説明

微細気泡発生装置

【課題】短時間で空気導入ステップを終了させることができる微細気泡発生装置を提供する。
【解決手段】微細気泡発生装置であって、タンクと、空気導入路と、空気導入路を開閉する弁と、上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続可能な浴槽給水経路と、減圧ノズルと、上流端が水供給源に接続可能であり、下流端がタンクに接続されているタンク給水経路と、タンク給水経路内の水を送り出す第1ポンプと、上流端がタンクに接続されており、下流端が排水先に接続可能なタンク排水経路と、タンク排水経路内の水を送り出す第2ポンプと、制御装置を備えている。制御装置は、空気弁を開き、第2ポンプを作動させて、タンク内の水を排出してタンク内に空気を導入するステップと、空気弁を閉じ、第1ポンプを作動させて、タンク内に水を供給するステップを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を溶解している加圧水を浴槽に供給し、溶解空気から得られる微細気泡を浴槽内で発生させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置が知られている。特許文献1に、従来技術に係る微細気泡発生装置が開示されている。この微細気泡発生装置は、タンクと、循環水路と、空気導入路と、制御装置を備えている。循環水路は、タンク給水路と浴槽給水路を備えている。タンク給水路は、上流端が浴槽に接続されており、下流端がタンクに接続されている。タンク給水路には、タンク給水路内の水を下流側へ送り出すポンプが介装されている。浴槽給水路は、上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続されている。浴槽給水路と浴槽の接続部には、減圧ノズル(噴出ノズル)が設置されている。空気導入路には、空気導入路を開閉する空気弁が介装されている。制御装置は、ポンプと空気弁を制御する。
【0003】
この微細気泡発生装置は、水が貯められている浴槽に空気を溶解している加圧水を供給することによって、浴槽内に微細気泡を発生させる(すなわち、浴槽内の水の中に微細気泡を発生させる)。
この微細気泡発生装置を使用する際には、最初に空気弁を開く。すると、タンク内の水が自重によって浴槽給水路に流れ込む。浴槽給水路に流れ込んだ水は、減圧ノズルを通って浴槽内に流れ込む。すなわち、タンク内の水が浴槽に排出される。これによって、タンク内の水位が下がる。タンク内の水位が下がると、それに伴って、空気が空気導入路を通ってタンク内に導入される(空気導入ステップ)。
タンク内に空気を導入したら、空気弁を閉じるとともにポンプを作動させる。すると、浴槽内の水がタンク給水路を通ってタンク内に供給される。すなわち、タンク給水路からタンク内に水が放出される。このとき、ポンプによって加圧された水がタンク内に勢いよく放出される。タンク内に放出された水は、浴槽給水路と減圧ノズルを通って浴槽内に流れ込む。しかしながら、減圧ノズルの通水抵抗が高いので、浴槽内に流れ込む水量は、タンク給水路からタンク内に放出される水量に比べて少ない。したがって、タンク内の圧力が上昇する。タンク内の圧力が上昇すると、タンク内に放出された水がタンク内を飛翔している間や、放出された水がタンク内に貯まっている水の水面等に衝突するときに、水の中に空気が溶解する。タンク内で空気が溶解した水(以下では、空気溶解加圧水という)は、浴槽給水路と減圧ノズルを通って浴槽内に流れ込む。すなわち、空気溶解加圧水が浴槽に供給される(給水ステップ)。浴槽内に流れ込んだ空気溶解加圧水は、減圧ノズルを通過したときに急激に減圧される。すると、水に溶解していた空気が微細気泡となる。すなわち、浴槽内に多量の微細気泡が発生する。浴槽内に微細気泡が発生すると、浴槽内の水が白濁する。
上述したように、減圧ノズルの通水抵抗が高いので、浴槽内に流れ込む水量は、タンク水路からタンク内に放出される水量に比べて少ない。したがって、給水ステップでは、タンク内の水位が徐々に上昇する。タンク内の水位が満水に近い水位にまで上昇すると、タンク内の空気がほとんど無くなる。そのために、タンク内の水に空気を溶解させることができなくなる。したがって、制御装置は、タンク内の水位が所定水位まで上昇したら、再度、空気導入ステップを実行する。空気導入ステップと給水ステップを交互に繰り返し実行することで、浴槽内に微細気泡を断続的に発生させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−170618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の微細気泡発生装置では、空気導入ステップにおいて、水の自重によってタンク内の水を浴槽に排出する。水の自重によってタンク内の水を排出するので、タンク内の水位が下がるのに時間がかかる。すなわち、空気導入ステップに長い時間を要する。
空気導入ステップの実行中は、浴槽内に微細気泡が発生しない。浴槽内の微細気泡は、時間の経過とともに消滅する。したがって、空気導入ステップが長いと(すなわち、浴槽内に微細気泡が発生しない期間が長いと)、浴槽内の微細気泡がほとんど消滅してしまう。したがって、浴槽内の水を白濁した状態に維持することができない。すなわち、従来の微細気泡発生装置は、空気導入ステップに時間を要するため、浴槽内の水を白濁した状態に維持することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、短時間で空気導入ステップを終了させることができる微細気泡発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の微細気泡発生装置は、空気を溶解している加圧水を浴槽に供給し、溶解空気から得られる微細気泡を浴槽内で発生させる。この微細気泡発生装置は、タンクと、空気導入路と、空気弁と、浴槽給水経路と、減圧ノズルと、タンク給水経路と、第1ポンプと、タンク排水経路と、第2ポンプと、制御装置を備えている。空気導入路は、タンク内に空気を導入する。空気弁は、空気導入路を開閉する。浴槽給水経路は、上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続可能である。減圧ノズルは、浴槽給水経路と浴槽の接続部に設置される。タンク給水経路は、上流端が水供給源に接続可能であり、下流端がタンクに接続されている。第1ポンプは、タンク給水経路に介装されており、タンク給水経路内の水を下流側へ送り出す。タンク排水経路は、上流端がタンクに接続されており、下流端が排水先に接続可能である。第2ポンプは、タンク排水経路に介装されており、タンク排水経路内の水を下流側へ送り出す。制御装置は、空気弁と、第1ポンプと、第2ポンプを制御する。そして、制御装置は、空気弁を開くとともに第2ポンプを作動させることによって、タンク内の水を排水先に排出するとともに空気をタンク内に導入する空気導入ステップと、空気弁を閉じるとともに第1ポンプを作動させることによって、水をタンク内に供給する給水ステップを実行する。
