微粒子合成方法
アルコールと水を含む混合溶媒系に溶解されたシリカ前駆体及び構造規定剤を含む前ゾル溶液の、アンモニウム触媒による加水分解及び縮合反応によりゾルを調製し、平均径が約50μm以下のシリカのメソ多孔性粒子を作製する工程;粒子を熱水処理して細孔径を増加させる工程;粒子を処理して残留する構造規定剤を除去する工程;及び制御された溶解を用いて細孔径を更に増加させる工程、を含むメソ多孔性シリカ微粒子の合成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロメートル径の多孔性シリカ粒子の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
序論
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、多成分混合物の分離及び解析に現在最も一般的に利用されている技術である。しかし、クロマトグラフィー業界は急激な変化の時にさしかかっている。ポンプ技術及びより感度の高い検出システムの開発により、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)として知られる新たなHPLC分野が切り開かれた。直径2μm未満、通常1.1〜1.9μm、の粒子よりなるシリカ固定相を通してサンプルをより速く溶出させることで、UHPLCではHPLCと比べて短いランタイムを達成することが可能である。
【0003】
近年、小さな固定相支持粒子(<2μm)を比較的長い(>20cm)溶融シリカキャピラリーカラムに充填して用いることでクロマトグラフィーの効率及び解析時間が向上することが実証された。この技術は、移動相をこれらのカラムに通すために極端な圧力(通常>1400バール)が必要であることから、UHPLCと呼ばれている。1975年、Halasz et al.1は、非常に小さな粒子(すなわち1μm未満)を使用することで非常に速い分離が可能になり、所与の分離に対する最短解析時間は利用可能な入口カラム圧力によってのみ制限されると仮定した。大抵の従来のポンピングシステムは圧力の上限が約400バールである。このため、5μmの粒子を充填したカラムの長さは約25cmに制限され、1.5μmの粒子を採用したカラムではたった3〜4cmにまで制限される。典型的な操作条件下でのこれらのカラムの理論段数は通常10,000〜20,000である。理論的には、粒径が減少すると、一般にバンドの広がりを大きくし得る渦拡散の減少及び物質移動寄与分への抵抗により、カラムの効率は上昇すると予測されている2、3。
【0004】
従来のHPLCシステムでは、小粒子の使用は、単純な混合物の短く速い分離に限定されていた。より長いカラムで用いるには、従来のポンプシステムより高いポンプ圧を達成できるポンプが必要となる。移動相の粘度及びカラム長が一定であるとすれば、充填されたベッド中に移動相を最適線速度(uopt)で流すために必要な圧力降下(pressure drop;ΔP)が粒径の3乗に反比例して増加する。例えば、uoptで流すためには、1μmの粒子を充填したカラムでは、5μmの粒子を充填した同じ長さのカラムの125倍大きな液圧がカラムヘッドで必要となる。しかし、理論段数(N)が5倍に増加し、解析時間が5分の1になるという利点がある。
【0005】
平均径が2μm未満で粒径分布が狭い多孔性粒子を高収率で形成することは困難であるため、UHPLCに適した1〜2μm粒径範囲の多孔性シリカ粒子を得る作業は、難題であることが示されている。従来、1μm粒径範囲でUHPLCに十分な単分散粒径の粒子のバッチを得るためには、所望の粒子を分離する必要があり、これは非常に時間のかかるプロセスである。更に、粒子は、超高圧により移動相に負荷される高剪断に耐えるための機械的強度を有する必要がある。
【0006】
更に、市販のHPLCシステムは一般に400バールを超える圧力で作動させることができず、1〜2μm粒径範囲の多孔性粒子の市販供給元は非常に少ない。近年、ウォーターズコーポレーションにより多孔性エチル橋かけハイブリッド粒子が開発された4。これらの粒子は平均細孔径が14.5nmであるため、ペプチドの分離に適している。しかし、これらの粒子の表面積は200m2g-1未満に留まり、これはUHPLCの要求に対しては低い。また、UHPLCで必要とされる高圧でのこれらの材料の安定性にも疑問があり、多孔性シリカ粒子に代わる好適な長期的代替物とは思われない。
【0007】
アンモニア加水分解によるシリカ球の合成
90年代初期の界面活性剤鋳型シリカ(STS)の報告5、6以降、そのバルク形態(bulk morphology)を制御するために多大な努力が為されてきた。ゾルーゲル法の技術を利用して種々の形態を作製することができる7。特に、よく規定され且つ調整可能な粒径を有する球状メソ多孔性シリカの合成は特にクロマトグラフ分離において近年大きな注目を集めた8。1968年に
【数1】
Fink、及びBohn(SFB)は、アルコール溶液中でのアルキルシリケートのアンモニア触媒反応によるミクロン径範囲の非多孔性単分散シリカ球を得る系を報告しており9、米国特許第3,634,558号は、アンモニアとケイ酸の低級アルキルテトラエステルを含む水性アルコール溶液を撹拌することによる均一粒径の非多孔性単分散シリカ球の製造方法を記載している。
【0008】
欧州特許第0844949は、平均粒径d50が0.05〜10μm、粒径の標準偏差が15%以下、細孔幅が2〜20nmである、純粋なSiO2からなる多孔性球状微粒子の製造方法を記載しており、この方法は、テトラアルコキシシラン及びトリアルコキシシランを含む混合物を加水分解及び重合化する工程、それにより形成された粒子を単離する工程、並びに単離された粒子を温度600〜1300℃で加熱して細孔を形成する工程を含む。かかるプロセス中では、ラジカル、例えば炭素数が2〜25のアルビル、炭素数が6〜14のアリール、炭素数が7〜25のアルキルアリール、又は炭素数が1〜25のアリールアルキルを用いて球状シリカ粒子中に孔を焼成する(burn)。このような方法では、予め形成された球状粒子中のラジカルの量及び位置に依存するため、不均一な細孔分布及び細孔サイズに大きなばらつきが生じ得る。
【0009】
1997年に、Unger et al.10は、界面活性剤を鋳型とする手法とSFB法を組み合わせて、ミクロン径範囲のメソ多孔性MCM41シリカ微小球を製造した。このいわゆる「改変」SFB(m−SFB)系は、5つの試薬、すなわち金属酸化物前駆体、水、アルカリ触媒、アルコール、及び界面活性剤からなる。合成の初期条件を最終産物に実験的に関連付けることで、種々の形態、粒径、粒径分布、凝集度、及び中間相のシリカ粒子が製造された10、11。したがって、反応物質の化学量論並びに温度、反応時間、バッチのサイズ及び種類、撹拌速度等の実験条件を制御することで、所望の粒径に「調整(tailor)」することができる。
【0010】
STSの細孔サイズの変更は、その最初の報告以来、広範に研究が行われており、使用された戦略の多くは文献中にその要約を見つけることができる7、13、14。しかし、これらの方法の多くは、m−SFB系に応用すると粒径が制御不能になるか粒子が凝集してしまう。直接合成において(金属酸化物前駆体の添加前に)より大きな細孔径を得るために用いられる技術は、反応物質の化学量論のあらゆる変化が粒径及び分布を変え得るため、大きな課題である。焼成されていない非球状のメソ多孔性シリカ(MCM−41)を熱水処理すると、結晶の質を維持したまま細孔径が増加することが発見された。Sayari et al.14は、多孔性シリカの熱水処理中にアミンを膨張剤として使用することで膨張度を増大させているが、細孔の規則性は失われている。合成後の熱水処理は特に、粒子を凝集させずに細孔径を増加させるためにm−SFB系に応用され得る。例えば、Grun et al.18は設計されたメソ多孔性シリカ吸収剤の製造方法を開示しており、この方法は、テトラ−n−アルキルシランとn−アルキルアミンをアンモニア触媒存在下で加水分解及び縮合することにより平均径0.1〜2.3μm、平均細孔径2.5〜3.5nmのメソ多孔性シリカ粒子を合成する工程並びに形成された粒子を焼成して残留するn−アルキルアミン鋳型を全て除去する工程を含み、その後、得られた粒子を熱水処理に曝して平均細孔径を約6.7nmに拡大する。
【0011】
しかし、吸着及びクロマトグラフ過程で使用するためには、サイズ排斥効果を回避するためにより大きな細孔径が必要である。例えば、UHPLCには10nmより大きい範囲の細孔径が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、メソ多孔性シリカ微粒子を合成するための湿式化学的方法が提供され、この方法は、
アルコールと水を含む混合溶媒系に溶解された、シリカ前駆体及び構造規定剤を含む前ゾル溶液のアンモニアに触媒される加水分解及び縮合反応によりゾルを調製し、平均径が約50μm以下のシリカのメソ多孔性粒子を作製する工程;
粒子を熱水処理して細孔径を増加させる工程;
残留する構造規定剤を除去するために粒子を処理する工程;及び
制御された溶解を用いて細孔径を更に増加させる工程
を含む。
【0013】
メソ多孔性粒子の平均径は、約5μm以下、例えば約0.1μm〜約3μm、でもよい。
【0014】
制御された溶解を用いて細孔径を更に増加させる工程は、1回以上繰り返してもよい。
【0015】
多孔性粒子を、有機化合物−水エマルション中で熱水処理してもよい。有機化合物の水に対する割合は1v/v%〜10v/v%であってもよい。
【0016】
有機化合物は中性アミン等のアミンであってもよい。例えばアミンは、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンを含む群から選択された1又は複数であってもよい。ひとつの実施形態では、アミンはN,N−ジメチルデシルアミンであってもよい。
【0017】
あるいは、有機化合物はアルコールであってもよい。例えばアルコールは、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールを含む群から選択された1又は複数であってもよい。
【0018】
多孔性粒子を、温度約70℃〜約150℃、例えば約110℃、で熱水処理してもよい。
【0019】
制御された溶解の工程はエッチングプロセスを含んでもよい。エッチングプロセスには塩基触媒を利用してもよい。例えば、制御された溶解の工程は塩基エッチング工程と捉えてもよい。塩基触媒は、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、及び水酸化カルシウム(CaOH)を含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0020】
塩基触媒は約0.01M〜約1Mの濃度で存在してもよい。例えば塩基触媒は約0.05Mの濃度で存在してもよい。
【0021】
粒子を約12時間以下、又は1日間〜5日間、例えば3日間、エッチングしてもよい。
【0022】
粒子を温度約50℃でエッチングしてもよい。
【0023】
エッチングプロセスはシリカキレート化剤又はシリカ錯化剤を含んでもよい。シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤は約0.5Mの濃度で存在してもよい。シリカキレート化剤又は錯化剤はカテコールであってもよい。
【0024】
残留する構造規定剤を除去するために粒子を熱処理してもよい。例えば、残留する構造規定剤を除去するために粒子を温度約400℃〜約800℃で加熱してもよい。あるいは、残留する構造規定剤を除去するために粒子をマイクロ波照射で処理してもよい。
【0025】
粒子を空気中で処理してもよい。あるいは、粒子を空気−オゾン混合物中で処理してもよい。粒子を約1時間〜約24時間処理してもよい。例えば粒子を8時間以上処理してもよい。
【0026】
ひとつの実施形態では、粒子をアルコール存在下で処理してもよい。アルコールは例えばエタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールを含む群から選択される1又は複数であってもよい。そのような実施形態では、粒子をマイクロ波照射で処理してもよい。
【0027】
構造規定剤は、界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤、であってもよい。界面活性剤は
(CH3)3N+CxHy
(式中、
xは12〜20の整数であり、
yは23〜41の整数である。)
の構造を有してもよい。
【0028】
界面活性剤は、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)であってもよい。
【0029】
混合溶媒系のアルコールは、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び1−ブタノールを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0030】
シリカ前駆体は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、及びテトラクロロシラン、又はその有機誘導体を含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0031】
有機誘導体は式
RnSiX(4-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、及びテトラエチルシランを含む群の1又は複数から選択される加水分解性基であり、
nは1〜4の整数である。)
を有していてもよい。
【0032】
シリカ前駆体はハイブリッドシリカ前駆体であってもよく、例えばジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソーオクチルトリメトキシシランを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0033】
ハイブリッドシリカ前駆体は、一般式
RnX(3-n)Si−R’−Si−RnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、トリメチシラン、又はテトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’はメチル、エチル、プロピル、又はブチル等の橋かけ基であり、
nは1又は2である。)
を有する橋かけハイブリッドシリカ前駆体であってもよい。
【0034】
アンモニア触媒は水酸化アンモニウムであってもよい。
【0035】
前ゾル溶液は0.001モル〜0.08モルのシリカ前駆体を含んでもよい。
【0036】
前ゾル溶液は0.001モル〜0.006モルの構造規定剤を含んでもよい。
【0037】
前ゾル溶液は8モル〜14モルのアルコールを含んでもよい。
【0038】
前ゾル溶液は2モル〜10モルの水を含んでもよい。
【0039】
前ゾル溶液は0.05モル〜1.5モルのアンモニア触媒を含んでもよい。
【0040】
ひとつの実施形態では、前ゾル溶液は、シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒を約0.0359:0.0032:12.36:6.153:0.505のモル比で含んでもよい。
【0041】
さらなる実施形態では、前ゾル溶液は、シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒を約0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153のモル比で含んでもよい。
【0042】
前ゾル溶液を温度約−5℃〜約80℃に加熱してもよい。例えば前ゾル溶液を温度約−5℃〜約80℃で2時間以下加熱してもよい。前ゾル溶液を撹拌してもよい。
【0043】
本方法は、前ゾル溶液にドーパント化合物を添加する工程を更に含んでもよい。ドーパント化合物にはアルミニウム又はホウ素が含まれ得る。例えばドーパント化合物は、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、及びトリエチルボランを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0044】
本方法の各工程は連続して実施されてもよい。
【0045】
本発明は、本発明の方法で作製されたメソ多孔性シリカ微粒子も提供する。
【0046】
本発明は更に、本発明の方法で作製されたメソ多孔性シリカを含むクロマトグラフィー固定相も提供し得る。
【0047】
本発明は、平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散(discrete)メソ多孔性シリカ微粒子も提供する。本発明は更に、平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカ微粒子を提供する。離散メソ多孔性シリカ微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の表面積は約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子は球状であってもよい。
【0048】
本発明は更に、平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散メソ多孔性シリカ微粒子を提供し得る。本発明は、平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカ微粒子も提供し得る。離散メソ多孔性シリカ微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の表面積は約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子は球状であってもよい。
