説明

心不全を処置する装置、システム及び方法

【課題】複数の独特の心臓内圧力抜き装置、配置カテーテル、配置方法、及び心不全を処置する方法を提供する。
【解決手段】この心臓内圧力抜き装置は、高い左心房圧力及びそれにより生じる患者の徴候を緩和するに充分な流れを左心房から右心房へ許すが、トロンビン又は他の塞栓材料が心房循環系に入るおそれを最小にするために右心房から左心房への流れの量を制限もする。心房間圧力抜き装置の配備は、好ましくは、第1に、隔壁開口を通して配置カテーテルを前進させ、第2に、第1のフランジを配備し、第3に、配置カテーテルを引っ込めて、第1のフランジを隔壁に対して位置付け、そして第4に、第1のフランジとは別の隔壁の側に第2のフランジを配備することを含む一連のステップにおいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、心不全を処置するための装置及び方法に係る。より特定すれば、本発明は、心臓の片側の圧力上昇を低下させて、起きる病的徴候を軽減させる心房間圧力抜き装置、バイパス、等、並びにその配置装置、システム及び方法に係る。
【0002】
関連出願の相互参照:本出願は、参考としてここに援用する、2009年4月28日に出願された“DEVICES AND METHODS FOR THE TREATMENT OF HEART FAILURE”と題する同時係争中の米国ノンプロビジョナル特許出願第12/447,617号の一部継続出願である。この米国ノンプロビジョナル特許出願第12/447,617号は、35U.S.C.§371のもとで提出されたものであり、従って、参考としてここに援用する2007年11月7日に出願された“DEVICES AND METHODS FOR TREATMENT OF HEART FAILURE”と題する国際出願PCT/AU2007/001704号の優先権を主張する。又、このPCT/AU2007/001704号は、参考としてここに援用する2006年11月7日に出願されたオーストラリア特許出願AU2006906202号の優先権を主張する。又、この特許出願は、参考としてここに援用する2009年9月4日に出願された“DEVICES AND METHODS TO TREAT HEART FAILURE”と題する米国プロビジョナル特許出願第61/240,085号の利益も主張する。
【背景技術】
【0003】
心不全とは、人間に影響を及ぼす普通の、潜在的に致命的な症状で、最大限の医療処置を施しても、最適な医療的成果は達せられず、病的徴候、病的状態及び/又は死亡をしばしば招くものである。特に、「拡張期心不全」とは、左心収縮保持機能(駆出率)の状況及び重大な弁疾患がない場合に生じる心不全の臨床学的シンドロームを指す。この状態は、追従性が低下し弛緩性が損なわれた左室硬直を特徴とするもので、高い拡張期終了圧力を招く。心不全の患者のほぼ1/3は、拡張期心不全であり、有効であると分かった処置は、もしあっても、非常に僅かである。
【0004】
拡張期心不全の徴候は、少なくともその大半が左心房の昇圧によるものである。拡張期心不全に加えて、左心室の収縮期機能不全及び弁疾病を含む多数の他の医学的状態が、左心房の昇圧を招く。左心房の昇圧は、他の問題の中でも、急性又は慢性の呼吸困難をしばしば引き起こす。更に、様々な心臓状態が「右心不全」を招き、これは、肝臓の拡張(肝肥大)、腹部の流体蓄積(腹水)、及び/又は下肢のむくみを招く。
【0005】
拡張期心不全の患者は、一部分は肺の静脈血圧上昇のために、呼吸困難をしばしば経験する。これらの患者は、仰向けになったときには、座ったり立ったりしているときより、ひどい状態になることが多く、肺の静脈血圧の僅かな変化が徴候に顕著な影響を及ぼすことを意味する。
【0006】
過去において、右心房の高い圧力を緩和するための戦略、例えば、自然に穴(1つ又は複数)ができること、又は左右の心房間に手術で隔壁を形成することが説明されている。これらは、ある複雑な先天的心臓疾患に対する肺の高血圧又は大静脈肺動脈吻合術の稀な状態について設計されたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、心不全、特に、左心室の拡張期及び/又は収縮期心不全並びにその影響を処置する装置及び方法が要望されている。
【0008】
更に、左心房の高い圧力を緩和すると共に、トロンビンが特に右心房から左心房へ通過してそれにより生じる系統的な塞栓症のおそれを防止又は最小限にする装置の要望が依然存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
それ故、本発明の目標は、肺静脈血圧を低下させて拡張期心不全の徴候を和らげることである。本発明の更に別の目標は、左心房と右心房との間に制御型圧力抜き装置を形成して、左心房から右心房へ充分な量の血液が通過できるが、右心房から左心房への血液流は最小にすることである。
【0010】
本発明の更に別の目標は、左心房と右心房との間の圧力差に応答する制御型圧力抜き装置を形成することである。本発明の更に別の目標は、トロンビンが左心房に入るのを防止する心房間圧力抜き装置を提供することである。
【0011】
本発明は、ある実施形態において、左心房と右心房との間にあって、ある量の血液を左心房から右心房へ抜くことができ、それにより、左心房圧力を下げ、且つ拡張期心不全に関連した徴候を緩和する制御型開口又は拡張管状開口を備えた圧力抜き装置を提供することにより、これら及び他の要望を解決する。
【0012】
多数の独特の心臓内圧力抜き装置、配置カテーテル、配置方法及び心不全処置方法が提供される。ここに提供する心臓内圧力抜き装置は、左心房から右心房へ充分な流れを許して、左心房の昇圧及びそれにより生じる患者の徴候を緩和するが、右心房から左心房への流量を制限して、トロンビン又は他の塞栓材料が動脈循環系に入るのを最小限にすることができる。
【0013】
更に、ここに提供する心臓内圧力抜き装置は、一方向への流れを制御するが、装置にまたがる圧力変化を非常に小さくして別の方向の流れを最小限にするという問題を解決する。
【0014】
又、ここに提供する心臓内圧力抜き装置は、低圧力環境におけるカルシウムの堆積、タンパク質の堆積及びトロンビンの形成を減少するという問題を解決する。
【0015】
更に、ここに提供する心臓内圧力抜き装置は、壁に対する過剰な圧力から心房間隔壁及び左心房の残部へダメージが及んで、組織への傷、及びおそらく患者による不利な反応又は心房間圧力抜き装置への危い機能を引き起こすという問題を解決する。
【0016】
更に、心不全の患者には、心房不整脈がしばしば見られ、その一部分は、永続的に高い左心房圧力によって引き起こされることがある。それ故、高い左心房圧力を緩和することで、心房細動の減少へと導くことができる。
【0017】
本発明は、心房間圧力抜き装置、配置カテーテル、患者の心臓内の心房間隔壁に装置を配置する方法、及び心不全、特に、拡張期心不全の徴候を処置する方法を提供する。
【0018】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備え、その本体アッセンブリは、患者に使用するための柔軟な、実質的に開放したメッシュを含む。流れ制御要素は、本体アッセンブリの少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0019】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備え、その本体アッセンブリは、患者に使用するための柔軟な、実質的に開放したメッシュを含む。流れ制御要素は、本体アッセンブリの少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0020】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備え、その本体アッセンブリは、コアセグメント及び少なくとも1つのフランジセグメントを含み、フランジセグメントは、コアセグメントの端に一体的であるか、又はそれに隣接する少なくとも1つの点に取り付けられ、又、フランジセグメントは、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延びる。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、一方の方向には、逆の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0021】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備え、その本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメント及び少なくとも1つのフランジセグメントを含み、フランジセグメントは、コアセグメントの端に一体的であるか、又はそれに隣接する少なくとも1つの点に取り付けられ、又、フランジセグメントは、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延びる。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0022】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備えている。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントに一体的であるか又はその少なくとも一端に取り付けられた少なくとも1つのフランジセグメントとを含み、このフランジセグメントは、コアセグメントの軸から半径方向外方に延びる。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0023】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備えている。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントに一体的であるか又はその少なくとも一端に取り付けられて、コアセグメントの軸から離れるように延びる少なくとも1つのフランジセグメントとを含む。流れ制御要素は、フランジアッセンブリに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0024】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備えている。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントに一体的であるか又はその少なくとも一端に取り付けられて、コアセグメントの軸から離れるように延びる少なくとも1つのフランジセグメントとを含む。流れ制御要素は、フランジアッセンブリに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0025】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備えている。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントに一体的であるか又はその少なくとも一端に取り付けられて、コアセグメントの軸から離れるように延びる少なくとも1つのフランジセグメントとを含む。流れ制御要素は、フランジアッセンブリへと少なくとも部分的に延び、そして心房隔壁へのシール可能な接触部を生成すると共に、一方の方向には他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0026】
実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体アッセンブリ及び流れ制御要素を備えている。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントに一体的であるか又はその少なくとも一端に取り付けられて、コアセグメントの軸から離れるように延びる少なくとも1つのフランジセグメントとを含む。流れ制御要素は、フランジアッセンブリに取り付けられ、そして心房隔壁へのシール可能な接触部を生成すると共に、流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0027】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、第1端及び第2端をもつ本体アッセンブリ、及び流れ制御要素を備え、本体アッセンブリは、コアセグメントを備え、コアセグメントは、その第1端に隣接する少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられた少なくとも1つのフランジセグメントと、その第2端に隣接する少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられた少なくとも1つの他のフランジセグメントとを含み、フランジセグメントは、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延び、そしてフランジセグメントは、それらが配備されるときに互いに対向しないように方向付けされる。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0028】
実施形態において、心房間圧力抜き装置は、第1端及び第2端をもつ本体アッセンブリ、及び流れ制御要素を備え、本体アッセンブリは、コアセグメントを備え、コアセグメントは、その第1端に隣接する少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられた少なくとも1つのフランジセグメントと、その第2端に隣接する少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられた少なくとも1つの他のフランジセグメントとを含み、フランジセグメントは、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延び、そしてフランジセグメントは、それらが配備されるときに互いに対向しないように方向付けされる。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0029】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、第1端及び第2端をもつ本体アッセンブリ、及び少なくとも1つのリーフレットより成る流れ制御要素を備え、本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、本体セグメントの各側で少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられて、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延びる複数のフランジセグメントとを含み、コアセグメントの各側のフランジセグメントの数は、リーフレットの数の整数倍である。
【0030】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、第1端及び第2端をもつ本体アッセンブリ、及び少なくとも1つのリーフレットより成る流れ制御要素を備え、本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、本体セグメントの各側で少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられて、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延びる複数のフランジセグメントとを含み、フランジセグメントの数は、リーフレットの数の整数倍である。流れ制御要素は、本体アッセンブリの少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素は、一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。
【0031】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、第1端及び第2端をもつ本体アッセンブリ、及び少なくとも1つのリーフレットより成る流れ制御要素を備え、本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、本体セグメントの各側で少なくとも1つのポイントに一体的であるか又はそれに取り付けられて、コアセグメントの長手方向中心軸から半径方向外方に延びる複数のフランジセグメントとを含み、フランジセグメントの数は、リーフレットの数の整数倍である。流れ制御要素は、本体アッセンブリの少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして流れ制御要素にまたがって圧力差がないときは、流れに対して少なくとも一部分開放している。
【0032】
ある実施形態において、インプラントシステムは、心不全を処置するための心房間圧力抜き装置及び配置カテーテルを備えている。このインプラントシステムは、本体アッセンブリ及び流れ制御要素で構成される。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、このコアセグメントの少なくとも一端に一体的であるか又はそれに取り付けられてコアセグメントから離れるように半径方向に延びる少なくとも1つのフランジセグメントとで構成される。流れ制御要素は、コアセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。配置カテーテルは、内側シャフト及び外側シャフトで構成される。内側シャフトは、細長い管及びハンドルコンポーネントを含む。又、内側シャフトは、その長さの少なくとも一部分に沿って延びる少なくとも1つの内腔も含む。外側シャフトは、細長い中空管又はシースと、第1のハンドルコンポーネントとスライド可能にインターフェイスする異なるハンドルコンポーネントとを含む。
【0033】
ある実施形態において、インプラントシステムは、心不全を処置するための心房間圧力抜き装置及び配置カテーテルを備えている。このインプラントシステムは、本体アッセンブリ及び流れ制御要素で構成される。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、本体アッセンブリの少なくとも一端に一体的であるか又はそれに取り付けられて本体セグメントから離れるように半径方向に延びる少なくとも1つのフランジセグメントとで構成される。流れ制御要素は、フランジに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。配置カテーテルは、内側シャフト及び外側シャフトで構成される。内側シャフトは、細長い管及びハンドルコンポーネントを含む。又、内側シャフトは、その長さの少なくとも一部分に沿って延びる少なくとも1つの内腔も含む。外側シャフトは、細長い中空管(又はシース)と、第1のハンドルコンポーネントとスライド可能にインターフェイスする異なるハンドルコンポーネントとを含む。