なお、「接続」とは、一方の構成物から他方の構成物へ水または空気が流れることが可能な状態にすることをいう。例えば、「一方の構成物と他方の構成物が接続されている」との表現は、「一方の構成物と他方の構成物が物理的に直接接続されており、それらの構成物間を水(または空気)が流れることが可能な状態」のみならず、「一方の構成物と他方の構成物が水路(または空気路)を介して接続されており、それらの構成物間を水(または空気)が流れることが可能な状態」をも意味する。
【0008】
この微細気泡発生装置では、制御装置が、給水ステップと、空気導入ステップを実行する。
空気導入ステップは、タンク内に水が貯まっている状態で実行する。空気導入ステップでは、空気弁を開くとともに、第2ポンプを作動させる。すると、第2ポンプがタンク排水経路内の水を下流側へ送り出すので、タンクからタンク排水経路に水が流れ出す。タンク排水経路に流れ出した水は、タンク排水経路を下流側へ流れて排水先に排出される。すなわち、タンク内の水が排水先に排出される。したがって、タンク内の水位が下がる。タンク内の水位が下がると、タンク内の圧力が低下する。タンク内の圧力が低下すると、それに伴って空気が空気導入路を通ってタンク内に導入される。
給水ステップは、タンク内に空気が導入された後に実行する。給水ステップでは、空気弁を閉じるとともに第1ポンプを作動させる。すると、第1ポンプの加圧によって、タンク給水経路からタンク内に水が勢いよく放出される。タンク内に放出された水は、浴槽給水経路と減圧ノズルを通って浴槽内に流れ込む。しかしながら、減圧ノズルの通水抵抗が高いので、浴槽内に流れ込む水量は、タンク給水経路からタンク内に放出される水量に比べて少ない。したがって、タンク内の圧力が上昇して高圧となる。タンク内の圧力が高圧な状態でタンク内に水が勢いよく放出されることによって、タンク内で空気溶解加圧水が生成される。生成された空気溶解加圧水は、浴槽給水経路と減圧ノズルを通って浴槽内に流れ込む。したがって、浴槽内に多量の微細気泡が発生する。
【0009】
以上に説明したように、本発明の微細気泡発生装置は、空気導入ステップにおいて、第2ポンプによってタンク内の水を排出する。したがって、タンク内の水を高速で排出することができる。すなわち、空気導入ステップを短時間で終了させることができる。空気導入ステップが短時間であるので、微細気泡発生装置を連続運転(給水ステップと空気導入ステップの繰り返し運転)したときに、浴槽内に微細気泡が発生しない時間が短い。したがって、浴槽内の水を白濁した状態に維持することができる。
【0010】
上述した微細気泡発生装置は、第2ポンプが、熱源機に搭載されているポンプにより構成されていてもよい。
すなわち、通常の浴槽(微細気泡発生装置が設置されていない浴槽)には、浴槽に温水を供給する熱源機が設置されている。熱源機は、上流端が水供給源に接続されており、下流端が浴槽に接続されている水路(すなわち、浴槽に水を供給する水路)と、水路内の水を下流側へ送り出すポンプと、水路内の水を加熱する加熱器を備えている。したがって、上述した微細気泡発生装置を、熱源機を備えている浴槽に設置する場合には、第2ポンプを熱源機のポンプにより構成することができる。例えば、熱源機の水路を微細気泡発生装置のタンク排水経路の一部として利用することによって、熱源機のポンプを第2ポンプとして使用することができる。このように、熱源機の構成を利用して微細気泡発生装置を設置すれば、新たに第2ポンプを設置する必要がない。
【0011】
また、本発明は、短時間で空気導入ステップ終了させることができる新たな微細気泡発生装置を提供する。この微細気泡発生装置は、タンクと、空気導入路と、空気弁と、浴槽給水路と、減圧ノズルと、タンク給水路と、タンク排水路と、タンク給排水路と、給排水ポンプと、水源水路と、第1切換弁と、排出水路と、第2切換弁と、制御装置を備えている。空気導入路は、タンク内に空気を導入する。空気弁は、空気導入路を開閉する。浴槽給水路は、上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続可能である。減圧ノズルは、浴槽給水路と浴槽の接続部に設置される。タンク給水路は、下流端がタンクに接続されている。タンク排水路は、上流端がタンクに接続されている。タンク給排水路は、上流端がタンク排水路の下流端に接続されており、下流端がタンク給水路の上流端に接続されている。以下では、タンク排水路とタンク給排水路の接続部を第1接続部といい、タンク給排水路とタンク給水路の接続部を第2接続部という。給排水ポンプは、タンク給排水路に介装されており、タンク給排水路内の水を下流側へ送り出す。水源水路は、上流端が水供給源に接続可能であり、下流端が第1接続部に接続されている。第1切換弁は、第1接続部に介装されており、タンク排水路からタンク給排水路に水が流れる状態と、水源水路からタンク給排水路に水が流れる状態とを切り換える。排出水路は、上流端が第2接続部に接続されており、下流端が排水先に接続可能である。第2切換弁は、第2接続部に介装されており、タンク給排水路からタンク給水路に水が流れる状態と、タンク給排水路から排出水路に水が流れる状態とを切り換える。制御装置は、空気弁と、給排水ポンプと、第1切換弁と、第2切換弁を制御する。そして、制御装置は、空気弁を開き、第1切換弁をタンク排水路からタンク給排水路に水が流れる状態とし、第2切換弁をタンク給排水路から排出水路に水が流れる状態とし、給排水ポンプを作動させることによって、タンク内の水を排水先に排出するとともに空気をタンク内に導入する空気導入ステップと、空気弁を閉じ、第1切換弁を水源水路からタンク給排水路に水が流れる状態とし、第2切換弁をタンク給排水路からタンク給水路に水が流れる状態とし、給排水ポンプを作動させることによって、水を水供給源からタンク内に供給する給水ステップを実行する。
【0012】
図6は、上記の構成を有する微細気泡発生装置の一例を模式的に示している。なお、図6は、微細気泡発生装置を浴槽に取り付けた状態を示している。図6では、参照番号410がタンク、参照番号412がタンク排水路、参照番号414が第1切換弁、参照番号416が水源水路、参照番号418が水供給源、参照番号420がタンク給排水路、参照番号422が給排水ポンプ、参照番号424が第2切換弁、参照番号426が排出水路、参照番号428が排水先、参照番号430がタンク給水路、参照番号432が空気導入路、参照番号434が空気弁、参照番号436が浴槽給水路、参照番号438が減圧ノズル、参照番号440が浴槽を示している。図6では、制御装置の図示を省略している。なお、図6は、この構成を有する微細気泡発生装置を例示するものであって、請求項2の構成を限定するものではない。また、図6の構成は、原理的に成立する最小の構成を示すものであって、実際の製品にはその他の弁や水路等が付加されていることがある。
【0013】
