微細ミスト発生機能付き浴室用空調機
【課題】スプラッシュミストよりも粒子径が小さい微細ミストを容易に得ること。
【解決手段】微細ミスト発生装置4は、回転により水を下から上に吸い上げる水上昇部50とこの水上昇部50の上端から径方向外方に突設された水飛散部51とを有する回転体34と、回転体34の径方向外方に水飛散部51と間隔を隔てて対向配置される衝突板35と、注水口45の吐水側45aから流下する所定流量の水を受けて水上昇部50の下端50a側へ導く水受け部38とを備えると共に、水飛散部51から飛散した水が衝突板35に衝突することで発生する微細ミストを、衝突板35と水受け部38との間に設けた微細ミスト放出口37を介して外部に放出する構成とした。
【解決手段】微細ミスト発生装置4は、回転により水を下から上に吸い上げる水上昇部50とこの水上昇部50の上端から径方向外方に突設された水飛散部51とを有する回転体34と、回転体34の径方向外方に水飛散部51と間隔を隔てて対向配置される衝突板35と、注水口45の吐水側45aから流下する所定流量の水を受けて水上昇部50の下端50a側へ導く水受け部38とを備えると共に、水飛散部51から飛散した水が衝突板35に衝突することで発生する微細ミストを、衝突板35と水受け部38との間に設けた微細ミスト放出口37を介して外部に放出する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細ミスト発生機能付き浴室用空調機に関し、詳しくは粒子径が20μm程度の微細ミストを簡易に得るための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ミストノズルから温水の微細な水滴を浴室空間に直接噴霧するミスト噴霧装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の方式で、噴霧される水滴の粒子径は50〜100μm程度(スプラッシュミスト)であり、このスプラッシュミストは、ミストサウナとしては水滴の粒子径が比較的大きいため、熱量搬送能力が高く、浴室温度立ち上がり性能が良いが、噴霧される温水水滴の粒子径が大きいため、浴室内に使用者がいる状態でミストを噴霧したとき体に温水水滴が付着する際にツブツブ感があり、使用者がツブツブ感を欲求しない場合には、ミストの噴霧を停止しなければないから、入浴しながらのミストサウナ運転が継続できないことになってしまう。
【0004】
他の従来例として、モータ駆動される羽根車に温水を噴霧して、羽根車との衝突で粒子径を更に微細化し粒子径を小さくすることが可能な方式(例えば、特許文献2参照)が知られているが、この方式では、浴室内に使用者がいる状態でミストを噴霧したときにも、体に温水水滴が付着する際のツブツブ感が生じないが、ミスト噴霧のためにはある程度の水圧が必要であるから、羽根車との衝突により微細化されなかった温水があった場合に、微細化されなかった温水を回収し再利用するためには、噴霧のための加圧装置(ポンプなど)が必要になる。また、羽根車との衝突により微細化されなかった温水を再利用せず垂れ流した場合には、資源ロス、エネルギロスが生じるという問題がある。
【0005】
更に他の従来例として、送風機と一体の液体噴霧装置や、プラペラのような旋回部材によって一定の粒度の噴霧を可能にした噴霧装置、散水機等が知られている(例えば、特許文献3−6等参照)。この種の液体噴霧装置を浴室暖房乾燥機に搭載した場合、悪臭やレジオネラ菌などの雑菌の発生を防止するため、頻繁な水受け部内の水換えや清掃が必要であり、使用者に煩わしい作業が発生する。特に、浴室暖房乾燥機の設置場所が浴室の天井等、高所・多湿の場所の場合、清掃作業が困難であるという問題もある。
【特許文献1】特開2008−110022号公報
【特許文献2】特開平11−164869号公報
【特許文献3】特公昭39−6730号公報
【特許文献4】特公昭40−25400号公報
【特許文献5】実公昭49−22011号公報
【特許文献6】特開昭60−143851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その課題とするところは、スプラッシュミストよりも粒子径の微小な微細ミストが容易に得られ、これにより入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感を防止でき、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる微細ミスト発生機能付き浴室用空調機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明は、浴室暖房を行なう浴室用空調機本体に微細ミストを発生する微細ミスト発生装置4を設けた微細ミスト発生機能付き浴室用空調機である。上記微細ミスト発生装置4は、モータ6により回転して水を下から上に吸い上げる正面視逆円錐形状の水上昇部50と該水上昇部50の上端から径方向外方に突設された平面視円盤形状の水飛散部51とを有する回転体34と、上記回転体34の径方向外方に水飛散部51と間隔を隔てて対向配置される筒形の衝突板35と、注水口45の吐水側45aの空間に開放されて該注水口45の吐水側45aから流下する所定流量の水を受けて上記回転体34の水上昇部50の下端50a側へ導く水受け部38とを備えると共に、上記水飛散部51から飛散した水が上記衝突板35に衝突することで発生する微細ミストを、上記衝突板35と上記水受け部38との間に設けた微細ミスト放出口37を介して外部に放出する構成としたことを特徴としている。
【0008】
このような構成とすることで、回転体34の水上昇部50により吸い上げる水が水飛散部51から飛散して衝突板35に激しくぶつかり、微細な霧状の水滴となるので、スプラッシュミスト(50〜100μm程度)よりも粒子径が小さい微細ミスト(約20μm程度)を微細ミスト放出口37から噴霧させることができる。従って、入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感を防止できるようになる。
【0009】
また、上記浴室用空調機本体を浴室の天井に設置し、該浴室用空調機本体の下面に、上記微細ミスト放出口37を全周に備えた微細ミスト発生装置4を設けるのが好ましく、この場合、微細ミスト発生装置4の全周から微細ミストを放出することにより、発生した微細ミストの浴室内における分布がきわめて良くなる。
【0010】
また、上記水飛散部51と対向する衝突板35の内周面の複数箇所から内方に向けてリブ43を突設するのが好ましく、この場合、回転体34の水飛散部51から飛散した水が衝突板35のリブ43付き内周面に衝突することで微細化され、リブ43がない場合と比べて、水滴が衝突板35の内面に衝突する時の衝撃が大きくなる。これにより、同じ粒子径にまで微細化するときの回転体34の回転速度が小さくでき、これに伴い回転体34の回転に伴う騒音発生を低減できる。
【0011】
また、上記水受け部38の底部にドレン孔52を設けると共に、水受け部38の底部から所定の隙間を隔てて上記回転体34の水上昇部50の下端50a外周面を対向配置するのが好ましく、この場合、回転体34が所定の速度以上で回転する運転中は水を回転体34の水上昇部50の下端50a外周面側にスムーズに導いて微細ミスト用の水として利用でき、浴室内に垂れ流すことがないため省資源となる。
【0012】
また、上記回転体34の水上昇部50の下端50aを上記水受け部38のドレン孔52よりも下方に突出させると共に、上記水受け部38をドレン孔52の方向に向かって下り傾斜させるのが好ましく、この場合、水受け部38の傾斜によって微細化されなかった水及び水受け部38の外周面で結露した水を水上昇部50の下端50aから回収して再利用できると共に、停止時にはドレン孔52によって水受け部38の内外両面にそれぞれ水が残らないので残水による雑菌の発生を確実に防止できるようになる。
【0013】
また、上記回転体34の水上昇部50及び水飛散部51における水との接触面を親水性材料で被覆するのが好ましく、この場合、水上昇部50を伝い上昇する水や水飛散部51に伝わる水がそれぞれ水滴になりにくくなり、水滴による風切音の発生が防げると共に、上昇途中での水の飛散が防止でき、効率良く微細ミストを発生することができる。
【0014】
また、上記微細ミスト発生装置4の外周部に、上端が浴室用空調機本体の下面と連なり、下端が上記衝突板35の外周面に連なる逆円錐筒状のドレン誘導板36を取り付けてなるのが好ましく、この場合、浴室用空調機本体の下面に付着、成長した水滴がドレン誘導板36の外面を伝い流れて、ドレン誘導板36で最も低く内側の箇所である、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近で装置内部に移動して、前述の原理によって微細ミストとして再利用されることが促進でき、下への水の滴下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、回転する回転体に水を供給する簡易な構造で、スプラッシュミストよりも粒子径が小さい微細ミストを微細ミスト放出口から噴霧させることができ、結果、入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感が防止できるので、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0017】
ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機1は、図11に示すように、浴室13の天井部に設置され、浴室13内に温風を供給する暖房機本体(浴室用空調機本体)2と、浴室13内にミスト噴霧を行なうスプラッシュミスト噴霧装置3と、微細ミスト発生装置4とで構成されている。なお図11中の14は熱源機、15は浴室13外に設置されるリモコン操作部であり、スプラッシュミスト運転スイッチ、微細ミスト運転スイッチ、暖房運転スイッチ、換気運転スイッチ、乾燥運転スイッチ、涼風運転スイッチ等が設けられている。