【0034】
ある実施形態において、インプラントシステムは、心不全を処置するための心房間圧力抜き装置及び配置カテーテルを備えている。このインプラントシステムは、本体アッセンブリ及び流れ制御要素で構成される。本体アッセンブリは、実質的に円筒状のコアセグメントと、本体アッセンブリの少なくとも一端に一体的であるか又はそれに取り付けられて本体セグメントから離れるように半径方向に延びる少なくとも1つのフランジセグメントとで構成される。流れ制御要素は、フランジに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられ、そして一方の方向には、他方の方向より大きな流れ抵抗を与える。配置カテーテルは、内側シャフト及び外側シャフトで構成される。内側シャフトは、少なくとも1つのフランジ又は周囲方向溝が外径において形成された細長い管、及びハンドルコンポーネントを含む。又、内側シャフトは、その長さの少なくとも一部分に沿って延びる少なくとも1つの内腔も含む。外側シャフトは、細長い中空管(又はシース)と、第1のハンドルコンポーネントとスライド可能にインターフェイスする異なるハンドルコンポーネントとを含む。
【0035】
他の実施形態において、本発明は、患者の心臓の状態を処置する装置であって、通路を画成するコアセグメントを有する本体要素と、複数のフランジセグメントより成る第1の環状フランジと、複数のフランジセグメントより成る第2の環状フランジとを備えた装置を提供する。その実施形態において、1つのフランジセグメントの少なくとも一部分は、フランジセグメントの残り部分、或いは円筒状コアセグメントを含むがそれに限定されない本体要素の他の部分、より多少柔軟性がある。
【0036】
他の実施形態において、装置は、隔壁に良く接着するための第3の又は中間の環状フランジを備えている。
【0037】
他の実施形態において、装置は、血液流を希望の方向に向けるよう構成された流れ制御要素を備えている。
【0038】
他の実施形態では、本発明は、配備中に容易に回収されるように構成される。このような実施形態は、とりわけ、装置の他の部分が配備されるときに配置カテーテル内に保持することのできる環状フランジの1つにおいて少なくとも1つの拡張フランジセグメントを含むことができる。
【0039】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置をしかるべき位置に配置する方法は、心臓へ通じる血管チャンネルを配置して、そこへのアクセスを得、このチャンネルを経て心臓の心房の1つへ導入カテーテルを入れ、左右の心房間に心房間隔壁を配置し、心房間隔壁に開口を形成し、心房間圧力抜き装置を含む配置カテーテルを心房の1つへ前進させ、次いで、左右の心房間の心房間隔壁に形成された開口を経て前進させ、そして心房間圧力抜き装置を、それが心房間隔壁にしっかり接続されるように制御可能に配備するという一連のステップを備えている。
【0040】
心房間圧力抜き装置の配備は、好ましくは、第1に、隔壁開口を通して配置カテーテルを前進させ、第2に、第1のフランジを配備し、第3に、配置カテーテルを引っ込めて、第1のフランジを隔壁に対して位置付け、そして第4に、第1のフランジとは他の側で隔壁に第2のフランジを配備することを含む一連のステップにおいて行われる。
【0041】
ここに開示する装置が心房隔壁へ植え込まれる実施形態では、下大静脈を通り大腿静脈を経て右心房へ導入カテーテルを入れることができる。
【0042】
上大静脈を通り、頸静脈を経て;大動脈を通り、大腿動脈を経て、大動脈弁を越えて左心房へ;大動脈を通り、上腕動脈を経て、大動脈弁を越えて、左心房へ;上大動脈を通り、尺側皮静脈を経て;上大静脈を通り、頭部静脈を経て;手術中に、この理由で、或いは他の目的で遂行される手順中に、右心房に形成された開口を通して;手術中に、この理由で、或いは他の理由で遂行される手順中に、左心房に形成された開口を通して;又は心房間隔壁を通して位置付けられ且つ肺動脈に配置されたガイドワイヤを経て、導入カテーテルを入れることを含む他の手法も利用できる。
【0043】
配置カテーテルに関して、ある実施形態では、配置カテーテルは、導入カテーテルとして機能するように設計され、そしてカテーテル交換の必要性を排除する。他の実施形態では、導入カテーテル、配置カテーテル、又はその両方が、カテーテルの少なくとも2倍の長さのガイドワイヤを取り扱う必要性を回避するために、それらの長さの一部分のみにわたって交換されるように構成される。更に、他の実施形態では、導入カテーテル、配置カテーテル、又はその両方が、配置カテーテルを隔壁に対して実質的に直交する向きにできるよう予め整形された曲線を有する。カテーテルは、配置カテーテルの遠方端から5ないし15cm離れたポイントにおいてカテーテル軸から30°ないし45°離れるようにカーブされる。
【0044】
本発明の装置が心房隔壁に配置される本発明の実施形態では、心房間圧力抜き装置配置手順とは別の手順において導入カテーテルを使用して隔壁の開口を形成することができる。右心房又は肺動脈に位置付けられたワイヤガイドを経て開口を通してのアクセスを維持することができる。開口は、配置カテーテルの一部分である遠方先端セグメントを経て配置カテーテルを使用して形成することができる。
【0045】
又、開口は、風船又は他の膨らまし装置を、ここに述べる手順の一部分として又は個別の手順として使用して、予め膨らますことができる。
【0046】
別の態様において、開口は、心房間圧力抜き装置配置手順と統合された単一の手順の一部分として形成され、膨らまされる。これは、風船又は他の膨らましコンポーネントを配置カテーテルの一部分として一体化し、そして心房間圧力抜き装置の配置の一部分として開口を膨らますことにより、達成することができる。例えば、これは、小さな荷重プロフィールを得るように折り畳むことができると共に、隔壁開口及び心房間圧力抜き装置を一緒に膨らますのに適当な圧力容量及び適当な耐久性を有する風船を使用して達成することができる。
【0047】
心房間隔壁に形成される開口は、一次隔壁の位置において隔壁を通してカテーテル先端を押し込むことにより形成することができる。この隔壁は、通常、非常に薄いので、著しい力を入れずに遠方先端を直接押し込むことができる。
【0048】
別の方法において、心房間隔壁の開口は、導入カテーテル又は配置カテーテルを通して前進されるカッティングツールで形成することができる。このツールは、ブレード及びシャフトを備えているのが好ましい。ブレードは、少なくとも2つの表面及び1つのエッジを含む。エッジは、ブレードが隔壁へ及び隔壁を通して前進するときにスライスするような角度で鋭く形成される。
【0049】
更に別の方法では、心房間隔壁の開口は、導入カテーテル又は配置カテーテルを通して前進されるカッティングツールで形成することができる。このツールは、ブレード及びシャフトを備えているのが好ましい。ブレードは、少なくとも2つの表面及び2つの個別のエッジを含み、それらエッジは、ブレードが隔壁へ及び隔壁を通して前進するときにスライスし、且つ隔壁が一般的にx形状の開口にカットされるような角度の先鋭なものとされる。
【0050】
更に別の方法では、心房間隔壁の開口は、導入カテーテル又は配置カテーテルを通して前進されるパンチツールで形成することができる。このパンチツールは、好ましくは、カッティングアッセンブリ及びシャフトを備えている。カッティングアッセンブリは、好ましくは、底の周囲に沿って先鋭なエッジを伴う中空円錐形状を含む。カッティングアッセンブリは、シャフト上の少なくとも1つのポイントに接続され、そして一般的に、円錐の頂点がシャフトから離れた方向を指すような向きとされる。
【0051】
1つの方法において、カッティングアッセンブリは、心房間隔壁を通して円錐アッセンブリを前進させ、次いで、それを引き戻して、一般的に円形の開口を形成することにより動作することができる。
【0052】
別の方法において、カッティングアッセンブリは、心房間隔壁を通して円錐アッセンブリを前進させ、次いで、それを引き戻すときに回転させ、心房間隔壁に対して円形のカッティングアクションを生じさせることができる。
【0053】
別の実施形態において、カッティングツールは、少なくとも1つのカッティング部材及び1つのシャフトで形成することができる。カッティング部材は、シャフトに沿った少なくとも1つのポイントに接続され、そしてカッティング部材の他端は、シャフトに並んで又はシャフトからある角度で離れて横たわるように調整可能に位置付けることができる。カッティングツールを配置するために、カッティング部材がシャフトに沿って配置され、次いで、隔壁を通して前進される。次いで、カッティング部材は、第1位置よりもシャフトから半径方向に更に離れた第2位置へ調整され、そしてシャフトは、カッティング部材が隔壁に対して横方向の応力を作用させるように位置付けられる。カッティング部材は、このように隔壁をスライスするよう設計することができる。別の方法では、シャフト及びカッティング部材が再配置されると、カッティングツールを回転して、スライス運動で、隔壁に一般的に円形の穴をカットする。
【0054】
ある実施形態では、カッティング部材は、丸いワイヤである。
【0055】
別の実施形態では、カッティング部材は、そのカッティング部材に適当な信号を供給できる電源の一方の出力に接続することができ、その他方の出力は、患者の皮膚に対して配置された接地プレートに接続される。隔壁組織をカッティングする上で助けとなるようにワイヤ付近で電流密度を集中させるためにカッティング部材と接地プレートとの間に適当な電位を印加することができる。
【0056】
別の実施形態では、カッティング部材は、カッティングエッジを生じさせるように長手方向にスライスされて適当に成形された管の一区分である。配置の間に、カッティング部材は、配置カテーテルを通り及び心房間隔壁に形成された開口を通してシャフトが前進されるときに、シャフトに対して横たわるように制御可能に位置付けられる。位置付けられると、配置カテーテルが引っ込められ、そしてシャフトが隔壁内に位置付けられる。このように位置付けられると、カッティング部材は、第1位置よりシャフトから半径方向に更に離れた第2位置へ制御可能に調整することができ、そしてシャフトがそのように位置付けられると、カッティング部材は、隔壁に対して横方向応力を及ぼす。
【0057】
更に別の方法において、本発明による心房間圧力抜き装置の本体の外面の直径より小さい開口が心房間隔壁に形成され、心房間圧力抜き装置が心房間隔壁内に最初に配備されるときに、心房間圧力抜き装置の本体に対して隔壁からある程度圧縮されるようにする。
【0058】
心房間圧力抜き装置を位置付けて制御可能に配置するのに使用される配置カテーテルを参照すれば、1つの態様において、配置カテーテルは、内側部材及び外側部材より成る。
【0059】
ある実施形態において、外側部材は、管部材及び第1のハンドルコンポーネントより成り、外側シャフトは、直径が約16F未満であり、そして詰め込まれた心房間圧力抜き装置を拘束し且つ滑らかな詰め込み及び配備を許すのに適した円滑で且つ弾力性のある材料、例えば、PTFE、FEP、Tefzal、PVDF、HDPE、又は他の適当な材料で形成される。
【0060】
ある実施形態において、内側部材は、少なくとも1つの管部材より成り、その管部材の少なくとも一部分を通して内側内腔があり、更に、その近方端には、第2のハンドルコンポーネントが取り付けられ、この第2のハンドルコンポーネントは、第1のハンドルコンポーネントにスライド式に取り付けられる。
【0061】
ある実施形態において、ハンドルコンポーネントは、内側シャフトハンドルを保持しながら外側シャフトハンドルを回転することにより外側部材に対して内側部材を前進させられるように、傾斜螺旋レバーを経て相互接続される。
【0062】
ある実施形態において、ハンドルコンポーネントは、それらがある所定の長さを越えて互いに移動するのを防止するロックメカニズムを備えている。
【0063】
ある実施形態において、ハンドルコンポーネントは、それらが2つの異なる所定の長さを越えて互いに移動するのを防止する少なくとも2つのロックメカニズムを備えている。
【0064】
ある実施形態において、内側部材は、遠方エリアに隣接した硬化要素を含む。
【0065】
ある実施形態において、患者の心不全を処置するシステムは、心房間圧力抜き装置、及び配置装置より成る。心房間圧力抜き装置は、本体区分及び流れ制御要素を備えている。本体区分は、コア区分及び少なくとも1つのフランジセグメントを含む。フランジセグメントは、本体に隣接した中間区分と、この中間区分より壁厚が大きい端区分とを含む。配置装置は、内側シャフト及び外側シャフトを備えている。内側シャフトは、外径を有し、そしてその遠方端から近方端に向かって内腔が少なくとも部分的に延びている。外側シャフトは、外径及び内径を含む。内側シャフトは、その長さの少なくとも一部分に沿ってネック部分又は周囲溝を含み、その直径は、ネック部分に対して遠方の内側部材の少なくとも一部分より小さく、ネック部分の外側と外側シャフトの内側との間に形成されるスペースは、折り畳まれるか、さもなければ、圧縮された本発明の心房間圧力抜き装置を収容するのに充分なものであるが、非ネック部分の外側と外側シャフトの内側との間に形成されるスペースは、心房間圧力抜き装置を収容するには不充分である。
【0066】
ある実施形態において、患者の心不全を処置するシステムは、心房間圧力抜き装置、及び配置装置より成る。心房間圧力抜き装置は、本体区分及び流れ制御要素を備えている。本体区分は、コア区分及び少なくとも1つのフランジセグメントを含む。フランジセグメントは、本体に隣接した中間区分と、この中間区分から半径方向に更に離れて位置されそして半径方向の寸法が中間区分より大きい端区分とを含む。配置装置は、内側シャフト及び外側シャフトを備えている。内側シャフトは、外径を有し、そしてその遠方端から近方端に向かって内腔が少なくとも部分的に延びている。外側シャフトは、外径及び内径を含む。内側シャフトは、長さ及び直径を有する第1のネック部分又は周囲溝を含み、内側シャフトの第1ネック部分の直径は、ネック部分に対して遠方の内側部材の少なくとも一部分より小さく、又、内側シャフトは、第1のネック部分に対して近方にあって、フランジセグメントの端区分を収容するのに充分な長さ及び第1のネック部分より小さい直径の第2のネック部分も含み、第1のネック部分の外側と外側シャフトの内側との間に形成されるスペースは、フランジセグメントの端区分を除いて、折り畳まれるか、さもなければ、圧縮された本発明の心房間圧力抜き装置を収容するのに充分なものであり、非ネック部分の外側と外側シャフトの内側との間に形成されるスペースは、心房間圧力抜き装置を収容するには不充分であり、且つ第2のネック部分の外側と外側シャフトの内側との間に形成されるスペースは、フランジセグメントの端区分を収容するのに充分である。
【0067】
別の態様において、内側部材は、その長さの少なくとも一部分に沿って第1のネック部分を備え、その直径は、この第1のネック部分に対して遠方の内側部材の少なくとも一部分より小さく、更に、その長さの第2部分に沿って、その第1のネック部分に対して近方に、その第1のネック部分より小さい第2のネック部分も備えている。ネック部分の外側と外側シースの内側との間にはスペースがある。
【0068】
心房間圧力抜き装置の本体アッセンブリを参照すれば、1つの態様において、本体は、コアセグメント及び少なくとも1つのフランジセグメントを備えている。
【0069】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、コアセグメントと、このコアセグメントの一端に少なくとも1つのフランジセグメントを含む第1フランジと、コアセグメントの第1フランジとは逆の端に少なくとも1つのフランジセグメントを含む第2フランジとを備えている。
【0070】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、自己膨張メッシュを含むコアセグメントと、このコアセグメントの一端にある第1フランジと、この第1フランジとは逆のコアセグメントの端にある第2フランジとを備えている。
【0071】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、風船膨張メッシュを含むコアセグメントと、このコアセグメントの一端にある第1フランジと、この第1フランジとは逆のコアセグメントの端にある第2フランジとで構成される。
【0072】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、コアセグメントと、このコアセグメントの一端にある第1フランジと、この第1フランジとは逆のコアセグメントの端にある第2フランジとで構成され、各フランジは、フランジセグメントの中心軸に対して実質的に半径方向外方に延びるように方向付けされる。
【0073】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、コアセグメントと、このコアセグメントの一端にある第1フランジと、この第1フランジとは逆のコアセグメントの端にある第2フランジとで構成され、各フランジは、コアセグメントから実質的に半径方向外方に延びるように方向付けされ、そして少なくとも1つのフランジは、コアセグメントの中心軸に対して90°を越えて延びる。
【0074】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、コアセグメントと、このコアセグメントの一端にある第1フランジと、この第1フランジとは逆のコアセグメントの端にある第2フランジとで構成され、各フランジは、コアセグメントから実質的に半径方向外方に延びるように方向付けされ、そして第1フランジは、第2フランジより小さい曲率半径で形成される。
【0075】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、患者の一方の心房から患者の他方の心房へその逆方向よりは低い抵抗で通流できるようにバイアスされる流れ制御要素を備えている。
【0076】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、その抜き装置にまたがって圧力差がないときには少なくとも部分的に開放に保たれるようにバイアスされる流れ制御要素を備えている。
【0077】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、約2mmより大きな塞栓粒子が流れの方向に通過するのを防止する一体的フィルタを備えている。
【0078】