上述したように、この微細気泡発生装置では、制御装置が空気導入ステップにおいて以下の状態に各部を制御する。
・空気弁434:開
・第1切換弁414:タンク排水路412からタンク給排水路420に水が流れる状態
・第2切換弁424:タンク給排水路420から排出水路426に水が流れる状態
・給排水ポンプ422:作動
このように各部が制御されると、矢印450に示すように、タンク排水路412と、タンク給排水路420と、排出水路426によって、タンク410内の水を排出するタンク排水経路が形成される。給排水ポンプ422の作動によって、タンク410内の水がタンク排水経路を流れて排水先428に排出される。したがって、空気が矢印452に示すように空気導入路432を通ってタンク410内に導入される。
また、給水ステップにおいては、制御装置は、以下の状態に各部を制御する。
・空気弁434:閉
・第1切換弁414:水源水路416からタンク給排水路420に水が流れる状態
・第2切換弁424:タンク給排水路420からタンク給水路430に水が流れる状態
・給排水ポンプ422:作動
このように各部が制御されると、矢印460に示すように、水源水路416と、タンク給排水路420と、タンク給水路430によって、タンク410に水を供給するタンク給水経路が形成される。給排水ポンプ422の作動によって、水供給源418からタンク給水経路を介してタンク410に水が供給される。したがって、タンク410内で空気溶解加圧水が生成される。生成された空気溶解加圧水は、矢印462に示すように浴槽給水路436を流れ、減圧ノズル438から浴槽440内に放出される。したがって、浴槽440内に微細気泡が発生する。
【0014】
以上に説明したように、この微細気泡発生装置によっても、空気導入ステップと給水ステップを実行することができる。また、空気導入ステップでは、給排水ポンプ422によってタンク内の水を排出する。したがって、短時間で空気導入ステップを終了させることができる。
また、給水ステップにおいては給排水ポンプ422がタンク410に水を供給する給水ポンプとして機能し、空気導入ステップにおいては給排水ポンプ422がタンク410から水を排出する排水ポンプとして機能する。したがって、給水ポンプと排水ポンプを別個に設置する必要がない。微細気泡発生装置をより簡略化することができる。
【0015】
上述した微細気泡発生装置は、給排水ポンプが、熱源機に搭載されているポンプにより構成されていてもよい。
すなわち、上述した微細気泡発生装置を、熱源機を備えている浴槽に設置する場合には、給排水ポンプを、熱源機に搭載されているポンプにより構成することができる。例えば、図6の微細気泡発生装置においては、範囲500に示されている構成(すなわち、タンク給排水路420と、給排水ポンプ422と、水源水路416)を、熱源機の水路とポンプを用いて構成することができる。このように、熱源機の構成を利用して微細気泡発生装置を設置すれば、新たに給排水ポンプを設置する必要がない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の微細気泡発生装置によると、空気導入ステップを短時間で終了させることができる。したがって、微細気泡発生装置の連続運転時に浴槽内の水が白濁している状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(特徴1)浴槽給水路には、浴槽給水路を開閉する給水弁が介装されている。
(特徴2)空気導入ステップにおいては給水弁が閉じ、給水ステップにおいては給水弁が開く。
【実施例】
【0018】
本発明の微細気泡発生装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施例の微細気泡発生装置10の回路図を示している。図示するように、微細気泡発生装置10は、浴槽150と水道水供給源200に接続されている。微細気泡発生装置10は、微細気泡発生機110と、熱源機120によって構成されている。熱源機120は、予め浴槽150に設置されていたものである。すなわち、既設の浴槽150と既設の熱源機120の間に微細気泡発生機110を後から追加することで、微細気泡発生機110と熱源機120からなる微細気泡発生装置10が構成されている。
【0019】
(微細気泡発生装置10の構成)
微細気泡発生装置10は、タンク130と、空気導入路140と、第1水路〜第10水路と、減圧ノズル160と、制御装置170を備えている。
【0020】
タンク130は、内部に水を貯めることができる。タンク130の上部には、第1水路11の下流端と空気導入路140の下流端が接続されている。タンク130の下部には、第2水路21の上流端が接続されている。
タンク130の上部には、噴射ノズル131が設置されている。噴射ノズル131には、第1水路11の下流端が接続されている。噴射ノズル131は、第1水路11から供給される水をタンク130内に噴射する。
タンク130の内部には、タンク130の上面から下方に伸びる水位電極132a、132bが設置されている。水位電極132aは、水位電極132bに比べて長い。図示していないが、水位電極132a、132bは、制御装置170と電気的に接続されている。水位電極132a、132bは、タンク130内に貯まっている水の水面に接触すると、制御装置170に信号を出力する。
【0021】
空気導入路140は、上流端が外部に開放されており、下流端がタンク130の上部に接続されている。空気導入路140は、タンク130内に空気を導入する。
空気導入路140には、空気逆止弁141が介装されている。空気逆止弁141は、空気導入路140内を空気が逆流することを阻止する。
空気導入路140の空気逆止弁141より下流側には、空気弁142が介装されている。空気弁142は、空気導入路140を開閉する。図示していないが、空気弁142は制御装置170と電気的に接続されている。空気弁142の開閉は、制御装置170によって制御される。
【0022】
第1水路11は、上流端が切換弁70に連結されており、下流端がタンク130の噴射ノズル131に接続されている。後に詳述するが、第1水路11の上流端は、微細気泡発生装置10の各部の弁を切り替えることによって、水供給源(浴槽150または水道水供給源200のいずれか)に接続される。
第1水路11には、ポンプ12が介装されている。ポンプ12は、第1水路11内の水を下流側へ送り出す。図示していないが、ポンプ12は、制御装置170と電気的に接続されている。ポンプ12の作動は、制御装置170によって制御される。
第1水路11のポンプ12より下流側には、逆止弁13が介装されている。逆止弁13は、第1水路11内の水が逆流することを阻止する。
【0023】
第2水路21の上流端は、タンク130の下部に接続されている。第2水路21の下流端は、分岐して第3水路31と第4水路41となっている。
【0024】
第3水路31の下流端は、切換弁20に連結されている。
【0025】
第4水路41の下流端は、浴槽150に接続されている。
