説明

微細結晶子高機能金属合金部材とその製造方法

【課題】その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法とそのビジネス展開。
【解決手段】結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金の結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化し、その形状を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電子部材、自動車/航空部材、理化学部材、医療部材、宝飾部材、楽器部材、食器部材、構造部材等に好適な高性能弾性限度金属合金部材及び製造方法に関する。
【背景技術】
従来、金属材料として金(Au)、プラチナ(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(AI)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、等が知られており、各分野で使用されている。
本発明は、金属/貴金属合金の持つ優れた特性を失うことなく、諸特性を向上させ、有害フリーで、これ等の特性を調整できる新しい改質合金である微細結晶子高機能金属・貴金属合金を提供することを特徴とする。
特に微細結晶子の調整により、強度、ヤング率、伸び、耐熱性、耐食性、バネ性があり、耐久性等をコントロールし、更に加工しやすく、作業性の良い微細結晶子高機能金属合金を提供することを特徴とする。。
本発明は、合金材料自身がもつ素晴らしい特性を生かすために、硬度、引張強度、ヤング率、伸び、耐食性、変色性、高温特性、作業性、を維持又は向上させながら、機能特性を向上させ、耐久性、加工性を上げて、作業し易く、無駄の無い、微細結晶子高機能金属合金部材と及びその製造方法を提供する
従来の金属材料は、各分野の用途に用いる場合に機械的性質、物理的特性、化学的特性等が必ずしも充分と言えない。また作業性が悪いという問題もある。本発明の目的は、上記金属材料の持つ特徴を維持して、これらの不具合な特性を改善、改良し、向上させることで、要求する新しい微細結晶子高機能合金部材を得ることにある。
本発明では、結晶子を微細化(10−9m〜10−3m)し、そのサイズと形状をコントロールし、物理・電機・機械・化学特性等の高い、性能、品質、機能・加工・作業等の優れた新しい微細結晶子高機能金属合金部材が得られることを見出し、その製造方法を確立した。
本発明の微細結晶子金属合金部材は、新しく開発した微細結晶子のサイズとその形状をコントロールすることで、従来の金属合金の硬度、引張強度、伸び、ヤング率、耐力、軟化特性、導電率、熱伝導率、加工性、作業性等の諸特性を維持、向上させ、更にこれ等の諸特性をコントロールできるので、機能、性能・品質・加工・作業等に無駄を省くことが出来ることを特徴とする。
本発明の微細結晶子金属合金は、焼鈍なしで90%以上の加工ができる。圧延方向を変えても割れが発生しない等の特徴を示す。
商品化の場合に、加工し易く、変形し難く、耐久性があるので軽薄短小化に好適である。
本発明の微細結晶子高機能金属/貴金属合金は、硬度、引張強度、ヤング率、耐力、弾性限度、伸び、ばね性等の特性が高く。加工もし易く、作業性がよい。高純度で結晶子も微細で、添加元素の体積占有率も小さいので、電気伝導率、熱伝導率の高い電子材料が得られる。ヤング率を下げないで諸特性を上げられるので、その商品展開範囲が大きい。楽器を製作した場合、独創的な音色/音響がえられる。ばね性が上げられるので柔軟性があり、コシのある線材、板材が得られる。耐熱性が上げられるのでその用途は広い。物理特性、機械特性、電気特性及び化学特性の高い材料が得られる。
本発明微細結晶子高機能合金では、導電率、ヤング率をほとんど下げることなく諸特性を上げることが出来る特徴を見出し、確立した。
毒性フリーであることも大きな特徴。
本発明微細結晶子高機能合金は、結晶子がナノメーターサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメーターサイズ(10−6m〜10−3m)なので薄膜のスパッター膜、蒸着膜、メッキ膜でも同様の高機能特性が得られる。
【発明の開示】
本発明は、上述のような市場の要求から生じたものであり、その目的は、機械/物理/化学的特性を維持、改良、調整し、目標の機能、性能、品質、作業性の優れた、毒性フリーである微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法を提供することである。
本発明では、金属合金の機械特性、電気特性、物理特性、化学特性等の諸性能を向上、維持させる、最も重要な結晶子を微細化する新しい方法を見出し、確立した。
更に、耐食性、変色性にも優れた微細結晶高機能金属合金部材及びその製造方法と上記常温での特性のみならず、高温での諸特性の優れた微細結晶子金属合金部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
貴金属合金の欠点を解決するためのPCT/JP96/00510、PCT/JP97/02014、PCT/JP00/04411、PCT/03/01993、PCT/JP2007/073133を提案してきた。本発明は、更に広範囲に展開するものである。微細結晶子高機能貴金属合金及び微細結晶子高機能金属合金で、新たな現象を見出しその実用化を確立した。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、Au、Ag、Pt、Pd、Al、Mg、Cu、Fe及びTiの高純度金属合金含む金属合金ににGdを添加して、溶解後、30mm幅×10mm厚板に鋳造し、更に溶体化、時効後、0.2mm厚板に圧延加工した板の平均結晶子サイズを示す。結晶子サイズは鋳造法、加工法、熱処理法によって調整できることを見出した。結晶子サイズを図1のようにナノメーターまで微細化できたので、そのサイズを10nm〜10−3nmの範囲で調整でき、組織形状も調整できるようになった。結晶格子が面心立方格子、体心立方格子及び細密六方格子でも、そのサイズを微細化し、組織形状を調整できた。元素が代わっても、サイズを微細化でき、組織形状を調整できることがわかった。
【図2】第2図は、本発明の微細結晶子高機能合金の結晶格子とその導電率、ヤング率、硬度、引張強度、耐力、伸び、軟化温度の上昇倍率及び耐腐食性をしめす。ヤング率、導電率を低下させることなく、硬度、引張強度、耐力、伸び、軟化点を大幅に向上し、その調整が可能であること示している。耐腐食性も向上し、金属腐食の防止効果が大きいことが分かった。発明を実施するための最良の形態本発明の第1実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度金Au合金を含む金Au合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm末満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第1の実施形態に係る最初の微細結晶子高機能金Au合金部材は、金Au含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、金Au90%−Ag10%重量からなる金合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、金Au50%−Ag50%重量からなる金合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。最後に、金Au10%−Ag90%重量からなる金合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は27nm、15nm、19nm及び23nmであった。