【0018】
前記暖房機本体2は、図9、図10に示すように、循環ファン5と、循環ファン5により通風される空気を熱源機14から供給される温水により加熱する暖房用熱交換器7と、暖房用熱交換器7への温水の供給量を調節する熱動弁8とが機器ケーシング25内に収納されている。暖房用熱交換器7は、熱源機14からの温水が循環する暖房用温水管路16の途中に配置され、熱動弁8を開放することで、循環ファン5からの風が暖房用熱交換器7により加熱されて、下方の温風吹き出し口30から浴室13内に供給されるようになっている。さらに暖房用温水管路16の途中には、後述のミスト用熱交換器11を加熱するためのミスト加熱用温水管路19がバイパス接続されている。ミスト加熱用温水管路19の上流端は暖房用温水管路16の熱動弁8よりも上流位置に分岐接続され、ミスト加熱用温水管路19の下流端は暖房用温水管路16の暖房用熱交換器7よりも下流位置に合流している。図9中の9は浴室温度センサー、17は温水往き温度センサー、26は換気ファンであり、図10中の27は吸い込み口、33は吸気フィルターである。
【0019】
前記暖房機本体2の機器ケーシング25内部には、ミスト用給水配管20が収納配管されている。ミスト用給水配管20の途中には後述のミスト用熱交換器11が配置されている。ミスト用熱交換器11よりも上流側は、給水電磁弁22及びストレーナ23を介して、外部の水道管に接続されている。ミスト用給水配管20の下流は、第1及び第2ノズル開閉弁29a,29bを介して、ミストサウナ用の水を噴霧するミストノズル10に接続されている。このようにミスト用給水配管20と、ミスト用熱交換器11及び給水電磁弁22と、ノズル開閉弁29a,29b及びミストノズル10とで、スプラッシュミスト噴霧装置3が構成されている。
【0020】
また、上記ミスト用給水配管20はミスト用熱交換器11よりも下流位置で分岐排水路31が分岐され、排水電磁弁24を介して外部排水管に接続されており、例えば、ミスト運転開始時にミスト用熱交換器11内やミスト用給水配管20内に溜まっている残水を外部に排水可能とされる。
【0021】
また、前記暖房用温水管路16から分岐されたミスト加熱用温水管路19の一部が配管されていると共に、ミスト加熱用温水管路19からミスト用熱交換器11に供給される水温が適切になったときに温水の出湯量の調節を行う水比例弁12と、ミスト用熱交換器11からの循環温水の戻り温度を検知するための温水戻り温度センサー21とが設置されている。さらにミスト用熱交換器11から吐水する水の温度を検知するためのミスト温度センサー18が設置されている。
【0022】
上記機器ケーシング25の下面側に設置されるミストノズル10は、機器ケーシング25のグリル板25aに設けた開口部25cに嵌め込まれる前パネル25bのノズル用開口孔40から浴室13内に臨んで配置されている。本例ではミストノズル10は3個設けられ、例えば、ノズル開閉弁29a側の1個のミストノズル10aは、マイルドなミストサウナ(ミスト噴霧量が例えば0.5リットル/min)を得るためのものであり、ノズル開閉弁29b側の2個のミストノズル10b,10cはハードなミストサウナ(ミスト噴霧量が例えば1.0リットル/min)を得るためのものである。
【0023】
浴室13内は制御部(図示せず)により所定温度に制御される。制御部は、リモコン操作部15から指令されるリモコン信号以外に、浴室温度センサー9、温水往き温度センサー17、ミスト温度センサー18、温水戻り温度センサー21からの各検知信号を受信すると共に、各検知結果に基づいて暖房機本体2、スプラッシュミスト噴霧装置3、及び後述する微細ミスト発生装置4の各構成部品を駆動制御するマイクロコンピュータにより構成される。
【0024】
次に、本実施形態の微細ミスト発生装置4を説明する。 微細ミスト発生装置4は、図10に示すように、機器ケーシング25のグリル板25aの温風吹き出し口30を挟んで吸気口27とは反対側の位置に設けた開口部32に取り付けられている。
【0025】
微細ミスト発生装置4は、図1、図2に示すように、モータ6により回転駆動する回転体34と、回転体34を囲むように配置される衝突板35、微細ミスト放出口37、水受け部38等を一体に備えた化粧カバー39とで主体が構成される。
【0026】
化粧カバー39は、例えば射出成形によりABS樹脂を用いて一体形成されており、その上面をモータ取付板41で覆った状態で、グリル板25aに設けた開口部32に嵌めこまれて固定されている。
【0027】
本例の化粧カバー39は、図1に示すように、上方に開口したお椀形状をしており、上端部から下端部にわたって、円筒形状の衝突板35と、衝突板35の下端全周に連なるスリット形状の微細ミスト放出口37と、微細ミスト放出口37の下端全周に連なる皿形状の水受け部38と、水受け部38の下端に連なるドレン回収部42とがこの順に連続形成されている。なお、ドレン回収部42(図3参照)は図1では図示されていない。
【0028】
上記衝突板35の外周面は円筒面とされるが、衝突板35の内周面には、後述する微細ミスト放出口37から上方向に延伸した複数のリブ43の上端部43aがそれぞれ達しており、これにより衝突板35の内周面には径方向内方に所定高さを持つ複数のリブ43の上端部43aが、周方向A(図6)に間隔を隔てて存在した構造となっている。
【0029】
上記微細ミスト放出口37には、図6に示すように、上下方向に延びるリブ43が周方向Aに間隔を隔てて複数本、配列されていると共に、リブ43,43相互間が、上記衝突板35にて発生させた微細ミストを外部に放出するためのスリット空間となっている。
【0030】
また、後述する注水口45の真下に位置する隣接する2本のリブ43,43の間には、スリット空間(微細ミスト放出口37)は形成されず、代わりに、幅広の微細ミスト用水通路44を構成する樹脂壁が形成されている。微細ミスト用水通路44の上端は衝突板35の内面上端まで達している。
【0031】
上記幅広の微細ミスト用水通路44の真上には、図1に示すように、注水口45が配置される。本例では、モータ取付板41を細長い筒形状の注水口45が貫通しており、注水口45の吐水側45aがモータ取付板41の下面に突出していて、微細ミスト放出口37の開口下端よりも所定寸法B(例えば、30mm)以上高い位置にて、下向きに開放されている。注水口45の注入側45bはモータ取付板41の上面に突出しており、図9に示すように、ミスト用給水配管20の給水電磁弁22とミスト用熱交換器11との間から分岐した分岐給水管20aに接続されている。分岐給水管20aの途中には流量を約50[ml/分]に制限するガバナ46と微細ミスト用電磁弁47とが設けられている。これにより、ミスト用給水配管20からの水が、微細ミスト用電磁弁47とガバナ46とを経由して注水口45に供給され、注水口45の吐水側45aから前記微細ミスト用水通路44上に滴下(或いは流下)するようになっている。
【0032】
上記微細ミスト用水通路44の下端は、図1、図6に示すように、水受け部38に連通している。水受け部38は、微細ミスト用水通路44から流下する所定流量の水を受けて後述する回転体34の水上昇部50の下端50a側へ導く働きをする。本例の水受け部38は、注水口45の吐水側45aの空間に開放されていると共に、水平に対する角度α(図1)=20°の傾斜で、中央が下に窪んだ皿形状をしている。
【0033】
上記水受け部38の底には、図1に示すように、直径C(略15mm)のドレン孔52が開いており、図8に示すように、ドレン孔52から所定の隙間D(約4mm)を隔てた下方にドレン回収部42が設けられている。ドレン回収部42は、下側に向けて窪みを持つ浅いお椀のような形状をしており、その外周部が複数(例えば4本)の支持リブ53を介して水受け部38の底側に支持固定されており、支持リブ53によって上記隙間Dが周方向Aに複数分割されている。またドレン回収部42の直径Fは、化粧カバー39を形成する射出成形用の金型構成上の理由から、水受け部38のドレン孔52の直径C(図1)よりも若干小さめの14.5mm程度に設定される。なお、支持リブ53の数、ドレン回収部42の直径寸法は上記数値に限らず、適宜に変更自在である。
【0034】
一方、回転体34は、例えばSPS樹脂製ロータからなり、図1に示すように、回転体34の中心部がモータ6の駆動軸6aに連結されている。
【0035】
回転体34は、下端から上端にいくほど径方向寸法が徐々に大きくなる正面視逆円錐形状の水上昇部50と、水上昇部50の上端から更に径方向外方に張り出した平面視円盤形状の水飛散部51とが一体に形成されている。
【0036】
水上昇部50の下端50aは、本例では平坦面となっている。水上昇部50の下端50a外周面は、前記水受け部38のドレン孔52に略1mm程度の空隙Hを隔てて挿入されている。図1の例では、水上昇部50の下端50aはドレン孔52から下方に向けて所定寸法G(3mm)突出している。
【0037】
水飛散部51は正面視平坦状とされる。これら水飛散部51の下面や水上昇部50の外周面はそれぞれ親水性材料成分を含む塗膜にて覆われている。親水性材料としては例えば酸化珪素等が挙げられるが、材料成分は特に問わない。これにより、水上昇部50から水飛散部51に伝い上昇する水が水滴になりにくくなり、回転体34を6,000rpm、すなわち毎秒100回転させても水滴による風切音の発生が防げる。そのうえ水上昇部50から水飛散部51を伝い上昇する水が、その上昇途中での水の飛散が防止でき、効率良く微細ミストを発生することができる構造となる。
【0038】
本例の水飛散部51は、前記衝突板35の内周面に面した上下方向領域にあり、水飛散部51の外周端部が、所定の空隙を隔てて、前記衝突板35の内周面に存在する複数のリブ43の上端部43aにそれぞれ対向配置されている。
【0039】
次に、ミスト運転開始の動作例を説明する。
【0040】
先ず、浴室の温度上昇のためには、熱量搬送能力が高く、浴室温度立ち上がり性能がよいスプラッシュミスト運転を行なう。ここで噴霧される水滴は粒子径が50〜100μm程度のスプラッシュミストである。