第4水路41と浴槽150との接続部には、減圧ノズル160が設置されている。減圧ノズル160は、第2水路21から供給される水を浴槽150内に噴出する。減圧ノズル160は、流路の断面積が小さい。したがって、したがって、減圧ノズル160は、通水抵抗が非常に高い。
第4水路41の途中には、給水弁42が介装されている。給水弁42は、第4水路41を開閉する。図示していないが、給水弁42は制御装置170と電気的に接続されている。給水弁42の開閉は、制御装置170によって制御される。
【0026】
第5水路51の上流端は、切換弁20に連結されている。第5水路51の下流端は、第6水路61の下流端と、第7水路71の上流端の双方に接続されている。
【0027】
第6水路61の上流端は、水道水供給源200に接続されている。第6水路61の下流端は、第5水路51の下流端と、第7水路71の上流端の双方に接続されている。
第6水路61には、加熱器62が設置されている。加熱器62は、第6水路61内を流れる水を加熱する。図示していないが、加熱器62は、制御装置170と電気的に接続されている。加熱器62の作動は、制御装置170によって制御される。
第6水路61の加熱器62の下流側には、注水弁63が介装されている。注水弁63は、第6水路61を開閉する。図示していないが、注水弁63は制御装置170と電気的に接続されている。注水弁63の開閉は、制御装置170によって制御される。
【0028】
第7水路71の上流端は、第5水路51の下流端と、第6水路61の下流端の双方に接続されている。第7水路71の下流端は、切換弁70に連結されている。
第7水路71には、ポンプ72が介装されている。ポンプ72は、第7水路71内の水を下流側へ送り出す。図示していないが、ポンプ72は、制御装置170と電気的に接続されている。ポンプ72の作動は、制御装置170によって制御される。
第7水路71のポンプ72より下流側には、加熱器73が設置されている。加熱器73は、第7水路71内を流れる水を加熱する。図示していないが、加熱器73は、制御装置170と電気的に接続されている。加熱器73の作動は、制御装置170によって制御される。
【0029】
第8水路81の上流端は、切換弁70に連結されている。第8水路81の下流端は、第9水路91の上流端と、第10水路101の一端の双方に接続されている。
【0030】
第9水路91の上流端は、第8水路81の下流端と、第10水路101の一端の双方に接続されている。第9水路91の下流端は、切換弁20に連結されている。
第9水路91には、逆止弁92が介装されている。逆止弁92は、第9水路91内の水が逆流すること(図1の矢印95に示す方向に水が流れること)を阻止する。
【0031】
第10水路101の一端は、第8水路81の下流端と、第9水路91の上流端の双方に接続されている。第10水路101の他端は、浴槽150に接続されている。
【0032】
切換弁70には、第1水路11の上流端と、第7水路71の下流端と、第8水路81の上流端が連結されている。切換弁70は、第7水路71から第1水路11に水が流れる状態(すなわち、第7水路71と第1水路11とを接続した状態)と、第7水路71から第8水路81に水が流れる状態(すなわち、第7水路71と第8水路81とを接続した状態)とを切り替える。図示していないが、切換弁70は、制御装置170と電気的に接続されている。切換弁70の切換えは、制御装置170によって制御される。
【0033】
切換弁20には、第3水路31の下流端と、第5水路51の上流端と、第9水路91の下流端が連結されている。切換弁20は、第3水路31から第5水路51に水が流れる状態(すなわち、第3水路31と第5水路51とを接続した状態)と、第9水路91から第5水路51に水が流れる状態(すなわち、第9水路91と第5水路51とを接続した状態)とを切り替える。図示していないが、切換弁20は、制御装置170と電気的に接続されている。切換弁20の切換えは、制御装置170によって制御される。
【0034】
上述したように、制御装置170は、水位電極132a、132b、ポンプ12、72、空気弁142、給水弁42、注水弁63、切換弁20、70及び加熱器62、73と電気的に接続されている。また、制御装置170は、図示していない入力装置とも電気的に接続されている。微細気泡発生装置10のユーザが入力装置を操作することで、制御装置170に制御信号が入力される。制御装置170は、入力装置から入力される制御信号と、水位電極132a、132bから入力される信号に応じて、ポンプ12、72、空気弁142、給水弁42、注水弁63、切換弁20、70及び加熱器62、73を制御する。
【0035】
(微細気泡発生装置10の動作)
次に、微細気泡発生装置10の動作について説明する。微細気泡発生装置10は、タンク130に空気を導入する空気導入ステップと、水道水供給源200を水供給源としてタンク130に水を供給する第1給水ステップと、浴槽150を水供給源としてタンク130に水を供給する第2給水ステップを実行することができる。
【0036】
(空気導入ステップ)
空気導入ステップは、タンク130が略満水の状態(すなわち、水位電極132bが水面と接触する水位までタンク130内に水が貯まっている状態)のときに実行される。空気導入ステップでは、タンク130内の水を浴槽150に排出するとともに、タンク130内に空気を導入する。図1は、空気導入ステップ実行中の微細気泡発生装置10の状態を示している。図1中の矢印(矢印95を除く)は、空気導入ステップ実行中における水の流れを示している。空気導入ステップでは、制御装置170は、以下の状態に微細気泡発生装置10の各部を制御する。
・ポンプ12:停止
・空気弁142:開
・給水弁42:閉
・切換弁20:第3水路31と第5水路51とを接続している状態
・切換弁70:第7水路71と第8水路81とを接続している状態
・ポンプ72:作動
・注水弁63:閉
・加熱器73:停止
・加熱器62:停止
【0037】
図1に示すように、空気導入ステップでは、タンク130から、第2水路21、第3水路31、第5水路51、第7水路71、第8水路81及び第10水路101を経て浴槽150に到達するタンク排水経路(すなわち、請求項1のタンク排水経路)が形成される。空気導入ステップでは、ポンプ72がタンク排水経路(第7水路71)内の水を下流側へ送り出すので、タンク130内の水はタンク排水経路を流れて浴槽150に排出される(ポンプ72が、請求項1の第2ポンプとして機能する)。
すなわち、タンク130内の水は、第2水路21へ流れる。第4水路41では給水弁42が閉じているので、水は第2水路21から第3水路31へ流れる。切換弁20は第3水路31と第5水路51を接続しているので、水は第3水路31から第5水路51へ流れる。第6水路61では注水弁63が閉じているので、水は第5水路51から第7水路71へ流れる。切換弁70は第7水路71と第8水路81を接続しているので、水は第7水路71から第8水路81へ流れる。第9水路91は切換弁20によって下流端が閉じられているので、水は第8水路81から第10水路101へ流れる。そして第10水路101から浴槽150に排出される。