【0049】
また、本発明は、平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子を提供し得る。本発明は更に、平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカバイブリッド微粒子を提供し得る。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の表面積は、約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子は球状であってもよい。
【0050】
定義
多孔性粒子は、球体、棒、ディスク、又はロープ等であり、粒子内の細孔がランダム又は規則的に配置されている粒子を含むと解釈される。
【0051】
巨視的(macroscopic)とは、100nm以上程度のサイズを含むと解釈される。
【0052】
有機鋳型は、溶媒−界面活性剤相互作用により規定される溶媒中の界面活性剤分子の集合体に由来する規定された構造的配置を含むと解釈される。有機鋳型は構造規定剤(SDA)と記載されることもある。
【0053】
メソ多孔性SDAとして使用される典型的な界面活性剤はカチオン性界面活性剤、典型的には臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)である。
【0054】
シリカ前駆体は、その他の化学物質と反応させることでシリカ材料を生成することができる化学化合物である。シリカは有機鋳型構造体の周囲に形成され、有機SDA成分の除去処理にも耐えうる無機シリカ骨格を形成する。シリカ前駆体の例としては、テトラエトキシシラン(TEOS)等の金属アルコキシドが挙げられる。SDA、溶媒、及びその他の材料の存在下でTEOSは加水分解して、ヒドロキシド基を含む分子及び分子集合体を生成する。これらのヒドロキシル基含有種は、脱水反応して、−M−O−M−(Mは金属イオンを表し、Oは酸素イオンを表す。)結合を生成する。このプロセスは縮合として知られる。縮合反応産物は、化学的、構造的、及び化学量論的に十分に規定されていない、酸化シリカ、水酸化シリカ、及び金属有機結合を含む固体又はゲルである。注いだ時に容易に流動する希釈されたゲルをゾルという。
【0055】
前ゾルは、特定の条件下で反応してメソ多孔性シリカ粒子のゾルを形成する化学物質の混合物である。
【0056】
焼成は、空気下での熱処理と説明される。有機材料を確実に完全除去できるため、空気とオゾンの混合物を代わりに使用してもよい。
【0057】
添付の図面に関連して単なる例として示した以下の本発明の説明から、本発明はより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るプロセスを示すフロー図である。
【図2】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15とし、本発明の方法で調製した多孔性シリカ球を(A)×5,500倍及び(B)×18,000倍で示した走査型電子顕微鏡写真像である。
【図3】
【数2】
の種々の撹拌速度下で調製した多孔性シリカ粒子の粒径測定を示す図である。
【図4】A〜EはTEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.032:12.36:0.0505:6.153として作製した粒子の平均径に対する、合成プロセス中の実験条件を変えることによる影響をSEMで測定したグラフである。以下の実験条件を変えた:(A)TEOSの体積;(B)水酸化アンモニウムの体積;(C)メタノールの体積;(D)CTABの質量;(E)反応温度(*=多分散粒径、最大の粒径を取った;**=粒子は凝集し、離散粒子は観察されなかった)。
【図5A】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oの化学的モル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15にして作製した多孔性シリカ粒子のバレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)細孔サイズ測定を示すグラフである。
【数3】
【図5B】DMDA処理粒子及びDMDA未処理粒子の
【数4】
を示すグラフである。
【図6A】3日間塩基エッチング(制御された溶解)した後に水酸化ナトリウムでエッチングした粒子のBJH細孔サイズの測定を示すグラフである。
【図6B】3日間塩基エッチング(制御された溶解)した後に水酸化ナトリウムでエッチングした粒子の
【数5】
を示すグラフである。
【図7A】3日間塩基エッチング(制御された溶解)後(線A)、及び2回塩基エッチング(制御された溶解)後、の水酸化ナトリウムエッチング粒子(線B)のBJH細孔サイズの測定を示すグラフである。
【図7B】3日間塩基エッチング(制御された溶解)後(線A)、及び2回塩基エッチング(制御された溶解)後、の水酸化ナトリウムエッチング粒子(線B)の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示すグラフである。
【図8A】種々の実験条件下(異なる濃度の水酸化アンモニウム及び異なる塩基エッチング時間−実験条件については表2を参照されたい。)で塩基エッチング後の、水酸化アンモニウム塩基エッチング粒子の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示すグラフである。
【図8B】種々の実験条件下(異なる濃度の水酸化アンモニウム及び異なる塩基エッチング時間−実験条件については表2を参照されたい。)で塩基エッチング後の、水酸化アンモニウムエッチング粒子のBJH細孔サイズ測定を示すグラフである。
【図9】拡大した細孔系を示す、本発明のプロセスで作製した粒子のTEM画像である。
【図10】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15とし本発明のプロセスによって調製した多孔性シリカ球を×2,200倍率で示した走査型電子顕微鏡写真画像図である(反応温度は−17℃であった)。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明者らは、平均粒径が約50μm以下、例えば約5μm以下、又は平均径が約0.1〜約3μmの範囲の、離散した粒径が単分散のミクロメートル微小多孔性粒子の簡便且つ再現性のある合成方法を発明した。この方法は、調整可能なメソ多孔性形態及び巨視的形態を有する均一な粒子、特に球状の多孔性シリカ粒子の調製を可能にする。
【0060】
界面活性剤の濃度及び種類、温度、撹拌速度、熱水処理、塩基エッチング(制御された溶解)工程等の反応条件を注意深く制御することで、多孔性球の細孔サイズ及び構造を予め決定することができる。
【0061】
本発明の方法を用いることで、規則的で、予測可能、制御された形状の巨視的メソ多孔性材料を調製することができる。従来、このような材料の巨視的特性とメソ多孔性特性の両方の制御を一貫して達成することは困難であった
【0062】
本発明の方法によると、高収率でメソ多孔性粒子が作製されるという利点を有する。例えば、2.5Lのゾルから約20gのメソ多孔性粒子を得ることができる。
【0063】
本方法は、粒径分布の狭いメソ多孔性粒子を提供する。このような材料は表面積が大きく、クロマトグラフィーでの吸収剤及び分離の用途に非常に有効である。
【0064】
平均粒径が約50μm以下、又は約5μm以下、又は平均粒径が約0.1〜約3μm範囲の多孔性シリカ粒子は、現在市販されている多孔性シリカ球に対して、以下のものを含む多数の利点を有する。
1)単分散粒径
2)調整可能な細孔サイズ
3)細孔サイズを増加させるためにフッ化水素(HF)エッチングが不要
4)その後の分離工程、すなわち篩い工程がない
5)細孔サイズ分布がバイモーダルにならない
6)高収率
7)比較的短い調製時間(1週間)
【0065】
本発明のメソ多孔性材料は、支持体材料として触媒産業にも関係し、高度に特異的な化学センサー及び光電子デバイスを含む一般的な材料市場にも関係し得る。
【0066】
メソ細孔の寸法は、水−アミンエマルション熱水手段及びその後の水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウムによる塩基エッチング等の塩基エッチング手段を用いて調整されてもよい。球状粒子は、Shimura et al.12に報告されている方法と同様の方法で作製される。調製中、CTAB等のカチオン性界面活性剤から形成されるミセルを、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ前駆体と塩基性条件下で混合し(前ゾル溶液という)、処理してメソ多孔性材料を形成する。塩基条件、撹拌速度、及び温度を変えることで、約50μm以下、例えば約5μm以下、又は約0.1〜約3μmである調整可能な巨視的径の、比較的粒径が単分散の球状粒子を形成することができる。シリカ前駆体の体積、又は触媒の体積、又は溶媒の体積、又はプロセスの反応温度等の実験条件を制御することで、得られる粒径を制御することができる。例えば、前ゾル溶液中のアンモニアの量を制御することで、得られる粒径を決定することができる。本発明者らは、0.0159モルのアンモニアを用いると平均径約2.45μmの粒子が得られ、0.3971モルのアンモニアを用いると平均径約0.49μmの粒子が作製されることを見出した。図4A〜Eは、得られる粒径に対する、シリカ前駆体(図4Aの例ではTEOS)の体積を増やすことの影響;触媒(図4Bの例ではアンモニア)の体積を増やすことの影響;溶媒(図4Cの例ではメタノール)の体積を増やすことの影響;ポロゲン(図4Dの例ではCTAB)の質量を増やすことの影響、及び温度を上昇させることの影響(図4E)を示す。図4A〜4Eを参照すると、反応が行われる温度の変更が、粒径に最も大きな影響を与えるようであり、より大きな粒径を得るためには約10℃未満の温度が最適なようであり、平均粒径約1μm以下の粒子を得るためには約50℃の温度が最適なようである。更に大きな粒子を得るために約0℃未満の温度を用いてもよい。例えば図10を参照すると、温度を約−17℃にすることで、平均粒径が約4.7μm、粒径の範囲が約3.82μm〜約5.52μmの粒子が得られる。
【0067】
本発明者らは、温度が約−100℃以下では平均粒径が約10μm以上、例えば約50μm以下、の粒子が生成されると考察している。
【0068】
2つ以上の実験パラメーターを変更することによって、得られる粒径を制御してもよい。
【0069】
本発明者らは、シード成長法を用いることで、例えば平均粒径が約20μm以上であるような大きい粒子、例えば約50μm以下の粒子、を作製することができると考察している。シード成長法では、本明細書に記載のプロセス(図1の工程2)で得られた粒子を新鮮なゾル調製液(図1の工程1)に浸漬して、既に存在している粒子上に新たなシリカの層が成長するようにし、それによって粒子の平均粒径を増加させる。更なるシード成長工程を行うことで粒子の平均粒径を更に増加させてもよい。粒子が所望の粒径にまで成長したら、粒子を図1の工程3〜6に記載されているように処理してもよい。シード成長法を用いて粒子を調製すると、コア−シェル構造を有する粒子が生じ得る。
【0070】
熱水条件下でのアミン−水エマルションによるシリカ粉末の合成後処理により、メソ細孔は制御されながら拡大し約2〜約4nmとなる。本発明は、調整可能なメソ多孔性直径を有する膨張したメソ多孔性シリカ材料の合成方法を提供する。塩基エッチング(制御された溶解)溶液を用いた更なる合成後処理を行うと、シリカ粉末の細孔径は約4nm〜約50nmに更に増加する。
【0071】
本方法は、他の手法で合成されたメソ多孔性シリカ球に対して以下の利点を有する。
i)カラムに効果的に充填できる球状で比較的粒径が単分散の粒子を作製することができる。粒子自体は離散しており、他の複数の方法で報告されているような凝集や結合をしていない。
ii)粒子は、熱的(約850℃まで)、機械的、及び化学的に堅牢である。
iii)粒子のメソ細孔径を約2〜約50nmに制御することができる。
iv)メソ多孔性粒子がクロマトグラフィー分離の効果的な固定相として作用する。
【0072】
使用される界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB);ポリエチレンオキシド(PEO)セグメント、ポリプロピレンオキシド(PPO)セグメント、又はポリブチレンオキシド(PBO)セグメントを有するの2ブロックコポリマー(A−B)や3ブロックコポリマー(A−B−A又はA−B−C);ポリアルキルエーテル、例えばBrij界面活性剤等のCXH2x+1−(CH2−CH2O)zH(CxEOy);例えばビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)等のアニオン性界面活性剤、及びTriton−Xのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0073】
使用されるアルコール系の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノールのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0074】
好適なシリカ前駆体は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、及びテトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、テトラクロロシラン、又は式RnSiX(4-n)(式中、Rは有機ラジカルであり、Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、nは1〜4の整数である。)で表されるその有機誘導体のいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0075】
ハイブリッドシリカ前駆体を本発明のプロセス中で用いて多孔性ハイブリッドシリカ微粒子を作製してもよい。「ハイブリッドシリカ粒子」は、有機官能性を有するシリカ粒子のように、構造中に有機成分をある割合含むシリカ粒子を意味する。有機官能性は、シリカ粒子内(内部)にあってもよく及び/又はシリカ粒子の表面(外的)に結合されていてもよい。好適なハイブリッドシリカ前駆体は、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソ−オクチルトリメトキシシランのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0076】
多孔性ハイブリッドシリカ微粒子を作製するために橋かけされたハイブリッド前駆体を本発明のプロセス中で用いてもよい。
【0077】
好適な橋かけシリカは、
RnX(3-n)Si−R’−SiRnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’は橋かけ基であり、限定されるものではないがメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよく、
nは1又は2である。)
であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0078】
橋かけハイブリッドシリカ前駆体の例としては1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンが挙げられる。
【0079】
好適なアミンポロゲン膨張剤(porogenic swelling agent)は、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0080】
ゾルの調製に用いられるシリカの源は、ケイ素のアルコキシド、カルボキシレート、又はハライドであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0081】
好適な塩基エッチング溶液は、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの水酸化物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0082】
好適なシリカキレート化剤/シリカ錯化剤は、カテコール(1,2ベンゼンジオール)等の有機ジオールであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0083】
前ゾル条件を制御することで粒子の巨視的粒径が予め決定される。塩基加水分解剤の濃度を低くするとより大きな粒子が得られ、温度を上昇させるとより小さな粒子が得られる。
【0084】
以下の実施例から本発明はより明確に理解されよう。
【実施例】
【0085】
[実施例1]
図1に模式的に示し以下に記載するようにいくつかの段階によりメソ多孔性シリカ粒子を調製する。
【0086】
工程1:CTAB(約0.001〜約0.006モル、典型的には約0.0032モル)を最初にメタノールに溶解する(約8〜約14モル、典型的には約12.36モルの濃度で)。この混合物にアンモニア(約0.05〜約1.5モル、典型的には0.505モル)及び水(約2〜約10モル、典型的には6.153モル)を添加し、15分間撹拌した後、TEOS(約0.001〜約0.08モル、典型的には約0.00826モルを一括添加(one step addition)する。シリカ前駆体は典型的には、前ゾルの約5〜約25%v/vの濃度で存在する。)ゾルを24〜96時間撹拌する。前ゾル溶液は、温度−5〜80℃、撹拌速度0〜1000rpmで調製してもよい。高品質の多孔性粒子を作製するためには、前ゾル溶液は透明であるべきであり、如何なる可視粒子も含まるべきではない。