新たに、結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)で調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍上伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2.3倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できるようになった。加工性も良くなり、諸特性も向上して、これ等諸特性のバランスを取ることもできるようになった。板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。この際の金合金素材を鋳造し、溶体化処理温度は500℃〜2700℃、時効処理温度は−100℃〜700℃とすることが可能である。高機能金合金を得るための、特に好ましい製造条件は、溶体化処理温度600〜1000℃、時効処理温度は150〜550℃である。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に見られる。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度金Au合金を含む金Au合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させて、試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。5ppmから添加効果を示し、30000ppm以上では特性が低下する。金AuとガドリニウムGd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、ジルコニウムZr、スズSn、インジウムIn、銅Cu、銀Ag、プラチニウムPt、パラジウムPd、アルミニウムAl、鉄Fe、ニッケルNi、マンガンMn、コバルトCo、ガリウムGaから選択された少なくとも1種の元素と構成された金属合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金合金でも、機能特性の顕著な上昇を示した。本発明の第2実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度銀Ag合金を含む銀Ag合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第2の実施形態に係る微細結晶子高機能銀Ag合金部材は、銀Ag含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、Ag90%−Pd10%重量からなる銀Ag合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、Ag50%−Pd50%重量からなる銀Ag合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。最後に、Ag10%−Pd90%重量からなる銀Ag合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は8nm、19nm、23nm、25nmであった。新たに、結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10m)で調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2.2倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性を向上させ、これ等諸特性のバランスを取ることもできるようになった。板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。銀Ag合金は、溶体化処理温度は450〜2200℃、時効処理温度は100〜600℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が500〜1550℃、時効処理温度は150〜500℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。ガドリニウムGdを添加することによって、導電率をほとんど下げないで、ヤング率を下げることなく若干上げながら、引張強度、硬度、耐力、伸び、耐熱性を上げ、更に硫化、酸化を遅延できることが分かった。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に見られた溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度銀Ag合金を含む銀Ag合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記銀Ag合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果であった。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、ヤング率、耐熱性の特性が向上し、バネ性を示した。加工し易く、作業性も向上した。導電率の低下は殆ど見られなかった。銀AgとガドリニウムGd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、ジルコニウムZr、スズSn、インジウムIn、銅Cu、パラジウムPd、アルミニウムAl、亜鉛Zn、ニッケルNi、ガリウムGaから選択された少なくとも1種の元素と構成された金属合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた銀合金でも、諸特性の顕著な上昇を示した。本発明の第3実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度プラチニウムPt合金を含むプラチニウムPt合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第3の実施形態に係る微細結晶子高機能プラチニウムPt合金は、プラチニウムPt含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、Pt90%−Pd10%重量からなるプラチニウムPt合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、Pt50%−Cu50%重量からなるプラチニウムPt合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。最後に、Pt10%−Cu90%重量からなるプラチニウム合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は11nm、19nm、17nm、22nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)で調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2倍以上上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性を向上させ、これ等諸特性のバランスを取ることもできるようになった.板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。高純度プラチナPT合金を含むプラチニウム合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた貴金属合金で構成される。