他の実施形態において、心房間圧力抜き装置は、塞栓粒子が左心房に入るのを防止するようにコアセグメントを越えてある距離延びる管状流れ要素を備えている。
【0079】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、左右の心房間の圧力変化に応答する少なくとも1つの可動フラップを備えている。
【0080】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、予め成形された編組線で構成される。この編組線は、マルテンサイト/オーステナイト遷移温度が37℃より低いニチノールから形成され、従って、使用中はその超弾性オーステナイト相に留まる。遷移温度は、約25±5℃より低い。この線は、直径が少なくとも約0.0035(200ksi張力において破壊強度が約2 lbs)でなければならない。又、この線は、組織からの血栓形成又は苛立ち応答を減少するために非常に滑らかな表面を有していなければならない。表面仕上げは、63uinRA以上である。この表面は、機械的研磨、電気研磨、又はその組み合わせのいずれかにより得ることができる。ある実施形態において、この表面は、残留オイル又は汚染物を除去するために洗剤、酸及び/又は溶媒で清掃され、次いで、腐食を最少にするために制御可能に不動態化される。
【0081】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、等級1のチタンで形成される。ある実施形態において、本体は、等級6のチタンで形成される。ある実施形態において、本体は、等級9のチタンで形成される。ある実施形態において、本体は、316Lのステンレススチールで形成される。ある実施形態において、本体は、416Lのステンレススチールで形成される。ある実施形態において、本体は、ニチノール又はエルジロイで形成される。ある実施形態において、本体は、白金イリジウムで形成される。ある実施形態において、本体は、コバルトクロム合金で形成される。ある実施形態において、本体は、MP35Nで形成される。ある実施形態において、本体は、Vitalium(登録商標)で形成される。ある実施形態において、本体は、Ticonium(登録商標)で形成される。ある実施形態において、本体は、Stellite(登録商標)で形成される。ある実施形態において、本体は、タンタルで形成される。ある実施形態において、本体は、白金で形成される。ここに開示する装置の本体又はコンポーネントを参照して述べる材料は、それに限定されるものではない。当業者であれば、装置の本体又は他のコンポーネントに対して他の適当な材料を使用できることが明らかであろう。
【0082】
ある実施形態において、本体アッセンブリは、好ましくは、特定位置にスロットが予め切られた、ある長さの円筒状の管から形成され、次いで、一連のプロセスにおいて、心房間隔壁内に流れ制御要素を収容する目的に適した形状となるように形成される。
【0083】
一例として、第1のプロセスは、円筒を伸張して、その内径を均一なターゲット寸法へと膨張させることである。これは、風船で行うか、又はセグメント化されたスリーブと、円錐を中心に向けて前進させたときにそのスリーブの直径を増加させるテーパー付き円錐インサートとで構成された標準的な管エキスパンダで行うことができる。伸張した管の形状を保存するために、円筒は、それを300°から600°に少なくとも約20分間加熱して内部応力の緩和を許すことによりその伸張した形状を保持しながらアニールしなければならない。第2のプロセスは、第1のプロセスと同様のプロセスを使用するが、第1のフランジ形状に対して特別に設計されたツール形状を使用して、1つのフランジ端形状を形成することである。第3のプロセスは、第1のプロセスと同様のプロセスを使用するが、第3のフランジ形状に対して特別に設計されたツールを使用して、第2のフランジ端形状を形成することである。これらの形状は、第1の形状と同様のプロセスを使用して個別のステップで又は一緒にアニールされねばならない。
【0084】
ある実施形態において、出来上がった心房間圧力抜き装置の内径は、左心房を充分に圧力抜きして、過剰な剪断応力から血液成分へのダメージを最小にできる一方、約14Fより小さい配置カテーテルに心房間圧力抜き装置を詰め込むことができるようにするために約5mmより大きいものである。
【0085】
ある実施形態において、流れ制御要素の開口は、少なくとも約50平方mmである。
【0086】
ある実施形態において、流れ制御要素の開口は、少なくとも約50平方mm±10平方mmである。
【0087】
別の実施形態において、円筒状区分は、内径が3ないし15mmで形成される。
【0088】
本体セグメントの内径は、心房間圧力抜き装置の長手方向中心軸に沿って一定の寸法であり、そして心臓の他の構造要素との接触により生じるそり又はダメージから流れ制御要素を分離するに充分な長さであるのが好ましい。
【0089】
ある実施形態において、本体セグメントは、実質的にトロイダル形状へと形成され、その内径は、インプラントの片側から他側へテーパーダウンし、次いで、テーパーアップする。
【0090】
ある実施形態において、本体区分の長さは、約4mmである。
【0091】
ある実施形態において、本体区分の長さは、約3mmないし約40mmである。
【0092】
更に別の実施形態において、フランジセグメントは、円筒の中心軸に対して少なくとも約90°だけ円筒形状へと向けられ、そして心房間隔壁の開口より大きな距離中心軸から離れ、しかも、内側円筒の距離より少なくとも約3mm更に離れるように外方に突出された少なくとも1つのループを含む。
【0093】
ある実施形態において、フランジセグメントは、円筒の中心方位に対して半径方向外方に延びる複数のストラットで形成される。
【0094】
ある実施形態において、各フランジストラットは、本体区分に隣接する方がストラットの外縁より広い実質的に三角形の形状を有する。
【0095】
ある実施形態において、フランジストラットは、本体区分に隣接する方がストラットの外縁より広い実質的に三角形の形状を有し、そして放射線不透過マーカーを収容するための一体的な穴を外縁に含む。
【0096】
ある実施形態において、フランジストラットは、本体区分に隣接する方がストラットの外縁より広い実質的に三角形の形状を有し、そしてその外縁は、それが接触する組織に対するトラウマを減少するために丸められる。
【0097】
ある実施形態において、フランジストラットは、本体区分の長手方向中心軸から外方に突出する単一の材料ビームで形成される。
【0098】
ある実施形態において、フランジセグメントは、円筒の中心軸と同一平面で且つそれに対して実質的に直交する螺旋形状のフランジストラットで形成される。
【0099】
ある実施形態において、フランジセグメントは、本体区分の少なくとも一部分に取り付けられる少なくとも1つのループ部材で形成される。
【0100】
ある実施形態において、フランジは、配置カテーテルから心房間圧力抜き装置を部分的に配備した後に実質的にその予め成形された形状に自動的に回復するように形成されるのが好ましい。このように、心房間圧力抜き装置は、隔壁開口を通して引き戻されるのに抵抗する。
【0101】
ある実施形態において、流れ制御要素装置は、組織弁、合成弁、又はその組み合わせである。流れ制御要素は、動物又は人間の組織、例えば、牛の心膜の組織で形成することができる。これらの組織を得て、植え込み型弁コンポーネントとして使用するように準備する手順は、当業者に良く知られたものである。流れ制御要素は、トリリーフレット弁、又はバイリーフレット弁、或いは単純なフラップ弁である。又、流れ制御要素は、ボール・ソケット弁、カモノハシ弁、バタフライ弁、又は当業者に知られた他の弁コンポーネントである。
【0102】
ある実施形態において、流れ制御要素は、本体又はフランジセグメントに沿った少なくとも1つのポイントに取り付けられて、そのデューティサイクル中の少なくともある時点で流れ制御要素表面の少なくとも1つのポイントに対して接触する個別のコンポーネントを追加することにより、バイアスすることができる。このコンポーネントは、流れ制御要素の振舞いに制御可能に作用するように予め成形することができる。例えば、一実施形態では、フランジセグメントは、ニチノールで形成されて本体区分に接続されたループ状のワイヤであり、これは、左心房に面して流れ制御要素の表面に対して片持ち梁支持され、そして左心房及び右心房の圧力が等しいときに流れ制御要素の表面が若干開くようにバイアスされるよう形成される。このバイアス動作は、弁又はそのコンポーネントの材料のスチフネスを変化させることで達成することもできる。
【0103】
ある実施形態において、フランジセグメントは、フランジセグメントの一端をその他端へ接続するためのコアワイヤと共に、ニチノールを螺旋巻きすることで形成することができる。
【0104】
ある実施形態において、流れ制御要素は、一方向の圧力に対して動きに抵抗するように予め成形することができる。
【0105】
ある実施形態において、流れ制御要素は、所定の圧力又は中性圧力において開放のままとなるようにバイアスすることができる。
【0106】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、本体区分及び流れ制御要素で構成され、本体区分は、円筒状のコアセグメント及び2つのフランジ付き端区分を含み、流れ制御要素は、本体区分に沿った少なくとも3つのポイントにシール可能に固定され、各フランジ付きの端区分は、本体区分から半径方向外方に延びる少なくとも1つのフランジセグメントを含み、更に、流れ制御要素は、一方の方向には他方の方向より低い抵抗で流体を流せるようにする少なくとも1つの可動要素を含む。
【0107】
ある実施形態において、本体区分は、形状が楕円であるか又は円筒状であり、直線的な隔壁開口により生じる非対称的な応力を相殺するように設計される。
【0108】
ある実施形態において、成形金属フランジセグメントは、隔壁の各側に少なくとも1つづつ、少なくとも2つのフランジセグメントで構成される。
【0109】
ある実施形態において、フランジセグメントは、それらの間の隔壁を締め付けないように位置され、考えられる圧力壊死を減少する。
【0110】
ある実施形態において、フランジセグメントは、隔壁に垂直な壁厚が隔壁に平行な壁圧より小さくなるような形状にされ、これにより、強度を下げずに柔軟性を高めることができる。
【0111】
ある実施形態において、フランジセグメントは、端の曲率半径が約0.03インチより大きくなるように形成される。
【0112】
ある実施形態において、放射線不透過性を高めると共に、フランジセグメントと隔壁との間の接触面積を増加するために、好ましくは、タンタル又は白金合金の放射線不透過マーカーがフランジセグメント端のまわりに又はそれと一体的に形成される。
【0113】
ある実施形態において、隔壁の左心房側のフランジは、右心房側よりも短い曲率半径で曲げられる。
【0114】
ある実施形態において、心房間隔壁の片側のフランジは、円筒の中心軸に対して90°の角度より大きく戻るように形成される。
【0115】
ある実施形態において、弁装置を固定するための縫合場所に対し円筒区分に沿った位置に穴が予め成形される。
【0116】
本発明の上述した概要は、余すところのないものではない。ここに開示する説明及び/又は添付図面から他の変更及び実施形態が明らかとなろう。上述した実施形態は、互いに要素を使用し、そして互いに組み合わされることが意図される。例えば、流れ制御要素の実施形態は、本体要素、フランジ又はそのセグメントの異なる構成で使用されてもよい。幾つかの実施形態を開示するが、本発明は、それに限定されない。
【0117】
本発明は、添付図面を参照した以下の説明及び特許請求の範囲から完全に明らかとなろう。これら図面は、本発明の規範的な実施形態を単に示すものに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではないことを理解されたい。添付図面に示して一般的に説明する本発明のコンポーネントは、種々様々な異なる構成で配列及び設計できることが容易に明らかであろう。それでも、添付図面を参照して本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の心房間圧力抜き装置がしかるべき位置にある患者の心臓の概略断面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って見た図1の心房間圧力抜き装置の端面図である。
【図2A】本発明の一実施形態によるフランジセグメントの端部拡大図である。
【図2B】フランジの柔軟性の変化を示すための本発明の実施形態の拡大側面断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面側面図である。
【図4】心房間圧力抜き装置の本体アッセンブリそれ自身の斜視図である。
【図5】図4の本体アッセンブリの右側面図である。
【図6】図4の本体アッセンブリの遠方端図である。
【図7】図6の7−7線に沿った拡大部分断面図である。
【図7A】詰め込み位置における装置の実施形態の側面図である。
【図7B】詰め込み位置における装置の実施形態の側面図である。
【図7C】詰め込み位置における装置の実施形態の側面図である。
【図8】図1の心房間圧力抜き装置を、配置カテーテルへ装填する前の潰れた構成で示す側面図である。
【図9】配置カテーテルの遠方端をその開放位置で示す側面図である。
【図10】配置カテーテルの遠方端をその開放位置で示す側面図で、心房間圧力抜き装置がその詰め込み構成にあり且つカテーテルの内側シャフト上の位置にあるところを示す。
【図11】配置カテーテルの遠方端をその閉じた構成で示す側面図で、詰め込み構成にある心房間圧力抜き装置が配置カテーテルに装填されるところを示す。
【図11A】心房間圧力抜き装置が詰め込まれた配置カテーテルの別の実施形態の側面図である。
【図12】配置カテーテルの近方端及び遠方端の分解斜視図である。
【図13】患者の心臓と、心房間隔壁を横切る位置にある配置カテーテルの遠方端との破断図である。
【図14】配置カテーテルの近方端及び遠方端が閉じた位置にあって患者の心臓の心房間隔壁を横切って位置されたところを示す断面側面図である。
【図15】図14と同様であるが、配置カテーテルの遠方端が部分開放位置にありそして心房間圧力抜き装置の遠方フランジセグメントが配備されたところを示す図である。
【図16】図15と同様であるが、心房間圧力抜き装置の遠方フランジセグメントが心房間隔壁の壁に対する位置にあるところを示す図である。
【図17】図16の配置カテーテルの遠方端の拡大断面詳細図で、放射線不透過マーカーを像形成することにより望ましからぬ位置にあることが決定された場合に心房間圧力抜き装置の遠方フランジセグメントを心房間隔壁から引っ込めて、再配備しようとするところを示す図である。
【図18】図16と同様であるが、遠方フランジセグメントの正しい位置を画像が決定する場合に近方フランジセグメントを解除することにより心房間圧力抜き装置を更に配備するところを示す。
【図19】図18の配置カテーテルの拡大断面詳細図で、心房間圧力抜き装置が完全に位置的に解除され、そして配置カテーテルが除去されるところを示す図である。
【図19A】配置カテーテルシステム及び心房間圧力装置の別の実施形態を、その配備プロセスと共に示す図である。
【図19B】配置カテーテルシステムの別の実施形態及びその配備プロセスを示す図である。
【図20】傾斜型フランジセグメント端を伴う心房間圧力抜き装置本体の別の実施形態を示す側面図である。
【図21】食い違い型フランジセグメント端を伴う心房間圧力抜き装置本体の別の実施形態を示す側面図である。
【図22】一体化回収手段及び血栓凝血ストレーナを伴う心房間圧力抜き装置本体の別の実施形態の斜視図である。
【図23】図22の本体アッセンブリの右側面図である。
【図24】心房間圧力抜き装置の別の実施形態の端面図である。
【図25】図24の25−25線に沿った断面側面図である。
【図26】コアセグメント106が円形ではなく卵型であり、従って、コアセグメントが単純な円筒ではなく、類円筒又は楕円円筒である別の実施形態を示す。
【図27】配置カテーテルシステム及び心房間圧力装置の別の実施形態を、その配備プロセスと共に示す図である。
【図27A】図27を参照して述べた実施形態を詰め込み位置において示す側面図である。
【図28A】血液の流れを望ましい方向に向ける装置の他の実施形態を示す。
【図28B】血液の流れを望ましい方向に向ける装置の他の実施形態を示す。
【図28C】血液の流れを望ましい方向に向ける装置の他の実施形態を示す。
【図29A】流れ制御要素の出口プロフィールの実施形態のRA側からの端面図である。
【図29B】流れ制御要素の出口プロフィールの実施形態のRA側からの端面図である。
【図29C】流れ制御要素の出口プロフィールの実施形態のRA側からの端面図である。
【図30】心臓のRA側への管状延長部を有する装置の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0119】
本発明の種々の実施形態の理解を与えるために、以下の説明及び図面には特定の細部について示す。当業者であれば、以下に述べる細部の1つ以上を伴わずに本発明の他の実施形態を具現化できることが理解されよう。以下の開示ではステップ及びシーケンスを参照して種々のプロセスを説明するが、それらステップ及びステップのシーケンスは、本発明の全ての実施形態を具現化するのに必要であると考えてはならない。
【0120】
ここで使用する「対象」及び「患者」という語は、哺乳類のような家畜、ペット、及び好ましくは人間のような動物を指す。「対象」及び「患者」の特定の例は、医療支援、特に、心不全の徴候に対する処置を必要とする個人を含むが、これに限定されない。
【0121】
又、ここで使用する「圧力差」という語は、2つのポイント又は選択されたスペース間の圧力の差を意味し、例えば、流れ制御要素の片側と流れ制御要素の他側との間の圧力差を意味する。
【0122】
又、ここで使用する「塞栓粒子」という語は、血液によって運ばれて、血栓を含む細い血管において作用するときに、血液の流れを途絶させる固体、半固体、又は非溶解材料を意味する。
【0123】
又、ここで使用する「半径方向外方」及び「半径方向に離れて」という語は、中心軸と平行でない任意の方向を意味する。例えば、円筒について考えると、半径方向外方の部材とは、円筒の長手方向中心軸に対して0より大きな角度に向けられて円筒に取り付けられるか、さもなければ、円筒に作動的に結合されるワイヤの断片又はワイヤのループである。
【0124】
又、ここで使用する「軸方向厚み」という語は、ある形状又はコンポーネントの長手方向中心軸に平行な軸に沿った厚みを意味する。
【0125】
又、ここで使用する「軸方向」という語は、ある形状又はコンポーネントの長手方向中心軸に平行な方向を意味する。
【0126】