【0087】
ハイブリッドシリカ粒子の作製に本プロセスを用いる場合、TEOSを好適なハイブリッドシリカ前駆体に置き換えてもよい。あるいは、橋かけハイブリッドシリカ粒子を作製する場合、シリカ前駆体は、橋かけハイブリッドシリカ前駆体とTEOS等の非ハイブリッドシリカ前駆体の混合物を含んでもよい。橋かけハイブリッドシリカ前駆体と非ハイブリッドシリカ前駆体の混合物を用いる場合、非ハイブリッドシリカ前駆体は、前ゾル溶液の約5〜約25%v/vの濃度で存在してもよい。
【0088】
工程2:シリカ沈殿物を濾別(ワットマン社製110mm径の濾紙を用いた真空濾過)し、室温で乾燥させ、as−synthesised多孔性シリカ粒子の合成シリカ粉末を得る。
【0089】
工程3:既知の量のDMDAを水中で1時間激しく撹拌することで、H2O中のDMDAエマルション(3.3%v/v)を調製する。工程2で得られたas−synthesisedシリカ粉末(2.5%w/w)をエマルションに添加し、更に1時間撹拌する。その後、この溶液を密閉された熱水容器に移し、自圧下にて約110℃で1週間処理する。白色から茶色への色の変化が観察される。
【0090】
工程4:工程3の熱水プロセスから多孔性シリカ粒子を取り出し、洗浄、濾過、4日間以内の風乾、及び温度約200〜約550℃で数分〜数日、空気中又は空気/オゾン混合物中での焼成を行う。あるいは粒子を、溶媒(多くの場合はSDAを抽出するためのアルコールである)の存在下で、約40〜約1000ワットのマイクロ波照射に暴露する。ハイブリッドシリカ粒子の場合は、SDAを抽出するためにマイクロ波照射を用いてもよい。開孔からなる、すなわち有機界面活性剤が存在しない、酸化物粒子が形成される。
【0091】
工程5:熱水処理及び焼成を施された粒子(1%w/w)を塩基エッチングする。焼成された粒子を、0.05Mの水酸化ナトリウム塩基エッチング溶液に添加して約3日間撹拌してもよい。あるいは、焼成粒子を、水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液、例えば約14.8Mの水酸化アンモニウムを含む塩基エッチング溶液、を用いて塩基エッチングし、約8時間撹拌してもよい。塩基エッチング工程を温度約50℃で行ってもよい。所望により、塩基エッチング溶液中にシリカキレート化剤/シリカ錯化剤を含めてもよく、これによって、エッチングされた粒子のオストワルド熟成の可能性が減少し得る。例えば、カテコールを約10%v/vの濃度で塩基エッチング溶液に添加してもよい。カテコールは、塩基エッチング触媒がナトリウム又はアンモニウムの水酸化物であるならば塩基エッチング溶液に含まれてもよい。
【0092】
塩基エッチング工程(シリカの制御された溶解)の速度の制御は、時間、温度、塩基エッチング触媒の濃度、シリカキレート化剤/シリカ錯化剤の濃度、撹拌条件等の反応パラメーターの1又は複数を制御することで行うことができる。
【0093】
工程6:エッチングされた粒子を濾別(ワットマン社製110mm径の濾紙を用いた真空濾過)し、200℃で乾燥させる。
【0094】
工程7:多孔性粒子を、直径1.0cm、長さ30cm等の典型的な寸法の従来からのクロマトグラフィーカラムに、従来からの「湿式充填」法を用いて充填することができる。すなわちメソ多孔性シリカを溶媒で湿らせてスラリーを形成し、カラム中に送液することで、充填する。クロマトグラフィーにかける混合物の液体サンプルを溶媒、典型的にはジクロロメタンに溶解し、カラムの最上部に置く。開始時のカラム溶剤(最初の2つの場合はヘキサン)をカラムに入れる。次いで、カラムに溶媒を流して混合物の成分を分離するために必要な圧力を発生するために、手動ポンプを用いることができる。
[実施例2]
【0095】
メソ多孔性シリカ球の調製
Shimura et al.12及びUnger et al.15に記載された改変法に基づき、メソ多孔性シリカ球を調製した。テトラエトキシシラン(TEOS)をシリカ前駆体として用い、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を界面活性剤鋳型として作用させた。メタノール(MeOH)を共溶媒として用いた。
【0096】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合し、10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製及び撹拌した水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。焼成した産物をその後0.05MのNaOH(1%w/w)溶液中に入れ、200rpmで3日間撹拌し、濾過した後、200℃で乾燥した。このシリカ粒子に2回目の「エッチング」(同条件:0.05M NaOH(1%w/w)溶液、200rpmで3日間撹拌)を行い、細孔サイズを更に増加させ、濾過し、200℃で乾燥した。合成された種々のシリカ粒子のモル組成及び生理化学的特性を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
[実施例3]
メソ多孔性シリカ球の調製
Shimura et al.12及びUnger et al.15に記載された改変法に基づき、メソ多孔性シリカ球を調製した。テトラエトキシシラン(TEOS)をシリカ前駆体として用い、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を界面活性剤鋳型として作用させた。メタノール(MeOH)を共溶媒として用いた。
【0099】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加してこの系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。
【0100】
次いで、焼成産物を、以下の表2に記載の条件下で水酸化ナトリウム溶液中に置き、以下の表2に示す時間、200rpm、50℃で撹拌した。水酸化ナトリウムでエッチングした後、粒子を濾過し、200℃で乾燥した。
【0101】
以下の特性を有する粒子が合成された。
【0102】
【表2】
【0103】
有益なことに、本発明者らは、水酸化アンモニウムを用いた一回の塩基エッチング工程は単分散粒子の凝集を起こさないことを見出した。実施例3のプロセスで作製された粒子は、水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液を用いた塩基エッチング後にも単分散を維持している。
[実施例4]
【0104】
メソ多孔性シリカ球の調製
実施例2の方法を用い、ただしアンモニア濃度を変更して、平均径が増加した粒子を得た。本実施例では、TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153とした。
【0105】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で107.6mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に4mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製された撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。平均径2.45μmのシリカ粒子を得た。次いで、焼成した産物を0.05MのNaOH(1%w/w)溶液中に置いて200rpmで3日間撹拌し、濾過し、200℃で乾燥して、細孔サイズを約7.1nm〜8.1nmに増加させた。所望により、このシリカ粒子に2回目の「エッチング」(同条件下:0.05M NaOH(1%w/w)溶液、200rpmで3日間撹拌)を行い、細孔サイズを約12.1nm〜20.6nmに更に増加させ、濾過し、200℃で乾燥した。
[実施例5]
【0106】
メソ多孔性シリカ球の調製
実施例4の方法を用い、ただし水酸化ナトリウム塩基エッチング工程を50℃、撹拌200rpmでの上記表2に記載のNH3002〜NH3007の条件下での、一回の水酸化アンモニウム塩基エッチング工程に置き換えて、粒子の細孔サイズを約11.6nm(NH3002)、約15.7nm(NH3004)、約25.0nm(NH3005)、約12.4nm(NH3006)、及び約24.0nm(NH3007)に増加させた。塩基エッチング後、粒子を濾過し、200℃で乾燥した。
[実施例6]
【0107】
メソ多孔性ハイブリッドシリカ球の調製
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に7mlのメチルトリメトキシシランを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の除去は、エタノール中でマイクロ波抽出を用いて行った。次いで、水酸化アンモニウムを用いて上記実施例3及び5に概説した条件下でハイブリッドシリカ粒子を「エッチング」した。
[実施例7]
【0108】
メソ多孔性橋かけハイブリッドシリカ球の調製
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8.14mlの1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の除去は、エタノール中でマイクロ波抽出を用いて行った。次いで、水酸化アンモニウムを用いて上記実施例3、5、及び6に概説した条件下で橋かけシリカ粒子を「エッチング」した。
【0109】
Micromeritics Gemini 2375体積分析装置によるブルナウアー・エメット・テラー(BET)の窒素等温線を用いて、焼成したメソ多孔性シリカ球の表面積を測定した。各サンプルは、BET測定の前に200℃で12時間脱気した。焼成したシリカの平均細孔サイズ分布は、30ポイントのBET表面積プロットから、バレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)モデルに基づいて計算した。調べたメソ多孔性シリカは、メソ多孔性固体に典型的なIV型の吸着等温線を示した。等温線の吸着枝から平均細孔径を計算した。100kVの加速電圧で作動するJEOL2010(解像度0.5nm)電子顕微鏡を透過型電子顕微鏡検査(TEM)に使用した。サンプルをクロロホルム/エタノールに分散させ、混合物を一滴、カーボンコーティングされた銅製のTEMグリッドにのせた。走査型電子顕微鏡検査(SEM)による測定(解像度0.05μm)は、サンプルをカーボンテープ上にのせた後に真鍮スタブに接着させ、JEOL5510SEMを用いて行った。粒径分布は、電気的検知帯法(ESZ)に基づくマルチサイザー3コールターカウンターを用いて測定した。
【0110】
図1は、本発明に係るプロセスのフロー図であり、規則的なメソ多孔性シリカ粒子を形成するための全体的な方法を説明している。最初に、シリカ前ゾル溶液を作製する。これは、大気条件下にてビーカー中で撹拌してもよい。次いで、粒子をブロック3に示すようにアミンと水のエマルション中で加水分解する。次に、粒子を焼成してSDAを含有しない粒子を作製する(ブロック4)。最後に、これらの粒子を塩基エッチングし、濾過及び乾燥する。その後、アルキル鎖(Cn、n=8〜26)を含むシラン、例えばジメチルオキタデシルクロロシラン(CH3(CH2)17Si(CH3)2Cl;C18)等の有機種でシリカを官能化でき、クロマトグラフィーカラムに充填でき、UHPLCの固定相として用いてもよい(ブロック7)。前ゾル溶液の作製にハイブリッドシリカ前駆体を用いる場合、得られる粒子は既に有機種で官能化されている。したがって、合成される微粒子の最終的な使用/用途によっては、ハイブリッドシリカ粒子の更なる官能化は必要でないこともある。
【0111】
上記方法で合成したシリカ微小球のSEM解析を図2に示す。平均粒径測定値は1.4μmであった。球の表面がなめらかであり、大きな欠陥がないことがSEM像から確認された。改変SFB法による粒径は、反応物質の種類、化学量論、及び実験条件を変更することで制御できる。改変SFB法のプロセス及び粒径制御を元々のSFB法と比較することは有用である。
【数6】
et al.9は、シリカ粒子の径が0.05μm〜2μmに調整されるように反応パラメーターを体系的に変更した。Bogush et al.16はTEOS、EtOH、NH3、H2O系に着目してこの仕事を広げ、粒径の単分散性が維持される濃度範囲を確立した。どちらの研究においても、粒径がバッチサイズ又は混合方法に依存することは見出されなかった。質量分率及び粒径はシード成長法で増加させてもよい。
【0112】
上記方法を用いて合成したシリカの粒径分布プロファイルを図3に示す。撹拌速度を変えると粒径が変化している(白抜き三角は400rpm、塗りつぶし四角は300rpm、白丸は200rpmである)。
【0113】
実験条件の変更による 得られる粒径に対する影響を図4A〜Eに示す。
【0114】
合成後熱水処理を水とアミンのエマルション中で行い、細孔サイズを拡大した。図5(b)は、熱水処理あり(DMDA処理と表記)及び熱水処理なし(未処理と表記)の粒子の、窒素吸着等温線(塗りつぶし四角)及び窒素脱着等温線(白抜きの丸)を示す図である。IUPAC分類17による1型のマイクロ多孔性(<2nm)から4型のメソ多孔性(2〜50nm)の吸着等温線への明らかな遷移がある。図5(a)は、未処理(塗りつぶし四角)及び熱水処理あり(塗りつぶし丸)のシリカサンプルの細孔サイズ分布プロファイルを示す図である。表1に示すように、平均細孔径は3倍に増加し、細孔体積も増加し、表面積は減少する。走査型電子顕微鏡検査では球の形態に目立った変化は観察されなかった。Sayari14と同じく、膨張したシリカの細孔壁の厚さに有意な変化は見られなかった。
【0115】
細孔径は、水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウム溶液中で塩基エッチングすることで更に増加させることができる。図6(b)は、水酸化ナトリウムでエッチングした球の窒素吸着等温線(黒い四角)及び窒素脱着等温線(白丸)を示す図である。図6(a)に示す細孔サイズ分布プロファイルから得られる平均細孔径は8.5nmである。表1は、塩基エッチング(制御された溶解)後に細孔サイズが4倍に増加することを示している。
【0116】
図7(b)は、水酸化ナトリウムで1回エッチングしたシリカ球(線A)及び水酸化ナトリウムで2回エッチングしたシリカ球(線B)の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示す図である。平均細孔径は、図7(a)に示す1回エッチングした球(線A)及び2回エッチングした球(線B)の細孔サイズ分布プロファイルに見られる。
【0117】
図8(a)は、水酸化アンモニウムエッチング溶液を用いて種々の条件下(塩基エッチング条件については上記表2参照)でエッチングしたシリカ球の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示す図である。平均細孔径は、図8(b)に示す水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液を用いて種々の条件下(塩基エッチング条件については上記表2参照)でエッチングした球の細孔サイズ分布プロファイルに見られる。
【0118】
図9は、0.05MのNaOH中で(3日間)塩基エッチングした後の球内のランダム細孔構造のTEM画像である。好適な塩基エッチング条件、すなわち塩基エッチング手順の反復後には、50nm以下の細孔サイズを作製することができる。典型的には、約2〜25nm又は約2〜15nm領域の細孔サイズが達成される。
【0119】
図10は、モル比0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15のTEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oから反応温度−17℃で調製した多孔性シリカ球の走査型電子顕微鏡画像である。球の平均径は約4.7μmである。
【0120】
本発明は、本明細書に記載の実施形態に制限されるものではなく、構成及び細部を変更してもよい。
【0121】
参考文献
(1) Halasz. I.; Endele. R.; Asshauer. J., J Chromatogr 1975, 12, 12.
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(14) Sayari, A., Angew. Chem. Int. ED., 2000, 39. 2920.
(15) Unger, K. K.; Kumar, D.; Grun, m.; Buchel, G.; Ludtke, S.; Adam, T.; Schmacher, K.; Renker, S., J. Chromatogr. A 2000, 892, 47.
(16) Bogush, G. H.; Zukoski, C. F. J., Colloid Interface Sci 1988, 104, 94.
(17) Barton, T. J.; Bull, l. m.; Klemperer, W. G.: Loy, D. A.; McEnaney, B.; Misono, m.; Monson, P. A.; Pez, G.; Scherer, G. W.; Vartuli, J. C.; Yaghi, O. m., Chem. Mater 1999, 11. 2633.