【0038】
タンク130内の水が浴槽150に排出されるにしたがって、タンク130内の水位は低下する。タンク130内の圧力は、水位の低下ととともに減少する。また、空気導入ステップでは、空気弁142が開いている。タンク130内の圧力が大気圧以下となると、空気導入路140を通ってタンク130内に空気が流入する。したがって、タンク130内の水面より上側は、略大気圧の空気で満たされる。
【0039】
制御装置170は、タンク130内の水位が、水位電極132aが水面と非接触となる水位となるまで空気導入ステップを継続する。上述したように、微細気泡発生装置10では、ポンプ72がタンク130内の水を排出する排出ポンプとして作動するので、タンク130内の水は高速で排出される。本実施例では、空気導入ステップは約5秒で終了する。
【0040】
なお、上述した空気導入ステップでは、給水弁42を閉じていた。これは、給水弁42(すなわち、第4水路41)を閉じておかないと、ポンプ72の作動によって浴槽150内の水が第4水路41を逆流し、第3水路31に流れ込んでしまうからである。このように、浴槽150内の水が第3水路31に流れ込むと、タンク130内の水を排出する効率が低下してしまう。
しかしながら、各水路の位置関係によっては、給水弁42を開いても浴槽150内の水が第4水路41を逆流しない場合がある(例えば、浴槽150より高い位置に、第2水路21と第3水路31と第4水路41の接続部がある場合等)。この場合、タンク130から第2水路21に流出した水の一部が第4水路41へ流れ込み、浴槽150に排出される。このように水が流れると、タンク130内の水を排出する効率が上昇する。したがって、各水路が上記の現象が得られる位置関係にある場合には、空気導入ステップにおいて給水弁42を開いてもよい。
【0041】
(第1給水ステップ)
第1給水ステップは、タンク130がほぼ空の状態(すなわち、水位電極132aが水面と非接触となる程度までタンク130内の水位が低下している状態)のときに実行される。第1給水ステップでは、水道水供給源200からタンク130に水を供給して空気溶解加圧水を生成する。そして、生成した空気溶解加圧水をタンク130から浴槽150に供給し、浴槽150内に微細気泡を発生させる。図2は、第1給水入ステップ実行中の微細気泡発生装置10の状態を示している。図2中の矢印は、第1給水ステップ実行中における水の流れを示している。第1給水ステップでは、制御装置170は、以下の状態に微細気泡発生装置10の各部を制御する。
・ポンプ12:作動
・空気弁142:閉
・給水弁42:開
・切換弁20:第9水路91と第5水路51とを接続している状態(すなわち、第3水路31の下流端を閉じている状態)
・切換弁70:第7水路71と第1水路11とを接続している状態
・ポンプ72:作動
・注水弁63:開
・加熱器73:停止
・加熱器62:作動
【0042】
図2に示すように、第1給水ステップでは、水道水供給源200から、第6水路61、第7水路71、第1水路11、タンク130に到達するタンク給水経路(すなわち、請求項1のタンク給水経路(水道水供給源200を水供給源とした場合のタンク給水経路))が形成される。また、タンク130から、第2水路21及び第4水路41を経て、浴槽150に到達する浴槽給水経路(すなわち、請求項1の浴槽給水経路)が形成される。第1給水ステップでは、水道水供給源200から水の供給圧力が加わるとともに、ポンプ12とポンプ72の両者がタンク給水経路(第1水路11、第7水路71)内の水を下流側へ送り出す(ポンプ12とポンプ72が、請求項1の第1ポンプとして機能する)。したがって、水道水供給源200から供給される水は、タンク給水経路を流れてタンク130に供給され、タンク130から浴槽給水経路を流れて浴槽150に供給される。
すなわち、注水弁63が開いているので、水道水供給源200から第6水路61内に水が流入する。第6水路61に流入した水は、第5水路51と第7水路71との接続部に流入する。第5水路51の上流端は、切換弁20によって第9水路91に接続されているが、第9水路91は逆止弁92によって逆流が阻止されている。したがって、水は第6水路61から第7水路71へ流れる。切換弁70は第7水路71と第1水路11を接続しているので、水は第7水路71から第1水路11へ流れる。そして、第1水路11の下流端に接続されている噴射ノズル131からタンク130内に噴射される。タンク130内での水の動きについては後に詳述するが、タンク130内に噴射された水は第2水路21へ流れる。第4水路41の給水弁42が開いており、第3水路31の下流端が切換弁20によって閉じられているので、水は第4水路41へ流れる。そして、減圧ノズル160から浴槽150内へ水が放出される。
【0043】
上述したように、水道水供給源200から供給される水は、水道水供給源200からの水の供給圧力と、ポンプ12とポンプ72が水を送り込む圧力によってタンク130へ送られる。したがって、水は非常に高い圧力でタンク130に供給される。すなわち、噴射ノズル131からタンク130内に非常に高い圧力で水が噴射される。このとき、空気弁142は閉じているので、タンク130は第2水路21を除いて密閉されている。タンク130内の水は第2水路21を経て減圧ノズル160から浴槽150内へ放出されるが、上述したように、減圧ノズル160の通水抵抗は高い。したがって、減圧ノズル160から浴槽150内に放出される水量よりも、噴射ノズル131からタンク130内に噴射される水量の方が多くなる。したがって、タンク130内の圧力が上昇する。噴射ノズル131から噴射される水の圧力が非常に高いので、タンク130内の圧力は短時間で高圧となる。タンク130内に噴射された水がタンク130内に貯まっている水の水面等に衝突するとき等には、水の中に空気が巻き込まれる。このとき、タンク130内の圧力が高いので、水の中に巻き込まれた空気は水に溶解する。したがって、タンク130内で空気溶解加圧水が生成される。タンク130内で生成された空気溶解加圧水は、第2水路21と第4水路41を介して、減圧ノズル160から浴槽150内に放出される。浴槽150内に放出された空気溶解加圧水は、減圧ノズル160を通過した瞬間に急激に減圧される。すると、水に溶解していた空気が、直径20μm程度の微細気泡となる。すなわち、浴槽150内に多量の微細気泡が発生し、水が白濁する。
なお、浴槽150に供給される水は、第6水路61内を流れるときに加熱器62によって加熱されている。したがって、浴槽150には温水が供給される。
【0044】
上述したように、第1給水ステップでは、減圧ノズル160から浴槽150内に放出される水量よりも、噴射ノズル131からタンク130内に噴射される水量の方が多い。したがって、タンク130内の水位は、第1給水ステップを実行している間に徐々に上昇する。制御装置170は、タンク130内の水位が、水位電極132bが水面と接触する水位となるまで第1給水ステップを継続する。