【0041】
リモコン操作部15のスプラッシュミスト運転スイッチを押すと制御部にスプラッシュミストサウナ運転開始を指令する信号が送られ、温水供給用の熱源機14(図11)に運転信号を出し、熱源機14が暖房運転を開始する。次いで、図9に示す温風側の熱動弁8、ミスト側の水比例弁12がそれぞれ開き、80℃の循環温水が暖房用温水管路16内及びミスト加熱用温水管路19内を循環し始める。次いで、温水往き温度が60℃以上になると、循環ファン5がONとなり、浴室13に温風を送る。その後、浴室温度が25℃以上になると給水手段を構成する給水電磁弁22を開くと共にノズル開閉弁29a,29bの両方又は一方を開いて、ミストノズル10からスプラッシュミスト噴霧を開始する。
【0042】
その後、入浴時において、リラックスしたい場合は、微細ミスト運転を実行する。図7は微細ミスト運転フローチャートを示している。リモコン操作部15の微細ミスト運転スイッチを押すと、制御部に微細ミストサウナ運転開始を指令する信号が送られる。制御部は、モータ6をON(図7のステップn1)にして回転体34を回転させる。回転体34は約6,000rpmで回転する。さらに微細ミスト用給水供給のための信号を出し、給水電磁弁22と微細ミスト用電磁弁47を共にONする(ステップn2)。そしてガバナ46から供給される50[ml/分]の流量の水は、注水口45の吐水側45aから滴下して、その真下に位置する幅広の微細ミスト用水通路44を伝い流れ落ちる。水受け部38を伝い落ちる水は、回転体34の下端50a外周面と水受け部38のドレン孔52内周面との間隙部位(図1のH部)に達すると、約6,000rpmの高速で回転する回転体34の水上昇部50の下端50a付近を濡らす。このとき水上昇部50は高速で回転運動しているため、水上昇部50の下端50a付近を濡らした水には遠心力が作用して、回転体34の中心から離れようとするが、回転体34には親水性があるから、水は回転体34から離れることなく、水上昇部50から水飛散部51の下面に伝い、最終的に水飛散部51の外周から外方に向かって飛散する。この飛散した水は、衝突板35の内面やそこに存在する複数のリブ43の上端部43aに激しくぶつかり、細断、粉砕されて微細な霧状の水滴となり、微小粒子のミストMが得られ、この微細ミストMは図8に示すように、微細ミスト放出口37から浴室内に噴出される。
【0043】
その後、微細ミスト運転を停止する場合は、微細ミスト運転状態で、再びリモコン操作部15の微細ミスト運転スイッチを押すと(図7のステップn3)、制御部に微細ミスト運転停止を指令する信号が送られ、微細ミスト用給水停止のための信号を出し、給水電磁弁22と微細ミスト用電磁弁47をOFFする(ステップn4)。給水停止の1分後、モータ6を停止させ回転体34が停止する(ステップn5→n6)。
【0044】
しかして、上記構成の微細ミスト発生装置4において、微細ミスト運転による水滴は、粒子径が約20μmの微細化されたミストであり、粒子径が50〜100μm程度のスプラッシュミストの水滴に比べ粒子径が小さいので、入浴しながら微細ミスト運転を実行しても、体が濡れにくく、ミストによる水滴が体に付着したときのツブツブ感が防止できるので、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる。
【0045】
またこのとき、ミスト用給水配管20からの水滴を利用して微細ミスト(冷ミスト)を発生させることができると共に、注水口45からの水の滴下流量をミスト発生能力より小さくすれば水受け部38に保持される水量を最小にできるから、水受け部38における乾燥が容易に行え、雑菌の発生防止が行いやすいものである。また本例では、注水口45の吐水側45aは微細ミスト放出口37の開口下端より所定寸法B(例えば30mm)以上高い位置に開放され、しかも注水口45の吐水側45aから流下する水の流量は50ml/分と少ないから、水の供給が容易で、且つ断水時などにも水の注水口45からの逆流がないから、いわゆる上水道のクロスコネクション対策が容易になる利点がある。
【0046】
また本例では、浴室天井に設置される暖房機本体2の下面に微細ミスト発生装置4を取り付け、微細ミスト発生装置4の全周に微細ミスト放出口37を設けたことにより、発生した微細ミストの浴室内における分布がきわめて良くなる。
【0047】
また本例では、衝突板35の内面に微細ミスト放出口37の複数のリブ43の上端部43aを延伸させたので、回転体34の水飛散部51からの水の飛散方向(水飛散部51の外周円に接する方向)と、リブ43の上端部43aの突出方向(径方向内方)とが略直交することで水滴の衝撃が大きくなるから水の微細化がより促進され、リブ43がない場合と比べて、同じ粒子径にまで微細化するときの回転体34の回転速度が小さく抑えることができる。これにより、回転体34の回転に伴う騒音の発生が低減できると共に、モータ6の軸受の磨耗防止にも有効となる。
【0048】
また本例では、回転体34の水上昇部50の下端50aが水受け部38のドレン孔52から下方に突出し且つ水受け部38は上記ドレン孔52に向かうように下り傾斜しているので、回転体34が所定の速度以上で回転する運転中は水を回転体34の水上昇部50の下端50aにスムーズに導いて微細ミスト用の水として利用できる。
【0049】
ここにおいて、回転体34と水受け部38との間隙は約1mmであり、この場合、回転体34の回転速度が約6,000rpmの時には、回転体34と水受け部38との間隙部位(図1のH部)に達した水は前記間隙から下に落下することなく、全て水上昇部50を伝い上昇することができる。仮りに回転体34の回転速度が約4,000rpm以下に低下した場合は、回転体34と水受け部38との間隙部位に達した水の一部は前記間隙から下に滴下することが確認されている。
【0050】
万が一、回転体34と水受け部38との間隙から水滴が滴下した場合には、滴下した水滴はドレン回収部42により一旦補足される。そして、補足された水滴の集積が進むと、浅いお椀のような形状をしたドレン回収部42の外周縁から溢れようとするが、水は表面張力によりドレン回収部42の外周縁より高い位置に盛り上がる。このとき正面視における水上昇部50の下端50aとドレン回収部42の外周部上端との間には、1mm以内の隙間d(図8参照)が存在するが、水の表面張力による回収部の外周縁よりの盛り上がりは1mm以上となる。このように盛り上がったドレン回収部42の水が高速で回転する水上昇部50の下端50aに接触することにより、前述と同様にドレン回収部42の水は水上昇部50を伝い上昇し、微細ミストとして再利用される。これにより、微細化されなかった水滴を回収し再利用するために、噴霧のための加圧装置(ポンプなど)が不要となり、そのうえ微細化されなかった水を再利用するために浴室内に垂れ流すことがないため省資源となる。しかも、ドレン回収部42上端と水受け部38下端で形成される隙間D(図8)の上下方向寸法は約4mmとしており、前記支持リブ53によって周方向Aに4分割されているから、内部の回転体34に誤って指で直接触れてしまうおそれがなく安全である。
【0051】
さらに本例では、運転中に発生した微細ミストが、化粧カバー39の外周面に付着して結露した場合、化粧カバー39の外周面を伝って流れ落ち、水受け部38下部に位置する直径15mmのドレン孔52の周縁部に達したとき、この水は、一旦ドレン回収部42で補足された後に、前述した原理で微細ミストとして再利用される。また化粧カバー39の外側を伝い流れる水の一部はドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝いドレン回収部42で補足される。
【0052】
なお、ドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝わないで直径15mmの穴の周縁部から真下に滴下する水滴がある場合は、金型構成上の都合によりドレン回収部42の直径F(図8)は14.5mmであり、図1に示すドレン孔52の直径C(15mm)よりやや小さめにしてあるから、ドレン回収部42に補足されないおそれがある。そこで本例では、回転体34の水上昇部50の下端50aがドレン孔52から約3mm程度、下方に突出しているため(図1のG)、ドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝わないで直径15mmの穴の周縁部から真下に滴下する水滴がある場合にも、水の表面張力によりドレン孔52の周縁部で水滴の径は大きくなって、水滴は真下に滴下する前にある程度の大きさに成長した時点で、下方に突出して高速で回転している回転体34の下端50aに接触することとなり、前述したような原理で微細ミストとして再利用されることになる。
【0053】
一方、微細ミスト運転を停止して回転体34が停止中は、水上昇部50における水を上昇させる力が発生しないため、回転体34と水受け部38との間隙部位(図1のH部)に残った水は下に落ち、水受け部38は常に乾燥し雑菌が繁殖しにくい状態となる。従って、悪臭やレジオネラ菌などの雑菌の発生を防止するため、頻繁な水受け部38内の水換えや清掃が不要となり、使用者にとって煩わしい作業を省略できる。特に、微細ミスト発生装置4の設置場所が浴室の天井等、高所・多湿の場所となるため清掃作業が困難であることから、本構成はきわめて有効である。また、浴室天井付近への設置の場合には回転体34が停止中も天井面の結露水の流れ込みや、使用者による水の飛散などによる化粧カバー39内への水の浸入が起こった場合でも、上記のように雑菌が繁殖するおそれがない。
【0054】
なお前記実施形態では、水上昇部50の下端50aを平坦としたが、必ずしも平坦である必要はなく、要するに、微細ミスト運転時における回転体34の回転により、水上昇部50の下端50a付近における微細ミストに供するための水との接触部の速度が、微細ミスト上昇部を水が伝い上昇するに足りる程度の速度以上に上昇する形状であれば良い。さらに、水上昇部50の下端50aを適宜アール処理を施したり、湾曲させたりすることも好ましい。この場合、適宜アール処理を施したり、湾曲させることにより、万が一使用者が高速で回転する回転体34に触れた場合も、怪我をするリスクが低減できる利点がある。