又、ここで使用する「シール可能な接続」という語は、コンポーネント及び/又は物体が合流するエリアであり、接続とは、当該エリアを通る血液流の漏れが実質的にないことを定義する。
【0127】
又、ここで使用する「内腔」という語は、対象の身体における導管、ダクト、一般的に管状のスペース、又は空洞を意味し、静脈、動脈、血管、毛細管、腸、等を含む。
【0128】
又、ここで使用する「シール可能に固定」又は「シール可能に接続」という語は、実質的に移動に対して抵抗し且つインターフェイスを通る又はその周りの流体の流れに抵抗するように安定にインターフェイスされることを意味する。
【0129】
又、ここで使用する「整数倍」という語は、積が小数を含まないことを意味する。
【0130】
本発明は、幾つかの独特の心臓内及び内腔内弁装置及びその配置カテーテルを可能にする構造体を提供する。心臓内設定に向けた幾つかの実施形態では、これら弁装置は、高い左心房圧力及びそれにより生じる患者の徴候を軽減するに充分な流れを左心房から右心房へ許すが、トロンビン又は他の塞栓材料が心房循環系に入るおそれを最小にするために右心房から左心房への流れを防止するものである。
【0131】
しかしながら、本発明は、解剖学の他の部分又は他の指示にも適用できることが明らかである。例えば、この開示で述べるような装置は、同じ指示に対して冠状静脈洞と左心房との間に配置することができる。又、この開示に述べるような圧力抜き装置は、同じ指示に対して奇静脈と肺静脈との間に配置することができる。
【0132】
図1を参照すれば、本発明が心房間圧力抜き装置として使用される本発明の一実施形態が示されている。図1は、人間という対象の心臓を示している。“LA”は、左心房であり、“RA”は、右心房である。心房間隔壁は、107で示されている。心房間圧力抜き装置100は、本体要素101及び流れ制御要素104を備え、その実施形態を以下に詳細に述べる。本体要素101は、フランジ102及び103を含む。この実施形態及びここに述べる他の実施形態では、フランジ102及び103は、隔壁107が適合するギャップ2000を画成する環状フランジである。この実施形態において、挿入後に、心房間圧力抜き装置は、心房間隔壁に形成された開口にしっかり位置される。図1の矢印Fは、流れの方向を示す。従って、LAにおける圧力の蓄積を、本発明の装置により、RAへ抜くことができることが明らかである。
【0133】
図2には、本発明の心房間圧力抜き装置の実施形態が示されている。この心房間圧力抜き装置100は、実質的に開いたメッシュより成る本体要素101を備え、これは、実質的に円筒状のコアセグメント(端を示す)106と、実質的に環状のフランジ102及び103とを含む。フランジ102及び103は、多数のフランジセグメント(又は「フランジ要素」又は「フランジ部材」)102a−102h及び103a−103hで構成され、これらは、コアセグメントの端に隣接して取り付けられ、コアセグメント及び流れ制御要素104の長手方向軸から半径方向外方に延びる。「フランジセグメント」は、ここでは「脚」とも称される。この実施形態及びここに開示する全ての実施形態におけるフランジ102及び103(従って、それらを構成するセグメント102a−102h及び103a−103h)は、コアセグメントと一体的でもよい。即ち、それらは、必ずしも、そこに取り付けられる必要はなく、コアセグメントを画成する同じ材料から製造されてもよく(本書に述べるように)、従って、それに隣接してもよい。流れ制御要素は、例えば、位置105において、本体要素に取り付けられる。環状フランジのこの実施形態及び任意の実施形態におけるフランジセグメントは、2つの個々のストラット要素で形成されてもよいし、又は単一の要素で形成することもできる。フランジセグメントは、一般的に、長方形断面、円形断面、楕円形断面、又は他の幾何学的形状である。
【0134】
ある実施形態において、フランジセグメントは、コアセグメントより柔軟であるように設計される。このような実施形態では、多数の方法で高い柔軟性を得ることができる。又、ある実施形態では、フランジセグメントを形成するストラット要素の表面の寸法は、コアセグメントを形成するストラット(又は要素又は部材)の対応寸法に対して変更される。図2Aは、そのような実施形態を示す。図2Aは、端から見た規範的なフランジセグメント103aを示す。図示されたように、103xのストラット要素の端を向く寸法は、巾Dを有する。コアセグメントを構成するストラットの外方を向いた次元の巾に対してこの巾Dを減少することにより、コアセグメント又は他のフランジ部材(又はその一部分)に対するフランジの高い柔軟性を得ることができる。図2Bは、図6に実質的に示す装置の実施形態の拡大部分断面図である。この図は、図6の7−7線に沿ったものである。この図において、斜線エリアは、柔軟性の高いエリアを示す。従って、フランジセグメントの1つのエリアは、別のアリアより柔軟性が高いことが明らかである。ストラット要素が円形である実施形態では、同様の形態において、ストラット要素の直径は、コアセグメントのメッシュ状構成より成るストラット(又は同様の要素)の直径より小さな直径をもつようにすることができる。フランジ要素が異なる材料区分で作られ、そしてコアセグメントに取り付けられる実施形態では、セグメントの材料は、コアセグメント(場合によってはフランジセグメントの残りの部分又はフランジそれ自体)より高い柔軟性をもつように選択することができる。柔軟性に基づく材料の選択は、当業者に明らかであろう。上述したように、フランジセグメントは、コアセグメント(場合によってはフランジセグメントの残りの部分又はフランジそれ自体)より高い柔軟性を得ることができ、これにより、コアセグメントが隔壁開口に対して強い外方の力を維持できるようにしつつ隔壁の組織へのダメージのおそれを低減し、ひいては、装置が追い払われるおそれを低減することができる。
【0135】
本体要素101に対して開放メッシュ構成を有する実施形態では、本体要素は、患者に使用するのに適した多数の材料、例えば、チタン、ニチノール、ステンレススチール、Elgiloy、mp34n、Vitalium、Mobilium、Ticonium、Platinore、Stellite、タンタル、白金、又は他の弾力性材料で形成することができる。或いは又、このような実施形態では、本体要素101は、ポリマー、例えば、PTFE、UHMPE、HDPE、ポリプロピレン、ポリサルフォン、或いは他の生物学的適合プラスチックで形成することができる。本体要素の表面仕上げは、エッジや鋭い不連続部のない滑らかなものとなる。他の実施形態では、表面仕上げは、安定性改善のために組織応答及び組織成長を誘起するようにテクスチャ化される。ある実施形態では、本体要素101の開放メッシュは、吸収性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカクロラクトン、それら2つ以上の組み合わせ、或いは当業者に良く知られた種々の他の吸収性ポリマーで形成することができる。
【0136】
ある実施形態において、本体要素の構造は、均一であり且つモノリシックである。
【0137】
他の実施形態において、本体要素(メッシュ又はモノリシック)は、組織の成長を促進し、又は製品の性能に関連した多数の問題に対処するために植え込み後に時間と共に解放される1つ以上の化合物を収集する貯留器として働くための多孔性材料で構成される。これらの化合物は、石灰化、タンパク質の堆積、トロンビンの生成、或いはこれらの状態の幾つか又は全部の組み合わせを減少するのに使用できる。又、この化合物は、苛立ち応答を刺激して組織の成長を誘起するのに使用することもできる。ある実施形態では、化合物は、装置付近の組織増殖を思い留まらせる炎症防止剤である。このような全ての使用に対して、当業者に精通した多数の薬剤が入手できる。
【0138】
ある実施形態では、本体を構成する材料は、解放できる種々の化合物を含む吸収性ポリマー又は半透過性ポリマーのコーティングを含めて多層化することができ、そしてある実施形態では、製品の性能に関連した多数の問題に対処するために植え込み後に時間と共に制御されたやり方で多層化することができる。
【0139】
メッシュは、ワイヤを望ましい形状へと予め曲げ、そしてそれらを溶接するか又は接着接合することによりコンポーネント要素を接続するように一緒に接合することで形成することができる。それらは、好ましくは不活性ガス環境にある間に、抵抗溶接技術又はアーク溶接技術を使用し、そして溶接場所及びその周囲で粒子構造を制御するために冷却制御を行って溶接することができる。これらの接合は、溶接手順の後に、コイニング又はアップセット鍛造を使用して粒子サイズを減少し、疲労性能を最適化するように条件付けすることができる。
【0140】
他の実施形態では、例えば、加工レーザー又はウオータードリル又は他の方法を使用して中空管にスロットを切り、次いで、膨張させて、開放構造を形成することから、メッシュを形成することができる。充分に伸縮性及び弾力性のある材料、例えば、ニチノールが使用される場合には、その構造体を、出来上がった形状へと予め成形し、次いで、投与中に弾力で変形させて詰め込み、配備の後にその形状が弾力で回復するようにする。出来上がったアッセンブリの表面は、不動態化を確保しそして血栓形成のために繁殖する表面の不完全性がないように入念に準備されねばならない。
【0141】
ある実施形態において、流れ制御要素104は、牛、豚、羊、又は他の動物からの心膜組織から形成された三尖弁、二尖弁、又は単一フラップ弁のような組織弁である。いかなる数の尖弁を使用してもよい。流れ制御要素は、当業者に良く知られた多数の処理ステップ及び補助材料を使用して形成される。
【0142】
又、流れ制御要素104は、ボール弁、カモノハシ弁、リーフレット弁、フラップ弁、ディスク・イン・ケージ型弁、ボール・イン・ケージ型弁、又は他の形式の弁であり、これは、1つ又は複数のポリマー或いはポリマーの組み合わせ、セラミック及び金属、例えば、ダクロン、テフロン、ポリウレタン、PET、又は他の適当なポリマー;チタン、ステンレススチール、ニチノール、PM35N、エルジロイ、又は他の適当な金属;ジルコニア、窒化シリコーン、又は他の適当なセラミックで形成される。弁又はその一部分は、流れ制御要素における他の弁又はその一部分に対して異なるスチフネス/柔軟性特性を含んでもよい。
【0143】
流れ制御要素104は、配置後に隔壁へのシール可能な接続を形成できるようにフランジアッセンブリ103に沿ったポイントまで延びるのが好ましい。これは、図3に特に示されており、ある実施形態において、流れ制御要素は、コアセグメントの長さを越えて延び、そして折り畳まれてコアセグメントに取り付けられ、抜き装置の開口の中心方向に延びるリップを形成することが明らかである。装置が隔壁に当接すると、このリップは、前記シール可能な接続を形成し、従って、心房間圧力抜き装置の外側表面(隔壁を向いた表面)と隔壁開口との間の通路を経て隔壁開口に血液が流れるおそれを減少することができる。流れ制御要素104は、本体要素101に取り付けられる。これは、縫合材料、例えば、シルク、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリブチルエステル、又は当業者に良く知られた他の材料を使用することにより達成することができる。ある実施形態において、流れ制御要素104は、接着接合材、例えば、シアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート、又は当業者に良く知られた他の材料を使用して、本体要素101に取り付けることができる。他の実施形態では、流れ制御要素104は、ステープル、リベット、リング、クランプ、又は当業者に良く知られた他の同様の方法を使用して、本体要素101に取り付けることができる。
【0144】
上述したように、流れ制御要素は、柔軟性/スチフネスについて選択された材料で作ることができる。心臓のサイクルで厳密に共振する緩い弁が望ましいある実施形態では、スチフネスのある材料を選択することができる。圧力差が選択された値に到達したときに弁を開くことが望まれる実施形態では、流れ制御要素の材料は、望ましい差で開くように選択及び/又は処理することができる。又、流れ制御要素それ自体のリーフレット又は区分は、可変スチフネスのエリアを含んでもよく、及び/又は流れ制御要素の他のリーフレット又はコンポーネントより柔軟性が高くても低くてもよい。
【0145】
図3は、患者の心臓の心房隔壁に植え込まれる装置を示す。図から明らかなように、コアセグメント106は、フランジ102及び103で連続的に形成され、従って、各々、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hで形成される。ここに示す実施形態では、流れ制御要素104は、コアセグメント106内に収容され、従って、本体要素101の面を越えて延びず、他の本体構造体又は周囲組織に接触しないようにそれを絶縁する。ある実施形態では、コアセグメント106は、心房間隔壁107と、この心房間隔壁107の少なくとも片側のフランジアッセンブリ102及び/又は103とを越えて突出するように延長され、そして上述したように、リップを形成するように延びる形状で形成することができる。ある実施形態では、フランジアッセンブリ102、103の端は、隔壁に対する接触面積を増加して、応力の集中を減少するように、隔壁に対して平行な角度で且つその長さの少なくとも一部分に沿って隔壁に対して横たわるように形成される。
【0146】
図4には、本発明の本体要素の実施形態が示されている。本体要素101のこの斜視図は、ある実施形態において、配置後に心房間隔壁に対する応力集中を減少するためにフランジセグメント102a−102h、103a−103hの端をそれらの遠方端115及び116においてどのように丸めるか示している。この丸められた形状は、フランジセグメントの一体的形状の一部分として容易に形成することができる。他の実施形態では、上述した実施形態と同様に、心房間隔壁に対する応力を更に減少するように、このエリアにおけるセグメントの厚みを減少することができる。又、上述した実施形態と同様に、セグメントが丸められる場合には、直径を減少して、柔軟性を高めることができる。又、上述したように、セグメントの端部には、柔軟性の高い異なる材料を使用することができる。
【0147】
フランジセグメントの端の丸められた形状は、隔壁の応力を減少するが、この主題に対して他の変更も意図される。図7Aから7Cは、フランジセグメントの端部分の形状が、他の目標の中でも、隔壁に対して低い応力を得るための構成を有する実施形態を示す。図7Aは、詰め込み構成の圧力抜き装置の実施形態の側面図である。本体要素101のコアセグメント106が示されており、この実施形態では、フランジ103及び102と一体的である。個々のフランジセグメントは、示されていないが、フランジ103は、上述したのと実質的に同様のセグメントを含むことが容易に明らかである。ここに示す実施形態では、セグメントの端に小穴又は開口がない。フランジ102は、フランジセグメントが上述した三角形又は多ストラット構成ではなくて、単一部材セグメントであるような実施形態を示す。本発明のフランジは、単一部材セグメントで構成される。規範的な単一部材は、103sと示される。この例では、例えば、各単一部材フランジセグメント(102s)の端に小穴がある。図7Bは、図7Aに示すものと同様の実施形態であって、セグメント102sの端に小穴ではなくパッドがある実施形態を示す。図7cは、セグメント102の端がパドル形状である別の実施形態を示す。他の滑らかなエッジ形状を使用することができ、そのような形状及び構成は、単一部材セグメントだけではなく、全てのフランジセグメント端に適用できることを理解されたい。これは、例えば、図2ないし7を参照して説明したフランジセグメントの端を含む。
【0148】
また、図7A−Cは、少なくとも1つのフランジセグメントが他のフランジセグメントより長い実施形態も示している。この場合も、単一部材フランジセグメントとして表されているが、その必要はなく、従って、少なくとも1つの長いセグメントをもつ構成を、ここに開示するフランジセグメント構成に適用することができる。少なくとも1つの長いフランジセグメントをもつ利益及び目的は、以下に詳細に述べる。
【0149】
ある実施形態において、フランジセグメント102a−102h、103a−103hの外端には、一体的なマーカー穴又はスロット109及び110が形成され(例えば、図3及び7に示す)、そこにはマーカー118及び119を配置することができ、従って、この装置は、x線、磁気共鳴、超音波又は他の像形成技術のような放射線写真像形成装置を使用して容易に可視化することができる。ここに開示するマーカーは、穴又は小穴をもつものだけではなく、任意のセグメントの端に適用することができる。放射線不透過マーカー118及び119は、穴にスエージ、リベット止め、又は配置及び固定し、セグメントの端と平らになる大きさにすることができる。又、マーカーは、穴をもたないセグメントの端に単純に取り付けることもできる。マーカーを有する全ての実施形態では、フランジ端115及び116は、像形成するときに、見易くなる。他の実施形態では、マーカー118及び119は、接着剤、例えば、シアノアクリレート、又はエポキシ、又は良く知られたインプラントに適した入手可能な種々の他の材料で接合することができる。マーカーは、見事なものでもよいし(例えば、図7に示すように)、或いはフランジセグメントの端と平らになるものでもよい。放射線不透過マーカー118及び119は、タンタル、タングステン、白金、イリジウム、金、それら材料の合金、或いは当業者に知られた他の材料で形成される。又、コバルト、フッ素、又は多数の他の常磁性材料、或いは当業者に知られた他のMR可視材料で構成されたマーカー118及び119を、放射線不透過材料と一緒に、又はフランジセグメントの交互の位置に組み込んで、心房間圧力抜き装置のx線及びMR像形成の両方を行うことができる。或いは又、フランジ要素102a−102h及び103a−103hの端を、同じマーカー材料で作られたホイルでラップすることができる。ある実施形態では、放射線不透過材料は、フランジセグメントに対して積層し、そして溶接プロセスを通して、或いは接着剤、例えば、シアノアクリレート、又は当業者に知られた多数の他の接着剤を使用して、接合することができる。
【0150】
流れ制御要素への本体要素に沿って取り付けサイトを位置付け且つ固定するために本体要素に縫合リング117を形成することができる。この縫合リングは、構造体に形成された円形の穴でもよいし、或いは長方形又は三角形のような他の形状であって、例えば、二次レーザー加工ステップを使用する標準加工技術によるか、又は電気−化学的エッチングで、二次ステップとして形成することもできる。好ましくは、本体要素のあるセグメントと他のセグメントとの間の接続は、疲労欠陥に対する抵抗を高めるためにできるだけ大きな半径で形成される。又、好ましくは、生物的適合性及び血液適合性を改善するために、形成された装置の全てのエッジを丸み付けするのが好ましい。
【0151】