【0045】
以上に説明した第1給水ステップと空気導入ステップを実行する場合、微細気泡発生装置10の各部は以下のように機能する。
第7水路71は、空気導入ステップ実行中にはタンク130から排出する水が流れ、第1給水ステップ実行中にはタンク130に供給する水が流れる水路である。すなわち、第7水路71は、請求項3のタンク給排水路として機能する。
第1水路11は、第1給水ステップ実行中に、タンク給排水路(第7水路71)から供給される水をタンク130に供給する。すなわち、第1水路11は、請求項3のタンク給水路として機能する。
第2水路21と第4水路41は、第1給水ステップ実行中に、タンク130内の水を浴槽150へ供給する。すなわち、第2水路21と第4水路41は、請求項3の浴槽給水路として機能する。
第6水路61は、第1給水ステップ実行中に、水供給源(水道水供給源200)から供給される水をタンク給排水路(第7水路71)に供給する。すなわち、第6水路61は、請求項3の水源水路として機能する。
第2水路21、第3水路31及び第5水路51は、空気導入ステップ実行中に、タンク130内の水をタンク給排水路(第7水路71)に供給する。すなわち、第2水路21、第3水路31及び第5水路51は、請求項3のタンク排水路として機能する。上述したように、第2水路21は、浴槽給水路としても機能する。第2水路21は、浴槽給水路でもあり、タンク排水路でもある。
第8水路81と第10水路101は、空気導入ステップ実行中に、タンク給排水路(第7水路71)から供給される水を排水先(浴槽150)に排出する。すなわち、第8水路81と第10水路101は、請求項3の排出水路として機能する。
空気導入ステップの実行中には、注水弁63が閉じ、切換弁20が第3水路31と第5水路51を接続する。これによって、タンク排水路(第2水路21、第3水路31及び第5水路51)からタンク給排水路(第7水路71)に水が流れる状態となる。一方、第1給水ステップの実行中には、注水弁63が開き、切換弁20がタンク排水路(第2水路21、第3水路31及び第5水路51)を閉じる(すなわち、第3水路31から第5水路51に水が流れない状態とする)。これによって、水源水路(第6水路61)からタンク給排水路(第7水路71)に水が流れる状態となる。すなわち、注水弁63と切換弁20によって、タンク排水路からタンク給排水路に水が流れる状態と、水源水路からタンク給排水路に水が流れる状態とを切り換える第1切換弁(請求項3の第1切換弁)が構成されている。
切換弁70は、タンク給排水路(第7水路71)とタンク給水路(第1水路11)を接続している状態と、タンク給排水路(第7水路71)と排出水路(第8水路81)を接続している状態とを切り換える。すなわち、切換弁70は、請求項3の第2切換弁として機能する。
ポンプ72は、タンク給排水路(第7水路71)内の水を下流側へ送り出す。すなわち、ポンプ72は、請求項3の給排水ポンプとして機能する。なお、タンク給排水路(第7水路71)は、タンク給水経路の一部でもあり、タンク排水経路の一部でもある。したがって、ポンプ72は、請求項1の第1ポンプでもあり、第2ポンプでもある。
【0046】
(第2給水ステップ)
第2給水ステップは、タンク130がほぼ空の状態(すなわち、水位電極132aが水面と非接触となる程度までタンク130内の水位が低下している状態)のときに実行される。第2給水ステップでは、浴槽150からタンク130に水を供給して空気溶解加圧水を生成する。そして、生成した空気溶解加圧水をタンク130から浴槽150に戻し、浴槽150内に微細気泡を発生させる。図3は、第2給水入ステップ実行中の微細気泡発生装置10の状態を示している。図3中の矢印は、第2給水ステップ実行中における水の流れを示している。第2給水ステップでは、制御装置170は、以下の状態に微細気泡発生装置10の各部を制御する。
・ポンプ12:作動
・空気弁142:閉
・給水弁42:開
・切換弁20:第9水路91と第5水路51とを接続している状態
・切換弁70:第7水路71と第1水路11とを接続している状態
・ポンプ72:作動
・注水弁63:閉
・加熱器73:停止
・加熱器62:停止
【0047】
図3に示すように、第2給水ステップでは、浴槽150から、第10水路101、第9水路91、第5水路51、第7水路71、第1水路11、タンク130に到達するタンク給水経路(すなわち、請求項1のタンク給水経路(浴槽150を水供給源とした場合のタンク給水経路))が形成される。また、タンク130から、第2水路21及び第4水路41を経て、浴槽150に到達する浴槽給水経路(すなわち、請求項1の浴槽給水経路)が形成される。第2給水ステップでは、ポンプ12とポンプ72がタンク給水経路(第1水路11と第7水路71)内の水を下流側へ送り出す(ポンプ12とポンプ72が、請求項1の第1ポンプとして機能する)。したがって、浴槽150内の水はタンク給水経路を流れてタンク130に供給され、タンク130から浴槽給水経路を流れて浴槽150に戻される。
すなわち、浴槽150内の水は、第10水路101へ流れる。第8水路81は切換弁70によって上流端が閉じられているので、水は第10水路101から第9水路91へ流れる。切換弁20が第9水路91と第5水路51を接続しているので、水は第9水路91から第5水路51へ流れる。注水弁63が閉じているので、水は第5水路51から第7水路71へ流れる。切換弁70が第7水路71と第1水路11を接続しているので、水は第7水路71から第1水路11へ流れる。そして、第1水路11の下流端に接続されている噴射ノズル131からタンク130内に噴射される。タンク130内では、第1給水ステップと同様にして、空気溶解加圧水が生成される。生成された空気溶解加圧水は、第2水路21へ流れる。第4水路41の給水弁42が開いており、第3水路31の下流端が切換弁20によって閉じられているので、水は第4水路41へ流れる。そして、減圧ノズル160から浴槽150内へ水が放出される。すなわち、浴槽150内に空気溶解加圧水が放出され、浴槽150内に多量の微細気泡が発生する。
【0048】
タンク130内の水位は、第2給水ステップを実行している間に徐々に上昇する。制御装置170は、タンク130内の水位が、水位電極132bが水面と接触する水位となるまで第2給水ステップを継続する。
【0049】
以上に説明した第2給水ステップと空気導入ステップを実行する場合、微細気泡発生装置10の各部は以下のように機能する。
第5水路51と第7水路71は、空気導入ステップ実行中にはタンク130から排出する水が流れ、第2給水ステップ実行中にはタンク130に供給する水が流れる水路である。すなわち、第5水路51と第7水路71は、請求項3のタンク給排水路として機能する。
第1水路11は、第2給水ステップ実行中に、タンク給排水路(第7水路71)から供給される水をタンク130に供給する。すなわち、第1水路11は、請求項3のタンク給水路として機能する。