(18)
【数7】
m., Buchel, G., Kumar, D., Schumacher, K., Bidlingmaier, B., Unger, K. K., Studies in surface science and catalysis 2000, 128: 155―165.
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロメートル径の多孔性シリカ粒子の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
序論
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、多成分混合物の分離及び解析に現在最も一般的に利用されている技術である。しかし、クロマトグラフィー業界は急激な変化の時にさしかかっている。ポンプ技術及びより感度の高い検出システムの開発により、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)として知られる新たなHPLC分野が切り開かれた。直径2μm未満、通常1.1〜1.9μm、の粒子よりなるシリカ固定相を通してサンプルをより速く溶出させることで、UHPLCではHPLCと比べて短いランタイムを達成することが可能である。
【0003】
近年、小さな固定相支持粒子(<2μm)を比較的長い(>20cm)溶融シリカキャピラリーカラムに充填して用いることでクロマトグラフィーの効率及び解析時間が向上することが実証された。この技術は、移動相をこれらのカラムに通すために極端な圧力(通常>1400バール)が必要であることから、UHPLCと呼ばれている。1975年、Halasz et al.1は、非常に小さな粒子(すなわち1μm未満)を使用することで非常に速い分離が可能になり、所与の分離に対する最短解析時間は利用可能な入口カラム圧力によってのみ制限されると仮定した。大抵の従来のポンピングシステムは圧力の上限が約400バールである。このため、5μmの粒子を充填したカラムの長さは約25cmに制限され、1.5μmの粒子を採用したカラムではたった3〜4cmにまで制限される。典型的な操作条件下でのこれらのカラムの理論段数は通常10,000〜20,000である。理論的には、粒径が減少すると、一般にバンドの広がりを大きくし得る渦拡散の減少及び物質移動寄与分への抵抗により、カラムの効率は上昇すると予測されている2、3。
【0004】
従来のHPLCシステムでは、小粒子の使用は、単純な混合物の短く速い分離に限定されていた。より長いカラムで用いるには、従来のポンプシステムより高いポンプ圧を達成できるポンプが必要となる。移動相の粘度及びカラム長が一定であるとすれば、充填されたベッド中に移動相を最適線速度(uopt)で流すために必要な圧力降下(pressure drop;ΔP)が粒径の3乗に反比例して増加する。例えば、uoptで流すためには、1μmの粒子を充填したカラムでは、5μmの粒子を充填した同じ長さのカラムの125倍大きな液圧がカラムヘッドで必要となる。しかし、理論段数(N)が5倍に増加し、解析時間が5分の1になるという利点がある。
【0005】
平均径が2μm未満で粒径分布が狭い多孔性粒子を高収率で形成することは困難であるため、UHPLCに適した1〜2μm粒径範囲の多孔性シリカ粒子を得る作業は、難題であることが示されている。従来、1μm粒径範囲でUHPLCに十分な単分散粒径の粒子のバッチを得るためには、所望の粒子を分離する必要があり、これは非常に時間のかかるプロセスである。更に、粒子は、超高圧により移動相に負荷される高剪断に耐えるための機械的強度を有する必要がある。
【0006】
更に、市販のHPLCシステムは一般に400バールを超える圧力で作動させることができず、1〜2μm粒径範囲の多孔性粒子の市販供給元は非常に少ない。近年、ウォーターズコーポレーションにより多孔性エチル橋かけハイブリッド粒子が開発された4。これらの粒子は平均細孔径が14.5nmであるため、ペプチドの分離に適している。しかし、これらの粒子の表面積は200m2g-1未満に留まり、これはUHPLCの要求に対しては低い。また、UHPLCで必要とされる高圧でのこれらの材料の安定性にも疑問があり、多孔性シリカ粒子に代わる好適な長期的代替物とは思われない。
【0007】
アンモニア加水分解によるシリカ球の合成
90年代初期の界面活性剤鋳型シリカ(STS)の報告5、6以降、そのバルク形態(bulk morphology)を制御するために多大な努力が為されてきた。ゾルーゲル法の技術を利用して種々の形態を作製することができる7。特に、よく規定され且つ調整可能な粒径を有する球状メソ多孔性シリカの合成は特にクロマトグラフ分離において近年大きな注目を集めた8。1968年に
【数1】
Fink、及びBohn(SFB)は、アルコール溶液中でのアルキルシリケートのアンモニア触媒反応によるミクロン径範囲の非多孔性単分散シリカ球を得る系を報告しており9、米国特許第3,634,558号は、アンモニアとケイ酸の低級アルキルテトラエステルを含む水性アルコール溶液を撹拌することによる均一粒径の非多孔性単分散シリカ球の製造方法を記載している。
【0008】
欧州特許第0844949は、平均粒径d50が0.05〜10μm、粒径の標準偏差が15%以下、細孔幅が2〜20nmである、純粋なSiO2からなる多孔性球状微粒子の製造方法を記載しており、この方法は、テトラアルコキシシラン及びトリアルコキシシランを含む混合物を加水分解及び重合化する工程、それにより形成された粒子を単離する工程、並びに単離された粒子を温度600〜1300℃で加熱して細孔を形成する工程を含む。かかるプロセス中では、ラジカル、例えば炭素数が2〜25のアルビル、炭素数が6〜14のアリール、炭素数が7〜25のアルキルアリール、又は炭素数が1〜25のアリールアルキルを用いて球状シリカ粒子中に孔を焼成する(burn)。このような方法では、予め形成された球状粒子中のラジカルの量及び位置に依存するため、不均一な細孔分布及び細孔サイズに大きなばらつきが生じ得る。
【0009】
1997年に、Unger et al.10は、界面活性剤を鋳型とする手法とSFB法を組み合わせて、ミクロン径範囲のメソ多孔性MCM41シリカ微小球を製造した。このいわゆる「改変」SFB(m−SFB)系は、5つの試薬、すなわち金属酸化物前駆体、水、アルカリ触媒、アルコール、及び界面活性剤からなる。合成の初期条件を最終産物に実験的に関連付けることで、種々の形態、粒径、粒径分布、凝集度、及び中間相のシリカ粒子が製造された10、11。したがって、反応物質の化学量論並びに温度、反応時間、バッチのサイズ及び種類、撹拌速度等の実験条件を制御することで、所望の粒径に「調整(tailor)」することができる。
【0010】
STSの細孔サイズの変更は、その最初の報告以来、広範に研究が行われており、使用された戦略の多くは文献中にその要約を見つけることができる7、13、14。しかし、これらの方法の多くは、m−SFB系に応用すると粒径が制御不能になるか粒子が凝集してしまう。直接合成において(金属酸化物前駆体の添加前に)より大きな細孔径を得るために用いられる技術は、反応物質の化学量論のあらゆる変化が粒径及び分布を変え得るため、大きな課題である。焼成されていない非球状のメソ多孔性シリカ(MCM−41)を熱水処理すると、結晶の質を維持したまま細孔径が増加することが発見された。Sayari et al.14は、多孔性シリカの熱水処理中にアミンを膨張剤として使用することで膨張度を増大させているが、細孔の規則性は失われている。合成後の熱水処理は特に、粒子を凝集させずに細孔径を増加させるためにm−SFB系に応用され得る。例えば、Grun et al.18は設計されたメソ多孔性シリカ吸収剤の製造方法を開示しており、この方法は、テトラ−n−アルキルシランとn−アルキルアミンをアンモニア触媒存在下で加水分解及び縮合することにより平均径0.1〜2.3μm、平均細孔径2.5〜3.5nmのメソ多孔性シリカ粒子を合成する工程並びに形成された粒子を焼成して残留するn−アルキルアミン鋳型を全て除去する工程を含み、その後、得られた粒子を熱水処理に曝して平均細孔径を約6.7nmに拡大する。
【0011】
しかし、吸着及びクロマトグラフ過程で使用するためには、サイズ排斥効果を回避するためにより大きな細孔径が必要である。例えば、UHPLCには10nmより大きい範囲の細孔径が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、メソ多孔性シリカ微粒子を合成するための湿式化学的方法が提供され、この方法は、
アルコールと水を含む混合溶媒系に溶解された、シリカ前駆体及び構造規定剤を含む前ゾル溶液のアンモニアに触媒される加水分解及び縮合反応によりゾルを調製し、平均径が約50μm以下のシリカのメソ多孔性粒子を作製する工程;
粒子を熱水処理して細孔径を増加させる工程;
残留する構造規定剤を除去するために粒子を処理する工程;及び
制御された溶解を用いて細孔径を更に増加させる工程
を含む。
【0013】
メソ多孔性粒子の平均径は、約5μm以下、例えば約0.1μm〜約3μm、でもよい。
【0014】
制御された溶解を用いて細孔径を更に増加させる工程は、1回以上繰り返してもよい。
【0015】
多孔性粒子を、有機化合物−水エマルション中で熱水処理してもよい。有機化合物の水に対する割合は1v/v%〜10v/v%であってもよい。
【0016】
有機化合物は中性アミン等のアミンであってもよい。例えばアミンは、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンを含む群から選択された1又は複数であってもよい。ひとつの実施形態では、アミンはN,N−ジメチルデシルアミンであってもよい。
【0017】
あるいは、有機化合物はアルコールであってもよい。例えばアルコールは、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールを含む群から選択された1又は複数であってもよい。
【0018】
多孔性粒子を、温度約70℃〜約150℃、例えば約110℃、で熱水処理してもよい。
【0019】
制御された溶解の工程はエッチングプロセスを含んでもよい。エッチングプロセスには塩基触媒を利用してもよい。例えば、制御された溶解の工程は塩基エッチング工程と捉えてもよい。塩基触媒は、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、及び水酸化カルシウム(CaOH)を含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0020】
塩基触媒は約0.01M〜約1Mの濃度で存在してもよい。例えば塩基触媒は約0.05Mの濃度で存在してもよい。
【0021】
粒子を約12時間以下、又は1日間〜5日間、例えば3日間、エッチングしてもよい。
【0022】
粒子を温度約50℃でエッチングしてもよい。
【0023】
エッチングプロセスはシリカキレート化剤又はシリカ錯化剤を含んでもよい。シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤は約0.5Mの濃度で存在してもよい。シリカキレート化剤又は錯化剤はカテコールであってもよい。
【0024】
残留する構造規定剤を除去するために粒子を熱処理してもよい。例えば、残留する構造規定剤を除去するために粒子を温度約400℃〜約800℃で加熱してもよい。あるいは、残留する構造規定剤を除去するために粒子をマイクロ波照射で処理してもよい。
【0025】
粒子を空気中で処理してもよい。あるいは、粒子を空気−オゾン混合物中で処理してもよい。粒子を約1時間〜約24時間処理してもよい。例えば粒子を8時間以上処理してもよい。
【0026】
ひとつの実施形態では、粒子をアルコール存在下で処理してもよい。アルコールは例えばエタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールを含む群から選択される1又は複数であってもよい。そのような実施形態では、粒子をマイクロ波照射で処理してもよい。
【0027】
構造規定剤は、界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤、であってもよい。界面活性剤は
(CH3)3N+CxHy
(式中、
xは12〜20の整数であり、
yは23〜41の整数である。)
の構造を有してもよい。
【0028】
界面活性剤は、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)であってもよい。
【0029】
混合溶媒系のアルコールは、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び1−ブタノールを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0030】
シリカ前駆体は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、及びテトラクロロシラン、又はその有機誘導体を含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0031】
有機誘導体は式
RnSiX(4-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、及びテトラエチルシランを含む群の1又は複数から選択される加水分解性基であり、
nは1〜4の整数である。)
を有していてもよい。
【0032】
シリカ前駆体はハイブリッドシリカ前駆体であってもよく、例えばジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソーオクチルトリメトキシシランを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0033】
ハイブリッドシリカ前駆体は、一般式
RnX(3-n)Si−R’−Si−RnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、トリメチシラン、又はテトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’はメチル、エチル、プロピル、又はブチル等の橋かけ基であり、
nは1又は2である。)
を有する橋かけハイブリッドシリカ前駆体であってもよい。
【0034】
アンモニア触媒は水酸化アンモニウムであってもよい。
【0035】
前ゾル溶液は0.001モル〜0.08モルのシリカ前駆体を含んでもよい。
【0036】
前ゾル溶液は0.001モル〜0.006モルの構造規定剤を含んでもよい。
【0037】
前ゾル溶液は8モル〜14モルのアルコールを含んでもよい。
【0038】
前ゾル溶液は2モル〜10モルの水を含んでもよい。
【0039】
前ゾル溶液は0.05モル〜1.5モルのアンモニア触媒を含んでもよい。
【0040】
ひとつの実施形態では、前ゾル溶液は、シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒を約0.0359:0.0032:12.36:6.153:0.505のモル比で含んでもよい。
【0041】
さらなる実施形態では、前ゾル溶液は、シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒を約0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153のモル比で含んでもよい。
【0042】
前ゾル溶液を温度約−5℃〜約80℃に加熱してもよい。例えば前ゾル溶液を温度約−5℃〜約80℃で2時間以下加熱してもよい。前ゾル溶液を撹拌してもよい。
【0043】
本方法は、前ゾル溶液にドーパント化合物を添加する工程を更に含んでもよい。ドーパント化合物にはアルミニウム又はホウ素が含まれ得る。例えばドーパント化合物は、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、及びトリエチルボランを含む群から選択される1又は複数であってもよい。
【0044】
本方法の各工程は連続して実施されてもよい。
【0045】
本発明は、本発明の方法で作製されたメソ多孔性シリカ微粒子も提供する。
【0046】
本発明は更に、本発明の方法で作製されたメソ多孔性シリカを含むクロマトグラフィー固定相も提供し得る。
【0047】
本発明は、平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散(discrete)メソ多孔性シリカ微粒子も提供する。本発明は更に、平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカ微粒子を提供する。離散メソ多孔性シリカ微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の表面積は約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子は球状であってもよい。
【0048】
本発明は更に、平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散メソ多孔性シリカ微粒子を提供し得る。本発明は、平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカ微粒子も提供し得る。離散メソ多孔性シリカ微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の表面積は約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカ微粒子は球状であってもよい。