縫合リングのパターン、及び縫合中にどのリングが選択されるかは、流れ制御要素の特性に影響し得る。例えば、流れ要素を緩く且つパタパタできるようにすることが望まれる実施形態では、縫合リングがあまり使用されず、そしてそのような実施形態では、流れ制御要素のRA側の端は、LA側よりも縫合が比較的少ない。他の実施形態では、流れ制御要素をセグメントの増加長さに対してコアセグメントに添付した状態に保ち、それにより、流れに影響する流れ制御要素の材料の量を減少することが望ましい。更に別の実施形態では、RA側における流れ制御要素の上部又は下部は、流れ制御要素の上部又は下部が他の部分より流れにより大きく影響できるように縫合される。流れが「向けられる」以下に述べる実施形態は、望ましい流れ制御要素を構成するのに有用な縫合パターンを使用することができる。
【0152】
フランジセグメントに戻ると、一実施形態において、心房間圧力抜き装置100は、心房間隔壁の各側に等しい数のフランジセグメントで構成される。ある実施形態では、コアセグメントの各側に8つのフランジセグメントがある。別の態様において、心房間圧力抜き装置の各側に等しい数の縫合リング及びフランジセグメントがある。他の実施形態では、コアセグメントの各側に7つのフランジセグメントがある。又、他の実施形態では、コアセグメントの各側に6つのフランジセグメントがある。他の実施形態では、コアセグメントの各側に5つのフランジセグメントがある。又、他の実施形態では、コアセグメントの各側に4つのフランジセグメントがある。又、他の実施形態では、コアセグメントの各側に3つのフランジがある。又、他の実施形態では、コアセグメントの各側に2つのフランジがある。又、他の実施形態では、コアセグメントの各側に1つのフランジがある。更に別の実施形態では、フランジセグメントに比してより多くのフランジセグメントがある。そして、他の実施形態では、フランジセグメントに比してより多くのフランジセグメントがある。フランジセグメントの数については、多数の変更があることが明らかであり、又、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、任意の数を使用できることが明らかであろう。
【0153】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態の本体要素が側面図で示されている。フランジセグメントは、装置がその「本来」の状態又は非配備状態にあるときに本体の片側のフランジセグメントと本体の他側のフランジセグメントの端間にギャップG(環状ギャップとも称される)を生じるように形成される。装置は、それが配備されると、組織を収容するように撓み、従って、組織がそこに位置されると、ギャップが膨張する。ある実施形態では、このギャップは、心房間隔壁の厚みより若干小さい。他の実施形態では、ギャップは、心房間隔壁の厚みより大きい。又、他の実施形態では、ギャップは、ゼロである。別の観点において、ギャップは、否定的であり、このケースでは、本体の各側のフランジセグメントは、配備されたフランジセグメントと心房間隔壁との間に更に圧力を及ぼすために互いに交差するよう形成される。又、図5には、放射線不透過マーカー118及び119も示されており、これらは、ある実施形態では、フランジセグメントの端に配置されるように示される。
【0154】
図6に示す実施形態を参照すれば、フランジセグメント102a−102hは、本体要素の反対側のフランジセグメント103a−103hと直接対向しないように方向付けされて、配置後に挟みポイントが生じないようにし、組織を傷つけるおそれを少なくする。ある実施形態では、フランジセグメント102a−102hは、フランジセグメント103a−103hの隣接端間の中間に配列される。ある実施形態では、フランジセグメント102a−102hの長さは、フランジセグメント103a−103hの長さと同様である。しかしながら、他の実施形態では、フランジセグメント102a−102hの長さは、フランジセグメント103a−103hの長さに等しく、又、フランジセグメント102a−102hの長さは、103a−103hより長く、又、フランジセグメント102a−102hの長さは、フランジセグメント103a−103hより短い。
【0155】
図7を参照すれば、放射線不透過マーカーを有する実施形態では、放射線不透過マーカー118及び119は、手順の間又はその後にx線又はMRIのような非侵襲的像形成技術でフランジセグメント102a−102h及び103a−103hの端を位置決めするために、マーカー穴109及び110に入れられる(又は穴をもたないフランジセグメントの端に置かれる)。ある実施形態において、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの外面及び内面と軸方向に平らになるように形成することができる。別の態様において、マーカー118及び119は、心房間隔壁から離れてフランジセグメント102a−102h及び103a−103hの外面を越えて軸方向に延びるように形成することができる。ある実施形態では、マーカー118及び119は、心房間隔壁に向かいフランジセグメント102a−102h及び103a−103hの内面を越えて軸方向に延びるように形成することができる。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの内面及び外面を越えて軸方向に延びるように形成される。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの内側の表面内で軸方向に引っ込むように形成される。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの外面内で軸方向に引っ込むように形成される。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの両内面及び外面内で軸方向に引っ込むように形成される。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの巾内で半径方向に延びるように形成される。ある実施形態では、マーカー118及び119は、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hの巾と平らに半径方向に延びるように形成される。
【0156】
図8を参照すれば、本発明の心房間圧力抜き装置100は、その詰め込み構成で示されている。ある実施形態において、心房間圧力抜き装置は、配置中に投与カテーテルに詰め込むために実質的に円筒形状へと潰される。フランジセグメント102a−102h及び103a−103hは、実質的に長さが等しく製造される。「詰め込み」位置は、等しい長さのフランジセグメントを有する装置のみに適用されるものではなく、ここに開示する圧力抜き装置の全ての実施形態に適用される。ここに述べるもののような、変化する長さ及び向きのフランジセグメントを有する装置は、図8に示すものと実質的に同様に詰め込むように設計される。図20に示す実施形態200では、フランジセグメント202a−202h及び203a−203hは、傾斜した角度で形成され、マーカー要素がフランジセグメントの端に固定されるときに、フランジセグメントを小さな体積へと詰め込むことができる。図21に示す実施形態300では、フランジセグメント302a−302hは、小さな体積への詰め込みを許すように交互の長さで形成される。
【0157】
図9を参照すれば、本発明の配置カテーテル111の遠方端の一実施形態が、その開放位置で示されている。内側シャフト112には、ガイドワイヤ138を収容するか或いはコントラスト又は他の液体の注入に使用するのに充分な直径の中心内腔136が形成される。一般に、内腔は、0.010”、0.011”、0.014”、0.018”、0.021”、0.028”、0.035”、0.038”、0.042”又は0.045”のガイドワイヤのためのサイズである。又、この内腔136は、当業者に良く知られた他の装置及び技術を使用してカテーテルの遠方端の圧力を測定するのにも使用できる。内腔136は、内側シャフト112の全長に延びるのが好ましい。或いは又、ガイドワイヤの内腔136は、近方方向に短い距離延び、次いで、内側シースの側部穴(図示せず)を通して延びてもよい。それに対応する側部穴(図示せず)を、内側シャフト112の側部穴の付近で外側シャフト113に設けて、内側シャフト112の中心内腔136と、外側シャフト113の外面との間に通路を形成する。このように、内側内腔136のこの遠方端から側部穴を経てガイドワイヤを通し、カテーテル111の長さの2倍未満のガイドワイヤ上で、交換中にガイドワイヤの位置を固定しながら、カテーテルを交換することができる。
【0158】
ある実施形態では、内側シャフト112には、くびれ区分120が形成され、内側シャフト112のこの区分の外面と外側シャフト113の内面との間のスペースに形成されたギャップに、折り畳まれた心房間圧力抜き装置100を収容する。内側シャフト112は、くびれ区分120の近方端に少なくとも1つの周囲溝114を含むように形成され、これは、外側シャフト113の内面との間にくぼみを形成し、又、溝の最小直径は、くびれ区分120と外側シャフト113の内面との間の空間に形成されるギャップより大きい。放射線不透過マーカー118は、フランジセグメント102a−102hの外面を越えて半径方向に延び、ある実施形態では、本発明の心房間圧力抜き装置がそれらの詰め込み構成へと折り畳まれて内側シャフト112上の位置に置かれるときに、放射線不透過マーカー118は、溝114に適合する寸法とされる。同様の大きさの他の区分が使用されてもよく、即ち溝に適合されるのは、必ずしも、放射線不透過マーカーでなくてもよい。ある実施形態では、本発明の心房間圧力抜き装置がこのように詰め込まれるとき、くびれ区分120と外側シャフト113の内面との間のギャップは、外側シース113が溝114の近方端を越えて引っ込められない限り、放射線不透過マーカー118が溝114の遠方端を越えるのを許すには充分でない。
【0159】
内側シャフト112には、くびれ区分120の遠方端に溝121が形成され、本発明の心房間圧力抜き装置の遠方端の位置の付近では、放射線不透過マーカー119(又は同様の大きさの部材)がフランジセグメント102a−102hの外面を越えて半径方向に延び、ある実施形態では、本発明の心房間圧力抜き装置がその詰め込み構成へと折り畳まれそして内側シャフト112上の位置に置かれるときに、放射線不透過マーカー119は、溝121に適合する大きさとされる。別の態様において、内側シャフト112には、くびれ区分120の近方端に周囲溝114が、そしてくびれ区分120の遠方端に周囲溝121が形成される。内側シャフトは、患者に使用するのに適した様々なポリマー又は金属、或いはポリマー及び金属の組み合わせで形成される。内側シャフトは、単一長さのPTFE、FEP、HDPE、LDPE、ポリプロピレン、アセタール、Delrin、ナイロン、Pebax、他の熱可塑性ゴム、脂肪族又は芳香族ポリウレタン、或いは当業者に良く知られた種々の他のエンジニアリング樹脂で形成される。ある実施形態において、内側シャフトは、2つ又は3つの上述したポリマーの複数の層を使用して各々の望ましい特性を合成するように製造することができる。例えば、外面は、補助的コンポーネントを内側シャフトに容易に結合できるようにポリウレタンで構成することができる。内側層は、内側シャフトに良好な潤滑性を伝達するためのPTFEである。ある実施形態では、内側シャフト及び/又は外側シャフトは、その内面及び/又は外面に、血栓形成防止又は潤滑性のような特定の特性をシャフトに伝達するコーティング材料を被覆することができる。当業者に明らかなように、これらの目的に適した多数のコーティング材料が入手できる。内側シャフトは、ビスマス塩、例えば、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ビスマストリオキシド、タングステン粉末、モリブデン粉末、或いは当業者に良く知られた他の放射線不透過剤を使用してx線透視のもとで内側シャフトの可視性を高めるために放射線不透過剤を化合させることができる。同様に、外側シースは、内側シースと同じ材料セットから、同様に且つ同じコーティングを使用して製造することができる。周囲溝ではなくフランジに関連して以下に述べる実施形態は、上述したものと実質的に同様に動作するが、装置は、溝に適合して保持される突起を必ずしももたない。
【0160】
図10を参照すれば、本発明の折り畳まれた代表的な心房間圧力抜き装置がその詰め込み位置で示され、又、本発明の配置カテーテル111がその開放位置で示されている。実際に、心房間圧力抜き装置の本体がニチノール又は他の弾力性材料で製造される場合に、配置カテーテルがその完全開放位置にあるときに、フランジセグメント102a−102h及び103a−103hは、例えば、図4に示すような形状へ自動的に復帰し、従って、この図は、くびれ区分120及び溝114、121に対する心房間圧力抜き装置100の位置を示す。放射線不透過マーカー(又は同様の大きさの部材)118は、それが心房間圧力抜き装置100の本体セグメント101の内側の厚みを越えて延びるときには、配置中に心房間圧力抜き装置100の位置を固定するために溝114内に捕獲できる突起を心房間圧力抜き装置100内に形成する。配備中に、配置カテーテル111の外側シャフト113は、心房間圧力抜き装置100の遠方端を露呈するに充分な距離引っ込み、フランジセグメント103a−103hが本体101の長手方向中心軸から半径方向に離れるように膨張するのを許す。放射線不透過マーカー118を溝114内に捕獲することにより、装置は、更なる配備をせずに容易に再配置することもできるし、又は図17に示すように配備をせずに患者から完全に引っ込めて除去することもできる。
【0161】
図11を参照すれば、本発明の心房間圧力抜き装置100は、本発明の配置カテーテル111内に完全に詰め込まれて示されている。
【0162】
図11Aは、ここに述べるものと同様に動作するが、周囲溝に関連して上述したものとは若干異なるメカニズムにより心房間圧力抜き装置に係合するよう動作する配置カテーテルの実施形態を示す。この図は、詰め込まれた心房間圧力抜き装置の概略図である。上述したように溝をもつのではなく、配置カテーテルのこの実施形態は、図示されたように、心房間圧力抜き装置の端を把持及び保持するために内側シャフトより直径が大きいフランジ又は部材3000(溝ではなく)を有する内側シャフトを備えている。図示されたように、フランジ及びそのセグメント(図中では集合的に102と称される)がボール形状のフランジ3000の周りに巻かれ、ここに述べるように心房間圧力抜き装置を配置装置と共に移動することができる。
【0163】
図12を参照すれば、本発明の配置カテーテル111が示されている。内側シャフトは、図12では溝を有するものとして示されているが、図11Aを参照して上述したようにフランジ3000を含んでもよいことに注意されたい。当業者であれば、溝が使用されるかフランジが使用されるかに関わらず、装置の動作は実質的に同様であることが明らかであろう。配置カテーテル111は、外側シャフト113に取り付けできる第1のハンドルコンポーネント128を備えている。この第1のハンドルコンポーネントは、種々の接着方法、例えば、ハンドル及び外側シャフトの両材料に対して溶媒を使用する溶媒ボンディング、外側シャフト及び第1のハンドルコンポーネントの両方に適合する溶液中の溶媒及びポリマーより成るオルガノゾル、ポリマー化接着剤、例えば、ポリウレタン、シアノクリレート、エポキシ、或いは当業者に良く知られた種々の他の接着剤を使用して、外側シャフト113に取り付けることができる。第1のハンドルコンポーネントは、種々の金属、例えば、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、或いは当業者に良く知られた多数の他の金属及び合金から製造することができる。ある実施形態において、第1のハンドルコンポーネント128は、ポリマー、例えば、ポリカーボネート、或いは種々のエンジニアリング樹脂、例えば、Lexan、又は当業者に知られた他のもので製造することができる。第1のハンドルコンポーネントは、ハンドグリップ区分124及び管状シャフト区分125を備えている。管状シャフト区分125は、そのシャフト区分に形成され又は加工されたキー溝122を含むことができる。このキー溝は、3つの直線区分、即ち第1の直線区分131、第2の直線区分132及び第3の直線区分133で形成されるのが好ましい。これらの各区分は、第1のハンドルコンポーネントの長さに沿った中心軸と主として平行な経路に沿って進行するが、キー溝の巾の少なくとも約半分だけ互いに半径方向に各々変位される。又、配置カテーテル111は、内側シース112に取り付けることのできる第2のハンドルコンポーネント129も備えている。この第2のハンドルコンポーネントは、第1のハンドルコンポーネントと同じ種々の金属及びポリマーから製造することができる。2つのハンドルは、同じ材料で製造されてもよいし、異なる材料で製造されてもよい。第2のハンドルコンポーネントは、第1のハンドルコンポーネントが外側シースに取り付けられるのと同様に且つ同じ材料を使用して内側シースに取り付けることができる。ある実施形態では、第2のハンドルコンポーネントは、セットスクリュー127を収容するためのねじ切りされた穴126を含む。セットスクリューは、第2のハンドルコンポーネントに対して内側シャフトを捕獲するためにねじることができる。又、第2のハンドルコンポーネント129は、第2のハンドグリップ区分134及び第2の管状シャフト区分130も含む。第2の管状シャフト区分は、第1のハンドルコンポーネント128のキー溝122に適合する適当な大きさで形成され又は加工されたキー123を含む。アッセンブル時には、第2のハンドルコンポーネント129は、キー溝122の形状及び長さにより制御されるように第1のハンドルコンポーネント128に対してスライド可能に移動することができる。第2のハンドルコンポーネント129が第1のハンドルコンポーネント128に対して前進するにつれて、内側シース112が外側シース113から遠方方向にスライドすることが明らかである。第2のハンドルコンポーネント129がアッセンブルされるときには、キー123が第1の直線区分131へスライドし、そして第1の直線区分131と第2の直線区分132との間に形成されたキー溝の縁に当たるまで前進されることが明らかである。第2のハンドルコンポーネント129が更に前進するためには、それを回転し、そして回転すると、更に前進することができるが、第2の直線区分132と第3の直線区分133との間に形成されたキー溝の縁にキー123が当たると、停止する。キー溝の大きさは、配置装置における他のコンポーネントの長さの組み合わせを考慮して選択されるのが好ましい。キー123が第1の直線区分131と第2の直線区分132との間に形成された近方縁に接触するときの位置として定義される第1の位置は、完全に組み立てられて心房間圧力抜き装置が配置カテーテル内のその詰め込み位置にあるときに、外側シャフト113がカテーテル配置中に望まれる心房間圧力抜き装置100の長さを完全にカバーするように、決定されるのが好ましい。又、キー溝の大きさは、キー123が第2の直線区分132と第3の直線区分133との間に形成される遠方縁に接触するときの位置として定義される第2の位置を生じるように選択することもできる。この第2の位置は、フランジセグメント103a−103hの全長を露呈するが、フランジセグメント102a−102hはカテーテルの外側シャフト113内に保持するように選択されるのが好ましい。第3の直線区分の長さは、第2のハンドルコンポーネント129が第1のハンドルコンポーネント128に対して完全に前進されたときに、心房間圧力抜き装置100の全長が外側シャフト113により露出され、そして装置が配備されたことになるように選択されるのが好ましい。この同じ目的に対して第1及び第2のハンドルコンポーネントの種々の他の構成を使用することができる。第1のハンドルコンポーネントの管状シャフト区分125及び第2のハンドルコンポーネントの管状シャフト区分130は、第1のハンドルコンポーネント128を第2のハンドルコンポーネント129へねじ込めるようにねじを切ることができる(図示せず)。或いは又、第1のハンドルコンポーネント128の第1の管状シャフト区分125にギア歯(図示せず)を形成することができ、そして第2のハンドルコンポーネント129の第2のシャフト管状区分130へギアホイール(図示せず)を合体することができる。ギアホイールは、ギア歯と噛み合うように選択されるのが好ましく、そして第2のハンドルコンポーネント129は、ギア歯を回転することにより第1のハンドルコンポーネント128に向かって前進させることができる。又、当業者に良く知られたように、第1のハンドルコンポーネントと第2のハンドルコンポーネントとの間の相対的な位置を制御するために種々の他の設計構成を使用することができる。