プラチニウムPt合金は、溶体化処理温度は600〜2800℃、時効処理温度は150〜1400℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が500〜1600℃、時効処理温度は150〜1000℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に示した。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度プラチナPt合金を含むプラチナPt合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記配合プラチウムPt組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果であった。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、伸び、耐力、耐熱性の特性が向上し、バネ性を示した。加工し易く、作業性も向上した。ヤング率と導電率の低下は殆ど見られなかった。プラチニウムPtと以外の希土類ガドリニウムGd元素、アルカリ土類元素、ジルコニウムZr、スズSn、インジウムIn、銅Cu、パラジウムPd、ニッケルNi、タングステンW、イリジウムIr、ロジウムRh、ルテニウムRu、オスミウムOs、ガリウムGaからなる群から選択された少なくとも1種の元素と構成された金属合金にガドリニウムGdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させたプラチニウム合金でも、同様に諸特性及びバランス特性の顕著な上昇を示した。本発明の第4実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度金パラジウムPd合金を含むパラジウムPd合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第4の実施形態に係る微細結晶子高機能パラジウムPd合金部材は、パラジウムPd含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した平均結晶子径は15nm、であった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)に調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2。3倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性を向上させ、これ等諸特性を調整できるようになった。板、線、薄膜、粉末でその効果が認められた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。パラジウムPd合金を含むパラジウムPd合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた貴金属合金で構成される。パラジウムPd合金は、溶体化処理温度は500〜2700℃、時効処理温度は150〜1300℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が550〜1500℃、時効処理温度は150〜900℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に示した。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度パラジウムPd合金を含むパラジウムPd合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記合プラチウムPt組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果があった。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、耐力、耐熱性等の特性が向上し、バネ性を示した。加工し易く、作業性も向上した。導電率とヤング率の低下は殆ど見られなかった。パラジウムPd合金は、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させたパラジウムPd合金でも、同様に諸特性及びバランス特性の顕著な上昇を示した。本発明の第5実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度アルミニウムAl合金を含むアルミニウムAl合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第5の実施形態に係る微細結晶子高機能アルミニウムAl合金部材は、アルミニウムAl含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、アルミニウムAl90%−マグネシウムMg10%重量からなるアルミニウムAl合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、アルミニウムAl50%−マグネシウムMg50%重量からなるアルミニウムAl合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。最後に、アルミニウムAl10%−マグネシウムMg90%重量からなるアルミニウムAl合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は6nm、13nm、27nm、19nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)に調整できた。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は8nm、13nm、27nm、19nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)で調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2.4倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性が向上し、これらの諸特性を調整できた。アルミニウムAl合金部材は、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させたアルミニウムAl合金で構成される。アルミニウムAl合金は、溶体化処理温度は300〜2000℃、時効処理温度は50〜450℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が500〜1600℃、時効処理温度は50〜400℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。ガドリニウムGdを添加することによって、高機能があり、耐久性のある、加工し易い部材が得られることを見出した。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に見られる。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度アルミニウムAl合金を含むアルミニウムAl合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さて試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記合アルミニウムAl合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果が認められた。