【0055】
また、微細ミスト運転停止の後、浴室暖房乾燥機能による所定時間の乾燥運転を行うことで、化粧カバー39や回転体34などに付着した水滴の乾燥を促進することがより好ましい。これにより、雑菌が繁殖の防止が確実に行える。なお、この乾燥運転に当たっては、温風吹き出し口からの温風の風向を微細ミスト発生装置4側に向けることで、化粧カバー39、回転体34などに付着した水滴の乾燥がさらに促進されることになる。
【0056】
図12は参考として示す他の実施形態であり、水受け部38にドレン孔52(図1)を設けない構造としたものである。この構造では、浴室天井付近への設置において、微細ミスト発生装置4が停止中も天井面の結露水の流れ込みや、入浴者による水の飛散などによって、装置内部への水の浸入が起こった場合には、運転により装置内部の水が入れ替わるまでに、雑菌が繁殖するおそれがある。そこで、ドレン孔52(図1)を設けることが望ましい。なおドレン孔52を設けない構造にあっても、前記図1と同じ原理で、水受け部38に水を供給し、回転体34をモータ6によって回転させることにより、水受け部38に溜められた水が回転体34の水上昇部50を伝い上昇し、衝突板35に当たることにより破砕され微細ミストを発生させることが可能である。
【0057】
図13は更に他の実施形態であり、グリル板25aに取り付けられる微細ミスト発生装置4の外周部にドレン誘導板36が設けられている。他の構成は図4と同様である。本例のドレン誘導板36は、衝突板35と、グリル板の微細ミスト発生装置4取付用の開口部との周辺部を覆うように、逆円錐筒状に形成されており、ドレン誘導板36の最も低い箇所の内側箇所は、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近を取り囲むように配置されている。
【0058】
ちなみに、グリル板の微細ミスト発生装置4の外周部では、微細ミスト発生により水滴が付着しやすい状態にあり、この水滴の付着が継続すると水滴が成長する。グリル板の微細ミスト発生装置4の外周周辺部は略水平面であるから、成長した水滴がそのまま落下しやすく、下に使用者がいる場合には体に水滴が滴下するため不快感の原因になる。これに対し本例では、逆円錐筒状のドレン誘導板36を設けているので、グリル板の下面に付着、成長した水滴がドレン誘導板36の外面を伝い流れて、ドレン誘導板36で最も低く内側の箇所である、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近で、化粧カバー39内部に移動して、前述の原理によって微細ミストとして再利用されるようになり、化粧カバー39からの水の滴下を防ぐことができ、きわめて省資源となる。
【0059】
図14は更に他の実施形態である。微細ミスト発生装置4の回転体34、衝突板35、水受け部38等により、微細ミストを生成する微細ミスト生成部60が構成されている。この微細ミスト生成部60から微細ミスト放出口37に至る途中空間に、放出された微細ミストに光を照射するLED55が設けられている。本例では化粧カバー39の上面を覆うモータ取付板41の下面には、回転体34の水飛散部51よりも上側に位置するようにLED装着部56(図3(b)参照、ただし水飛散部51は図示を省略している)が、同心円上に6箇所設けられ、緑LED55と青LED55とが交互に3個ずつ実装配列されている。
【0060】
各LED55は、透明なレンズ部59にてそれぞれ覆われている。レンズ部59は、LED55を実装する基板ユニット60側への水分の浸入を防止する働きをする。しかもこのレンズ部59は、ミスト温度の低い冷ミスト雰囲気に晒されるので、レンズ部59の表面には冷ミストによる水膜が張るようになり、この水膜によってLED55を冷却でき、LED55の温度を降下させることにより、LED55に流せる電流値のアップ及び寿命の向上が図られる。
【0061】
各LED55は、微細ミスト放出口37の内側であって、且つ微細ミストの放出角度以外の角度から人の視界に直接入らない位置に配置される。つまりLED55は、回転体34の上方位置における水飛散部51の平面視投影領域Y内で且つ上記衝突板35の上下方向領域X内に配置している。このように、各LED55は回転体34の上方に位置しているから、図14の真下方向P1からは各LED55は見えないようになり、さらに、各LED55は衝突板35と同じ高さ範囲に位置しているから、図14の真横方向P2からも見えないようになっている。これにより、真下と真横の間の範囲θ内における方向P3からしか、LED55が直接見えないようになっている。これにより、微細ミスト運転時において、リモコン操作部15(図11)のLEDスイッチを押すと、各LED55が点灯し、噴霧される微細ミストMが各LED55からの光照射により間接的に発光する(着色された)状態に見える。このとき各LED55は微細ミスト放出口37から放出される微細ミストM越しにしか見ることができない。しかも、青や緑にライトアップされた微細ミストMが、ゆらゆらと噴霧される様子を見ることで、リラックスできる雰囲気を醸し出す。このとき、各LED55の輝度を適宜時間経過と共に変化させることで、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがない。或いは、各LED55の色を適宜時間経過と共に変化させることで、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがない。さらに、青、緑の各色ごとの輝度を適宜時間経過と共に変化させることで、異なる色の各LED55を同時に発光させた場合に視認される合成色の色合いが変化するから、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態の微細ミスト発生装置を示す正面断面図である。
【図2】同上の微細ミスト発生装置を具備した微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機を下方から見た斜視図である。
【図3】(a)は同上の微細ミスト発生装置の正面図、(b)は下面図である。
【図4】同上の微細ミスト発生装置を機器ケーシングのグリル板に取り付けた状態の正面図である。
【図5】(a)は同上の回転体の正面図、(b)は底面図である。
【図6】同上の化粧カバーの平面図である。
【図7】同上の微細ミスト運転のフローチャートである。
【図8】同上の微細ミスト発生装置の微細ミスト放出口から微細ミストが噴霧する状態の説明図である。
【図9】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機の配管図である。
【図10】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機の内部構造を説明する断面図である。
【図11】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機を浴室天井に設置した状態の説明図である。
【図12】同上の水受け部のドレン孔を省略した参考として示す他の実施形態の説明図である。
【図13】同上の微細ミスト発生装置の外周にドレン誘導板を取り付けた状態の正面図である。
【図14】同上の微細ミスト発生装置内部にLEDを配置した場合の正面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 浴室暖房乾燥機
2 暖房機本体
4 微細ミスト発生装置
6 モータ
34 回転体
35 衝突板
36 ドレン誘導板
37 微細ミスト放出口
38 水受け部
43 リブ
45 注水口
45a 吐水側
50 水上昇部
50a 下端
51 水飛散部
52 ドレン孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細ミスト発生機能付き浴室用空調機に関し、詳しくは粒子径が20μm程度の微細ミストを簡易に得るための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ミストノズルから温水の微細な水滴を浴室空間に直接噴霧するミスト噴霧装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の方式で、噴霧される水滴の粒子径は50〜100μm程度(スプラッシュミスト)であり、このスプラッシュミストは、ミストサウナとしては水滴の粒子径が比較的大きいため、熱量搬送能力が高く、浴室温度立ち上がり性能が良いが、噴霧される温水水滴の粒子径が大きいため、浴室内に使用者がいる状態でミストを噴霧したとき体に温水水滴が付着する際にツブツブ感があり、使用者がツブツブ感を欲求しない場合には、ミストの噴霧を停止しなければないから、入浴しながらのミストサウナ運転が継続できないことになってしまう。
【0004】
他の従来例として、モータ駆動される羽根車に温水を噴霧して、羽根車との衝突で粒子径を更に微細化し粒子径を小さくすることが可能な方式(例えば、特許文献2参照)が知られているが、この方式では、浴室内に使用者がいる状態でミストを噴霧したときにも、体に温水水滴が付着する際のツブツブ感が生じないが、ミスト噴霧のためにはある程度の水圧が必要であるから、羽根車との衝突により微細化されなかった温水があった場合に、微細化されなかった温水を回収し再利用するためには、噴霧のための加圧装置(ポンプなど)が必要になる。また、羽根車との衝突により微細化されなかった温水を再利用せず垂れ流した場合には、資源ロス、エネルギロスが生じるという問題がある。
【0005】
更に他の従来例として、送風機と一体の液体噴霧装置や、プラペラのような旋回部材によって一定の粒度の噴霧を可能にした噴霧装置、散水機等が知られている(例えば、特許文献3−6等参照)。この種の液体噴霧装置を浴室暖房乾燥機に搭載した場合、悪臭やレジオネラ菌などの雑菌の発生を防止するため、頻繁な水受け部内の水換えや清掃が必要であり、使用者に煩わしい作業が発生する。特に、浴室暖房乾燥機の設置場所が浴室の天井等、高所・多湿の場所の場合、清掃作業が困難であるという問題もある。