【0164】
図13ないし17は、本発明の心不全を処置するシステムの実施形態を示す。より詳細には、図12ないし19は、配置カテーテルをどのように患者に導入して位置付けるかを示すと共に、心房間弁を患者に配置する方法も示す。心房間圧力抜き装置100は、配置カテーテル111とは個別に予め殺菌されそしてパッケージされる。殺菌は、装置を酸化エチレンのような殺菌ガスに露出し、装置を高温に充分な時間露出し、ガンマ線又は電子ビームのようなイオン化放射線を使用し、或いは有機分子を化学的にクロスリンクする流体、例えば、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドに装置を浸漬し、次いで、殺菌水又は殺菌塩水で洗浄することにより、行うことができる。これらの殺菌方法の各々について、殺菌プロセスの結果として装置の性能に悪影響が及ばないように材料の適合性に考慮しなければならない。又、パッケージの設計及び材料は、殺菌手順、殺菌後の取り扱い及び保管、保管及び運搬中の環境への露出、手順中の取り扱い、開放、提示及び使用のし易さと共に入念に考慮しなければならない。
【0165】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置100は、前記方法又は良く知られた他の方法の1つを使用して、予め殺菌されたコンポーネントを使用してアッセンブルすることができ、そして最終的なアッセンブルは、汚染を回避するために無菌状態で行われる。
【0166】
ある実施形態において、心房間圧力抜き装置100は、無菌状態で供給されて、使用時に、前記方法の1つを使用して又は当業者に良く知られた他の方法で殺菌される。
【0167】
同様に、配置カテーテル111も、心房間圧力抜き装置100とは個別に予め殺菌されそしてパッケージされる。殺菌は、心房間圧力抜き装置100に対するものと同様の方法を使用して遂行することもできるし、又は同じ選択肢からの異なる方法を使用して、或いは当業者に良く知られた他の方法を使用して遂行することもできる。
【0168】
ある実施形態では、心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111は、予め殺菌して同じパッケージにおいて供給される。別の態様では、心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111は、予め装填され、そして予め殺菌して供給される。
【0169】
挿入の前に、心房間圧力抜き装置100は、折り畳まれそして配置カテーテル111へ詰め込まれるのが好ましい。これは、殺菌フィールドにおいて、無菌技術を使用して次のステップで遂行することができる。第1に、心房間圧力抜き装置100が殺菌フィールドへ提示され、そして配置カテーテル111が殺菌フィールドへ提示される。第2に、心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111は、ダメージ、劣化又は汚染の可視兆候について検査される。第3に、配置カテーテル111の第2のハンドルコンポーネント129が完全に引っ込められ、従って、外側シャフト113が内側シャフト112を最大許容程度まで露出させる。第4に、心房間圧力抜き装置100は、配置カテーテル111の内側シャフト113の上で正しい向きに配置され、内側シャフト113は、流れ制御要素104の中心を通して方向付けされる。第5に、フランジセグメント102a−h及び103a−hは、互いに離れるように折り畳まれ、そしてフランジセグメント102a−h及び103a−h並びにコアセグメント106は、内側シャフト112のくびれ区分120に適合するサイズ及び形状へと心房間圧力抜き装置100を折り畳むように半径方向に圧縮され、フランジセグメント102a−hの遠方端115が内側シャフト112の近方溝114と整列される。図11Aに示すフランジを含む実施形態では、フランジセグメント102a−h及び103a−hは、互いに離れるように折り畳まれ、そしてフランジセグメント102a−h及び103a−h並びにコアセグメント106は、図11Aに示すフランジ3000の上に適合するサイズ及び形状へ心房間圧力抜き装置100を折り畳むように半径方向に圧縮される。この折り畳みは、挿入ツール(図示せず)の助けで、心房間圧力抜き装置100を内側シャフト112上の詰め込み位置に保持し、次いで、詰め込まれた心房間圧力抜き装置100上で外側シャフト113を前進させ、そして挿入ツールを変位させて、外側シャフト113が心房間圧力抜き装置100を完全にカバーして内側シャフト112の遠方テーパー先端140に嵌合したままにすることで達成される。他の実施形態では、これは、片手の指を使用して、フランジセグメント102a−102hの遠方端115を内側シャフト112の溝114の位置に保持し、そしてフランジセグメント102a−102hを位置保持するに充分なほど内側シャフト112上で外側シャフト113を前進させるようにして、手で達成することができる。図11及び11Aに示すように、外側シャフト113が心房間圧力抜き装置100を完全にカバーするまで外側シャフトを次第に前進させることにより装填手順が完了される。心房間圧力抜き装置の配置に関する以下の説明は、図9ないし11に示す配置装置を一例として使用するが、配置及びそのための手順についての説明は、内側シャフトが溝ではなくフランジを含む実施形態にも適用できる。
【0170】
心房間弁100を患者に植え込む準備において装填された心房間弁100及び配置カテーテル111を配置することは、第1に、血管アクセスを得、第2に、ガイドワイヤ121を患者の右心房に配置し、第3に、導入器(図示せず)を患者の右心房に配置し、第4に、心房間隔壁を位置決めし、第5に、心房間隔壁を通して患者の左心房へ導入器を前進させ、第6に、ガイドワイヤ138を左心房へ前進させ、第7に、導入器を引っ込め、第8に、装填された配置カテーテル111及び心房間圧力抜き装置100をしかるべき位置へ前進させて、心房間圧力抜き装置100の詰め込み長さのほぼ半分及び遠方端が、図13に示すように、心房間隔壁を通して患者の左心房へ突出するようにする、ことで達成される。
【0171】
ある実施形態において、心房間弁100を患者に植え込む準備において装填された心房間弁100及び配置カテーテル111を配置することは、第1に、血管アクセスを得、第2に、患者の右心房にガイドワイヤ138を配置し、第3に、ガイドワイヤを内腔136へ挿入しそして配置カテーテル111を患者の右心房へ前進させることによりガイドワイヤ138上で装填された心房間弁100及び配置カテーテル111を前進させ、第4に、心房間隔壁を位置決めし、第5に、心房間隔壁を通して患者の左心房へ配置カテーテル111を前進させて、心房間圧力抜き装置100の詰め込み長さのほぼ半分及び遠方端が、図13に示すように、心房間隔壁を通して患者の左心房へ突出するようにする、ことで達成される。
【0172】
心房間圧力抜き装置100を患者へ植え込むことは、装填された心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111が図14に示す位置に来たときに、第1に、図15に示すように、且つx線透視又はMRIを使用してマーカー119を可視化するか或いは心エコー検査を使用することにより検証できるように、フランジセグメント103a−hが完全に露出されるまで第2のハンドルコンポーネント129を保持しながら第1のハンドルコンポーネント128を第2のハンドルコンポーネント129に向けて引っ込め、第2に、図16に示すように、且つ上述した同じ技術を使用して検証できるように、或いは配置カテーテル111の更なる近方移動に対して感じる抵抗に基づいてユーザにより認知できるように、フランジセグメント103a−hが心房間隔壁の左心房側に接触するまで部分的に配備された心房間圧力抜き装置100を患者の右心房に向けて配置カテーテル111を引っ込め、第3に、外側シース113が内側シャフト112の溝114の近方端を越えて引っ込められてフランジセグメント102a−hを露出させるまで第2のハンドル129を引っ込めることにより外側シャフト113を引っ込め続け、その際に、心房間圧力抜き装置100のフランジセグメント102a−hが配備されて、予めの装填形状に戻り、そして図18に示すように、心房間隔壁をフランジセグメント103a−hとフランジセグメント102a−hとの間に捕獲し、第4に、図19に示すように、内側シースが心房間圧力抜き装置100の流れ制御要素104を通して患者の右心房へ引っ込められ、第5に、第2のハンドルコンポーネント129が第1のハンドルコンポーネント128に向けて前進されて、内側シャフト112を、配置中にそれがあったところの外側シャフト113に対する位置へ再配置し、そして配置カテーテルを患者から除去し、手順を完了とすることにより、達成することができる。
【0173】
他の実施形態において、心房間圧力抜き装置100を患者へ植え込むことは、装填された心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111が図14に示す位置に来たときに、第1に、図15に示すように、且つx線透視又はMRIを使用してマーカー119を可視化するか或いは心エコー検査を使用することにより検証できるように、フランジセグメント103a−hが完全に露出されるまで第2のハンドルコンポーネント129を保持しながら第2のハンドルコンポーネント129を第1のハンドルコンポーネント130に向けて前進させ、第2に、図16に示すように、且つ上述した同じ技術を使用して検証できるように、或いは配置カテーテル111の更なる近方移動に対して感じる抵抗に基づいてユーザにより認知できるように、フランジセグメント103a−hが心房間隔壁の左心房側に接触するまで部分的に配備された心房間圧力抜き装置100を患者の右心房に向けて配置カテーテル111を引っ込め、第3に、外側シース113が内側シャフト112の溝114の近方端を越えて引っ込められてフランジセグメント102a−hを露出させるまで第2のハンドル129を引っ込めることにより外側シャフト113を引っ込め続け、その際に、心房間圧力抜き装置100のフランジセグメント102a−hが配備されて、予めの装填形状に戻り、そして図18に示すように、心房間隔壁をフランジセグメント103a−hとフランジセグメント102a−hとの間に捕獲し、第4に、図19に示すように、内側シースが心房間圧力抜き装置100の流れ制御要素104を通して患者の右心房へ引っ込められ、第5に、第2のハンドルコンポーネント129が第1のハンドルコンポーネント128に向けて前進されて、内側シャフト112を、配置中にそれがあったところの外側シャフト113に対する位置へ再配置し、そして配置カテーテルを患者から除去し、手順を完了とすることにより、達成することができる。
【0174】
種々の理由で、手順の任意の部分中に、患者への更なる危険又は傷害を伴うことなく、心房間圧力抜き装置100及び配置カテーテル111を除去することが必要であり又は望まれる。これは、次のように考えられる。もし、何らかの理由で、外側シャフト113が引っ込められる前に装置を除去することが望まれそしてフランジセグメント103a−hが配備される場合には、配置カテーテル111を心房間弁100と共に、導入と同じ経路を通して単に引っ込めることができる。
【0175】
フランジセグメント103a−hの配備に続いて、装置を除去することが必要であり又は望まれる場合には、第2のハンドル129を固定に保ちながら第1のハンドル128を第2のハンドル129から離すように前進させ、それにより、心房間隔壁を通りそしてフランジセグメント103a−hを経て外側シース113を遠方へ前進させることにより、心房間弁100を配置カテーテル111へと引っ込めることができる。ある実施形態では、マーカー穴109に入れられた放射線不透過マーカー118が溝114(図17)に捕獲されて、内側シャフト112のくびれ120と外側シャフト113の内面との間のギャップに適合できず、従って、外側シース113が前進されるときに、フランジセグメント103a−hは、それらの詰め込み位置に向かって内方に強制的に折り畳まれ、そして内側シャフト112上及び外側シース113内へと戻るように引っ込められる。外側シャフト113が完全に前進されると、カテーテル111は、図17に示すように引っ込められて、心房間隔壁を通り、導入と同じ経路を通して除去される。
【0176】
図19Aは、装置の回収性を向上させるように設計された本発明の実施形態を示す。装置を植え込む手順は、上述したものと実質的に同様であるが、配置カテーテル及び装置について以下に述べるような変形例がある。図7Aないし7Cに関連して述べたように、心房間圧力抜き装置の実施形態では、少なくとも1つのフランジセグメントが他のフランジセグメントより長い。図19Aに概略的に示す実施形態は、好ましくは、少なくとも1つのフランジセグメントが他のフランジセグメントより長い実施形態と共に機能し、従って、RAに示されたセグメントは、図7Aないし7Cにおける長いセグメントと同じ参照番号、即ち102Lを有する。図19Aに示す技術を使用する実施形態では、配置カテーテルの外側シース113の開口113aがある角度にされるか、或いは片側の表面積が他側より大きくされる。配置カテーテルは、手順の間に、その角度付けされた開口(又は開口自体の平面)が隔壁107に対する法線により近い角度となるように方向付けされる。図19Aに示す実施形態では、その角度は、隔壁107に対して約45°のように見えるが、隔壁に対する法線により近い角度を与えるものであれば、いかなる角度を使用してもよく、又、外側シース113の片側の表面積を他側より大きくするものであれば、いかなる開口を使用してもよい。参照番号4000ないし4050は、以下に述べるプロセスのステップを指す。このプロセスは、上述したもの、又は良く知られた配置カテーテルシステム及びプロセスについて述べたものとほぼ同様であり、それ故、該当する相違についてのみ説明する。ステップ4000ないし4020において明らかなように、配置カテーテルが位置付けられ、装置は、配備の初期段階にある。ステップ4030及び4040において、外側シース113が引っ込められてRA側に来ると(又は図示されていないが、外側シースがRA側にある間に内側シースが前進されると)、開口により、1つの長いフランジセグメント102Lを、他のフランジセグメントが配備されて隔壁107に接触した後に、配備することができる。少なくとも1つの長いフランジセグメント102Lは、外側シース113により配置カテーテルシステムに保持され、その長さは、開口のために片側の方が他側より延び、従って、他の短いセグメントが配備される間に長いセグメント102Lをカバーする。このようにして、配置カテーテルのオペレータは、心房間装置が適切な位置にあるかどうか決定することができる。もしそうでなければ、オペレータは、完全な配備の前の最後のポイントまで、即ち少なくとも1つの長いフランジセグメント(例えば、102L)が外側シース113により配置カテーテル内にまだ保持されているときに、装置をアップ方向に回復することができる。適切な位置にある場合には、配備が開始される。
【0177】
図19Bを参照して、別の配備実施形態を説明する。この配備実施形態は、ここに述べる心房間圧力抜き装置の実施形態と共に使用される。参照番号5000ないし5050は、以下に述べるプロセスのステップを指す。ステップ5000において、装置(この図では、一般的に100で示す)のLA側が心臓のLA側に配備される。更なる配備がステップ5010に示されており、外側シースが心臓のRA側へ引っ込められ、これは、流れ制御要素104が配置カテーテルを退去できるようにする。配置カテーテルには、例えば、上述した内腔136又はガイドワイヤ138と流体連通する風船が設けられる。当業者であれば、配置カテーテルシステムに風船カテーテルが設けられる他の構成が明らかであろう。LA側フランジが配備されると、又はその短時間後に、風船139が膨らまされる(ステップ5020に示す)。配置カテーテル111の引き戻し運動に任意に結合して風船を膨らますことで、装置100を隔壁107のLA側に対して保持し、それにより、装置100が配備中に追放され及び/又は隔壁から離れる方向に移動するのを防止する。ステップ5040は、風船139が膨らまされる間の装置100の完全な配備を示す。満足な配備が得られると、風船139を萎ませ、配置カテーテルシステムを除去する(ステップ5050に示す)。
【0178】
図20を参照すれば、本発明の心房間圧力抜き装置200が示されている。ある実施形態では、フランジセグメント202a−h及び203a−hは、取り扱い、折り畳み及び装填中のフランジセグメント202a−hと203a−hとの間の干渉を減少するために段階的な長さで形成することができる。ある実施形態では、放射線不透過マーカー218及び219が心房間圧力抜き装置の詰め込み位置の内部円筒形状へと突出し、そして各フランジセグメント202a−h及び203a−hは、少なくとも放射線不透過マーカー218及び219の巾だけ長さが相違する。ある実施形態では、各フランジセグメント202a−h及び203a−hは、長さが少なくとも1mm相違する。ある実施形態では、各フランジセグメント202a−h及び203a−hは、図20に示す位置における心房間圧力抜き装置200の全長の少なくとも2%だけ長さが相違する。