本発明の第6実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度マグネシウムMg合金を含むマグネシウムMg合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第6の実施形態に係る微細結晶子高機能マグネシウムMg合金部材は、含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は12nmであった。結晶子サイズが、ナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)で調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2倍以上上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性が向上し、その諸特性を調整できた。本発明の微細結晶子高機能マグネシウム合金は、マグネシウムMg地金、マグネシウムMg合金にガドリニウムGd5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させて構成される。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2倍以上上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。マグネシウムMg合金は、溶体化処理温度は250〜1050℃、時効処理温度は110〜500℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が500〜1000℃、時効処理温度は50〜450℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。ガドリニウムGdを添加することによって、高機能で、耐久性のある、加工し易い部材が得られることを見出した。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果を顕著に示した。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、面心立方格子である高純度マグネシウムMg合金を含むマグネシウムMg合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記合マグネシウムMg組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果であった。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、耐力、伸び、耐熱性の特性が向上し、加工し易く、作業性も向上した。導電率とヤング率の低下は殆ど見られなかった。本発明の第7実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度銅Cu合金を含む銅Cu合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第7の実施形態に係る微細結晶子高機能銅Cu合金部材は、含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、銅Cu90%−亜鉛Zn10%重量からなる銅Cu合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、銅Cu65%−亜鉛Zn%重量からなる銅Cu合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。最後に、銅Cu10%−銀Ag90%重量からなる銅Cu合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は17nm、7nm、21nm、13nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)に調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2.3倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性が向上し、これらの諸特性を調整できた。板、線、薄膜、粉末でその効果が認められた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。銅Cu合金は、溶体化処理温度は600〜2500℃、時効処理温度は150〜850℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が600〜1600℃、時効処理温度は150〜780℃である。ガドリニウムGdを添加することによって、高機能あり、耐久性のある、加工し易い部材が得られることを見出した。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著であった。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を得た。結晶格子が、面心立方格子である高純度銅Cu合金を含む銅Cu合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記銅Cu合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、耐力、伸び、耐熱性の特性が向上し、加工し易く、作業性も向上した。ヤング率と導電率の低下は殆ど見られなかった。本発明の第8実施形態に係る微細結晶子高機能金属合金部材は、高純度鉄Fe合金を含む鉄Fe合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第8の実施形態に係る微細結晶子高機能鉄Fe合金部材は、含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、鉄Fe99%−シリコンSi1%重量からなる鉄Fe合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。更に、鉄Fe%−ニッケルNi17%−アルミニウムAl8%重量からなる鉄Fe合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、熱処理後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した其々の平均結晶子径は7nm、27nm、18nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)に調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2倍以上上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性が向上し、これらの諸特性を調整できた。板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。溶体化処理は820℃×1時間行ない、時効処理は480℃×3時間行った。鉄Fe合金は、溶体化処理温度は600〜2800℃、時効処理温度は150〜700℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が600〜2000℃、時効処理温度は150〜700℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。ガドリニウムGdを添加することによって、機能特性が向上し、耐久性のある、加工し易い部材が得られることを見出した。