【特許文献1】特開2008−110022号公報
【特許文献2】特開平11−164869号公報
【特許文献3】特公昭39−6730号公報
【特許文献4】特公昭40−25400号公報
【特許文献5】実公昭49−22011号公報
【特許文献6】特開昭60−143851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その課題とするところは、スプラッシュミストよりも粒子径の微小な微細ミストが容易に得られ、これにより入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感を防止でき、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる微細ミスト発生機能付き浴室用空調機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明は、浴室暖房を行なう浴室用空調機本体に微細ミストを発生する微細ミスト発生装置4を設けた微細ミスト発生機能付き浴室用空調機である。上記微細ミスト発生装置4は、モータ6により回転して水を下から上に吸い上げる正面視逆円錐形状の水上昇部50と該水上昇部50の上端から径方向外方に突設された平面視円盤形状の水飛散部51とを有する回転体34と、上記回転体34の径方向外方に水飛散部51と間隔を隔てて対向配置される筒形の衝突板35と、注水口45の吐水側45aの空間に開放されて該注水口45の吐水側45aから流下する所定流量の水を受けて上記回転体34の水上昇部50の下端50a側へ導く水受け部38とを備えると共に、上記水飛散部51から飛散した水が上記衝突板35に衝突することで発生する微細ミストを、上記衝突板35と上記水受け部38との間に設けた微細ミスト放出口37を介して外部に放出する構成としたことを特徴としている。
【0008】
このような構成とすることで、回転体34の水上昇部50により吸い上げる水が水飛散部51から飛散して衝突板35に激しくぶつかり、微細な霧状の水滴となるので、スプラッシュミスト(50〜100μm程度)よりも粒子径が小さい微細ミスト(約20μm程度)を微細ミスト放出口37から噴霧させることができる。従って、入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感を防止できるようになる。
【0009】
また、上記浴室用空調機本体を浴室の天井に設置し、該浴室用空調機本体の下面に、上記微細ミスト放出口37を全周に備えた微細ミスト発生装置4を設けるのが好ましく、この場合、微細ミスト発生装置4の全周から微細ミストを放出することにより、発生した微細ミストの浴室内における分布がきわめて良くなる。
【0010】
また、上記水飛散部51と対向する衝突板35の内周面の複数箇所から内方に向けてリブ43を突設するのが好ましく、この場合、回転体34の水飛散部51から飛散した水が衝突板35のリブ43付き内周面に衝突することで微細化され、リブ43がない場合と比べて、水滴が衝突板35の内面に衝突する時の衝撃が大きくなる。これにより、同じ粒子径にまで微細化するときの回転体34の回転速度が小さくでき、これに伴い回転体34の回転に伴う騒音発生を低減できる。
【0011】
また、上記水受け部38の底部にドレン孔52を設けると共に、水受け部38の底部から所定の隙間を隔てて上記回転体34の水上昇部50の下端50a外周面を対向配置するのが好ましく、この場合、回転体34が所定の速度以上で回転する運転中は水を回転体34の水上昇部50の下端50a外周面側にスムーズに導いて微細ミスト用の水として利用でき、浴室内に垂れ流すことがないため省資源となる。
【0012】
また、上記回転体34の水上昇部50の下端50aを上記水受け部38のドレン孔52よりも下方に突出させると共に、上記水受け部38をドレン孔52の方向に向かって下り傾斜させるのが好ましく、この場合、水受け部38の傾斜によって微細化されなかった水及び水受け部38の外周面で結露した水を水上昇部50の下端50aから回収して再利用できると共に、停止時にはドレン孔52によって水受け部38の内外両面にそれぞれ水が残らないので残水による雑菌の発生を確実に防止できるようになる。
【0013】
また、上記回転体34の水上昇部50及び水飛散部51における水との接触面を親水性材料で被覆するのが好ましく、この場合、水上昇部50を伝い上昇する水や水飛散部51に伝わる水がそれぞれ水滴になりにくくなり、水滴による風切音の発生が防げると共に、上昇途中での水の飛散が防止でき、効率良く微細ミストを発生することができる。
【0014】
また、上記微細ミスト発生装置4の外周部に、上端が浴室用空調機本体の下面と連なり、下端が上記衝突板35の外周面に連なる逆円錐筒状のドレン誘導板36を取り付けてなるのが好ましく、この場合、浴室用空調機本体の下面に付着、成長した水滴がドレン誘導板36の外面を伝い流れて、ドレン誘導板36で最も低く内側の箇所である、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近で装置内部に移動して、前述の原理によって微細ミストとして再利用されることが促進でき、下への水の滴下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、回転する回転体に水を供給する簡易な構造で、スプラッシュミストよりも粒子径が小さい微細ミストを微細ミスト放出口から噴霧させることができ、結果、入浴しながら微細ミスト運転を実行したときに、ミストが体に付着したときのツブツブ感が防止できるので、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0017】
ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機1は、図11に示すように、浴室13の天井部に設置され、浴室13内に温風を供給する暖房機本体(浴室用空調機本体)2と、浴室13内にミスト噴霧を行なうスプラッシュミスト噴霧装置3と、微細ミスト発生装置4とで構成されている。なお図11中の14は熱源機、15は浴室13外に設置されるリモコン操作部であり、スプラッシュミスト運転スイッチ、微細ミスト運転スイッチ、暖房運転スイッチ、換気運転スイッチ、乾燥運転スイッチ、涼風運転スイッチ等が設けられている。
【0018】
前記暖房機本体2は、図9、図10に示すように、循環ファン5と、循環ファン5により通風される空気を熱源機14から供給される温水により加熱する暖房用熱交換器7と、暖房用熱交換器7への温水の供給量を調節する熱動弁8とが機器ケーシング25内に収納されている。暖房用熱交換器7は、熱源機14からの温水が循環する暖房用温水管路16の途中に配置され、熱動弁8を開放することで、循環ファン5からの風が暖房用熱交換器7により加熱されて、下方の温風吹き出し口30から浴室13内に供給されるようになっている。さらに暖房用温水管路16の途中には、後述のミスト用熱交換器11を加熱するためのミスト加熱用温水管路19がバイパス接続されている。ミスト加熱用温水管路19の上流端は暖房用温水管路16の熱動弁8よりも上流位置に分岐接続され、ミスト加熱用温水管路19の下流端は暖房用温水管路16の暖房用熱交換器7よりも下流位置に合流している。図9中の9は浴室温度センサー、17は温水往き温度センサー、26は換気ファンであり、図10中の27は吸い込み口、33は吸気フィルターである。
【0019】
前記暖房機本体2の機器ケーシング25内部には、ミスト用給水配管20が収納配管されている。ミスト用給水配管20の途中には後述のミスト用熱交換器11が配置されている。ミスト用熱交換器11よりも上流側は、給水電磁弁22及びストレーナ23を介して、外部の水道管に接続されている。ミスト用給水配管20の下流は、第1及び第2ノズル開閉弁29a,29bを介して、ミストサウナ用の水を噴霧するミストノズル10に接続されている。このようにミスト用給水配管20と、ミスト用熱交換器11及び給水電磁弁22と、ノズル開閉弁29a,29b及びミストノズル10とで、スプラッシュミスト噴霧装置3が構成されている。
【0020】
また、上記ミスト用給水配管20はミスト用熱交換器11よりも下流位置で分岐排水路31が分岐され、排水電磁弁24を介して外部排水管に接続されており、例えば、ミスト運転開始時にミスト用熱交換器11内やミスト用給水配管20内に溜まっている残水を外部に排水可能とされる。
【0021】
また、前記暖房用温水管路16から分岐されたミスト加熱用温水管路19の一部が配管されていると共に、ミスト加熱用温水管路19からミスト用熱交換器11に供給される水温が適切になったときに温水の出湯量の調節を行う水比例弁12と、ミスト用熱交換器11からの循環温水の戻り温度を検知するための温水戻り温度センサー21とが設置されている。さらにミスト用熱交換器11から吐水する水の温度を検知するためのミスト温度センサー18が設置されている。
【0022】
上記機器ケーシング25の下面側に設置されるミストノズル10は、機器ケーシング25のグリル板25aに設けた開口部25cに嵌め込まれる前パネル25bのノズル用開口孔40から浴室13内に臨んで配置されている。本例ではミストノズル10は3個設けられ、例えば、ノズル開閉弁29a側の1個のミストノズル10aは、マイルドなミストサウナ(ミスト噴霧量が例えば0.5リットル/min)を得るためのものであり、ノズル開閉弁29b側の2個のミストノズル10b,10cはハードなミストサウナ(ミスト噴霧量が例えば1.0リットル/min)を得るためのものである。
【0023】