【0049】
また、本発明は、平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm以上である離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子を提供し得る。本発明は更に、平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである離散メソ多孔性シリカバイブリッド微粒子を提供し得る。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の平均細孔体積は約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の表面積は、約100m2g-1〜約1000m2g-1でもよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子の細孔は、ランダムな方向に配置されていてよい。離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子は球状であってもよい。
【0050】
定義
多孔性粒子は、球体、棒、ディスク、又はロープ等であり、粒子内の細孔がランダム又は規則的に配置されている粒子を含むと解釈される。
【0051】
巨視的(macroscopic)とは、100nm以上程度のサイズを含むと解釈される。
【0052】
有機鋳型は、溶媒−界面活性剤相互作用により規定される溶媒中の界面活性剤分子の集合体に由来する規定された構造的配置を含むと解釈される。有機鋳型は構造規定剤(SDA)と記載されることもある。
【0053】
メソ多孔性SDAとして使用される典型的な界面活性剤はカチオン性界面活性剤、典型的には臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)である。
【0054】
シリカ前駆体は、その他の化学物質と反応させることでシリカ材料を生成することができる化学化合物である。シリカは有機鋳型構造体の周囲に形成され、有機SDA成分の除去処理にも耐えうる無機シリカ骨格を形成する。シリカ前駆体の例としては、テトラエトキシシラン(TEOS)等の金属アルコキシドが挙げられる。SDA、溶媒、及びその他の材料の存在下でTEOSは加水分解して、ヒドロキシド基を含む分子及び分子集合体を生成する。これらのヒドロキシル基含有種は、脱水反応して、−M−O−M−(Mは金属イオンを表し、Oは酸素イオンを表す。)結合を生成する。このプロセスは縮合として知られる。縮合反応産物は、化学的、構造的、及び化学量論的に十分に規定されていない、酸化シリカ、水酸化シリカ、及び金属有機結合を含む固体又はゲルである。注いだ時に容易に流動する希釈されたゲルをゾルという。
【0055】
前ゾルは、特定の条件下で反応してメソ多孔性シリカ粒子のゾルを形成する化学物質の混合物である。
【0056】
焼成は、空気下での熱処理と説明される。有機材料を確実に完全除去できるため、空気とオゾンの混合物を代わりに使用してもよい。
【0057】
添付の図面に関連して単なる例として示した以下の本発明の説明から、本発明はより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るプロセスを示すフロー図である。
【図2】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15とし、本発明の方法で調製した多孔性シリカ球を(A)×5,500倍及び(B)×18,000倍で示した走査型電子顕微鏡写真像である。
【図3】
【数2】
の種々の撹拌速度下で調製した多孔性シリカ粒子の粒径測定を示す図である。
【図4】A〜EはTEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.032:12.36:0.0505:6.153として作製した粒子の平均径に対する、合成プロセス中の実験条件を変えることによる影響をSEMで測定したグラフである。以下の実験条件を変えた:(A)TEOSの体積;(B)水酸化アンモニウムの体積;(C)メタノールの体積;(D)CTABの質量;(E)反応温度(*=多分散粒径、最大の粒径を取った;**=粒子は凝集し、離散粒子は観察されなかった)。
【図5A】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oの化学的モル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15にして作製した多孔性シリカ粒子のバレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)細孔サイズ測定を示すグラフである。
【数3】
【図5B】DMDA処理粒子及びDMDA未処理粒子の
【数4】
を示すグラフである。
【図6A】3日間塩基エッチング(制御された溶解)した後に水酸化ナトリウムでエッチングした粒子のBJH細孔サイズの測定を示すグラフである。
【図6B】3日間塩基エッチング(制御された溶解)した後に水酸化ナトリウムでエッチングした粒子の
【数5】
を示すグラフである。
【図7A】3日間塩基エッチング(制御された溶解)後(線A)、及び2回塩基エッチング(制御された溶解)後、の水酸化ナトリウムエッチング粒子(線B)のBJH細孔サイズの測定を示すグラフである。
【図7B】3日間塩基エッチング(制御された溶解)後(線A)、及び2回塩基エッチング(制御された溶解)後、の水酸化ナトリウムエッチング粒子(線B)の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示すグラフである。
【図8A】種々の実験条件下(異なる濃度の水酸化アンモニウム及び異なる塩基エッチング時間−実験条件については表2を参照されたい。)で塩基エッチング後の、水酸化アンモニウム塩基エッチング粒子の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示すグラフである。
【図8B】種々の実験条件下(異なる濃度の水酸化アンモニウム及び異なる塩基エッチング時間−実験条件については表2を参照されたい。)で塩基エッチング後の、水酸化アンモニウムエッチング粒子のBJH細孔サイズ測定を示すグラフである。
【図9】拡大した細孔系を示す、本発明のプロセスで作製した粒子のTEM画像である。
【図10】TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15とし本発明のプロセスによって調製した多孔性シリカ球を×2,200倍率で示した走査型電子顕微鏡写真画像図である(反応温度は−17℃であった)。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明者らは、平均粒径が約50μm以下、例えば約5μm以下、又は平均径が約0.1〜約3μmの範囲の、離散した粒径が単分散のミクロメートル微小多孔性粒子の簡便且つ再現性のある合成方法を発明した。この方法は、調整可能なメソ多孔性形態及び巨視的形態を有する均一な粒子、特に球状の多孔性シリカ粒子の調製を可能にする。
【0060】
界面活性剤の濃度及び種類、温度、撹拌速度、熱水処理、塩基エッチング(制御された溶解)工程等の反応条件を注意深く制御することで、多孔性球の細孔サイズ及び構造を予め決定することができる。
【0061】
本発明の方法を用いることで、規則的で、予測可能、制御された形状の巨視的メソ多孔性材料を調製することができる。従来、このような材料の巨視的特性とメソ多孔性特性の両方の制御を一貫して達成することは困難であった
【0062】
本発明の方法によると、高収率でメソ多孔性粒子が作製されるという利点を有する。例えば、2.5Lのゾルから約20gのメソ多孔性粒子を得ることができる。
【0063】
本方法は、粒径分布の狭いメソ多孔性粒子を提供する。このような材料は表面積が大きく、クロマトグラフィーでの吸収剤及び分離の用途に非常に有効である。
【0064】
平均粒径が約50μm以下、又は約5μm以下、又は平均粒径が約0.1〜約3μm範囲の多孔性シリカ粒子は、現在市販されている多孔性シリカ球に対して、以下のものを含む多数の利点を有する。
1)単分散粒径
2)調整可能な細孔サイズ
3)細孔サイズを増加させるためにフッ化水素(HF)エッチングが不要
4)その後の分離工程、すなわち篩い工程がない
5)細孔サイズ分布がバイモーダルにならない
6)高収率
7)比較的短い調製時間(1週間)
【0065】
本発明のメソ多孔性材料は、支持体材料として触媒産業にも関係し、高度に特異的な化学センサー及び光電子デバイスを含む一般的な材料市場にも関係し得る。
【0066】
メソ細孔の寸法は、水−アミンエマルション熱水手段及びその後の水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウムによる塩基エッチング等の塩基エッチング手段を用いて調整されてもよい。球状粒子は、Shimura et al.12に報告されている方法と同様の方法で作製される。調製中、CTAB等のカチオン性界面活性剤から形成されるミセルを、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ前駆体と塩基性条件下で混合し(前ゾル溶液という)、処理してメソ多孔性材料を形成する。塩基条件、撹拌速度、及び温度を変えることで、約50μm以下、例えば約5μm以下、又は約0.1〜約3μmである調整可能な巨視的径の、比較的粒径が単分散の球状粒子を形成することができる。シリカ前駆体の体積、又は触媒の体積、又は溶媒の体積、又はプロセスの反応温度等の実験条件を制御することで、得られる粒径を制御することができる。例えば、前ゾル溶液中のアンモニアの量を制御することで、得られる粒径を決定することができる。本発明者らは、0.0159モルのアンモニアを用いると平均径約2.45μmの粒子が得られ、0.3971モルのアンモニアを用いると平均径約0.49μmの粒子が作製されることを見出した。図4A〜Eは、得られる粒径に対する、シリカ前駆体(図4Aの例ではTEOS)の体積を増やすことの影響;触媒(図4Bの例ではアンモニア)の体積を増やすことの影響;溶媒(図4Cの例ではメタノール)の体積を増やすことの影響;ポロゲン(図4Dの例ではCTAB)の質量を増やすことの影響、及び温度を上昇させることの影響(図4E)を示す。図4A〜4Eを参照すると、反応が行われる温度の変更が、粒径に最も大きな影響を与えるようであり、より大きな粒径を得るためには約10℃未満の温度が最適なようであり、平均粒径約1μm以下の粒子を得るためには約50℃の温度が最適なようである。更に大きな粒子を得るために約0℃未満の温度を用いてもよい。例えば図10を参照すると、温度を約−17℃にすることで、平均粒径が約4.7μm、粒径の範囲が約3.82μm〜約5.52μmの粒子が得られる。
【0067】
本発明者らは、温度が約−100℃以下では平均粒径が約10μm以上、例えば約50μm以下、の粒子が生成されると考察している。
【0068】
2つ以上の実験パラメーターを変更することによって、得られる粒径を制御してもよい。
【0069】
本発明者らは、シード成長法を用いることで、例えば平均粒径が約20μm以上であるような大きい粒子、例えば約50μm以下の粒子、を作製することができると考察している。シード成長法では、本明細書に記載のプロセス(図1の工程2)で得られた粒子を新鮮なゾル調製液(図1の工程1)に浸漬して、既に存在している粒子上に新たなシリカの層が成長するようにし、それによって粒子の平均粒径を増加させる。更なるシード成長工程を行うことで粒子の平均粒径を更に増加させてもよい。粒子が所望の粒径にまで成長したら、粒子を図1の工程3〜6に記載されているように処理してもよい。シード成長法を用いて粒子を調製すると、コア−シェル構造を有する粒子が生じ得る。
【0070】
熱水条件下でのアミン−水エマルションによるシリカ粉末の合成後処理により、メソ細孔は制御されながら拡大し約2〜約4nmとなる。本発明は、調整可能なメソ多孔性直径を有する膨張したメソ多孔性シリカ材料の合成方法を提供する。塩基エッチング(制御された溶解)溶液を用いた更なる合成後処理を行うと、シリカ粉末の細孔径は約4nm〜約50nmに更に増加する。
【0071】
本方法は、他の手法で合成されたメソ多孔性シリカ球に対して以下の利点を有する。
i)カラムに効果的に充填できる球状で比較的粒径が単分散の粒子を作製することができる。粒子自体は離散しており、他の複数の方法で報告されているような凝集や結合をしていない。
ii)粒子は、熱的(約850℃まで)、機械的、及び化学的に堅牢である。
iii)粒子のメソ細孔径を約2〜約50nmに制御することができる。
iv)メソ多孔性粒子がクロマトグラフィー分離の効果的な固定相として作用する。
【0072】
使用される界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB);ポリエチレンオキシド(PEO)セグメント、ポリプロピレンオキシド(PPO)セグメント、又はポリブチレンオキシド(PBO)セグメントを有するの2ブロックコポリマー(A−B)や3ブロックコポリマー(A−B−A又はA−B−C);ポリアルキルエーテル、例えばBrij界面活性剤等のCXH2x+1−(CH2−CH2O)zH(CxEOy);例えばビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)等のアニオン性界面活性剤、及びTriton−Xのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0073】
使用されるアルコール系の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノールのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0074】
好適なシリカ前駆体は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、及びテトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、テトラクロロシラン、又は式RnSiX(4-n)(式中、Rは有機ラジカルであり、Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、nは1〜4の整数である。)で表されるその有機誘導体のいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0075】
ハイブリッドシリカ前駆体を本発明のプロセス中で用いて多孔性ハイブリッドシリカ微粒子を作製してもよい。「ハイブリッドシリカ粒子」は、有機官能性を有するシリカ粒子のように、構造中に有機成分をある割合含むシリカ粒子を意味する。有機官能性は、シリカ粒子内(内部)にあってもよく及び/又はシリカ粒子の表面(外的)に結合されていてもよい。好適なハイブリッドシリカ前駆体は、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソ−オクチルトリメトキシシランのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0076】
多孔性ハイブリッドシリカ微粒子を作製するために橋かけされたハイブリッド前駆体を本発明のプロセス中で用いてもよい。
【0077】
好適な橋かけシリカは、
RnX(3-n)Si−R’−SiRnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’は橋かけ基であり、限定されるものではないがメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよく、
nは1又は2である。)
であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0078】
橋かけハイブリッドシリカ前駆体の例としては1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンが挙げられる。
【0079】
好適なアミンポロゲン膨張剤(porogenic swelling agent)は、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンのいずれか1つ又は複数であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0080】
ゾルの調製に用いられるシリカの源は、ケイ素のアルコキシド、カルボキシレート、又はハライドであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0081】
好適な塩基エッチング溶液は、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの水酸化物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0082】
好適なシリカキレート化剤/シリカ錯化剤は、カテコール(1,2ベンゼンジオール)等の有機ジオールであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0083】
前ゾル条件を制御することで粒子の巨視的粒径が予め決定される。塩基加水分解剤の濃度を低くするとより大きな粒子が得られ、温度を上昇させるとより小さな粒子が得られる。
【0084】
以下の実施例から本発明はより明確に理解されよう。
【実施例】
【0085】
[実施例1]
図1に模式的に示し以下に記載するようにいくつかの段階によりメソ多孔性シリカ粒子を調製する。