上記加工方法で加工したがいずれの場合でも、ガドリニウムGd添加効果が顕著に見られる。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、体心立方格子である高純度鉄Fe合金を含む鉄Fe合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記銅鉄Fe合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、耐力、伸び、耐熱性等の特性が向上し、加工し易く、作業性も向上した。導電率とヤング率の低下は殆ど見られなかった。上記鉄Fe合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果であった。鉄FeとガドリニウムGd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、ボロンB、ジルコニウムZr、スズSn、インジウムIn、鉛Pb、ニッケルNi、マンガンMn、銅Cu、バナジウムV、リンP、クロムCrから選択された少なくとも1種の元素と構成された金属合金にガドリニウムGdを50ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた鉄合金でも、図3と同様に弾性限度の顕著な上昇を示した。本発明の第9実施形態に係る微細結晶子高機能合金部材は、高純度チタニウムTi合金を含むチタニウムTi合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させた金属合金で構成される。本発明の第9の実施形態に係る微細結晶子高機能チタニウムTi合金部材は、含有量が99.95重量%合金にガドリニウムGdを500ppm添加して、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。次に、チタニウムTi99.8%−パラジウムPd0.2%重量からなる鉄Fe合金に、ガドリニウムGdを500g添加し、30mm幅×10mm厚板を鋳造し、溶体化、時効後、0.3mm厚板に圧延加工した。上記、仕上加工した0.3mm厚板をX線解析し、シェラーの式を用いて導出した平均結晶子径は,其々7nm、27nmであった。結晶子サイズがナノメーター(10−9m〜10−6m)とマイクロメーター(10−6m〜10−3m)に調整できた。導電率、ヤング率をほとんど下げることなく、硬度、引張強度、0.2%耐力が2〜3倍上昇した。伸びも2〜3倍伸ばすことができることが分かった。軟化温度も2.1倍上げることができた。圧延加工も熱処理無しででき、更にクロス加工できた。加工性も向上していることが分かった。これ等特性のバランスを取ることもできた。諸特性が向上し、これらの諸特性を調整できた。板、線、薄膜、粉末でその効果がみとめられた。次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。先ず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、更に必要ならばその後所定温度で時効処理を施す。次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して必要ならば所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、その加工の前または後で前記素材に対して必要ならば時効処理を施す。チタニウムTi合金は、溶体化処理温度は600〜2700℃、時効処理温度は150〜500℃が可能である。特に好ましい条件は溶体化処理温度が500〜1550℃、時効処理温度は300〜800℃である。加工の際の加工効率は任意であるが、好ましい範囲は、第1の実施形態と同様である。溶体化処理、時効処理をおこなっても同様の結果を示した。結晶格子が、最密六方格子である高純度チタニウムTi合金を含むチタニウムTi合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有さ、も試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。上記銅チタニウムTi合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。ガドリニウムGd添加後、硬度、引張強度、耐力、伸び、耐熱性等の特性が向上し、加工し易く、作業性も向上した。導電率とヤング率の低下は殆ど見られなかった。上記チタニウムTi合金組成でも試作評価したが、同様のガドリニウムGd添加効果を示した。チタニウムTiとガドリニウムGd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、ボロンB、アルミニウムAl、鉄Fe、ジルコニウムZr、銅Cu、スズSn、インジウムIn、ニッケルNi、コバルトCo、バナジウムV、クロムCrらなる群から選択されるから選択された少なくとも1種の元素と構成された金属合金でも、同様な顕著な高性能特性示した。実施形態に適用される合金は特に限定されるものでない。上記機能向上添加剤以外の成分も通常の金属合金に用いられるものであればどのようなものでもよく特に限定されない。つまり、上記機能向上添加剤は、既存の一般金属合金に対しても有効である。これら実施形態に係る合金部材を製造する際にも金属合金の実地形態と同様である。鋳造の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施す。その後必要に応じて所定温度で時効処理を施す。また、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、この加工前または加工後に前期素材に対して時効処理を施す。面心立方格子、体心立方格子、細密六方格子の金属合金(高純度合金含む)に、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合化してなる機能特性向上添加剤添加剤を適量添加することにより、加工を加えない鋳造合金であっても従来にない高機能特性が得られるとともに、今までにない高い硬度、ヤング率、引張強度、耐熱性、作業性を得ることができる。ガドリニウムGdは、体積占有率を考慮すると最も有効な高機能化元素であり、耐熱性の向上も顕著である。特に、Gdを添加することにより極めて高いヤング率、弾性限度が得られる。このようにGdは硬度、ヤング率、引張強度の向上効果が大きいが、機能特性の向上が顕著である。更に添加量が少量で占有体積が小さいので、合金特有の特性を生かすことができる。機能特性向上添加剤としての効果はGd単体で発揮されるが、Gd以外の上記元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素と複合添加することによる相乗効果によって優れた特性を得ることもできる。本発明の微耐結晶子高機能金属合金部材は機能特性を上げられるので、強度が有り、耐力、ヤング率、導電率、熱伝導率、軟化点等が高く、引張強度も強く脆さがない。優れた機械的特性と物理特性を有するため、軽薄短小化に好適である。耐久性がある。更に加工性が良好で作業性がよい。本発明の微耐結晶子高機能金属合金部材は機能性を上げて、硬度、引張強度、ヤング率、耐力、耐熱性、導電率、熱伝導率等の特性が高く、伸び等もあり、加工し易く、作業性がよい。従来の合金部材とは異なる。更に、これらの特性をユーザーの好みに応じて調整できることが大きな特徴である。従って、上記元素の高機能金属合金の重要な機能特性を上げ、ユーザーの好みに応じて調整した個性的な金属合金が得られるのが最大の特徴である。

【特許請求の範囲】