第2水路21と第4水路41は、第2給水ステップ実行中に、タンク130内の水を浴槽150へ供給する。すなわち、第2水路21と第4水路41は、請求項3の浴槽給水路として機能する。
第9水路91と第10水路101は、第2給水ステップ実行中に、水供給源(浴槽150)から供給される水をタンク給排水路(第5水路51)に供給する。すなわち、第9水路91と第10水路101は、請求項3の水源水路として機能する。
第2水路と第3水路31は、空気導入ステップ実行中に、タンク130内の水をタンク給排水路(第5水路51)に供給する。すなわち、第2水路21と第3水路31は、請求項3のタンク排水路として機能する。上述したように、第2水路21は、浴槽給水路としても機能する。第2水路21は、浴槽給水路でもあり、タンク排水路でもある。
第8水路81と第10水路101は、空気導入ステップ実行中に、タンク給排水路(第7水路71)から供給される水を排水先(浴槽150)に排出する。すなわち、第8水路81と第10水路101は、請求項3の排出水路として機能する。上述したように、第10水路101は、水源水路としても機能する。第10水路101は、水源水路でもあり、排出水路でもある。
切換弁20は、タンク排水路(第3水路31)とタンク給排水路(第5水路51)を接続している状態と、水源水路(第9水路91)とタンク給排水路(第5水路51)を接続している状態とを切り換える。すなわち、切換弁20は、請求項3の第1切換弁として機能する。
切換弁70は、タンク給排水路(第7水路71)とタンク給水路(第1水路11)を接続している状態と、タンク給排水路(第7水路71)と排出水路(第8水路81)を接続している状態とを切り換える。すなわち、切換弁70は、請求項3の第2切換弁として機能する。
ポンプ72は、タンク給排水路(第7水路71)内の水を下流側へ送り出す。すなわち、ポンプ72は、請求項3の給排水ポンプとして機能する。
【0050】
ユーザが入力装置で所定の操作を行うと、制御装置170に微細気泡供給運転の実行を指示する制御信号が入力される。制御装置170は、その制御信号の入力を受けると、上述の空気導入ステップ、第1給水ステップ及び第2給水ステップを実行する。制御装置170は、図4のフローチャートに従って各ステップを実行する。
【0051】
図4に示すように、制御装置170は、最初に、空気導入ステップS2と第1給水ステップS4で構成される足し湯運転を実行する。これによって、水道水供給源200からタンク130に水が供給され、タンク130内で空気溶解加圧水が生成される。そして、浴槽150に空気溶解加圧水が供給され、浴槽150内に微細気泡が発生する。
【0052】
足し湯運転が終了すると、制御装置170は、空気導入ステップS6と第2給水ステップS8で構成される循環運転を実行する。これによって、浴槽150からタンク130に水が供給され、タンク130内で空気溶解加圧水が生成される。そして、浴槽150に空気溶解加圧水が供給され、浴槽150内に微細気泡が発生する。
【0053】
制御装置170は、循環運転を3回実行すると(ステップS10でYES)、足し湯運転(空気導入ステップS12、第1給水ステップS14)を実行する。
【0054】
ステップS12、S14の足し湯運転は、ステップS2、S4の足し湯運転と同様にして行われる。ステップS12、S14で足し湯運転を実行することで、微細気泡発生装置10の水路内がクリーニングされる。すなわち、循環運転の実行時には、浴槽150から供給される水が微細気泡発生装置10の水路内を流れる。したがって、循環運転の終了後には、微細気泡発生装置10の水路内に異物等が残存していることが多い。循環運転の終了後に足し湯運転を実行し、水道水供給源200から供給される水を水路内に流すことで、微細気泡発生装置10の水路内をクリーニングすることができる。
【0055】
以上に説明したように、実施例の微細気泡発生装置10では、空気導入ステップにおいて、ポンプ72によってタンク130内の水を排出する。したがって、タンク130内の水が高速で排出され、空気導入ステップを短時間で終了させることができる。図4のフローチャートのように、空気導入ステップと給水ステップ(第1給水ステップと第2給水ステップ)の繰り返し運転を実行したときには、浴槽150内に微細気泡が発生しない時間が短くなる。したがって、浴槽150内の水を白濁した状態に維持することができる。
また、タンク130内の水を、水の自重によらず、ポンプ72によって排出するので、タンク130を排水先(例えば、浴槽150)よりも低い位置に設置しても、タンク130内の水を排出することができる。
【0056】
また、この微細気泡発生装置10は、既設の熱源機120のポンプをポンプ72として使用する。したがって、微細気泡発生装置10を設置するときに、別個にポンプ72を設置する必要がない。
【0057】
また、この微細気泡発生装置10は、ポンプ72のほかに、ポンプ12を備えている。したがって、タンク130により高い圧力で水を供給することができる。これによって、タンク130内でより効率的に空気溶解加圧水を生成することが可能となっている。
【0058】
なお、ポンプ12は、微細気泡発生機110内における第7水路71(例えば、第7水路71の下流端近傍(切換弁70の近傍))に設置してもよい。このような構成によれば、空気導入ステップにおいて、ポンプ72とともにポンプ12を作動させることで、タンク130内の水をポンプ72とポンプ12の両者によって排出することができる。したがって、より高速でタンク130内の水を排出することが可能となる。
また、既設の熱源機120のポンプ(すなわち、ポンプ72)が、タンク130内で空気溶解加圧水を生成するのに十分なポンプ能力(加圧能力)を有している場合には、ポンプ12を設置しなくてもよい。この場合、給水ステップにおいて、ポンプ72のみによってタンク130に水を送り出す。このような構成によっても、給水ステップと空気導入ステップを好適に実行することができる。また、微細気泡発生装置10の構成を簡略化することができる。
【0059】
なお、上述した給水ステップ(すなわち、第1給水ステップと第2給水ステップ)では、給水弁42を開いていた。しかしながら、給水ステップの開始直後においては給水弁42を閉じておき、給水ステップを開始してから所定時間経過後に給水弁42を開くようにしてもよい。このように給水弁42を開くタイミングを設定すると、給水ステップの開始後にタンク130内の圧力を急速に上昇させることができる。したがって、給水弁42を開いたときにより多くの空気を溶解している空気溶解加圧水が浴槽150に供給される。すなわち、浴槽150内により多くの微細気泡を発生させることができる。
【0060】
(参考例)
次に、従来の微細気泡発生装置に比べてより早くタンク内の水を排出することができる微細気泡発生装置を、参考例として説明する。図5は、参考例の微細気泡発生装置300を示している。