【0086】
工程1:CTAB(約0.001〜約0.006モル、典型的には約0.0032モル)を最初にメタノールに溶解する(約8〜約14モル、典型的には約12.36モルの濃度で)。この混合物にアンモニア(約0.05〜約1.5モル、典型的には0.505モル)及び水(約2〜約10モル、典型的には6.153モル)を添加し、15分間撹拌した後、TEOS(約0.001〜約0.08モル、典型的には約0.00826モルを一括添加(one step addition)する。シリカ前駆体は典型的には、前ゾルの約5〜約25%v/vの濃度で存在する。)ゾルを24〜96時間撹拌する。前ゾル溶液は、温度−5〜80℃、撹拌速度0〜1000rpmで調製してもよい。高品質の多孔性粒子を作製するためには、前ゾル溶液は透明であるべきであり、如何なる可視粒子も含まるべきではない。
【0087】
ハイブリッドシリカ粒子の作製に本プロセスを用いる場合、TEOSを好適なハイブリッドシリカ前駆体に置き換えてもよい。あるいは、橋かけハイブリッドシリカ粒子を作製する場合、シリカ前駆体は、橋かけハイブリッドシリカ前駆体とTEOS等の非ハイブリッドシリカ前駆体の混合物を含んでもよい。橋かけハイブリッドシリカ前駆体と非ハイブリッドシリカ前駆体の混合物を用いる場合、非ハイブリッドシリカ前駆体は、前ゾル溶液の約5〜約25%v/vの濃度で存在してもよい。
【0088】
工程2:シリカ沈殿物を濾別(ワットマン社製110mm径の濾紙を用いた真空濾過)し、室温で乾燥させ、as−synthesised多孔性シリカ粒子の合成シリカ粉末を得る。
【0089】
工程3:既知の量のDMDAを水中で1時間激しく撹拌することで、H2O中のDMDAエマルション(3.3%v/v)を調製する。工程2で得られたas−synthesisedシリカ粉末(2.5%w/w)をエマルションに添加し、更に1時間撹拌する。その後、この溶液を密閉された熱水容器に移し、自圧下にて約110℃で1週間処理する。白色から茶色への色の変化が観察される。
【0090】
工程4:工程3の熱水プロセスから多孔性シリカ粒子を取り出し、洗浄、濾過、4日間以内の風乾、及び温度約200〜約550℃で数分〜数日、空気中又は空気/オゾン混合物中での焼成を行う。あるいは粒子を、溶媒(多くの場合はSDAを抽出するためのアルコールである)の存在下で、約40〜約1000ワットのマイクロ波照射に暴露する。ハイブリッドシリカ粒子の場合は、SDAを抽出するためにマイクロ波照射を用いてもよい。開孔からなる、すなわち有機界面活性剤が存在しない、酸化物粒子が形成される。
【0091】
工程5:熱水処理及び焼成を施された粒子(1%w/w)を塩基エッチングする。焼成された粒子を、0.05Mの水酸化ナトリウム塩基エッチング溶液に添加して約3日間撹拌してもよい。あるいは、焼成粒子を、水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液、例えば約14.8Mの水酸化アンモニウムを含む塩基エッチング溶液、を用いて塩基エッチングし、約8時間撹拌してもよい。塩基エッチング工程を温度約50℃で行ってもよい。所望により、塩基エッチング溶液中にシリカキレート化剤/シリカ錯化剤を含めてもよく、これによって、エッチングされた粒子のオストワルド熟成の可能性が減少し得る。例えば、カテコールを約10%v/vの濃度で塩基エッチング溶液に添加してもよい。カテコールは、塩基エッチング触媒がナトリウム又はアンモニウムの水酸化物であるならば塩基エッチング溶液に含まれてもよい。
【0092】
塩基エッチング工程(シリカの制御された溶解)の速度の制御は、時間、温度、塩基エッチング触媒の濃度、シリカキレート化剤/シリカ錯化剤の濃度、撹拌条件等の反応パラメーターの1又は複数を制御することで行うことができる。
【0093】
工程6:エッチングされた粒子を濾別(ワットマン社製110mm径の濾紙を用いた真空濾過)し、200℃で乾燥させる。
【0094】
工程7:多孔性粒子を、直径1.0cm、長さ30cm等の典型的な寸法の従来からのクロマトグラフィーカラムに、従来からの「湿式充填」法を用いて充填することができる。すなわちメソ多孔性シリカを溶媒で湿らせてスラリーを形成し、カラム中に送液することで、充填する。クロマトグラフィーにかける混合物の液体サンプルを溶媒、典型的にはジクロロメタンに溶解し、カラムの最上部に置く。開始時のカラム溶剤(最初の2つの場合はヘキサン)をカラムに入れる。次いで、カラムに溶媒を流して混合物の成分を分離するために必要な圧力を発生するために、手動ポンプを用いることができる。
[実施例2]
【0095】
メソ多孔性シリカ球の調製
Shimura et al.12及びUnger et al.15に記載された改変法に基づき、メソ多孔性シリカ球を調製した。テトラエトキシシラン(TEOS)をシリカ前駆体として用い、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を界面活性剤鋳型として作用させた。メタノール(MeOH)を共溶媒として用いた。
【0096】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合し、10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製及び撹拌した水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。焼成した産物をその後0.05MのNaOH(1%w/w)溶液中に入れ、200rpmで3日間撹拌し、濾過した後、200℃で乾燥した。このシリカ粒子に2回目の「エッチング」(同条件:0.05M NaOH(1%w/w)溶液、200rpmで3日間撹拌)を行い、細孔サイズを更に増加させ、濾過し、200℃で乾燥した。合成された種々のシリカ粒子のモル組成及び生理化学的特性を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
[実施例3]
メソ多孔性シリカ球の調製
Shimura et al.12及びUnger et al.15に記載された改変法に基づき、メソ多孔性シリカ球を調製した。テトラエトキシシラン(TEOS)をシリカ前駆体として用い、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を界面活性剤鋳型として作用させた。メタノール(MeOH)を共溶媒として用いた。
【0099】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加してこの系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。
【0100】
次いで、焼成産物を、以下の表2に記載の条件下で水酸化ナトリウム溶液中に置き、以下の表2に示す時間、200rpm、50℃で撹拌した。水酸化ナトリウムでエッチングした後、粒子を濾過し、200℃で乾燥した。
【0101】
以下の特性を有する粒子が合成された。
【0102】
【表2】
【0103】
有益なことに、本発明者らは、水酸化アンモニウムを用いた一回の塩基エッチング工程は単分散粒子の凝集を起こさないことを見出した。実施例3のプロセスで作製された粒子は、水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液を用いた塩基エッチング後にも単分散を維持している。
[実施例4]
【0104】
メソ多孔性シリカ球の調製
実施例2の方法を用い、ただしアンモニア濃度を変更して、平均径が増加した粒子を得た。本実施例では、TEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oのモル比を0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153とした。
【0105】
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で107.6mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に4mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8mlのTEOSを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製された撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の焼成を550℃で8時間行った。平均径2.45μmのシリカ粒子を得た。次いで、焼成した産物を0.05MのNaOH(1%w/w)溶液中に置いて200rpmで3日間撹拌し、濾過し、200℃で乾燥して、細孔サイズを約7.1nm〜8.1nmに増加させた。所望により、このシリカ粒子に2回目の「エッチング」(同条件下:0.05M NaOH(1%w/w)溶液、200rpmで3日間撹拌)を行い、細孔サイズを約12.1nm〜20.6nmに更に増加させ、濾過し、200℃で乾燥した。
[実施例5]
【0106】
メソ多孔性シリカ球の調製
実施例4の方法を用い、ただし水酸化ナトリウム塩基エッチング工程を50℃、撹拌200rpmでの上記表2に記載のNH3002〜NH3007の条件下での、一回の水酸化アンモニウム塩基エッチング工程に置き換えて、粒子の細孔サイズを約11.6nm(NH3002)、約15.7nm(NH3004)、約25.0nm(NH3005)、約12.4nm(NH3006)、及び約24.0nm(NH3007)に増加させた。塩基エッチング後、粒子を濾過し、200℃で乾燥した。
[実施例6]
【0107】
メソ多孔性ハイブリッドシリカ球の調製
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に7mlのメチルトリメトキシシランを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。次いで、予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の除去は、エタノール中でマイクロ波抽出を用いて行った。次いで、水酸化アンモニウムを用いて上記実施例3及び5に概説した条件下でハイブリッドシリカ粒子を「エッチング」した。
[実施例7]
【0108】
メソ多孔性橋かけハイブリッドシリカ球の調製
典型的な反応においては、1.25gのCTABを2Lビーカー中で88mlのH2O及び500mlのメタノールと混合して10分間撹拌(200rpm)した。次いで、この溶液に32mlのNH4OHを添加し、この系を引き続き10分間撹拌した。最後に、溶液に8.14mlの1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンを一度に添加し、撹拌速度を300rpmに上げた。反応温度は16℃に制御した。24時間後にビーカーから懸濁液を濾過し、その後MeOHで洗浄した。これを室温で2時間風乾した。予め調製した撹拌下の水−DMDA(3.3%v/v)エマルション系に、質量既知のas−synthesised材料を添加した。その後1時間撹拌した後、内容物を熱水セルに移し、110℃のオーブン中に6日間置いた。界面活性剤鋳型の除去は、エタノール中でマイクロ波抽出を用いて行った。次いで、水酸化アンモニウムを用いて上記実施例3、5、及び6に概説した条件下で橋かけシリカ粒子を「エッチング」した。
【0109】
Micromeritics Gemini 2375体積分析装置によるブルナウアー・エメット・テラー(BET)の窒素等温線を用いて、焼成したメソ多孔性シリカ球の表面積を測定した。各サンプルは、BET測定の前に200℃で12時間脱気した。焼成したシリカの平均細孔サイズ分布は、30ポイントのBET表面積プロットから、バレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)モデルに基づいて計算した。調べたメソ多孔性シリカは、メソ多孔性固体に典型的なIV型の吸着等温線を示した。等温線の吸着枝から平均細孔径を計算した。100kVの加速電圧で作動するJEOL2010(解像度0.5nm)電子顕微鏡を透過型電子顕微鏡検査(TEM)に使用した。サンプルをクロロホルム/エタノールに分散させ、混合物を一滴、カーボンコーティングされた銅製のTEMグリッドにのせた。走査型電子顕微鏡検査(SEM)による測定(解像度0.05μm)は、サンプルをカーボンテープ上にのせた後に真鍮スタブに接着させ、JEOL5510SEMを用いて行った。粒径分布は、電気的検知帯法(ESZ)に基づくマルチサイザー3コールターカウンターを用いて測定した。
【0110】
図1は、本発明に係るプロセスのフロー図であり、規則的なメソ多孔性シリカ粒子を形成するための全体的な方法を説明している。最初に、シリカ前ゾル溶液を作製する。これは、大気条件下にてビーカー中で撹拌してもよい。次いで、粒子をブロック3に示すようにアミンと水のエマルション中で加水分解する。次に、粒子を焼成してSDAを含有しない粒子を作製する(ブロック4)。最後に、これらの粒子を塩基エッチングし、濾過及び乾燥する。その後、アルキル鎖(Cn、n=8〜26)を含むシラン、例えばジメチルオキタデシルクロロシラン(CH3(CH2)17Si(CH3)2Cl;C18)等の有機種でシリカを官能化でき、クロマトグラフィーカラムに充填でき、UHPLCの固定相として用いてもよい(ブロック7)。前ゾル溶液の作製にハイブリッドシリカ前駆体を用いる場合、得られる粒子は既に有機種で官能化されている。したがって、合成される微粒子の最終的な使用/用途によっては、ハイブリッドシリカ粒子の更なる官能化は必要でないこともある。
【0111】
上記方法で合成したシリカ微小球のSEM解析を図2に示す。平均粒径測定値は1.4μmであった。球の表面がなめらかであり、大きな欠陥がないことがSEM像から確認された。改変SFB法による粒径は、反応物質の種類、化学量論、及び実験条件を変更することで制御できる。改変SFB法のプロセス及び粒径制御を元々のSFB法と比較することは有用である。
【数6】
et al.9は、シリカ粒子の径が0.05μm〜2μmに調整されるように反応パラメーターを体系的に変更した。Bogush et al.16はTEOS、EtOH、NH3、H2O系に着目してこの仕事を広げ、粒径の単分散性が維持される濃度範囲を確立した。どちらの研究においても、粒径がバッチサイズ又は混合方法に依存することは見出されなかった。質量分率及び粒径はシード成長法で増加させてもよい。
【0112】
上記方法を用いて合成したシリカの粒径分布プロファイルを図3に示す。撹拌速度を変えると粒径が変化している(白抜き三角は400rpm、塗りつぶし四角は300rpm、白丸は200rpmである)。
【0113】
実験条件の変更による 得られる粒径に対する影響を図4A〜Eに示す。
【0114】
合成後熱水処理を水とアミンのエマルション中で行い、細孔サイズを拡大した。図5(b)は、熱水処理あり(DMDA処理と表記)及び熱水処理なし(未処理と表記)の粒子の、窒素吸着等温線(塗りつぶし四角)及び窒素脱着等温線(白抜きの丸)を示す図である。IUPAC分類17による1型のマイクロ多孔性(<2nm)から4型のメソ多孔性(2〜50nm)の吸着等温線への明らかな遷移がある。図5(a)は、未処理(塗りつぶし四角)及び熱水処理あり(塗りつぶし丸)のシリカサンプルの細孔サイズ分布プロファイルを示す図である。表1に示すように、平均細孔径は3倍に増加し、細孔体積も増加し、表面積は減少する。走査型電子顕微鏡検査では球の形態に目立った変化は観察されなかった。Sayari14と同じく、膨張したシリカの細孔壁の厚さに有意な変化は見られなかった。
【0115】
細孔径は、水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウム溶液中で塩基エッチングすることで更に増加させることができる。図6(b)は、水酸化ナトリウムでエッチングした球の窒素吸着等温線(黒い四角)及び窒素脱着等温線(白丸)を示す図である。図6(a)に示す細孔サイズ分布プロファイルから得られる平均細孔径は8.5nmである。表1は、塩基エッチング(制御された溶解)後に細孔サイズが4倍に増加することを示している。
【0116】
図7(b)は、水酸化ナトリウムで1回エッチングしたシリカ球(線A)及び水酸化ナトリウムで2回エッチングしたシリカ球(線B)の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示す図である。平均細孔径は、図7(a)に示す1回エッチングした球(線A)及び2回エッチングした球(線B)の細孔サイズ分布プロファイルに見られる。
【0117】
図8(a)は、水酸化アンモニウムエッチング溶液を用いて種々の条件下(塩基エッチング条件については上記表2参照)でエッチングしたシリカ球の窒素吸着等温線(↑)及び窒素脱着等温線(↓)を示す図である。平均細孔径は、図8(b)に示す水酸化アンモニウム塩基エッチング溶液を用いて種々の条件下(塩基エッチング条件については上記表2参照)でエッチングした球の細孔サイズ分布プロファイルに見られる。
【0118】
図9は、0.05MのNaOH中で(3日間)塩基エッチングした後の球内のランダム細孔構造のTEM画像である。好適な塩基エッチング条件、すなわち塩基エッチング手順の反復後には、50nm以下の細孔サイズを作製することができる。典型的には、約2〜25nm又は約2〜15nm領域の細孔サイズが達成される。
【0119】
図10は、モル比0.0359:0.003:12.36:0.5:6.15のTEOS:CTAB:MeOH:NH3:H2Oから反応温度−17℃で調製した多孔性シリカ球の走査型電子顕微鏡画像である。球の平均径は約4.7μmである。
【0120】