【0179】
図21を参照すれば、本発明の心房間圧力抜き装置300が示されている。フランジセグメント302a−h及び303a−hには、取り扱い、折り畳み及び装填中にフランジセグメント302a−hと303a−hとの間の干渉を減少させるために交互の長さで形成することができる。ある実施形態では、放射線不透過マーカー318及び319は、心房間圧力抜き装置300の詰め込み位置の内部円筒形状へと突出し、又、交互のフランジセグメント302a、c、e及びgは、少なくとも放射線不透過マーカーの巾だけ、フランジセグメント302b、d、f及びhより長く、そして対応的に、フランジセグメント303b、d、f及びhは、フランジセグメント303a、c、e及びgより長い。又、ある実施形態では、交互のフランジセグメント302a、c、e及びgは、少なくとも1mmだけ、フランジセグメント302b、d、f及びhより長く、そして対応的に、フランジセグメント303b、d、f及びhは、フランジセグメント303a、c、e及びgより長い。1つの態様において、交互のフランジセグメント302a、c、e及びgは、少なくとも図21に示す位置における心房間圧力抜き装置300の全長の2%だけ、フランジセグメント302b、d、f及びhより長く、そして対応的に、フランジセグメント303b、d、f及びhは、フランジセグメント303a、c、e及びgより長い。
【0180】
図22及び23を参照すれば、本発明の一体的な血栓フィルタ及び回収円錐442を伴う心房間圧力抜き装置の本体要素401が示されている。ある実施形態では、円錐ストラット444は、取り付けポイント446において本体要素401に固定され、そして頂点450において収斂する。ある実施形態では、円錐ストラット444は、フランジセグメント402及び403と同様の材料の単一ビームで構成され、そして本体要素に取り付けられるか、又は本書に述べる技術を使用して本体要素と同時に形成され、従って、装置の他部分と一体にされる。ある実施形態では、隣接するストラット444間のスペースは、約2mmである。又、ある実施形態では、隣接するストラット444間のスペースは、約4mmである。明らかなように、円錐ストラット444は、植え込みの後に患者の右心房へ突出し、そして円錐ストラット間のスペースは、隣接ストラット444間のスペースより大きな固体材料の通過を阻止するように機能する。これは、隣接ストラット444間のスペースより大きな塞栓物が右心房から左心房へ通過するのを防止するという機能を果たす。
【0181】
図22及び23を再び参照すれば、ある実施形態において、円錐ストラット444の形状は、直線ではない。ある実施形態では、円錐ストラット444の形状は、図22に示すように、一端から見たときに凹状である。ある実施形態では、円錐ストラットは、頂点450と取り付けポイント446との間に形成された弦から離れる方向にカーブしている。又、ある実施形態では、回収ワナ(図示せず)を受け入れるに充分な大きさの穴451が頂点450を通して設けられる。円錐ストラット444及び頂点450は、次のような方法を使用して植え込み手順後のある時点で患者から心房間圧力抜き装置を回収する上で助けとなるように使用できることが明らかである。即ち、少なくとも頂点450と同程度の大きさの内腔をもつカテーテル管を、標準的技術及び像形成装置を使用して患者の右心房へ入れることができる。回収ワナは、約180°鋭く曲げられたガイドワイヤの近方端から製造することができ、このワナは、カテーテル管を通して挿入し、そして穴451を通るか又は円錐ストラット444の周りを前進されるx線透視装置の助けで患者の右心房へと前進させることができる。回収ワナがこのように係合されると、ワナに若干の張力を保持しながらカテーテル管を前進させて、頂点450を経て円錐ストラット444へカテーテル管をガイドすることにより、心房間圧力抜き装置を引っ込めることができる。ワナに若干の張力を掛けてカテーテル管を前進し続けるときに、円錐ストラットを内方に強制し、フランジセグメント402の内方の折り畳みを強制的に開始することができる。円錐ストラットがほぼ完全にカテーテル管に入ると、カテーテル管を固定位置に保持し、それに対してワナのワイヤを引っ込めることができ、それにより、円錐ストラット444とフランジセグメント402との間の取り付けポイント446をカテーテルへと引っ込めさせる。フランジセグメント402は、この時点でカテーテルへの引っ込めを開始し、そしてフランジセグメント402の遠方端は、患者の左心房に向かって転換されるが、内方にカテーテルへと折り畳まれもする。フランジセグメント402がカテーテル管の内部に入ると、ワナを固定保持することができ、そしてカテーテル管は、心房間隔壁を通りフランジセグメント403を経て更に前進させることができる。フランジセグメント403がカテーテルへ引っ込められると、カテーテル及びワナを一緒に移動させて、心房間圧力抜き装置を患者の右心房へそしてそれが導入された通路を通して引っ込めることができる。
【0182】
図24及び25を参照すれば、心房間圧力抜き装置500の別の実施形態が示されている。ある実施形態において、流れ制御要素504は、リーフレット541a−cで構成される。本体要素501は、コアセグメント506、及びフランジセグメント502a−l及び503a−l(図25では完全に見えない)で構成され、フランジセグメントの数は、リーフレットの数の倍数である。この構成は、流れ制御リーフレットに対する歪の対称性を改善し、且つ血液流の変化に対する流れ制御要素による動きの均一性も改善する。
【0183】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、そしてコアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、12である。ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、そしてコアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、9である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、そして各側におけるフランジセグメントの数は、6である。
【0184】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、そして各側におけるフランジセグメントの数は、3である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、9である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、6である。
【0185】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、3である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、9であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、6である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、9であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、3である。
【0186】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、3であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、6であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、3である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、12である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、10である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、8である。
【0187】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、6である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、4である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの各側におけるフランジセグメントの数は、2である。
【0188】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、10である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、8である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、6である。
【0189】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、4である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、12であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、10であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、8である。
【0190】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、10であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、6である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、10であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、4である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、10であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。
【0191】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、10であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、8であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、6である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、8であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、4である。
【0192】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、8であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、6であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、4である。又、ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、6であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。
【0193】
ある実施形態において、流れ制御要素を構成するリーフレットの数は、2であり、コアセグメントの片側におけるフランジセグメントの数は、4であり、そしてコアセグメントの他側におけるフランジセグメントの数は、2である。
【0194】
図26は、コアセグメント106が円形ではなく卵型であり、従って、コアセグメントが単純な円筒ではなく、類円筒又は楕円円筒である別の実施形態を示す。この実施形態は、流体制御要素に対して二尖(又は「カモノハシ」、二弁、又は2リーフレット)構成を促進する。カモノハシ構成は、一般的に、この図では流れ制御要素104と称される。本発明者は、二弁構成は、類円筒の形状においてコアセグメントと結合されたときに、より完全に開放できることが分かった。
【0195】
図27及び27Aは、隔壁に対してより安全に適合するための中間フランジセグメントを有する心房間装置の別の実施形態を示す。ある実施形態において、中間フランジセグメントは、他のフランジの1つと同じ隔壁側に位置される別の第3の環状フランジの一部分である。参照番号6000ないし6040は、このような実施形態の配備におけるステップを指し、この実施形態の有用性及び動作を例示するためにこの実施形態の構造上の特徴に関連して説明する。配備プロセスは、上述したものと同様であり、且つ一般的に知られたカテーテルベースの投与プロセスと同様であり、従って、このプロセスの詳細は、ここでは述べない。ステップ6000ないし6020は、ここに述べたものと同様に進められる配備プロセスステップを示す。ステップ6030において、中間(又は第3)環状フランジの中間フランジセグメント602及び604は、RA側に配備される。この実施形態では、中間フランジセグメント602及び604は、RA側フランジの大半のフランジセグメントより短い。従って、セグメント602及び604は、他の長いセグメントの前に配備され、そして長いセグメントの接触ポイントより隔壁開口に接近したポイントにおいて隔壁107に接触する。このようにして、中間セグメント602及び604(並びにそれらが構成するフランジ)は、装置の安定性を高める。いかなる数の中間セグメントを使用してもよいが、少なくとも2つであるのが好ましい。他の実施形態と同様に、中間セグメントのスチフネスは、隔壁へのダメージを回避するために装置の他のフランジセグメントとは異なるように変更され、即ち低いスチフネス/高い柔軟性とされるか、或いは安定性を高めるように変更され、即ち高いスチフネス/低い柔軟性とされる。このスチフネス/柔軟性変化の選択は、望ましい目標に対してバランスをとらねばならない。
【0196】
図27Aは、図27に関連して説明する実施形態の側面図である。図27Aにおいて、圧力抜き装置は、その詰め込み構成にある。フランジ102及び103は、それらを構成するフランジセグメント(個々に指示されていないフランジセグメント)で示される。コアセグメントは、この場合も、106で示される。コアセグメント106の端と、RA側フランジセグメント102の近方端との間のポイントにおいて、中間セグメント(全体的に600で示す)が出て来る。中間セグメントは、上述したように、圧力抜き装置と一体的でもよいし又はそれに取り付けられてもよい。
【0197】
他の実施形態において、流れ制御要素は、血液流を望ましい方向に向けるように構成される。図28Aないし28Cは、このような実施形態を示す。図28Aにおいて、心房間装置100は、図1に示すものと同様に、心臓の心房隔壁107に植え込まれて示されている。流れ制御要素104は、この図に示すように、上大静脈を向いた方向を狙うように構成される。図28B及び28Cは、望ましい方向に流れを向けることのできる実施形態を詳細に示す。図28Bに示すように、流れ制御要素は、下向きの角度で、対応する方向に延びるバッフル状のフランジ104aを備えている。使用に際して、このような実施形態は、流れを下方に向ける。図28Cは、流れを上方に向ける実施形態を示す。本発明の弁材料(例えば、リーフレットの材料)は、流れを導くようなサイズとされて装置100に固定される。例えば、流れ制御要素は、開口が流れの方向を指すようなカーブした管状部材を含んでもよいし、又は流れ制御要素は、当該エリアに向けられた開口を備えてもよい。バッフルを伴う実施形態では、バッフル104aのスチフネスを変更してもよく、例えば、スチフネスを上げてもよい。又、バッフルの長さは、望ましい流れ方向に基づいて変更することもできる。バッフルは、流れ制御要素に取り付けられる個別の部材でもよいし、又は流れ制御要素の材料で及び/又は流れ制御要素の残り部分と一体的に形成されてもよい。
【0198】
図29AないしCは、流れ制御要素104の出口プロフィール形状を示す。これらの図において、流れ制御要素104は、RA側から見たものであり、従って、流れの方向は、紙面に実質的に直角の角度で紙面から出て来る方向であることが理解される。流れ制御要素がここに述べる弁である場合には、それらの出口プロフィール形状を得るための折り畳み及び縫合パターンを使用することができる。他の実施形態では、流れ制御要素の端に、図示された二次元形状を画成する開口を有するプレート又は部分的円錐台形端部片が設けられる。当業者であれば、他の出口プロフィール形状を作り上げてもよいことが明らかであろう。出口プロフィール形状を選択することで、流れを導き、トロンビンが隔壁分割部を横切って移動するのを防止し、及び/又は周囲組織への傷害を減少するという効果を与える。
【0199】
本発明の別の実施形態が図30に示されている。この実施形態では、装置のコアセグメント106及びフランジ102、103は、上述したものと実質的に同様である。上述した流れ制御要素に代わって(又はそれに加えて)、管状部材700がコアセグメント106に固定される。管状部材700は、管のRA端が軸方向にRAへ延びることができるようにコアセグメント106に取り付けられ、従って、管の長さは、RAへの距離を延長するに充分なものでなければならない。このように構成された管700は、塞栓粒子が管に入って隔壁分割部を横切ってLAに至るのを防止する。管700がRAへ延びそしてRA側のフランジ開口(点線で示す)の平面を越えて延びる距離は、好ましい実施形態では、少なくとも1mmでなければならないが、2cmまでである。比較的短い長さでも(例えば、管がRAへ数mmしか延びない場合)本発明者は、通過する塞栓粒子が減少するという予期せぬ意外な結果に注目した。これは、一部分は、塞栓粒子が隔壁の表面に沿って収集されて、各心臓サイクルで隔壁開口(又は植え込まれた装置の開口)に向かって移動する傾向があるためである。隔壁開口107から離れて延びることにより、管は、隔壁開口に向かって移動して、おそらくそれを通過する塞栓粒子に対する有効なバリアを与える。
【0200】
以上、本発明の規範的な実施形態を説明したが、本開示は、一例としてなされたものに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、本発明の具現化の細部に多数の変更がなされ得ることが理解されよう。
【符号の説明】
【0201】
LA:左心房
RA:右心房