1.結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、その結晶子を、ナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)とマイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することを特徴とする微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
2.結晶格子が、面心立方格子である高純度合金を含む金属合金にガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、その結晶子を、ナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)とマイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することを特徴とする微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
3.結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
4.結晶格子が、面心立方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
5.結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金にガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
6.結晶格子が、面心立方格子である高純度合金を含む金属合金にガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
7.結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材を開発・製造・販売するビジネス展開。
8.結晶格子が、面心立方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGdを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、ガドリニウム、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10m)に微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材を開発・製造・販売するビジネス展開。
9.結晶格子が、面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金の結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
10.結晶格子が、面心立方格子である高純度合金を含む金属合金の結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイ(10−6m〜10−3m)ズに微細化することと、その形状を調整することで、その合金の持つ優れた特性を失うことなく、欠点を改良し諸特性向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
11.結晶格子が面心立方格子、体心立方格子、最密六方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで、引張強度、弾性限度、耐熱性、耐食性、加工性、伸びを向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
12.結晶格子が面心立方格子である高純度合金を含む金属合金に、ガドリニウムGd単独、又はガドリニウムGdとガドリニウムGd以外の群から選択される少なくとも1種の元素とを5ppm以上30000ppm未満の範囲で含有させ、結晶子をナノメートルサイズ(10−9m〜10−6m)、マイクロメートルサイズ(10−6m〜10−3m)に微細化することと、その形状を調整することで結晶子を、ヤング率をほとんど下げることなく、引張強度、弾性限度、耐熱性、耐食性、加工性、伸びを向上させることを特徴する微細結晶子高機能金属合金部材及びその製造方法。
13.前記溶体化処理は前記金属合金を200℃〜2800℃で加熱処理後急冷し、前記時効処理は、前記結晶金属合金を100℃〜1600℃加熱処理することを特徴とする請求範囲に記載の微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
10.前記溶体化処理を行った後、加工処理と時効処理を交互に繰返し行うことを特徴とする請求範囲に記載の微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
11.請求項の微細結晶子金属合金部材および微細結晶子貴金属合金部材の素材を鋳造する工程と
その素材に対して溶体化処理を施す工程を有する微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
12.請求項の微細結晶子金属合金部材および微細結晶子金属合金部材の素材を鋳造する工程と
その素材に対して溶体化処理を施す工程と
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有する微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
13.請求項の結晶金属合金部材および微細結晶子高機能金属合金部材の素材を鋳造する工程と
その素材に対して溶体化処理を施す工程と
その素材を所定形状に加工する工程と
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有する微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
14.請求項のいずれかの方法において、溶体化処理温度が300〜2800℃、時効処理温度が100〜1400℃である微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
15.請求項のいずれかの方法において、溶体化処理温度が300〜2700℃、時効処理温度が50〜1000℃である微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法。
16.請求項のいずれかの方法において、溶体化処理温度が250〜2500℃、時効処理温度が100〜800℃である微細結晶子高機能金属合金部材の製造方法
17.本発明高機能金属合金を軽薄短小化の製品に適用すること。
18.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を楽器材料に適用すること。
19.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を電子材料に適用すること。
20.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を宝飾材料に適用すること。
21.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を構造材料に適用すること。
20.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を自動車部品に適用すること。
21.本発明微細結晶子高機能金属合金部材を航空部品に適用すること。

【図1】
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【図2】
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