本発明は、本明細書に記載の実施形態に制限されるものではなく、構成及び細部を変更してもよい。
【0121】
参考文献
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(18)
【数7】
m., Buchel, G., Kumar, D., Schumacher, K., Bidlingmaier, B., Unger, K. K., Studies in surface science and catalysis 2000, 128: 155―165.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールと水を含む混合溶媒系に溶解されたシリカ前駆体及び構造規定剤を、含む前ゾル溶液の、アンモニウムが触媒する加水分解及び縮合反応によりゾルを調製して、平均径が約50μm以下のシリカのメソ多孔性粒子を作製する工程;
前記粒子を熱水処理して細孔サイズを増加させる工程;
残留する前記構造規定剤を除去するために前記粒子を処理する工程;及び
制御された溶解を用いて細孔サイズを更に増加させる工程
を含む、メソ多孔性シリカ微粒子の合成方法。
【請求項2】
前記メソ多孔性粒子の平均径が約5μm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メソ多孔性粒子の平均径が約0.1μm〜約3μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記制御された溶解工程を1回以上繰り返すことで細孔サイズを更に増加させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
多孔性粒子が有機化合物−水エマルション中で熱水処理される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機化合物の水に対する割合が約1v/v%〜約10v/v%である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有機化合物がアミンである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記アミンが中性アミンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アミンが、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンを含む群の1又は複数から選択される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記アミンがN,N−ジメチルデシルアミンである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機化合物がアルコールである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項12】
前記アルコールが、ヘアキサノール、オクタノール、デカノール、及びドデカノールを含む群の1又は複数から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記多孔性粒子が温度約70℃〜約150℃で熱水処理される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記多孔性粒子が温度約110℃で熱水処理される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記制御された溶解工程がエッチングプロセスを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記エッチングプロセスが塩基触媒を利用する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩基触媒が、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、及び水酸化カルシウムを含む群から選択される1又は複数である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基触媒が約0.01M〜約1Mの濃度で存在する、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記塩基触媒が約0.05Mの濃度で存在する、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子が約12時間以下エッチングされる、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子が1日間〜5日間エッチングされる、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子が約3日間エッチングされる、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子が温度約50℃でエッチングされる、請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記エッチングプロセスがシリカキレート化剤又はシリカ錯化剤を含む、請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤が約0.5Mの濃度で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤がカテコールである、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記粒子を熱処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記粒子を温度約400℃〜約800℃で加熱して残留する構造規定剤を除去する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記粒子をマイクロ波照射で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記粒子を空気中で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子を空気−オゾン混合物中で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記粒子を約1〜約24時間処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記粒子を8時間以上処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記粒子をアルコール存在下で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記アルコールが、エタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールを含む群の1又は複数から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記構造規定剤が界面活性剤である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記界面活性剤が、
(CH3)3N+CxHy
(式中、
xは12〜20の整数であり、
yは23〜41の整数である。)
の構造を有する、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記界面活性剤が臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)である、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記混合溶媒系の前記アルコールが、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び1−ブタノールを含む群から選択される1又は複数である、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記シリカ前駆体が、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、及びテトラクロロシラン、又はその有機誘導体を含む群から選択される1又は複数である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記有機誘導体が、式
RnSiX(4-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テラメチシラン、及びテトラエチルシランを含む群の1又は複数から選択される加水分解性基であり、
nは1〜4の整数である。)
を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記シリカ前駆体がハイブリッドシリカ前駆体である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ハイブリッドシリカ前駆体が、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソ−オクチルトリメトキシシランを含む群から選択される1又は複数である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ハイブリッドシリカ前駆体が、一般式
RnX(3-n)Si−R’−Si−RnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、トリメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’はメチル、エチル、プロピル、又はブチル等の橋かけ基であり、
nは1又は2である。)
を有する橋かけハイブリッドシリカ前駆体である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記アンモニア触媒が水酸化アンモニウムである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記前ゾル溶液が約0.001モル〜約0.08モルのシリカ前駆体を含む、請求項1〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記前ゾル溶液が約0.001モル〜約0.006モルの構造規定剤を含む、請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記前ゾル溶液が約8モル〜約14モルのアルコールを含む、請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記前ゾル溶液が約2モル〜約10モルの水を含む、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記前ゾル溶液が約0.05モル〜約1.5モルのアンモニア触媒を含む、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒のモル比が約0.0359:0.0032:12.36:6.153:0.505である、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒のモル比が0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153である、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記前ゾル溶液が温度約−5℃〜約80℃に加熱される、請求項1〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記前ゾル溶液が温度約−5℃〜約80℃で2時間以下加熱される、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記前ゾル溶液が撹拌される、請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記前ゾル溶液にドーパント化合物を添加する工程を更に含む、請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ドーパント化合物がアルミニウム又はホウ素を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ドーパント化合物が、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、及びトリエチルボランを含む群の1又は複数から選択される、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項60】
前記方法の各工程が連続で行われる、請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
実施例及び図面を参照しつつ、上記で実質的に説明された方法。
【請求項62】
請求項1〜61のいずれか一項に記載の方法で作製されるメソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項63】
請求項1〜61のいずれか一項に記載の方法で作製されるメソ多孔性シリカを含むクロマトグラフィー固定相。
【請求項64】
平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項65】
平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項66】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項64又は65に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項67】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項64〜66のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項68】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項64〜67のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項69】
前記粒子が球状である、請求項64〜68のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項70】
平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項71】
平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項72】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項70又は71に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項73】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項70〜72のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項74】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項70〜73のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項75】
前記粒子が球状である、請求項70〜74のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項76】
平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項77】
平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項78】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項76又は77に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項79】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項76〜78のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項80】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項76〜79のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項81】
前記粒子が球状である、請求項76〜80のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項82】
本願に実質的に記載されている、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項1】
アルコールと水を含む混合溶媒系に溶解されたシリカ前駆体及び構造規定剤を、含む前ゾル溶液の、アンモニウムが触媒する加水分解及び縮合反応によりゾルを調製して、平均径が約50μm以下のシリカのメソ多孔性粒子を作製する工程;
前記粒子を熱水処理して細孔サイズを増加させる工程;
残留する前記構造規定剤を除去するために前記粒子を処理する工程;及び
制御された溶解を用いて細孔サイズを更に増加させる工程