浴室13内は制御部(図示せず)により所定温度に制御される。制御部は、リモコン操作部15から指令されるリモコン信号以外に、浴室温度センサー9、温水往き温度センサー17、ミスト温度センサー18、温水戻り温度センサー21からの各検知信号を受信すると共に、各検知結果に基づいて暖房機本体2、スプラッシュミスト噴霧装置3、及び後述する微細ミスト発生装置4の各構成部品を駆動制御するマイクロコンピュータにより構成される。
【0024】
次に、本実施形態の微細ミスト発生装置4を説明する。 微細ミスト発生装置4は、図10に示すように、機器ケーシング25のグリル板25aの温風吹き出し口30を挟んで吸気口27とは反対側の位置に設けた開口部32に取り付けられている。
【0025】
微細ミスト発生装置4は、図1、図2に示すように、モータ6により回転駆動する回転体34と、回転体34を囲むように配置される衝突板35、微細ミスト放出口37、水受け部38等を一体に備えた化粧カバー39とで主体が構成される。
【0026】
化粧カバー39は、例えば射出成形によりABS樹脂を用いて一体形成されており、その上面をモータ取付板41で覆った状態で、グリル板25aに設けた開口部32に嵌めこまれて固定されている。
【0027】
本例の化粧カバー39は、図1に示すように、上方に開口したお椀形状をしており、上端部から下端部にわたって、円筒形状の衝突板35と、衝突板35の下端全周に連なるスリット形状の微細ミスト放出口37と、微細ミスト放出口37の下端全周に連なる皿形状の水受け部38と、水受け部38の下端に連なるドレン回収部42とがこの順に連続形成されている。なお、ドレン回収部42(図3参照)は図1では図示されていない。
【0028】
上記衝突板35の外周面は円筒面とされるが、衝突板35の内周面には、後述する微細ミスト放出口37から上方向に延伸した複数のリブ43の上端部43aがそれぞれ達しており、これにより衝突板35の内周面には径方向内方に所定高さを持つ複数のリブ43の上端部43aが、周方向A(図6)に間隔を隔てて存在した構造となっている。
【0029】
上記微細ミスト放出口37には、図6に示すように、上下方向に延びるリブ43が周方向Aに間隔を隔てて複数本、配列されていると共に、リブ43,43相互間が、上記衝突板35にて発生させた微細ミストを外部に放出するためのスリット空間となっている。
【0030】
また、後述する注水口45の真下に位置する隣接する2本のリブ43,43の間には、スリット空間(微細ミスト放出口37)は形成されず、代わりに、幅広の微細ミスト用水通路44を構成する樹脂壁が形成されている。微細ミスト用水通路44の上端は衝突板35の内面上端まで達している。
【0031】
上記幅広の微細ミスト用水通路44の真上には、図1に示すように、注水口45が配置される。本例では、モータ取付板41を細長い筒形状の注水口45が貫通しており、注水口45の吐水側45aがモータ取付板41の下面に突出していて、微細ミスト放出口37の開口下端よりも所定寸法B(例えば、30mm)以上高い位置にて、下向きに開放されている。注水口45の注入側45bはモータ取付板41の上面に突出しており、図9に示すように、ミスト用給水配管20の給水電磁弁22とミスト用熱交換器11との間から分岐した分岐給水管20aに接続されている。分岐給水管20aの途中には流量を約50[ml/分]に制限するガバナ46と微細ミスト用電磁弁47とが設けられている。これにより、ミスト用給水配管20からの水が、微細ミスト用電磁弁47とガバナ46とを経由して注水口45に供給され、注水口45の吐水側45aから前記微細ミスト用水通路44上に滴下(或いは流下)するようになっている。
【0032】
上記微細ミスト用水通路44の下端は、図1、図6に示すように、水受け部38に連通している。水受け部38は、微細ミスト用水通路44から流下する所定流量の水を受けて後述する回転体34の水上昇部50の下端50a側へ導く働きをする。本例の水受け部38は、注水口45の吐水側45aの空間に開放されていると共に、水平に対する角度α(図1)=20°の傾斜で、中央が下に窪んだ皿形状をしている。
【0033】
上記水受け部38の底には、図1に示すように、直径C(略15mm)のドレン孔52が開いており、図8に示すように、ドレン孔52から所定の隙間D(約4mm)を隔てた下方にドレン回収部42が設けられている。ドレン回収部42は、下側に向けて窪みを持つ浅いお椀のような形状をしており、その外周部が複数(例えば4本)の支持リブ53を介して水受け部38の底側に支持固定されており、支持リブ53によって上記隙間Dが周方向Aに複数分割されている。またドレン回収部42の直径Fは、化粧カバー39を形成する射出成形用の金型構成上の理由から、水受け部38のドレン孔52の直径C(図1)よりも若干小さめの14.5mm程度に設定される。なお、支持リブ53の数、ドレン回収部42の直径寸法は上記数値に限らず、適宜に変更自在である。
【0034】
一方、回転体34は、例えばSPS樹脂製ロータからなり、図1に示すように、回転体34の中心部がモータ6の駆動軸6aに連結されている。
【0035】
回転体34は、下端から上端にいくほど径方向寸法が徐々に大きくなる正面視逆円錐形状の水上昇部50と、水上昇部50の上端から更に径方向外方に張り出した平面視円盤形状の水飛散部51とが一体に形成されている。
【0036】
水上昇部50の下端50aは、本例では平坦面となっている。水上昇部50の下端50a外周面は、前記水受け部38のドレン孔52に略1mm程度の空隙Hを隔てて挿入されている。図1の例では、水上昇部50の下端50aはドレン孔52から下方に向けて所定寸法G(3mm)突出している。
【0037】
水飛散部51は正面視平坦状とされる。これら水飛散部51の下面や水上昇部50の外周面はそれぞれ親水性材料成分を含む塗膜にて覆われている。親水性材料としては例えば酸化珪素等が挙げられるが、材料成分は特に問わない。これにより、水上昇部50から水飛散部51に伝い上昇する水が水滴になりにくくなり、回転体34を6,000rpm、すなわち毎秒100回転させても水滴による風切音の発生が防げる。そのうえ水上昇部50から水飛散部51を伝い上昇する水が、その上昇途中での水の飛散が防止でき、効率良く微細ミストを発生することができる構造となる。
【0038】
本例の水飛散部51は、前記衝突板35の内周面に面した上下方向領域にあり、水飛散部51の外周端部が、所定の空隙を隔てて、前記衝突板35の内周面に存在する複数のリブ43の上端部43aにそれぞれ対向配置されている。
【0039】
次に、ミスト運転開始の動作例を説明する。
【0040】
先ず、浴室の温度上昇のためには、熱量搬送能力が高く、浴室温度立ち上がり性能がよいスプラッシュミスト運転を行なう。ここで噴霧される水滴は粒子径が50〜100μm程度のスプラッシュミストである。
【0041】
リモコン操作部15のスプラッシュミスト運転スイッチを押すと制御部にスプラッシュミストサウナ運転開始を指令する信号が送られ、温水供給用の熱源機14(図11)に運転信号を出し、熱源機14が暖房運転を開始する。次いで、図9に示す温風側の熱動弁8、ミスト側の水比例弁12がそれぞれ開き、80℃の循環温水が暖房用温水管路16内及びミスト加熱用温水管路19内を循環し始める。次いで、温水往き温度が60℃以上になると、循環ファン5がONとなり、浴室13に温風を送る。その後、浴室温度が25℃以上になると給水手段を構成する給水電磁弁22を開くと共にノズル開閉弁29a,29bの両方又は一方を開いて、ミストノズル10からスプラッシュミスト噴霧を開始する。
【0042】
その後、入浴時において、リラックスしたい場合は、微細ミスト運転を実行する。図7は微細ミスト運転フローチャートを示している。リモコン操作部15の微細ミスト運転スイッチを押すと、制御部に微細ミストサウナ運転開始を指令する信号が送られる。制御部は、モータ6をON(図7のステップn1)にして回転体34を回転させる。回転体34は約6,000rpmで回転する。さらに微細ミスト用給水供給のための信号を出し、給水電磁弁22と微細ミスト用電磁弁47を共にONする(ステップn2)。そしてガバナ46から供給される50[ml/分]の流量の水は、注水口45の吐水側45aから滴下して、その真下に位置する幅広の微細ミスト用水通路44を伝い流れ落ちる。水受け部38を伝い落ちる水は、回転体34の下端50a外周面と水受け部38のドレン孔52内周面との間隙部位(図1のH部)に達すると、約6,000rpmの高速で回転する回転体34の水上昇部50の下端50a付近を濡らす。このとき水上昇部50は高速で回転運動しているため、水上昇部50の下端50a付近を濡らした水には遠心力が作用して、回転体34の中心から離れようとするが、回転体34には親水性があるから、水は回転体34から離れることなく、水上昇部50から水飛散部51の下面に伝い、最終的に水飛散部51の外周から外方に向かって飛散する。この飛散した水は、衝突板35の内面やそこに存在する複数のリブ43の上端部43aに激しくぶつかり、細断、粉砕されて微細な霧状の水滴となり、微小粒子のミストMが得られ、この微細ミストMは図8に示すように、微細ミスト放出口37から浴室内に噴出される。
【0043】
その後、微細ミスト運転を停止する場合は、微細ミスト運転状態で、再びリモコン操作部15の微細ミスト運転スイッチを押すと(図7のステップn3)、制御部に微細ミスト運転停止を指令する信号が送られ、微細ミスト用給水停止のための信号を出し、給水電磁弁22と微細ミスト用電磁弁47をOFFする(ステップn4)。給水停止の1分後、モータ6を停止させ回転体34が停止する(ステップn5→n6)。
【0044】
しかして、上記構成の微細ミスト発生装置4において、微細ミスト運転による水滴は、粒子径が約20μmの微細化されたミストであり、粒子径が50〜100μm程度のスプラッシュミストの水滴に比べ粒子径が小さいので、入浴しながら微細ミスト運転を実行しても、体が濡れにくく、ミストによる水滴が体に付着したときのツブツブ感が防止できるので、入浴しながらの快適なミストサウナ運転を実現できる。
【0045】
