0043】
測定セル21は、二層構造でなくともよく、例えば、圧壊可能な仕切り板により上部試料室と中部試料室と下部試料室とに仕切られた三層構造を有していてもよい。この場合は、上部試料室において試料溶液に対する緩衝液の混合やpHの調整を行ってもよい。
【0044】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1・・・微生物量測定装置
21・・・測定セル(試薬追加機構)
22・・・超音波細胞破砕装置(微生物破壊機構)
23・・・第1フォトダイオード(バックグラウンド光検出器)
24・・・第2フォトダイオード(微生物由来光検出器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液中の微生物量を測定するための装置であって、
ATPと反応して発光するATP発光反応試薬を添加した試料溶液の発光をバックグラウンド光として検出するバックグラウンド光検出器と、
バックグラウンド光を検出した後の前記試料溶液に所定量のATP発光反応試薬を追加添加する試薬追加機構と、
バックグラウンド光を検出した後であって、ATP発光反応試薬を追加添加する前又は後において前記試料溶液中の微生物の細胞を融解又は破壊する微生物破壊機構と、
ATP発光反応試薬を追加添加し、かつ、微生物の細胞の融解又は破壊処理を施した前記試料溶液の発光を検出する微生物由来光検出器と、を備えていることを特徴とする微生物量測定装置。
【請求項2】
前記微生物破壊機構は、超音波を発振するものである請求項1記載の微生物量測定装置。
【請求項3】
圧壊可能な仕切り板によりその内部空間が上下方向に少なくとも2層に仕切られた測定セルを備え、前記測定セルが前記試薬追加機構として機能する請求項1又は2記載の微生物量測定装置。
【請求項4】
前記仕切り板の下面が、光を反射する反射面である請求項3記載の微生物量測定装置。
【請求項5】
試料溶液中の微生物量を測定する方法であって、
試料溶液にATPと反応して発光するATP発光反応試薬を添加する試薬添加工程と、
前記ATP発光反応試薬が添加された前記試料溶液の発光をバックグラウンド光として検出するバックグラウンド光検出工程と、
バックグラウンド光が検出された後の前記試料溶液に所定量のATP発光反応試薬を追加添加する試薬追加工程と、
前記バックグラウンド光検出工程の後であって、前記試薬追加工程の前又は後において、前記試料溶液中の微生物の細胞を融解又は破壊する微生物破壊工程と、
前記ATP発光反応試薬が追加添加され、かつ、微生物の細胞の融解又は破壊処理が施された前記試料溶液の発光を検出する微生物由来光検出工程と、を備えていることを特徴とする微生物量測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−226926(P2011−226926A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97134(P2010−97134)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(505062318)株式会社水圏科学コンサルタント (7)
【出願人】(591118041)財団法人シップ・アンド・オーシャン財団 (21)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】