微細気泡発生装置300は、タンク330と、空気導入路340と、浴槽150からタンク330に水を供給するタンク給水路350と、タンク330から浴槽150に水を供給する浴槽給水路360を備えている。そして、浴槽給水路360の途中とタンク給水路350の途中(ポンプ312より浴槽150側)とを接続する排水路370を備えている。排水路370には、開閉弁372が介装されている。
【0061】
この微細気泡発生装置300では、給水ステップにおいて、空気弁342を閉じ、開閉弁372を閉じるとともにポンプ312を作動させる。これによって、浴槽150内の水がタンク給水路350を通ってタンク130に供給される。タンク130内では、空気溶解加圧水が生成される。生成された空気溶解加圧水は、浴槽給水路360を通って浴槽150に供給される。
空気導入ステップでは、ポンプ312を停止し、空気弁342を開くとともに開閉弁372を開く。すると、タンク130内の水が自重によって浴槽給水路360へ流出する。減圧ノズル362の通水抵抗が高いので、浴槽給水路360へ流出した水の多くは、矢印390に示すように排水路370とタンク給水路350を通って浴槽150に流入する。これによって、タンク330内の水が排出され、タンク330内に空気が導入される。
【0062】
以上のように、微細気泡発生装置300では、空気導入ステップにおいて、タンク330内の水が排水路370とタンク給水路350を通って浴槽150に流入する。タンク給水路350と浴槽150との接続部には、減圧ノズルが設置されていないので、通水抵抗が低い。したがって、より早くタンク330内の水を排出することができる。
【0063】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例の微細気泡発生装置10の空気導入ステップの実行中の状態を示す系統図。
【図2】実施例の微細気泡発生装置10の第1給水ステップの実行中の状態を示す系統図。
【図3】実施例の微細気泡発生装置10の第2給水ステップの実行中の状態を示す系統図。
【図4】実施例の微細気泡発生装置10が実行する制御のフローチャート。
【図5】参考例の微細気泡発生装置10の系統図。
【図6】請求項3の微細気泡発生装置の一例を示す系統図。
【符号の説明】
【0065】
10:微細気泡発生装置
11:第1水路
12:ポンプ
21:第2水路
31:第3水路
41:第4水路
42:給水弁
51:第5水路
61:第6水路
63:注水弁
71:第7水路
72:ポンプ
81:第8水路
91:第9水路
101:第10水路
110:微細気泡発生機
120:熱源機
130:タンク
140:空気導入路
142:空気弁
150:浴槽
160:減圧ノズル
200:水道水供給源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を溶解している加圧水を浴槽に供給し、溶解空気から得られる微細気泡を浴槽内で発生させる装置であって、
タンクと、
タンク内に空気を導入する空気導入路と、
空気導入路を開閉する空気弁と、
上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続可能な浴槽給水経路と、
浴槽給水経路と浴槽の接続部に設置される減圧ノズルと、
上流端が水供給源に接続可能であり、下流端がタンクに接続されているタンク給水経路と、
タンク給水経路に介装されており、タンク給水経路内の水を下流側へ送り出す第1ポンプと、
上流端がタンクに接続されており、下流端が排水先に接続可能なタンク排水経路と、
タンク排水経路に介装されており、タンク排水経路内の水を下流側へ送り出す第2ポンプと、
空気弁と、第1ポンプと、第2ポンプを制御する制御装置を備えており、
その制御装置は、
空気弁を開くとともに第2ポンプを作動させることによって、タンク内の水を排水先に排出するとともに空気をタンク内に導入する空気導入ステップと、
空気弁を閉じるとともに第1ポンプを作動させることによって、水をタンク内に供給する給水ステップ、
を実行することを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記第2ポンプは、熱源機に搭載されているポンプにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
空気を溶解している加圧水を浴槽に供給し、溶解空気から得られる微細気泡を浴槽内で発生させる装置であって、
タンクと、
タンク内に空気を導入する空気導入路と、
空気導入路を開閉する空気弁と、
上流端がタンクに接続されており、下流端が浴槽に接続可能な浴槽給水路と、
浴槽給水路と浴槽の接続部に設置される減圧ノズルと、
下流端がタンクに接続されているタンク給水路と、
上流端がタンクに接続されているタンク排水路と、
上流端が第1接続部においてタンク排水路の下流端に接続されており、下流端が第2接続部においてタンク給水路の上流端に接続されているタンク給排水路と、
タンク給排水路に介装されており、タンク給排水路内の水を下流側へ送り出す給排水ポンプと、
上流端が水供給源に接続可能であり、下流端が第1接続部に接続されている水源水路と、
第1接続部に介装されており、タンク排水路からタンク給排水路に水が流れる状態と、水源水路からタンク給排水路に水が流れる状態とを切り換える第1切換弁と、
上流端が第2接続部に接続されており、下流端が排水先に接続可能な排出水路と、
第2接続部に介装されており、タンク給排水路からタンク給水路に水が流れる状態と、タンク給排水路から排出水路に水が流れる状態とを切り換える第2切換弁と、
空気弁と、給排水ポンプと、第1切換弁と、第2切換弁を制御する制御装置、
を備えており、
その制御装置は、
空気弁を開き、第1切換弁をタンク排水路からタンク給排水路に水が流れる状態とし、第2切換弁をタンク給排水路から排出水路に水が流れる状態とし、給排水ポンプを作動させることによって、タンク内の水を排水先に排出するとともに空気をタンク内に導入する空気導入ステップと、
空気弁を閉じ、第1切換弁を水源水路からタンク給排水路に水が流れる状態とし、第2切換弁をタンク給排水路からタンク給水路に水が流れる状態とし、給排水ポンプを作動させることによって、水を水供給源からタンク内に供給する給水ステップ、
を実行することを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記給排水ポンプは、熱源機に搭載されているポンプにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の微細気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−18118(P2009−18118A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184843(P2007−184843)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】