またこのとき、ミスト用給水配管20からの水滴を利用して微細ミスト(冷ミスト)を発生させることができると共に、注水口45からの水の滴下流量をミスト発生能力より小さくすれば水受け部38に保持される水量を最小にできるから、水受け部38における乾燥が容易に行え、雑菌の発生防止が行いやすいものである。また本例では、注水口45の吐水側45aは微細ミスト放出口37の開口下端より所定寸法B(例えば30mm)以上高い位置に開放され、しかも注水口45の吐水側45aから流下する水の流量は50ml/分と少ないから、水の供給が容易で、且つ断水時などにも水の注水口45からの逆流がないから、いわゆる上水道のクロスコネクション対策が容易になる利点がある。
【0046】
また本例では、浴室天井に設置される暖房機本体2の下面に微細ミスト発生装置4を取り付け、微細ミスト発生装置4の全周に微細ミスト放出口37を設けたことにより、発生した微細ミストの浴室内における分布がきわめて良くなる。
【0047】
また本例では、衝突板35の内面に微細ミスト放出口37の複数のリブ43の上端部43aを延伸させたので、回転体34の水飛散部51からの水の飛散方向(水飛散部51の外周円に接する方向)と、リブ43の上端部43aの突出方向(径方向内方)とが略直交することで水滴の衝撃が大きくなるから水の微細化がより促進され、リブ43がない場合と比べて、同じ粒子径にまで微細化するときの回転体34の回転速度が小さく抑えることができる。これにより、回転体34の回転に伴う騒音の発生が低減できると共に、モータ6の軸受の磨耗防止にも有効となる。
【0048】
また本例では、回転体34の水上昇部50の下端50aが水受け部38のドレン孔52から下方に突出し且つ水受け部38は上記ドレン孔52に向かうように下り傾斜しているので、回転体34が所定の速度以上で回転する運転中は水を回転体34の水上昇部50の下端50aにスムーズに導いて微細ミスト用の水として利用できる。
【0049】
ここにおいて、回転体34と水受け部38との間隙は約1mmであり、この場合、回転体34の回転速度が約6,000rpmの時には、回転体34と水受け部38との間隙部位(図1のH部)に達した水は前記間隙から下に落下することなく、全て水上昇部50を伝い上昇することができる。仮りに回転体34の回転速度が約4,000rpm以下に低下した場合は、回転体34と水受け部38との間隙部位に達した水の一部は前記間隙から下に滴下することが確認されている。
【0050】
万が一、回転体34と水受け部38との間隙から水滴が滴下した場合には、滴下した水滴はドレン回収部42により一旦補足される。そして、補足された水滴の集積が進むと、浅いお椀のような形状をしたドレン回収部42の外周縁から溢れようとするが、水は表面張力によりドレン回収部42の外周縁より高い位置に盛り上がる。このとき正面視における水上昇部50の下端50aとドレン回収部42の外周部上端との間には、1mm以内の隙間d(図8参照)が存在するが、水の表面張力による回収部の外周縁よりの盛り上がりは1mm以上となる。このように盛り上がったドレン回収部42の水が高速で回転する水上昇部50の下端50aに接触することにより、前述と同様にドレン回収部42の水は水上昇部50を伝い上昇し、微細ミストとして再利用される。これにより、微細化されなかった水滴を回収し再利用するために、噴霧のための加圧装置(ポンプなど)が不要となり、そのうえ微細化されなかった水を再利用するために浴室内に垂れ流すことがないため省資源となる。しかも、ドレン回収部42上端と水受け部38下端で形成される隙間D(図8)の上下方向寸法は約4mmとしており、前記支持リブ53によって周方向Aに4分割されているから、内部の回転体34に誤って指で直接触れてしまうおそれがなく安全である。
【0051】
さらに本例では、運転中に発生した微細ミストが、化粧カバー39の外周面に付着して結露した場合、化粧カバー39の外周面を伝って流れ落ち、水受け部38下部に位置する直径15mmのドレン孔52の周縁部に達したとき、この水は、一旦ドレン回収部42で補足された後に、前述した原理で微細ミストとして再利用される。また化粧カバー39の外側を伝い流れる水の一部はドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝いドレン回収部42で補足される。
【0052】
なお、ドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝わないで直径15mmの穴の周縁部から真下に滴下する水滴がある場合は、金型構成上の都合によりドレン回収部42の直径F(図8)は14.5mmであり、図1に示すドレン孔52の直径C(15mm)よりやや小さめにしてあるから、ドレン回収部42に補足されないおそれがある。そこで本例では、回転体34の水上昇部50の下端50aがドレン孔52から約3mm程度、下方に突出しているため(図1のG)、ドレン回収部42の4本の支持リブ53を伝わないで直径15mmの穴の周縁部から真下に滴下する水滴がある場合にも、水の表面張力によりドレン孔52の周縁部で水滴の径は大きくなって、水滴は真下に滴下する前にある程度の大きさに成長した時点で、下方に突出して高速で回転している回転体34の下端50aに接触することとなり、前述したような原理で微細ミストとして再利用されることになる。
【0053】
一方、微細ミスト運転を停止して回転体34が停止中は、水上昇部50における水を上昇させる力が発生しないため、回転体34と水受け部38との間隙部位(図1のH部)に残った水は下に落ち、水受け部38は常に乾燥し雑菌が繁殖しにくい状態となる。従って、悪臭やレジオネラ菌などの雑菌の発生を防止するため、頻繁な水受け部38内の水換えや清掃が不要となり、使用者にとって煩わしい作業を省略できる。特に、微細ミスト発生装置4の設置場所が浴室の天井等、高所・多湿の場所となるため清掃作業が困難であることから、本構成はきわめて有効である。また、浴室天井付近への設置の場合には回転体34が停止中も天井面の結露水の流れ込みや、使用者による水の飛散などによる化粧カバー39内への水の浸入が起こった場合でも、上記のように雑菌が繁殖するおそれがない。
【0054】
なお前記実施形態では、水上昇部50の下端50aを平坦としたが、必ずしも平坦である必要はなく、要するに、微細ミスト運転時における回転体34の回転により、水上昇部50の下端50a付近における微細ミストに供するための水との接触部の速度が、微細ミスト上昇部を水が伝い上昇するに足りる程度の速度以上に上昇する形状であれば良い。さらに、水上昇部50の下端50aを適宜アール処理を施したり、湾曲させたりすることも好ましい。この場合、適宜アール処理を施したり、湾曲させることにより、万が一使用者が高速で回転する回転体34に触れた場合も、怪我をするリスクが低減できる利点がある。
【0055】
また、微細ミスト運転停止の後、浴室暖房乾燥機能による所定時間の乾燥運転を行うことで、化粧カバー39や回転体34などに付着した水滴の乾燥を促進することがより好ましい。これにより、雑菌が繁殖の防止が確実に行える。なお、この乾燥運転に当たっては、温風吹き出し口からの温風の風向を微細ミスト発生装置4側に向けることで、化粧カバー39、回転体34などに付着した水滴の乾燥がさらに促進されることになる。
【0056】
図12は参考として示す他の実施形態であり、水受け部38にドレン孔52(図1)を設けない構造としたものである。この構造では、浴室天井付近への設置において、微細ミスト発生装置4が停止中も天井面の結露水の流れ込みや、入浴者による水の飛散などによって、装置内部への水の浸入が起こった場合には、運転により装置内部の水が入れ替わるまでに、雑菌が繁殖するおそれがある。そこで、ドレン孔52(図1)を設けることが望ましい。なおドレン孔52を設けない構造にあっても、前記図1と同じ原理で、水受け部38に水を供給し、回転体34をモータ6によって回転させることにより、水受け部38に溜められた水が回転体34の水上昇部50を伝い上昇し、衝突板35に当たることにより破砕され微細ミストを発生させることが可能である。
【0057】
図13は更に他の実施形態であり、グリル板25aに取り付けられる微細ミスト発生装置4の外周部にドレン誘導板36が設けられている。他の構成は図4と同様である。本例のドレン誘導板36は、衝突板35と、グリル板の微細ミスト発生装置4取付用の開口部との周辺部を覆うように、逆円錐筒状に形成されており、ドレン誘導板36の最も低い箇所の内側箇所は、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近を取り囲むように配置されている。
【0058】
ちなみに、グリル板の微細ミスト発生装置4の外周部では、微細ミスト発生により水滴が付着しやすい状態にあり、この水滴の付着が継続すると水滴が成長する。グリル板の微細ミスト発生装置4の外周周辺部は略水平面であるから、成長した水滴がそのまま落下しやすく、下に使用者がいる場合には体に水滴が滴下するため不快感の原因になる。これに対し本例では、逆円錐筒状のドレン誘導板36を設けているので、グリル板の下面に付着、成長した水滴がドレン誘導板36の外面を伝い流れて、ドレン誘導板36で最も低く内側の箇所である、衝突板35と微細ミスト放出口37との境界付近で、化粧カバー39内部に移動して、前述の原理によって微細ミストとして再利用されるようになり、化粧カバー39からの水の滴下を防ぐことができ、きわめて省資源となる。
【0059】
図14は更に他の実施形態である。微細ミスト発生装置4の回転体34、衝突板35、水受け部38等により、微細ミストを生成する微細ミスト生成部60が構成されている。この微細ミスト生成部60から微細ミスト放出口37に至る途中空間に、放出された微細ミストに光を照射するLED55が設けられている。本例では化粧カバー39の上面を覆うモータ取付板41の下面には、回転体34の水飛散部51よりも上側に位置するようにLED装着部56(図3(b)参照、ただし水飛散部51は図示を省略している)が、同心円上に6箇所設けられ、緑LED55と青LED55とが交互に3個ずつ実装配列されている。
【0060】