100:心房間圧力抜き装置
101:本体要素
102、103:フランジ
104:流れ制御要素
106:コアセグメント
107:心房間隔壁
109、110:マーカー穴又はスロット
111:配置カテーテル
112:内側シャフト
113:外側シャフト
114:周囲溝
115、116:遠方端
117:縫合リング
118、119:放射線不透過マーカー
120:くびれ区分
122:キー溝
123:キー
124:ハンドグリップ区分
125:管状シャフト区分
128:第1のハンドルコンポーネント
129:第2のハンドルコンポーネント
136:内腔
138:ガイドワイヤ
2000:ギャップ
3000:フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心臓状態を処置する装置において、
a.本体要素を備え、この本体要素は、
i.通路を画成する円筒状コアセグメント、
ii.複数のフランジセグメントより成る第1の環状フランジ、及び
iii.複数のフランジセグメントより成る第2の環状フランジ、
を含み、少なくとも1つの前記フランジセグメントの少なくとも一部分は、前記少なくとも1つのフランジセグメント及び前記円筒状コアセグメントの少なくとも1つの別の部分より高い柔軟性及び低い柔軟性の少なくとも一方である、装置。
【請求項2】
前記一部分は、前記少なくとも1つのフランジセグメント及び前記円筒状コアセグメントの前記少なくとも1つの別の部分とは異なる材料で構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一部分は、前記少なくとも1つのフランジセグメント及び前記円筒状コアセグメントの前記少なくとも1つの別の部分より大きさが小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
2つの側部を有しそして前記コアセグメントに取り付けられた流れ制御要素を更に備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記流れ制御要素は、前記流れ制御要素の前記2つの側部の間に圧力差が生じたときに開放する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記流れ制御要素は、前記通路を通して高圧力のエリアから低圧力のエリアへ流体を通流できるようにする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記圧力差は、少なくとも2mmHgである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のフランジセグメントの各々は、放射線不透過マーカーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コアセグメントは、複数の縫合穴を含み、そして前記流れ制御要素は、選択された数の前記縫合穴に縫合される、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記選択された数の縫合穴は、前記流れ制御要素の入口及び出口プロフィールの少なくとも一方を画成する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コアセグメントは、前記患者の心臓の心房隔壁に配置されるものであり、前記隔壁は、第1及び第2の表面を含み、前記第1の環状フランジは、前記心房隔壁の前記第1の表面に係合するようにされ、そして前記第2の環状フランジは、前記心房隔壁の前記第2の表面に係合するようにされる、請求項4に記載の装置。
【請求項12】
前記流れ制御要素は、前記コアセグメントの内面に取り付けられ、前記フランジセグメントの少なくとも1つへと部分的に延び、そして前記心房隔壁の前記表面の少なくとも1つへのシール可能な接触を与えるようにされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記流れ制御要素は、弁である、請求項4に記載の装置。
【請求項14】
前記弁は、少なくとも2つのリーフレットを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも2つのリーフレットのうちの少なくとも1つは、他のリーフレットより柔軟性が高い、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
患者の心臓の心房隔壁へ植え込まれる、患者の心臓状態を処置する装置において、
本体要素を備え、この本体要素は、
通路を画成する円筒状コアセグメント、
実質的に同様の長さを有しそして前記心房隔壁の第1の表面に係合するようにされる複数のフランジセグメントより成る第1の環状フランジ、
実質的に同様の長さを有しそして前記心房隔壁の第2の表面に係合するようにされる複数のフランジセグメントより成る第2の環状フランジ、及び
前記第1の環状フランジの前記複数のフランジセグメントの長さより短い実質的に同様の長さを有する複数のフランジセグメントより成る第3の環状フランジであって、この第3の環状フランジの前記複数のフランジセグメントも、前記心房隔壁の前記第1の表面に係合するようにされる第3の環状フランジ、
を含むものである、装置。
【請求項17】
2つの側部を有しそして前記コアセグメントに取り付けられる流れ制御要素を更に備えた、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記流れ制御要素は、前記流れ制御要素の前記2つの側部の間に圧力差が生じたときに開放する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記流れ制御要素は、前記通路を通して高圧力のエリアから低圧力のエリアへ流体を通流できるようにする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記圧力差は、少なくとも2mmHgである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記複数のフランジセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、放射線不透過マーカーを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記コアセグメントは、複数の縫合穴を含み、そして前記流れ制御要素は、選択された数の前記縫合穴に縫合される、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記縫合穴は、前記流れ制御要素の望ましい入口及び出口プロフィールの少なくとも1つに基づいて選択される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記選択された数の縫合穴は、前記流れ制御要素の入口及び出口プロフィールの少なくとも一方を画成する、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記流れ制御要素は、前記コアセグメントの内面に取り付けられ、前記フランジセグメントの少なくとも1つへと部分的に延び、そして前記心房隔壁の前記表面の少なくとも1つへのシール可能な接触を与えるようにされる、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記流れ制御要素は、弁である、請求項17に記載の装置。
【請求項27】
前記弁は、少なくとも2つのリーフレットを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも2つのリーフレットのうちの少なくとも1つは、他のリーフレットより柔軟性が高い、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
患者の心臓状態を処置する装置において、
a.本体要素を備え、この本体要素は、
i.通路を画成する円筒状コアセグメント、
ii.実質的に同様の長さを有する複数のフランジセグメントより成る第1の環状フランジ、及び
iii.実質的に同様の長さを有する複数のフランジセグメントより成る第2の環状フランジ、
を含み、前記第2の環状フランジは、実質的に同様の長さを有する前記複数のフランジセグメントより長い少なくとも1つのフランジセグメントを更に含む、装置。
【請求項30】
2つの側部を有しそして前記コアセグメントに取り付けられた流れ制御要素を更に備えた、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記流れ制御要素は、前記流れ制御要素の前記2つの側部の間に圧力差が生じたときに開放する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記流れ制御要素は、前記通路を通して高圧力のエリアから低圧力のエリアへ流体を通流できるようにする、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記圧力差は、少なくとも2mmHgである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記複数のフランジセグメントの各々は、放射線不透過マーカーを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項35】
前記コアセグメントは、複数の縫合穴を含み、そして前記流れ制御要素は、選択された数の前記縫合穴に縫合される、請求項30に記載の装置。
【請求項36】
前記縫合穴は、前記流れ制御要素の望ましい入口及び出口プロフィールの少なくとも1つに基づいて選択される、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記選択された数の縫合穴は、前記流れ制御要素の入口及び出口プロフィールの少なくとも一方を画成する、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記コアセグメントは、前記患者の心臓の心房隔壁に配置されるものであり、前記隔壁は、第1及び第2の表面を含み、前記第1の環状フランジは、前記心房隔壁の前記第1の表面に係合するようにされ、そして前記第2の環状フランジは、前記心房隔壁の前記第2の表面に係合するようにされる、請求項30に記載の装置。
【請求項39】
前記流れ制御要素は、前記コアセグメントの内面に取り付けられ、前記フランジセグメントの少なくとも1つへと部分的に延び、そして前記心房隔壁の前記表面の少なくとも1つへのシール可能な接触を与えるようにされる、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記流れ制御要素は、弁である、請求項30に記載の装置。
【請求項41】
前記弁は、少なくとも2つのリーフレットを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも2つのリーフレットのうちの少なくとも1つは、他のリーフレットより柔軟性が高い、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
患者の心臓状態を処置する装置を配備するための方法であって、配備中に前記装置を回収する能力を改善する方法において、
植え込み可能な装置を配置装置内に収容し、前記植え込み可能な装置は、実質的に同様の長さを有する複数のセグメントと、それら複数のセグメントより長い少なくとも1つの延長セグメントとを含むものであり、
実質的に同様の長さを有する前記複数のセグメントを配備し、
前記複数のセグメントが配備される間に前記少なくとも1つの延長セグメントを保持する、
ことを含む方法。
【請求項44】
前記装置が正しく配置されたことを決定し、
前記決定の際に前記少なくとも1つの延長セグメントを配備する、
ことを更に含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記装置が正しく配置されなかったことを決定し、
前記決定に基づいて前記保持された少なくとも1つの延長セグメントを引っ込めることにより前記装置を前記配置カテーテルへ回収する、
ことを含む請求項43に記載の方法。
【請求項46】
患者の心臓状態を処置する装置のための投与システムであって、配備中に前記装置を回収する能力を改善する投与システムにおいて、
配置カテーテルを備え、これは、
外側シース、及び
前記外側シース内に位置されそして植え込み可能な装置に係合するようにされる内側シャフト、
を含み、前記内側シャフトと共同する前記外側シースは、前記外側シースが前記係合された植え込み可能な装置をカバーするときに前記係合された植え込み可能な装置を前記配置カテーテル内に収容するようにされ、
前記植え込み可能な装置は、
実質的に同様の長さを有する複数のフランジセグメント及びそれら複数のフランジセグメントより長い少なくとも1つの延長フランジセグメントを含む第1の環状フランジであって、前記フランジセグメントが配備の際に前記配置カテーテルに実質的に垂直な方向に延びるような第1の環状フランジ、及び
実質的に同様の長さを有する複数のフランジセグメント及びそれら複数のフランジセグメントより長い少なくとも1つの延長フランジセグメントを含む第2の環状フランジであって、前記フランジセグメントが配備の際に前記配置カテーテルに実質的に垂直な方向に延びるような第2の環状フランジ、
を備え、前記第1の環状フランジの前記少なくとも1つの延長フランジセグメントは、前記第2の環状フランジの前記少なくとも1つのフランジセグメントが配備されるときに、前記配置カテーテル内に保持される、投与システム。
【請求項47】
前記外側シースは、ある角度の開口を含む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記ある角度の開口は、前記第2の環状フランジの前記少なくとも1つのフランジセグメントが配備されたときに前記第1の環状フランジの前記少なくとも1つの延長フランジセグメントを前記配置カテーテル内に保持するための前記シースの一部分をなす、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
患者の心臓の心房隔壁へ植え込まれて、患者の心臓状態を処置する装置において、
本体要素を備え、これは、
通路を画成する円筒状コアセグメント、
前記心房隔壁の第1の表面に係合するようにされた第1の環状フランジ、
前記心房隔壁の第2の表面に係合するようにされた第2の環状フランジ、
前記通路内の管より成りそして前記環状フランジを越えて心臓の隔壁へ至る距離だけそれを通して軸方向に延びるようにされた流れ制御要素、
を含むものである、装置。
【請求項50】
前記環状フランジの少なくとも1つは、放射線不透過マーカーを含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記距離は、少なくとも1mmである、請求項49に記載の装置。
【請求項52】
前記距離は、少なくとも3mmである、請求項49に記載の装置。
【請求項53】
前記距離は、少なくとも1cmである、請求項49に記載の装置。
【請求項54】
患者の心臓の心房隔壁へ植え込まれて、患者の心臓状態を処置する装置において、
本体要素を備え、これは、
通路を画成する、実質的に類円筒のコアセグメント、
前記心房隔壁の第1の表面に係合するようにされた第1の環状フランジ、
前記心房隔壁の第2の表面に係合するようにされた第2の環状フランジ、
前記コアセグメントに取り付けられた弁を含む流れ制御要素、
を含むものである、装置。
【請求項55】
前記弁は、カモノハシ弁である、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記弁は、少なくとも2つのリーフレットを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項57】
前記流れ制御要素は、2つの側部を含み、そして前記流れ制御要素の前記2つの側部間に圧力差が生じたときに開放する、請求項49に記載の装置。
【請求項58】
前記流れ制御要素は、前記通路を通して高圧力のエリアから低圧力のエリアへ流体を通流できるようにする、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記圧力差は、少なくとも2mmHgである、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記複数のフランジセグメントの各々は、放射線不透過マーカーを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項61】
前記流れ制御要素は、前記コアセグメントの内面に取り付けられ、前記フランジセグメントの少なくとも1つへと部分的に延び、そして前記心房隔壁の前記表面の少なくとも1つへのシール可能な接触を与えるようにされる、請求項54に記載の装置。
【請求項62】
前記弁は、少なくとも2つのリーフレットを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項63】
前記少なくとも2つのリーフレットのうちの少なくとも1つは、他のリーフレットより柔軟性が高い、請求項54に記載の装置。
【請求項64】
患者の心臓の心房隔壁へ植え込んで、患者の心臓状態を処置する装置において、
本体要素を備え、これは、
通路を画成するコアセグメント、
前記心房隔壁の第1の表面に係合するようにされた第1の環状フランジ、
前記心房隔壁の第2の表面に係合するようにされた第2の環状フランジ、及び
前記コアセグメントに取り付けられた流れ制御要素であって、血液流を選択された方向に向けるように構成されたバッフルを含む流れ制御要素、
を含むものである、装置。
【請求項65】
前記バッフルは、前記選択された方向に延びる、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記バッフルは、前記心臓の隔壁の1つへ延びる、請求項64に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図27A】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−179388(P2012−179388A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115258(P2012−115258)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2012−508495(P2012−508495)の分割
【原出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(511262418)ディーシー ディヴァイシーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】