を含む、メソ多孔性シリカ微粒子の合成方法。
【請求項2】
前記メソ多孔性粒子の平均径が約5μm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メソ多孔性粒子の平均径が約0.1μm〜約3μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記制御された溶解工程を1回以上繰り返すことで細孔サイズを更に増加させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
多孔性粒子が有機化合物−水エマルション中で熱水処理される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機化合物の水に対する割合が約1v/v%〜約10v/v%である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有機化合物がアミンである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記アミンが中性アミンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アミンが、N,N−ジメチルデシルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、トリドデシルアミン、及びトリエチルアミンを含む群の1又は複数から選択される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記アミンがN,N−ジメチルデシルアミンである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機化合物がアルコールである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項12】
前記アルコールが、ヘアキサノール、オクタノール、デカノール、及びドデカノールを含む群の1又は複数から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記多孔性粒子が温度約70℃〜約150℃で熱水処理される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記多孔性粒子が温度約110℃で熱水処理される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記制御された溶解工程がエッチングプロセスを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記エッチングプロセスが塩基触媒を利用する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩基触媒が、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、及び水酸化カルシウムを含む群から選択される1又は複数である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基触媒が約0.01M〜約1Mの濃度で存在する、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記塩基触媒が約0.05Mの濃度で存在する、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子が約12時間以下エッチングされる、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子が1日間〜5日間エッチングされる、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子が約3日間エッチングされる、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子が温度約50℃でエッチングされる、請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記エッチングプロセスがシリカキレート化剤又はシリカ錯化剤を含む、請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤が約0.5Mの濃度で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シリカキレート化剤又はシリカ錯化剤がカテコールである、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記粒子を熱処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記粒子を温度約400℃〜約800℃で加熱して残留する構造規定剤を除去する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記粒子をマイクロ波照射で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記粒子を空気中で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子を空気−オゾン混合物中で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記粒子を約1〜約24時間処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記粒子を8時間以上処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記粒子をアルコール存在下で処理して残留する構造規定剤を除去する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記アルコールが、エタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールを含む群の1又は複数から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記構造規定剤が界面活性剤である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記界面活性剤が、
(CH3)3N+CxHy
(式中、
xは12〜20の整数であり、
yは23〜41の整数である。)
の構造を有する、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記界面活性剤が臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)である、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記混合溶媒系の前記アルコールが、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び1−ブタノールを含む群から選択される1又は複数である、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記シリカ前駆体が、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラ−アセトキシシラン、及びテトラクロロシラン、又はその有機誘導体を含む群から選択される1又は複数である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記有機誘導体が、式
RnSiX(4-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、テラメチシラン、及びテトラエチルシランを含む群の1又は複数から選択される加水分解性基であり、
nは1〜4の整数である。)
を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記シリカ前駆体がハイブリッドシリカ前駆体である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ハイブリッドシリカ前駆体が、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びイソ−オクチルトリメトキシシランを含む群から選択される1又は複数である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ハイブリッドシリカ前駆体が、一般式
RnX(3-n)Si−R’−Si−RnX(3-n)
(式中、
Rは有機ラジカルであり、
Xはハライド、アセトキシ、アルコキシ、トリメチシラン、テトラエチシラン等の加水分解性基であり、
R’はメチル、エチル、プロピル、又はブチル等の橋かけ基であり、
nは1又は2である。)
を有する橋かけハイブリッドシリカ前駆体である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記アンモニア触媒が水酸化アンモニウムである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記前ゾル溶液が約0.001モル〜約0.08モルのシリカ前駆体を含む、請求項1〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記前ゾル溶液が約0.001モル〜約0.006モルの構造規定剤を含む、請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記前ゾル溶液が約8モル〜約14モルのアルコールを含む、請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記前ゾル溶液が約2モル〜約10モルの水を含む、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記前ゾル溶液が約0.05モル〜約1.5モルのアンモニア触媒を含む、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒のモル比が約0.0359:0.0032:12.36:6.153:0.505である、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
シリカ前駆体:構造規定剤:アルコール:水:アンモニア触媒のモル比が0.0359:0.0032:12.36:0.0159:6.153である、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記前ゾル溶液が温度約−5℃〜約80℃に加熱される、請求項1〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記前ゾル溶液が温度約−5℃〜約80℃で2時間以下加熱される、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記前ゾル溶液が撹拌される、請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記前ゾル溶液にドーパント化合物を添加する工程を更に含む、請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ドーパント化合物がアルミニウム又はホウ素を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ドーパント化合物が、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、及びトリエチルボランを含む群の1又は複数から選択される、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項60】
前記方法の各工程が連続で行われる、請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
実施例及び図面を参照しつつ、上記で実質的に説明された方法。
【請求項62】
請求項1〜61のいずれか一項に記載の方法で作製されるメソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項63】
請求項1〜61のいずれか一項に記載の方法で作製されるメソ多孔性シリカを含むクロマトグラフィー固定相。
【請求項64】
平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項65】
平均粒径が約0.1μm〜約3μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項66】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項64又は65に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項67】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項64〜66のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項68】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項64〜67のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項69】
前記粒子が球状である、請求項64〜68のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項70】
平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項71】
平均粒径が約3μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項72】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項70又は71に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項73】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項70〜72のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項74】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項70〜73のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項75】
前記粒子が球状である、請求項70〜74のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【請求項76】
平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が7.1nm以上である、離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項77】
平均粒径が約0.1μm〜約50μm、平均細孔径が約7.1nm〜約20.1nmである、離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項78】
平均細孔体積が約0.3cm3g-1〜約1cm3g-1である、請求項76又は77に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項79】
表面積が約100m2g-1〜約1000m2g-1である、請求項76〜78のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項80】
前記粒子の細孔がランダムな方向に配置されている、請求項76〜79のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項81】
前記粒子が球状である、請求項76〜80のいずれか一項に記載の離散メソ多孔性シリカハイブリッド微粒子。
【請求項82】
本願に実質的に記載されている、離散メソ多孔性シリカ微粒子。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−533124(P2010−533124A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516645(P2010−516645)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/IE2008/000074
【国際公開番号】WO2009/010945
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(500489473)ユニバーシティ・カレッジ・コークーナショナル・ユニバーシティ・オブ・アイルランド,コーク (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/IE2008/000074
【国際公開番号】WO2009/010945
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(500489473)ユニバーシティ・カレッジ・コークーナショナル・ユニバーシティ・オブ・アイルランド,コーク (12)
【Fターム(参考)】
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