各LED55は、透明なレンズ部59にてそれぞれ覆われている。レンズ部59は、LED55を実装する基板ユニット60側への水分の浸入を防止する働きをする。しかもこのレンズ部59は、ミスト温度の低い冷ミスト雰囲気に晒されるので、レンズ部59の表面には冷ミストによる水膜が張るようになり、この水膜によってLED55を冷却でき、LED55の温度を降下させることにより、LED55に流せる電流値のアップ及び寿命の向上が図られる。
【0061】
各LED55は、微細ミスト放出口37の内側であって、且つ微細ミストの放出角度以外の角度から人の視界に直接入らない位置に配置される。つまりLED55は、回転体34の上方位置における水飛散部51の平面視投影領域Y内で且つ上記衝突板35の上下方向領域X内に配置している。このように、各LED55は回転体34の上方に位置しているから、図14の真下方向P1からは各LED55は見えないようになり、さらに、各LED55は衝突板35と同じ高さ範囲に位置しているから、図14の真横方向P2からも見えないようになっている。これにより、真下と真横の間の範囲θ内における方向P3からしか、LED55が直接見えないようになっている。これにより、微細ミスト運転時において、リモコン操作部15(図11)のLEDスイッチを押すと、各LED55が点灯し、噴霧される微細ミストMが各LED55からの光照射により間接的に発光する(着色された)状態に見える。このとき各LED55は微細ミスト放出口37から放出される微細ミストM越しにしか見ることができない。しかも、青や緑にライトアップされた微細ミストMが、ゆらゆらと噴霧される様子を見ることで、リラックスできる雰囲気を醸し出す。このとき、各LED55の輝度を適宜時間経過と共に変化させることで、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがない。或いは、各LED55の色を適宜時間経過と共に変化させることで、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがない。さらに、青、緑の各色ごとの輝度を適宜時間経過と共に変化させることで、異なる色の各LED55を同時に発光させた場合に視認される合成色の色合いが変化するから、視覚に対し変化を与え、同様の状態が継続することにより退屈感が生じることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態の微細ミスト発生装置を示す正面断面図である。
【図2】同上の微細ミスト発生装置を具備した微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機を下方から見た斜視図である。
【図3】(a)は同上の微細ミスト発生装置の正面図、(b)は下面図である。
【図4】同上の微細ミスト発生装置を機器ケーシングのグリル板に取り付けた状態の正面図である。
【図5】(a)は同上の回転体の正面図、(b)は底面図である。
【図6】同上の化粧カバーの平面図である。
【図7】同上の微細ミスト運転のフローチャートである。
【図8】同上の微細ミスト発生装置の微細ミスト放出口から微細ミストが噴霧する状態の説明図である。
【図9】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機の配管図である。
【図10】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機の内部構造を説明する断面図である。
【図11】同上の微細ミスト発生機能付き浴室暖房乾燥機を浴室天井に設置した状態の説明図である。
【図12】同上の水受け部のドレン孔を省略した参考として示す他の実施形態の説明図である。
【図13】同上の微細ミスト発生装置の外周にドレン誘導板を取り付けた状態の正面図である。
【図14】同上の微細ミスト発生装置内部にLEDを配置した場合の正面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 浴室暖房乾燥機
2 暖房機本体
4 微細ミスト発生装置
6 モータ
34 回転体
35 衝突板
36 ドレン誘導板
37 微細ミスト放出口
38 水受け部
43 リブ
45 注水口
45a 吐水側
50 水上昇部
50a 下端
51 水飛散部
52 ドレン孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室暖房を行なう浴室用空調機本体に微細ミストを発生する微細ミスト発生装置を設けた微細ミスト発生機能付き浴室用空調機であって、上記微細ミスト発生装置は、モータにより回転して水を下から上に吸い上げる正面視逆円錐形状の水上昇部と該水上昇部の上端から径方向外方に突設された平面視円盤形状の水飛散部とを有する回転体と、上記回転体の径方向外方に水飛散部と間隔を隔てて対向配置される筒形の衝突板と、注水口の吐水側に臨む空間に開放されて該注水口の吐水側から流下する所定流量の水を受けて上記回転体の水上昇部の下端側へ導く水受け部とを備えると共に、上記水飛散部から飛散した水が上記衝突板に衝突することで発生する微細ミストを、上記衝突板と上記水受け部との間に設けた微細ミスト放出口を介して外部に放出する構成としたことを特徴とする微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項2】
上記浴室用空調機本体を浴室の天井に設置し、該浴室用空調機本体の下面に、上記微細ミスト放出口を全周に備えた微細ミスト発生装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項3】
上記水飛散部と対向する衝突板の内周面の複数箇所から内方に向けてリブを突設したことを特徴とする請求項1又は2記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項4】
上記水受け部の底部にドレン孔を設けると共に、水受け部の底部から所定の隙間を隔てて上記回転体の水上昇部の下端外周面を対向配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項5】
上記回転体の水上昇部の下端を上記水受け部のドレン孔よりも下方に突出させると共に、上記水受け部をドレン孔の方向に向かって下り傾斜させたことを特徴とする請求項4記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項6】
上記回転体の水上昇部及び水飛散部における水との接触面を親水性材料で被覆したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項7】
上記微細ミスト発生装置の外周部に、上端が浴室用空調機本体の下面と連なり、下端が上記衝突板の外周面に連なる逆円錐筒状のドレン誘導板を取り付けてなることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項1】
浴室暖房を行なう浴室用空調機本体に微細ミストを発生する微細ミスト発生装置を設けた微細ミスト発生機能付き浴室用空調機であって、上記微細ミスト発生装置は、モータにより回転して水を下から上に吸い上げる正面視逆円錐形状の水上昇部と該水上昇部の上端から径方向外方に突設された平面視円盤形状の水飛散部とを有する回転体と、上記回転体の径方向外方に水飛散部と間隔を隔てて対向配置される筒形の衝突板と、注水口の吐水側に臨む空間に開放されて該注水口の吐水側から流下する所定流量の水を受けて上記回転体の水上昇部の下端側へ導く水受け部とを備えると共に、上記水飛散部から飛散した水が上記衝突板に衝突することで発生する微細ミストを、上記衝突板と上記水受け部との間に設けた微細ミスト放出口を介して外部に放出する構成としたことを特徴とする微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項2】
上記浴室用空調機本体を浴室の天井に設置し、該浴室用空調機本体の下面に、上記微細ミスト放出口を全周に備えた微細ミスト発生装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項3】
上記水飛散部と対向する衝突板の内周面の複数箇所から内方に向けてリブを突設したことを特徴とする請求項1又は2記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項4】
上記水受け部の底部にドレン孔を設けると共に、水受け部の底部から所定の隙間を隔てて上記回転体の水上昇部の下端外周面を対向配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項5】
上記回転体の水上昇部の下端を上記水受け部のドレン孔よりも下方に突出させると共に、上記水受け部をドレン孔の方向に向かって下り傾斜させたことを特徴とする請求項4記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項6】
上記回転体の水上昇部及び水飛散部における水との接触面を親水性材料で被覆したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【請求項7】
上記微細ミスト発生装置の外周部に、上端が浴室用空調機本体の下面と連なり、下端が上記衝突板の外周面に連なる逆円錐筒状のドレン誘導板を取り付けてなることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の微細ミスト発生機能付き浴室用空調機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−84949(P2010−84949A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250904(P2008−250904)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】
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